JP4514313B2 - 緩衝手段を備えた容器蓋 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、飲食料等のための容器に適用される容器蓋、更に詳しくは、天面壁とこの天面壁の周縁から垂下するスカート壁とを有する金属製本体を具備する形態の容器蓋に関する。
【0002】
【従来の技術】
飲食料等のための容器に適用される容器蓋として、種々の形態の金属製本体を具備する容器蓋が提案され実用に供されている。金属製本体は天面壁とこの天面壁の周縁から垂下するスカート壁とを有する。スカート壁には、容器の口頸部に形成されている雄螺条の如き係合手段に係合せしめられる、ラグ或いは雌螺条の如き係合手段が形成されている。金属製本体には、通常、密封用ライナーも配設されている。このライナーの典型例は、本体における天面壁の内面周縁部からスカート壁の内周面上端部に渡る肩部内面を周方向全体に渡って連続して延びている。かようなライナーは、本体内の所定位置にライナー素材を供給し、かかる素材を所要形態に型押することによって好都合に成形することができる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
然るに、金属製本体を具備した従来の容器蓋には次のとおりの問題がある。第一に、特に本体の肩部に衝撃が加えられた時に、本体が変形せしめられることに起因して密封が毀損されてしまう虞がある。第二に、殊に本体の外面に水滴が付着した場合に、容器蓋を操作するために容器蓋に掛けられた指が滑ってしまうことも少なくない。
【0004】
実公昭58−8685号公報には、金属製本体をそれに加えられる衝撃から保護するために、金属製本体とは全く別個に適宜の合成樹脂から保護カバーを形成し、かかる保護カバーを本体に被嵌せしめることが開示されている。かような保護カバーによれば、本体に加えられる衝撃を緩衝することができ、衝撃に関する上記問題を解決することができる。しかしながら、保護カバーを使用する場合には、別個の問題が発生する。即ち、保護カバーを別個に形成して本体に被嵌せしめることが必要であり、容器蓋の製造コストが大幅に増大する。また、金属製本体と保護カバーとの連結が充分ではなく、本体から保護カバーが偶発的に離脱せしめられてしまう傾向がある。更に、本体と保護カバーとの連結が充分でない故に、容器の口頸部から容器蓋を離脱する際には、これに先立って保護カバーを本体から離脱し、しかる後に本体に指を掛けて本体を操作することが必要である。従って、容器蓋の操作が煩雑になることに加えて、指の滑りに関する上記問題は解決されることなく残留する。
【0005】
本発明は上記事実に鑑みてなされたものであり、その主たる技術的課題は、製造コストの増大、操作の煩雑化等の別個の問題を発生せしめることなく、容器蓋の耐衝撃性を大幅に増大せしめることができ、そしてまた容器蓋に掛けられる指の滑りが効果的に防止される、新規且つ改良された容器蓋を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明によれば、上記主たる技術的課題を達成する容器蓋として、天面壁と該天面壁の周縁から垂下するスカート壁とを有する金属製本体を具備する容器蓋において、
該本体における該天面壁の外面周縁部から該スカート壁の外周面上端部に渡る肩部外面に合成樹脂製緩衝手段が成形されており、
該本体における該天面壁の内面周縁部から該スカート壁の内周面上端部に渡る肩部内面を周方向全体に渡って連続して延びている合成樹脂製ライナーが配設されており、
該本体の肩部には周方向に間隔をおいて複数個の連通開口が形成されており、該緩衝手段は該開口を通して該ライナーと一体に成形されている、
ことを特徴とする容器蓋が提供される。
【0008】
該緩衝手段は周方向全体に渡って連続して延びている環状体から構成することができる。周方向に間隔をおいて配置された複数個の緩衝片から緩衝手段を構成することもできる。該連通開口は、該本体における該天面壁の周縁部に周方向に間隔をおいて複数個形成されていると共に、該スカート壁の上端部に周方向に間隔をおいて複数個形成されているのが好ましい。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に従って構成された容器蓋の好適実施形態を図示している添付図面を参照して、更に詳細に説明する。
【0010】
図1及び図2を参照して説明すると、全体を番号2で示す図示の容器蓋は、金属製本体4と、本体4の内面に成形された密封用ライナー6と、本体4の外面に成形された緩衝手段8とを具備している。
【0011】
表面及び裏面に適宜の被覆層を施したブリキ薄板又はクロム酸処理鋼薄板の如き適宜の金属薄板から形成することができる本体4は、円形天面壁10及びこの天面壁10の周縁から垂下する円筒形状のスカート壁12とを有する。天面壁10の中央部は周縁部よりも幾分下方に沈降せしめられている。スカート壁12の下端部には内向きカール14が形成され、かかるカール14には周方向に間隔をおいて複数個の変形部即ち偏平化して半径方向内側に突出せしめたラグ16が形成されている。図1及び図2と共に図3を参照して説明すると、本体4には、更に、その肩部18(即ち天面壁10の周縁部とスカート壁12の上端部を含む領域)に、周方向に間隔をおいて複数個の開口20が形成されている。図示の実施形態においては、天面壁10の周縁部に周方向に間隔をおいて15個の開口20が形成されていると共に、スカート壁12の上端部に周方向に間隔をおいて15個の開口が形成されている。天面壁10の周縁部に形成されている開口20とスカート壁12の上端部に形成されている開口20とは軸線方向に整合して配置されている。開口20の各々は、図3を参照することによって理解されるとおり、所定部位にて本体4を形成している金属薄板を切断することによって形成することができる。所望ならば、本体4を形成している金属薄板を円形乃至多角形の如き適宜の形態に打ち抜くことによって開口20を形成することもできる。
【0012】
図1乃至図3を参照して説明を続けると、ライナー6は本体4の肩部18の内面を周方向に連続して延びている。かかるライナー6は軟質ポリエチレンの如き適宜の合成樹脂から成形することができる(ライナー6の成形については後に更に言及する)。容器の口頸部(図示していない)に容器蓋2を所要とおりに装着した時に、ライナー6は口頸部の上端に密接せしめられ、これによって口頸部が密封せしめられる。
【0013】
本発明に従って構成された容器蓋2においては、本体4の肩部18の外面には適宜の合成樹脂から成形された緩衝手段8が成形されていることが重要である。図示の実施形態における緩衝手段8は、本体4の肩部18の外面を周方向に連続して延びる環状体から構成されている。緩衝手段8を構成する環状体の外面には、周方向に間隔をおいて複数個の凸部22が形成されている。所望ならば、複数個の凸部22に代えて複数個の凹部を形成することもできる。
【0014】
図3を参照することによって容易に理解される如く、上述したとおり本体4の肩部18には周方向に間隔をおいて複数個の開口20が形成されており、緩衝手段8はかかる開口20を通してライナー6と一体的に成形され、ライナー6と緩衝手段8とは開口20内に存在する合成樹脂を介して一体的に接続されている。更に詳述すると、ライナー6と緩衝手段8とは、所要形状に形成された金属製本体4を所謂インサートとして成形型内に配置して射出又は圧縮成形することによって形成することができる。図示の実施形態においては、開口20が天面壁10の周縁部とスカート壁12の上端部との双方に形成されている故に、充分円滑に合成樹脂素材を流動せしめてライナー6と緩衝手段8とを成形することができ、そしてまたライナー6と緩衝手段8とを充分強固に接続することができる。かようにしてライナー6の成形と同時に緩衝手段8を成形することができるので、緩衝手段8を成形するための特別な付加工程の遂行を回避することができる。従って、製造コストを大幅に増大せしめることなく、容器蓋2を製造することができる。必要に応じて、ライナー6及び/又は緩衝手段8と本体4とを充分良好に接合せしめるために、本体4を形成するための金属薄板の表面及び/又は裏面に、ライナー6及び/又は緩衝手段8に成形される合成樹脂に対して良好な接着特性を示す被覆層を施すことができる。
【0016】
上述したとおりの容器蓋2においては、容器蓋2が装着された容器(図示していない)の落下等に起因して容器蓋2の肩部18が床等に衝突した場合でも、適宜の合成樹脂から成形された緩衝手段8の存在により、本体8の肩部18に作用する衝撃が充分良好に緩衝される。加えて、例えば容器の口頸部に対して容器蓋2を回転せしめて容器蓋2を口頸部から離脱する際には、適宜の合成樹脂から成形された緩衝手段8に指を掛けて容器蓋2を回転せしめることができ、容器蓋2の外面に水滴が付着した場合にも、指の滑りは充分良好に防止される。
【0017】
図4乃至図6は、本発明に従って構成された容器蓋の変形実施形態を図示している。図4乃至図6に図示する容器蓋102においては、緩衝手段108は、周方向に連続して延びる環状体ではなくて、周方向に間隔をおいて配置された複数個、図示の場合は15個、の緩衝片109から構成されている。緩衝片109の各々は、本体104の肩部118に形成されている開口120の各々の角度位置に対応せしめて配置されており、各緩衝片109が夫々開口120を通してライナー106と一体的に成形されている。開口120は本体104を形成している金属薄板を適宜の形態に打ち抜くことによって形成されている。図4乃至図6に図示する容器蓋102のその他の構成は、図1乃至図3を参照して説明した容器蓋2と実質上同一でよい。
【0018】
【発明の効果】
本発明に従って構成された容器蓋によれば、製造コストの増大、操作の煩雑化等の別個の問題を発生せしめることなく、容器蓋の耐衝撃性を大幅に増大せしめることができ、そしてまた容器蓋に掛けられる指の滑りが効果的に防止される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に従って構成された容器蓋の好適実施形態を、一部を断面で示す側面図。
【図2】図1に示す容器蓋の平面図。
【図3】図1に示す容器蓋の一部を示す拡大断面図。
【図4】本発明に従って構成された容器蓋の変形実施形態を、一部を断面で示す側面図。
【図5】図4に示す容器蓋の平面図。
【図6】図4に示す容器蓋の一部を示す拡大断面図。
【符号の説明】
2:容器蓋
4:金属製本体
6:合成樹脂製ライナー
8:合成樹脂製緩衝手段
10:本体の天面壁
12:本体のスカート壁
18:本体の肩部
20:開口
22:緩衝手段の凹部
102:容器蓋
104:金属製本体
106:合成樹脂製ライナー
108:合成樹脂製緩衝手段
109:緩衝片
118:本体肩部
Claims (4)
- 天面壁と該天面壁の周縁から垂下するスカート壁とを有する金属製本体を具備する容器蓋において、
該本体における該天面壁の外面周縁部から該スカート壁の外周面上端部に渡る肩部外面に合成樹脂製緩衝手段が成形されており、
該本体における該天面壁の内面周縁部から該スカート壁の内周面上端部に渡る肩部内面を周方向全体に渡って連続して延びている合成樹脂製ライナーが配設されており、
該本体の肩部には周方向に間隔をおいて複数個の連通開口が形成されており、該緩衝手段は該開口を通して該ライナーと一体に成形されている、
ことを特徴とする容器蓋。 - 該緩衝手段は周方向全体に渡って連続して延びている環状体から構成されている、請求項1記載の容器蓋。
- 該緩衝手段は周方向に間隔をおいて配置された複数個の緩衝片から構成されている、請求項1記載の容器蓋。
- 該連通開口は、該本体における該天面壁の周縁部に周方向に間隔をおいて複数個形成されていると共に、該スカート壁の上端部に周方向に間隔をおいて複数個形成されている、請求項1から3までのいずれかに記載の容器蓋。
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