JP4517624B2 - 液晶表示装置、液晶表示装置の製造方法、電子機器 - Google Patents
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(1)誘電異方性が負の液晶を基板に垂直に配向させ、電圧印加によってこれを倒す「VA(Vertical Alignment)モード」を採用している点。
(2)透過表示領域と反射表示領域の液晶層厚(セルギャップ)が異なる「マルチギャップ構造」を採用している点(この点については、例えば特許文献1参照)。
(3)透過表示領域を正八角形とし、この領域内で液晶が全方向に倒れるように対向基板上の透過表示領域の中央に突起を設けている点。すなわち、「配向分割構造」を採用している点。
本発明は、上記の課題を解決するためになされたものであって、信頼性の高い配向膜をより簡素な方法で形成できるようにした液晶表示装置とその製造方法、並びにこの液晶表示装置を備えた高品質且つ信頼性の高い電子機器を提供することを目的とする。
本発明の構成によれば、配向膜と液晶配向制御用の突起部とが同一材料によって構成されているため、これらを別々の材料(即ち、熱膨張率の異なる材料)によって構成した場合に比べて、突起部の剥がれや、突起部と配向膜のはじき等の問題が少ない。また、突起部が配向膜と一体に構成されているため配向膜の塗布ムラの問題がなく、表示領域全域にわたって良好な配向性能が得られる。また、本構成では配向膜及び突起部の形成材料として感光性材料を用いているため、これを露光,現像するだけで所望の形状の突起部を容易に形成でき、更に、エッチングが不要となることから、上記特開2002−90748号公報に開示されたものに比べて良質な配向膜が得られるようになる。
これにより、スペーサの剥がれを防止することができる。また、この構成では、上記感光性材料を露光,現像するだけで、配向膜や突起部と同時にスペーサも形成できるため、これらを別々に形成する通常の方法に比べて工程を大幅に簡素化することができる。
本方法によれば、突起部を露光,現像のみでパターン形成できるため、これをエッチングによってパターン形成する上記特開2002−90748号公報の方法に比べて工程を簡素化することができる。また、本方法では配向膜と突起部とが同一材料によって一体に形成されるため、これらの間ではじきや膜はがれ等が生じることがなく、配向膜の塗布ムラも発生しない。さらに、本方法ではエッチングが不要となることから、良質な配向膜が得られる。
これにより、スペーサを別途形成する工程が不要となり、更に工程を簡素化することができる。また、この方法ではスペーサと配向膜とが同一材料によって一体に形成されるため、これらの間ではじきや膜はがれ等が生じることがなくなり、より均一なギャップが得られるようになる。
まず、図1〜図4を参照しながら、本発明の第1の実施の形態について説明する。なお、各図において、各層や各部材を図面上で認識可能な程度の大きさとするため、各層や各部材毎に縮尺を異ならせてある。
下基板(対向基板)10は、石英、ガラス等の透光性材料からなる基板本体10Aの表面にアルミニウム、銀等の反射率の高い金属膜からなる反射膜20が絶縁膜24を介して部分的に形成された構成をなしている。ここで、反射膜20の形成領域が反射表示領域Rとなり、反射膜20の非形成領域、すなわち反射膜20の開口部21内が透過表示領域Tとなる。このように本実施の形態の液晶表示装置100は、垂直配向型の液晶層50を備える垂直配向型の液晶表示装置であって、反射表示及び透過表示を可能にした半透過反射型の液晶表示装置である。
共通電極9は、紙面垂直方向に延びる形のストライプ状に形成されており、該紙面垂直方向に並んで形成されたドット領域の各々に共通の電極として構成されている。この共通電極9には反射表示領域Rに液晶配向制御用の開口部を設けることが好ましい。このような開口部を設けると、該開口部形成領域において各電極9,31間に斜め電界が生じ、該斜め電界に応じて、初期状態で垂直配向した液晶分子の電圧印加に基づく傾倒方向が規制される。したがって、透過表示領域Tと同様に反射表示領域Rでも液晶分子の配向制御を行なうことが可能となる。特に反射表示領域Rでは透過表示領域Tに比してセル厚が薄い分だけ横電界が大きくなるため、液晶分子に対する配向規制力は強くなる。
なお、本実施の形態では、反射膜20と共通電極9とを別個に形成したが、反射表示領域Rにおいては金属膜からなる反射膜を共通電極の一部として用いることも可能である。
なお、配向膜27は液晶分子を膜面に対して垂直に配向させる垂直配向膜として機能するものであって、ラビングなどの配向処理は施されていない。
画素電極31は各ドットに対して1つずつ設けられており、それぞれのドットに設けられたTFDによって独立に電圧印加されるようになっている。
本実施形態の液晶表示装置100の製造工程は、下基板10を製造する工程と、上基板25を製造する工程と、下基板10と上基板25とを液晶材料を介して貼り合せる工程とを含んでなるものである。以下、これら各工程の詳細について説明する。
まず、基板本体10Aに相当する基材上に、アクリル樹脂等からなる絶縁膜24を所定パターンにて形成(反射表示領域Rに相当する領域に形成)し、その表面に凹凸形状24aをフォトマスクを用いたフォトリソグラフィ工程やフッ酸による処理、エンボス加工等により形成する。続いて、この絶縁膜24上にAl等の金属材料を主体とする反射膜20を製膜し、絶縁膜24の凹凸形状24に倣う形にて反射膜20の表面にも凹凸を形成させる。
次に、感光性材料を用いて、非画素領域或いは反射表示領域Rの上にスペーサ51をパターン形成する。
まず、基板本体25Aに相当する基材上に、R,G,Bの各色の着色層を含むカラーフィルタ22を形成する。そして、このカラーフィルタ22の表面にITO等からなる透明導電材料をスパッタまたは蒸着法にて成膜し、これをパターニングすることで、カラーフィルタ22上に画素電極31をマトリクス状に複数配列形成する。続いて、画素電極31及びカラーフィルタ22を覆うように基板本体25A上にポリイミド等からなる垂直配向性の配向膜33を形成する。なお、配向膜33にはラビングなどの配向処理は施さないものとする。
上記の方法により得られた上基板25と下基板10とを、液晶注入口を形成した紫外線硬化性樹脂等からなるシール材を介して真空中にて貼り合わせる。そして、その貼り合わせた基板に対して、液晶注入口から液晶材料を真空注入法により注入する。注入後、封止材にて液晶注入口を封止し、本実施形態の液晶表示装置100を得る。なお、本実施形態では、液晶材料として誘電異方性が負の液晶材料を用いている。
まず、本実施形態の液晶表示装置100では、反射表示領域Rに絶縁膜26を設けたことによって反射表示領域Rの液晶層50の厚みを透過表示領域Tの液晶層50の厚みの略半分と小さくすることができるので、反射表示に寄与するリタデーションと透過表示に寄与するリタデーションを略等しくすることができ、これによりコントラストの向上が図られている。
次に、図5,図6を参照しながら、本発明の第2の実施の形態について説明する。
図5は、本実施形態の液晶表示装置の断面図を示すもので第1の実施の形態の図3に相当する模式図である。本実施形態において上記第1実施形態と同様の部材や部位については同じ符号を付す。
まず、図6(a)に示すように、共通電極9が形成された基板本体10A上に、ポジ型感光性ポリイミド等の感光性垂直配向膜材料Pを成膜する。この感光性材料Pの厚みは例えば4μm程度の厚みとされる。
そして、この感光性材料Pを230℃で1時間ほど焼成することにより、図6(c)に示すように、それぞれの位置に配向膜27,凸状部28,スペーサ51を形成する。以上により、配向膜27と同一材料からなる凸状部28及びスペーサ51が該配向膜27と一体に形成される。なお、配向膜27,凸状部28及びスペーサ51は垂直配向材料からなるため、これらの表面にはラビングなどの配向処理は施さない。
これ以外は上記第1実施形態と同様である。
また、本実施形態では配向膜27と凸状部28とを一回の露光,現像工程で形成できるため、より工程数が少なくてすむ。特に本実施形態では凸状部28と同時にスペーサ51も作り込むことができるため、工程が更に簡素化されるとともに、スペーサ51と配向膜27とが同一材料によって一体に形成されることで、これらの間ではじきや膜はがれ等が生じることがなくなり、より均一なギャップが得られるようになる。
また、階調露光を用いると、凸状部28と配向膜27とを滑らかに連続した形で形成できるため、これらの境界部で液晶配向に不連続性が生じにくくなる。
次に、本発明の上記実施の形態の液晶表示装置を備えた電子機器の具体例について説明する。
図7は、携帯電話の一例を示した斜視図である。図7において、符号1000は携帯電話本体を示し、符号1001は上記液晶表示装置を用いた表示部を示している。このような携帯電話等の電子機器の表示部に、上記実施の形態の液晶表示装置を用いた場合、使用環境によらずに明るく、コントラストが高く、広視野角の液晶表示部を備えた電子機器を実現することができる。特に、上記液晶表示装置1001は製造プロセスの短TATにより安価に供給できるため、電子機器全体としてのコストも抑えることができる。
例えば、上記第1実施形態ではスペーサ51を凸状部28と別工程で形成したが、これらを同時に形成することも可能である。この場合、図4(b)、図4(c)に示す露光,現像工程において、スペーサの形成位置の感光性材料Pを残すようにすればよい。これにより、工程を更に簡素化することができる。また、スペーサ51と配向膜27とが同一材料によって一体に形成されるため、これらの間ではじきや膜剥がれ等が生じることがなくなり、より均一なギャップが得られるようになる。
また、本実施形態では垂直配向型の液晶表示装置を例に挙げて説明したが、本発明はこれに限定されず、本発明をTN型等の水平配向型の液晶表示装置に適用することも可能である。
Claims (5)
- 配向膜を備えた一対の基板間に液晶層を挟持してなる液晶表示装置であって、少なくとも一方の基板に液晶配向制御用の突起部が設けられ、当該突起部と同一の感光性材料からなる配向膜が、前記突起部を覆うことを特徴とする、液晶表示装置。
- 上記突起部の設けられた基板上に更に上記一対の基板を離間するためのスペーサが設けられ、このスペーサと突起部と該突起部が設けられた基板の配向膜とが同一の感光性材料によって一体に構成されたことを特徴とする、請求項1記載の液晶表示装置。
- 一対の基板間に液晶層を挟持するとともに、一方の基板に配向膜及び液晶配向制御用の突起部を備えてなる液晶表示装置の製造方法であって、
上記一方の基板上に感光性の配向膜形成材料を配置し、これを露光,現像することにより、上記基板上に突起部をパターン形成する工程と、
上記基板上に、上記突起部と同じ感光性材料からなる配向膜を該突起部を覆う形で形成する工程とを備えたことを特徴とする、液晶表示装置の製造方法。 - 上記突起部の形成工程において、上記突起部と同時に、上記基板間を離間するためのスペーサをパターン形成することを特徴とする、請求項3記載の液晶表示装置の製造方法。
- 請求項1又は2記載の液晶表示装置を備えたことを特徴とする、電子機器。
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