JP4521857B2 - インクジェット記録用インク、記録方法および記録装置 - Google Patents

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Description

本発明はインクジェット記録方法に用いるのに適したインクジェット記録用インクに関する。また、本発明は、このインクを用いた記録方法および記録装置に関する。
従来のインクジェットプリンターではローラが記録紙を挟んで送りを行っている。用紙の排出側には用紙の浮きを抑えスムーズに排紙できるよう排紙コロ(拍車とも呼ばれる)が設けられているが、記録部分を排紙コロが通過して定着が十分でないインクを擦ることにより汚れが発生する場合がある。この擦りによる汚れを防ぐため鋭利な突起を持つ円盤状のコロが使用されている。鋭利な突起は接触面積が少ないため、記録部分を擦ることによる汚れは解決できるが記録用紙を傷付けやすい。特に光沢紙のような表面が平滑な用紙においては、鋭利な突起が食い込むことによって跡が残ることが多い。また、従来のインクジェットプリンターでは、排紙ローラと排紙コロが記録用紙を挟むことで搬送を行っているため、搬送精度を上げるために数多くのコロを必要とした。従って、コロ跡が目立つという欠点があった。
インクジェット記録方式ではインクを用紙に付着させるため、画像を形成すると用紙はインクに含まれる水分によって伸びる現象がある。この現象をコックリングと呼んでいる。このコックリングによって用紙は波打ち、ヘッドのノズルと用紙表面の位置が場所場所で変化する。このコックリングの程度が大きくなると、最悪の場合用紙がヘッドのノズル面と接触して、ヘッドのノズル面を汚したり、用紙自身も汚れてしまって画像品質が低下し、加えてコックリングの影響でインク滴の着弾位置がずれてしまうこともある。従って、優れた画像を得るためには、コックリングによる用紙の浮き等を抑えて平面性を維持しながら用紙を搬送することが要求される。
そこで、用紙の平面性を維持しコロ跡を残さず優れた画像を形成するための搬送手段として、無端状の帯電ベルトを備え、帯電ベルト表面を帯電して用紙を静電吸着させるインクジェット記録装置が提案されている。この状態で帯電ベルトを周回させることで用紙を搬送することにより、用紙の帯電ベルトからの浮き上がりを防止して、高い平面性の維持が可能となる。
しかし、この紙を静電吸着させ搬送する方法は、用紙が水分を含むことで静電ベルトとの吸着面の表面抵抗が下がると、ベルト上の電荷が相殺されてしまい吸着力の低下を招くという欠点がある。すなわち多湿環境下において水分を多く含むインクを紙全面に印字した場合、紙の含水量が多くなり吸着力の低下を招いてしまう。
特許文献1には、無端状のベルト表面を帯電することによって用紙を給送する手段が提案されているが、インク組成に関しては記されていない。静電吸着による用紙搬送とインク処方、特に水分量、湿潤剤量との関係は重要である。インクに含まれる水分量が多いと、ベタ画像などインク付着量が多い印字の場合、ベルトに対する用紙の吸着力が低下したりコックリングを発生したりして搬送不良がおきやすくなる。装置に加熱手段を設け、用紙を乾燥させることで搬送性を維持することも提案されているが、この手法では装置が複雑になり、また余分な電力を必要とするという短所がある。
特許第3307472号公報
本発明の目的は、簡単な装置構成で優れた搬送性を有し、かつ高濃度で滲みの少ない優れた画質を形成するインクおよびこのインクを用いた記録装置、記録方法を提供することにある。
先に述べたように、水分を多く吸収した紙は水分を吸収していない紙に比べて表面抵抗が低下し、静電吸着力が劣る。温湿度環境による紙の吸湿による影響もあるが、水分を多く含むインクを紙全体にベタ印字した場合、特に静電吸着力が低下することがわかった。ベタ印字の際に打ち込み量を制御する方法もあるが、それでは印字画像濃度も抑制されてしまう。高い画像濃度を保ちつつ、搬送ベルトへの吸着力を確保するためには、インク処方中の水分量を減らすことが好ましい。
インク中の水分を減らすと、粘度が上昇して吐出が困難になったりノズルが乾き易くなったりするなど、著しく印字信頼性が低下するが、本発明者らは、湿潤剤を添加し、インク中の水と湿潤剤量を調整することでインクの乾燥を防ぎ、安定した吐出が可能となることを初めて見出し、本発明に至った。
上記課題を解決するための本発明の構成は次の通りである。
(1)無端状の搬送ベルト表面を帯電させて用紙を搬送し、記録ヘッドから液滴を吐出して前記用紙に画像を記録する画像記録装置において、少なくとも水、水不溶または難溶性の色材、湿潤剤、浸透剤及び界面活性剤を含み、インク総重量を100wt%としたときの水添加量が65wt%以下、湿潤剤添加量が20wt%以上であるインクジェット記録用インクを用いて記録することを特徴とするインクジェット記録方法
(2)前記インクジェット記録用インクの25℃における粘度が7〜20mPa・sであることを特徴とする請求項1記載のインクジェット記録方法
(3)前記インクジェット記録用インクの表面張力が40mN/m以下であることを特徴とする請求項1又は2記載のインクジェット記録方法
(4)前記湿潤剤が、グリセリン、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、テトラエチレングリコール、1,6−ヘキサンジオール、2−メチル−2,4−ペンタンジオール、ポリエチレングリコール、1,2,4−ブタントリオール、1,2,6−ヘキサントリオール、チオジグリコール、2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、N−ヒドロキシエチル−2−ピロリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノンの中から選ばれた少なくとも1種であることを特徴とする上記(1)〜(3)のインクジェット記録方法
(5)前記浸透剤として炭素数6以上、11以下のジオールを含有することを特徴とする上記(1)〜(4)のインクジェット記録方法
(6)前記界面活性剤としてノニオン系界面活性剤を含み、該ノニオン系界面活性剤がアセチレングリコール系界面活性剤、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル及びポリエチレン−ポリプロピレン共重合体から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする上記(1)〜(5)のインクジェット記録方法
)帯電ローラに±1.2kV〜±2.6kVのACバイアスを加えて搬送ベルトを帯電させることを特徴とする上記(1)〜(6)のインクジェット記録方法
本発明のインクを用いることにより次の効果が得られる。
高濃度で優れた画像の印字が可能となる。
コックリングによる搬送不良がなく、コロによる記録画像汚れのない優れた搬送性を与えることができる。
乾燥時間や乾燥のための装置など特別な手段を設けることなく、すばやく用紙を反転して裏面に印字が可能となる。
まず、本発明のインクジェット記録用インクを構成する成分およびその組成について述べる。
インク総量を100wt%としたとき水の添加量は、好ましくは30 wt%以上65 wt%以下、さらに好ましくは45wt%以上62wt%以下である。インク中の水量が30wt%より少ないと、インク粘度が高く吐出困難となり、65wt%よりも多いと、吸着力が用紙搬送に必要な15Nを下回る。
インク総量を100としたときの湿潤剤の添加量は、好ましくは20wt%以上55wt%以下、さらに好ましくは25wt%以上45wt%以下である。インク中の湿潤剤量が20wt%よりも少ないと、ノズルが詰まり吐出不良を発生しやすくなり、55wt%を上回るとインク粘度が高くなり吐出困難となる。
湿潤剤の具体的な例としては、例えば以下のものが挙げられる。
エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、テトラエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、グリセロール、1,2,6−ヘキサントリオール、1,2,4−ブタントリオール、1,2,3−ブタントリオール、2−メチル−2,4−ペンタンジオール、ペトリオール等の多価アルコール類;
エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、テトラエチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル等の多価アルコールアルキルエーテル類;
エチレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールモノベンジルエーテル等の多価アルコールアリールエーテル類;
2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、N−ヒドロキシエチル−2−ピロリドン、1,3−ジメチルイミイダゾリジノン、ε−カプロラクタム、γ−ブチロラクトン等の含窒素複素環化合物;
ホルムアミド、N−メチルホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド等のアミド類;
モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、モノエチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン等のアミン類;
ジメチルスルホキシド、スルホラン、チオジエタノール、チオジグリコール等の含硫黄化合物類;
プロピレンカーボネート、炭酸エチレン等。
これら有機溶媒の中でも、特にグリセリン、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、テトラエチレングリコール、1,6−ヘキサンジオール、2−メチル−2,4−ペンタンジオール、ポリエチレングリコール、1,2,4−ブタントリオール、1,2,6−ヘキサントリオール、チオジグリコール、2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、N−ヒドロキシエシル−2−ピロリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノンが好ましい。これらは溶解性と水分蒸発による噴射特性不良の防止に対して優れた効果が得られる。
本発明インクは、従来のインクジェットインクよりも水分量が少なく高粘度であることを特徴としている。例えば特開平6−93218号公報や特開平5−59314号公報の実施例に記載されているインクの粘度は3mPa・s以下であるのに対し、本発明インクは7〜20mPa・sである。この高粘度インクは、用紙上にインク滴が着弾した際広がりにくく、顔料が留まりやすいため、滲みが少なく、発色性が良好な画像を形成することができる。
本発明インクの好ましい態様は、インク組成が着色剤、湿潤剤、アニオンまたはノニオン系界面活性剤、炭素数6以上、11以下のポリオールまたはグリコールエーテル、防腐剤、pH調整剤および水から成るものである。
着色剤としては、例えば、油溶性染料、分散染料等の染料や、顔料等が挙げられる。本発明では、耐水性、耐侯性が良好である顔料を用いる。
本発明に用いられる顔料はブラック顔料としてのカーボンブラックが挙げられ、カラー顔料としては、アントラキノン、フタロシアニンブルー、フタロシアニングリーン、ジアゾ、モノアゾ、ピラントロン、ペリレン、複素環式イエロー、キナクリドンおよび(チオ)インジゴイドを含む。フタロシアニンブルーの代表的な例は銅フタロシアニンブルーおよびその誘導体(ピグメントブルー15)を含む。
キナクリドンの代表的な例はピグメントオレンジ48、ピグメントオレンジ49、ピグメントレッド122、ピグメントレッド192、ピグメントレッド202、ピグメントレッド206、ピグメントレッド207、ピグメントレッド209、ピグメントバイオレット19およびピグメントバイオレット42を含む。
アントラキノンの代表的な例はピグメントレッド43、ピグメントレッド194(ペリノンレッド)、ピグメントレッド216(臭素化ピラントロンレッド)およびピグメントレッド226(ピラントロンレッド)を含む。
ピレリンの代表的な例はピグメントレッド123(ベルミリオン)、ピグメントレッド149(スカーレット)、ピグメントレッド179(マルーン)、ピグメントレッド190(レッド)、ピグメントバイオレット、ピグメントレッド189(イエローシェードレッド)およびピグメントレッド224を含む。
チオインジゴイドの代表的な例はピグメントレッド86、ピグメントレッド87、ピグメントレッド88、ピグメントレッド181、ピグメントレッド198、ピグメントバイオレット36およびピグメントバイオレット38を含む。複素環式イエローの代表的な例はピグメントイエロー117およびピグメントイエロー138を含む。他の適切な着色顔料の例は、The Colour Index、第三版(The Society of Dyers and Colourists,1982)に記載されている。
更に本発明においては、分散剤で水性媒体中に分散させて得られた顔料を併用することも可能である。好ましい分散剤としては、従来公知の顔料分散液を調製するのに用いられる公知の分散剤を使用することができ、例えば以下のものが挙げられる。
ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、アクリル酸−アクリロニトリル共重合体、酢酸ビニル−アクリル酸エステル共重合体、アクリル酸−アクリル酸アルキルエステル共重合体、スチレン−アクリル酸共重合体、スチレン−メタクリル酸共重合体、スチレン−アクリル酸−アクリル酸アルキルエステル共重合体、スチン−メタクリル酸−アクリル酸アルキルエステル共重合体、スチレン−α−メチルスチレン−アクリル酸共重合体、スチレン−α−メチルスチレン−アクリル酸共重合体−アクリル酸アルキルエステル共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、ビニルナフタレン−マレイン酸共重合体、酢酸ビニル−エチレン共重合体、酢酸ビニル−脂肪酸ビニルエチレン共重合体、酢酸ビニル−マレイン酸エステル共重合体、酢酸ビニル−クロトン酸共重合体、酢酸ビニル−アクリル酸共重合体等。
これらの共重合体は重量平均分子量が3,000〜50,000であるのが好ましく、より好ましくは5,000〜30,000、最も好ましくは7,000〜15,000である。分散剤の添加量は、顔料を安定に分散させ、本発明の他の効果を失わせない範囲で適宣添加されて良い。分散剤としては顔料を1とした場合に、1:0.06〜1:3の範囲が好ましく、より好ましくは1:0.125〜1:3の範囲である。
本発明においては、ブラックインクには、少なくとも一種の親水性基がカーボンブラックの表面に直接若しくは他の原子団を介して結合した分散剤を使用することなく安定に分散させることができる自己分散型カーボンブラックを用いる。この結果、従来のインクの様に、カーボンブラックを分散させるための分散剤が不要となる。本発明で使用する自己分散型カーボンブラックとしては、イオン性を有するものが好ましく、アニオン性に帯電したものやカチオン性に帯電したものが好適である。
アニオン性親水性基としては、例えば、−COOM、−SOM、−POHM、−PO、−SONH、−SONHCOR(但し、式中のMは水素原子、アルカリ金属、アンモニウム又は有機アンモニウムを表わし、Rは炭素原子数1〜12のアルキル基、置換基を有してもよいフェニル基又は置換基を有してもよいナフチル基を表わす。)等が挙げられる。本発明においては、これらの中で、特に、−COOM、−SOMがカーボンブラック表面に結合されたものを用いることが好ましい。
ブラックインクには、樹脂エマルジョンを添加することができる。樹脂エマルジョンとは、連続相が水であり、分散相が次の様な樹脂成分であるエマルジョンを意味する。分散相の樹脂成分としてはアクリル系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、スチレン−ブタジエン系樹脂、塩化ビニル系樹脂、アクリル−スチレン系樹脂、アクリルシリコン系樹脂、ブタジエン系樹脂、スチレン系樹脂などがあげられる。樹脂エマルジョンの添加量は、インクを100wt%としたとき内割りで0.1〜40wt%となるよう含有するのが好ましく、より好ましくは1〜25wt%の範囲である。樹脂エマルジョンは、増粘・凝集する性質を持ち、着色成分の浸透を抑制し、さらに記録材への定着を促進する効果を有する。また、樹脂エマルジョンの種類によっては記録材上で皮膜を形成し、印刷物の耐擦性をも向上させる効果を有する。
本発明では界面活性剤を使用することで記録紙への濡れ性を改善することができる。好ましい界面活性剤としては界面ポリオキシエチレンアルキルエーテル酢酸塩、ジアルキルスルホ琥珀酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロック共重合体、アセチレングリコール系界面活性剤が挙げられる。より具体的にはアニオン系界面活性剤としてはポリオキシエチレンアルキルエーテル酢酸塩、及び/または炭素鎖が5〜7の分岐したアルキル鎖を有するジアルキルスルホ琥珀酸を用いることで普通紙に対する特性も改善され更に着色剤の溶解・分散安定性が得られる。
本発明において用いられる界面活性剤の例を構造式によって示すと次の通りである。
Figure 0004521857
本発明における表面張力は紙への浸透性を示す指標であり、特に表面形成されて1秒以下の短い時間での動的表面張力を示し、飽和時間で測定される静的表面張力とは異なる。測定法としては特開昭63−312372号公報等に記載の従来公知の方法で1秒以下の動的な表面張力を測定できる方法であればいずれも使用できるが、本発明ではWilhelmy式の吊り板式表面張力計を用いて測定した。表面張力の値は40mN/m以下が好ましく、より好ましくは35mN/m以下とすると優れた定着性と乾燥性が得られる。
本発明において浸透剤として用いる炭素数6以上、11以下のポリオールとしては2−エチル−1,3ヘキサンジオール及び2,2,4−トリメチル1,3ペンタンジオールが挙げられる。添加量は好ましくは0.1〜20wt%、さらに好ましくは0.5〜10wt%の範囲で添加される。添加量が下限未満であるとインクの紙への浸透性が劣り、搬送時にコロで擦られて汚れが発生したり、両面印字のため反転させる際搬送ベルトにインクを付着させて汚れが発生したりして、高速印字や両面印字に対応できない。添加量が上限を超えると印字ドット径が大きくなり、文字の線幅が広くなったり画像鮮明度が低下したりする。
本発明のインクは浸透性が高くすばやく用紙にインクが吸収されるので、高速印字の際、すなわち乾燥時間が殆どない状態でコロが載ったり用紙を反転させたりしても、画像の汚れを発生させることなく優れた画像を提供できる。
本発明のインクには上記着色剤、溶媒、界面活性剤の他に従来より知られている添加剤を加えることができる。
このような添加剤としては防黴剤や防錆剤、pH調整剤などが挙げられる。
防黴剤として1,2−ベンズイソチアゾリン3−オンを使用することで、保存安定性及び吐出安定性等の信頼性を確保しつつ、防黴効果に優れるインクが提供できる。特に本発明の湿潤剤との組み合わせにおいては、従来は菌や黴の発生を抑制することが難しいとされる添加量であっても充分に効果を発揮させることができ、添加量を抑制することによって、粒子の凝集やインクの増粘といった現象を防止することができるので、長期間に渡ってインクの性能を発揮させることが可能になる。1,2−ベンズイソチアゾリン3−オンの添加量としては有効成分量としてインク全量の0.01〜0.04重量部含有が好ましい。0.01重量部未満であると、防黴性がやや低下する。0.04部以上の場合は、インクを長期間(例えば、室温の場合で2年、50〜60℃の場合で1〜3ヶ月)保管したときに粒子の凝集が起こったり、インク粘度が初期粘度の50%〜100%増になったりして長期保存安定性の問題が発生し、初期のプリント性能を維持できなくなる。
pH調整剤としては、調合されるインクに悪影響を及ぼさずにpHを7以上に調整できるものであれば、任意の物質を使用することができる。
その例として、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等のアミン、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属元素の水酸化物、水酸化アンモニウム、第4級アンモニウム水酸化物、第4級ホスホニウム水酸化物、炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等のアルカリ金属の炭酸塩等が挙げられる。
キレート試薬としては、例えば、エチレンジアミン四酢酸ナトリウム、ニトリロ三酢酸ナトリウム、ヒドロキシエチルエチレンジアミン三酢酸ナトリウム、ジエチレントリアミン五酢酸ナトリウム、ウラミル二酢酸ナトリウム等がある。
防錆剤としては、例えば、酸性亜硫酸塩、チオ硫酸ナトリウム、チオジグリコール酸アンモン、ジイソプロピルアンモニウムニトライト、四硝酸ペンタエリスリトール、ジシクロヘキシルアンモニウムニトライト等がある。
また、インクの目的に応じて水溶性紫外線吸収剤、水溶性赤外線吸収剤等を添加することができる。
次に、本発明のインクを用いて記録する記録方法及び記録装置について説明する。
本発明において用いるインクジェット記録装置は、図1に示すように、装置本体101と、装置本体101に装着した用紙を装填するための給紙トレイ102と、装置本体101に装着され画像が記録(形成)された用紙をストックするための排紙トレイ103とを備えている。そして、装置本体101の上カバー111の上面は略平坦な面であり、装置本体101の前カバーの前面112が上面に対して斜め下後方に傾斜し、この傾斜した前面112の下方側に、前方(手前側)に突き出した排紙トレイ103及び給紙トレイ102を備えている。
さらに、前面112の一端部側には、前面112から前方側に突き出し、上カバー111よりも低くなった箇所にインクカートリッジ装填部104を有し、このインクカートリッジ装填部104の上面に操作キーや表示器などの操作部105を配置している。このインクカートリッジ装填部104にはインクカートリッジ1の脱着を行うための開閉可能な前カバー115を有している。
装置本体101内には、図2及び図3に示すように、図示しない左右の側板に横架したガイド部材であるガイドロツド131とステー132とでキヤリッジ133を主走査方向に摺動自在に保持し、図示しない主走査モータによって移動走査する。
このキヤリッジ133には、イエロー(Y)、シアン(C)、マゼンタ(M)、ブラック(Bk)の各色のインク滴を吐出する4個のインクジェットヘッドからなる記録ヘッド134を複数のインク吐出口を主走査方向と交叉する方向に配列し、インク滴吐出方向を下方に向けて装着している。
記録ヘッド134を構成するインクジェットヘッドとしては、圧電素子などの圧電アクチュエータ、発熱抵抗体などの電気熱変換素子を用いて液体の膜沸騰による相変化を利用するサーマルアクチュエータ、温度変化による金属相変化を用いる形状記憶合金アクチュエータ、静電力を用いる静電アクチュエータなどをインクを吐出するためのエネルギー発生手段として備えたものなどを使用することができる。
また、キヤリッジ133には、記録ヘッド134に各色のインクを供給するための各色のサブタンク135を搭載している。このサブタンク135に、図示しないインク供給チューブを介して、インクカートリッジ装填部104に装填された本発明に係るインクカートリッジ1からインクが補充供給される。
一方、給紙トレイ103の用紙積載部(圧板)141上に積載した用紙142を給紙するための給紙部として、用紙積載部141から用紙142を1枚づつ分離給送する半月コロ(給紙コロ)143及び給紙コロ143に対向し、摩擦係数の大きな材質からなる分離パッド144を備え、この分離パッド144は給紙コロ143側に付勢されている。
そして、この給紙部から給紙された用紙142を記録ヘッド134の下方側で搬送するための搬送部として、用紙142を静電吸着して搬送するための搬送ベルト151と、給紙部からガイド145を介して送られる用紙142を搬送ベルト151との間で挟んで搬送するためのカウンタローラ152と、略鉛直上方に送られる用紙142を略90°方向転換させて搬送ベルト151上に倣わせるための搬送ガイド153と、押さえ部材154で搬送ベルト151側に付勢された先端加圧コロ155とを備えている。また、搬送ベルト151表面を帯電させるための帯電手段である帯電ローラ156を備えている。
ここで、搬送ベルト151は、無端状ベルトであり、搬送ローラ157とテンションローラ158との間に掛け渡されて、ベルト搬送方向に周回するように構成している。この搬送ベルト151は、例えば、抵抗制御を行っていない純粋な厚さ40μm程度の樹脂材、例えばETFEピュア材で形成した用紙吸着面となる表層と、この表層と同材質でカーボンによる抵抗制御を行った裏層(中抵抗層、アース層)とを有している。
また、搬送ベルト151の裏側には、記録ヘッド134による印写領域に対応してガイド部材161を配置している。
さらに、記録ヘッド134で記録された用紙142を排紙するための排紙部として、搬送ベルト151から用紙142を分離するための分離爪171と、排紙ローラ172及び排紙コロ173とを備え、排紙ローラ172の下方に排紙トレイ103を備えている。
搬送ベルトに吸着した記録用紙を、上から排紙コロが押さえるようにして排紙が行われる。基本的に記録用紙の搬送は、搬送ベルトと搬送ローラによって行われており、実施のプリンターにおける排紙コロは、紙の浮きを抑える等の補助的な役割を示している。従って従来のインクジェットプリンターと比べて格段にコロの数を減らすことが可能となり、記録画像の汚れや傷を減らすことが可能となった。
また、装置本体101の背面部には両面給紙ユニット181が着脱自在に装着されている。この両面給紙ユニット181は搬送ベルト151の逆方向回転で戻される用紙142を取り込んで反転させて再度カウンタローラ152と搬送ベルト151との間に給紙する。また、この両面給紙ユニット181の上面には手差し給紙部182を設けている。
両面印字を行う際は、表面の印刷が終了した直後に待ち時間なしで、用紙は両面給紙ユニットへと搬送され反転する。本発明のインクは用紙への浸透性が高く、水分が少ないため蒸発も速く乾燥時間やヒーターなどの乾燥手段を設けなくても、印字画像を汚すことなく反転が可能である。
このように構成したインクジェット記録装置においては、給紙部から用紙142が1枚ずつ分離給紙され、略鉛直上方に給紙された用紙142はガイド145で案内され、搬送ベルト151とカウンタローラ152との間に挟まれて搬送され、更に先端を搬送ガイド153で案内されて先端加圧コロ155で搬送ベルト151に押し付けられ、略90°搬送方向を転換される。
このとき、帯電ローラ156によって搬送ベルト157が帯電されており、用紙142は搬送ベルト151に静電吸着されて搬送される。そこで、キヤリッジ133を移動させながら画像信号に応じて記録ヘッド134を駆動することにより、停止している用紙142にインク滴を吐出して1行分を記録し、用紙142を所定量搬送後、次の行の記録を行う。記録終了信号又は用紙142の後端が記録領域に到達した信号を受けることにより、記録動作を終了して、用紙142を排紙トレイ103に排紙する。
帯電ベルトにACバイアスを加え、搬送ベルトに正と負の電荷を一定ピッチで交互に帯電させ、断続的に発生する微小電界により生じる静電力で記録紙を搬送ベルトに吸着している。印加するACバイアスの好ましい範囲は、±1.2kV〜±2.6kV、更に好ましくは±1.6kV〜±2.4kVである。ACバイアスの値が下限以下であると十分な吸着力が得られず、上限以上だとインクがノズルから吐出する際に発生する微小な滴が、電荷の影響を受けて紙に着弾せずにヘッドに舞い戻ってヘッド周辺を汚してしまう。微小な滴が受ける電荷の影響については、インクの電気特性が関与する。すなわち、インクの電気伝導度が大きい程吐出した滴が電荷の影響を受けやすくなるので、インクの電気伝導度を抑える必要がある。
そして、サブタンク135内のインクの残量ニアーエンドが検知されると、インクカートリッジ1から所要量のインクがサブタンク135に補給される。
〔実施例〕
以下に本発明の実施例および比較例を示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、実施例に記載の各成分の量は重量基準である。
[調製例1]ポリマー溶液の調製
攪拌機、温度計、窒素ガス導入管、還流管および滴下漏斗を備えた1Lのフラスコ内を十分に窒素ガス置換した後、スチレン11.2g、アクリル酸2.8g、ラウリルメタクリレート12.0g、ポリエチレングリコールメタクリレート4.0g、スチレンマクロマー4.0gおよびメルカプトエタノール0.4gを仕込み、65℃に昇温した。次にスチレン100.8g、アクリル酸25.2g、ラウリルメタクリレート1008.0g、ポリエチレングリコールメタクリレート36.0g、ヒドロキシエチルメタクリレート60.0g、スチレンマクロマー36.0g、メルカプトエタノール3.6g、アゾビスジメチルバレロニトリル2.4gおよびメチルエチルケトン18gの混合液を2.5時間かけてフラスコ内に滴下した。滴下後、アゾビスメチルバレロニトリル0.8g及びメチルエチルケトン18gの混合溶液を0.5時間かけてフラスコ内に滴下した。65℃で1時間熟成した後、アゾビスジメチルバレロニトリル0.8gを添加し、更に1時間熟成した。
反応終了後、フラスコ内にメチルエチルケトン364gを添加し、濃度50%のポリマー溶液800gを得た。
[参考例1]フタロシアニン顔料含有ポリマー微粒子分散体の調製
調製例1で作成したポリマー溶液28gとフタロシアニン顔料26g、1mol/Lの水酸化カリウム溶液13.6g、メチルエチルケトン20g、イオン交換水30gを十分に攪拌した後、三本ローロミルを用いて混練した。得られたペーストをイオン交換水200gに投入し、十分に攪拌した後、エバポレーターを用いてメチルエチルケトンおよび水を留去し、フタロシアニン顔料含有ポリマー微粒子分散体を得た。
ポリマー微粒子分散体のマイクロトラックUPAで測定した平均粒子径(D50%)は93nmであった。
[参考例2]自己分散型カーボンブラック分散体の調製
CTAB比表面積が150m/g、DBP吸油量100ml/100gのカーボンブラック90gを、2.5N規定の硫酸ナトリウム溶液3000mlに添加し、温度60℃、速度300rpmで攪拌し、10時間反応させ酸化処理を行った。この反応液を濾過し、濾別したカーボンブラックを水酸化ナトリウム溶液で中和し、限外濾過を行った。得られたカーボンブラックを水洗いし乾燥させ、20wt%となるよう純水中に分散させた。自己分散型カーボンブラックのマイクロトラックUPAで測定した平均粒子径(D50%)は98nmであった。
下記処方のインク組成物を作成し、pHが9になるように水酸化リチウム10%水溶液にて調製した。その後、平均孔径0.8μmのメンブレンフィルターで濾過を行いインク組成物を得た。
参考例1のフタロシアニン顔料含有ポリマー微粒子 8.0%(固形分として)
グリセリン 8.0%
ジエチレングリコール24.0
2−ピロリドン 5.0
2,2,2−トリメチル−1,3−ペンタンジオール 2.0%
ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル 2.0%
防黴剤 0.01%
イオン交換水 50.99%
下記組成物を用いる以外は実施例1と同様にし、pHを水酸化ナトリウムで9にしてインク組成物を調製した。
参考例2の自己分散カーボンブラック分散体 10.0%
グリセリン 8.0%
1,6−ヘキサンジオール 22.0%
2−ピロリドン 2.0%
2−エチル−1,3−ヘキサンジオール 2.0%
アセチレングリコール系界面活性剤 2.0%
防黴剤 0.01%
イオン交換水 50.99%
下記組成物を用いる以外は実施例1と同様にし、pHを水酸化ナトリウムで9にしてインク組成物を調製した。
参考例2の自己分散カーボンブラック分散体 10.0%
グリセリン 8.0%
1,3−ブタンジオール 25.0%
2−ピロリドン 2.0%
2−エチル−1,3−ヘキサン 2.0%
ポリオキシエチレンアルキル 2.0%
防黴剤 0.01%
イオン交換水 50.99%
[比較例1]
下記組成物を用いる以外は実施例1と同様にし、pHを水酸化リチウムで9にしてインク組成物を調製した
参考例1のフタロシアニン顔料含有ポリマー微粒子 6.0%
グリセリン 5.0%
ジエチレングリコール 14.0%
2−ピロリドン 1.0%
2,2,2−トリメチル−1,3−ペンタンジオール 2.0%
ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル 2.0%
防黴剤 0.01%
イオン交換水 69.99%
[比較例2]
下記組成物を用いる以外は実施例1と同様にし、pHを水酸化リチウムで9にしてインク組成物を調製した。
参考例1のフタロシアニン顔料含有ポリマー微粒子 11.0%
グリセリン 5.0%
ジエチレングリコール 13.0%
2−ピロリドン 1.0%
2,2,2−トリメチル−1,3−ペンタンジオー 3.0%
アセチレングリコール系界面活性剤 3.0%
防黴剤 0.01%
イオン交換水 63.99%
[比較例3]
下記組成物を用いる以外は実施例1と同様にし、pHを水酸化リチウムで9にしてインク組成物を調製した。
参考例1のフタロシアニン顔料含有ポリマー微粒子 6.0%
グリセリン 6.0%
ジエチレングリコール 16.0%
2−ピロリドン 1.0%
2,2,2−トリメチル−1,3−ペンタンジオール 2.0%
ポリオキシエチレンアルキルエーテル酢酸塩 2.0%
防黴剤 0.01%
イオン交換水 69.99%
[比較例4]
下記組成物を用いる以外は実施例1と同様にし、pHを水酸化リチウムで9にしてインク組成物を調製した。
参考例1のフタロシアニン顔料含有ポリマー微粒子 8.0%
グリセリン 8.0%
ジエチレングリコール 24.0%
2−ピロリドン 5.0%
2,2,2−トリメチル−1,3−ペンタンジオール 2.0%
防黴剤 0.01%
イオン交換水 52.99%
[比較例5]
下記組成物を用いる以外は実施例1と同様にし、pHを水酸化リチウムで9にしてインク組成物を調製した。
参考例1のフタロシアニン顔料含有ポリマー微粒子 8.0%
グリセリン 8.0%
ジエチレングリコール 24.0%
2−ピロリドン 5.0%
アセチレングリコール系界面活性剤 2.0%
防黴剤 0.01%
イオン交換水 52.99%
[評価]
1)画像の鮮明性
図1〜3に示したプリンターに、実施例1〜3、比較例1〜5に記載のインクを充填してType6200紙((株)NBSリコー製)に600dpiの解像度で印字を行った。印字乾燥後、二色重ね境界部分の滲み(ブリード)、画像滲み(フェザリング)を目視にて評価した。また、反射型カラー分光測色濃度計(X−Rite社製)を用いて画像濃度を測定した。
下記に示すような評価基準で評価した結果を、インクの物性値と共に表1に示した。
(ブリード、フェザリングの評価基準)
○:滲みの発生がなく鮮明な画像である
△:一部にひげ状の滲みが発生している
×:文字の輪郭がはっきりしないほど滲みが発生している
Figure 0004521857
2)吸着力・搬送性
図1〜3に示したプリンターに、実施例1〜3、比較例1〜3に記載のインクを充填してType6200((株)NBSリコー製)に600dpiの解像度でベタ印字を行った。帯電ローラに加える電圧(印加バイアス)は2.0kVとした。この時の打ち込み量は2.1mg/cmであった。
印字後、ベルトに吸着した用紙を搬送方向に引っ張り、デジタルフォースゲージを用いて吸着力の測定と搬送ベルト表面電位を表面電位計(トレック社製)の測定を行った。
同条件で100枚連続ベタ印字を行い、給紙不良の発生率で搬送性を評価した。
搬送性の評価基準は以下の通りとした。
(搬送性の評価基準)
○:100枚中給紙不良発生なし
△:100枚中給紙不良発生1〜5枚
×:100枚中給紙不良発生6枚以上
評価結果を表2に示した。
Figure 0004521857
3)両面印刷性
図1〜3に示したプリンターに、実施例1〜3、比較例1〜5に記載のインクを充填してType6200((株)NBSリコー製)に600dpiの解像度で印字を行った。片面に印字を行った直後に専用のユニットを介して用紙を反転させ、裏面に印字を行った。これを連続100枚実施し、反転させる際浸透していないインクを擦って発生する用紙汚れと、反転後の搬送性を評価した。反転時および反転後の用紙の汚れ評価基準及び反転後の搬送性の評価基準は次の通りである。
評価結果を表3に示した。
(反転時の用紙汚れ評価基準)
◎:反転時に擦れて発生するインク汚れが全くみられない
○:反転時に擦れて薄くインクが付着するものが1〜5枚
△:反転時に擦れてインクが付着するものが6〜10枚
×:反転時に擦れてインクが付着するものが11枚以上
(反転後の搬送性評価基準)
2)の搬送性の評価基準と同様
Figure 0004521857
4)排紙コロと搬送性・画像汚れ
図1〜3に示したプリンターに、実施例1、2、比較例1〜5に記載のインクを充填してType6200((株)NBSリコー製)に600dpiの解像度で印字を行った。この際、プリンターに取り付けられている排紙コロの個数をなし、4個、8個、16個と変えてそれぞれ100枚ずつ連続印字を行い、搬送性と、排紙の際コロに画像が擦れて発生する汚れの状態、コロ跡残りを評価した。評価結果を表4に示した。
評価基準は次の通りとした。
(搬送性の評価基準)
上記2)の搬送性と同様
(排紙コロによる画像汚れの評価基準)
○:排紙コロに画像が擦れて発生する汚れが全くみられない
△:排紙コロに画像が擦れて発生する汚れが10枚未満
×:排紙コロに画像が擦れて発生する汚れが10枚以上
(排紙コロ跡残りの評価基準)
○:コロによって紙表面に傷がついたり、跡が残ったりしない
△:コロによって紙表面に傷がつくか跡が残るものが10枚未満
×:コロによって紙表面に傷がつくか跡が残るものが10枚以上
Figure 0004521857
本発明のインクは、簡単な構成の装置においても優れた搬送性を有し、かつ高濃度で滲みの少ない優れた画質を形成することができるので、インクジェット記録装置用のインクとしての利用性が高い。
インクジェット記録装置のインクカートリッジ装填部のカバーを開いた状態の斜視説明図 インクジェット記録装置の全体構成を説明する概略構成図
符号の説明
1 インクカートリッジ
101 装置本体
102 給紙トレイ
103 排紙トレイ
104 インクカートリッジ装填部
105 操作部
111 上カバー
112 前カバーの前面
115 前カバー
131 ガイドロツド
132 ステー
133 キヤリッジ
134 記録ヘッド
135 サブタンク
141 用紙積載部(圧板)
142 用紙
143 給紙コロ
144 分離パッド
145 ガイド
151 搬送ベルト
152 カウンタローラ
153 搬送ガイド
154 押さえ部材
155 先端加圧コロ
156 帯電ローラ
157 搬送ローラ
158 テンションローラ
161 ガイド部材
171 分離爪
172 排紙ローラ
173 排紙コロ
181 両面給紙ユニット
182 手差し給紙部

Claims (7)

  1. 無端状の搬送ベルト表面を帯電させて用紙を搬送し、記録ヘッドから液滴を吐出して前記用紙に画像を記録する画像記録装置において、少なくとも水、水不溶または難溶性の色材、湿潤剤、浸透剤及び界面活性剤を含み、インク総重量を100wt%としたときの水添加量が65wt%以下、湿潤剤添加量が20wt%以上であるインクジェット記録用インクを用いて記録することを特徴とするインクジェット記録方法
  2. 前記インクジェット記録用インクの25℃における粘度が7〜20mPa・sであることを特徴とする請求項1記載のインクジェット記録方法
  3. 前記インクジェット記録用インクの表面張力が40mN/m以下であることを特徴とする請求項1又は2記載のインクジェット記録方法
  4. 前記湿潤剤が、グリセリン、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、テトラエチレングリコール、1,6−ヘキサンジオール、2−メチル−2,4−ペンタンジオール、ポリエチレングリコール、1,2,4−ブタントリオール、1,2,6−ヘキサントリオール、チオジグリコール、2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、N−ヒドロキシエチル−2−ピロリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノンの中から選ばれた少なくとも1種であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のインクジェット記録方法
  5. 前記浸透剤として炭素数6以上、11以下のジオールを含有することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のインクジェット記録方法
  6. 前記界面活性剤としてノニオン系界面活性剤を含み、該ノニオン系界面活性剤がアセチレングリコール系界面活性剤、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル及びポリエチレン−ポリプロピレン共重合体から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のインクジェット記録方法
  7. 帯電ローラに±1.2kV〜±2.6kVのACバイアスを加えて搬送ベルトを帯電させることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載のインクジェット記録方法
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