JP4513521B2 - 光学部品用金型 - Google Patents

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Description

本発明は,高い形状精度が要求されるレンズ等の光学部品の成形に用いられる光学部品用金型に関する。さらに詳細には,コアとその保持体とに分割されているタイプの金型であって,成形時の位置決め性の向上を図った光学部品用金型に関するものである。
従来から,光学部品用金型において,コアとその保持体との間に高線膨張部材を挟み込むことが行われている(特許文献1)。コアと保持体との間の位置精度と,組み付け時に必要なクリアランスとを両立するためである。すなわち,光学用部品の成形にあっては,表裏面間の軸ズレも問題となるため,成形時には事実上クリアランスがゼロであることが要求される。しかし組み付け時には,少なくとも5μm程度のクリアランスがないと実際問題として組み付け作業ができない。高線膨張部材の熱膨張により,組み付け時(常温)にはある程度のクリアランスを確保しつつ,成形時(高温)にはそのクリアランスが消滅するようにできるのである。特許文献1の技術では,コア(鏡面駒)を本体と高線膨張部材(熱膨張部材)との一体構成とすることにより,これを実現している。
特開平11−90964号公報
しかしながら,特許文献1に記載された金型には,次のような問題点があった。すなわち特許文献1の金型では,コアの本体と高線膨張部材とが一体とされている。このため,昇温時に高線膨張部材の膨張により,両者間にむしろ隙間が生じる可能性がある。本体の外径よりも,その外径に嵌合する高線膨張部材の内径の方が熱膨張が大きいからである。また,この種の金型では,コアを保持体(特許文献1の用語では型板)から取り外してメンテナンスを行うことがある。このときさらに,高線膨張部材をコア本体から取り外す必要がある。メンテナンスの工程に含まれる洗浄等の処理から高線膨張部材を保護するためである。このため,メンテナンス後に本体と高線膨張部材とを再度組み立てる必要がある。よって,メンテナンス後の位置精度がよくない。再組み付け時の位置再現性が保証されないからである。
本発明は,前記した従来の光学部品用金型が有する問題点を解決するためになされたものである。すなわちその課題とするところは,常温での組み付け性と成形温度での位置決め性とが両立されており,さらに,コアのメンテナンスを容易に行うことができ,メンテナンス後の位置精度の問題もない光学部品用金型を提供することにある。
この課題の解決を目的としてなされた本発明の光学部品用金型は,光学部品の成形面を含むコアと,コアを保持する凹部が形成された保持体とを有し,コアに形成された成形面により光学部品を成形するものであって,コアと保持体との間に位置し,コアを保持体に対して位置決めする位置決め部材を有し,位置決め部材は,外端が保持体の凹部の内面に取り付けられており,内端でコアに接し,保持体よりも熱膨張において大きい材質で形成されているものである。ここでコアは,頂部が成形面である成形部と,成形部より大径である基部または段部とを有している。保持体は,凹部の底部をなすとともに,成形部を挿通させる貫通孔が形成されている板状部を有している。位置決め部材は,成形部の周囲に配置された環状の部材であるとともに内周側から半径方向に3本以上のスリットが形成されたものであるか,または,成形部の周囲に配置されるとともに周方向に3個以上の要素に分割されたものである。
この光学部品用金型では,熱膨張の大きい位置決め部材の外端が,熱膨張の小さい保持体の凹部の内面に取り付けられている。このため位置決め部材は,高温時においても,保持体の熱膨張程度にしか外向きには膨張できない。よって位置決め部材の熱膨張の大部分は,内向きの方へ向かうこととなる。これにより,常温では位置決め部材とコアとの間にある程度のクリアランスを持たせつつ,成形時の高温ではそのクリアランスが消滅してコアがしっかりと位置決めされることとなる。温度が低下した後は再び,位置決め部材とコアとの間にクリアランスが再現して分離が可能となる。保持体から分離したコアには位置決め部材が含まれていない。このためコアのメンテナンスは容易で,保持体に再度挿入したときの位置精度にも問題はない。なお,位置決め部材と保持体との線膨張係数の差は,3×10-6/K以上あることが望ましい。
ここで本発明の光学部品用金型における位置決め部材は,コアの半径方向のスリットが形成されていること,または,コアの周方向に分割されていること,のいずれかにより,位置決め部材の周方向の熱膨張による外向きの応力が緩和されまたは解消されている。分割タイプの場合,各分割片は,周方向の寸法より半径方向の寸法の方が大きいものであってもよい
本発明の光学部品用金型においては,コア部を有すると,成形面部分は位置決め部材によるストレスを受けないので歪みがでにくい。また,イジェクタピンを通しやすい。
あるいは本発明の光学部品用金型では,保持体と位置決め部材との接触面板状部に近いほど小径であるテーパ面が設けられており,位置決め部材の厚さ向の熱膨張規制する規制機構を有することも望ましい。これにより,位置決め部材の厚さ方向の熱膨張が抑制されるので,高温時により確実にコアが位置決め部材により位置決めされることとなる。
本発明によれば,常温での組み付け性と成形温度での位置決め性とが両立されており,さらに,コアのメンテナンスを容易に行うことができ,メンテナンス後の位置精度も高い光学部品用金型が提供されている。
以下,本発明を具体化した最良の形態について,添付図面を参照しつつ詳細に説明する。本形態は,携帯端末等のハンディサイズの機器に搭載されるカメラのレンズを成形するための金型に本発明を適用したものである。
[第1の形態]
図1〜図4に,第1の形態のレンズ用金型の構造を示す。本形態のレンズ用金型は,外枠体10と,その内部に挿入されるコア30との分割構造とされている。外枠体10は,図2に示すようにさらに保持体11と高線膨張部材20とにより構成されている。保持体11には,高線膨張部材20およびコア30を収納する凹部12が形成されている。そして,凹部12の底をなす板状部13には,コア30を挿通させる貫通孔14が形成されている。
高線膨張部材20にも,コア30を挿通させる挿通部21が設けられている。高線膨張部材20は,図3に示すように,上方から見るとほぼ環状であり,内側から数本のスリット22が形成されている。本形態では,高線膨張部材20が,凹部12の内径Φ2(15〜25mm程度)より5〜10μmの範囲内で大きい直径Φ5を持つように公差を設定している。高線膨張部材20を保持体11の凹部12に冷間打ち込みして一体化したのが図1中の外枠体10である。この状態では,高線膨張部材20の外周面24は凹部12の内側面15に固定されている。また,凹部12の底面15と高線膨張部材20の一方の端面23とが密着している。そして,一旦一体化された外枠体10は,その後再度保持体11と高線膨張部材20とに分離することはできない。
コア30は,成形部31と,これより大径の基部32とを有している。成形部31の頂部に,レンズの光学面を形成するための成形面33が形成されている。また,図には現れていないが,基部32には,成形後の引き抜きのためのイジェクタピンを通すためのイジェクタ孔が,成形部31と平行に形成されている。コア30は,外枠体10に組み付けられた状態(図4)で使用される。この組み付けは通常の嵌合により行われ,嵌合後も常温では分離可能である。図4に示す状態の金型を2組,上下から互いに成形面33同士が対面するように押し付けて,所定の温度に加熱した状態でレンズの成形が行われる。
保持体11およびコア30は,炭素鋼(ステンレス鋼,あるいは線膨張係数が大きくない,その他の金属材料でも可)で形成されている。これに対し高線膨張部材20は,アルミ合金または亜鉛合金で形成されている。これらの素材の一般的な線膨張係数は概略,表1示されるとおりである。すなわち,高線膨張部材20は,保持体11やコア30と比較して,明らかに線膨張係数が大きい素材により形成されているのである。
各部の寸法について説明する。本形態において重要なのは,高線膨張部材20の挿通部21の内径Φ1と,コア30の成形部31の直径Φ3(1〜10mm程度)との関係である。本形態では,常温(20℃程度)で,Φ1の方がΦ3より5〜15μm程度大きくされている。同様に,保持体11の凹部12の内径Φ2も,コア30の基部32の直径Φ4より同じ程度大きくされている。これにより,常温でコア30を外枠体10に組み付ける際に適度なクリアランスが確保されるようになっている。
レンズの成形のために金型温度を常温より上昇させた場合を考える。昇温に伴う熱膨張により,コア30の成形部31の直径Φ3は僅かに大径化する。同様に凹部12の内径Φ2も僅かに大径化する。高線膨張部材20も熱膨張し,その歯部23の高さH(図3)は大きくなる。しかし,高線膨張部材20の外周面24が凹部12の内側面15に規制されている。したがって,高線膨張部材20の半径は,凹部12の内径Φ2以上に大径化することはできない。このため,歯部23が内側へ向かって伸び,その先端28がコア30の成形部31の側面に密着することになる。結局,挿通部21の内径Φ1は,高線膨張部材20の熱膨張によりむしろ縮小するのである。これにより,昇温状態では成形部31と高線膨張部材20との間のクリアランスが消滅する。このようにして,レンズ成形時におけるコア30の位置決め精度が確保されるのである。すなわち高線膨張部材20は,位置決め部材である。なお,高線膨張部材20に半径方向のスリット22が入っていることにより,高線膨張部材20の周方向の膨張による外向きの応力が緩和されている。
一般的に,成形時の昇温による常温との温度差は100〜150K程度である。本発明者の実験により,この程度の温度差の場合,保持体11と高線膨張部材20との間に,3×10-6/K以上の線膨張係数の差があれば成形時の位置決め性の確保に十分であることがわかっている。つまり,保持体11の材質が炭素鋼である場合,高線膨張部材20は,15×10-6/K以上の線膨張係数を持つ材質であればよい。表1に示されるとおり,アルミ合金や亜鉛合金の線膨張係数は,高線膨張部材20として十分な値である。
本形態のレンズ用金型では,上記のように昇温状態では成形部31と高線膨張部材20との間のクリアランスが消滅している。このためこの状態では,コア30を外枠体10から引き抜くことはできない。しかし温度が常温まで下がれば,成形部31と高線膨張部材20との間のクリアランスが復活する。したがって温度下降後は再び,引き抜きが可能となる。そして,外枠体10から引き抜いたコア30には,高線膨張部材20が含まれていない。高線膨張部材20は保持体11に固定されているからである。
このことにより次のような利点がある。コア30は,メンテナンスを適宜の頻度で実施する必要がある。メンテナンスでは,洗浄等のウェット処理が行われる。コア30が異なる材質のもの(高線膨張部材20)を含んでいないことにより,これらのウェット処理を何の問題もなく行うことができるのである。高線膨張部材20のような異種材質のものは,コア30とともにウェット処理に供すると,処理液によりダメージを受けたり,あるいは処理液を汚染したりするおそれがある。しかし本形態のレンズ用金型はそのような問題とは無縁である。
また,成形面33の汚染やキズ等,洗浄などのメンテナンスでは対処できない事態もあり得る。この場合,成形面33の再加工が必要になる。この再加工の際にも,高線膨張部材20が外枠体10に残っていることによる利点がある。すなわち,コア30に高線膨張部材20が付属していないので,成形面33の再加工が容易である。なぜなら,本形態のコア30のような光学部品用のコアの場合,成形面はニッケル−リン等のメッキ面とされていることが多い。本形態では,コア30に高線膨張部材20が付属していないことにより,メッキ層の剥離,再メッキ,再加工の処理が支障なく行える。また,メンテナンス後または再加工後にコア30を再び外枠体10に組み付けたときも,確実に位置が再現される。
また,高線膨張部材20の平面形状は,図3に示したようなスリット入り環状に限らない。図5のような完全分割タイプの高線膨張部材25でもよい。高線膨張部材25では,完全分割であることにより,熱膨張により保持体11に外向きの応力を掛けることがない。さらに図6に示すように各要素を,周方向より半径方向の方が大きい板状の高線膨張部材26としてもよい。コア30の位置決めをより良好に行うためには,高線膨張部材の分割数は3以上が望ましい。同じ理由により,図3のスリット入り環状タイプのものにおけるスリット数も3本以上が望ましい。
[第2の形態]
第2の形態のレンズ用金型は,図7に示すように,コアに中段部34を設けたものである。中段部34は,成形部より大径で基部より小径である。そして高線膨張部材27の内径は,中段部34の直径に対して常温時に所定のクリアランスを持つようにされている。他の部分は第1の形態と同じである。高線膨張部材27の平面形状については,第1の形態で示した3通り(スリット入り環状,完全分割タイプ,板状タイプ)のいずれも可能である。
本形態のレンズ用金型は,第1の形態で述べた利点に加えて,次のような利点を持つ。すなわち本形態のレンズ用金型では,コアのイジェクタ孔を,基部および中段部34を貫通するように設けることができる。このようにすることにより,イジェクタピンを,高線膨張部材27との干渉なく配置することができる。この場合,イジェクタピンと高線膨張部材27とが摺動することがない。また,コアのイジェクタ孔と高線膨張部材27のイジェクタ孔とが熱膨張により位置ずれして摺動に支障を来すようなことがない。また,高線膨張部材27の熱膨張がコアの成形部を直接押圧するわけではないので,成形部に歪みが出にくいという利点もある。
図8および図9は,本形態のレンズ用金型にスプリング50を追加した例である。スプリング50の位置は,図8では板状部13と中段部34との間であり,図9では高線膨張部材27と基部32との間である。なお,図7あるいは図8のものでは,コアの形状として,基部を有さず成形部と中段部のみからなるものも可能である。また,第1の形態のレンズ用金型であっても,図9のようにスプリングを追加することは可能である。このようにスプリングを用いると,コアの高さ方向の位置を規制するためのボルト等の固定部材が不要である。すなわち,常温で組み付けを行う際,スプリングの押圧力が作用してコアの高さ方向の位置が規制される。一方,成形の際には,高線膨張部材によりコアが固定される。このためスプリングの押圧力は大きくなくてよい。したがって,固定部材に代えてスプリングを用いた場合,コアに加わる応力が小さくて済む。これにより,コアの歪みの発生を抑えることができる。
[第3の形態]
第3の形態のレンズ用金型は,図10に示すように,高線膨張部材28の外周面の上半分をテーパ面41とし,下半分をネジ部42としたものである。テーパ面41は,図中上方ほど小径となっている。外枠体40の凹部の形状もこれに合わせてある。すなわち,内側面のうち底面付近がテーパ面とされており,それより下の部分がストレート面とされている。そのストレート面のうち,テーパ面に隣接する部分にはネジが切られている。本形態では,外枠体40と高線膨張部材28との結合は,打ち込みではなくネジ込みによる。よって本形態では,外枠体40と高線膨張部材28との分離は可能である。ただし実際上分離する必要性はない。
本形態のレンズ用金型では,高線膨張部材28の外向きの熱膨張が規制されているばかりでなく,厚さ方向の熱膨張も抑制されている。上向きはテーパ面により,下向きはネジ止めにより,それぞれ規制されているからである。よって,高線膨張部材28の熱膨張はさらに内側へ向かわざるを得ない。このため,成形温度でのコアの位置決め精度がさらに高い。なお,図11に示すように,高線膨張部材29とは別にネジ部材43を設けてもよい。また,本形態の特徴であるテーパ面およびネジ止めを,第2の形態の特徴であるコアの中段部と併用することも可能である。また,スプリングの使用も可能である。
以上詳細に説明したように本実施の形態に係る各レンズ用金型では,高線膨張部材を,外枠体の凹部の内面に取り付けている。これにより,高線膨張部材が熱膨張により内側に向かって伸びるようにした。かくして,高線膨張部材とコアとの間に常温において適度なクリアランスを確保しつつ,成形温度での高い位置決め精度を得ている。また,コアと高線膨張部材とが別体であるため,コアのメンテナンス性にも優れている。さらに,側面のテーパ面化やネジ止め等により上下方向への熱膨張を押さえることで,成形温度での位置決め精度をさらに上げることもできる。
なお,本実施の形態は単なる例示にすぎず,本発明を何ら限定するものではない。したがって本発明は当然に,その要旨を逸脱しない範囲内で種々の改良,変形が可能である。例えば,各部材の材質は,本実施の形態中に挙げたものに限定されない。外枠体やコアについては,必要な剛性と耐熱性があればよい。外枠体とコアとが同じ材質である必要はない。高線膨張部材については,必要な剛性と耐熱性があり,かつ,外枠体の材質より熱膨張係数において大きいものであればよい。また,本実施の形態では金型を,外枠体(保持体+高線膨張部材)と,コアとの2分割のものとして説明したが,さらにベースと呼ばれる部分を有する3分割タイプであってもよい。また,本発明は,カメラ用レンズばかりでなく,光ピックアップ装置やファインダー光学系のレンズにも適用できる。
第1の形態に係るレンズ成形用金型の構造を分解状態で示す断面図である。 第1の形態に係る保持体をさらに分解して示す断面図である。 高線膨張部材の形状を示す平面図および断面図である。 第1の形態に係るレンズ成形用金型の構造を組み付け状態で示す断面図である。 高線膨張部材の形状の別の例を示す平面図である。 高線膨張部材の形状のさらに別の例を示す平面図である。 第2の形態に係るレンズ成形用金型の構造を組み付け状態で示す断面図である。 第2の形態の変形例に係るレンズ成形用金型の構造を組み付け状態で示す断面図である。 第2の形態の別の変形例に係るレンズ成形用金型の構造を組み付け状態で示す断面図である。 第3の形態に係るレンズ成形用金型の構造を組み付け状態で示す断面図である。 第3の形態の変形例に係るレンズ成形用金型の構造を組み付け状態で示す断面図である。
符号の説明
11 保持体
12 凹部
15 凹部の内面
20 高線膨張部材(位置決め部材)
22 スリット
24 高線膨張部材の外周面
25 高線膨張部材(位置決め部材)
26 高線膨張部材(位置決め部材)
27 高線膨張部材(位置決め部材)
28 高線膨張部材の内端
30 コア
31 成形部
33 成形面
34 段部
41 テーパ面
42 ネジ部

Claims (7)

  1. 光学部品の成形面を含むコアと,前記コアを保持する凹部が形成された保持体とを有し,前記コアに形成された成形面により光学部品を成形する光学部品用金型において,
    前記コアは,
    頂部が前記成形面である成形部と,
    前記成形部より大径である基部とを有し,
    前記保持体は,前記凹部の底部をなすとともに,前記成形部を挿通させる貫通孔が形成されている板状部を有し,
    前記コアと前記保持体との間に位置し,前記コアを前記保持体に対して位置決めする位置決め部材を有し,
    前記位置決め部材は,
    前記成形部の周囲に配置された環状の部材であるとともに内周側から半径方向に3本以上のスリットが形成されたものであり,
    周面が前記保持体の前記凹部の内面に取り付けられており,
    前記スリットの間の歯部の先端で前記成形部の側面に接し,
    前記保持体よりも熱膨張において大きい材質で形成されていることを特徴とする光学部品用金型。
  2. 光学部品の成形面を含むコアと,前記コアを保持する凹部が形成された保持体とを有し,前記コアに形成された成形面により光学部品を成形する光学部品用金型において,
    前記コアは,
    頂部が前記成形面である成形部と,
    前記成形部より大径である段部とを有し,
    前記保持体は,前記凹部の底部をなすとともに,前記成形部を挿通させる貫通孔が形成されている板状部を有し,
    前記コアと前記保持体との間に位置し,前記コアを前記保持体に対して位置決めする位置決め部材を有し,
    前記位置決め部材は,
    前記成形部の周囲に配置された環状の部材であるとともに内周側から半径方向に3本以上のスリットが形成されたものであり,
    周面が前記保持体の前記凹部の内面に取り付けられており,
    前記スリットの間の歯部の先端で前記段部の側面に接し,
    前記保持体よりも熱膨張において大きい材質で形成されていることを特徴とする光学部品用金型。
  3. 光学部品の成形面を含むコアと,前記コアを保持する凹部が形成された保持体とを有し,前記コアに形成された成形面により光学部品を成形する光学部品用金型において,
    前記コアは,
    頂部が前記成形面である成形部と,
    前記成形部より大径である基部とを有し,
    前記保持体は,前記凹部の底部をなすとともに,前記成形部を挿通させる貫通孔が形成されている板状部を有し,
    前記コアと前記保持体との間に位置し,前記コアを前記保持体に対して位置決めする位置決め部材を有し,
    前記位置決め部材は,
    前記成形部の周囲に配置されるとともに周方向に3個以上の要素に分割されたものであり,
    各要素の側のが前記保持体の前記凹部の内面に取り付けられており,
    各要素の内側の先端で前記成形部の側面に接し,
    前記保持体よりも熱膨張において大きい材質で形成されていることを特徴とする光学部品用金型。
  4. 光学部品の成形面を含むコアと,前記コアを保持する凹部が形成された保持体とを有し,前記コアに形成された成形面により光学部品を成形する光学部品用金型において,
    前記コアは,
    頂部が前記成形面である成形部と,
    前記成形部より大径である段部とを有し,
    前記保持体は,前記凹部の底部をなすとともに,前記成形部を挿通させる貫通孔が形成されている板状部を有し,
    前記コアと前記保持体との間に位置し,前記コアを前記保持体に対して位置決めする位置決め部材を有し,
    前記位置決め部材は,
    前記成形部の周囲に配置されるとともに周方向に3個以上の要素に分割されたものであり,
    各要素の側のが前記保持体の前記凹部の内面に取り付けられており,
    各要素の内側の先端で前記段部の側面に接し,
    前記保持体よりも熱膨張において大きい材質で形成されていることを特徴とする光学部品用金型。
  5. 請求項3または請求項4に記載の光学部品用金型において,前記位置決め部材の各要素は,
    周方向の寸法より半径方向の寸法の方が大きいものであることを特徴とする光学部品用金型。
  6. 請求項1から請求項5までのいずれか1つに記載の光学部品用金型において,
    前記保持体の前記凹部の内側面と前記位置決め部材の外周面または外側の端部との接触面のうち前記板状部寄りの部分に,前記板状部に近いほど小径であるテーパ面が設けられており,
    前記凹部の内側面に,前記位置決め部材の厚さ向の熱膨張規制する規制機構を有することを特徴とする光学部品用金型。
  7. 請求項1から請求項6までのいずれか1つに記載の光学部品用金型において,
    前記位置決め部材と前記保持体との線膨張係数の差が,3×10-6/K以上あることを特徴とする光学部品用金型。
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