JP4519006B2 - 車輪用軸受装置 - Google Patents

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この発明は、自動車等の駆動輪となる車輪を回転自在に支持する車輪用軸受装置に関する。
従来、駆動輪支持用の車輪用軸受装置として、図5および図6に示すものが提案されている(例えば特許文献1)。これは、外方部材21と内方部材22の対向する軌道面23,24間に複列にボール25を介在させ、上記内方部材22を、車輪取付用のハブフランジ29aを外周に有するハブ輪29と、このハブ輪29のインボード側端の外周に嵌合した内輪30とで構成した形式のものである。ハブ輪29の中央孔31には、等速ジョイントの外輪33のステム部33aが挿通されてスプライン嵌合され、等速ジョイント外輪33の段面33bが内輪30のインボード側端面30aに押し当てられる。この状態で、前記ステム部33aの先端にナット34を螺合させることにより、等速ジョイント外輪33とナット34とで内方部材22が幅締めされる。
この提案例では、ハブ輪29のインボード側端部の外周に形成した段部35に内輪30を外嵌させると共に、内輪30のインボード側端部の内周に段部36を形成し、ハブ輪29のインボード側端を前記内輪30の段部36に加締めている。
特開平9−164803号公報
しかし、上記した車輪用軸受装置では、以下のような問題が有る。
(1)ハブ輪29の加締部29bが大きいため、内輪30のインボード側端部に形成する段部36の径方向段差を、半径差で5〜7mm程度とする必要がある。このように段部36の段差を大きくすると、内輪30のインボード側端面30aの面積が小さくなるので、等速ジョイント外輪33の段面33bとの接触面圧が大きくなる。そのため、摩耗や異音の発生の原因となる。
(2)ハブ輪29の加締部29bを内輪30のインボード側端より内側(アウトボード側)に収めようとすると、内輪30の段部36の軸方向長さを7〜8mm程度にする必要がある。このように内輪段部36の軸方向長さが長くなると、ボール接触角を成す直線上に内輪段部36が位置する傾向があり、そのため運転時の負荷荷重による内輪30の変形が大きくなって短寿命となる可能性がある。また、内輪段部36の軸方向長さが長くなると、それだけハブ輪29に対する内輪30の嵌め合い長さ(面積)が減少するので、内輪クリープが発生し、軸受寿命が低下する可能性がある。これらの問題は、内輪全体の幅寸法を長くすれば回避できるが、それでは軸方向に余分なスペースが必要になる。
(3)また、ハブ輪29の加締部29bが大きいことから、揺動加締加工において、加締工具が内輪30と干渉し、加工が困難である。
(4)ハブ輪29のインボード側端を加締めることで、ハブ輪29の貫通孔31のインボード側端であるハブパイロット部31aが縮径変形する。このため、ハブ輪29の貫通孔31に等速ジョイント外輪33のステム部33aを挿入してスプライン嵌合させるときに、ステム部33aとその案内部となるハブパイロット部31aとが干渉し、等速ジョイント外輪33のハブ輪29への装着が難しくなる。また、ハブ輪29のインボード側端を加締めることで内輪30が拡径させられ、そのため内輪軌道面24が変形し、軸受寿命の低下等の原因となる。
この発明の目的は、軸受機能へ悪影響を及ぼすことなく、車両への組立工程における内輪抜けを防止でき、車両への組立性向上が可能な車輪用軸受装置を提供することである。
この発明の車輪用軸受装置は、内周に複列の軌道面を有する外方部材と、これら軌道面に対向する軌道面を有する内方部材と、対向する軌道面間に介在した複列の転動体とを備え、上記内方部材が、車輪取付用のハブフランジを外周に有し中心に貫通孔を有するハブ輪と、このハブ輪のインボード側端の外周に嵌合した内輪とでなり、これらハブ輪および内輪に前記各列の軌道面を形成し、前記ハブ輪が等速ジョイントの外輪と結合されて前記内輪のインボード側に向く端面が前記等速ジョイントの外輪に設けられたアウトボード側に向く段面に押し付けられる駆動輪支持用の車輪用軸受装置において、
前記内輪の内周面におけるインボード側端に、この内輪のインボード側の端面まで続き、車両への組立工程における内輪の抜けを防止し得る程度に小さな深さの段差部を設け、前記ハブ輪のインボード側端の内周に前記貫通孔よりも大径となる薄肉化用段差部を設けて前記ハブ輪のインボード側端を加締筒部とし、この加締筒部は前記内輪の端面から突出しないものとし、前記薄肉化用段差部の内面を、円筒面と、段差内端面と、これら円筒面および段差内端面を繋ぐ円弧状面とでなる形状とし、前記円弧状面の曲率半径を1.9mm以上とし、前記加締筒部を拡径加締めにより塑性変形させて、その塑性変形部分のうちの前記加締筒部の軸方向の一部となる前記段差部内に進入した部分を、前記内輪の段差部の軸方向に向く係止面に係合させたことを特徴とする。
この構成によると、内輪の内周面に設けられてハブ輪の拡径加工による加締筒部を係合させる段差部を、内輪の内周縁というごく限られた範囲のものとしたため、内輪の抜け耐力を確保しながら、段差部をできるだけ小さなものとできる。このため、段差部を設けながら内輪端面の面積の減少を少なくできて、等速ジョイント外輪の段面との接触面圧の増加が抑制され、摩耗や異音の発生を防止できる。
特に、加締筒部の内周に薄肉化用段差部を設け、この薄肉化用段差部の内面を、円筒面と、段差内端面と、これら円筒面および段差内端面を繋ぐ円弧状面とでなる形状とし、この円弧状面の曲率半径を1.9mm以上と大きくしたので、加締筒部の拡径加締め時に、ハブ輪の貫通孔のインボード側端が縮径する量を小さくできる。そのため、相手部品となる等速ジョイント外輪のステム部の挿入や、ステム部基端であるステム部パイロット部分との嵌合に支障が生じない拡径加締めが可能になる。
この発明の車輪用軸受装置によると、このように軸受機能へ悪影響を及ぼすことなく、車両への組立工程における内輪抜けを防止でき、車両への組立性向上が可能なる。
この発明において、前記ハブ輪の前記貫通孔は、等速ジョイントのステム部の外周のスプラインと噛み合うスプライン溝を内周面に有し、前記貫通孔の内周面における前記スプライン溝が形成された一般径部分よりもインボード側の部分を、前記薄肉化用段差部の内面となる円筒面と、この円筒面よりも小径で前記一般径部分よりも大径となる中間径段差部とでなる2段の段付き形状としても良い。
このようにハブ輪の加締筒部の肉厚の調整を2段の段付き形状で行うようにしたため、中間径の部分が、等速ジョイントのステム部を挿入するときの案内となり、組立性がより向上する。
この発明において、前記ハブ輪の軌道面は焼入れ処理した表面硬化処理面とし、前記加締加工部は非熱処理部とし、前記内輪は表面から芯部までの全体を焼入れ処理により硬化させても良い。
ハブ輪の軌道面は転動寿命の向上の点から、表面硬化処理面として硬度を高くすることが好ましいが、加締加工を行う部分は、加締加工の容易性の点から非熱処理部とすることが好ましい。内輪は、小部品であって軌道面を有し、かつハブ輪に内周面が嵌合することから、表面から芯部までの全体を焼入れ処理により硬化させたものとすることが、転動寿命や嵌合面の耐摩耗性の向上の点で好ましい。
この発明の車輪用軸受装置は、内周に複列の軌道面を有する外方部材と、これら軌道面に対向する軌道面を有する内方部材と、対向する軌道面間に介在した複列の転動体とを備え、上記内方部材が、車輪取付用のハブフランジを外周に有し中心に貫通孔を有するハブ輪と、このハブ輪のインボード側端の外周に嵌合した内輪とでなり、これらハブ輪および内輪に前記各列の軌道面を形成し、前記ハブ輪が等速ジョイントの外輪と結合されて前記内輪のインボード側に向く端面が前記等速ジョイントの外輪に設けられたアウトボード側に向く段面に押し付けられる駆動輪支持用の車輪用軸受装置において、前記内輪の内周面におけるインボード側端に、この内輪のインボード側の端面まで続き、車両への組立工程における内輪の抜けを防止し得る程度に小さな深さの段差部を設け、前記ハブ輪のインボード側端の内周に前記貫通孔よりも大径となる薄肉化用段差部を設けて前記ハブ輪のインボード側端を加締筒部とし、この加締筒部は前記内輪の端面から突出しないものとし、前記薄肉化用段差部の内面を、円筒面と、段差内端面と、これら円筒面および段差内端面を繋ぐ円弧状面とでなる形状とし、前記円弧状面の曲率半径を1.9mm以上とし、前記加締筒部を拡径加締めにより塑性変形させて、その塑性変形部分のうちの前記加締筒部の軸方向の一部となる前記段差部内に進入した部分を、前記内輪の段差部の軸方向に向く係止面に係合させたため、軸受機能へ悪影響を及ぼすことなく、車両への組立工程における内輪抜けを防止でき、車両の組立性向上が可能となる。
この発明の一実施形態を図1ないし図4と共に説明する。この実施形態は、第3世代型の内輪回転タイプで、かつ駆動輪支持用の車輪用軸受装置に適用したものである。なお、この明細書において、車両に取付けた状態で車両の車幅方向外側寄りとなる側をアウトボード側と言い、車両の中央寄りとなる側をインボード側と呼ぶ。
この車輪用軸受装置は、内周に複列の軌道面3を形成した外方部材1と、これら各軌道面3に対向する軌道面4を形成した内方部材2と、これら外方部材1および内方部材2の軌道面3,4間に介在した複列の転動体5とで構成される。この車輪用軸受装置は、複列のアンギュラ玉軸受型とされていて、転動体5はボールからなり、各列毎に保持器6で保持されている。上記各軌道面3,4は断面円弧状であり、各軌道面3,4はボール接触角が背面合わせとなるように形成されている。外方部材1と内方部材2との間の軸受空間の両端は、シール7,8によりそれぞれ密封されている。
外方部材1は固定側の部材となるものであって、車体の懸架装置(図示せず)におけるナックルに取付けるフランジ1aを外周に有し、全体が一体の部品とされている。
内方部材2は回転側の部材となるものであって、外周に車輪取付用のハブフランジ9aを有するハブ輪9と、このハブ輪9のインボード側端の外周に嵌合した内輪10とでなる。これらハブ輪9および内輪10に前記各列の軌道面4が形成されている。ハブ輪9は中心に貫通孔11を有し、その軌道面4は、焼入れ処理による表面硬化処理面とされている。内輪10は、表面から芯部までの全体が焼入れ処理により硬化させてある。
図2に拡大断面図で示すように、ハブ輪9のインボード側端の外周には、ハブ輪9の他の部分の外周よりも小径となった段差部状の内輪嵌合面部15が形成され、この内輪嵌合面部15に内輪10が嵌合する。内輪10の内周面のインボード側端には、この内輪10のインボード側の端面10aまで続き、この端面10aの内周縁に相当する深さの段差部16が設けられる。段差部16は、内輪10の軌道面4におけるボール接触角を成す直線Lよりもインボード側に位置している。この段差部16の内面は、円筒面からなるストレート部16aと、このストレート部16aの端部から内輪10の内周面に続き内輪軸方向に向く係止面16bとでなる形状とされている。係止面16bは、詳しくは内輪軸方向に対して傾斜したテーパ面とされている。
ハブ輪9のインボード側端には、拡径加締めにより内輪10の段差部16の係止面16bに係合させた加締筒部9bが設けてある。この加締筒部9bは、内輪10の段差部16内をほぼ充足する。
加締筒部9bは、ハブ輪11のインボード側端の内周に前記貫通孔11よりも大径となる薄肉化用段差部11bを設けることで形成した部分であり、その拡径加締めの前の形状は、図4のように直円筒状とされている。加締筒部9bの拡径加締め後の形状は、図2(B)に示すように、内周面がインボード側へ開くテーパ状面となる。加締筒部9bを設ける軸方向範囲は、内輪10の段差部16のアウトボード側端よりも若干さらにアウトボード側の位置から、内輪端面10aの近傍までとされている。加締筒部9bの内輪端面10aからのアウトボード側への後退量Dは、例えば1.0mm程度とされている。
加締筒部9bの肉厚tは、例えば1.5mmとされる。内輪10における前記段差部16のテーパ面からなる係止面16bの軸受中心軸Oに対する傾斜角度αは、45°とされている。上記拡径加締めは、プレス加工等の方法で全周に渡り行われる。この加締加工はハブ輪9のインボード側端を拡径させるように行う。ハブ輪9の加締筒部9bは非熱処理部とされている。
図3はハブ輪9の全体の断面図であり、そのVI部を拡大して図4(A)に示す。同図のように、薄肉化用段差部11bの内面は、円筒面11baと、径方向に向く段差内端面11bcと、これら円筒面11baおよび段差内端面11bcを繋ぐ円弧状面11bbとでなる形状とされている。円弧状面11bbの曲率半径Rは、1.9mm以上(ここでは2.0mm)とされている。なお、この円弧状面11bbの曲率半径Rは、加締筒部9bの拡径加締め後においても1.9mm以上とされる。
ハブ輪9の貫通孔11は、等速自在継手12の片方の継手部材となる外輪13のステム部13aを挿通する孔である。この貫通孔11は、ステム部13aの外周に設けられたスプライン13aaと噛み合うスプライン溝11aaを内周面に有している。貫通孔11の内周面における前記スプライン溝11aaが形成された一般径部分11aよりもインボード側の部分は、前記薄肉化用段差部11bの内面となる円筒面11baと、この円筒面11baよりも小径で前記一般径部分11aよりも大径となる中間径段差部11cとでなる2段の段付き形状とされている。
なお、この発明の車輪用軸受装置は、例えば小型乗用車から大型乗用車にわたる一般的な乗用車に適用されるものであり、これら一般的な乗用車に適用される各部の寸法のものとされている。
この車輪用軸受装置の車両への組付けにおいては、等速ジョイント12の外輪13のステム部13aをハブ輪9の貫通孔11に挿通させ、ステム部13aの外周のスプライン13aaと貫通孔11の内周面のスプライン溝11aaとをスプライン嵌合させ、ステム部13aの先端に螺合するナット14の締め付けにより、等速ジョイント外輪13を内方部材2に結合する。このとき、等速ジョイント外輪13に設けられたアウトボード側に向く段面13bが、内輪10のインボード側に向く端面10aに押し付けられ、等速ジョイント外輪13とナット14とで内方部材2が幅締めされる。車輪取付用のハブフランジ9aはハブ輪9のアウトボード側端に位置しており、このハブフランジ9aにブレーキロータを介して車輪(いずれも図示せず)がボルト17で取付けられる。
この構成の車輪用軸受装置によると、内輪10の内周面に段差部16を設け、ハブ輪9の加締筒部9bを前記段差部16の係止面16bに拡径加締めによって係合させたので、車両への組付工程において発生する外力による内輪10のハブ輪9からの抜けを防止できる。段差部16は、内輪10の内周縁というごく限られた範囲のものとしたため、内輪10の抜け耐力を確保しながら、段差部16をできるだけ小さなものとできる。このため、段差部16を設けながら内輪10の端面10aの面積の減少が少なく、等速ジョイント外輪13の段面13bとの接触面圧の増加が抑制され、摩耗や異音の発生を防止できる。
特に、加締筒部9bの内周に、ハブ輪9の貫通孔11よりも段差を持って大径となる薄肉化用段差部11bを設け、この薄肉化用段差部11bの内面を、円筒面11baと、段差内端面11bcと、これら円筒面11baおよび段差内端面11bcを繋ぐ円弧状面11bbとでなる形状としており、この円弧状面11bbの曲率半径Rを1.9mm以上と大きくしたので、加締筒部9bの拡径加締め時に生じる、ハブ輪9の貫通孔11のインボード側端であるハブ輪パイロット部11d(この実施形態では中間径段差部11cがハブ輪パイロット部11dとなる)の縮径量を小さくできる。そのため、相手部品となる等速ジョイント外輪13のステム部13aの挿入や、ステム部基端であるステム部パイロット部分13abとの嵌合に支障が生じない拡径加締めが可能になる。
これにより、車両への組立性を確保しつつ、十分な内輪抜け耐力を確保できる。このことを確認するために、本発明者等は、前記円弧状面11bbの曲率半径R(ハブ根元R )をこの実施形態の場合と異ならせた2つの比較例と、この実施形態の車輪用軸受装置とを比較して、次の測定を行った。すなわち、加締筒部9bの拡径加締め時におけるハブ輪パイロット部11dにおける内径D2の縮径量を、種々の加締め荷重(190kN,100kN,75kN)において測定した。その測定結果を表1に示す。なお、いずれの例も、貫通孔11の内径D1は26.4mm、ハブ輪パイロット部11dの内径D2は29.5mmである。比較例(2) におけるヌスミは、図4(B)に示すように、円弧状面11bbを円筒面11baおよび段差内端面11bcよりも深くした寸法hである。
Figure 0004519006
この測定結果から、いずれの加締め荷重においても、この実施形態の車輪用軸受装置でのハブ輪パイロット部内径D2の縮径量は、各比較例の場合よりも小さいことが確認された。この試験結果により、円弧状面11bbの曲率半径Rを大きくすることで、ハブ輪パイロット部内径D2の縮径量が小さくなることが分かる。また、上記曲率半径Rを2.0mmの狙いとし、±0.1mmの誤差を考慮した形状で、相手部品の嵌合に支障のない変形の小さな拡径加締めが可能であることが確認された。誤差の±0.1mmを考慮すると、曲率半径Rの最少寸法は、1.9mmである。
このように、この実施形態の車輪用軸受装置によると、ハブ輪9への等速ジョイント外輪13の装着が容易となり、かつ内輪10の膨張による寿命低下も防止できる。その結果、軸受機能へ悪影響を及ぼすことなく、車両への組立工程における内輪抜けを防止でき、車両の組立性向上が可能となる。
また、ハブ輪9の貫通孔11は、貫通孔11の内周面におけるスプライン溝11aが形成された一般径部分11aよりもインボード側の部分を、加締筒部9bの内周面となる薄肉化用段差部11bの円筒面11baと、この円筒面11babよりも小径で前記一般径部分11aよりも大径となる中間径段差部11cとでなる2段の段付き形状としたので、中間径段差部11cが、等速ジョイント12のステム部13aを挿入するときの案内ととなり、組立性がより向上する。
また、この車輪用軸受装置では、ハブ輪9における軌道面4を焼入れ処理した表面硬化処理面としているため、転動寿命を確保できる。加締加工部である加締筒部9bは非熱処理部としているため、加締加工を容易に行える。内輪10は小部品であって軌道面4を有し、かつハブ輪9に内周面が嵌合することから、前記したように表面から芯部までの全体を焼入れ処理により硬化させたものとすることで、転動寿命に優れ、かつ嵌合面の耐摩耗性に優れたものとなる。
この発明の一実施形態にかかる車輪用軸受装置の断面図である。 (A)は同車輪用軸受装置の部分拡大断面図、(B)は同図(A)のII部の拡大図である。 同車輪用軸受装置におけるハブ輪の断面図である。 (A)は図3におけるA部の拡大断面図、(B)は(A)における円弧状面の部分の拡大断面図である。 従来例の断面図である。 従来例の部分拡大断面図である。
符号の説明
1…外方部材
2…内方部材
3…外方部材の軌道面
4…内方部材の軌道面
5…転動体
9…ハブ輪
9a…ハブフランジ
9b…加締筒部
10…内輪
10a…内輪端面
11…貫通孔
11a…スプライン溝
11b…薄肉化用段差部
11ba…円筒面
11bb…円弧状面
11bc…段差内端面
11c…貫通孔の中間径段差部
13…等速ジョイント外輪
13a…等速ジョイント外輪のステム部
13aa…ステム部のスプライン
16…内輪の段差部
16b…内輪段差部のテーパ面
R…円弧状面の曲率半径

Claims (3)

  1. 内周に複列の軌道面を有する外方部材と、これら軌道面に対向する軌道面を有する内方部材と、対向する軌道面間に介在した複列の転動体とを備え、上記内方部材が、車輪取付用のハブフランジを外周に有し中心に貫通孔を有するハブ輪と、このハブ輪のインボード側端の外周に嵌合した内輪とでなり、これらハブ輪および内輪に前記各列の軌道面を形成し、前記ハブ輪が等速ジョイントの外輪と結合されて前記内輪のインボード側に向く端面が前記等速ジョイントの外輪に設けられたアウトボード側に向く段面に押し付けられる駆動輪支持用の車輪用軸受装置において、
    前記内輪の内周面におけるインボード側端に、この内輪のインボード側の端面まで続き、車両への組立工程における内輪の抜けを防止し得る程度に小さな深さの段差部を設け、前記ハブ輪のインボード側端の内周に前記貫通孔よりも大径となる薄肉化用段差部を設けて前記ハブ輪のインボード側端を加締筒部とし、この加締筒部は前記内輪の端面から突出しないものとし、前記薄肉化用段差部の内面を、円筒面と、段差内端面と、これら円筒面および段差内端面を繋ぐ円弧状面とでなる形状とし、前記円弧状面の曲率半径を1.9mm以上とし、前記加締筒部を拡径加締めにより塑性変形させて、その塑性変形部分のうちの前記加締筒部の軸方向の一部となる前記段差部内に進入した部分を、前記内輪の段差部の軸方向に向く係止面に係合させたことを特徴とする車輪用軸受装置。
  2. 請求項1において、前記ハブ輪の前記貫通孔は、等速ジョイントのステム部の外周のスプラインと噛み合うスプライン溝を内周面に有し、前記貫通孔の内周面における前記スプライン溝が形成された一般径部分よりもインボード側の部分を、前記薄肉化用段差部の内面となる円筒面と、この円筒面よりも小径で前記一般径部分よりも大径となる中間径段差部とでなる2段の段付き形状とした車輪用軸受装置。
  3. 請求項1または請求項2において、前記ハブ輪の軌道面は焼入れ処理した表面硬化処理面とし、前記加締加工部は非熱処理部とし、前記内輪は表面から芯部までの全体を焼入れ処理により硬化させた車輪用軸受装置。
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