JP4513069B2 - 太陽光線吸収ガラス構造体 - Google Patents

太陽光線吸収ガラス構造体 Download PDF

Info

Publication number
JP4513069B2
JP4513069B2 JP2006093536A JP2006093536A JP4513069B2 JP 4513069 B2 JP4513069 B2 JP 4513069B2 JP 2006093536 A JP2006093536 A JP 2006093536A JP 2006093536 A JP2006093536 A JP 2006093536A JP 4513069 B2 JP4513069 B2 JP 4513069B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
intermediate layer
absorbent
electrode
infrared
glass structure
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2006093536A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2007269499A (ja
Inventor
晃一 達
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Isuzu Motors Ltd
Original Assignee
Isuzu Motors Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Isuzu Motors Ltd filed Critical Isuzu Motors Ltd
Priority to JP2006093536A priority Critical patent/JP4513069B2/ja
Publication of JP2007269499A publication Critical patent/JP2007269499A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4513069B2 publication Critical patent/JP4513069B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Joining Of Glass To Other Materials (AREA)

Description

本発明は、太陽光線を吸収する太陽光線吸収ガラス構造に関する。
太陽光線を吸収する太陽光線吸収ガラス構造として、例えば、特許文献1の太陽光線吸収ガラス構造がある。
特許文献1の太陽光線吸収ガラス構造では、複数枚のガラス板と該複数枚のガラス板の間に設けられる中間膜とが積層された合わせガラスと、中間膜に分散配合された赤外線遮蔽性微粒子とを備えている。
上記構造によれば、合わせガラスに入射した赤外線(熱線)が中間膜に分散された赤外線遮蔽性微粒子により遮蔽されるため、赤外線の合わせガラスの透過を効果的に抑制することができる。
特開2001−151539号公報
特許文献1の太陽光線吸収ガラス構造では、中間膜が赤外線遮蔽性微粒子を適宜分散させて得られる樹脂等の固体物であるため、中間膜に分散配合される赤外線遮蔽性微粒子の密度は常に一定である。すなわち、外部環境や室内環境に関らず、常に一定量の赤外線を遮蔽してしまうため、赤外線の透過率を制御することが困難である。このため、例えば、赤外線の透過率を、赤外線量の多い夏季に設定している場合には、赤外線量の少ない冬季において、室内や車室内等に多くの赤外線を導入することができず、場合によっては、暖房負荷を増大させる結果を招く。
また、太陽光線には赤外線の他に紫外線も含まれるが、この紫外線は、少なからずとも人体に悪影響を及ぼすため、合わせガラスを透過する紫外線の透過率を低く設定することが好ましい。かかる透過率の設定は、中間膜に紫外線を吸収する紫外線吸収剤を多く分散配合することにより達成することが可能である。しかしながら、紫外線吸収剤の配合量やその粒子の大きさ等によっては、光の散乱が生じ、合わせガラスの透明度が低下してしまう恐れがある。
そこで、本発明は、外部環境や室内環境に応じて、赤外線や紫外線の透過率を変更することが可能な太陽光線吸収ガラス構造の提供を目的とする。
上記目的を達成すべく、本発明に係る太陽光線吸収ガラス構造体は、合わせガラスと、流通路と、流動体と、循環手段と、電極と、制御手段と、複数の突起部とを備えている。合わせガラスは、対向して配置される少なくとも2枚のガラス板と、2枚のガラス板の間に区画形成される中間層とを有する。流通路は、絶縁性を有する部材により形成され、中間層の一端と他端とを連通する。流動体は、中間層及び流通路に移動可能に収容され、溶媒と、この溶媒に分散され赤外線又は紫外線の少なくとも一方を吸収すると共に予め電荷が付与された吸収剤とを含む。循環手段は、流通路に設けられ、中間層の他端から回収した流動体を中間層の一端へ循環供給する。電極は、流通路の内面に沿って設けられ、電圧の印加により流通路内の吸収剤を捕捉する。制御手段は、電極に対する印加電圧を変化させて当該電極による吸収剤の捕捉量を増減することにより、中間層内の吸収剤の密度を制御する。複数の突起部は、絶縁性を有する部材により形成され、流通路の内面の所定位置から電極よりも流通路の中央側へ突出して、電極による吸収剤の捕捉を補助する。
上記構成では、赤外線又は紫外線の少なくとも一方を吸収する吸収剤は、合わせガラスに設けられた中間層及び該中間層の一端と他端とを連通する流通路に溶媒と共に収容され、循環手段により中間層及び流通路内を循環移動する。また、制御手段は、電極に対する印加電圧を変化させ、電荷が予め付与された吸収剤の電極への捕捉量を増減することにより、中間層内の吸収剤の密度を制御する。従って、例えば、合わせガラスを透過する赤外線や紫外線の量が少ない場合には、電極に対する印加電圧を増加させ、その印加電圧に対応する所定量まで流通路内を移動する吸収剤を、順次電極に捕捉させることによって、中間層内を移動する吸収剤の量(密度)を所定量(所定密度)まで減少(低下)させることができる。一方、合わせガラスを透過する赤外線や紫外線の量が多い場合には、電極に対する印加電圧を減少させ、その印加電圧に対応する所定量まで電極から吸収剤を離脱させることによって、中間層内を移動する吸収剤の量(密度)を所定量(所定濃度)まで増大(上昇)させることができる。このように、電極への印加電圧を適宜設定することにより、中間層内の吸収剤の密度を調節することが可能なため、赤外線及び紫外線の量に対応させて、合わせガラスを透過する赤外線や紫外線の透過率を自由に変更することができる。
また、電極への印加電圧を変更した直後は、中間層及び流通路内において、吸収剤の密度が一時的に不均一となるが、変更後一定の印加電圧下で、流動体の循環を継続して行うことにより、吸収剤の密度が均一化されるので、中間層における赤外線や紫外線の吸収性能が安定する。さらに、赤外線や紫外線の吸収性能が安定した後であれば、その後、循環手段による流動体の循環を停止しても、かかる安定した吸収性能が維持され得る。
また、流通路内を移動する吸収剤が突起部に接触した際、その移動が規制されるため、電極による吸収剤の捕捉を確実に行うことができる。
また、流通路のうち中間層の一端に接続される接続部は、中間層へ向かって漸次拡がる拡開形状としてもよい。
上記構成では、流通路のうち中間層の流入側(一端)に接続される接続部が、中間層へ向かって漸次拡がる拡開形状に形成されているため、流通路から中間層へ移動する吸収剤を中間層内に均一に流入させることが可能である。従って、中間層内の溶媒に分散配合される吸収剤により、合わせガラスを透過する赤外線や紫外線を有効に吸収することができる。
本発明によれば、外部環境や室内環境に応じて、赤外線や紫外線の透過率を自由に変更することができる。
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。図1は本実施形態に係る赤外線吸収ガラス構造の模式図、図2は中間層と流通路との接続状態を示す斜視図、図3は流通路に設けられる電極の配置状態を示す斜視図、図4は図3の要部拡大断面図、図5は赤外線吸収ガラス構造の制御プロセスを示すフローチャートである。なお、図1中の矢線は流動体の回流方向を示している。
図1に示すように、赤外線吸収ガラス構造(太陽光線吸収ガラス構造)1は、自動車のフロントの窓部(図示省略)に配置される合わせガラス2と、後述する合わせガラス2の中間層10の一端11と他端12とを連通する流通路3と、中間層10及び流通路3内に流動可能に収容される流動体4と、流通路3の途中に設けられるポンプ(循環手段)5と、流通路3の途中で中間層10の他端12とポンプ5の吸込(流入)側との間に設けられる電極6と、車外側の熱流束を検出する車外輻射センサ24と、車室内側の熱流束を検出する車室内輻射センサ25と、車外温度を検出する車外温度センサ28と、CPU(制御手段)7と、を備えている。
図1及び図2に示すように、合わせガラス2は、略矩形板状の車外側ガラス板8と、車外側ガラス板8と所定の間隔を空けて略平行に配置される略矩形板状の車室内側ガラス板9と、車外側ガラス板8と車室内側ガラス板9との間に区画形成される中間層10とを有する。また、中間層10を含む合わせガラス2の外周縁には、流通路3が接続された状態で、シール部材26が装着されている。
車外側ガラス板8及び車室内側ガラス板9は、略透明で且つ近赤外線領域の波長を吸収し得る部材、例えば、鉄を含有するソーダライムシリカガラスにより形成されている。
中間層10は、その上部と下部とにそれぞれ一端11と他端12とを有する。また、これら一端11と他端12とには、それぞれ後述する流通路3の流入側接続口(接続口)13と流出側接続口14とが接続されている。
流通路3は、流動体4を搬送可能な絶縁性を有する部材により形成され、中間層10の一端11と他端12とにそれぞれ接続される流入側接続口13と流出側接続口14と、流入側接続口13と流出側接続口14とを連結する搬送路15とを有する。流入側接続口13は、中間層10の一端11へ向かって漸次拡がる拡開形状を有する。流出側接続口14及び搬送路15は、断面略円形状を有する。搬送路15の所定位置には、その内面から内方へ向けて突出する複数の略円柱形状からなる突起部16が、搬送路15と一体的に形成されている(図4参照)。
図1及び図4に示すように、流動体4は、粘液状の溶媒17と、溶媒17に移動可能に分散配合される赤外線吸収剤(吸収剤)18とを有し、中間層10及び流通路3内に封入されている。
溶媒17は、所定の動粘度及び電気絶縁性を有する流体物質であり、例えば、塩化ジフェニル、セバチン酸ブチル、芳香族ポリカルボン酸高級アルコールエステル、ハロフェニルアルキルエーテル、トランス油、塩化パラフィン、弗素系オイル、またはシリコーン系オイルやフルオロシリコーンオイル等の流体、及び、これらの混合物を使用することが可能である。なお、溶媒17は、透明である場合に限られず、例えば、溶媒17中に各種顔料を混入して着色することも可能である。
赤外線吸収剤18は、予め電荷が付与された赤外線を吸収し得る微粒子であり、溶媒17中に所定の濃度(赤外線量が最も多い夏季時において、赤外線を良好に吸収し得る濃度)で略均一に分散配合されている。この赤外線吸収剤18としては、フタロシアニン、ジオチール、ジチオベンゾイン等と、金属との錯体を使用することが可能である。なお、本実施形態では、赤外線吸収剤18として、正電荷を有するフタロシアニンと金属との錯体が使用されている。
図1に示すように、ポンプ5は、いわゆる循環ポンプであり、中間層10の他端12から回収した流動体4を、流通路3を介して中間層10の一端11へ循環供給する。また、本実施形態では、ポンプ5は、車両が運転可能な状態となっている間、常時運転状態となる構成となっている。すなわち、車両のエンジン(図示省略)が作動している状態では、流動体4が中間層10及び流通路3内を常時循環するように構成されている。
図1、図3及び図4に示すように、電極6は、搬送路15の内面に沿って略板状に形成された金属片19及び金属片20を有し、これら金属片19及び金属片20は、流通路3の搬送路15の内面側に対向して配置されている。この金属片19の端部と金属片20の端部とには、それぞれ電源21の正極側に接続された電線22と負極側に接続された電線23とが電気的に接続されている。また、負極側の金属片20には、複数の突起部16が貫通可能な孔部27が複数形成されている。複数の突起部16は、負極側の金属片20が搬送路15の内面側に配置された状態で、負極側の金属片20の表面から所定量突出する。なお、電極6は、金属片により構成する場合に限られず、例えば、錫ドープ酸化インジウム(ITO)、錫ドープ酸化アンチモン(ATO)等の金属酸化物で形成された膜を用いて構成してもよい。電源21は、ON状態とOFF状態とに変更可能なスイッチ部(図示省略)を有し、所定の電圧を電極6に対して付与する。この電源21は、CPU7が生成した処理情報に従って作動する。
図1に示すように、車外輻射センサ24は、車外側ガラス板8の車外側の表面近傍に配置され、赤外線量及び車外側の赤外線による輻射熱(温度)を検出する。車室内輻射センサ25は、車室内側ガラス板9の車室内側の表面近傍に配置され、合わせガラス2を透過して車室内に入射する赤外線による輻射熱(温度)を検出する。車外輻射センサ24及び車室内輻射センサ25は、それぞれ検出結果をCPU7に対して出力する。
CPU7は、車外輻射センサ24及び車室内輻射センサ25の検出結果に基づき、電源21に対してON・OFFに関する信号及び電圧の大小に関する信号を出力する。電源21に対してON状態にする信号及び電圧の大小に関する信号が出力されると、電源21は、電極6に対して所定の電圧を印加する。電圧の印加により電極6の正極側の金属片19と負極側の金属片20との間には、電界が発生し、正極側の金属片19と負極側の金属片20との間を移動する正電荷を有する赤外線吸収剤18は、その印加電圧に対応する所定量まで負極側の金属片20に捕捉されるため、中間層10内を移動する赤外線吸収剤18の量(密度)を所定量(所定密度)まで減少(低下)させることができる。一方、CPU7が生成した処理情報によって電極6に対する印加電圧が減少されると、その印加電圧に対応する所定量の赤外線吸収剤18が、負極側の金属片20から離脱するため、中間層10内を移動する赤外線吸収剤18の量(密度)を所定量(所定密度)まで増大(上昇)させることができる。
次に、図5を参照して、本実施形態に係るCPU7が行う制御プロセスについて説明する。
本制御プロセスは、先ず、ステップS1において、エンジンを駆動可能なキースイッチ(図示省略)がONされて、自動車に電力が供給されると、CPU7及びポンプ5がON状態に設定されると共に電源21がOFF状態に設定される。そして、ステップS2に移行して、車外温度センサ28の検出値が所定値(例えば、20度)以下であるか否かが判定される。一方、ステップS1でキースイッチがONされていないときには、ステップS2に移行せず、本制御プロセスは終了する。
ステップS2で車外温度センサ28の検出値が所定の値以下であると判定されたとき、即ち、外気温度が低い季節(例えば、冬季)等であると判定されたときには、ステップS3に移行し、車外輻射センサ24の検出値が規定値(例えば、0)以上であるか否かが判定される。一方、ステップS2で車外温度センサ28の検出値が所定の値以下でないと判定されたときには、ステップS3に移行せず、再度ステップS1に移行し、上述したステップS1の処理が実行される。
ステップS3で車外輻射センサ24の検出値が規定値以上であると判定されたとき、即ち、赤外線が照射される時間帯(例えば、昼間)であると判定されたときには、ステップS4に移行し、車室内輻射センサ25の検出値が車外輻射センサ24の検出値よりも高いか否かが判定される。一方、ステップS3で車外輻射センサ24の検出値が所定の値以上でないと判定されたときには、ステップS4に移行せず、再度ステップS1に移行し、上述したステップS1の処理が実行される。
ステップS4で車室内輻射センサ25の検出値が車外輻射センサ24の検出値よりも高いと判定されたときには、ステップS5に移行し、車室内輻射センサ25の検出値と車外輻射センサ24の検出値との差が所定の値以上であるか否かが判定される。一方、ステップS4で車室内輻射センサ25の検出値が車外輻射センサ24の検出値よりも低いと判定されたときには、ステップS5に移行せず、再度ステップS1に移行し、上述したステップS1の処理が実行される。
ステップS5で車室内輻射センサ25の検出値と車外輻射センサ24の検出値との差が所定の値以上であると判定されたときには、ステップS6に移行し、電源21がON状態に設定される共に温度差に応じた所定の電圧が電極6に対して印加される。また、この際に、CPU7に設けられる内部タイマ(以下、タイマと称す)が起動される。これにより、流通路3内を循環移動する赤外線吸収剤18が、印加電圧に対応する所定量まで順次電極6の負極側の金属片20に捕捉される。そして、ステップS7において、タイマによる積算時間が予め設定された所定時間に達したか否かが判定される。一方、ステップS5で車室内輻射センサ25の検出値と車外輻射センサ24の検出値との差が所定の値以上でないと判定されたときには、ステップS6に移行せず、再度ステップS1に移行し、上述したステップS1以後の処理が実行される。
ステップS7でタイマによる積算時間が予め設定された所定時間に達したと判定されたとき、即ち、流通路3内及び中間層10内の溶媒17中に赤外線吸収剤18が略均一に分散されて中間層10内の赤外線吸収剤18の密度が安定したと判定されたときには、タイマによる時間の積算を終了すると共に積算値をクリアして、ステップS8に移行し、車外輻射センサ24の検出値と車室内輻射センサ25の検出値との差が所定の値以下であるか否かが判定される。一方、ステップS7でタイマによる積算時間が所定時間に達していないと判定されたときには、ステップS8に移行せず、タイマによる積算時間が所定時間に達するまで本制御プロセスは進行しない状態となる。
ステップS8で車外輻射センサ24の検出値と車室内輻射センサ25の検出値との差が所定の値以下であると判定されたとき、即ち、赤外線吸収剤18を電極6に捕捉するための電圧値が適切であり、中間層10内の赤外線吸収剤18の密度が所定値まで低下していると判定されたときには、再度ステップS1に移行し、上述したステップS1以後の処理が実行される。一方、ステップS8で車外輻射センサ24の検出値と車室内輻射センサ25の検出値との差が所定の値以下でないと判定されたときには、再度ステップS6に移行し、上述したステップS6以後の処理が実行される。
また、再度ステップS1に移行し、ステップS6において、電極6に対する印加電圧が減少された場合には、その印加電圧に対応する所定量の赤外線吸収剤18が、負極側の金属片20から離脱する。これにより、中間層10内を移動する赤外線吸収剤18の量は所定量まで増加するため、合わせガラス2を透過する赤外線の透過率を所定値まで低下させることができる。一方、ステップS6において、電極6に対する印加電圧が増加された場合には、その印加電圧に対応する所定量の赤外線吸収剤18が、更に負極側の金属片20に捕捉される。これにより、中間層10内を移動する赤外線吸収剤18の量は所定量まで減少するため、合わせガラス2を透過する赤外線の透過率を所定値まで更に上昇させることができる。
このように、本制御プロセスは、外気温度が低いとき(ステップS2)で且つ赤外線が照射されるとき(ステップS3)、例えば、冬季の昼間の時間帯にのみ実行される。すなわち、冬季の昼間等では、中間層10内の赤外線吸収剤18の密度が比較的低く設定されるため、車室内に多くの赤外線(熱線)を導入することが可能となる。このため、赤外線の導入により車室内温度が上昇するため、暖房負荷の低減を図ることができる。一方、本制御プロセスが実行されないとき、例えば、夏季の昼間の時間帯では、中間層10内の赤外線吸収剤18の密度が比較的高く設定されるため、車室内への赤外線の進入を有効に抑制することが可能となる。このため、赤外線による車室内温度の上昇が抑制されるため、冷房負荷の低減を図ることができる。また、電極6による赤外線吸収剤18の捕捉量を、車外輻射センサ24と車室内輻射センサ25とによる温度差に応じて増減することが可能なため、中間層10内の赤外線吸収剤18の密度(赤外線の透過率)を、外部環境や室内環境に応じた適切なものとすることができる。
なお、本実施形態では、ポンプ5を、車両が運転可能な状態となっている間、常時作動させる構成としたが、例えば、上記制御プロセスのステップS5で車室内輻射センサ25の検出値と車外輻射センサ24の検出値との差が所定の値以上であると判定されたときに、ポンプ5を作動させ、ステップS8で車外輻射センサ24の検出値と車室内輻射センサ25の検出値との差が所定の値以下であると判定されたときに、ポンプ5を停止させることも可能である。
このように、本実施形態では、赤外線吸収剤18は、合わせガラス2に設けられた中間層10及び該中間層10の一端11と他端12とを連通する流通路3に溶媒17と共に収容され、ポンプ5により中間層10及び流通路3内を循環移動する。また、CPU7は、電極6に対する印加電圧を変化させ、正電荷が予め付与された赤外線吸収剤18の負極側の金属片20への捕捉量を増減することにより、中間層10内の赤外線吸収剤18の密度を制御する。従って、例えば、合わせガラス2を透過する赤外線の量が少ない場合には、電極6に対する印加電圧を増加させ、その印加電圧に対応する所定量まで流通路3内を移動する赤外線吸収剤18を、順次電極6に捕捉させることによって、中間層10内を移動する吸収剤の量(密度)を所定量(所定密度)まで減少(低下)させることができる。一方、合わせガラス2を透過する赤外線の量が多い場合には、電極6に対する電圧を減少させ、その印加電圧に対応する所定量まで電極6から赤外線吸収剤18を離脱させることによって、中間層10内を移動する赤外線吸収剤18の量(密度)を所定量(所定濃度)まで増大(上昇)させることができる。このように、電極6への印加電圧を適宜設定することにより、中間層10内の赤外線吸収剤18の密度を調節することが可能なため、赤外線の量に対応させて、合わせガラス2を透過する赤外線の透過率を自由に変更することができる。
電極6への印加電圧を変更した直後は、中間層10及び流通路3内において、赤外線吸収剤18の密度が一時的に不均一となるが、変更後一定の印加電圧下で、流動体4の循環を継続して行うことにより、赤外線吸収剤18の密度が均一化されるので、中間層10における赤外線の吸収性能が安定する。さらに、赤外線の吸収性能が安定した後であれば、その後、ポンプ5による流動体4の循環を停止しても、かかる安定した吸収性能が維持され得る。
また、流通路3のうち中間層10の一端11に接続される流入側接続口13が、中間層10へ向かって漸次拡がる拡開形状に形成されているため、流通路3から中間層10へ移動する赤外線吸収剤18を中間層10内に均一に流入させることが可能である。従って、中間層10内の溶媒17に分散配合される赤外線吸収剤18により、合わせガラス2を透過する赤外線を有効に吸収することができる。
赤外線吸収剤18を捕捉可能な負極側の金属片20の表面には、該表面を貫通して流通路3の内方へ突出する突起部16が配置されている。従って、流通路3内を移動する赤外線吸収剤18が突起部16に接触した際、その移動が規制されるため、負極側の金属片20による赤外線吸収剤18の捕捉を確実に行うことができる。
なお、本実施形態では、正電荷を有する赤外線吸収剤18を使用したが、負電荷を有する赤外線吸収剤を使用してもよく、また、正電荷及び負電荷を有する赤外線吸収剤を使用してもよい。
また、溶媒17中に赤外線吸収剤18を配合したが、これに代えて、予め電荷が付与された紫外線吸収剤を配合してもよく、また、溶媒17中に赤外線吸収剤18と予め電荷が付与された紫外線吸収剤との両方を配合することも可能である。
本実施形態では、本発明に係る太陽光線吸収ガラス構造を、自動車のフロントの窓部に適用したが、フロント以外の窓部にも適用することもでき、さらには、自動車の窓部以外、例えば、電車や飛行機の窓部、建築用の窓部等、ありとあらゆる窓部に適用することが可能である。
以上、本発明者によってなされた発明を適用した実施形態について説明したが、この実施形態による本発明の開示の一部をなす論述及び図面により本発明は限定されることはない。すなわち、この実施形態に基づいて当業者等によりなされる他の実施形態、実施例及び運用技術等は全て本発明の範疇に含まれることは勿論であることを付け加えておく。
本実施形態に係る赤外線吸収ガラス構造の模式図である。 中間層と流通路との接続状態を示す斜視図である。 流通路に設けられる電極の配置状態を示す斜視図である。 図3の要部拡大断面図である。 赤外線吸収ガラス構造の制御プロセスを示すフローチャートである。
符号の説明
1 赤外線吸収ガラス構造(太陽光線吸収ガラス構造
2 合わせガラス
3 流通路
4 流動体
5 ポンプ(循環手段)
6 電極
7 CPU(制御手段)
10 中間層
11 一端
12 他端
13 流入側接続口(接続口)
16 突起部
17 溶媒
18 赤外線吸収剤(吸収剤)

Claims (3)

  1. 対向して配置される少なくとも2枚のガラス板と、前記2枚のガラス板の間に区画形成される中間層とを有する合わせガラスと、
    絶縁性を有する部材により形成され、前記中間層の一端と他端とを連通する流通路と、
    前記中間層及び前記流通路に移動可能に収容され、溶媒と、この溶媒に分散され赤外線又は紫外線の少なくとも一方を吸収すると共に予め電荷が付与された吸収剤とを含む流動体と、
    前記流通路に設けられ、前記中間層の他端から回収した流動体を前記中間層の一端へ循環供給する循環手段と、
    前記流通路の内面に沿って設けられ、電圧の印加により前記流通路内の吸収剤を捕捉する電極と、
    前記電極に対する印加電圧を変化させて当該電極による吸収剤の捕捉量を増減することにより、前記中間層内の吸収剤の密度を制御する制御手段と、
    絶縁性を有する部材により形成され、前記流通路の内面の所定位置から前記電極よりも該流通路の中央側へ突出して該電極による吸収剤の捕捉を補助する複数の突起部と、を備えた
    ことを特徴とする太陽光線吸収ガラス構造体。
  2. 請求項1に記載の太陽光線吸収ガラス構造体であって、
    前記流通路のうち前記中間層の一端に接続される接続部は、前記中間層へ向かって漸次拡がる拡開形状を有する
    ことを特徴とする太陽光線吸収ガラス構造体。
  3. 請求項1又は請求項2に記載の太陽光線吸収ガラス構造体であって、
    前記突起部は、前記内面から一体的に突出する略円柱形状である
    ことを特徴とする太陽光線吸収ガラス構造体。
JP2006093536A 2006-03-30 2006-03-30 太陽光線吸収ガラス構造体 Expired - Fee Related JP4513069B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006093536A JP4513069B2 (ja) 2006-03-30 2006-03-30 太陽光線吸収ガラス構造体

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006093536A JP4513069B2 (ja) 2006-03-30 2006-03-30 太陽光線吸収ガラス構造体

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2007269499A JP2007269499A (ja) 2007-10-18
JP4513069B2 true JP4513069B2 (ja) 2010-07-28

Family

ID=38672683

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2006093536A Expired - Fee Related JP4513069B2 (ja) 2006-03-30 2006-03-30 太陽光線吸収ガラス構造体

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4513069B2 (ja)

Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5015808A (ja) * 1973-06-13 1975-02-19
JPS6016838A (ja) * 1983-07-01 1985-01-28 Takuichi Mochizuki 板体
JPH04500627A (ja) * 1988-09-12 1992-02-06 ブリティッシュ・テクノロジー・グループ・リミテッド 濾過
JPH1133433A (ja) * 1997-07-16 1999-02-09 Kenkichi Tokumoto 静電式濾過装置

Patent Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5015808A (ja) * 1973-06-13 1975-02-19
JPS6016838A (ja) * 1983-07-01 1985-01-28 Takuichi Mochizuki 板体
JPH04500627A (ja) * 1988-09-12 1992-02-06 ブリティッシュ・テクノロジー・グループ・リミテッド 濾過
JPH1133433A (ja) * 1997-07-16 1999-02-09 Kenkichi Tokumoto 静電式濾過装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2007269499A (ja) 2007-10-18

Similar Documents

Publication Publication Date Title
ES2685656T3 (es) Película de múltiples capas con propiedades ópticas conmutables mediante la electricidad
EP3072012B1 (en) Controllable light-transmissive element
US5838483A (en) Photochromic devices
EP3412447A1 (en) Passive radiative cooling of window structures
US11237446B2 (en) Optical assembly, optical device, and manufacturing method thereof
CN106104374A (zh) 光调制元件和智能玻璃
Heiz et al. A Large‐Area Smart Window with Tunable Shading and Solar‐Thermal Harvesting Ability Based on Remote Switching of a Magneto‐Active Liquid
JP4513069B2 (ja) 太陽光線吸収ガラス構造体
CN116529221A (zh) 对合面板用中间膜结构体和对合面板结构体
WO2023024491A1 (zh) 车窗玻璃、车门和汽车
US20200256120A1 (en) Building envelope surface element with controllable shading
US20240184155A1 (en) Segmented multilayer film with electrically controllable optical properties
US20160011483A1 (en) Switchable window
CN109849627B (zh) 一种机动车窗辅助装置、机动车及辅助装置的使用方法
EP4407370A2 (en) Solar control device
JP7279652B2 (ja) 車両
JP2013177277A (ja) ソーラーセル複合ガラス板
JP5803021B2 (ja) 暗オフ状態透過性と明オン状態透過性を有するspd膜
US20210146588A1 (en) Method for producing a film for a composite pane, method for producing the composite pane, and composite pane
KR101016222B1 (ko) 디지털 정보 디스플레이 장치
CN113031354A (zh) 基于液晶的电控调光玻璃、控制系统、控制方法及汽车
CN206370432U (zh) 一种太阳能车窗
JP2005302321A (ja) 金属酸化物半導体膜の形成方法、色素増感型金属酸化物半導体電極及び色素増感型太陽電池
JP2006145970A (ja) 調光材料、これを用いた車両、および調光材料の製造方法
JP2010254202A (ja) 熱移動量制御装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20090204

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20091015

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20091023

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20091207

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20100129

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20100324

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20100416

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20100429

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130521

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140521

Year of fee payment: 4

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees