JP4516147B2 - 補聴器用遠隔制御システム - Google Patents

Description

この発明は補聴器に関する。より詳細には，無線遠隔制御機能を備えたプログラマブル補聴器および補聴器の無線遠隔制御用装置に関する。

近年，プログラマブル補聴器は，フィッター（a fitter）が専用インターフェースを備えたパーソナル・コンピュータを使用することによってプログラムできるようになっている。このインターフェースは有線でも無線でもよく，補聴器はパーソナル・コンピュータ上で動作する専用ソフトウェアを使用してプログラムされる。

補聴器のユーザー制御用の無線遠隔制御機器も知られている。それらは，通常は単純な機能を制御するための専用の携帯端末であり，例えば，補聴器の出力音量を調節したり，補聴器に記憶されたさまざまなプログラムを切り替えるものである。遠隔制御機器に新しい機能性を持たせて更新することは，この専用性の故に困難または不可能であり，さらに遠隔制御装置は紛失したり，置き忘れたりもしやすい。

米国特許第４，９４７，４３２号は，伝達特性を制御できる増幅器および伝送部，制御ユニット，補聴器に制御信号を無線伝送する送信機，ならびに補聴器内に設けられて，制御信号を受信し復調する受信機を備え，上記外部制御機器がキーパッドおよび送信機を有する，プログラマブル補聴器を提供する。

米国特許第５，２０２，９２７号は，補聴器，制御パラメータを補聴器に無線伝送する送信機を備えた外部制御ユニットとを含む，遠隔制御可能なプログラマブル補聴器システムを提供する。制御パラメータを受信する受信回路は補聴器内に設けられる。

国際公開特許第００／２２８７４号は，入力装置が携帯電話である聴覚器具フィッティング・システムを開示する。携帯電話と補聴器との間の通信手段は独立した装置として具体化されるか，または携帯電話内に組み込まれる。したがって，補聴器のフィッティングは携帯電話上で動作するアプリケーションを用いて実行され，かつ携帯電話のキーボードまたは携帯電話のマイクロフォンに向かって話された音声コマンドのいずれによっても操作することができる。

第１の発明は，請求項１に記載の遠隔制御システム（a remote control system）を提供する。これにより，携帯電話に，補聴器の無線遠隔制御機器のユーザ・インターフェースとの二役を兼ねさせることができる。

この明細書において，携帯電話は，マイクロフォン，スピーカ，バッテリ，プロセッサ，およびＧＳＭ通信プロトコル，３Ｇ通信プロトコルまたは同様の標準無線インターフェース・プロトコルにしたがって通信を行うようになっている無線通信ユニットを有する携帯ユニットとして定義される。

第２の発明は，請求項４に記載の補聴器用遠隔制御システムにおいて用いるプラグイン装置（a plug-in device）を提供する。カメラ，ＭＰ３プレーヤ，ブルートゥース（Bluetooth(c)）機器および他の周辺機器等の外部機器と接続する機能を有する既存の携帯電話は，そのようなプラグイン装置と容易に接続することができる。

プラグイン装置は，携帯電話に接続するための電気プラグ（an electric plug）を備えている。プラグイン装置は接続時に携帯電話の電源によって作動することができ，携帯電話とプラグイン装置との間でデータ信号および音声信号を転送することができる。携帯電話における電源，データおよび音声信号のピンは，プラグイン装置を使用するのにそのまま用いることができる。

第３の発明は，請求項６に記載の補聴器用遠隔制御システムにおいて用いる携帯電話を提供する。これにより，別個のディスプレイや入力手段を必要とすることなく，携帯電話の手段をそのまま利用することによって，携帯電話を補聴器用遠隔制御機器として使用することができる。

この発明による遠隔制御システムのさらなる詳細および利点は，従属請求項に記載される。

以下に図面を参照して，この発明をより詳細に説明する。

初めに図１を参照して，補聴器９を遠隔制御するためにプラグ４およびソケット１４を介して携帯電話１に接続されたプラグイン装置５が示されている。携帯電話１は，キーパッド２およびディスプレイ３によって操作することができ，かつプラグイン装置５に組み込まれて，プラグ４およびソケット接続１４を介してアクセスされる遠隔制御ソフトウェア（図示略）またはアクセスソフトウェア（図示略）を備えることができる。

プラグイン装置５は，補聴器９と通信を行うための無線送信機または送受信機６，およびアンテナ７を備えている。補聴器９は，音響入力トランスデューサ１０，補聴器プロセッサ１１，アンテナ１２，および音響出力トランスデューサ１３を備えている。補聴器プロセッサ１１は，プラグイン装置５の送信機６からのメッセージ８を受信し，プラグイン装置５の送受信機６へ信号を送信するための無線受信機または送受信機（図示略）を備えている。

携帯電話１にプラグ接続されると，プラグイン装置５はそこに組み込まれたソフトウェアを携帯電話１で利用できるようにする。このソフトウェアは，プラグイン装置５の無線送受信機６およびアンテナ７を介した遠隔制御信号の補聴器９への送信または補聴器９からの受信を制御するための遠隔制御ルーチンを備えている。この組み込まれたソフトウェアが携帯電話１のハードウェア・プラットフォームによって実行されることによって，携帯電話１が補聴器９の遠隔制御機器となる。

他の実施形態では，遠隔制御ソフトウェアは携帯電話自身に常駐され，必要に応じてプラグイン装置５と接続することによって起動させるようにすることができる。

図２は，この発明のプラグイン装置５および携帯電話１のより詳細な図を示している。携帯電話１は，キーパッド２に接続されたＣＰＵ２０，ディスプレイ３，携帯電話通信用の無線回路２１，メモリ２２，およびさまざまな周辺機器を携帯電話１に接続するための手段を有する周辺インターフェース２３を備えている。プラグイン装置５は，携帯電話インターフェース３１に接続されたコントローラ３２，および補聴器（図示略）と通信を行うためのアンテナ７を有する無線インターフェース６を備えている。携帯電話インターフェース３１はアプリケーション・メモリ３３に接続され，かつプラグイン装置５を携帯電話（図１参照）の適切なソケット１４に接続するためのプラグ４と結合される。プラグおよびソケットは，例えば，デジタル通信，アナログ通信，電力供給等のために，プラグイン装置５と携帯電話１との間の電気接続を提供するのに適するものである。

図２の携帯電話１は，プラグイン装置５に接続されていないとき，補聴器に特段関連しない機能を実行するように動作するのに適するものである。ユーザ入力はキーパッド２を使用して入力され，フィードバックはディスプレイ３に表示され，通信は無線インターフェース２１を介して処理され，データはメモリ２２に記憶され，このメモリ２２に記憶されたアプリケーションを実行するＣＰＵ２０によって，すべてが制御される。

プラグイン装置５を携帯電話１に接続するとすぐに，周辺インターフェース２３は，外部装置が準備されてサービス提供中である旨のメッセージをＣＰＵ２０に送る。ＣＰＵ２０は，携帯電話１の周辺インターフェース２３および携帯電話インターフェース３１を介して，プラグイン装置５のアプリケーション・メモリ３３内の利用可能なアプリケーションのリクエストを送ることによって応答する。プラグイン装置５はこのリクエストに対し，アプリケーション・メモリ３３に記憶されているアプリケーション・ソフトウェアを，携帯電話１のＣＰＵによって実行可能とすることによって応答する。アプリケーション・ソフトウェアは補聴器用の遠隔制御機器としての機能を携帯電話１に提供し，例えば，遠隔制御メニューを表示し，電話のキーパッドのキーによる遠隔制御入力を可能にする。

プラグイン装置がプラグ接続されている間，携帯電話１のキーパッド２およびディスプレイ３が補聴器（図１参照）を遠隔操作するために使用される。ディスプレイ３は，補聴器の音量設定，プログラム変更，バッテリー状態およびさまざまな他のパラメータに関する読み出し等のユーザ・フィードバックを提示し，キーパッド２が使用されて補聴器のプログラム変更や音量調節に対するリクエスト等のユーザ・コマンドが入力され，その変更がディスプレイ３や補聴器の動作に反映される。

携帯電話１のキーパッド２を介して入力されたコマンドは，プラグイン装置５のアプリケーション・メモリ３３のソフトウェア・アプリケーション（図示略）を実行するＣＰＵ２０によって処理される。処理されたコマンドは，携帯電話１の周辺インターフェース２３およびプラグイン装置５の携帯電話インターフェース３１を介して，プラグイン装置のコントローラ３２に入力される。その後，プラグイン装置５のコントローラ３２は，アンテナ７を備えた無線遠隔制御インターフェース６を利用して，コマンドを補聴器（図示略）に送信する。補聴器は，例えばプラグイン装置５のアンテナ７によって受信された確認応答信号を送信することによってこのコマンドに応答し，コントローラ３２は，ＣＰＵ２０によって復号し，ディスプレイ３上に表示するために，携帯電話３１および周辺インターフェース２３を介してこの確認応答信号を携帯電話１に返信する。

アプリケーション・ソフトウェアはまた，プラグイン装置５および携帯電話１の動作のいわゆる「ストリーミング」モード（“streaming” mode）を含んでもよい。このモードでは，携帯電話１の無線回路によって受信された電話着信がデジタル・オーディオ・ストリームとしてプラグイン装置５に送信され，そこでこのデジタル・オーディオ・ストリームが補聴器（図示略）によって受信可能なフォーマットに変調され，変調されたオーディオ・ストリームが無線インターフェース６およびアンテナ７を使用して送信される。同様に，補聴器（図示略）のマイクロフォンによってピックアップされた音声は，デジタル・オーディオ・ストリームとして補聴器からプラグイン装置５の無線インターフェース６へ送信され，携帯電話１において利用可能とされる。

変形例では，プラグイン装置および携帯電話は，アナログ信号による音声情報のやり取りに適合される。

携帯電話のメモリ２２に記憶されたデジタル音声はまた，プラグイン装置５を介して補聴器（図示略）に送信することができる。他のアプリケーションには，これに限定されるものではないが，携帯電話１を口述録音機として使用することが含まれ，補聴器のマイクロフォンを入力装置として使用して，補聴器のオーディオ・ストリームを携帯電話１のメモリ２２に録音し，保存する。

一実施形態では，プラグイン装置は，赤外線（ＩＲ）信号用の受信機と，ＩＲ入力を音声信号に変換して補聴器に送信するための手段とを有する。

図３のフローチャートは，図１および図２に示す携帯電話１とプラグイン装置５との間の通信の基本フローを示すアルゴリズムである。このアルゴリズムはステップ１００で始まり，プラグイン装置５が携帯電話１に接続される。以下の説明では，プラグイン装置５は電力を携帯電話１の電源から得るものとする。アルゴリズムの実行はさらに，図２の携帯電話１のＣＰＵ２０によって行われるものとする。携帯電話１のオペレーティング・システム・ソフトウェア環境は，いくつかの異なるアプリケーションを同時に実行することができるプリエンプティブ・マルチタスク・ソフトウェア環境とし，他のプロセスがシステム・リソースを占めることによって，１つの実行プロセスではシステムをロックすることができなくなるというようなものである。

装置５が携帯電話１にプラグ接続されると，アプリケーション・メモリ３３から携帯電話のメモリ２２にアプリケーションがロードされる。ステップ１００で起動されるとすぐに，図３のソフトウェア・アルゴリズムは携帯電話１を初期化する手順であるステップ１０１に進み，プラグイン装置５は通信準備に入る。この手順には，ハンドシェイク信号，プロトコル・ネゴシエーション，携帯電話１に含まれるオペレーティング・システムのバージョン番号の検索，識別コード，携帯電話５で利用可能な機能の種類や数などが含まれる。

上記に記載の方法で共通インターフェース構成（a common interface configuration）が確立されると，アルゴリズムはステップ１０２に進み，適切なユーザ・インターフェースが携帯電話１上で動作するアプリケーションにロードされる。インターフェースの実際のロードは，アプリケーションによって制御される補聴器の型および設備（facilities），選択されるユーザが選択可能な設備，ステップ１０１の初期化手順で決定されたように，使用される携帯電話の型およびモデルなどによって決定される。

アルゴリズムはこれ以降ループに入り，携帯電話１のキー押下のテストがステップ１０３で行われる。キーが押されないと，ルーチンはステップ１０９で装置のプラグが外れていないかどうか確認する。上記が当てはまらない場合，ルーチンはステップ１０３を無制限に繰り返す。キーが押されると，ルーチンは関連コマンド（the associated command）を決定し，ステップ１０４で実行する。アプリケーションの特定の機能に割り当てられていないキーは，単に無視される。特定のキー押下に割り当てられたコマンドはプラグイン装置５のコントローラ３２によって作成され，無線インターフェース６およびアンテナ７を使用して補聴器に送信される。

ルーチンはその後，補聴器から受信される確認応答メッセージを待つ。ステップ１０６でテストした際，所定期間の満了までにそのような送信メッセージが受信されないと，コマンドはステップ１０７のルーチンによって再送信される。数回試しても確認応答が受信されない場合，ルーチンはこの状況を処理するために，エラーメッセージの生成やより長時間の待機，またはユーザにコマンドが無事に受信されていないことを単に示唆する等のステップ（図示略）を行うことができる。確認応答メッセージが無事に受信されると，補聴器の変化した状態がアプリケーションに反映され，ステップ１０８でディスプレイに表示され，ルーチンはステップ１０３に戻って別のキー押下を待つ。

ステップ１０９でテストした際，装置のプラグが外れていると，ステップ１１０でユーザ・インターフェースおよびアプリケーション・パラメータが携帯電話１からアンロードされる。次にアプリケーションが最終ステップ１１１でメモリ２２からアンロードされ，携帯電話はプラグイン・モジュール５にプラグ接続される前の状態に再び戻る。

この発明による遠隔制御システムを示す。 携帯電話およびプラグイン装置を示すブロック図である。 携帯電話とプラグイン装置との間の通信フローを説明するフローチャートである。

Claims (15)

1. 第１の無線受信機および第１の無線送信機を備え，上記第１の無線送信機を介して音声をストリーミングする手段を有する少なくとも１つの補聴器，上記補聴器と双方向通信を行う第２の無線送信機および第２の無線受信機，ならびに携帯電話に接続する手段を有するプラグイン装置，ならびに携帯電話を備えた補聴器用遠隔制御システムにおいて，上記携帯電話が，上記補聴器マイクロフォンを入力装置として用いて，上記プラグイン装置を介して上記補聴器から受信したオーディオ・ストリームを保存するメモリを備え，アプリケーション・ソフトウェアが上記プラグイン装置に組み込まれたプログラムとして取り入れられており，上記プラグイン装置が上記携帯電話に接続されたときに上記携帯電話によって実行されることを特徴とする，遠隔制御システム。
2. 上記アプリケーション・ソフトウェアは，上記携帯電話が補聴器の遠隔制御のための遠隔制御コマンドを実行可能にすることを特徴とする，請求項１に記載の遠隔制御システム。
3. 上記携帯電話が，音声を無線受信し，かつ上記プラグイン装置を介して上記補聴器に音声を再送信するようになっていることを特徴とする，請求項１に記載の遠隔制御システム。
4. 上記携帯電話が，上記メモリに記憶されたオーディオ・ストリームを上記補聴器に再送信する手段を有することを特徴とする，請求項１に記載の遠隔制御システム。
5. 上記携帯電話が，オーディオ信号を生成して上記補聴器に送信する内部手段を有することを特徴とする，請求項１に記載の遠隔制御システム。
6. 上記補聴器に送信されるオーディオ・ストリームがアナログ・オーディオ・ストリームであることを特徴とする，請求項１に記載の遠隔制御システム。
7. 上記補聴器に送信されるオーディオ・ストリームがデジタル・オーディオ・ストリームであることを特徴とする，請求項１に記載の遠隔制御システム。
8. 少なくとも１つの補聴器用の遠隔制御ユーザ・インターフェースを表示する手段，上記補聴器にコマンドおよび音声を送信可能なプラグイン装置と通信を行う手段，上記遠隔制御ユーザ・インターフェースを使用して少なくとも１つの補聴器を遠隔制御する手段，上記プラグイン装置を介して上記少なくとも１つの補聴器に音声を送信する手段，ならびに上記補聴器マイクロフォンを入力装置として用いて，上記プラグイン装置を介して補聴器から受信したオーディオ・ストリームを保存するメモリを備えた補聴器用遠隔制御システムにおいて用いる携帯電話において，アプリケーション・ソフトウェアが上記プラグイン装置に組み込まれたプログラムとして取り入れられており，上記プラグイン装置が上記携帯電話に接続されたときに上記携帯電話によって実行されることを特徴とする，携帯電話。
9. 上記アプリケーション・ソフトウエアは，上記携帯電話が遠隔制御コマンドを実行して補聴器を遠隔制御する実行可能なソフトウェアである，請求項８に記載の携帯電話。
10. 上記プラグイン装置を介して上記少なくとも１つの補聴器から音声を受信する手段を備えている，請求項８に記載の携帯電話。
11. 上記携帯電話は，音声を無線受信し，上記プラグイン装置を介して上記補聴器に音声を再送信するようになっている，請求項８に記載の携帯電話。
12. 上記補聴器に再送信するための音声信号を保存するメモリを備えている，請求項８に記載の携帯電話。
13. 上記補聴器に送信するための音声信号を生成する内部手段を備えている，請求項８に記載の携帯電話。
14. 上記補聴器に送信される上記音声がアナログ音声信号である，請求項８に記載の携帯電話。
15. 上記補聴器に送信される上記音声がデジタル音声信号である，請求項８に記載の携帯電話。

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