JP4515707B2 - 血漿増量剤として用いる組換えゼラチン様タンパク質 - Google Patents

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Description

本発明は、組換えゼラチン様タンパク質(又はポリペプチド)の血漿増量剤としての使用法、及びかかる血漿増量剤を含み、代用血漿として好適な組成物に関する。
ゼラチンの利用法として確立しているのは、コロイド溶液として代用血漿に用いる方法である。このような代用血漿は、例えば緊急な出血や火傷などによるショックに対処するため、循環血流量を制御することに利用できる。無菌、パイロジェンフリー及び無抗原となるようにゼラチン溶液を作製すること、また分子サイズを平均化して所望のコロイド浸透圧の維持を可能にすることに留意しなければならない。十分量の血液循環を得るのに十分なコロイド浸透圧を維持するため、そして十分に有効な血圧を得るために、ゼラチン分子のサイズは、ゲル化が起こりにくいものにする。
ゼラチンを血漿増量剤として適したものにするために、ゲル化能を著減させる目的で化学修飾が施されてきた。この目的のために、ゼラチンを分解と同時に架橋すること、ゼラチン分子から分枝したあるいは分子内ブリッジを形成することが知られている。最も成功を収めている修飾は恐らく、米国特許第2827419号(特許文献1)に記載のあるサクシニル化ゼラチン調製物である。サクシニル化ゼラチンに基づく商業用調製物が、ゲロフシン(登録商標)(Gelofusine)として知られ、現在市販されている。これに使用されているゼラチンはウシ由来ゼラチンを単離したものであり、その平均分子量は30000である。この他にゲロプラズマ(登録商標)(Geloplasma;‘ポリゼラチン’)及びゲリフンドール(登録商標)(Gelifundol;‘オキシポリゼラチン’)が修飾ゼラチンとして市販されている。
代用血漿組成物におけるコロイド状添加物として現在用いられているゼラチン誘導体の欠点は、対象者に過敏反応が生じることである。特にアレルギー若しくは自己免疫疾患をもつ対象者、又はこれら以外の何らかの理由で抗体価(特にIgE抗体価)が上昇している対象者にはリスクがある。血漿増量剤の投与が必要とされる高度救急症例は、ショック症状、より具体的には大量出血や水分の過剰損失や不十分な水分摂取に誘起される血液量減少性ショック症状を呈した対象者に対してのものである。かかる状況下では、アレルギー体質であるか否かなどの考え得るリスク要因を考慮する時間はとにかくない。対象者にアレルギーがあることが判明している場合には、予防的に抗ヒスタミン薬の投与が検討される。しかし、高度救急症例においては、いかなる予防措置もとりようがない。現在使用されているゼラチン誘導体の適用に伴って発症する直接的過敏症の症状は、アナフィラキシーショックとして知られている。この症状は生命維持が不能になるほど血圧が低下するという、生命を危機に陥れるものであり、血漿増量剤による対応が実際に必要とされる症状である。血漿増量剤を投与される対象者は既に急性トラウマを呈しているため、アナフィラキシーショック症状は、多くの場合致命的となる。
市販使用されているゼラチン誘導体が抱える別の欠点として、使用されるゼラチンが動物の骨や皮などの動物材料から単離されるという事実、特にウシ材料由来であるということが挙げられる。不純物が存在すること、また組成物の特性が明確に定義されないので再現性がないことが、動物材料の欠点である。そのため、誘導体化プロセスにより所望の特性を備えた産物が確実に得られたかどうかを調べる追加スクリーニングが必要になり、また入念な精製工程が必要とされる。ウシ海綿状脳症(BSE;Bovine Spongiform Encephalitis)の発症に関与している要因を含むゼラチンによる汚染リスクが、特にウシ材料から単離されたゼラチンに関して、さらなる欠点として現下の問題とされている。このため、代用血液製品におけるゼラチンの使用が禁止される可能性がある。現時点で少なくとも一種類の製品、ウシ由来修飾ゼラチンが予防的措置として既に市販されていない。
市販使用に供されるゼラチン誘導体が抱える欠点としては他にも、意図するサイズを有するゼラチンフラグメントを調製する際に、完全に均一な材料が得られるわけではなく、目的とする平均分子量におおよそ相当するゼラチンフラグメントからなる不均一混合物として得られることが挙げられる。その中でより小さいフラグメントは、早期に(望ましくない)浄化されて血液循環系から逸脱するために安定的な臨床パターンに寄与することなく、腎臓系に負の負担がかかる。
米国特許第2827419号明細書
本発明の目的は、血漿増量剤を含み、免疫反応、特にアナフィラキシーショックの発生を減少させる代用血漿として好適な代替組成物を提供することにある。
意外なことに、ヒドロキシプロリンを実質的に含まない組換えゼラチン様タンパク質は、IgE抗体含有血液試料と免疫反応を起こさない。
従って本発明請求項に定義する組成物は、本発明の目的に適うものであり、かかる組成物は、生理学的に許容される濃度の生理食塩水溶液及びコロイド浸透作用を有するタンパク質を含み、タンパク質コロイド浸透作用を有する化合物がヒドロキシプロリンを実質的に含まない組換えゼラチン様タンパク質であることを特徴としている。かかる組換えゼラチン様タンパク質にはヒドロキシリシンも含まれないことが好ましく、さらにリシンも含まれないことが好ましい。
本発明はまた、ヒドロキシプロリンが実質的に存在しない組換えゼラチン様タンパク質の血漿増量剤としての使用法にも関する。かかる使用法においては、組換えゼラチン様タンパク質にヒドロキシリシンも存在しないことが好ましく、さらにリシンも存在しないことが好ましい。
本発明は、コロイド浸透作用を有する化合物として、ヒドロキシプロリンを実質的に含まない組換えゼラチン様タンパク質を有する組成物を提供する。
ゼラチン様タンパク質を、特に微生物を用いて組換え法で作製することにより、プリオンに関連する健康被害のリスクなしに、組成の一定したタンパク質を再現性よく作出することが可能になる。
実施例2では、被験者から得て試料中にIgE抗体の存在が認められた60試料からなるパネル中の2血液試料において、試験した市販調製物のうち2種類についてIgE抗体がそれらゼラチン誘導体と特異的に結合していたが、本発明の組成物の場合、全試料において過敏症反応のリスクが認められなかった。試験結果がポジティブを示した2試料の採取元である被験者に、市販のゼラチンベースの代用血漿組成物を必要に応じて投与する場合、これら被験者はアナフィラキシーショック症状を発症する可能性が高い。
天然型ゼラチン分子の一次アミノ酸配列は、基本的にGly−Xaa−Yaaトリプレットの反復からなり、従って総アミノ酸数のおよそ1/3がグリシンということになる。通常ゼラチンの分子量は大きく、その分子量は、10000〜300000ダルトンの範囲内で推移する。天然型ゼラチン分子の主画分の分子量は、約90000ダルトンである。平均分子量は90000ダルトンを超える。
さらにゼラチンの特徴として、プロリン残基が極めて多く含まれていることが挙げられる。より一層特徴的なのは、天然型ゼラチンでは多数のプロリン残基がヒドロキシル化されていることである。ヒドロキシル化が最も顕著なのは4位であり、その結果、通常存在しないアミノ酸4−ヒドロキシプロリンがゼラチン分子に存在することになる。トリプレットにおいて4−ヒドロキシプロリンは常にYaa位置に認められる。ごく稀に3位でヒドロキシル化されるプロリン残基がある。4−ヒドロキシプロリンとは対照的に、3−ヒドロキシプロリンは常にグリシン残基のカルボキシル側、すなわちトリプレットのXaa位置で見出される。種々の酵素が3−又は4−ヒドロキシプロリンの形成に関与している。
既知のアミノ酸組成に基づき、哺乳動物由来のゼラチン分子においては、アミノ酸の約22%がプロリン残基又はヒドロキシプロリン残基であると推定されている。しかし魚類、特に冷水魚においては、プロリン及びヒドロキシプロリンがこれより低い組成で存在していることがわかっている。概算上は、プロリン残基とヒドロキシプロリン残基がおおよそ同量含まれることから、哺乳動物由来ゼラチン分子では、アミノ酸の約11%がプロリンであり、約11%がヒドロキシプロリンである。実質的に全てのヒドロキシプロリンがYaa位置に存在しているため、ゼラチン分子における全トリプレットの約1/3にヒドロキシプロリンが含まれていると推定される。ヒドロキシプロリン残基が存在していることによって、ゼラチン分子はその二次構造においてへリックス構造をとることができるのである。
さらに、別のタンパク質では殆ど存在せずに天然型ゼラチンに存在する上記以外のアミノ酸は5−ヒドロキシリシンである。かくの如く修飾されたリシン残基は、常にトリプレットのYaa位置において認められる。
本発明で使用するゼラチン様タンパク質は、総アミノ酸数の少なくとも5%がプロリン残基であるタンパク質として理解される。ゲル化特性としてではなく、好ましくない三次元球状ドメインの不在として定義される本発明の目的に鑑みて、ゼラチン様としての特徴は、上記割合のもとで確保される。ゼラチン様タンパク質においては、総アミノ酸数の少なくとも10%がプロリン残基であることが好ましく、少なくとも15%がプロリン残基であることがより好ましい。タンパク質におけるプロリンの割合が低ければ低いほど、そのタンパク質におけるプロリン残基の分布が適切になる(relevant)。従って総アミノ酸数の5%がプロリン残基であるタンパク質では、これらのプロリン残基が均一に分布していることが好ましい。好適なタンパク質を設計するに際し、当業者であれば例えばコンピューターモデルシステムの助けを得て、球状ドメインを生起しないプロリン残基を含む配列を設計することは可能である。球状ドメインの形成を防ぐ指標として、本発明で用いるゼラチン様タンパク質に、プロリン残基が不在のままに20アミノ酸を超えるストレッチが含まれないようにすべきことが好ましい。
ゼラチンの特色は、Gly−Xaa−Yaaのトリプレットが存在することである。かかるトリプレットは、本発明に用いるゼラチン様タンパク質にも存在していることが好ましい。しかし、Gly−Xaa−Yaaトリプレットが、又はGly−Xaa−Yaaトリプレットが連続するストレッチが、1若しくは2以上のアミノ酸により分断されているタンパク質を設計することは可能である。「中断された」トリプレット又はトリプレットの連続ストレッチを有するゼラチン様タンパク質においては、上記に定義したゼラチン様の特徴が該当する。上述の本発明に有用なゼラチン様タンパク質の定義は、完全にGly−Xaa−Yaaトリプレットのみから構成されるタンパク質に関していえば、少なくともトリプレットの15%にプロリン残基が含まれるタンパク質として説明される。かかるゼラチン様タンパク質には、プロリン残基が不在のままに6トリプレットを超える長さのストレッチが含まれないことが好ましい。本発明に用いるゼラチン様タンパク質には、少なくとも10、好ましくは少なくとも20、より好ましくは30を超えるGly−Xaa−Yaaトリプレットの連続反復からなるストレッチが含まれることが好ましい。
被験者に投与したときに、血液循環系からの目的とするクリアランス速度と共に好適なコロイド浸透圧を維持するため、本発明に用いるゼラチン様分子の分子量は、少なくとも10000ダルトンあることが必要で、15000ダルトンを超えることが好ましく、20000ダルトンを超えることがより好ましい。最も好ましい分子量は、約30000ダルトン〜80000ダルトンである。本発明に用いるゼラチン様分子には、ヒドロキシプロリン残基が実質的に存在しないが、これは、かかるゼラチン様タンパク質のアミノ酸残基のうちヒドロキシプロリン残基は2%未満、好ましくは1%未満であることを意味している。上記ゼラチン様分子にはヒドロキシリシン残基も実質的に存在しないことが好ましいが、これは、かかるゼラチン様タンパク質のアミノ酸残基のうちヒドロキシリシン残基は0.2%未満、好ましくは0.1%未満であることを意味している。また、リシン残基も実質的に存在しないことが好都合であるが、これは、かかるゼラチン様タンパク質のアミノ酸残基のうちリシン残基が2%未満、好ましくは1%未満であることを意味している。
ヒドロキシプロリン、ヒドロキシリシン及びリシンの量は、標準的なアミノ酸分析法であればいずれの方法で測定してもよいが、例えば、HP AminoQuant Series II, operators handbook, 1990, Hewlett-Packard GmbH, Federal Republic of Germany, Waldbronn Analytical Division, HP Part No. 01090-90025に記載の方法が用いられる。
大多数の被験者において、ゼラチンやゼラチン誘導体は免疫原性化合物とはみなされない。このことは例えば、ゼラチンベースの代用血漿製品が市販されていることからも証されている。使用するゼラチンがヒト以外からの由来であっても問題とはならない。また、ゼラチンが化学修飾されていても問題とはならない。現在一般的な調製物の恩恵を多数の被験者が享受する可能性のあることが、このような調製物の存在理由となっている。
しかしながら、アレルギー疾患又は自己免疫疾患を抱える者のように、ゼラチン誘導体をベースとする市販の代用血漿調製物に非寛容な被験者も存在する。この問題と直面したときの改良点としてまず、ゼラチンタンパク質の精製度を高めることが考慮された。アプローチの一環として、天然型ゼラチンの単離工程をより一層最適化すること、或いは誘導体化とそれに続く精製工程を最適化することが挙げられる。もう一つの可能性は、ゼラチンに取って代わる材料又は別のゼラチン製造方法を見出すことにある。今日みるバイオテクノロジーの発達や、ゼラチン及びコラーゲンの組換え作製法の進歩に関する知識をもってすれば、組成の一定したタンパク質を再現性よく作製するには、上記の方向性を志向することが考慮される。
上述したとおり、ゼラチンは一見免疫原性がさほど強くないようであっても、アレルギー疾患若しくは自己免疫疾患を有する被験者にとっては致命的となり得る。ゼラチンを組換えにより作製するアプローチをとる場合、かかるゼラチンにおいては、現在使用されているウシ由来ゼラチンに比べてヒト被験者における免疫原性がさらに低くなければならないことを考慮すると、組換えヒトゼラチンの製造が採用されるのは明らかである。さらに、ゼラチンの基本構造に著しい変化を誘起してはならないことも明らかである。
上記に示された問題解決手段とは対照的に、本発明での使用に好適なゼラチン様タンパク質は、非天然型ゼラチン又は天然に形成されるゼラチンの同等物であってもよい。本文脈において非天然型とは、ゼラチンが合成遺伝子に由来することを意味する。天然型ゼラチン分子との比較において、本発明で使用するゼラチン様タンパク質が異なる最たる点は、ヒドロキシプロリン残基の不在である。天然型ゼラチンにヒドロキシプロリン残基が存在することにより、かかる分子にへリックス構造が生じる。ヒドロキシプロリン残基が不在であると、ゼラチン様タンパク質におけるへリックス構造の形成が回避され、低温範囲下であってもゼラチン様分子のゲル化が回避される。
ゼラチン様タンパク質の免疫性や抗原性に関する特質について本発明に有用な情報は、先行技術の中にはみられない。本発明に用いるゼラチン様タンパク質が、天然型ゼラチンと化学的及び構造的に相違することを根拠として、かかるタンパク質を代用血漿組成物に用いることに反対する意見がある。しかし意外なことに、本発明に用いるゼラチン様タンパク質には、IgE抗体価が上昇した血液との免疫原性相互作用が認められないのである。
本発明に用いるゼラチン様タンパク質は、ヒドロキシプロリンを実質的に含まない。これは、一定量までのヒドロキシプロリン残基は存在していてもよいことを意味する。ヒドロキシプロリン残基レベルは、等張生理食塩水を用いた5重量%のタンパク質溶液を5℃において中性pHゲルとするために必要な最低レベルより低くなければならない。例えばヒドロキシプロリン残基が総アミノ酸残基の2%未満であるゼラチン様タンパク質が上記条件を満たしている。
さらなる実施態様において本発明に用いるゼラチン様タンパク質は、ヒドロキシリシンを実質的に含まない。これは、本発明に用いるゼラチン様タンパク質が実質的にリシンを含まないことを特徴とするさらなる実施態様において、ヒドロキシリシンの形成を回避することにより、最も効率よく達成される。上述したとおり、ヒドロキシリシンがタンパク質に存在することは稀である。ヒドロキシリシンや、ヒドロキシリシンが含まれる特定の配列が抗原性相互作用に関与している可能性がある。抗原性相互作用は、ヒドロキシリシン自体が存在している結果として、或いはヒドロキシリシンが存在することによりゼラチン又はゼラチン誘導体に特定の構造が形成される結果として生じる可能性がある。
ゼラチン様タンパク質は、合成核酸配列からデノボに作出できる。この方法により、ゼラチン様タンパク質をオーダーメードで設計することが可能となる。設計した合成核酸配列を公知の組換え技術により、好適微生物において発現させることができる。
本発明に用いるゼラチン様タンパク質の設計に関連して、ゼラチン様タンパク質の特徴をいくつか示す。例えば、ゼラチン様タンパク質にリシン等の特定アミノ酸が出現しないようにすることが確実にできる。或いは、特にリシンについても後述するように、ゼラチン様タンパク質における特定アミノ酸の数を限定して導入することが好都合である。ゼラチン様タンパク質のクリアランス速度もまた、ゼラチン様タンパク質の具体的なサイズや具体的なサイズ範囲を特定することにより、「デザインイン(design-in)」することができる。これを、ゼラチン様タンパク質を投与する被験者について判明している腎臓系の特性(例えばクリアチニンクリアランスパターンによって測定)と併用すると、さらに有利である。ゼラチン様タンパク質のサイズは後述するように、そのタンパク質のコロイド浸透圧にとって一層の重要性がある。さらにまた等電点(IEP)も、ゼラチン様タンパク質における酸性及び塩基性アミノ酸残基の組成配分に基づいて調節することができる。
実施例のひとつにおいて、本発明の組成物には、本来単分散性を示すゼラチン様タンパク質が含まれる。単分散性とは、組成及び分子量が一定していることを意味する。組換えによる作製過程で生じる組成変化は許容される。分子量との関連において単分散性の有用な定義は、組成物中のゼラチン様タンパク質総量の少なくとも90%における分子量が、選択した分子量の±10%の範囲内に収まることである。選択する分子量は、所望のコロイド浸透圧及び血液循環系からの所望のクリアランス速度に依存する。別の実施例において本発明の組成物には、いずれも本来単分散性でありながら分子量が異なる2種若しくは3種以上のゼラチン様タンパク質が含まれる。分子量が異なると、循環血液におけるクリアランスパターンも異なったものとなる。かかる組成に基づくと、組成物の血漿増量活性を長期にわたり調節することが可能となる。
本発明に用いるゼラチン様タンパク質の出発点は、自然に発生するゼラチン分子をコードする単離遺伝子であってもよく、かかる遺伝子に組換え手法を用いてさらに処理を施す。本発明に用いるゼラチン様タンパク質は、実質的にヒドロキシプロリン残基を含まないという違いはありつつもヒト天然アミノ酸配列に類似していることが好ましい。
本発明に用いるゼラチン様タンパク質は、欧州特許出願公開第0926543号及び同1014176号に開示されている組換え手法により作製できる。本発明の組成物に好適に用いられるゼラチン様タンパク質の産生及び精製を実施可能とするために、欧州特許出願公開第0926543号及び同1014176号の実施例を具体的に参照した。従ってゼラチン様タンパク質は、かかるポリペプチドをコードする核酸配列を、好適微生物を用いて発現させることにより作出できる。この方法には、真菌細胞又は酵母細胞が好適に用いられる。宿主細胞としては、Hansenula、Trichoderma、Aspergillus、Penicillium、Neurospora、又はPichia等の高発現宿主細胞が適当である。真菌及び酵母細胞は、反復配列の不適切な発現に対して細菌より低感受性であることから細菌より好ましい。最も好ましいのは宿主が、発現されたコラーゲン構造を分解するプロテアーゼを高レベルにもたないことである。この観点からPichiaが非常に好適な発現系として例示される。欧州特許出願公開第0926543号及び同1014176号に開示されているように、Pichia pastorisが発現系として特に用いられている。この微生物に、とりわけプロリンのヒドロキシル化及びリシンのヒドロキシル化などの活性な翻訳後プロセシング機構が存しないことが好ましい。使用する宿主にプロリル−4−ヒドロキシラーゼを発現させる遺伝子が含まれていなくてもよい。宿主にリシル−ヒドロキシラーゼが存在しなくてもよいことが好ましい。組換え作製法を用いると一般的に天然型アミノ酸、つまりL−アミノ酸を含むタンパク質が得られる。自然発生する異性化プロセスの結果としてD−アミノ酸が存在することは許容される。アミノ酸の1%未満がD型である。宿主細胞や発現させる配列に関する知識とあわせ、本明細書に示すパラメーター要件に基づいて既知の産業用の酵素産生真菌宿主細胞、特に酵母細胞のなかから適切な宿主細胞を選択して、本発明の組成物に適した組換えゼラチン様タンパク質を発現させるのに好適な宿主細胞を提供することは当業者には可能である。
組換え法により本発明に用いるタンパク質を作製した場合、特に酵母において組換え遺伝子を発現させる方法で作製した場合、かかるタンパク質がシステイン又は他のメルカプトアミノ酸を含まず、また1−4位(Met−Xay−Xaz−Arg)にメチオニンとアルギニンをあわせもたないことが好ましい。なぜなら、そのような配列は酵素によるタンパク質分解に感受性を示すからである。
本発明に用いるタンパク質は、DNA発現による方法以外にも例えば化学的タンパク質合成法により、部分的に若しくは全体的に作製することもでき、その場合、上記タンパク質には非天然型アミノ酸も含まれていてよい。
本発明の組成物を得るために、生理学的pHを有し、かつ生理学的に許容される濃度の生理食塩水にゼラチン様タンパク質を溶解する。生理食塩水とは、Na+イオンとCl-イオンが水に溶けた溶液である。代用血漿組成物は大量投与される可能性が非常に高いので、希釈効果が電解質バランスを崩さないように注意を払う必要がある。本発明の組成物を調製するにあたり、当業者であればNa+イオン及びCl-イオンを適切濃度で用いることが可能である。実施有効範囲は、Na+イオンが120〜170mmol/l、Cl-イオンが90〜140mmol/lである。所望する場合は、通常血液に含まれる成分がさらに1若しくは2以上、本発明組成物に含まれていてもよい。例えば本発明の組成物には、Mg2+、K+、Ca2+、HPO4 2-、H2PO4 -及びグルコースから選択される1若しくは2以上の成分が生理学的な許容濃度で含まれる。当業者であれば、各成分について生理学的に許容される濃度を決定することが可能である。本発明の組成物が、好ましくはHCO3 -及び乳酸からなるグループから選択される緩衝化合物をも含むことが好適である。緩衝剤について、組成物を生理学的に許容されるpH下に維持するための適切量を決定することは、当業者には可能である。
本発明の組成物が、ヒト被験者の血液とほぼ等張又は等浸透性であることが好ましく、従って組成物の浸透圧が270〜300mOsmの範囲にあることが好ましい。
ゼラチン様タンパク質の目的は、コロイド浸透圧を適切なものに維持して十分量の血液循環を確保することにある。本発明に用いるタンパク質が非ゲル化を特徴とすることは、循環系から速やかに浄化されることのない、かなり大きなサイズの高分子を用いることが可能になる点で有利である。血漿増量剤として有効に機能するために、ゼラチン様化合物の分子量は少なくとも10000ダルトンあることが必要で、少なくとも15000ダルトンあることが好ましく、少なくとも20000ダルトンあることがより一層好ましい。最も好ましい分子量は、約30000ダルトン〜80000ダルトンの範囲である。本発明によれば、所望のコロイド浸透圧及び/又は血液循環系からの所望のクリアランス速度に鑑みて好ましいと思われる場合に、よりサイズの大きいゼラチン様タンパク質を用いることが可能となる。ゲル化のリスクや、粘度があまりに高くなりすぎるリスクなしに、高分子量のゼラチン様タンパク質を含む組成物を用いることができる。しかしながら分子量が100000ダルトンを超えるゼラチン様タンパク質は、本発明の組成物に好適に用いることはできないと考えられる。
本発明の組成物には、血液中のヒト血清アルブミンの浸透圧と匹敵する、若しくはそれを若干上回る浸透圧を展開する量のゼラチン様タンパク質が含まれる。組成物におけるコロイド浸透圧の測定は、例えば20000ダルトンで遮断する適切な半透過性膜を備えた市販の膜浸透圧計(membrane osmometer)を使用することにより、当業者には日常的な作業である。当業者には、所望の浸透圧に適したゼラチン様タンパク質の量を正しく決定することが可能である。適用可能範囲のゼラチン様タンパク質の量は、通常2〜8重量%である。
所望する場合には、本発明の代用血漿組成物と同時に薬理学的に活性な化合物を導入することができる。例えば血液凝固過程に関与する薬剤を同時導入することが有利な場合もある。かかる組成物は、手術中や手術前の血液希釈において血漿増量剤を適用する際に特に有用である。従って本発明組成物の別の実施態様には、薬理学的に活性な化合物が含まれる。
血漿内において循環時間が持続するというゼラチン様タンパク質の長所を利用するために、薬理学的に活性な化合物をゼラチン様タンパク質に共有結合させることが具体的に考慮される。本発明組成物のさらなる実施態様には、ゼラチン様タンパク質に共有結合させた薬理学的に活性な化合物が含まれる。
薬理学的に活性な化合物をタンパク質に共有結合させることは、平均的な有機化学者にとって日常的な事柄である。例えば、薬剤中のカルボキシル官能基を、タンパク質中のリシンのアミノ基に結合させるには、遊離アミンと反応するDCC若しくはEDC及びNHSを用いて上記カルボキシル基をその活性エステルに転化させればよい。
タンパク質におけると同様に、他の分子における共有結合でもリシン残基は残基の選択肢にはいる。それゆえに実質的にリシン残基を含まないタンパク質は望ましくないのである。逆にリシン残基は含まれていなければならず、存在するリシン残基の数がわかっていることが好ましい。その数が判明していると、薬理学的に活性な化合物がいくつタンパク質に結合しているかの推定が可能となり、ひいては適量の薬剤投与が可能になる。合成核酸配列をデノボに設計することにより、今やリシン残基を特定量導入するという有利な可能性がもたらされ、よって薬理学的に活性な化合物を有する、よく定義されたゼラチン様タンパク質の作製が可能となる。タンパク質が浄化される時間と薬剤の投与量との間に明確な相関関係が示される。
タンパク質に結合した薬剤は、投与後に循環血液から間質へと拡散することはない。このことは、血管内で作用しなければならない薬剤にとって特に好都合な点である。薬剤が間質液に拡散して被験者の体内に広がることによる望ましくない副作用が回避される。血管外活性プロフィール同様に血管内活性プロフィールを有する薬剤もまた、活性が血管内に集中されることによる恩恵を受ける。
肝臓及び腎臓におけるクリアランスは最小限とし、薬剤の血漿レベルをより一定に確保する。ゼラチン様タンパク質に結合した薬剤の半減期は延長される。
血管内投与され、本発明に用いるタンパク質と結合させるのに好適な薬剤としては、血液凝固抑制、血管拡張、赤血球や血小板や白血球の機能、血栓症、免疫応答、及びホルモン等のメッセンジャー分子の血中レベルに関与する薬剤が例示される。具体的には、ヘパリン、β−ブロッカー、アンジオテンシン拮抗剤等の血圧調整剤、及び抗生物質がある。
本発明組成物に用いるゼラチン様タンパク質の修飾は、薬理学的に活性な化合物との結合に限定されない。その特性を改良するため、ゼラチン様タンパク質を組換えにより作製して単離した後に、上記以外の修飾を施すことが可能である。例えば、等電点又は可溶性又はその他の関係ある特性に影響するような修飾が有利である。これらの修飾により、免疫反応又は抗原反応を誘起する可能性のある要素が導入されないように留意すべきである。
組換えコラーゲン様ペプチド
一般的な分子−生物学的技術
クローニング手法は基本的に、Maniatis et al.(Maniatis T., Fritsch, E.F. & Sambrook, J. (1982) Molecular cloning: A laboratory manual. Cold Spring Harbor Laboratory, Cold Spring Harbor, NY)に従って実施した。プラスミドDNAは、Wizard Plus SV miniprep、又はQiagen midiprep systemsを使用して単離した。QIA quick Gel Extraction Kit(Qiagen社製)を用いてアガロースゲルからDNAを単離した。別途特記しない限り、使用した酵素は全てAmersham Pharmacia Biotech社製であり、製造者の指示に従って使用した。Pichia pastorisの処理及び形質転換を含めた全手順は基本的に、Pichia Expression Kit (Invitrogen社製)のマニュアル(Manual of the Pichia Expression Kit Version E (Invitrogen, San Diego, CA, USA))に従って行った。
pPIC9−H1の構築
6個のヒスチジン残基をもつ親水性ゼラチン(以下「バイオゲル−II」)をコードする合成遺伝子を、Pichia pastorisで高頻度に発現する遺伝子のコドン使用頻度(codon usage)をもつように設計した(Sreekrishna, K. and Kropp, K.E. (1996) Pichia pastoris, Wolf, K.(Ed), Non conventional yeasts in biotechnology. A handbook, Springer-Verlag, pp. 6/203-6/253)。
以下のオリゴヌクレオチドを用い、PCR反応を個別に2回行った。
1.1pmolのOVL−PA−FW、1pmolのOVL−PA−RV、50pmolのHLP−PA−FW、及び50pmolのHLP−PA−RV
2.1pmolのOVL−PB−FW、1pmolのOVL−PB−RV、50pmolのHLP−PB−FW、及び50pmolのHLP−PB−RV
オリゴヌクレオチド配列は以下のとおり。
Figure 0004515707
GeneAmp 9700 (Perkin-Elmer社製)を用いて、0.2mMのdNTP’s(Pharmacia社製)、1×Pwo緩衝液(Eurogentec社製)及び1.25U Pwoポリメラーゼ(Eurogentec社製)を含む50μlのPCR反応を行った。反応1では、94℃で15秒、72℃で15秒のサイクルを18回行った。反応2では、94℃で15秒、アニーリング温度で15秒及び72℃で15秒により1回のサイクルが構成されるタッチダウンPCRを行った。アニーリング温度は、最初の5サイクルを行う間に72℃から68℃に低下させ、その後67℃のアニーリング温度でさらに20サイクルを行った。
得られたPCR産物をアガロースゲルから単離した。各断片からの0.3pmol、外側のプライマーであるHLP−PA−FWとHLP−PB−RVからの50pmolをオーバーラップ伸長PCRにかけた。94℃で15秒、67℃で15秒、72℃で15秒のサイクルを25回行った。その結果得られた0.3kbのPCR断片をXhoI/EcoRIで消化してクローニングベクターpMTL23に挿入した。自動DNAシークエンシングにより配列を調べ、エラーのない1個のクローン(以後「pMTL23−P」と記す)を選択した。
以下のオリゴヌクレオチドを用いてさらにPCR反応を実施した。
1pmolのOVL−H−FW、1pmolのOVL−H−RV、50pmolのHLP−H−FW及び50pmolのHLP−H−RV。
オリゴヌクレオチド配列は以下のとおり。
Figure 0004515707
GeneAmp 9700 (Perkin-Elmer社製)を用いて、上述のオリゴ各種及び25μlのHigh Fidelity PCR Master(Roche社製)を含む50μlのPCR反応を行った。94℃で15秒、60℃で15秒、72℃で15秒のサイクルを18回繰り返す反応を行った。0.18kbのPCR産物をアガロースゲルから単離し、ベクターpGEM−T Easy(Promega社製)にT/Aクローニングした。自動DNAシークエンシングにより配列を調べ、エラーのない1個のクローンを選択した。次にこのベクターをDraIII/Van91Iで消化した。その結果得られた0.18kb断片をアガロースゲルから単離し、Van91Iで消化して脱リン酸化したpMTL23−Pにクローニングした。得られたベクターをEcoRI/XhoIで切断した後、この挿入物を、EcoRI/XhoIで消化したP. pastoris発現ベクターのpPIC9にクローニングし、pPIC9−H1ベクターを得た。
コードされた成熟(処理済)バイオゲル−IIのアミノ酸配列は以下のとおり。
Figure 0004515707
分子量:15.1kDa、等電点:5.1
放射アレルゲン吸着試験(RAS試験又はRAST)
所与のアレルゲン又はタンパク質に対するIgE抗体の存在を明らかにするためにRAS試験が用いられる。RAS試験の詳細に関しては、Aalberse et al. J. Allergy Clin. Immunol., 1981, vol.68: 356-364を参照した。
試験したゼラチンを含有する組成物は以下のとおり:
ゲロフシン(登録商標)、ゲリフンドール(登録商標)、バイオゲル−I含有組成物、バイオゲル−II(Biogel-II)含有組成物及びバイオゲル−III(Biogel-III)含有組成物
ゲロフシン(登録商標)(修飾ゼラチン40g/l、Na+154mmol/l、Cl-125mmol/l)、及びゲリフンドール(登録商標)(修飾ゼラチン55g/l、Na+145mmol/l、Cl-100mmol/l、NaEDTA0.19g/l、Ca2+0.5mmol/l、HCO3 -30mmol/l)は、市販されている状態で使用した。
バイオゲル−I及びバイオゲル−IIIは、欧州特許出願公開第0926543号の図3、及び同1014176号の7ページにそれぞれ記載されている。バイオゲル−IIは、実施例1に記載がある。PBS(Na+164mmol/l、Cl-140mmol/l、HPO4 2-10.9mmol/l、H2PO4 -1.8mmol/lに、ゼラチン様タンパク質のバイオゲル−I、バイオゲル−II及びバイオゲル−IIIをそれぞれ55g/l含む組成物を調製した。
特定の食品に対してアレルギーを起こすことがわかっている被験者の血清を試験した。血清は、食品、特に牛肉、豚肉及び卵に対するIgE抗体の存在がわかっているものを選択した。上記食品に対するIgE抗体をもつ被験者は、ゼラチンに対するIgE抗体も有している可能性がある。さらに、プラズマフェレーゼ(plasmaferese)から得て、既知のアレルギーに対するIgE抗体の存在を基準にして選択した49血漿試料を試験した。
製造者の指示に基づく標準的な結合プロトコールに従って、ゼラチン誘導体又はゼラチン様タンパク質をCNBr活性化セファロースビーズ(Amersham Pharmacia Biotech社製、Uppsala, Sweden)に結合させた(1mgのビーズに対して約1μgのタンパク質)。ヒト血清アルブミン含有緩衝液を用いて、1mlあたり2mgのビーズの濃度とした。
ゼラチン誘導体又はゼラチン様タンパク質に結合させたセファロースビーズ250μlを血清又は血漿試料50μlの共存下において室温で一晩インキュベーションした。これらのビーズを4回洗浄して過剰の血清又は血漿を除去し、250μlの培地に再懸濁した。
上記ビーズを、125Iで標識した抗ヒトIgE抗体50μlの共存下において室温で一晩インキュベーションする。この標識抗IgE抗体は、クロラミンTを用いる標準的な手法で調製する。
ビーズを4回洗浄し、過剰の125I標識抗ヒトIgE抗体を取り除く。試料中の反応性を計数する(ポジティブ及びネガティブ対照群を用いて)。試料に反応性が認められることは、血清又は血漿中においてIgEがゼラチン誘導体若しくはゼラチン様タンパク質に結合したことを示しており、よって過敏症反応が誘発されたことを示すものである。
結果
Figure 0004515707
対照実験においては、ポジティブと判定された試料を、ゲロフシン(登録商標)及びゲリフンドール(登録商標)の共存下でプレインキュベーションする。プレインキュベーション後に行ったRAS試験において放射活性は全く認められなかった。免疫反応は、使用するゼラチン誘導体に特異的である。
ラットにおけるゼラチン溶液の前臨床評価
ラットにおける組換えゼラチン溶液の前臨床評価は、以下を検討するものである。
− 血管容量を増量する能力(第一の薬理学的特性)
− 分布、血漿半減期、及び腎臓からの排出(薬物動態学)
血管系の充填は、インビボでのコロイド浸透活性と関連している。制限の範囲内で、効果の程度を決定するのは注入溶液の濃度ではなく、注入された高分子の量である。従ってコロイド浸透活性は、ゼラチンを所定量投与したときの血液希釈を調べることにより測定できる。投与量を種々に変えて調べることにより精度が増す。実施に際しては、良好な測定可能効果を得るために、例えば体重換算で20ml/kg(血液量の約30%)を抜き取り、各種濃度(推定される等コロイド浸透(iso-oncotic)濃度に近い濃度)でゼラチンを含有する溶液と等量交換することができる。インビボでの等コロイド浸透濃度は、赤血球数にみる実際の効果と予想効果とを比較することにより測定できる。
高分子が循環系から浄化されると血漿量は減少し、赤血球数又はヘマトクリット値が増加する。従って、赤血球数及びゼラチン血漿濃度の変化を経時的に測定することにより、循環におけるゼラチンの効果持続期間及び半減期が明らかになる。種々の投与量を適用することにより、半減期が、臨床的な適切投与量の範囲内で投与量依存であるか否かが判明する。比較的小さい高分子(電荷及び形状依存で30kD未満)は、腎臓で浄化される。腎臓からの排出量は、尿を回収してそのゼラチン濃度を調べることにより測定できる。多量のゼラチンが排出されれば、尿細管にゼラチンが沈殿して細管閉塞が生じることもある。これについては光学顕微鏡下での観察が可能である。
ゼラチン溶液の成分、特に酵母からの不純物が炎症反応を誘発することがある。その結果、何よりも血管の活性化及び/又は好中球の活性化が生じる。
時間単位で半減期を迎えると予想されるため、初期実験に要する時間は4時間で十分であると考えられる。すなわち実験全体を麻酔下で実施することができるので、血圧測定及び血液採取が容易となり、またラットの苦痛を最小限にすることが可能となる。
等コロイド浸透活性は血漿濃度を測定することなく求められるが、クリアランスの測定には、血漿中及び尿中のゼラチンを測定するアッセイ法を用いる。或いは、標識により性状が変化するかもしれないという欠点はあるものの、標識ゼラチンを使用することもできる。
プロトコール:
動物データ
種:ラット
系統/性別:Wister HsdCpb:WU、雌
手順
1.試験溶液の投与
血液の回収:10分間に20ml/kg
ゼラチン溶液の注入:10分間に20ml/kg(4〜6ml)
2.血液及び尿試料
血液:0.2〜1.5mlの血液試料を静脈カニューレからシリンジに採取し、0、60、120及び240分後にEDTAの入ったポリプロピレン薬瓶に速やかに移した。
事前に計量した薬瓶に尿を回収した。尿量は重量測定により求めた。
3.実験期間
試験溶液の投与240分後に致死量のペントバルビタールを投与して実験を終了させた。
Figure 0004515707
実験課題
a)ガラスキャピラリーを用いて10000gで5分間血液の遠心分離を行い、ヘマトクリットを測定した。
b)電子細胞計数器(model ZF; Coulter Electronics社製)を用いて赤血球数を計数した。
c)ゼラチン濃度の測定
逆相クロマトグラフィーにかけ、220nmで検出を行ってゼラチン濃度を測定した。
計算
各時点におけるヘマトクリット(hct)を、それぞれの時点における赤血球(rbc)数から計算する。t=0におけるrbc数から、t=0におけるヘマトクリットを計算する。
予想される(仮定の)容量は以下のように計算する。
i)液体移動がないものとして予想血液量(BV)を計算する:
t=0のとき(ml) : 65(ml/kg)×体重(kg)
t≧20のとき : (BVt=0)−除去量+注入量
ii)予想血漿量(PV)は、液体移動がないものとして、また体ヘマトクリットが抹消血におけるヘマトクリットと等しいものとしてmlで計算する:
t=0のとき(ml): (BVt=0)×(1−hct t=0)
t≧20のとき : (PVt=0)−除去血漿量+注入量
iii)予想ヘマトクリットは、(BV−PV)/BVとして計算する。
真(real)の容量は以下のように推定される:
i)t=0で予想される推定の真のBV、それ以降はヘマトクリットの予想値と観察値の比率から推定する:
t=0のとき(ml) : 65(ml/kg)×体重(kg)
t≧20のとき : BV予想値×予想hct/観察hct
ii)t=0で予想される推定の真のPV、それ以降は計算された真のBVと観察ヘマトクリットから推定する:
t=0のとき(ml) : (BVt=0)×(1−hctt=0)
t≧20のとき :推定された真のBV×(1−hct)
注入量と、推定された真の血漿量と予想血漿量との差から、注入試験溶液によるt=60での増加量を推定した。:
i)t=60における増加量: 注入量−(予想PVt=60)+(推定された真のPVt=60)
ii)コロイド1g毎の増加量(ml/g)
結果とディスカッション
血漿量の増量
図1は、血液を抜き、その後生理食塩水を注入した当初は、ヘマトクリットがほぼ予想値まで減少することを示している。しかしその後ヘマトクリットは実質的に上昇した。5%アルブミン注入後のヘマトクリット値は、観察期間にわたり予想より低レベルだった。コロイド浸透活性をもたない生理食塩水を注入すると、注入したモデルに血液量減少が認められたが、5%アルブミンを注入すると持続的な血液量過多が誘発され、ラットに高コロイド浸透活性がもたらされたことを示している。30ml/kgの注入剤注入により誘起された増加量は、ヘマトクリットの変化から計算した。注入1時間後における生理食塩水注入による増加量は17〜18ml/kgであり、5%アルブミンでは40〜44ml/kgだった。このモデルにおけるアルブミンによる増加量は、アルブミン1gにつき27〜30mlだったことを意味している。
バイオゲル−Iは、4g/100mlの濃度下で高張性を示し(図1)、2〜3時間にわたり、血液量過多が明らかに認められた。30ml/kgの注入後における血漿増加量は44〜59ml/kgだった。3g/100mlが等コロイド浸透圧に近いが、そのときの血漿増加量は35〜44ml/kgだった。以上の結果から、バイオゲル−I使用時の1時間後における血漿増加量は、1gのバイオゲル−Iにつき43±6(平均+SD)mlだった。
4g/100mlのゲリフンドールの増量効果は非常に短かった(図2)。1時間後の増加量は、30ml/kgの注入量に対して17及び25ml/kgであり、生理食塩水に比べて多いとはいえなかった。1時間後の増加量は、コロイド1gにつき14〜21mlだった。
図3は、バイオゲル−Iの増加量としてみるコロイド浸透効果を、ゲリフンドール及びヒト血清アルブミン(HSA)の場合と比較した結果を表しており、バイオゲル−Iにより、短期間でより一層の増加がもたらされることがわかる。
以上の結果は、短期及び長期のいずれにおける容量増量にもバイオゲル−Iが非常に有効な血漿増量剤であることを示すものである。体重を基礎とした場合のインビボにおけるコロイド浸透効果は、ヒトアルブミンのものより約50%高い。他方、ラットモデルにみるゲリフンドールのコロイド浸透効果は最小であり、その効果は極めて短期間しか持続しなかった。
B.血漿クリアランス
図4は、バイオゲル−Iを3g/100ml及び4g/100ml、ゲリフンドールを4g/100mlそれぞれ注入した後のゼラチン血漿濃度を示している。
20分後におけるバイオゲル−Iの初期分布量は、注入濃度に関わりなく49〜54ml/kgだった。これは予想血漿量にほぼ相当し、結合することなく血管内に分布されることを示唆している。この濃度はその後逓減し、4時間後には初期値の20〜30%まで減少する。これらの曲線から、バイオゲル−Iの見掛けの血漿半減期は、87±13分(平均+SD)と計算された。3時間の観察期間中、血管外にも分布が認められたことに留意すべきである。尿中への排出は検出されなかった。
ゲリフンドールの初期分布量は75〜82mlであり、注入後の10分間にゼラチンの一部が早くも循環から消失したことを示唆している。血漿濃度は比較的速やかに低下し、それに伴い、20〜60分後における血漿量が実質的に減少した(図2を参照)。これらの結果から、1時間以内に50%を超える量が消失し、血漿増量効果は20分未満しか持続せず(図2)、循環から非常に迅速に消失することが示された。尿中のゼラチン濃度は高く、腎臓における排出が主要なクリアランス機構であることが示唆された。
以上の結果は、静脈内注入直後からバイオゲル−Iが血漿成分に分布したことを示している。ゲリフンドールと違って尿へは排出されなかったことから、本発明の血漿増量剤の利点が明らかである。ラットモデルにおける血漿半減期は1〜2時間である。従って、容量増量有効期間はアルブミンの場合より短いが、ゲリフンドールよりは著しく長期である。
バイオゲル−I(Biogel-I)注入後の時間経過と血漿増加量との関係を示す図である。 ゲリフンドール注入後の時間経過と血漿増加量との関係を示す図である。 注入されたコロイドによる60分後の増加量を示す図である。 バイオゲル−I又はゲリフンドール注入後の時間経過とゼラチンの血漿濃度との関係を示す図である。

Claims (16)

  1. 生理学的に許容される濃度の生理食塩水溶液及びコロイド浸透作用を有するタンパク質を含む血漿代用組成物において、前記コロイド浸透作用を有するタンパク質が、アミノ酸のGly−Xaa−Yaaトリプレットを含み、分子量が10000〜80000ダルトンである組換えゼラチン様タンパク質であって、前記ゼラチン様タンパク質中の総タンパク質アミノ酸残基数の少なくとも5%が、プロリン残基であり、前記ゼラチン様タンパク質には、球状ドメインが存在せず、かつプロリン残基が不在な20アミノ酸を超えるストレッチを含まず、前記ゼラチン様タンパク質のアミノ酸残基の2%未満がヒドロキシプロリン残基であることを特徴とする組成物。
  2. 組換えゼラチン様タンパク質が、ヒドロキシプロリン残基を含まないことを特徴とする請求項1に記載の組成物。
  3. 組換えゼラチン様タンパク質のアミノ酸残基の0.2%未満がヒドロキシリシン残基であることを特徴とする請求項1に記載の組成物。
  4. 組換えゼラチン様タンパク質が、ヒドロキシリシンを含まないことを特徴とする請求項1に記載の組成物。
  5. 組換えゼラチン様タンパク質のアミノ酸残基の2%未満がリシン残基であることを特徴とする請求項1に記載の組成物。
  6. 組換えゼラチン様タンパク質が、リシンを含まないことを特徴とする請求項1に記載の組成物。
  7. 組換えゼラチン様タンパク質の分子量が、30000ダルトン〜80000ダルトンであることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の組成物。
  8. 組換えゼラチン様タンパク質が単分散性であることを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載の組成物。
  9. それぞれが単分散性であるが、分子量が異なる2若しくは3以上の組換えゼラチン様タンパク質を含むことを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載の組成物。
  10. Mg2+、K、Ca2+、HPO 2−、HPO 及びグルコースから選択される1若しくは2以上の成分を生理学的に許容される濃度で含むことを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載の組成物。
  11. HCO 及び乳酸から選択される緩衝化合物を含むことを特徴とする請求項1〜10のいずれかに記載の組成物。
  12. 薬理学的に活性な化合物を含むことを特徴とする請求項1〜11のいずれかに記載の組成物。
  13. 薬理学的に活性な化合物が、ゼラチン様タンパク質に共有結合していることを特徴とする請求項12に記載の組成物。
  14. アミノ酸のGly−Xaa−Yaaトリプレットを含み、分子量が10000〜80000ダルトンである組換えゼラチン様タンパク質であって、前記ゼラチン様タンパク質中の総タンパク質アミノ酸残基数の少なくとも5%がプロリン残基であり、前記ゼラチン様タンパク質には球状ドメインが存在せず、かつプロリン残基が不在な20アミノ酸を超えるストレッチを含まず、前記ゼラチン様タンパク質のアミノ酸残基の2%未満がヒドロキシプロリン残基である組換えゼラチン様タンパク質の血漿増量剤の製造のための使用法。
  15. 組換えゼラチン様タンパク質のアミノ酸残基の0.2%未満がヒドロキシリシン残基であることを特徴とする請求項14に記載の使用法。
  16. 組換えゼラチン様タンパク質のアミノ酸残基の2%未満がリシン残基であることを特徴とする請求項14又は15に記載の使用法。
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