JP4520063B2 - 分光装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、被測定光を高い波長精度で分光するとともに、被測定光に含まれるそれぞれ波長が異なる光信号を抽出する分光装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
被測定光を高い波長分解能で分光する加分散配列を採用した加分散型分光装置が実用化されている。図6を用いて、この加分散型分光装置における分光動作原理を説明する。
【0003】
入力ポート1から入力された被測定光aは第1の回折格子2に対して角度θ1で入射される。被測定光aは第1の回折格子2でそれぞれ異なる波長を有する複数の光に分光される。この複数の光のうち特定の波長帯域の光a1が第1のスリット3を経て、第2の回折格子4へ角度θ2で入射される。この光a1の第2の回折格子4に対する入射方向は、被測定光aの第1の回折格子2に対する入射方向と同一方向である。この第2の回折格子4は入射した光a1をそれぞれ異なる波長を有する複数の光に分光する。この分光された複数の光のうち特定の波長帯域の光a2が第2のスリット4を経て受光器6で受光される。
【0004】
このように、加分散型分光装置においては、1つの被測定光aを、光路に沿って直列配列された2個の回折格子2、4に対して順番に同一方向から入射させることによって、言い換えれば、図6に示すように、被測定光aにおける回折格子2からの出射時の波長分散方向(λ+、λ-)と、被測定光aにおける回折格子4への入射時の波長分散方向(λ-、λ+)とを逆方向に設定することによって、被測定光aの波長分解能を向上できる。
【0005】
実際の加分散型分光装置においては、各回折格子2、4へ入射される光a、a1は平行光である必要があり、また、分光された各光をスリット位置や受光器位置に集光させる必要があるので、図7の模式図に示すように、複数のコンデンサレンズ7、8、9、10、11が光路に組込まれている。図7に示すように、第2のスリット5位置における分光特性C2は、第1のスリット3位置における分光特性C1に比較して、波長分解能(波形幅)及びS/N比において、格段に優れている。
【0006】
この波長分解能を定量的に示す指標として、スリット上の分光された各波長λ1、λ2の広がり(間隔)dで評価するとする。
図7に示す加分散型分光装置においては、入力ポート1へ入射される光aが波長λ1、λ2の2つの波長を含む場合、第1のスリット3位置での広がり(間隔)はd1であり、さらに、第2のスリット5位置での広がり(間隔)はd2である。当然、第2のスリット5位置での広がり(間隔)d2の方が、第1のスリット3位置での広がり(間隔)d1より大きい。しかも、第2のスリット5位置での広がり(間隔)d2が最終の波長分解能となるので、この第2のスリット5位置での広がり(間隔)d2が大きいほどよい。
【0007】
一方、近年、光通信システムにおいて、データ通信の通信効率を向上させるために、1本の光ファイバに波長が異なるデジタル変調された複数の光信号を信号合成して送信する波長多重伝送方式が実用化されている。
【0008】
したがって、このように波長多重化された光信号から元の信号を得るためには、波長多重化された光信号を分光して、それぞれ異なる波長λ1、λ2、λ3、…を有する複数の光信号に分離する必要がある。
【0009】
しかしながら、この波長多重化された1つの光信号をそれぞれ異なる波長を有する複数の光信号に分光する分光装置として図6、図7に示す加分散型分光装置を用いると、次のような不都合が生じる。
すなわち、図8に示すように、入力ポート1から入射された被測定光aは、コンデンサレンズ7で平行光に変換されて、角度θ1で第1の回折格子2へ入射され、この第1の回折格子2で分光されて、平行光の状態で、コンデンサレンズ8に入射され、このコンデンサレンズ8で第1のスリット3位置に集光される。
【0010】
この分光される過程で、平行光の一方端の光Aと他方端の光Bとの間に、(a―b)の光路差が発生する。光路差が生じた各光A、Bはコンデンサレンズ8で第1のスリット3位置で集光される。波長多重化された1つの光信号のデジタル信号の周波数(伝送速度)が数十GHz程度の高周波の場合は、(a―b)の光路差が前記デジタル信号のパルス幅に比較して無視できない値となる。
【0011】
この場合、被測定光aに含まれる光信信号の矩形波の波形bは、第1のスリット3位置で乱れて、図7、図8に示す波形b1となる。さらに、第2の回折格子4に対して同一方向に入射して分光されると、さらに乱れて、図7に示す波形b2となる。このように、被測定光aに含まれる光信号における各パルスの立上り特性が劣化すると、この光信号から元のデジタル信号を再生できない問題が生じる。すなわち、分光された各光信号の信号品質が低下する。
【0012】
そこで、図9に示すように、第2の回折格子4に対する光a1の入射方向を、第1の回折格子2に対する被測定光aの入射方向に対して、反対方向から入射させる。言い換えれば、被測定光aの回折格子2からの出射時の波長分散方向(λ+、λ-)と、被測定光aの回折格子4への入射時の波長分散方向(λ+、λ-)とを同一方向に設定する。
【0013】
このように、第2の回折格子4に対する光a1の入射方向を、第1の回折格子2に対する被測定光aの入射方向に対して、反対方向に設定することは、図8において、第1のスリット3側からコンデンサレンズ8を介して光が、回折格子2に対し逆方向から入射して、コンデンサレンズ7側へ進むことを示す。その結果、逆方向の光路差が生じる。よって、光路差が互いに相殺される方向に作用する。
【0014】
このような構成の分光器を差分散型分光装置と称する。この差分散型分光装置は、図10に示すように、第2の回折格子4に対する光の入射方向を、第1の回折格子2に対する被測定光の入射方向に対して、反対方向から入射させるとともに、第2の回折格子4で分光された平行な光をコンデンサレンズ10で出力ポート12に集光する。
【0015】
このような構成の差分散型分光装置においては、第1の回折格子2で分光される過程で発生した光路差は、第2の回折格子4で分光される過程で相殺される。したがって、図10の下段に示すように、被測定光aに含まれる光信号の矩形波の波形bは、第1のスリット3位置で乱れて、多少乱れた波形b1となる。さらに、第2の回折格子4に対して反対方向に入射して分光されると、乱れた波形b1が元の波形bに近似した波形b3に修正される。
【0016】
このような差分散型分光装置を用いることによって、被測定光aに含まれる互いに波長が異なる複数の光信号を分光して抽出するとともに、抽出された光信号の信号品質を向上できる。
【0017】
次に図10に示す差分散型分光装置の波長分解能を考える。図7に示す加分散型分光装置の場合と同様に、入力ポート1へ入射される光aが波長λ1、λ2との2つの波長を含むとすると、第1のスリット3位置での広がり(間隔)はd1である。続いて、第2の回折格子4に対して逆方向に入射されるので、第2のスリット5位置での広がり(間隔)はゼロになり、波長λ1 、λ2との2つの波長は同じ一点に集光される。しかし、図示するように、スリット3上で、任意の波長、例えばλ1のみを通過させることで、信号品質を劣化することなく、所望の光信号を分路して抽出できる。
【0018】
以上説明したように、測定信号を高い波長分解能で分光する場合は図7に示した加分散型分光装置を用い、測定信号に含まれる互いに波長が異なる各光信号を抽出する場合は図10に示す差分散型分光装置を用いる。
【0019】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、近年、光通通信システムにおいて、互いに波長が異なる各光信号を光波長多重化した光が用いられる傾向がある。したがって、このような波長多重化された各光信号の波長を正確に測定するとともに、各光信号を抽出して信号解析することが望まれている。
【0020】
したがって、光通通信システムにおける測定位置に、図7に示す加分散型分光装置と図10に示す差分散型分光装置との2台の分光器を持ち込む必要があった。その結果、各分光器の搬入、搬出、設定、調整に多大の手間と時間とが必要であった。
【0021】
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、1つの回折格子に対して折返しミラー機構を用いて被測定光を、波長分散方法を同一方向及び逆方向に設定した状態で出射及び入射させることによって、組込まれる光学部品点数を最小限に抑制した状態で、加分散機能と差分散機能とを実現でき、被測定光を高い波長精度で分光するとともに、被測定光から分光された光信号を高い信号品質を維持した状態で抽出できる分光装置を提供することを目的とする。
【0022】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解消するために、本発明の分光装置は、被測定光を第1の往路光及び第2の往路光に分岐する光分岐器と、光分岐器から出力された第1、第2の往路光を平行光に変換するともに入射された第1、第2の復路光を集光する第1の放物面鏡と、第1の放物面鏡で平行光に変換された第1、第2の往路光を分光するとともに入射された第1、第2の復路光を分光する回折格子と、回折格子で分光された第1、第2の往路光を集光するとともに入射された第1、第2の復路光を平行光に変換して回折格子へ入射させる第2の放物面鏡と、この第2の放物面鏡で集光された第1の往路光を第1の復路光として、回折格子に対する入射時の波長分散方向が第1の往路光の回折格子からの出射時の波長分散方向と同一方向になるように折返す第1の折返しミラー機構と、第2の放物面鏡で集光された第2の往路光を第2の復路光として、回折格子に対する入射時の波長分散方向が前記第2の往路光の回折格子からの出射時の波長分散方向と逆方向になるように折返す第2の折返しミラー機構と、回折格子で分光され、第1の放物面鏡で集光された第1の復路光を分光された光信号として出射する光信号出力ポートと、回折格子で分光され、第1の放物面鏡で集光された第2の復路光を波長解析用光として受光する受光器とを備えている。
【0023】
このように構成された分光装置においては、外部から入力された被測定光は光分岐器で第1の往路光と第2の往路光とに分岐される。
そして、第1の往路光は第1の放物面鏡で平行光に変換されて回折格子へ入射される。この回折格子で分光された第1の往路光は第2の放物面鏡で集光される。そして、この第2の放物面鏡で集光された第1の往路光は第1の折返しミラー機構で折り返されて、第1の復路光として第2の放物面鏡で平行光に変換されて、再度、回折格子へ入射される。
【0024】
この場合における第1の復路光の回折格子への入射時の波長分散方向(λ+、λ-)は、図5(b)に示すように、第1の往路光の回折格子からの出射時の波長分散方向(λ+、λ-)に対して同一方向である。この第1の復路光は回折格子で再度分光される。回折格子で再度分光された第1の復路光は第1の放物面鏡で光信号出力ポートへ集光される。
【0025】
前述したように、第1の復路光の回折格子への入射時の波長分散方向は、第1の往路光の回折格子からの出射時の波長分散方向に対して同一方向であるので、第1の往路光が回折格子で分光される時に生じる図8で示した光路差(a―b)は、第1の復路光が同じ回折格子で分光される時に相殺される。
【0026】
よって、この第1の往路光及び第1の復路光の光路で差分散型分光機能が形成される。したがって、光信号出力ポートから第1の復路光が分光された光信号として出力される。
【0027】
一方、光分岐器で分岐された第2の往路光は第1の放物面鏡で平行光に変換されて回折格子へ入射される。この回折格子で分光された第2の往路光は第2の放物面鏡で集光される。そして、この第2の放物面鏡で集光された第2の往路光は第2の折返しミラー機構で折り返されて、第2の復路光として第2の放物面鏡で平行光に変換されて、再度、回折格子へ入射される。
【0028】
この場合における第2の復路光の回折格子への入射時の波長分散方向(λ-、λ+)は、図5(a)に示すように、第2の往路光の回折格子からの出射時の波長分散方向(λ+、λ-)に対して逆方向である。この第2の復路光は回折格子で再度分光される。回折格子で再度分光された第2の復路光は第1の放物面鏡で受光器上へ集光される。
【0029】
前述したように、第2の復路光の回折格子への入射時の波長分散方向は、第2の往路光の回折格子からの出射時の波長分散方向に対して逆方向であるので、この第2の往路光及び第2の復路光の光路で、加分散型分光機能が形成される。したがって、受光器へ受光される第2の復路光は高い波長精度で分光されるとともに、高いS/N比を実現できる。
【0030】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態を図面を用いて説明する。
図1は実施形態に係る分光装置の概略構成図である。入力ポート13に被測定光dが入射される。この被測定光dは、例えば光通信システムで採用されるそれそれ互いに異なる波長λ1、λ2、λ3を有する3つの光信号を合成した光である。
【0031】
入力ポート13から入力された被測定光dは光分岐器で第1の往路光gと第2の往路光hとに分岐される。第1の往路光と第2の往路光hはそれぞれ光ファイバを介して、第1、第2の入力ポート15、16へ導かれる。この第1、第2の入力ポート15、16は第1の放物面鏡17の焦点位置に微小間隔を開けて設置されている。
【0032】
第1の往路光gは第1の放物面鏡17で平行光に変換されて回折格子18へ入射される。この回折格子18は、紙面に対して垂直方向に多数の格子溝18aが刻設されており、図2(a)に示すように、紙面に対して垂直方向に設定された中心軸19を中心に図示しないモータで回動させられる。
【0033】
したがって、この回折格子18は入射した第1の往路光gを分光する。そして、この回折格子18で分光された第1の往路光gは平行光状態を維持して第2の放物面鏡20へ入射される。この第2の放物面鏡20は入射した平行光状態の第1の往路光gを焦点位置近傍に集光させる。
【0034】
この第2の放物面鏡20の焦点位置近傍に第1の折返しミラー機構21と第2の折返しミラー機構22とが配設されている。図1においては、説明を間単するために、第1の折返しミラー機構21と第2の折返しミラー機構22とを別々の位置に記載しているが、実際の分光装置においては、1個の容器内に収納されている。
【0035】
第2の放物面鏡20で集光された第1の往路光gは第1の折返しミラー機構21で折返されて、第1の復路光g1として第2の放物面鏡20へ入射される。第2の放物面鏡20は入射された第1の復路光g1を平行光に変換して再度、回折格子18へ入射する。
【0036】
この場合における第1の復路光g1の回折格子18への入射時の波長分散方向は、図5(b)を用いて説明したように、第1の往路光gの回折格子18からの出射時の波長分散方向に対して同一方向である。この第1の復路光g1は回折格子18で再度分光される。回折格子18で再度分光された平行光状態の第1の復路光g1は第1の放物面鏡17へ入射される。
【0037】
第1の放物面鏡17は入射された平行光状態の第1の復路光g1を、この第1の放物面鏡17の焦点位置近傍に設置された光信号出力ポート24へ集光する。この光信号出力ポート24は入射された第1の復路光g1を分光された光信号g2として出力する。
【0038】
一方、第2の往路光hは第1の放物面鏡17で平行光に変換されて回折格子18へ入射される。回折格子18は入射した第2の往路光hを分光する。そして、この回折格子18で分光された第2の往路光hは平行光状態を維持した状態で第2の放物面鏡20へ入射される。この第2の放物面鏡20は入射した平行光状態の第2の往路光hを焦点位置近傍に集光させる。
【0039】
この第2の放物面鏡20の焦点位置近傍に設置された第2の折返しミラー機構22は入射した第2の往路光hを折返して、第2の復路光h1として第2の放物面鏡20へ入射する。第2の放物面鏡20は入射された第2の復路光h1を平行光に変換して再度、回折格子18へ入射する。
【0040】
この場合における第2の復路光h1の回折格子18への入射時の波長分散方向は、図5(a)を用いて説明したように、第2の往路光hの回折格子18からの出射時の波長分散方向と逆方向である。この第2の復路光h1は回折格子18で再度分光される。回折格子18で再度分光された平行光状態の第2の復路光h1は第1の放物面鏡17へ入射される。第1の放物面鏡17は入射された平行光状態の第2の復路光h1を、この第1の放物面鏡17の焦点位置近傍に設置された受光器25上へ集光する。
【0041】
受光器25は入射された第2の復路光h1を電気信号の光強度信号h2に変換して波長分析部26へ入力する。波長分析部26は、モータで回動される回折格子18の回動角から受光器25に入射される第2の復路光h1の波長を特定し、各波長における光強度を示す被測定光dのスペクトラム特性を算出する。
【0042】
次に、第2の放物面鏡20で集光された第1の往路光gを第2の放物面鏡20を介して回折格子18に対して、第1の復路光g1とし折返す第1の折返しミラー機構21の詳細構成及び動作を図2(a)に示す光路図を用いて説明する。
【0043】
この光路図においては、説明を解りやすくするために、第1、第2の放物面鏡17,20を1つの放物面鏡で表現している。そして、この放物面鏡の中心Pを座標の原点として、R1、R2、R3、R4の4つの領域(象限)に分割する。そして、第1の折返しミラー機構21には、一対のミラー21a、21cとスリット21bとが組込まれている。ミラー21aは領域R1に位置し、ミラー21cは領域R4に位置する。
【0044】
そして、図2(a)(b)において、第1の入力ポート15から出射された第1の往路光gは第1の放物面鏡17の領域R3([―10,−10]座標)で反射されて回折格子18へ入射される。回折格子18で分光された第1の往路光gは第2の放物面鏡20の領域R1([10,10]座標)で反射され、第1の折返しミラー機構21の領域R1に位置するミラー21aへ入射する。
【0045】
第1の往路光gはミラー21aで回折溝18a方向に反射され、スリット21bを介して、領域R4に位置するミラー21cで反射されて、第1の復路光g1として第2の放物面鏡20の領域R4([10,―10]座標)へ入射される。第1の復路光g1は、第2の放物面鏡20の領域R4([10,―10]座標)で反射されて再度、回折格子18へ入射される。回折格子18で再度分光された第1の復路光g1は第1の放物面鏡17の領域R2([―10,10]座標)で反射され、領域R2に位置する光信号出力ポート24へ入射する。
【0046】
このような図2(a)(b)に示す光路図において、第1の往路光gの回折格子18からの出射時の波長分散方向と、第1の復路光g1の回折格子18へ入射時の波長分散方向とは同一であることが理解できる。
【0047】
したがって、この第1の往路光b及び第1の復路光b1の光路で、差分散型分光機能が形成される。よって、光信号出力ポート24から第1の復路光b1が分光された高い信号品質が有した光信号g2として出力される。
【0048】
次に、第2の放物面鏡20で集光された第2の往路光hを第2の放物面鏡20を介して回折格子18に対して第2の復路光h1として折返す第2の折返しミラー機構22の詳細構成及び動作を図3(a)に示す光路図を用いて説明する。
【0049】
この第2の折返しミラー機構22には、一対のミラー22a、22cとスリット22bが組込まれている。ミラー22aは領域R1に位置し、ミラー21cは領域R2に位置する。さらに、受光器25の前面にはスリット25aが配設されている。
【0050】
前述した第1の往路光gと同様に、図3(a)(b)において、第2の入力ポート16から出射された第2の往路光hは第1の放物面鏡17の領域R3([―5,−5]座標)で反射されて回折格子18へ入射される。回折格子18で分光された第2の往路光hは第2の放物面鏡20の領域R1([5,5]座標)で反射され、第2の折返しミラー機構22の領域R1に位置するミラー22aへ入射する。
【0051】
第2の往路光hはミラー22aで回折溝18a方向と直角方向に反射され、スリット22bを介して、領域R2に位置するミラー22cで反射されて、第2の復路光h1として第2の放物面鏡20の領域R2([―5,5]座標)へ入射される。第2の復路光h1は、第2の放物面鏡20の領域R2([―5,5]座標)で反射されて再度、回折格子18へ入射される。回折格子18で再度分光された第2の復路光h1は第1の放物面鏡17の領域R4([5,―5]座標)で反射され、領域R4に位置するスリット25aを介して受光器25へ入射する。
【0052】
このような図3(a)(b)に示す光路図において、第2の往路光hの回折格子18からの出射時の波長分散方向と、第2の復路光h1の回折格子18への入射時の波長分散方向とは逆方向であることが理解できる。
【0053】
したがって、第2の往路光h及び第2の復路光h1の光路で加分散機能が形成される。したがって、受光器25で受光される第2の復路光h2(波長解析用光)は高い波長精度で分光されるとともに、高いS/N比を実現できる。
【0054】
図4は、図2(a)に示す第1の往路光g及び第2の復路光g1の光路と、図3(a)に示す第2の往路光h及び第2の復路光h1の光路とを1枚の光路図で示す図である。
【0055】
このように構成された分光装置においては、この分光装置に組込まれる主な光学部品は、光分岐器14と、第1、第2の放物面鏡17、20と、第1、第2の折返しミラー機構21、22と、回折格子18とである。したがって、従来の図7に示す加分散型分光装置と図10に示す差分散型分光装置との2台の装置を用いる場合に比較して、分光装置全体の構成を大幅に簡素化できる。
【0056】
また、光学部品点数を減少させることによって、測定開始前の調整作業の作業能率を向上できる。
【0057】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の分光装置は、1つの回折格子に対して折返しミラー機構を用いて被測定光を、波長分散方法を同一方向及び逆方向に設定した状態で出射及び入射させる2種類の折返しミラー機構を組込んでいる。
【0058】
したがって、組込まれる光学部品点数を最小限に抑制した状態で、加分散機能と差分散機能とを実現でき、被測定光を高い波長精度で分光するとともに、被測定光から分光された光信号を高い信号品質を維持した状態で抽出できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係わる分光装置の概略構成を示す模式図
【図2】同分光装置における第1の折返しミラー機構の構成及び動作を説明するための光路図
【図3】同分光装置における第2の折返しミラー機構の構成及び動作を説明するための光路図
【図4】同分光装置における第1、第2の折返しミラー機構の構成及び動作を説明するための合成された光路図
【図5】加分散機構と差分散寄港とにおける回折格子からの出射光及び回折格子に対する入射光の波長分散方向を示す図
【図6】加分散型分光の動作原理を示す図
【図7】加分散型分光装置の概略構成及び特徴を示す図
【図8】加分散型分光装置において発生する光路差を説明する図
【図9】差分散型分光の動作原理を示す図
【図10】差分散型分光装置の概略構成及び特徴を示す図
【符号の説明】
13…入力ポート
14…光分岐器
17…第1の放物面鏡
18…回折格子
20…第2の放物面鏡
21…第1の折返しミラー機構
22…第2の折返しミラー機構
24…光信号出力ポート
25…受光器
26…波長分析部
Claims (1)
- 被測定光を第1の往路光及び第2の往路光に分岐する光分岐器(14)と、
この光分岐器から出力された第1、第2の往路光を平行光に変換するともに入射された第1、第2の復路光を集光する第1の放物面鏡(17)と、
この第1の放物面鏡で平行光に変換された第1、第2の往路光を分光するとともに入射された第1、第2の復路光を分光する回折格子(18)と、
この回折格子で分光された第1、第2の往路光を集光するとともに入射された第1、第2の復路光を平行光に変換して前記回折格子へ入射させる第2の放物面鏡(20)と、
この第2の放物面鏡で集光された第1の往路光を第1の復路光として、前記回折格子に対する入射時の波長分散方向が前記第1の往路光の前記回折格子からの出射時の波長分散方向と同一方向になるように折返す第1の折返しミラー機構(21)と、
前記第2の放物面鏡で集光された第2の往路光を第2の復路光として、前記回折格子に対する入射時の波長分散方向が前記第2の往路光の前記回折格子からの出射時の波長分散方向と逆方向になるように折返す第2の折返しミラー機構(22)と、
前記回折格子で分光され、前記第1の放物面鏡で集光された第1の復路光を分光された光信号として出射する光信号出力ポート(24)と、
前記回折格子で分光され、前記第1の放物面鏡で集光された第2の復路光を波長解析用光として受光する受光器(25)と
を備えた分光装置。
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