JP4517485B2 - プラスチック容器の製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明はその一部に着色プラスチック層やセラミック薄膜等を設けてなるプラスチック容器、特にセラミック薄膜を設けることによりバリア性等の物性を向上させるようにしたプラスチック容器の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
ここ最近、プラスチック容器は、その成形の容易性や軽量性、さらには低コストである点等の種々の特性から、食品分野や医薬品分野等の様々な分野において、包装容器として広く使用されている。しかしながら、プラスチック容器は、酸素や二酸化炭素、水蒸気のような低分子ガスを透過する性質や、低分子有機化合物が内部に吸着してしまうという性質、アセトアルデヒトのような溶出成分があるという性質等を有しており、容器として補わなければならない面が多々あった。
【0003】
これらの諸問題を解決するためにいろいろな方策がとられているが、どれもさまざまな問題を抱えており、完全に解決することができていない。例えば、プラスチック容器のガス透過性を低減する方法の1つとして複数のプラスチック材料を積層したり、ブレンドしたりする方法がある。これらの方法を用いると、ある程度までガス透過性を低減することができるが、より高いバリア性を求める容器に必要とされるガスバリア性までには低減することができない。また、使用するプラスチックのコストも非常に高いものである。
【0004】
一方、ここ近年、プラスチック容器にセラミックの薄膜をコーティングする技術が知られてきている。これらのほとんどは単一の材料からなるプラスチック成形品に成膜を行い、バリア性を向上させているものである。この技術を利用することにより、比較的安価な材料を用いて容器を成形し、その容器の表面にセラミック薄膜をコーティングすることで、バリア性に優れた容器を安価に得ることができる。
【0005】
他方、プラスチック容器に装飾する手段として、または可視光線を遮断する手段として、プラスチック材料に着色剤を分散するということが一般的に行われている。着色剤としては、無機系、有機系の顔料や染料が用いられる。しかし、これらの着色剤を混合したプラスチック容器の表面にガスバリア性付与等の目的でセラミックコーティングした場合、プラスチックに分散された着色剤が容器表面を荒らすことになり、表面に形成したセラミック薄膜により所期のバリア性が得られないという問題点がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記従来の問題点を解決するためになされたもので、装飾する手段として、または可視光線を遮断する手段として、着色剤をプラスチック層に分散してある容器に、更にバリア性付与の目的でコーティングするセラミック薄膜が、所期のバリア性を奏するように形成できるようにしたことを特徴とする、プラスチック容器の製造方法の提供を目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上述の目的を達成するために成されたものであり、請求項1に記載のプラスチック容器の製造方法は、外層として着色剤が分散されている着色プラスチック層と、内層として着色剤が分散されていない無着色プラスチック層の少なくとも2種類のプラスチック層が積層されたプラスチック容器をブロー成形により成形し、
次に無着色プラスチック層の表面にセラミック薄膜をコーティングすることを特徴とする。
【0008】
また、請求項2に記載のプラスチック容器の製造方法は、請求項1に記載のプラスチック容器の製造方法において、無着色プラスチック層の厚みを5μm以上で設けることを特徴とする。
【0009】
さらにまた、請求項3に記載のプラスチック容器の製造方法は、請求項1または請求項2に記載のプラスチック容器の製造方法において、セラミック薄膜を酸化珪素を用いて設けることを特徴とする。
【0010】
さらにまた、請求項4に記載のプラスチック容器の製造方法は、請求項1または請求項2に記載のプラスチック容器の製造方法において、セラミック薄膜を酸化珪素を用いて設けることを特徴とする。
【0011】
さらにまた、請求項5に記載のプラスチック容器の製造方法は、請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載のプラスチック容器の製造方法において、セラミック薄膜をプラズマCVD法にてコーティングして設けることを特徴とする。
【0012】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施の形態を説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0013】
図1には本発明によって製造されたプラスチック容器1の部分拡大断面図が示してある。
このプラスチック容器1は、本発明のプラスチック容器の製造方法によって製造されたものであって、少なくとも2種類のプラスチック層の積層構造を有しており、一つの層は着色剤が分散されている着色プラスチック層2、もう一つの層は着色剤が分散されていない無着色プラスチック層3である。そして、無着色プラスチック層3の表面にはセラミック薄膜4がコーティングされている。
【0014】
このプラスチック容器1は、バリア性向上、低分子有機化合物の吸着防止等の目的で設けるセラミック薄膜4を、容器に装飾性、可視光線遮断性等を付与するために設ける着色プラスチック層上に直接設けるのではなく、着色プラスチック層2にまず無着色プラスチック層3を積層してからコーティングしてある。従って、セラミック薄膜を着色剤が分散されている着色プラスチック層上に直接設けるものと較べて着色剤の影響を受けないため、セラミック薄膜4が無着色プラスチック層3上に均一に、かつ定着性良好に設けられるようになり、優れたバリア性を得ることができるようになる。
【0015】
このような構成のプラスチック容器1は、着色剤が分散された着色プラスチック層2を外面とし、着色剤が分散されていない無着色プラスチック層3を内面として積層された容器をブロー成形し、その後、その容器の無着色プラスチック層3の表面にセラミク薄膜4をコーティングすることにより得ることができる。
【0016】
着色プラスチック層2に分散される着色剤は特に限定されるものではなく、有機系/無機系及び染料/顔料いずれのものでもよい。また着色プラスチック層2及び無着色プラスチック層3のプラスチック材料としても特に限定はなく、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリエチレンナフタレート樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアミド樹脂、環状ポリオレフィン樹脂等を用いることができ、着色プラスチック層2と無着色プラスチック層3で異なる樹脂を用いても良い。無着色プラスチック層3の厚みは、その下層の着色プラスチック層2に分散している着色剤の影響を完全になくすために5μm以上とすることが望ましい。
【0017】
一方、無着色プラスチック層3の表面にコーティングされるセラミック薄膜4の材質及び厚みに制限は無いが、高いバリア性が得られること及びコーティングが比較的容易にできることから酸化珪素膜あるいはダイヤモンドライクカーボン膜とすることが特に望ましい。また、その厚みは10nm以上100nm以下に設定することが好ましい。
【0018】
セラミック薄膜4のコーティング方法としては、3次元形態のプラスチック容器表面に均一にセラミック薄膜をコーティングすることができることから、プラズマCVD法を用いることが望ましい。その他にも、CVD法、PVD法、スパッタリング法等を用いることもできる。
【0019】
【実施例】
以下、実施例を示して本発明について具体的に説明する。
【0020】
<実施例1>
外層樹脂として高密度ポリエチレン樹脂に着色剤であるチタンホワイトが3%混合された樹脂を用い、内層樹脂としては外層樹脂として用いた高密度ポリエチレン樹脂を用いて内容量500mlの多層プラスチック容器をブロー成形により成形した。内層の最低厚みは10μmであった。次に、この容器の内面に膜厚約40nmの酸化珪素薄膜をプラズマCVD法を用いてコーティングした。
得られた容器の酸素バリア性のデータを表1に示す。
【0021】
<実施例2>
実施例1と同様のプラスチック材料、同様の成形方法で成形した多層プラスチック容器の内面に膜厚約50nmのダイヤモンドライクカーボン薄膜をプラズマCVD法を用いてコーティングした。
得られた容器の酸素バリア性のデータを表1に示す。
【0022】
<実施例3>
外層樹脂として実施例1と同様の高密度ポリエチレン樹脂に着色剤であるチタンホワイトが3%混合された樹脂を用い、内層樹脂としては外層樹脂として用いた高密度ポリエチレン樹脂を用いて内容量500mlの多層プラスチック容器をブロー成形により成形した。内層の最低厚みは4μmであった。この容器の内面に膜厚約40nmの酸化珪素薄膜をプラズマCVD法を用いてコーティングした。
得られた容器の酸素バリア性のデータを表1に示す。
【0023】
<比較例1>
実施例1で外層樹脂として用いた高密度ポリエチレン樹脂にチタンホワイトが3%混合された材料を用いて、実施例1と同形状で同内容量(500ml)の単層プラスチック容器をブロー成形により成形した。この容器の内面に実施例1と同様の方法で膜厚約40nmの酸化珪素薄膜をプラズマCVD法を用いてコーティングした。
得られた容器の酸素バリア性のデータを表1に示す。
【0024】
【表1】
【0025】
【発明の効果】
本発明によれば、装飾する手段として、または可視光線を遮断する手段として、着色剤を分散させた着色プラスチック層を設けてある容器に、更にバリア性付与の目的でコーティングするセラミック薄膜を無着色プラスチック層を介在させて設けることだけで、所期のバリア性を十分に奏することが可能になる。また、高価なプラスチック材料を使用したり、複雑な構成にしたり、更には複雑な製造方法を経ることなく製造できるため、容器を安価に提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によって製造されたプラスチック容器の部分拡大断面図である。
【符号の説明】
1・・・プラスチック容器
2・・・着色プラスチック層
3・・・無着色プラスチック層
4・・・セラミック薄膜
Claims (5)
- 外層として着色剤が分散されている着色プラスチック層と、内層として着色剤が分散されていない無着色プラスチック層の少なくとも2種類のプラスチック層が積層されたプラスチック容器をブロー成形により成形し、
次に無着色プラスチック層の表面にセラミック薄膜をコーティングすることを特徴とするプラスチック容器の製造方法。 - 無着色プラスチック層の厚みを5μm以上で設けることを特徴とする請求項1に記載のプラスチック容器の製造方法。
- セラミック薄膜を酸化珪素を用いて設けることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のプラスチック容器の製造方法。
- セラミック薄膜をダイアモンドライクカーボンを用いて設けることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のプラスチック容器の製造方法。
- セラミック薄膜をプラズマCVD法にてコーティングして設けることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載のプラスチック容器の製造方法。
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