JP4515140B2 - 導電性構造体の射出圧縮成形方法 - Google Patents

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本発明は体積固有抵抗が100mΩ・cm以下の熱可塑性樹脂複合材料からなる導電性構造体の成形方法に関する。更に詳しくは、燃料電池(特に固体高分子型燃料電池)のセパレータの成形方法に関する。
燃料電池用セパレータは水素や酸素などの気体不透過性に優れ、高い導電性を有し、かつ耐食性、強度にも優れることが要求される。これらの要求を達成するために、燃料電池用セパレータの材質として金属と炭素材料の両面から検討がされてきた。金属の場合は耐食性の向上させるために、表面に貴金属や炭素を被覆させる試みがされてきたが、十分な耐久性が得られず、さらに被覆するためのコストが問題になっている。一方、炭素材料については種々の材料が検討され、例えば、膨張黒鉛シートをプレス成形して得られた成形品、炭素焼結体に樹脂を含浸させ硬化させた成形品、熱硬化性樹脂を焼成して得られるガラス状カーボン、炭素粉末と樹脂を混合後成形した成形品などが検討されている。
また燃料電池用セパレータは、信頼性と寸法精度にも優れることが要求されている。この観点から、例えば特許文献1には、炭素質粉末に結合材を加えて加熱混合後CIP成形し、次いで焼成、黒鉛化して得られた等方性黒鉛材に熱硬化性樹脂を含浸、硬化処理し、薄板状にスライス加工するという煩雑な工程を備えた燃料電池用セパレータの製造方法が開示されている。
また、特許文献2には、炭素粉末または炭素繊維を含むセルロース紙に熱硬化性樹脂を含浸後、積層圧着し、樹脂を硬化させてから紙と樹脂を焼成して炭化させる製造方法が開示されている。
更に特許文献3には、フェノール樹脂をセパレータ形状の金型に射出成形し、この成形品を焼成する製造方法が開示されている。
上記の各文献に記載された例のように、焼成処理された材料は高い導電性を示すが、焼成に要する時間が長く生産性が乏しいという問題がある。更に、スライス加工等の切削加工が必要な場合は、さらに量産性が乏しく高コストになるため、将来普及する材料としては難しい面が多い。
また、燃料電池用セパレータの製造方法として、量産性が高く低コスト化が期待されるモールド成形法が挙げられる。このモールド成形法に適用可能な材料としては、炭素質材料と樹脂のコンポジットが一般的である。
例えば、特許文献4にはフェノール樹脂等の熱硬化性樹脂と黒鉛等のカーボン材料とを混合成形させてなるセパレータが、特許文献5にはエポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂とグラファイト等の導電性物質とからなる双極隔離板が、特許文献6にはフェノール樹脂、フラン樹脂等の熱硬化性樹脂に膨張黒鉛及びカーボンブラックを配合してなるセパレータが、それぞれ開示されている。
更に、特許文献7には、射出製金型として、キャビティーを形成する型壁面を特定の熱伝導率以下の耐熱性重合体からなる断熱層で被覆された金型を用いて、導電性充填剤混入熱可塑性樹脂を射出成形する技術が開示され、特許文献8には断熱金型を用いた射出成形技術が開示されている。
特開平8−222241号公報 特開昭60−161144号公報 特開2001−68128号公報 特開昭58−53167号公報 特公昭57−42157号公報 特開平1−311570号公報 特開平9−174613号公報 特開平6−218769号公報
ところで、特許文献4ないし6に示したモールド成形法において、燃料電池用セパレータに要求される高い導電性を得るためには導電性フィラーの配合比を高くする必要がある。しかし、導電性フィラーを多くすると、複合材料の成形時の流動性が悪くなり、成形品の寸法精度が悪化するという問題がある。
一方、バインダー樹脂として熱硬化性樹脂を使用する高導電性複合材料(「熱硬化性樹脂複合材料」と言うことがある)は、熱可塑性樹脂をバインダー樹脂として使用する高導電性複合材料(単に「熱可塑性樹脂複合材料」、「導電性充填材含有熱可塑性樹脂複合材料」と言うことがある)に比べて、バインダー樹脂の溶融粘度が低いため、モールド成形時の複合材料の流動性が比較的良好となる。それゆえ、特許文献4ないし6のように、燃料電池用セパレータのモールド成形の原料として使用可能な高導電性複合材料としては、炭素質材料と熱硬化性樹脂の組み合わせに限られてきた。しかし、熱硬化性樹脂複合材料のモールド成形法においては、硬化時間が長く、成形サイクルタイムが長いので、熱可塑性樹脂複合材料に比べて成形コストが高いという課題がある。
それに対し、熱可塑性樹脂複合材料を用いて燃料電池用セパレータを射出成形あるいは射出圧縮成形する場合は、成形サイクルタイムが短いので成形コストは非常に低くなるという利点がある。しかし、複合材料の成形加工時の流動性が非常に悪いため、高い寸法精度が要求される燃料電池用セパレータの製法としては適さないとされてきた。従来、熱可塑性樹脂複合材料の成形加工時の流動性を改良するために複合材料の組成検討が活発に行われているが、未だ満足のいく結果は得られていない。なぜなら、複合材料に含まれる炭素質材料や金属粉などの導電性充填材は一般的に熱伝導率が高く、それらが高充填されると、成形時に金型内で溶融樹脂が急速に冷却されるので、低溶融粘度のバインダー樹脂を用いたとしても複合材料の流動性が固化により悪化するのが避けられず、厚さが2mm以下の燃料電池用セパレータを成形するのが非常に困難になるためである。
組成検討の一方で、断熱金型を用いた射出成形の検討もなされている。しかし、導電性熱可塑性樹脂複合材料を射出成形した場合、成形条件によっては成形品表面がスキン層と呼ばれる樹脂だけの層で覆われてしまい、成形品の導電性が損なわれ、優れた導電性を有する成形品を得られないという問題がある。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、体積固有抵抗が100mΩ・cm以下の熱可塑性樹脂複合材料からなり、寸法精度が良好でスキン層が形成されていない優れた導電性を有する導電性構造体を、短い成形サイクルタイムで低コストで成形する方法を提供することにある。
また、本発明は、固体高分子型燃料電池に用いる、寸法精度が良好で優れた導電性を有するセパレータを短い成形サイクルタイムで低コストで成形する方法を提供することを目的とする。
本発明者らは上記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、キャビティーを形成する型壁面が断熱層で被覆された金属からなる金型を用いた射出圧縮成形方法により、固化が速く流動性が著しく低い、体積固有抵抗が100mΩ・cm以下の熱可塑性樹脂複合材料から、寸法精度が良好で、表面にスキン層が形成されていない優れた導電性を有する導電性構造体(例えば、燃料電池用セパレータ)を短いサイクルタイムで低コストで製造できる方法を見出し、本発明を完成するに至った。なお、断熱層で被覆された金型を射出成形に適用し、燃料電池用セパレータを製造することも可能であり、物性よりも成形サイクルや複数の金型キャビティーによる多数個取りを重視する場合には射出成形法を選択しても良い。
特に、モバイル用パーソナルコンピューター等に用いられるマイクロ燃料電池用セパレータやその予備成形体のように面積が大きくない成形品の場合、大面積のセパレータを成形する場合に比べて低射出圧、低射出速度で射出成形できるので、成形品表面のスキン層の形成を最低限に抑えることができ、断熱層で被覆された金型で射出成形しても、寸法精度が高いセパレータを効率的に成形することができる。
本発明は上記知見に基づくものであり、以下の手段を提供する。すなわち、
(1)体積固有抵抗が100mΩ・cm以下の導電性充填材含有熱可塑性樹脂複合材料からなる導電性構造体の射出圧縮成形方法であり、前記導電性充填材含有熱可塑性樹脂複合材料が、ポリプロピレン樹脂と、粉末状および/または繊維状の炭素質材料とを少なくとも含有するものであり、射出圧縮成形の金型として、キャビティーを形成する型壁面が熱伝導率0.017J/cm・sec・℃以下の断熱材料からなる断熱層で被覆されてなる金属製の金型を用いて、厚み1mm以下の導電性構造体を成形することを特徴とする導電性構造体の射出圧縮成形方法。
(2)前記断熱層が金属層で被覆されてなる金型を用いることを特徴とする前項1に記載の導電性構造体の射出圧縮成形方法。
(3)前記断熱層が耐熱性重合体からなることを特徴とする前項1または前項2に記載の導電性構造体の射出圧縮成形方法。
(4)前記導電性充填材含有熱可塑性樹脂複合材料が導電性充填材を70〜98質量%含むものであることを特徴とする前項1ないし前項3のいずれかに記載の導電性構造体の射出圧縮成形方法。
(5)前記導電性充填材含有熱可塑性樹脂複合材料からなる導電性構造体が、燃料電池用セパレータであることを特徴とする前項1ないし前項4のいずれかに記載の導電性構造体の射出圧縮成形方法。
(6)前記導電性充填材含有熱可塑性樹脂複合材料からなる導電性構造体が、燃料電池用セパレータを熱プレス成形あるいはスタンピング成形するための予備成形体であることを特徴とする前項1ないし前項4のいずれかに記載の導電性構造体の射出圧縮成形方法。
(7)前記燃料電池用セパレータの厚みが、1mm以下であることを特徴とする前項5に記載の導電性構造体の射出圧縮成形方法。
(8)前記燃料電池用セパレータを熱プレス成形あるいはスタンピング成形するための予備成形体の厚みが、1mm以下であることを特徴とする前項6記載の導電性構造体の射出圧縮成形方法。
(9)ポリプロピレン樹脂と、粉末状および/または繊維状の炭素質材料とを少なくとも含有する体積固有抵抗が100mΩ・cm以下の導電性充填材含有熱可塑性樹脂複合材料を原料とし、射出圧縮成形の金型として、キャビティーを形成する型壁面が熱伝導率0.017J/cm・sec・℃以下の断熱材料からなる断熱層で被覆されてなる金属製の金型を用いて、厚み1mm以下の燃料電池用セパレータを成形することを特徴とする燃料電池用セパレータの射出圧縮成形方法。
(10)前記導電性充填材含有熱可塑性樹脂複合材料が導電性充填材を70〜98質量%含むものであることを特徴とする前項9に記載の燃料電池用セパレータの射出圧縮成形方法。
なお、上記の体積固有抵抗は、JIS K7194に準拠し、四探針法により測定したものである。また、熱伝導率は、迅速熱伝導率計QTM−500(京都電子工業株式会社製)とプローブPD−11を用いて、室温23℃の状態で、比較測定法に従い測定したものである。
上記した構成を有する本発明の射出圧縮成形方法によれば、体積固有抵抗が100mΩ・cm以下という高電導性の導電性充填材含有熱可塑性樹脂複合材料からなる導電性構造体を優れた寸法精度で、且つ低コストで製造するという、これまで不可能であった製造方法を可能とするものである。その導電性構造体は導電性に優れ、且つ放熱性にも優れるため、従来実現が困難であった領域の材料、例えば、エレクトロニクス分野、電気製品、機械部品、車輌部品等の各種用途・部品に広く適用可能であり、特に固体高分子型燃料電池のセパレータとして非常に有用である。
以下、本発明の実施の形態を詳細に説明する。
(導電性充填材含有熱可塑性樹脂複合材料)
本発明に係る、体積固有抵抗が100mΩ・cm以下の導電性充填材含有熱可塑性樹脂複合材料は、熱可塑性樹脂バインダー(A成分)と、導電性充填材(B成分)を少なくとも含む複合材料である。以下、各成分について説明する。
(熱可塑性樹脂バインダー:A成分)
本発明に係る熱可塑性樹脂バインダーは特に限定されず、例えば、アクリロニトリルブタジエンスチレン共重合体、ポリスチレン、アクリル樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリイミド、液晶ポリマー、ポリエーテルエーテルケトン、ポリフッ化ビニリデンや四フッ化ポリエチレン等のフッ素樹脂、ポリエチレンやポリプロピレン等のポリオレフィン、ポリアセタール、ポリアミド、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル、ポリカーボネート、ポリシクロオレフィン、ポリフェニレンスルフィド、ポリフェニレンオキシド、ポリフェニレンスルホン等が挙げられる。
また、熱可塑性樹脂バインダーとして各種エラストマーも用いることができる。例えば、アクリロニトリルブタジエンゴム、水素化ニトリルゴム、スチレンブタジエンゴム、エチレンプロピレンゴム、エチレンプロピレンジエン三元共重合ゴム、エチレンブタジエンゴム、フッ素ゴム、イソプレンゴム、シリコーンゴム、アクリルゴム、ブタジエンゴム、ハイスチレンゴム、クロロプレンゴム、ウレタンゴム、ポリエーテル系特殊ゴム、四フッ化エチレン・プロピレンゴム、エピクロロヒドリンゴム、ノルボルネンゴム、ブチルゴム、スチレン系熱可塑性エラストマー、オレフィン系熱可塑性エラストマー、ウレタン系熱可塑性エラストマー、ポリエステル系熱可塑性エラストマー、ポリアミド系熱可塑性エラストマー、1,2−ポリブタジエン系熱可塑性エラストマー、フッ素系熱可塑性エラストマー、軟質アクリル樹脂等が挙げられる。
また、熱可塑性樹脂バインダーは、先に列挙した材料の中から選ばれる2種類以上の材料を組合せたものでもよい。更に、熱可塑性樹脂バインダーとして、ポリプロピレン/スチレン系熱可塑性エラストマーブレンド、ポリフッ化ビニリデン/フッ素系エラストマーブレンド、ポリフッ化ビニリデン/軟質アクリル樹脂ブレンド、ポリフェニレンスルフィド/スチレン系/熱可塑性エラストマーブレンド等を用いてもよい。さらにこの中でも、大きな曲げ歪が得られ、耐加水分解性が高いという観点から、ポリプロピレン、ポリプロピレン/スチレン系熱可塑性エラストマーブレンド、ポリフェニレンスルフィド/スチレン系/熱可塑性エラストマーブレンドが特に好ましい。
(導電性充填材:B成分)
本発明において、上記したA成分とともに導電性樹脂組成物を構成するB成分は、粉末状および/または繊維状の導電性物質である限り、特に制限されない。導電性の点からは、このB成分は、金属材料、炭素質材料、導電性高分子、金属被覆フィラー、または金属酸化物の中から選ばれた1ないし2種類以上の組み合わせが好ましい。より好ましくは、炭素質材料、および/または金属材料である。
金属材料:金属材料としては、導電性の点からは、Ni、Fe、Co、B、Pb、Cr、Cu、Al、Ti、Bi、Sn、W、P、Mo、Ag、Pt、Au、TiC、NbC、TiCN、TiN、CrN、TiB、ZrB、FeBのいずれか1種類または2種類以上であることが好ましい。更に、これらの金属材料を粉末状、あるいは繊維状に加工して使用することができる。
炭素質材料:炭素質材料としては、導電性の点からは、カーボンブラック、炭素繊維、アモルファスカーボン、膨張黒鉛、人造黒鉛、天然黒鉛、気相法炭素繊維、カーボンナノチューブ、フラーレンの中から選ばれた1ないし2種類以上の組み合わせが挙げられる。
(A成分とB成分の組成)
A成分とB成分の組成は、(A成分+B成分)を基準(100質量%)として、A成分が30〜2質量%、B成分が70〜98質量%であることが好ましい。より好ましくは、A成分が25〜5質量%、B成分が75〜95質量%である。更に好ましくは、A成分が20〜5質量%、B成分が80〜95質量%である。B成分が98質量%を超えると、成形性が悪くなる傾向がある。他方、B成分が70質量%未満であると、体積固有抵抗が100mΩcmを超え、十分な導電性が得られない場合がある。
(その他の添加剤)
本発明の導電性充填材含有熱可塑性樹脂複合材料には、必要に応じて、硬度、強度、導電性、成形性、耐久性、耐候性、耐水性等を改良する目的で、更にガラスファイバー、ウィスカー、金属酸化物、有機繊維、紫外線安定剤、酸化防止剤、離型剤、滑剤、撥水剤、増粘剤、低収縮剤、親水性付与剤等の添加剤を添加することができる。
(導電性充填材含有熱可塑性樹脂複合材料の製造方法)
導電性充填材含有熱可塑性樹脂複合材料の製造方法は特に制限されない。例えば、上記した各成分をロール、押出機、ニーダー、バンバリーミキサー(登録商標)、ヘンシェルミキサー(登録商標)、プラネタリーミキサー等の樹脂分野で一般的に用いられている混合機、混練機を使用し、なるべく均一に混合させるのが好ましい。また、上記したA成分を予め製造したのちB成分と混合する方法と、B成分の存在下でA成分の各成分を混練する方法等が挙げられるが、限定されるものではない。
(金型)
本発明に係る金型は、キャビティーを有する金型本体から概略構成されている。また、本発明に係る金型には、キャビティーを形成する型壁面に、熱伝導率が0.017J/cm・sec・℃以下の断熱材料からなる断熱層が被覆されている。更にこの断熱層に金属層が被覆される場合もある。
本発明に係る金型本体は特に限定されないが、鉄又は鉄を主成分とする鋼材、アルミニウム又はアルミニウムを主成分とする合金、亜鉛合金、ベリリウム−銅合金等の材質を用いた一般的に熱可塑性樹脂の成形に使用されている金属製の金型が好ましい。上記の中で、鋼材が特に良好に使用できる。さらにこの金型本体は、多点ゲートを有しているものでも良い。多点ゲートとは、1つの金型キャビティーに対して2個以上のゲートを有するものである。
(断熱材料)
本発明に係る断熱材料からなる断熱層の役割は、射出圧縮成形において、固化が速く流動性が著しく低い、体積固有抵抗が100mΩ・cm以下の導電性充填材含有熱可塑性樹脂複合材料がキャビティー内に充填された時に、溶融状態の当該熱可塑性樹脂複合材料から金型本体への熱伝導を阻害し、熱可塑性樹脂複合材料の急速な冷却を防いで固化を遅らせるためである。つまり、溶融状態の熱可塑性樹脂複合材料の固化を遅らせることにより、寸法精度が高い薄肉の導電性構造体の成形が可能となる。
本発明の金型に用いる断熱材料としては、熱伝導率が0.017J/cm・sec・℃以下であれば特に限定されないが、金属酸化物、セラミック、ガラス、耐熱性重合体及び/又は熱硬化性重合体からなる群から選択される1種ないし2種以上の組合せが良好に使用できる。この中で特に好ましいのは、低熱伝導率という観点から耐熱性重合体である。
耐熱性重合体:本発明で断熱材料として用いられる耐熱性重合体とは、熱可塑性重合体や熱硬化性重合体を問わない。また、耐熱性重合材として非結晶性重合体を用いる場合は、ガラス転移温度が150℃以上の重合体が好ましく、更に結晶性重合体の場合は、結晶の融点が250℃以上である重合体が好ましい。更にまた、本発明で断熱材料として特に好ましく用いられる耐熱性重合体は、ガラス転移温度が200℃以上の非結晶性重合体、及び/または結晶の融点が280℃以上の結晶性重合体がよい。
上記のような特徴を有する非晶性の耐熱性重合体としては、ポリイミド、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリアリルスルホン、ポリアリレート、ポリフェニレンエーテル、ポリベンズイミダゾール、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、尿素樹脂等が挙げられる。
また、上記のような特徴を有する結晶性の耐熱性重合体としては、ポリフェニレンスルフィド、ポリアミド等が挙げられる。
特に、上記の耐熱性重合体の中でポリイミド、エポキシ樹脂、フェノール樹脂が好ましく、高耐熱性と低熱伝導率という観点からポリイミドがさらに好ましい。
また、断熱層としての耐熱性重合体には、機械特性を向上させる目的で各種充填材を配合することが出来る。そのような充填材としては特に限定されないが、例えば、シリカ、ガラス繊維、ガラスビーズ、ウィスカー、炭酸カルシウム、金属酸化物、クレイ、セラミックス、金属繊維、炭素質材料等が挙げられる。上記の充填材の中では、シリカ、ガラス繊維、ガラスビーズが好ましく、重合体の熱伝導率を上昇させないという観点から更に好ましいのはガラス繊維である。また、断熱層表面に十分な強度をもたせることができれば、断熱材料は液体、気体であっても良く、断熱層が真空状態でもよい。
(断熱層の形成)
本発明において金型本体のキャビティーを形成する型壁面に断熱層を形成する方法としては、特に限定はされない。下記の形成方法1ないし形成方法4のうちのいずれかが挙げられる。
(形成方法1)
平滑なキャビティー表面に断熱材料からなる板を貼り合わせる。燃料電池用セパレータ用金型の場合には、キャビティー表面に水素ガス、空気、水蒸気の流路となる溝(凹部)を予め切削加工する。
(形成方法2)
スパッタ装置にてキャビティー表面に二酸化ケイ素薄膜を形成する。燃料電池用セパレータ用金型の場合には、先に機械加工によって流路となる溝(凹部)を形成しからスパッタ処理を行う。
(形成方法3)
平滑なキャビティー表面上に耐熱性重合体からなる粉体を塗布し、熱プレスにより断熱層を形成する。この場合、熱プレス時に断熱層表面にセパレータ用の流路(凹凸)を転写することもできる。
(形成方法4)
キャビティー表面上に耐熱性重合体を有機溶剤で希釈した耐熱性重合体溶液を塗布し、加熱する。燃料電池用セパレータ用金型の場合には先に流路となる溝(凹部)を機械加工により形成しておく。
上記形成方法の中では、キャビティーの寸法精度が高いという観点から、形成方法1あるいは3が特に好ましい。
(断熱層を被覆する金属層)
上記断熱層を保護し、耐久性を向上させ、導電性成形体の離型を容易にするため、断熱層の表面を金属層で被覆することが望ましい。金属層に用いる金属としては、特に制限はされないが、ニッケル、クロムが好適である。金属層は、スパッタやメッキにより断熱層表面に積層したり、金属箔を断熱層表面に張り合わさせることにより形成される。
(断熱層と金属層の厚み)
断熱層の厚みは、0.01mmから5mmの範囲で適度に選択される。好ましくは0.1から3mmである。さらに好ましくは0.5mmから2mmである。断熱層の厚みが0.1mmより小さいと断熱効果が小さくなる。また、断熱層の厚みが3mmよりも大きいと、射出圧縮成形時に断熱層が変形し、寸法精度が高い導電性構造体を得るのが困難になる。また、金属層の厚みは、0.001mmから0.05mmの範囲で適度に選択される。好ましくは0.003mmから0.04mmである。さらに好ましくは0.005mmから0.03mmである。金属層の厚みが0.003mmよりも小さいと、断熱層の耐久性向上の効果が小さくなる。また、金属層の厚みが0.04mmよりも厚いと断熱層による断熱効果が小さくなる。
(射出圧縮成形)
本発明の射出圧縮成形においては、上記のキャビティーを形成する型壁面が断熱層で被覆された金型を用いる限り特に限定されない。ただし、型壁面のすべてが断熱層である必要はなく、金型形状に応じて適切に設計することができる。更に成形性を向上させる目的で、炭酸ガスを成形機シリンダーの途中から注入し材料中に溶かし込んで超臨界状態で成形したり、超音波により材料の流動性を向上した状態で成形することもできる。製品の面精度を上げるには、射出圧縮方法を用いることが好ましい。射出圧縮法としては、金型を開いた状態で射出して閉じる方法、金型を閉じながら射出する方法、閉じた金型の型締め力をゼロにして射出してから型締め力をかける方法等を用いる。
射出圧縮成形法は、圧縮成形法等の他の成形方法に比べて成形サイクル時間が非常に短いので、導電性構造体を非常に効率良く低コストで製造でき、導電性構造体を製造する方法として好ましい。
また、射出圧縮成形法で製造された導電性構造体の表面にはスキン層がなく、該成形法で製造された導電性構造体は導電性に非常に優れるので、射出圧縮成形法は導電性構造体を製造する手段としてはより好ましい。
(射出成形)
また、本発明の金型は射出成形法にも適用でき、燃料電池用セパレータを製造することも可能である。ただし、射出成形法で製造された導電性構造体の表面は、一般的にスキン層と呼ばれる樹脂層で覆われており、これが構造体の導電性低下の原因となることがあるので、成型品の大きさが制限されたり、射出条件の調整が必要となる。
(金型温度)
金型温度は熱可塑性樹脂複合材料の種類に応じて最適温度を選定、探索することが重要である。例えば、90℃〜200℃の温度範囲で、10秒間〜1200秒間という範囲で適宜決定することができる。成形品を高温で取出した場合、冷却する場合があるが、その方法は制限されるものでない。例えば、反りを抑制する目的で、成形品を冷却板で挟んで冷却する方法、または、金型ごと冷却する方法等が挙げられる。
(導電性構造体の用途)
本発明の導電性構造体は、黒鉛の導電性や熱伝導性を限りなく再現でき、成形精度等に優れる点で極めて高性能である。従って、エレクトロニクス分野、電機、機械、車輌等の各種部品等の各用途に有用であり、特に、コンデンサー用または各種電池用集電体、電磁波遮蔽材、電極、放熱板、放熱部品、エレクトロニクス部品、半導体部品、軸受、PTC素子、ブラシ及び燃料電池用セパレータに好適である。
(予備成形体)
燃料電池セパレータは、図1に例示されるように非常に多くのガス流路(溝)が形成されており、溶融粘度が高い導電性充填材含有熱可塑性樹脂ではうまく成形できない場合がある。そのようなとき、一旦、平板状の成形体(予備成形体)を射出成形、熱プレス成形などで作製し、その予備成形体をガス流路が形成された金型を用い、熱プレス成形、スタンピング成形などにより燃料電池セパレータを製造することができる。
予備成形体は通常、平板状であり、その寸法は目的とする燃料電池セパレータの大きさに対応して適宜決めればよい。その厚さも任意に設定可能であるが、通常0.5mm〜3.0mmが好ましい。
図1に、燃料電池用セパレータの具体的な形態の一例を示す。図1(a)は燃料電池用セパレータの平面図、図1(b)は図1(a)のX−X’線に対応する断面図、図1(c)は裏面図である。図1中、符号11は燃料電池用セパレータであり、符号12および13はセパレータの一面側および裏面側に設けられた溝である。溝12、13は、燃料電池用セパレ−タを燃料電池に組み込んだ際に、水素,酸素等の反応ガスの流路となる。
以下に本発明を実施例により更に詳細に説明するが、本発明は実施例になんら限定されるものではない。
まず、実施例および比較例にそれぞれ用いる体積固有抵抗100mΩ・cm以下の熱可塑性樹脂複合材料について詳細に説明する。
A成分:熱可塑性樹脂バインダーとして、下記の2種類の樹脂を用いた。
(1)ポリプロピレン:サンアロマー(株)製のサンアロマーPX900N
(2)水添スチレンブタジエンラバー(H−SBR):JSR(株)製のダイナロン1320P
B成分:ホウ素含有黒鉛微紛
このホウ素含有黒鉛微紛は、以下の手順で製造した。まず、非針状コークスであるエム・シー・カーボン(株)製のMCコークスをパルベライザー(ホソカワミクロン(株)製)で2mm〜3mm以下の大きさに粗粉砕した。この粗粉砕品をジェットミル(IDS2UR、日本ニューマチック(株)製)で微粉砕した。その後、分級により所望の粒径に調整した。5μm以下の粒子除去は、ターボクラシファイアー(TC15N、日清エンジニアリング(株)製)を用い、気流分級を行った。この調整した微粉砕品の一部14.4kgに炭化ホウ素(BC)0.6kgを加え、ヘンシェルミキサーにて800rpmで5分間混合した。これを内径40cm、容積40リットルの蓋付き黒鉛ルツボに封入し、黒鉛ヒーターを用いた黒鉛化炉に入れてアルゴンガス雰囲気下2900℃の温度で黒鉛化した。これを放冷後、粉末を取り出し、14kgの粉末を得た。得られたホウ素含有黒鉛微粉は、平均粒径20.5μm、B含有量1.9質量%であった。
上記のA成分およびB成分の各原材料を用いて、2種類の熱可塑性樹脂複合材料を調製した。具体的には、各原材料を、混練容量が10Lである加圧式ニーダー((株)トーシン製)を用いて温度200℃、45rpmで15分間混練した。調製した複合材料のA成分およびB成分の種類および質量比を、下記の表1に纏めて示す。表中の数値は質量部を示す。
Figure 0004515140
また、上記の混練物(複合材料)を、100mm×100mm×1mm厚の平板ができる金型に投入し、50t圧縮成形機を用いて温度230℃、予熱3分後、圧力15MPaで3分間加圧加熱し、その後、冷却プレスを用いて温度25℃、圧力15MPaの条件で2分間冷却させて導電性構造体の成形体(平板)を得た。その成形体の体積固有抵抗をJIS K7194に準拠し、四探針法により測定した。その結果を表2に示す。
Figure 0004515140
次に、実施例、比較例で用いた金型の詳細を以下に示す。
(非断熱金型1)
鋼材(S55C)からなる金型本体に、縦100mm×横100mm×深さ1mmのキャビティーを形成することにより、比較例で用いる非断熱金型1を製造した。
(断熱金型1)
鋼材(S55C)からなる金型本体に、所定の形状のキャビティーを形成した。次に、このキャビティーの壁面に、厚さ1mmの硬化済みシリカ粉充填耐熱エポキシ樹脂からなる断熱板(熱伝導率=0.013J/cm・sec・℃)を貼り合わせて断熱層を形成し、更にその上に厚さ0.01mmのニッケル箔を貼り合わせて一体化することにより、縦100mm×横100mm×深さ1mmのキャビティーを形成した。このようにして、実施例で用いる断熱金型1を製造した。
(断熱金型2)
鋼材(S55C)からなる金型本体に、所定の形状のキャビティーを形成した。次に、このキャビティーの壁面に、厚さ1mmの熱可塑性ポリイミド樹脂からなる断熱板(熱伝導率=0.0021J/cm・sec・℃)を貼り合わせて断熱層を形成し、更にその上に厚さ0.01mmのニッケル箔を貼り合わせて一体化することにより、縦100mm×横100mm×深さ1mmのキャビティーを形成した。このようにして、実施例で用いる断熱金型2を製造した。
(断熱金型3)
鋼材(S55C)からなる主金型本体のキャビティーの壁面に、シリカ粉充填耐熱エポキシ樹脂(熱伝導率=0.013J/cm・sec・℃)からなる厚さ2mmの断熱層と、厚さ0.01mmのニッケル箔がはり合わされてなる所定の形状のキャビティーを有する主金型を製造した。
また、鋼材(S55C)からなる主金型本体のキャビティーの壁面に、シリカ粉充填耐熱エポキシ樹脂(熱伝導率=0.013J/cm・sec・℃)からなる厚さ2mmの断熱層と、厚さ0.01mmのニッケル箔がはり合わされてなる凹凸のない副金型を製造した。
このようにして主金型および副金型からなる断熱金型3を製造した。
この断熱金型3によれば、片面に長さ80mm、幅1mm、深さ0.5mmの溝を平行に40本有する100mm×100mm×1mm厚のセパレータを射出成形、あるいは射出圧縮成形できる。
なお主金型の断熱層は、成形品であるセパレータと同じ凹凸パターンを有するキャビティーが形成されたプレス金型を用いて熱プレス成形した。具体的には、プレス金型の凹凸に沿ってニッケル箔を敷き詰めた後に、エポキシ樹脂粉末を主金型本体のキャビティー内に敷き詰めて、主金型本体に対してプレス用金型を熱プレス成形し、主金型本体と断熱層とニッケル箔とを一体化して主金型とした。
なお、各金型の断熱層の熱伝導率は、各金型に用いたのと同一の断熱材料からなる200mm×200mm×20mmの厚板を作製し、迅速熱伝導率計QTM−500(京都電子工業株式会社製)とプローブPD−11を用いて、室温23℃の状態で、比較測定法に従い測定した。
次に、射出圧縮成形実験の詳細を示す。
実施例あるいは比較例の実験には、株式会社名機製作所製の射出圧縮成形機SEPICS−I−350を用いた。本成形機は射出成形機しても使用することができる。また、体積固有抵抗の測定は四探針法により測定した。成形により得られた平板の状態は目視により、完全に充填されているかどうか判断した。また、平板の厚みは株式会社ミツトヨ製のマイクロメーターで、平板の中心を測定した。
(実施例1)
成形機に断熱金型1を取り付けて、シリンダー温度を280℃、金型温度を120℃に設定し、複合材料1を用いて射出圧縮成形を行った。初期金型開量を1mmに設定し、射出完了後50tの型締め力で圧縮し、冷却時間60秒で良好な平板を得られた。平板の体積固有抵抗を測定したところ、表3に示す良好な導電性が得られた。
(実施例2)
複合材料2を用いた以外は、実施例1と同じ条件で平板を射出圧縮成形した。平板の体積固有抵抗を測定したところ、表3に示す良好な導電性が得られた。
(実施例3)
成形機に断熱金型2を取り付けて、シリンダー温度を280℃、金型温度を120℃に設定し、複合材料1を用いて射出圧縮成形を行った。初期金型開量を1mmに設定し、射出完了後50tの型締め力で圧縮し、冷却時間60秒で良好な平板を得られた。平板の体積固有抵抗を測定したところ、表3に示す良好な導電性が得られた。
(実施例4)
複合材料2を用いた以外は、実施例3と同じ条件で平板を射出圧縮成形した。平板の体積固有抵抗を測定したところ、表3に示す良好な導電性が得られた。
(実施例5)
成形機に断熱金型3を取り付けて、シリンダー温度は280℃、金型温度を135℃に設定し、複合材料1を用いて射出圧縮成形を行った。初期金型開量を1mmに設定し、射出完了後50tの型締め力で圧縮し、冷却時間90秒で良好な形状の模擬セパレータ平板を得た。平板の体積固有抵抗を測定したところ、表3に示す良好な導電性が得られた。
(実施例6)
成形機に断熱金型3を取り付けて、シリンダー温度を280℃、金型温度を135℃に設定し、複合材料1を用いて射出成形を行った。冷却時間90秒で形状が良好な模擬セパレータ平板を得た。平板の体積固有抵抗を測定したところ、表3に示す良好な導電性が得られた。
(比較例1)
成形機に非断熱金型1を取り付けて、シリンダー温度を280℃、金型温度を120℃に設定し、複合材料1を用いて射出成形を行った。冷却時間60秒で成形品を金型から取出したが、完全に充填された成形品を得ることは出来なかった。
(比較例2)
成形機に非断熱金型1を取り付けて、シリンダー温度を280℃、金型温度を145℃に設定し、複合材料1を用いて射出成形を行った。冷却時間60秒では完全に固化した成形品を得ることが出来なかった。
(比較例3)
完全に固化した成形品を得るために、冷却時間を150秒に設定した以外は、比較例2と同じ条件で成形した。完全に固化した成形品を得られたが、成形サイクルタイムが長くなった。
(比較例4)
成形機に非断熱金型1を取り付けて、シリンダー温度を280℃、金型温度を120℃に設定し、複合材料1を用いて射出圧縮成形を行った。初期金型開量を1mmに設定し、射出完了後50tの型締め力で圧縮し、冷却時間60秒で成形品を取出すことにより、完全に固化した成形品が得られた。しかし、完全に充填された平板が得られる条件では、得られた平板の厚みが1.3mmとなり、厚みが1mmの良好な平板は得られず、寸法精度が劣った。平板の厚みを1mmにするために複合材料1の量を減らすと、完全に充填された成形品を得ることができなかった。
Figure 0004515140
上記の通り、本発明の射出圧縮成形によって、薄肉で寸法精度が高い、体積固有抵抗が100mΩ・cm以下の導電性複合体を短い成形サイクルタイムで効率的に低コストで成形することが出来る。
本発明の実施形態に係る燃料電池用セパレータを示す図である。
符号の説明
11…燃料電池用セパレータ
12、13…溝

Claims (10)

  1. 体積固有抵抗が100mΩ・cm以下の導電性充填材含有熱可塑性樹脂複合材料からなる導電性構造体の射出圧縮成形方法であり、前記導電性充填材含有熱可塑性樹脂複合材料が、ポリプロピレン樹脂と、粉末状および/または繊維状の炭素質材料とを少なくとも含有するものであり、射出圧縮成形の金型として、キャビティーを形成する型壁面が熱伝導率0.017J/cm・sec・℃以下の断熱材料からなる断熱層で被覆されてなる金属製の金型を用いて、厚み1mm以下の導電性構造体を成形することを特徴とする導電性構造体の射出圧縮成形方法。
  2. 前記断熱層が金属層で被覆されてなる金型を用いることを特徴とする請求項1に記載の導電性構造体の射出圧縮成形方法。
  3. 前記断熱層が耐熱性重合体からなることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の導電性構造体の射出圧縮成形方法。
  4. 前記導電性充填材含有熱可塑性樹脂複合材料が導電性充填材を70〜98質量%含むものであることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の導電性構造体の射出圧縮成形方法。
  5. 前記導電性充填材含有熱可塑性樹脂複合材料からなる導電性構造体が、燃料電池用セパレータであることを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の導電性構造体の射出圧縮成形方法。
  6. 前記導電性充填材含有熱可塑性樹脂複合材料からなる導電性構造体が、燃料電池用セパレータを熱プレス成形あるいはスタンピング成形するための予備成形体であることを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の導電性構造体の射出圧縮成形方法。
  7. 前記燃料電池用セパレータの厚みが、1mm以下であることを特徴とする請求項5に記載の導電性構造体の射出圧縮成形方法。
  8. 前記燃料電池用セパレータを熱プレス成形あるいはスタンピング成形するための予備成形体の厚みが、1mm以下であることを特徴とする請求項6記載の導電性構造体の射出圧縮成形方法。
  9. ポリプロピレン樹脂と、粉末状および/または繊維状の炭素質材料とを少なくとも含有する体積固有抵抗が100mΩ・cm以下の導電性充填材含有熱可塑性樹脂複合材料を原料とし、射出圧縮成形の金型として、キャビティーを形成する型壁面が熱伝導率0.017J/cm・sec・℃以下の断熱材料からなる断熱層で被覆されてなる金属製の金型を用いて、厚み1mm以下の燃料電池用セパレータを成形することを特徴とする燃料電池用セパレータの射出圧縮成形方法。
  10. 前記導電性充填材含有熱可塑性樹脂複合材料が導電性充填材を70〜98質量%含むものであることを特徴とする請求項9に記載の燃料電池用セパレータの射出圧縮成形方法。
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