以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
[第一実施例]
多種の画像形成機能を融合する本発明の第一実施例に係る画像形成装置(以下、融合機と言う)は、例えば、図1に示すような機能構成を成す。図1は、本発明の第一実施例に係る多種の画像形成機能を融合する融合機の機能構成を示すブロック図である。
図1において、融合機1200は、プリンタ処理を行うためのハードウェア資源であるプロッタ1321と、スキャナ処理を行うためのハードウェア資源であるスキャナ1324と、その他ハードウェアリソース1203などを有するとともに、プラットフォーム1220とアプリケーション1230とから構成されるソフトウェア1210と、起動部1240とを備えている。
起動部1240は、融合機1200の電源投入時に先ず始めに実行され、プラットフォーム1220やアプリケーション1230を起動する。
API(Application Program Interface)1205は、アプリケーション1230とプラットフォーム1220とのインターフェイスを提供する。プラットフォーム1220は、API1205を介して通知されるアプリケーション1230からの処理要求を解釈して、ハードウェア資源の獲得要求を発生させる下記に示すコントロールサービス1250と、一または複数のハードウェア資源の管理をおこない、コントロールサービス1250からの獲得要求を調停するシステムリソースマネージャー(SRM(System Resource Manager)1223)と、OS1221とを有する。
このコントロールサービス1250は、複数のサービスモジュールにより形成され、具体的には、SCS(System Control Service)1222と、ECS(Engine Control Service)1224と、MCS(Memory Control Service)1225と、OCS(Operation panel Control Service)1226と、FCS(FAX Control Service)1227と、NCS(Network Control Service)1228と、IMH(Imaging Memory Handler)1229とがある。
OS1221は、UNIX(登録商標)などのオペレーティング・システムであり、プラットフォーム1220並びにアプリケーション1230の各ソフトウェアをそれぞれプロセスとして並列実行する。オープンソースのUNIX(登録商標)を用いることにより、プログラムの安全性を確保できるとともに、ネットワーク対応可能となり、ソースコードの入手も容易となる。さらに、OS、TCP/IPのロイヤリティが不要であり、アウトソーシングも容易となる。
SRM1223は、SCS1222とともにシステムの制御およびリソースの管理をおこなうものであり、スキャナ1324やプロッタ1321などのエンジン部、メモリ、HDDファイル、ホストI/O(セントロI/F、ネットワークI/F、IEEE1394I/F、RS232CI/Fなど)のハードウェア資源を利用する上位層からの要求にしたがって調停をおこない、実行制御する。
具体的には、このSRM1223は、要求されたハードウェア資源が利用可能であるかどうか(他の要求により利用されていないかどうか)を判断し、利用可能であれば要求されたハードウェア資源が利用可能である旨を上位層に伝える。また、上位層からの要求に対してハードウェア資源の利用スケジューリングをおこない、要求内容(たとえば、プリンタエンジン(プロッタ1321)による紙搬送と作像動作、メモリ確保、ファイル生成など)を直接実施するようにしてもよい。
SCS1222は、アプリ管理(機能1)、操作部制御(機能2)、システム画面表示(ジョブリスト画面、カウンタ表示画面など)(機能3)、LED表示(機能4)、リソース管理(機能5)、割り込みアプリ制御(機能6)等の複数の機能を行なう。具体的には、アプリ管理(機能1)では、アプリの登録と、その情報を他のアプリに通知する処理をおこなう。操作部制御(機能2)では、アプリの操作部使用権の排他制御をおこなう。システム画面表示(機能3)では、操作部使用権を持つアプリからの要求内容に応じて、エンジン部の状態に対応する警告画面の表示をおこなう。LED表示(機能4)では、警告LED、アプリキーなどのシステムLEDの表示制御をおこなう。リソース管理(機能5)では、アプリ(ECS)がジョブを実行するにあたって、排他しなければならないエンジンリソース(スキャナ、ステープルなど)の排他制御のためのサービスをおこなう。割り込みアプリ制御(機能6)では、特定のアプリを優先動作させるための制御及びサービスをおこなう。
ECS1224は、プロッタ1321と、スキャナ1324と、その他ハードウェアリソース1203などのエンジン部を制御するものであり、画像読み込みと印刷動作、状態通知、ジャムリカバリなどをおこなう。
MCS1225は、メモリ制御をおこなうものであり、具体的には、画像メモリの取得および開放、ハードディスク装置(HD)の利用、画像データの圧縮および伸張などをおこなう。
OCS1226は、オペレータと本体制御間の情報伝達手段となる操作パネルを制御するモジュールであり、オペレータのキー操作イベントを本体制御に通知する処理、各アプリがGUIを構築するためのライブラリ関数を提供する処理、構築されたGUI情報をアプリ別に管理する処理、操作パネル上への表示反映処理などをおこなう。
FCS1227は、システムコントローラの各アプリ層からPSTN/ISDN網を使ったファクシミリ送受信、BKM(バックアップSRAM)で管理されている各種ファクシミリデータの登録/引用、ファクシミリ読み取り、ファクシミリ受信印刷、融合送受信をおこなうためのAPI1205を提供する。
NCS1228は、ネットワークI/Oを必要とするアプリケーションに対して共通に利用できるサービスを提供するためのモジュール群であり、ネットワーク側から各プロトコルによって受信したデータを各アプリケーションに振り分けたり、アプリケーションからデータをネットワーク側に送信する際の仲介をおこなう。NCS1228は、例えば、少なくとも、ネットワークを介して接続された機器との通信を行うためのhttpd(Hypertext Transfer Protocol Daemon)2と、画像入出力インターフェイスに関するファイルをファイル転送するためのFTP(File Transfer Protocol)3とを有する。
IMH1229は、イメージデータを仮想メモリ領域から物理メモリ領域へマップする。プロセスの起動に応じて、システムコールを行ない、プロセス用の仮想メモリ領域をマップしたり、マップした仮想メモリ領域をプロセスの終了時に開放する処理等を行なう。
アプリケーション1230は、ページ記述言語(PDL)、PCLおよびポストスクリプト(PS)を有するプリンタ用のアプリケーションであるプリンタアプリ1211と、コピー用アプリケーションであるコピーアプリ1212と、ファクシミリ用アプリケーションであるファックスアプリ1213と、スキャナ用アプリケーションであるスキャナアプリ1214と、ネットファイル用アプリケーションであるネットファイルアプリ1215と、画像入出力を制御するアプリケーションである画像入出力アプリ1216と、画像入出力インターフェイスファイルを転送する転送アプリ1217と、管理される文書の一覧を提供する文書一覧アプリ1218とを有する。各アプリケーション1211〜1218は、プラットフォーム1220上の各プロセスを利用して動作実行し得るため、画面制御、キー操作制御およびジョブ生成などをおこなう画面表示制御プログラムがその主体となる。なお、NCS1228により接続されたネットワークを介して新たなアプリケーションをネットワーク経由で搭載することもできる。また、各アプリケーションはアプリケーションごとに追加または削除することができる。
このように、融合機1200は、各アプリケーションで共通的に必要となる処理をプラットフォーム1220で一元的に処理する。
次に、融合機1200のハードウェア構成について説明する。図2は、図1に示す融合機1200のハードウェア構成を示すブロック図である。図2に示すように、この融合機1200は、オペレーションパネル1310、USB(Universal Serial Bus)1330、IEEE13941340、プロッタ1321、スキャナ1324と、コントローラ1300のASIC1301とをPCI(Peripheral Component Interconnect)バス1309等で接続した構成となる。
コントローラ1300は、ASIC1301にMEM−C1302、HD(Hard Disk)1303などを接続するとともに、このASIC1301とCPU1304とをCPUチップセットのNB1305を介して接続している。このように、NB1305を介して接続する理由は、CPU1304自体のインターフェイスが公開されていないためである。
ここで、このASIC1301とNB1305は、単にPCIを介して接続されているのではなく、AGP1308を介して接続されている。このようにAGP1308を介して接続することとした理由は、この融合機1200が図1に示したプラットフォーム1220やアプリケーション1230を形成する複数のプロセスを実行制御する関係上、これらを低速のPCIで接続したのでは、パフォーマンスが低下するからである。
CPU1304は、融合機1200の全体制御をおこなうものであり、具体的には、OS1221上でプラットフォーム1220を形成するSCS1222、SRM1223、ECS1224、MCS1225、OCS1226、FCS1227、NCS1228、IMH1229をそれぞれプロセスとして起動して実行させるとともに、アプリケーション1230を形成するプリンタアプリ1211、コピーアプリ1212、ファックスアプリ1213、スキャナアプリ1214、ネットファイルアプリ1215、画像入出力アプリ1216及び転送アプリ1217を起動して実行させる。また、OS1221は、スキャナ1324、プロッタ1321、その他ハードウェアリソース1203等のハードウェア資源を制御する。
画像形成装置1200のOS1221は、このように画像処理に使用される各ハードウェア資源を直接制御する点において、パーソナルコンピュータ(PC)等のオペレーティングシステムとは異なっている。なぜなら、通常、PCは、接続されるスキャナやプリンタ等の画像形成装置を制御することはできるが、それら画像形成装置内のハードウェア資源を制御することができないからである。
NB1305は、CPU1304とMEM−P1306、SB1307、ASIC1301とを接続するためのブリッジであり、MEM−P1306は、融合機の描画用メモリなどとして用いるシステムメモリであり、SB1307は、NB1305とROM、PCIデバイス、周辺デバイスとを接続するためのブリッジである。MEM−C1302は、コピー用画像バッファ、符号バッファとして用いるローカルメモリであり、ASIC1301は、画像処理用のハードウェア要素を有する画像処理用途向けのICである。
HD1303は、画像データの蓄積、プログラムの蓄積、フォントデータの蓄積、フォームの蓄積を行うためのストレージであり、オペレーションパネル1310は、操作者からの入力操作の受け付け並びに操作者に向けた表示をおこなう操作部である。
したがって、ASIC1301には、MEM−C1302を接続するためのRAMインターフェイスと、HD1303を接続するためのハードディスクインターフェイスが設けられ、これらの記憶部に対して画像データの入出力をおこなう場合には、入出力先がRAMインターフェイスまたはハードディスクインターフェイスに切り替えられる。
AGP1308は、グラフィック処理を高速化するために提案されたグラフィックスアクセラレーターカード用のバスインターフェイスであり、システムメモリに高スループットで直接アクセスすることにより、グラフィックスアクセラレーターカードを高速にする。
以下、上述したような図1に示す機能構成、及び、図2に示すハードウェア構成を有する融合機1200で提供可能な入力処理、画像処理及び出力処理をネットワークを介して接続される他機器から利用可能とする画像入出力アプリ1216及び転送アプリ1217の機能構成例について説明する。図3は、画像入出力アプリ及び転送アプリの機能構成例を示す図である。図3において、画像入出力アプリ1216は、主に、入力処理、画像処理及び出力処理の処理フローを制御する処理フロー制御モジュール450と、OCS1226を介してオペレーションパネル1302に表示する画面のフローを制御するUIF(User InterFace)制御モジュール430とを有する。
処理フロー制御モジュール450は、画像を入力する画像読み取り装置としてのスキャナ1324を制御する入力制御モジュール410と、画像を出力する画像形成装置としてのプロッタ1321を制御する出力制御モジュール420と、入力画像データ601に対して画像処理を行い出力画像データ602を生成する画像処理モジュール440とを有し、各モジュール410、440及び420で行われる各入力処理、画像処理及び出力処理の処理フロー、又は、それら全体としての一連の処理フローを制御する。例えば、融合機1200にて、入力処理、画像処理及び出力処理を連続して行う場合、処理フロー制御モジュール450は、所定の処理フローに従って各処理が行われるように制御する。また、後述されるように、要求される処理のみの場合、処理フロー制御モジュール450は、要求される処理のみが所定処理フローに従って行われるように対応するモジュールを制御する。
UIF制御モジュール430は、入力画面を提供するための入力UIF460と、出力画面を提供するための出力UIF470と、画像処理画面を提供するための画像処理UIF480とを有し、表示フローに従って所定の画面がOCS1226を介してオペレーションパネル1302に表示されるように、各UIF460、470及び480を制御する。
図3において、先ず、UIF制御モジュール430によって融合機1200のオペレーションパネル1302に入力画面、画像処理画面及び出力画面が表示される仕組みについて説明する。
融合機1200が起動されると、入力制御モジュール410は、スキャナ1324から提供可能な機能、例えば、ドキュメントフィーダ機能や両面原稿読み取り機能等を確認し、それらを入力オプション情報433として取得する。UIF制御モジュール430の入力UIF460は、入力制御モジュール410が取得した入力オプション情報433に基づいて、スキャナ1324が提供可能な入力処理用の機能を表示するための入力画面情報を生成する。入力UIF460によって生成された入力画面情報は、UIF制御モジュール430によってOCS1226に通知され、該入力画面情報に基づいてOCS1226によってオペレーションパネル1302に入力画面として表示される。ユーザーがオペレーションパネル1302に表示された入力画面から所望する機能を設定すると、OCS1226を介して、UIF制御モジュール430の入力UIF460に通知される。
入力UIF460は、ユーザーが設定した機能を入力設定パラメータ434として入力制御モジュール410に通知するとともに、画像入力を指示する。入力制御モジュール410は、入力設定パラメータ434に基づいてスキャナアプリ1214を実行してスキャナ1324を制御し、入力画像600を読み込んで、該入力画像600に対してユーザーの設定した機能を実行させる。スキャナ1324が入力制御モジュール410の制御によって実行した結果として入力画像データ601が生成される。
また、画像処理モジュール440は、融合機1200にて提供可能な画像処理用の機能、例えば、集約印刷機能若しくはコピー機能、枠消去機能、リバース機能、スタンプ機能等を画像処理オプション情報435として画像処理UIF480へ通知する。UIF制御モジュール430の画像処理UIF480は、画像処理制御モジュール440から通知された画像処理オプション情報435に基づいて、融合機1200が提供可能な画像処理用の機能を表示するための画像処理画面情報を生成する。画像処理UIF480によって生成された画像処理用画面情報は、UIF制御モジュール430によってOCS1226に通知され、該画像処理用画面情報に基づいてOCS1226によってオペレーションパネル1302に画像処理用画面として表示される。
ユーザーがオペレーションパネル1302に表示された画像処理画面から所望する機能を設定すると、OCS1226を介して、UIF制御モジュール430の画像処理UIF480に通知される。画像処理UIF480は、ユーザーが設定した機能を画像処理設定パラメータ424として画像処理制御モジュール440に通知するとともに、画像処理を指示する。画像処理制御モジュール440は、入力制御モジュール410によって生成された入力画像データ601に画像処理を実行し、その結果として、出力画像データ602を生成する。
また、同様に、融合機1200が起動されると、出力制御モジュール420は、プロッタ1321から提供可能な機能、例えば、パンチ機能、ステープル機能等のフィニッシャ機能、ソート機能、スタック機能、印刷部数設定機能、用紙トレイの種類、両面給紙機能等を確認し、それらを出力オプション情報431として取得する。UIF制御モジュール430の出力UIF470は、出力制御モジュール410が取得した出力オプション情報431に基づいて、プロッタ1321が提供可能な出力処理用の機能を表示するための出力画面情報を生成する。出力UIF460によって生成された出力画面情報は、UIF制御モジュール430によってOCS1226に通知され、該出力画面情報に基づいてOCS1226によってオペレーションパネル1302に出力画面として表示される。ユーザーがオペレーションパネル1302に表示された出力画面から所望する機能を設定すると、OCS1226を介して、UIF制御モジュール430の出力UIF470に通知される。
出力UIF470は、ユーザーが設定した機能を出力設定パラメータ432として出力制御モジュール420に通知するとともに、画像出力を指示する。出力制御モジュール420は、出力設定パラメータ432に基づいてプリンタアプリ1211を利用してプロッタ1321を制御し、画像処理モジュール440が生成した出力画像データ602が紙等に画像形成された出力画像603としてプロッタ1321から出力される。
UIF制御モジュール430による制御は、例えば、画像処理画面をオペレーションパネル1302に表示する際、枠消去の枠幅を設定する画面を表示するように、又は、出力画面をオペレーションパネル1302に表示する際、ステープルを打つ位置を示す画面を表示するように、画面のフロー制御を変えることを含んでいる。また、入力オプション情報433、画像処理オプション情報435及び出力オプション情報431には、オペレーションパネル1302を制御するプログラムも含まれている。また、上述したような入力オプション情報433及び出力オプション情報431は、紙原稿の情報も含んだスキャナ操作の情報であり、ADF(自動原稿給送装置)の動作(制御)に関する情報も含んでいる。出力オプション情報431は、印字用紙のフィニッシャに関する情報であるため、プリンタ処理に限らずコピー処理を使用する場合も同様である。
通常のコピーを取る場合は、オペレーションパネル1302に表示されている入力画面から、画像入力に関する入力設定、例えば、片面原稿であるとか両面原稿である等の設定と、画像処理に関する画像処理設定、例えば、枠消去等の設定と、画像出力に関する出力設定、例えば、ステープルの設定や用紙トレイの設定等を行い、コピーのスタートボタンで複写を開始する。
複写開始によって、入力制御モジュール410は、入力設定パラメータ434を受け取り、入力設定パラメータ434に従って入力画像600の入力を開始する。入力された入力画像600は、入力画像データ601として融合機1200に取り込まれ、画像処理設定パラメータ436に従って画像処理モジュール440によって画像処理された入力画像データ601は、出力画像データ602として出力制御モジュール420に渡される。出力画像データ602は、出力設定パラメータ432に従って出力制御モジュール420によってプロッタ1321に出力画像603として出力される。
このような融合機1200で提供可能な入力処理、画像処理及び出力処理の機能をネットワークを介して接続される他機器から利用可能とするために、転送アプリ1217は、該他機器からのUIFプログラムの要求に応じて、NCS1228のFTP3によって各UIFプログラムを転送する。
転送アプリ1217は、ネットワークを介して接続される他機器から入力UIFプログラムの要求を受けると、入力UIF460を実現する入力UIFプログラム461と起動時に入力制御モジュール410によって取得した入力オプション情報433とを同時にFTP3によって該他機器へファイル転送する。同様に、転送アプリ1217は、ネットワークを介して接続される他機器から画像処理UIFプログラム又は出力UIFプログラムの要求を受けると、画像処理UIFプログラム481と画像処理オプション情報435、又は、出力UIFプログラム471と出力オプション情報431とを同時にFTP3によって該他機器へファイル転送する。
このように転送された各UIFプログラムを他機器がダウンロードして実行することによって、該他機器を利用するユーザーが融合機1200が提供する複数の機能を、該他機器から選択することが可能となる。また、ユーザーによって設定された機能を示す設定パラメータを融合機1200へ送信する。融合機1200は、受信した設定パラメータを、融合機1200の入力設定パラメータ434、画像処理設定パラメータ436及び出力設定パラメータ432のうち対応する設定パラメータと置き換えることによって、融合機1200にて他機器を利用しているユーザーの設定に従った処理を行うことが可能となる。
図3に示す画像入出力アプリ1216の機能構成例において、入力制御モジュール410、画像処理モジュール440、出力制御モジュール420、UIF制御モジュール430を、例えばJava(登録商標)プログラムによって実現するようにしても良い。この場合、点線で示されるJava(登録商標)プログラムの実行を可能とするJava(登録商標) VM(Virtual Memory)450を設けるようにすれば良い。入力UIFプログラム461、画像処理UIFプログラム481及び出力UIFプログラム471もJava(登録商標)プログラムで提供される。融合機1200とネットワークを介して接続される他機器において、Java(登録商標)プログラムが実行可能であれば、他機器のハードウェアに依存することなく、入力UIFプログラム461、画像処理UIFプログラム481及び出力UIFプログラム471を提供することができる。
例えば、融合機1200とネットワークを介して接続される機器が、融合機1200より低い機能しかない又は一種類のみの機能しかない機器(以下、単機能画像処理装置と言う)である場合、この単機能画像処理装置が融合機1200の入力UIFプログラム461、画像処理UIFプログラム481、又は、出力UIFプログラム471をダウンロードして実行することによって、融合機1200が提供する高機能をユーザーに提供することができる。単機能画像処理装置にて融合機1200の高機能を利用する処理パターンを図4で説明する。図4は、融合機の機能を利用する場合の処理パターンを示す図である。ユーザーが使用する、つまり、表示処理を行う側を単機能画像処理装置とすることを前提として、入力処理、画像処理及び出力処理を単機能画像処理装置側又は融合機1200側で行う場合についての処理パターンを示す。
先ず、入力処理を単機能画像処理装置で行い、画像処理を融合機1200で行い、出力処理を単機能画像処理装置で行う処理パターンを処理パターン1とする。例えば、この処理パターン1が行われる状況として、融合機1200の枠消去機能を画像処理の機能として使用したいが、ユーザーの位置から遠くに融合機1200があり、近くに単機能画像処理装置があるような場合、又は、融合機1200が他のユーザーによって使用中であるような場合が考えられる。
次に、入力処理を融合機1200で行い、画像処理を融合機1200又は単機能画像処理装置で行い、出力処理を融合機1200で行う処理パターンを処理パターン2とする。例えば、この処理パターン2が行われる状況として、単機能画像処理装置にはないが融合機1200には備えられているADF(Automatic Document Feeding device)を入力処理の機能として使用したい場合、かつ、融合機1200のステープル機能を出力処理の機能として使用したい場合が考えられる。更に、単機能画像処理装置にはないが融合機1200によって提供可能な枠消去機能を使用したい場合に融合機1200で画像処理を行わせる場合が考えられる。
また、入力処理を単機能画像処理装置で行い、画像処理を融合機1200又は単機能画像処理装置で行い、出力処理を融合機1200で行う処理パターンを処理パターン3とする。例えば、この処理パターン3が行われる状況として、単機能画像処理装置で入力処理を行い、かつ、融合機1200のステープル機能を出力処理として使用したい場合が考えられる。更に、単機能画像処理装置にはないが融合機1200によって提供可能な枠消去機能を使用したい場合に融合機1200で画像処理を行わせる場合が考えられる。
更に、入力処理を融合機1200で行い、画像処理を融合機1200又は単機能画像処理装置で行い、出力処理を単機能画像処理装置で行う処理パターンを処理パターン4とする。例えば、この処理パターン4が行われる状況として、単機能画像処理装置にはないが融合機1200には備えられているADFを入力処理の機能として使用したい場合が考えられる。更に、単機能画像処理装置にはないが融合機1200によって提供可能な枠消去機能を使用したい場合に融合機1200で画像処理を行わせる場合が考えられる。
上記同様にして、表示処理を融合機1200で行う場合及び他の組み合せについても当然考えられるが、上記4つの処理パターンを説明することによって、本願発明の目的を十分に示すことができる。
これら処理パターン1から処理パターン4で示されるような、単機能画像処理装置のオペレーションパネルに融合機1200の機能を表示する画面例と、処理フローについて説明する。以下説明において、単機能画像処理装置としてコピー機を想定する。説明の便宜上、単機能画像処理装置のオペレーションパネルに表示される画面例として説明するが、表示するための各UIFプログラム461、471及び481は融合機1200から提供されるものであるため、融合機1200のオペレーションパネル1302においても同様の表示が可能である。
先ず、入力UIFプログラム461及び入力オプション情報433による入力画面例について図5で説明する。図5は、入力画面例を示す図である。図5において、入力画面G600は、入力処理を行う機器を指定するボタン61と、画像処理を行なう機器を指定するボタン62と、出力処理を行なう機器を指定するボタン63と、ネットワーク上に存在する機器の一覧を示すユーザーによって選択可能な表示域610と、表示域610からユーザーによって選択された機器が処理可能な機能を示すユーザーによって選択可能な表示域620とを有する。
入力画面G600において、ユーザーがボタン61を選択すると、表示域610にネットワーク上に存在する入力可能な機器の一覧が表示される。表示域610には、例えば、単機能画像処理装置自身を示す「コピー機」と、ネットワーク上の機器として上述したような融合機1200を示す「融合機」、「機器01」、「機器02」、「機器03」、「機器04」等の機器名が表示される。例えば、ユーザーが「融合機」を選択すると、表示域620に、「融合機」が入力処理として提供可能な機能が表示される。
例えば、表示域620には、入力画像600を文字モードで読み込むための「文字」、入力画像600を写真モードで読み込むための「写真」、濃度の設定を「融合機」にさせるための「自動濃度」、ユーザーが濃度を設定するための「薄く」及び「濃く」、入力画像600の片面だけを入力するための「片面」、入力画像600の両面を入力するための「両面」等の機能が表示される。例えば、ユーザーが「写真」、「自動濃度」及び「片面」を選択すると、「写真」、「自動濃度」及び「片面」を示す入力設定パラメータが生成され、融合機1200へ送信される。融合機1200は、受信した入力設定パラメータを入力設定パラメータ434として設定し、入力制御モジュール410によって入力設定パラメータ434に従ってスキャナ1324から入力画像600が読み込まれる。
このような入力画面G600におけるユーザーの操作に応じて行われる融合機1200と単機能画像処理装置との間の処理フローを図6で説明する。図6は、単機能画像装置にて融合機の入力画面の表示を実現するため処理フローを説明するフローチャート図である。
図6において、ユーザーが単機能画像処理装置のオペレーションパネルに表示される入力画面G600で入力処理を行う機器を指定するボタン61を選択すると(ステップS11)、単機能画像処理装置は、ネットワークを介して接続される機器のうち画像入力の可能な機器の存在を確認する(ステップS12)。確認の方法は、ブロードキャストによってネットワーク上に存在する機器すべてに確認してもよいし、予め設定された特定機器に対して確認するようにしてもよい。単機能画像処理装置からの存在確認に応じて、ネットワーク上に存在する融合機1200は、融合機1200を識別するIPアドレス、機器名等を含む機器固有情報によって単機能画像処理装置へ応答する(ステップS13)。単機能画像処理装置は、ネットワーク上の融合機1200及び各機器から機器固有情報を受信すると、入力画面G600の表示域610に各機器の機器名の一覧を表示する。
ユーザーが表示された表示域610から入力処理を行う機器として、例えば、融合機1200を選択すると(ステップS14)、単機能画像処理装置は、融合機1200に対して、入力UIFプログラム461を要求する(ステップS15)。融合機1200は、単機能画像処理装置からの要求に応じて、入力UIFプログラム461と入力オプション情報433とをFTP3によって単機能画像処理装置へ送信する(ステップS16)。
単機能画像処理装置は、融合機1200から入力UIFプログラム461と入力オプション情報433とを受信すると、入力UIFプログラム461を実行する(ステップS17)。この実行により、単機能画像処理装置のオペレーションパネルに表示されている入力画面G600の表示域620に融合機1200によって提供可能な機能が表示される。機能が表示された表示域620から、例えば、ユーザーが「写真」、「自動濃度」及び「片面」を選択すると(ステップS18)、入力UIFプログラム461によって「写真」、「自動濃度」及び「片面」を示す入力設定パラメータが生成され、融合機1200へ転送される(ステップS19)。
融合機1200は、受信した入力設定パラメータを入力設定パラメータ434として設定し、入力制御モジュール410によって入力設定パラメータ434に従ってスキャナ1324から入力画像600を読み込み、入力画像データ601を生成する(ステップS20)。
融合機1200が受信した入力設定パラメータを入力設定パラメータ434として設定することによって、入力制御モジュール410は、あたかも融合機1200のオペレーションパネル1302でユーザーが設定したかのように入力処理することができる。融合機1200は、入力処理を完了すると、その入力結果を単機能画像処理装置へ送信する(ステップS21)。単機能画像処理装置は、オペレーションパネルに融合機1200から受信した入力結果を表示させる(ステップS22)。
このような処理フローによって、ユーザーは、単機能画像処理装置のオペレーションパネルに表示された融合機1200が提供可能な機能一覧から所望する機能を選択することができ、また、その選択に基づいた入力処理を融合機1200に行わせることが可能となる。例えば、ユーザーは、単機能画像処理装置に「写真」機能がない場合においても、「写真」機能を入力設定オプションの一つとする入力処理を単機能画像処理装置から融合機1200に行わせることができる。
図6に示す処理フローについて、単機能画像処理装置と融合機1200とで行われる場合を説明したが、2台の融合機1200又は2台の単機能画像処理装置間にても実現可能である。
次に、画像処理UIFプログラム481及び画像処理オプション情報436による画像処理画面例について図7で説明する。図7は、画像処理画面例を示す図である。図7において、画像処理画面G630は、入力画面G600と同様の画面構成を有するため、図5と同一部分には同一符号を付し、その説明は省略する。画像処理画面G630において、ユーザーがボタン62を選択すると、表示域610には、入力画面G600と同様に、ネットワーク上に存在する画像処理可能な機器の一覧が表示される。ユーザーが「融合機」を選択すると、表示域620に、「融合機」が画像処理として設定可能な機能が表示される。
例えば、表示域620には、用紙周辺の影を消去する「枠消去」、画像の色を反転してコピーする「リバース」、画像処理済みを示す「スタンプ」、入力画像の汚れを補正する「地肌汚れ除去」、画像の等倍で処理する「等倍」、画像を指定した用紙に応じた倍率で処理する「用紙指定倍率」、画像の倍率をテンキー入力によって指定する「100%」、表示を含む画像処理を指定する「表示」、画像を1枚のシートに繰り返して処理又は異なる画像を合成して1枚のシートに処理する「編集」、1枚の左右のページを1枚ずつのシートに処理する「分割」等の機能が表示される。例えば、ユーザーが、1枚の左右のページの画像処理として、「枠消去」、「等倍」及び「分割」を選択すると、「枠消去」、「等倍」及び「分割」を示す画像処理設定パラメータが生成され、融合機1200へ送信される。融合機1200は、受信した画像処理設定パラメータを画像処理設定パラメータ436として設定し、画像処理制御モジュール440によって画像処理設定パラメータ440に従って入力画像データ601に画像処理が施された出力画像データ602が生成される。
このような画像処理画面G630におけるユーザーの操作に応じて行われる融合機1200と単機能画像処理装置との間の処理フローを図8で説明する。図8は、単機能画像装置にて融合機と入力画面の表示を実現するため処理フローを説明するフローチャート図である。
図8において、ユーザーが単機能画像処理装置のオペレーションパネルに表示される画像処理画面G630で画像処理を行う機器を指定するボタン62を選択すると(ステップS51)、単機能画像処理装置は、ネットワークを介して接続される機器のうち画像処理の可能な機器の存在を確認する(ステップS52)。ブロードキャスト又は特定機器に対して行う確認の方法は、図6で説明した入力画面の表示を実現する処理フローの場合と同様である。単機能画像処理装置からの存在確認に応じて、ネットワーク上に存在する融合機1200は、融合機1200を識別するIPアドレス、機器名等を含む機器固有情報によって単機能画像処理装置へ応答する(ステップS53)。単機能画像処理装置は、ネットワーク上の融合機1200及び各機器から機器固有情報を受信すると、入力画面G600の表示域610に各機器の機器名の一覧を表示する。
ユーザーが表示された表示域610から画像処理を行う機器として、例えば、融合機1200を選択すると(ステップS54)、単機能画像処理装置は、融合機1200に対して、画像処理UIFプログラム481を要求する(ステップS55)。融合機1200は、単機能画像処理装置からの要求に応じて、画像処理UIFプログラム481と画像処理オプション情報436とをFTP3によって単機能画像処理装置へ送信する(ステップS56)。
単機能画像処理装置は、融合機1200から画像処理UIFプログラム481と画像処理オプション情報436とを受信すると、画像処理UIFプログラム481を実行する(ステップS57)。この実行により、単機能画像処理装置のオペレーションパネルに表示されている画像処理画面G630の表示域620に融合機1200によって提供可能な機能が表示される。機能が表示された表示域620から、例えば、ユーザーが「枠消去」、「等倍」及び「分割」を選択すると(ステップS58)、画像処理UIFプログラム481によって「枠消去」、「等倍」及び「分割」を示す画像処理設定パラメータが生成され、融合機1200へ転送される(ステップS59)。
融合機1200は、入力画像データ601を取得する(ステップS60)。入力処理が融合機1200で行われていない場合、融合機1200は、単機能画像処理装置から入力画像データ601を取得する。画像入出力アプリ1216は、単機能画像処理装置から受信した画像処理設定パラメータを画像処理設定パラメータ436として設定し、画像処理制御モジュール440は、画像処理設定パラメータ436に従って入力画像データ601に対して画像処理を施し、出力画像データ602を生成する(ステップS61)。
画像入出力アプリ1216が受信した画像処理設定パラメータを画像処理設定パラメータ436として設定することによって、画像処理制御モジュール440は、あたかも融合機1200のオペレーションパネル1302でユーザーが設定したかのように画像処理することができる。融合機1200は、画像処理を完了すると、その画像処理結果を単機能画像処理装置へ送信する(ステップS62)。単機能画像処理装置は、オペレーションパネルに融合機1200から受信した画像処理結果を表示させる(ステップS63)。
図8に示す処理フローについて、単機能画像処理装置と融合機1200とで行われる場合を説明したが、2台の融合機1200又は2台の単機能画像処理装置間にても実現可能である。このような処理フローによって、ユーザーは、単機能画像処理装置のオペレーションパネルに表示された融合機1200が提供可能な機能一覧から所望する機能を選択することができ、また、その選択に基づいた画像処理を融合機1200に行わせることが可能となる。
更に、出力処理UIFプログラム471及び出力オプション情報431による出力画面例について図9で説明する。図9は、出力画面例を示す図である。図9において、出力画面G640は、入力画面G600と同様の画面構成を有するため、図5と同一部分には同一符号を付し、その説明は省略する。出力画面G640において、ユーザーがボタン63を選択すると、表示域610には、入力画面G600と同様に、ネットワーク上に存在する出力処理可能な機器の一覧が表示される。ユーザーが「融合機」を選択すると、表示域620に、「融合機」が出力処理として設定可能な機能が表示される。
例えば、表示域620には、1部ずつページ順に出力する「ソート」、ページ毎に出力する「スタック」、4種類のステープルのとじ方をアイコンで示す「ステープル」、2種類のパンチの穴の開け方をアイコンで示す「パンチ」等の機能が表示される。例えば、ユーザーが「ステープル」に表示されるステープルの位置を示す複数のアイコンの何れか1つを選択すると、自動的に「ソート」及びユーザーの所望種類の「ステープル」を示す出力設定パラメータが生成され、融合機1200へ送信される。融合機1200の画像入出力アプリ1216は、受信した出力設定パラメータを出力設定パラメータ432として設定し、出力制御モジュール420によって出力設定パラメータ432に従って出力画像データ602がプロッタ1321によって用紙に画像形成された出力画像603として出力される。
このような出力画面G600におけるユーザーの操作に応じて行われる融合機1200と単機能画像処理装置との間の処理フローを図10で説明する。図10は、単機能画像装置にて融合機と出力画面の表示を実現するため処理フローを説明するフローチャート図である。
図10において、ユーザーが単機能画像処理装置のオペレーションパネルに表示される出力画面G640で出力処理を行う機器を指定するボタン63を選択すると(ステップS71)、単機能画像処理装置は、ネットワークを介して接続される機器のうち画像出力の可能な機器の存在を確認する(ステップS72)。ブロードキャスト又は特定機器に対して行う確認の方法は、図6で説明した入力画面の表示を実現する処理フローの場合と同様である。単機能画像処理装置からの存在確認に応じて、ネットワーク上に存在する融合機1200は、融合機1200を識別するIPアドレス、機器名等を含む機器固有情報によって単機能画像処理装置へ応答する(ステップS73)。単機能画像処理装置は、ネットワーク上の融合機1200及び各機器から機器固有情報を受信すると、出力画面G640の表示域610に各機器の機器名の一覧を表示する。
ユーザーが表示された表示域610から画像処理を行う機器として、例えば、融合機1200を選択すると(ステップS74)、単機能画像処理装置は、融合機1200に対して、出力UIFプログラム471を要求する(ステップS75)。融合機1200は、単機能画像処理装置からの要求に応じて、出力UIFプログラム471と出力オプション情報431とをFTP3によって単機能画像処理装置へ送信する(ステップS76)。
単機能画像処理装置は、融合機1200から出力UIFプログラム471と出力オプション情報431とを受信すると、出力UIFプログラム471を実行する(ステップS77)。この実行により、単機能画像処理装置のオペレーションパネルに表示されている出力画面G640の表示域620に融合機1200によって提供可能な機能が表示される。機能が表示された表示域620から、例えば、ユーザーが「ステープル」の位置を示すアイコンの1つを選択すると(ステップS78)、出力UIFプログラム471によって「ソート」及び「ステープル」とを示す出力設定パラメータが生成され、融合機1200へ転送される(ステップS79)。
融合機1200は、出力画像データ602を取得する(ステップS80)。出力処理が融合機1200で行われていない場合、融合機1200は、単機能画像処理装置から出力画像データ602を取得する(ステップS81)。単機能画像処理装置から受信した出力設定パラメータを出力設定パラメータ431として設定し、出力画像データ602を出力制御モジュール420によって出力設定パラメータ431に従って用紙に画像形成された出力画像603として出力する(ステップS82)。受信した出力設定パラメータを出力設定パラメータ431として設定することによって、出力制御モジュール420は、あたかも融合機1200のオペレーションパネル1302でユーザーが設定したかのように出力処理することができる。融合機1200は、出力処理を完了すると、その画像処理結果を単機能画像処理装置へ送信する(ステップS83)。単機能画像処理装置は、オペレーションパネルに融合機1200から受信した出力結果を表示させる(ステップS84)。
図10に示す処理フローについて、単機能画像処理装置と融合機1200とで行われる場合を説明したが、2台の融合機1200又は2台の単機能画像処理装置間にても実現可能である。このような処理フローによって、ユーザーは、単機能画像処理装置のオペレーションパネルに表示された融合機1200が提供可能な機能一覧から所望する機能を選択することができ、また、その選択に基づいた出力処理を融合機1200に行わせることが可能となる。
次に、融合機1200の文書一覧アプリ1218によって提供される文書一覧画面の例について説明する。図11は、文書一覧画面例を示す図である。図11において、文書一覧画面G660は、入力画面G600と同様の画面構成を有するため、図5と同一部分には同一符号を付し、その説明は省略する。文書一覧画面G660は、入力画面G600の入力処理を行う機器を指定するボタン61の替わりに、文書一覧を表示させる機器を指定するボタン651を有する。文書一覧画面G660において、ユーザーがボタン651を選択すると、表示域610には、入力画面G600と同様に、ネットワーク上に存在する文書を蓄積可能な機器の一覧が表示される。ユーザーが「融合機」を選択すると、表示域620に、「融合機」によって蓄積されている文書の一覧が表示される。
例えば、表示域620には、融合機1200が蓄積し管理している文書として、「文書01」、「文書02」、「文書03」等の文書名が表示される。ここで、ユーザーが、例えば「文書02」を選択し、更に、ボタン62と、ボタン63とを選択することによって、画像処理及び出力処理を夫々所望する機器に行わせることができる。
このような文書一覧画面G660におけるユーザーの操作に応じて行われる融合機1200と単機能画像処理装置との間の処理フローを図12で説明する。図12は、単機能画像装置にて融合機と出力画面の表示を実現するため処理フローを説明するフローチャート図である。なお、文書一覧アプリ1218は、画像出力アプリと同様の機能構成を有し、文書一覧の画面を構成する画面情報を作成する文書一覧UIFの表示フローを制御するUIF制御モジュールと、HD1303に蓄積されている文書を特定する書誌情報等を取得する制御モジュールとを有するように構成される。
図12において、ユーザーが単機能画像処理装置のオペレーションパネルに表示される文書一覧画面G660で文書管理している機器を指定するボタン651を選択すると(ステップS91)、単機能画像処理装置は、ネットワークを介して接続される機器のうち文書管理可能な機器の存在を確認する(ステップS92)。ブロードキャスト又は特定機器に対して行う確認の方法は、図6で説明した入力画面の表示を実現する処理フローの場合と同様である。単機能画像処理装置からの存在確認に応じて、ネットワーク上に存在する融合機1200は、融合機1200を識別するIPアドレス、機器名等を含む機器固有情報によって単機能画像処理装置へ応答する(ステップS93)。単機能画像処理装置は、ネットワーク上の融合機1200及び各機器から機器固有情報を受信すると、文書一覧画面G660の表示域610に各機器の機器名の一覧を表示する。
ユーザーが表示された表示域610から画像処理を行う機器として、例えば、融合機1200を選択すると(ステップS94)、単機能画像処理装置は、融合機1200に対して、文書一覧UIFプログラムを要求する(ステップS95)。融合機1200の転送アプリ1217は、単機能画像処理装置からの要求に応じて、文書一覧UIFプログラムと文書一覧オプション情報とをFTP3によって単機能画像処理装置へ送信する(ステップS96)。
単機能画像処理装置は、融合機1200から文書一覧UIFプログラムと文書一覧オプション情報とを受信すると、文書一覧UIFプログラムを実行する(ステップS97)。この実行により、単機能画像処理装置のオペレーションパネルに表示されている文書一覧画面G640の表示域620に融合機1200によって提供可能な機能が表示される。機能が表示された表示域620から、例えば、ユーザーが「文書02」を選択すると(ステップS98)、文書一覧UIFプログラムによって「文書02」を示す文書一覧設定パラメータが生成され、融合機1200へ転送される(ステップS99)。
融合機1200は、文書一覧画像データ602を取得する(ステップS100)。単機能画像処理装置から受信した文書一覧設定パラメータを融合機1200での文書一覧設定パラメータとして設定し、書誌情報を制御モジュールによって文書一覧設定パラメータに従ってHD1303から取得する(ステップS101)。受信した文書一覧設定パラメータを融合機1200で生成された文書一覧設定パラメータとして設定することによって、制御モジュールは、あたかも融合機1200のオペレーションパネル1302でユーザーが設定したかのように文書一覧処理することができる。融合機1200は、その文書取得結果を単機能画像処理装置へ送信する(ステップS102)。単機能画像処理装置は、オペレーションパネルに融合機1200から受信した文書取得結果を表示させる(ステップS103)。
図12に示す処理フローについて、単機能画像処理装置と融合機1200とで行われる場合を説明したが、2台の融合機1200又は2台の単機能画像処理装置間にても実現可能である。このような処理フローによって、ユーザーは、単機能画像処理装置のオペレーションパネルに表示された融合機1200が蓄積している文書の一覧から所望する文書を選択することができ、また、その選択に基づいた画像処理又は出力処理を融合機1200に行わせることができる。
図6から図12において説明したような画面及び処理フローによって実現されるユーザインターフェイスを使用した、図4に示す入力処理、画像処理及び出力処理の組み合せによる処理パターンについて以下図13から図16で詳述する。図13から図16に示される単機能画像処理装置100は、例えば、コピー機能のみを提供する単体のコピー機であって、例えば用紙上に形成された入力画像600を読み込む入力処理部102と、入力画像600が読み込まれることによって生成された入力画像データに対して画像処理を行う画像処理部104と、画像処理が行われた出力画像データを用紙上に形成して出力画像603として出力する出力処理部106と、ユーザーによって操作されるオペレーションパネル120と、オペレーションパネル120への表示を制御する操作制御部116とを有する。
また、操作制御部110は、オペレーションパネル120に対して、図5で示されるような入力画面G600を表示するための画面情報を提供する入力UIF112と、図7で示されるような画像処理画面G630を表示するための画面情報を提供する画像処理UIF113と、図9で示されるような出力画面G640を表示するための画面情報を提供する出力処理UIF114と、各ユーザインターフェイス112から114の画面情報に基づいて、オペレーションパネル120を制御するOCS116とを少なくとも有する。
更に、操作制御部110は、各ユーザインターフェイス112から114を実現するユーザインターフェイスプログラムがJava(登録商標)プログラムである場合、Java(登録商標) VM118を有する。一方、単機能画像処理装置100において、操作制御部110の各処理部をJava(登録商標)プログラムで実現するように構成することによって、OCS116がない場合においても、融合機1200との親和性を保つことが可能となる。
図13から図16において、Java(登録商標) VM450及びJava(登録商標) VM118を除いて点線で示される部分は、構成要素として備えられるが、その処理パターンの例において使用されない部分である。また、二重線で示される部分は、融合機1200又は単機能画像処理装置100から送信されたデータファイルと置き換えられた部分を示す。
・処理パターン1
図13は、図4に示す処理パターン1の例を示す図である。図13において、表示処理、入力処理及び出力処理は単機能画像処理装置で行われ、画像処理のみが融合機1200で行われる。
先ず、ユーザーがオペレーションパネル120から入力処理を行う機器として単機能画像処理装置100自身を選択すると、単機能画像処理装置100が元々備えている入力UIF112によって、単機能画像処理装置100が提供可能な入力処理の機能がオペレーションパネル120に表示される。ユーザーが機能を選択すると、入力UIF112は、ユーザーが設定した機能を示す入力設定パラメータ(図示せず)を生成する。入力処理部102は、入力UIF112によって生成されたユーザーが設定した機能を示す入力設定パラメータ(図示せず)に従って入力画像600を読み込み入力画像データ601を生成する。
次に、ユーザーがオペレーションパネル120から画像処理を行う機器として融合機1200を選択すると、図8に示す処理フローによって、既存の画像処理UIF(図示せず)は、融合機1200から取得した画像処理UIFプログラム481と画像処理オプション情報435とによって実現される融合機1200の画像処理UIF480で置き換えられる。画像処理UIF113は、OCS116を介して、オペレーションパネル120に融合機1200が提供可能な画像処理の機能を表示する。ユーザーが機能を選択すると、画像処理UIF113は、ユーザーが設定した機能を示す画像処理設定パラメータ136を生成する。単機能画像処理装置100は、画像処理設定パラメータ136と入力処理部102によって生成された入力画像データ601とを融合機1200へファイル転送する。入力画像データ601は、融合機1200の画像入出力アプリ1216からの要求に応じて転送されるようにしても良い。
融合機1200の画像入出力アプリ1216は、画像処理設定パラメータ436を単機能画像処理装置100から受信した画像処理設定パラメータ136で置き換える。そして、画像処理モジュール440は、画像処理設定パラメータ436に基づいて、単機能画像処理装置100から受信した入力画像データ601に対して画像処理を行い、その結果として出力画像データ602を生成する。出力画像データ602は、単機能画像処理装置100へファイル転送される。出力画像データ602は、単機能画像処理装置100からの要求に応じて転送されるようにしても良い。
更に、ユーザーがオペレーションパネル120から出力処理を行う機器として単機能画像処理装置100自身を選択すると、単機能画像処理装置100が元々備えている出力UIF114によって、単機能画像処理装置100が提供可能な出力処理の機能がオペレーションパネル120に表示される。ユーザーが機能を選択すると、出力UIF114は、ユーザーが設定した機能を示す出力設定パラメータ(図示せず)を生成する。出力処理部106は、出力UIF114によって生成されたユーザーが設定した機能を示す出力設定パラメータ(図示せず)に従って出力画像データ602を用紙等に形成して出力画像603として出力する。
このように、ユーザーは、画像処理のみをネットワーク15を介して接続される融合機1200にて行わせることができる。
・処理パターン2
図14は、図4に示す処理パターン2の例を示す図である。図14において、表示処理のみ単機能画像処理装置で行われ、入力処理、画像処理及び出力処理は融合機1200で行われる。
図14において、ユーザーが単機能画像処理装置100のオペレーションパネル120から入力処理、画像処理及び出力処理を行う機器として融合機1200を選択すると、図6の処理フローに従って、既存の入力UIF(図示せず)は、融合機1200から取得した入力UIFプログラム461と入力オプション情報433とによって実現される融合機1200の入力UIF460に置き換えられる。入力UIF460は、OCS116を介してオペレーションパネル120に融合機1200が提供可能な入力処理の機能を表示する。その後、ユーザーが設定した機能を示す入力UIF461によって生成された入力設定パラメータ134は、融合機1200へ送信され、画像入出力アプリ1218の入力設定パラメータ434として置き換えられる。入力制御モジュール410によって入力画像600が読み取られ、入力画像データ601が融合機1200にて生成される。
また、同様に、図8の処理フローに従って、単機能画像処理装置100にて既存の画像処理UIF(図示せず)が置き換えられた画像処理UIF480によって表示される融合機1200の画像処理画面からユーザーが設定した画像処理の機能を示す画像処理設定パラメータ136によって融合機1200の画像処理設定パラメータ436が置き換えられる。この置き換えられた画像処理設定パラメータ436に従って、画像処理モジュール440は、出力画像データ602を生成する。
更に、同様に、図10の処理フローに従って、単機能画像処理装置100にて既存の出力UIF(図示せず)が置き換えられた出力UIF470によって表示される融合機1200の出力画面からユーザーが設定した出力処理の機能を示す出力処理設定パラメータ132によって融合機1200の出力処理設定パラメータ432が置き換えられる。この置き換えられた出力設定パラメータ432に従って、出力処理モジュール420は、出力画像603を出力する。
このように、ユーザーは、入力処理、画像処理及び出力処理すべてを、ネットワーク15を介して接続される融合機1200に行わせることができる。また、画像処理を単機能画像処理100にて行うようにしても良い。その場合、単機能画像処理装置100は、融合機1200から入力画像データ601を取得し、入力画像データ601に画像処理を行った出力画像データ602を、出力設定パラメータ132とともに、融合機1200へ送信するように構成される。
・処理パターン3
図15は、図4に示す処理パターン3の例を示す図である。図15において、表示処理及び入力処理が単機能画像処理装置で行われ、画像処理及び出力処理は融合機1200で行われる。
図15において、ユーザーが単機能画像処理装置100のオペレーションパネル120から入力処理を行う機器として単機能画像処理100それ自身を選択し、画像処理及び出力処理を行う機器として融合機1200を選択すると、単機能画像処理装置100にて、入力処理部102によって入力画像600が読み込まれ、入力画像データ600が生成される。その後、図13の処理パターン1と同様に、単機能画像処理装置100にて既存の画像処理UIF(図示せず)が融合機1200の画像処理UIF480に置き換えられる。その後、融合機1200の画像入出力アプリ1216において、単機能画像処理装置100から受信した画像処理設定パラメータ136によって置き換えられた画像処理設定パラメータ436に従って、画像処理モジュール440が、出力画像データ602を生成する。更に、図14の処理パターン2と同様に、単機能画像処理装置100にて既存の出力UIF(図示せず)が融合機1200の出力UIF470に置き換えられる。その後、融合機1200の画像入出力アプリ1216において、単機能画像処理装置100から受信した出力設定パラメータ132によって置き換えられた出力設定パラメータ432に従って、出力モジュール420が出力画像603を出力する。
このように、ユーザーは、入力処理のみを単機能画像処理装置100で行い、画像処理及び出力処理をネットワーク15を介して接続される融合機1200にて行わせることができる。また、画像処理を単機能画像処理100にて行うようにしても良い。その場合、単機能画像処理装置100は、入力処理部102によって生成された入力画像データ601に画像処理を行った出力画像データ602を、出力設定パラメータ132とともに、融合機1200へ送信するように構成される。
・処理パターン4
図16は、図4に示す処理パターン4の例を示す図である。図16において、表示処理及び出力処理が単機能画像処理装置で行われ、入力処理及び画像処理は融合機1200で行われる。
図16において、ユーザーが単機能画像処理装置100のオペレーションパネル120から入力処理及び出力処理を行う機器として単機能画像処理装置100それ自身を選択し、画像処理を行う機器として融合機1200を選択すると、図14の処理パターン2と同様に、単機能画像処理装置100にて既存の入力UIF(図示せず)が融合機1200の入力UIF460に置き換えられる。その後、融合機1200の画像入出力アプリ1216において、単機能画像処理装置100から受信した入力設定パラメータ134によって置き換えられた入力設定パラメータ434に従って、入力制御モジュール410が、入力画像データ601を生成する。更に、単機能画像処理装置100にて既存の画像処理UIF(図示せず)が融合機1200の画像処理UIF480に置き換えられる。その後、融合機1200の画像入出力アプリ1216において、単機能画像処理装置100から受信した画像処理設定パラメータ136によって置き換えられた画像処理設定パラメータ436に従って、画像処理モジュール440が、出力画像データ602を生成する。そして、単機能画像処理装置100は、融合機1200から出力画像データ602を取得して、既存の出力処理部106によって出力処理が行われ、出力画像603として出力される。
このように、ユーザーは、単機能画像処理装置100から融合機1200に入力処理及び画像処理を行わせることができ、画像処理後に出力処理を単機能画像処理装置100に行わせることができる。また、画像処理を単機能画像処理100にて行うようにしても良い。その場合、単機能画像処理装置100は、融合機1200から入力画像データ601を取得し、入力画像データ601に画像処理を行った出力画像データ602を、出力設定パラメータ132とともに、融合機1200へ送信するように構成される。
上記処理パターン1〜4において、融合機1200と単機能画像処理装置100がネットワーク15を介して接続されている例で説明したが、3以上の画像処理装置が接続された形態においても本発明を適用することが可能である。
上述したように、第一実施例において、任意の画像処理装置からネットワーク15で接続された融合機1200に付属するオプション(ADF、両面ADF等)を利用して、入力画像600を入力することができる。例えば、入力画像600(原稿)を両面ADF1350付きの融合機1200を利用して複数枚の両面原稿から画像を連続的に入力し、圧板しか持たない単機能画像処理装置100(コピー機)に出力するように操作できる。
また、ネットワーク15上の任意の単機能画像処理装置100からネットワーク15で接続された融合機1200に対して融合機1200に付属するオプション(フィニッシャ、パンチ、ステープル等)を利用して、出力画像603を出力することができる。例えば、フルオプションで高機能なプリンタやコピー機の出力オプションを利用して、単機能のコピー機やパーソナルコンピュータ(PC)から画像出力が可能となる。このときに、ネットワーク15を介して出力UIFプログラム及び出力設定パラメータ432を取得するため、ユーザーが操作する単機能画像処理装置100で新たにユーザインターフェイスを用意する必要がなく、どこからでも融合機1200によって提供されるインターフェイスと同じ操作で指示ができる。新たな機能が追加された機器がネットワーク15に接続された場合でも、操作側の既存の単機能画像処理装置100がその機能を知らなくても、ユーザーは、融合機1200の機能を操作するインターフェイスをそのまま利用して操作できる。
更に、高機能な融合機1200がネットワーク15上に存在していれば、入力画像データ601を融合機1200に送り、出力画像データ602を出力側の単機能画像処理装置100に送ることによって、高機能な画像処理を持たない単機能画像処理装置100でも、同等の機能を実現することができる。このときに、画像処理の機能や設定を操作側の単機能画像処理装置100では知らなくても、どの機器からも同一の操作で処理を行うことができる。
なお、本実施形態では、ネットワーク15上に出力オプションとしての融合機1200のプロッタ1321、入力オプションとしての融合機1200のスキャナ1324及び入力及び出力オプションとしての単機能画像処理装置100(コピー機)しか設けられていないが、複数設けることも可能である。全てのオプション、例えばネットワーク15に接続された機器又は機能としてのスキャナ、プリンタ、コピー機などはそれぞれ機能を共有することができる。また、出力先は、用紙上への印字に限らず、電子データとし、サーバーなどへの文書蓄積保管であっても、入力側が文書管理サーバー文書管理サーバーで紙原稿の代わりに電子データでもよい。このように、文書として保管することによって、既に画像データとして存在するデータを再利用することが可能となり、頻繁に利用するデータをネットワーク15上においておくだけで、オプションを利用した様々な出力方法で利用することができる。
[第二実施例]
第二実施例では、第一実施例と同等の処理をWebサービスとして提供する融合機について説明する。
第二実施例に係る画像処理に関するWebサービスを提供する融合機の機能構成及びハードウェア構成は、図1及び図2に示される本発明の第一実施例に係る融合機の機能構成及びハードウェア構成と同様であるが、以下に説明するWebサービス提供処理部41、42、44、244とが画像入出力Webアプリ1216に相当する処理を行う。第二実施例において、入力画面、画像処理画面及び出力画面をWebブラウザ上に提供し、ユーザーの設定に基づいて、入力処理、画像処理及び出力処理をWebサービスとして提供する融合機1200について図17、図18及び図19で説明する。図17、図18及び図19で説明される処理例は、ネットワーク上に、融合機1200とそれ相当の他画像処理装置と単機能画像処理装置100の少なくとも3台以上の画像処理装置が接続されているとする。この処理例において、入力処理は単機能画像処理装置100で、画像処理は融合機1200で、出力処理は他画像処理装置で行われるものとする。
図17は、本発明の第二実施例に係る画像処理に関するWebサービスを提供する融合機の機能構成を示す図である。図17において、説明の便宜上、画像処理に関するWebサービスについて説明するが、同様の構成によって、入力処理、出力処理及び文書一覧処理に関するWebサービスを実現することができる。
図17において、融合機1200は、画像処理画面Webサービス提供処理部244と、画像処理を実行する画像処理Webサービス提供処理部44と、http(Hypertext Transfer Protocol)に従って、HTTPリクエスト及びHTTPレスポンスによってネットワーク15を介して接続される機器との通信制御を行うWebサーバー500とを有する。
Webサーバー500は、HTTPリクエストで指定されるURI(Uniform Resource Identifier)又はURL(Uniform Resource Locator)に対応するWebサービス提供処理部を分配するディストリビューター30と、データ送受信をhttp(Hypertext Transfer Protocol)で通信制御するhttpd(Hypertext Transfer Protocol Daemon)とを有する。また、融合機1200は、SOAP(Simple Object Access Protocol)に従ってHTTPリクエストを解析及びHTTPレスポンスを作成するSOAP処理部70と、XML(eXtensible Markup Language)に従ってメッセージを処理するXML処理部50とを有し、これらは全てのWebサービス提供処理部244及び44で共有される。更に、画像処理UIF480及び画像処理制御モジュール440の夫々に対してメッセージ内のパラメータとデータファイルとを分けてディスパッチャー64及び65が実装される。
融合機1200のhttpd2がネットワーク15を介して接続される機器(例えば、単機能画像処理装置100)から画像処理画面UIFプログラムの要求を示すSOAPに従ったHTTPリクエストを受信すると(ステップS110)、ディストリビューター30によって画像処理画面Webサービス提供処理部244にその要求が通知される(ステップS111)。画像処理画面Webサービス提供処理部244は、SOAP処理部70によってHTTPリクエストを処理し(ステップS112)、更に、XML処理部50によってSOAPボディにXMLで記述されるメッセージを処理し、ディスパッチャー64によって画像処理UIFプログラムの要求を画像処理UIF480に通知する(ステップS113)。
画像処理UIF480から提供されるXSLT(Extensible Stylesheet Language Transform)に基づいて記述された画像処理UIFプログラム481と画像処理オプション情報435とがXML処理部50に通知される(ステップS114)。画像処理画面Webサービス提供処理部244は、XML処理部50によってXMLで画像処理オプション情報435を記述したXML26を作成し、SOAP処理部70によってSOAPボディに画像処理オプション情報435を示すXML26と画像処理UIFプログラム481を示すXSLとを含み、httpd2に送信を依頼することによって(ステップS115)、HTTPレスポンスとして単機能画像処理装置100へ送信される(ステップS130)。
画像処理UIFプログラム481と画像処理オプション情報435とが送信された後、HTTPリクエストとして単機能画像処理装置100から画像処理要求が送られてくると、Webサーバー500は、ディストリビューター30によって該HTTPリクエストで指定される画像処理要求を画像処理Webサービス提供部44に通知する(ステップS121)。画像処理Webサービス提供部44は、SOAP処理部70によって画像処理を要求するHTTPリクエストを処理し(ステップS122)、更に、XML処理部50によってSOAPボディにXMLで記述されるメッセージを処理し、ディスパッチャー64によって画像処理設定パラメータ436と添付された入力画像データ601とを分けて画像処理要求を画像処理制御モジュール440に通知する(ステップS123)。
画像処理制御モジュール440は、画像処理設定パラメータ436に従って入力画像データ601に画像処理を行い、XML処理部50によってその処理結果をXMLで記述したXML26が作成され、出力画像データ602は、SOAP処理部70によって添付される。そして、Webサーバー500は、httpd2によってHTTPレスポンスとして単機能画像処理装置100へ送信する(ステップS130)。
このような画像処理画面Webサービス提供処理部244及び画像処理Webサービス提供処理部44と同様な処理フローによって、入力UIF460及び入力制御モジュール410、及び、出力UIF470及び出力制御モジュール420での処理がWebサービスとしてネットワーク15を介して接続される複数の機器に提供可能となる。文書一覧処理についても同様である。
次に、Webサービスを提供する融合機1200とネットワーク15を介して接続される単機能画像処理装置100の機能構成例について説明する。図18は、本発明の第二実施例に係るWebブラウザを有する単機能画像処理装置の機能構成例を示す図である。図18中、点線で示される部分は、構成要素として備えられるが、処理例において使用されない部分である。図18において、単機能画像処理装置100は、主に、画像を入力する入力処理部102と、画像処理を行う画像処理部104と、画像を出力する出力処理部106と、入力画面データを提供する入力UIF112と、画像処理画面データを提供する画像処理UIF113と、出力画面データを提供する出力UIF114と、SOAP処理部12を有するWebサービスクライアント10と、Webサーバー140と、Webブラウザ122と、オペレーションパネル120とを有する。
Webサーバーは、Webブラウザ122からのユーザーの入力によるリクエストに応じて処理を分配するディストリビューター124と、リクエストをXMLで記述してXML28を作成するXML作成部13と、XML26をXSL25に基づいてXSLプロセッサ503によって変換してHTML(HyperText Markup Language)24を作成するHTML作成部502とを有する。
ユーザーがオペレーションパネル120から、例えば、入力処理を行う機器として単機能画像処理装置100自身を選択することによる入力UIFの要求がWebブラウザ122からWebサーバー140のディストリビューター124に通知される(ステップS210)。そして、ディストリビューター124はWebブラウザ122からリクエストを受付けると、ユーザインターフェイスの要求か或いは処理部102、104及び106への要求かを判断する。この場合、Webブラウザ122からのリクエストは、ユーザインターフェイスの要求であると判断され、Webサーバー140のXML作成部13に要求が通知される(ステップS211)。XML作成部13は、該要求をXMLで記述したXML28を作成する。Webサーバー140は、XML作成部13が単機能画像処理装置100自身への入力UIFの要求であると判断すると、入力UIF112に該要求を通知する(ステップS212)。
入力UIF112は、XMLで記述された要求を処理し、XMLで記述した入力画面データを示すXML26と、XML26をHTMLに変換するためのXSL25とをWebサーバー140に通知する(ステップS213)。Webサーバー140は、レスポンスとして受信したXML26とXSL25とをHTML作成部502に通知する(ステップS214)。HTML作成部502は、通知されたXML26とXSL25とに基づいて、XSLプロセッサ503によってHTML24を作成する。作成されたHTML24は、Webブラウザ122に提供されオペレーションパネル120に単機能画像処理装置100の入力画面が表示される(ステップS125)。
そして、ユーザーが表示された入力画面で入力処理の機能を設定すると、Webサーバー140は、ディストリビューター124によってWebブラウザ122からのリクエストを受付ける(ステップS210)。ディストリビューター124によってユーザーの要求が入力処理であると判断され、入力処理部102に入力設定パラメータ434が通知される(ステップS231)。入力処理部102は、入力設定パラメータ134に従って入力画像600を入力して入力画像データ601を生成して、その入力処理結果を記述したXML26とHTMLに変換するためのXSL15をWebサーバー140に通知する(ステップS232)。上述したステップS125及びS126を行うことによって、オペレーションパネル120に入力処理結果が表示される。
ユーザーが画像処理を行う機器として融合機1200を選択すると、Webブラウザ122はその選択に応じたリクエストをWebサーバー140のディストリビューター124に通知する(ステップS210)。ディストリビューター124はユーザインターフェイスの要求であると判断して、XML作成部13に要求を通知する(ステップS241)。この場合、Webサーバー140は、XML作成部13が単機能画像処理装置100以外の装置への要求であると判断すると、Webサービスクライアント10のSOAP処理部12へ通知する(ステップS242)。SOAP処理部12は、SOAPに従ってXML28をメッセージとするHTTPリクエストを融合機1200へネットワーク15を介して送信する(ステップS243)。
Webサービスクライアント10が融合機1200からHTTPレスポンスを受信すると(ステップS244)、SOAP処理部12は、SOAPボディからXML26とXSL25とを取り出してWebサーバー140に通知する(ステップS245)。この場合、XML26は画像処理オプション情報435を記述し、XSL25は、画像処理UIFプログラム481を含んでおり、XML26をHTMLに変換して作成されるHTML24に画像処理UIFプログラム481と画像処理オプション情報435とが含まれる。上記同様に、ステップS125及びS126を行い、オペレーションパネル120に融合機1200の画像処理UIF480をWebブラウザ122によって実現することができる。
同様にして、ネットワーク15を介して接続される他画像処理装置の出力UIFをも実現することができる。画像処理設定パラメータ436と出力設置パラメータ432は、それぞれ上述したように、ステップS241〜S243によって融合機1200と他画像処理装置へと送信され、ステップS244、S245、S125及びS126によって夫々の処理結果がオペレーションパネル120に表示される。
このような単機能画像処理装置100のオペレーションパネル120には、例えば、図19に示すような画面G650が表示される。図19は、Webブラウザによってオペレーションパネルに表示される画面例を示す図である。図19において、画面G650は、入力処理を行う機器を指定するための表示域651と、画像処理を行う機器を指定するための表示域652と、出力処理を行う機器を指定するための表示域653とを有する。各表示域651、652及び653は、図5、図7及び図9に示すように、処理可能な機器の一覧を表示する表示域610と、表示域610からユーザーによって選択された機器が提供可能な機能の一覧を表示する表示域620とを有する。各表示域651〜653、610及び620は、例えば、フレームで構成される。
画面G650において、ユーザーは、入力処理を行う機器として表示域610から単機能画像処理装置100を選択し、表示域620から単機能画像処理装置100が提供可能な機能を選択する。また、ユーザーは、画像処理を行う機器として表示域610から融合機1200を選択し、表示域620から融合機1200が提供可能な機能を選択する。更に、ユーザーは、出力処理を行う機器として表示域610から他画像処理装置を選択し、表示域620から他画像処理装置が提供可能な機能を選択する。ユーザーのこれら選択は、入力設定パラメータ434、画像処理設定パラメータ436及び出力設定パラメータ432として、単機能画像処理装置100、融合機1200及び他画像処理装置へ夫々送信される。
第一実施例及び第二実施例によれば、異なるユーザインターフェイスの機種でも各画像処理装置が提供するユーザインターフェイスを使用することができ、カラーとモノクロのように本来の操作が異なるユーザインターフェイスであっても同様に処理できる。また、特殊な仕組みを開発することなく、既存のWebブラウザの仕組みを用いることでユーザインターフェイスが異なる場合でも同様に処理できるようにすることが容易に行える。また、モジュール毎のメンテナンスや改善が容易になる。
[第三実施例]
第二実施例において、融合機1200に内蔵されるコンピュータがハードディスク装置などの大量記憶装置を備え、大量の画像データにも対応できる実施形態を第三実施例として説明する。図20は、本発明の第三実施例に係る画像処理に関するWebサービスを提供する融合機の機能構成を示す図である。図20中、図17と同一部分には同一符号を付し、その説明は省略する。第三実施例において、融合機1200のWebサーバー500において、入力画像データ601又は出力画像データ602が転送されてきた際、又は、画像処理設定パラメータ436又は出力設定パラメータ432を受け取った際、画像処理モジュール440又は出力制御モジュール420が使用中等の理由ですぐに処理できないことがある。そのため、夫々にキュー441及び421を用意する。
画像処理モジュール440は処理中の場合、入力画像データ601と画像処理設定パラメータ436とをまとめてリクエストとしてキュー441に保存しておく。また、出力制御モジュール420が処理中の場合、出力画像データ602と出力設定パラメータ432とをまとめてリクエストとしてキュー421に保存しておく。画像処理モジュール440及び出力制御モジュール420は処理が終了すると夫々キュー441及び421からリクエストを取り出し、リクエスト毎の処理を行う。
第一から第三実施例において、更に、以下のように構成することができる。融合機1200にHD1303への画像データ保存機能または他画像処理装置への画像データ転送機能を持たせる。このとき、入力画像データ601及び出力画像データ602のフォーマットや圧縮形式、解像度や階調などは、その後のユーザーによる使い方によって、それぞれ異なってくる。そこで、これらの入力画像データ601及び出力画像データ602の特徴を画像処理オプション情報435及び出力オプション情報431として扱うことで、ユーザーの使い方に応じた処理を行うことができる。画像処理モジュール440及び出力制御モジュール420では、画像処理設定パラメータ436及び出力設定パラメータ432によって、入力画像データ601及び出力画像データ602の変換を行い、入力画像データ601及び出力画像データ602の保存や他画像処理装置へ転送を行う。
また、HD1303に画像を蓄えることのできる機器を入力処理を行う融合機1200とすると、出力処理を行う単機能画像処理装置100から融合機1200のHD1303に蓄積されたデータを選択し、出力することができる。このときに、出力側の単機能画像処理装置100はADF1350の両面指定方法やHD1303に蓄積された画像を選択する手段を知らなくても、融合機1200の入力操作のインターフェイスを表示することで、処理を行うことができる。
更に、画像出力時のエンジンの特性に合わせたガンマ補正や色空間補正などの画像処理モジュール440を画像処理UIF480と同様の処理フローによって単機能画像処理装置100に転送し、単機能画像処理装置100の画像処理部104と置き換えて処理を行うことによって高品質の画像を出力することができる。また、画像補正として地肌汚れ除去等の処理を設定しておけば、入力画像600又は入力画像データ601の品質が悪くても、きれいな出力画像データ602を作ることができる。また、画像の出力はエンジンの特性により異なるため、画像入力時にガンマ補正や色補正が必要となるが、出力処理を行う融合機1200の画像処理モジュール440自身を取得することによって、融合機1200のエンジンの特性に合わせて入力処理を行う単機能画像処理装置100で様々な補正を行うことができ、高品質の画像を出力することができる。
また、画像処理を行う機器が入力処理及び出力処理を行う機器とは別の場合、入力された入力画像データ601を一旦画像処理用の機器に転送し、処理後、出力側の機器に転送を行うことで一連の作業を進めることができる。従って、入力処理を行う機器側に同等の画像処理の機能を実装することなく、動的に機能を追加することができる。
更に、第二実施例において、ネットワーク15に接続されたPC上でWebブラウザを起動させ、入力処理、画像処理及び出力処理を行う夫々の機器のWebサーバーにアクセスし、該PCの表示ユニットに該Webサーバーによって提供されるWebコンテンツを表示することで、該PC側で何ら画像処理に関する機能を実装していなくても、画像処理に関する操作を行うことができる。