JP4514252B2 - GaN系半導体装置の製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、電極金属の半導体層に対する接触抵抗が低減されたGaN系半導体装置の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
GaN、GaAlN、InGaN、InGaAlNなどのガリウムナイトライド(GaN)系半導体は、組成を選択することでバンドギャップを広範囲に変化させることが出来、特に他の組成系で実現が困難である青系統の短波長発光を得ることが出来ることから、半導体発光ダイオードや半導体レーザーなどの発光素子への応用が検討されている。
またGaN系半導体は、高温での組成安定性に優れており、高温で動作可能なトランジスタなどの半導体材料としても期待されている。
【0003】
これらのGaN系半導体を用いた半導体装置における課題の一つに、電極金属とGaN系半導体との接触抵抗の問題がある。
例えば、電界効果トランジスタの場合は、ソース電極あるいはドレイン電極と半導体層の接触抵抗が小さいことが、必要なトランジスタ特性を得る上で重要な要因であり、Si系のトランジスタの電極では10-8ohm・cm-2程度の低接触抵抗電極が実現され、使用されている。
【0004】
図2は、GaN系半導体で構成されるMIS型電界効果トランジスタ(FET)の構造を示す説明図であり、サファイアなどの基板1上に、GaNバッファー層2、p型GaN層3が形成されており、ソースおよびドレイン領域を形成するn型GaN層4上には、n+ GaNコンタクト層5が形成され、ソースおよびドレイン領域間にはゲート絶縁層6が形成されており、これらエピタキシャル層の上に、ソース、ドレイン、ゲートの各電極が形成されている。
ここで、図中のn+ コンタクト層5は、ソースおよびドレイン領域を形成する半導体層とソース、ドレイン各電極との接触抵抗を小さくすることを目的とするものであり、通常は、この目的を達成するために、Siなどのドナー不純物が高濃度にドープされている。
しかし、GaN系半導体層の場合は、1×1019cm-3以上の濃度にSiをドープしても、得られる接触抵抗は10-4ohm・cm-2程度であり、ドナーの高濃度ドープによるのみでは、十分に接触抵抗を低下させることは出来なかった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、従来よりも低い接触抵抗の電極構造を有するGaN系半導体装置の製造方法を提供するものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、複数のGaN系半導体層を有する半導体装置であって、少なくとも一のGaN系半導体層表面に中空クラスター構造を有するカーボン結晶層を介して金属電極を形成することにより、該金属電極の接触抵抗を低減するものである。
【0008】
本発明におけるカーボン結晶層とは、カーボン原子(C)が形成する中空の立体形状分子を基本構造とするクラスターが集積して形成されるものであり、このような結晶層は、一般にフラーレンと呼ばれるC60、C70、C76などの中空状の立体分子形状を有するカーボン分子原料を蒸着するなどの方法を用いて基板上に堆積することにより形成することができる。
これらフラーレンは、安価かつ安定に製造することが可能であり、その合成方法は、H.W. Kroto, et al, Nature 318 (1985) 162などに記載されているが、特にバンドギャップの狭さなどからC60が本発明に好適に使用できる。
またC60、C70、C76などのフラーレンは、熱的に安定な分子ではあるが、蒸着を行うに際して、フラーレン材料を900℃以上に加熱蒸発させて蒸着を行うと、形成したカーボン結晶層の電極金属との密着性が低下する傾向を生じるなどの問題があり、蒸着に際してのフラーレン材料の加熱条件は、600〜800℃程度とすることが適切である。
また、堆積させるべき基板(即ち、カーボン結晶層の下地となるGaN系半導体層)の温度は、650〜850℃程度に保持した状態で行うことが好ましい。850℃以上ではカーボン結晶層がGaN表面に付着しにくくなり、600℃より低い温度では均一に堆積しにくくなるためである。
【0009】
また、カーボン結晶層は、5nm以上の膜厚となるように形成することが好ましい。その理由は、5nm未満の厚さのカーボン結晶層を均一に形成することは困難だからである。カーボン結晶層の膜厚を増大させると、均一な結晶層の形成が容易となるが、50nmを越えて膜厚を増大させても均一性の一層の向上は期待できず、生産経済を考慮すると、カーボン結晶層の膜厚は5〜50nmの範囲が適切である。
【0010】
本発明に使用できる電極金属には特段の制限はなく、半導体装置に一般に使用される、Sn、In、Pt、Au、Al、あるいはこれらの合金電極、積層電極を使用することが可能であるが、カーボン結晶層との密着性を高める見地から、Al、Sn、Inなどの低融点金属を使用することが好適であり、電極構造として複数金属の積層構造を採用する場合には、カーボン結晶層に接触する金属層はAl、Sn、Inなどの低融点金属から選択することが好ましい。
【0011】
本発明の金属電極は、周知のフォトリソグラフィーを用いて形成することが可能であり、電極金属の蒸着時のレジスト材としてSiO2が好適に使用されるが、本発明のカーボン結晶層とSiO2の密着力はさほど大きいものではなく、これが、生産歩留りに影響を与えることも考えられる。
従って、そのような場合は、本発明に係る半導体装置の製造工程において、カーボン結晶層表面にアモルファスSi層を形成しておくことが好ましい。なお、カーボン結晶層上に形成したアモルファスSi層は、電極形成部のSiO2膜除去時に、例えばフッ酸を用いて除去することも可能である。
【0012】
なお本発明は、GaAs系、InP系、Si系など、GaN系以外の半導体装置に適用することも可能であるが、他に十分に低い接触抵抗が実現できる手段が見出されていない、GaN、GaAlN、InGaN、InGaAlNなどGaN系半導体に特に有用な発明ということができる。
【0013】
【発明の実施の形態】
分子線エピタキシャル成長法(MBE)を用いて、半導体装置を製造した。GaN系半導体層、及び、カーボン結晶層の形成には、成長室とパターニング室を有する高真空装置を用いた。
【0014】
サファイアなどの半絶縁性基板上を成長室に導入し、ジメチルヒドラジン(DMHy)(3×10-6Torr)とメタルGa(5×10-7Torr)を用いて分子線エピタキシャル成長法により、成長温度640℃でGaNバッファー層を形成し、その上にメタルGa(1×10-6Torr)とアンモニア(5×10-5Torr)を用いてi型GaN層を1μm形成した。
【0015】
次に、成長温度を850℃として、メタルGa(1×10-6Torr)とアンモニア(5×10-5Torr)、及び、ドーパントとしてSi(3×10-9Torr)を用いて、活性層となる膜厚250nmのn型GaN層を形成し、更に、その表面にSiの量を5×10-8Torrとして膜厚50nmのn+ 型GaNコンタクト層を形成した(図1a)。
【0016】
次に、原料としてフラーレン(C60)を使用し、これをレーザ照射により加熱蒸発させることで得た原料ビームを基板に照射して、膜厚20nmのカーボン結晶層の形成を行った(図1b)。なお、このときのフラーレンの加熱温度は、700±20℃に、基板温度は750±10℃に制御した。
【0017】
その後、上記の成長を行った基板を真空装置より取り出して、パターニングと電極材料蒸着を施して、電界効果トランジスタ(MESFET)を作製した。
【0018】
即ち、基板の成長表面にプラズマCVD装置を用いてSiO2 膜を堆積させ、フォトリソグラフィーと化学エッチングを用いて、ゲート部に開口部を設け、その後ドライエッチングによって炭素層及びn+ GaN層を選択的に除去した。
【0019】
続いて、バッファードフッ酸を用いたパターンエッチングにより、ソースおよびドレイン電極形成部分のSiO2膜に開口を形成した後、AlおよびTiの蒸着を順次行うことによりソース電極およびドレイン電極を形成した。フッ酸はSiO2を溶解するが、カーボン結晶層を溶解しないため、ソースおよびドレイン電極を形成すべき部分のカーボン結晶層はそのまま残存することとなり、ソースおよびドレイン電極部には、GaN層/カーボン結晶層/Al/Tiの電極構造が形成される。
【0020】
更に、残ったSiO2 膜を化学エッチングにより除去し、上記と実質的に同一の工程によりゲート部に開口を有するSiO2膜を形成した後、Ptを蒸着してゲート電極を形成した(図1c)。
【0021】
こうして作製した電界効果トランジスタのソース、ドレイン電極部の接触抵抗をTLM(Transmission Line Method)により評価したところ、1×10-7ohm・cm-2の優れた特性の電極が形成されていることが確認された。
【0022】
実施例では、GaN系半導体層の成長はMBE法により行ったが、MOCVD法による成長を行った場合も本発明は同様に適用が可能であり、同様に低い接触抵抗を有するGaN系半導体装置を得ることができる。
また、本発明は、実施例に記載したFETなどの電子装置だけでなく、GaN系半導体レーザなど、他のGaN系半導体装置にも同様に可能である。
また実施例では、本発明に係る電極構造はn型GaN系半導体層上に形成されているが、p型GaN系半導体層上に形成することも可能であり、本発明の電極構造は、n電極、p電極の双方に適用することができる。
【0023】
【発明の効果】
本発明によれば、電極部の接触抵抗値が低減されたGaN系半導体装置が提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の半導体装置の製造工程を示す説明図。
【図2】従来の半導体装置を示す説明図。
Claims (1)
- 基板上にGaN系半導体エピタキシャル層を有し、該GaN系半導体エピタキシャル層上に電極を有するGaN系半導体装置の製造方法であって、該GaN系半導体エピタキシャル層と該電極間に、原料としてフラーレンを使用し、該フラーレンを600〜800℃に加熱蒸発させるとともに、該GaN系半導体エピタキシャル層の温度を650〜850℃に保持してカーボン結晶層を形成する工程を有することを特徴とするGaN系半導体装置の製造方法。
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JP21536299A JP4514252B2 (ja) | 1999-07-29 | 1999-07-29 | GaN系半導体装置の製造方法 |
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JP21536299A JP4514252B2 (ja) | 1999-07-29 | 1999-07-29 | GaN系半導体装置の製造方法 |
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JP2001044139A JP2001044139A (ja) | 2001-02-16 |
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Citations (1)
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- 1999-07-29 JP JP21536299A patent/JP4514252B2/ja not_active Expired - Lifetime
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