JP4512969B2 - 信号処理装置及び方法、記録媒体、並びにプログラム - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、信号処理装置及び方法、記録媒体、並びにプログラムに関し、特に、テレビジョン放送に付加されるコマーシャルメッセージを適切に自動的に検出することができる信号処理装置及び方法、記録媒体、並びにプログラムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に、放送番組についてスポンサーが付いているテレビジョン(以下、適宜TVと称する)放送では、本編(番組そのもの)の合間に、その番組を提供しているスポンサーのコマーシャルメッセージ(以下、単にCMと称する)が挿入される。
【0003】
しかしながら、視聴者の興味は、主として本編にあるため、CMを省略して視聴したいという要望は多い。
【0004】
その一方で、関心のある製品のCMや、ストーリー性のあるCM、有名俳優が登場するCMなど、CM自体を視聴対象とする場合も少なくない。
【0005】
このようなことから、特に、磁気テープや磁気ディスク等の媒体にTV放送番組等を録画する場合において、放送番組から本編とCMとを分離/区別して、必要なときに必要な部分を視聴することが可能となれば、上述したような多様な要望に対する有効な解決手段を与えることになると考えられる。
【0006】
ところで、TV放送からCMのみを省略して試聴可能とする技術としては、従来より、いわゆるCMスキップ機能(広義のCMスキップ機能)が存在し、例えば家庭用ビデオ録画再生装置には当該CMスキップ機能が搭載されているものが多い。
【0007】
このCMスキップ機能(広義のCMスキップ機能)は、その仕組みに応じて4つに大別され、それぞれ一般には、CM早送り機能、CMカット機能、放送モードに基づくCMスキップ機能(狭義のCMスキップ機能)、放送モードによらないCMスキップ機能(狭義のCMスキップ機能)と呼ばれている。なお、これら4つに大別されたCMスキップ機能のうち、上記CM早送り機能とは、日本国内においては通例としてCMが15秒の倍数で製作されていることを利用し、家庭用ビデオ録画再生装置でのビデオ再生中に、例えばリモコンボタン操作によって(30秒)×(ボタンを押した回数)の時間だけ早送りを行うことにより、CM部分を飛ばす機能である。このCM早送り機能に関する技術については、例えば特開平10−269651号公報などに公開されている。また、特開平9−307841号公報には、上記CM早送り機能における早送り終了時刻を時間で決定せず、映像信号のブラックフレームと音声信号の無音部が同時に所定長さ以上にわたり生じる部分を、早送り終了時刻とする技術が公開されている。
【0008】
CMカット機能とは、日本国内においてはCMがステレオ放送されることが多く、また、TV放送信号には音声がモノラルモード/ステレオモード/音声多重モードの何れであるかを示すパイロット信号が多重されていることを利用し、例えば音声がモノラルモード又は音声多重モードとなされている本編を録画するような場合に、ステレオモード区間(すなわちCM区間)のみ録画を停止することで、CM部分をカットすることを可能にする機能である。このCMカット機能に関する技術については、例えば特開平3−158086号、特開平3−2622872号などの公報に公開されている。
【0009】
放送モードに基づくCMスキップ機能(狭義のCMスキップ機能)とは、CMカット機能と同様に放送モードの違いを利用する仕組みであるが、上記CMカット機能が録画時にCMをカットしているのに対し、当該放送モードに基づくCMスキップ機能では、録画時には全ての映像及び音声を記録すると同時にその放送モードも記録しておき、再生時にステレオ放送区間(すなわちCM区間)のみ自動的に早送りする機能である。この放送モードに基づくCMスキップ機能に関する技術については、例えば特開平5−250762号公報などに公開されている。
【0010】
放送モードによらないCMスキップ機能(狭義のCMスキップ機能)とは、放送信号中に含まれる音声信号の無音区間間隔や、映像信号の映像変換点(映像が急激に変化する点)の出現間隔、映像信号の黒レベル/白レベルの出現間隔などを利用して、これらが15秒の倍数間隔に合致する部分をCMとして早送りする機能である。当該放送モードによらないCMスキップ機能に関する技術については、特開平8−317342号公報や、文献「TV放送のCM検出方式についての一検討」(映像情報メディア学会技術報告、VIR97-22、19/23(1997))などに公開されている。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記CM早送り機能自体は、家庭用ビデオ録画再生装置にて録画したTV放送を再生して視聴する視聴者に対して、CMかどうかの判断を任せるものであり、TV放送から自動的にCM部分を検出するようなCM検出機能は備えていない。
【0012】
また、上記放送モードに基づくCMカット機能やCMスキップ機能(狭義のCMスキップ機能)では、放送モードの違い、すなわち例えばステレオモードによるCM検出を行うようになされているが、例えば本編自体がステレオモードとなされている場合や、CMがモノラルモードや音声多重モードとなっている場合には、全く効果がない(すなわちCMカットやCMスキップができない)。
【0013】
一方、放送モードによらないCMスキップ機能(狭義のCMスキップ機能)では、視聴者や放送モードに依存することなく、放送内容に基づいたCM検出が可能となっている。ただし、当該機能の場合は、音声信号の無音区間間隔や、映像信号の映像変換点(映像が急激に変化する点)の出現間隔などが、予め想定されている設定値と一致することなど、非常に狭い条件に基づいた決定論的な判定手続きによりCM区間を検出するようになされている。これに対し、実際の放送番組では、放送時間の調整の目的や人為的なスイッチングなどの要因によって無音区間間隔が例えば短縮されていたりする場合が少なからずあり、逆に、番組本編の中にも上記の条件を満たす区間が多く存在している。このため、無音区間間隔が予め想定されている長さより短いようなCMの場合は全く検出ができなくなる問題が発生し、逆に、上記設定値の条件を満たす本編の場合は当該本編をCM区間として誤って検出してしまう等の問題点が生じてしまう。
【0014】
さらに、上記4つの機能では、例えば複数のCMが連続されて放送されている場合には、CM全体の区間を検出することはできても、個々のCMの検出はできない。このため、CMを個別に抽出して視聴したいような場合(要望)には適さない。
【0015】
以上のようなことから、TV放送信号からCM部分を高精度に検出又は検索できることが望まれている。
【0016】
そこで、本発明は、以上のような状況を鑑みてなされたものであり、例えばTV放送信号に含まれるコマーシャルメッセージ部分を適切に検出する、信号処理装置及び方法を提供することを目的とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】
本発明の信号処理装置は、少なくとも第1の信号の区間とそれ以外の信号の区間とが時分割的に存在する入力信号から、所定の時間間隔を持つ信号の特徴的パターンに基づいて、第1の信号の候補区間を検出する候補区間検出手段と、時間的に隣接する2つのフレームに対して微分法によるエッジ処理を施すことで得られたエッジ画像を2値化し、2値化された2つのエッジ画像間で演算処理を行うことで静止部分についての静止エッジ画像を生成し、生成した静止エッジ画像を小領域に分割し、小領域内のエッジ線分の密度を算出し、算出した密度が所定の閾値以上である場合、小領域を文字領域とすることで、候補区間の信号から、文字を表示する信号を検出する文字検出手段と、小領域には、所定の順に番号が割り当てられており、文字検出手段により文字を表示する信号が検出されたとき、小領域に割り当てられた番号に基づいて、文字の表示位置を検出する文字表示位置検出手段と、文字検出手段による文字検出結果または文字表示位置検出手段による文字表示位置検出結果に基づいて、第1の信号らしさを表す特徴量を算出する算出手段と、特徴量に基づいて、第1の信号の区間を検出する区間検出手段とを備え、算出手段は、文字検出手段により文字を表示する信号が検出されたとき、より大きい特徴量を算出し、文字表示位置検出手段により画面中央に文字を表示する信号が検出されたとき、さらにより大きい特徴量を算出する。
【0020】
文字検出手段により、文字を表示する信号が検出されたとき、文字の出現時刻を検出する文字出現時刻検出手段をさらに備え、算出手段は、文字出現時刻検出手段により検出された出現時刻が候補区間内における候補区間の始点または終点付近にあるときにも、さらにより大きい特徴量を算出することができる。
【0021】
本発明の信号処理方法は、少なくとも第1の信号の区間とそれ以外の信号の区間とが時分割的に存在する入力信号から、所定の時間間隔を持つ信号の特徴的パターンに基づいて、第1の信号の候補区間を検出する候補区間検出ステップと、時間的に隣接する2つのフレームに対して微分法によるエッジ処理を施すことで得られたエッジ画像を2値化し、2値化された2つのエッジ画像間で演算処理を行うことで静止部分についての静止エッジ画像を生成し、生成した静止エッジ画像を小領域に分割し、小領域内のエッジ線分の密度を算出し、算出した密度が所定の閾値以上である場合、小領域を文字領域とすることで、候補区間の信号から、文字を表示する信号を検出する文字検出ステップと、小領域には、所定の順に番号が割り当てられており、文字検出ステップの処理により文字を表示する信号が検出されたとき、小領域に割り当てられた番号に基づいて、文字の表示位置を検出する文字表示位置検出ステップと、文字検出ステップの処理による文字検出結果または文字表示位置検出ステップの処理による文字表示位置検出結果に基づいて、第1の信号らしさを表す特徴量を算出する算出ステップと、特徴量に基づいて、第1の信号の区間を検出する区間検出ステップとを含み、算出ステップでは、文字検出ステップの処理により文字を表示する信号が検出されたとき、より大きい特徴量を算出し、文字表示位置検出ステップの処理により画面中央に文字を表示する信号が検出されたとき、さらにより大きい特徴量を算出する。
【0022】
本発明の記録媒体のプログラムは、少なくとも第1の信号の区間とそれ以外の信号の区間とが時分割的に存在する入力信号から、所定の時間間隔を持つ信号の特徴的パターンに基づいて、第1の信号の候補区間を検出する候補区間検出ステップと、時間的に隣接する2つのフレームに対して微分法によるエッジ処理を施すことで得られたエッジ画像を2値化し、2値化された2つのエッジ画像間で演算処理を行うことで静止部分についての静止エッジ画像を生成し、生成した静止エッジ画像を小領域に分割し、小領域内のエッジ線分の密度を算出し、算出した密度が所定の閾値以上である場合、小領域を文字領域とすることで、候補区間の信号から、文字を表示する信号を検出する文字検出ステップと、小領域には、所定の順に番号が割り当てられており、文字検出ステップの処理により文字を表示する信号が検出されたとき、小領域に割り当てられた番号に基づいて、文字の表示位置を検出する文字表示位置検出ステップと、文字検出ステップの処理による文字検出結果または文字表示位置検出ステップの処理による文字表示位置検出結果に基づいて、第1の信号らしさを表す特徴量を算出する算出ステップと、特徴量に基づいて、第1の信号の区間を検出する区間検出ステップとを含み、算出ステップでは、文字検出ステップの処理により文字を表示する信号が検出されたとき、より大きい特徴量を算出し、文字表示位置検出ステップの処理により画面中央に文字を表示する信号が検出されたとき、さらにより大きい特徴量を算出する処理をコンピュータに実行させる。
【0023】
本発明のプログラムは、少なくとも第1の信号の区間とそれ以外の信号の区間とが時分割的に存在する入力信号から、所定の時間間隔を持つ信号の特徴的パターンに基づいて、第1の信号の候補区間を検出する候補区間検出ステップと、時間的に隣接する2つのフレームに対して微分法によるエッジ処理を施すことで得られたエッジ画像を2値化し、2値化された2つのエッジ画像間で演算処理を行うことで静止部分についての静止エッジ画像を生成し、生成した静止エッジ画像を小領域に分割し、小領域内のエッジ線分の密度を算出し、算出した密度が所定の閾値以上である場合、小領域を文字領域とすることで、候補区間の信号から、文字を表示する信号を検出する文字検出ステップと、小領域には、所定の順に番号が割り当てられており、文字検出ステップの処理により文字を表示する信号が検出されたとき、小領域に割り当てられた番号に基づいて、文字の表示位置を検出する文字表示位置検出ステップと、文字検出ステップの処理による文字検出結果または文字表示位置検出ステップの処理による文字表示位置検出結果に基づいて、第1の信号らしさを表す特徴量を算出する算出ステップと、特徴量に基づいて、第1の信号の区間を検出する区間検出ステップとを含み、算出ステップでは、文字検出ステップの処理により文字を表示する信号が検出されたとき、より大きい特徴量を算出し、文字表示位置検出ステップの処理により画面中央に文字を表示する信号が検出されたとき、さらにより大きい特徴量を算出する処理をコンピュータに実行させる。
【0024】
本発明においては、少なくとも第1の信号の区間とそれ以外の信号の区間とが時分割的に存在する入力信号から、所定の時間間隔を持つ信号の特徴的パターンに基づいて、第1の信号の候補区間が検出され、時間的に隣接する2つのフレームに対して微分法によるエッジ処理を施すことで得られたエッジ画像を2値化し、2値化された2つのエッジ画像間で演算処理を行うことで静止部分についての静止エッジ画像を生成し、生成した静止エッジ画像を小領域に分割し、小領域内のエッジ線分の密度を算出し、算出した密度が所定の閾値以上である場合、小領域を文字領域とすることで、候補区間の信号から、文字を表示する信号が検出される。また、小領域には、所定の順に番号が割り当てられており、文字を表示する信号が検出されたとき、小領域に割り当てられた番号に基づいて、文字の表示位置が検出される。そして、文字を表示する信号が検出されたとき、より大きい、第1の信号らしさを表す特徴量が算出され、文字表示位置検出ステップの処理により画面中央に文字を表示する信号が検出されたとき、さらにより大きい特徴量が算出され、特徴量に基づいて、第1の信号の区間が検出される。
【0025】
【発明の実施の形態】
先ず、本発明実施の形態の具体的構成について述べる前に、本発明に基づき、例えばTV放送信号からCM部分を検出する際の原理について概説する。
【0026】
一般に、TV放送されるCMは、放送者の指定する規格に基づいて製作されるため、その「時間長(1つのCMの時間)はごく少数の種類に限定」される。例えば日本国内においては、特殊な例を除くほぼ全てのCMが、15秒、30秒、60秒の長さで製作されている。
【0027】
また、CMの放送時には、番組本編や他のCMとは独立に製作されたものがTV放送ストリーム中に挿入されるため、各CMの前後では必然的に「音声レベルが下がる(すなわち小音量となる)」こと、及び、「映像信号が切り替わる」こと、という特徴を持つ。ここで、「音声レベルが下がる」とは、必ずしも無音(ここでは極微小なノイズしかない部分という意味)と同義ではない。すなわち、実際には、CMと本編との切り替えのタイミングなどにより、必ずしも完全に無音とはならないまま切り替わることがあるからである。
【0028】
上述したように、CMについての「規定時間長(少数種類の時間長)」、「小音量」、「映像切り替わり」という3つの特徴は、ほぼ全てのCMが示すパターンである。本発明では、このようにほぼ全てのCMが示す信号のパターンを「特徴的パターン」と称し、それを検出するための条件を「必須条件」と称することにする。
【0029】
したがって、TV放送信号から当該必須条件に対応する信号部分を検出するようにすれば、誤棄却がほとんどなく決定論的にCMの候補(すなわちCMであろうと思われる信号部分)を検出することが可能となる。但し、番組本編内にも、偶然そのような必須条件を満たしてしまう部分が多く存在するため、上記必須条件を用いただけでは、番組本編の一部をCM候補として誤検出してしまう虞が残る。
【0030】
一方で、上記必須条件と比べて例外は多く存在するものの、CMの性質上、多くのCMが満たすか若しくは一定の傾向を示す特徴としては、以下のようなものがある。
【0031】
1)CMの前後(CMが開始される直前とCMが終了して本編番組が開始又は再開される直前)では、通常の番組本編内よりも音声レベルが低くなることが多い。
【0032】
2)CMと番組本編との間、及び、あるCMと他のCMとの間の、ほぼ無音となる区間長は、数百ミリ秒程度であることが多い。
【0033】
3)TV放送内に含まれる有音区間は、CMの規定時間長(15秒、30秒、60秒等)より百ミリ秒程度以上短いことが多く、また1秒程度以上短いことは少ない。
【0034】
4)ステレオ音声信号の左チャンネル(Lチャンネル)と右チャンネル(Rチャンネル)の相関値は、1より有意に小さいことが多い。
【0035】
5)CM期間中は、番組本編より音量が大きめである傾向がある。
【0036】
6)CMの放送モードは、ステレオモードであることが多い。
【0037】
7)CM区間では、複数のCMが連続して放送されることが多い。
【0038】
8)CM期間中は、映像カットの切り替わり頻度が高いことが多い。
【0039】
9)逆に、CM期間中であっても、カットの切り替わり頻度が極端に低いものがある(例えば静止画によるCMなど)。
【0040】
10)番組本編とCMとの境界や、あるCMと他のCMの境界では、音質が大きく変化することが多い。
【0041】
11)CMは、音声と音楽を同時に含むことが多い。
【0042】
12)番組編成上、毎時丁度の時刻近辺では、CMが放送される確率が高い。
【0043】
13)同様に、毎時30分付近でもCMが放送される確率が高い。
【0044】
14)番組のジャンルによってCMが放送される確率の高い時間帯がある(例えばサッカー中継のハーフタイムなど)。
【0045】
15)CM期間中には、商品名や企業名などを表す文字やロゴ、マーク等が表示される場合が多い。
【0046】
16)商品名等を表す文字は、視聴者に強い印象を与えるため、画面の中央に表示されることが多い。
【0047】
17)企業名等を表す文字は、企業や団体の統一感を与えるために、CMの初めの方と、後の方に表示されることが多い。
【0048】
本発明では、以下、これらの特徴に基づく条件を「付加条件」と称することにする。すなわち、当該付加条件は、CMが、規格に基づいて製作されるという制約、短い時間で宣伝効果を上げるためのものであるという制約、及び、番組構成上の都合などによる制約の元で製作された結果として、TV放送信号上に現れてくることによる条件である。したがって、この付加条件は、決定論的な取り扱いができるほど確実な条件ではないものの、CMである可能性(CMらしさ)を評価する際の有効な条件となる。本発明は、上記の15)乃至17)を付加条件とすることに特徴がある。
【0049】
さらに、TV放送においては、同時に同じチャンネルで複数の映像及び音声が放送されることは物理的にありえないという特徴がある。すなわち、TV放送信号からCMであろうと思われる信号部分(CM候補)を検出しようとする場合において、例えば、TV放送信号中に、上記付加条件を満たす複数の映像及び音声区間がオーバーラップして存在し、何らかの処理の結果、当該オーバーラップ区間でCM候補が検出されたとしても、そのオーバーラップしている複数の映像及び音声内の少なくともどちらかの区間は、正しいCM区間ではあり得ない。本発明では、TV放送におけるこのような特徴に基づく条件を、「論理条件」と称することにする。
【0050】
本発明では、以上説明した「必須条件」、「論理条件」、「付加条件」を合理的かつ効果的に利用することにより、TV放送信号から高精度でCM部分を検出可能としている。
【0051】
より具体的に言うと、本発明では、「必須条件」に基づき、決定論的にTV放送信号中からCM候補(CMであろうと思われる信号部分)を抽出し、「付加条件」に基づくCMらしさ(CMである可能性)の統計論的な評価によってCM候補を選択し、「論理条件」によりCM候補のオーバーラップ関係を解消することにより、精度の高いCM検出を実現するものである。
【0052】
図1には、上述のようにTV放送信号からCMを検出可能とした、本発明の実施の形態としての映像音声記録装置の概略構成を示す。
【0053】
図1において、アンテナ6により受信されたTV放送信号は、チューナ1により同調され、放送信号1aとして復調器2に入力する。
【0054】
復調器2は、入力された放送信号1aに含まれるパイロット信号の変調周波数から、その入力時点での放送モード(モノラルモード/ステレオモード/音声多重モード)を判別し、また、放送信号1aに含まれる映像及び音声の変調信号を復調する。このとき、音声変調信号は、上記判別した放送モードに応じて復調される。当該復調器2により復調された映像信号2a、音声信号2b、及び放送モード信号2cは、CM検出部4に入力される。また、映像信号2aおよび音声信号2bは、映像音声記録部5にも入力される。
【0055】
映像音声記録部5は、磁気テープ、磁気ディスク、光ディスク若しくは光磁気ディスク等を記録媒体として用い、上記映像信号2a及び音声信号2bを記録再生可能な装置である。なお、映像音声記録部5は、映像信号及び音声信号に対して符号化や圧縮などを施して記録し、再生時にはその符号化や圧縮された映像信号及び音声信号を復号化、伸張する装置であってもよい。
【0056】
時計部3は、時刻を表す時間信号3aを発生し、当該時間信号3aをCM検出部4に供給する。
【0057】
CM検出部4は、詳細については後述するが、上記復調器2からの映像信号2a、音声信号2b、および放送モード信号2c、並びに時計部3からの時間信号3aを入力とし、放送信号1aの映像及び音声信号に含まれるCM区間を検出し、その開始時刻と長さをCM検出出力4aとして出力する。当該CM検出部4によるCM検出出力4aは、映像音声記録部5に送られ、上記映像信号2a及び音声信号2bと共に記録される。
【0058】
また、このCM検出部4には、チューナ1から、上記同調された放送チャンネルを示すチャンネル情報1bも供給される。当該チャンネル情報1bは、CMが含まれない放送チャンネルが指定されたか否かを、CM検出部4において判断する為に用いられる。すなわち、CM検出部4は、上記チャンネル情報1bにより、上記チューナ1において明らかにCMが放送されない放送チャンネルの指定がなされていると判断した場合、上記CM検出動作を行わないようにする。なお、ここでは、CM検出部4自身がチャンネル情報1bに基づいてCM検出動作を行うか否か判断することとしているが、チューナ1がチャンネル情報1bによりCM検出部4でのCM検出動作を制御するようにしても良い。
【0059】
以上、チューナ1、復調器2、時計部3、映像音声記録部5に示した各構成要素は、現在広く知られているビデオ装置などの磁気記録再生装置のものと同様であるため、以下では、CM検出部4に限って詳細に説明する。
【0060】
図2は、上記CM検出部4の構成例を示す。なお、この図2中の各信号のうち、図1と共通の信号については、図1と同じ指示符号を付している。また、当該CM検出部4は、大別して、フロントエンド部とバックエンド部とから構成されている。また、図中の動作制御部24は、チューナ1から供給された上記チャンネル情報1bに基づいて、上記チューナ1において明らかにCMが放送されない放送チャンネルの指定がなされているか否かを判断し、その判断結果に応じて、当該図2の各部におけるCM検出動作を行わないように制御するものである。
【0061】
先ず、フロントエンド部から説明する。この図2において、図1の復調器2より供給された映像信号2aは、A/D変換器10にてディジタル化され、フレームメモリ11に蓄えられる。なお、フレームメモリ11は、少なくとも2フレーム分の映像信号を蓄積可能なメモリである。当該フレームメモリ11からフレーム毎に読み出された映像信号は、文字検出器12およびカットチェンジ検出器13に送られる。
【0062】
文字検出器12は、フレームメモリ11より供給されるフレーム毎の映像信号に基づいて、フレーム中に文字が含まれているか否かを判定するとともに、文字が含まれている場合、それがフレームの中央に位置しているか否かをさらに判定する。文字検出器12は、それらの判定結果に基づいて、式(1)のような離散化数値M[n]を決定する。
【0063】
【数1】
【0064】
すなわち、第nフレーム中に文字が含まれていない場合、離散化数値M[n]は0となる。一方、第nフレーム中に文字が含まれており、かつ、それがフレームの中央に位置する場合、離散化数値M[n]は2となり、中央以外に位置する場合(周辺に位置する場合)、数値M[n]は1となる。
【0065】
ここで、文字検出器12の動作を、図3のフローチャートを参照して説明する。なお、ここでは、文字パターンは、多くの線分により構成されていることから、多くの線分を含む領域を文字領域とすることでフレーム上の文字が検出される。
【0066】
ステップS1において、文字検出器12は、フレームメモリ11に蓄えられた時間的に隣接する、第nフレーム、および第nフレームに対して時間的に1フレーム前の第n−1フレームを読み出す。ステップS2において、文字検出器12は、ステップS1で読み出した隣接する2つのフレームに対して、微分法によるエッジ処理を施し、2つのエッジ画像を生成し、それらを2値化する。
【0067】
次に、ステップS3において、文字検出器12は、ステップS2で2値化されたそれぞれのエッジ画像間でAND演算を行って、動き部分を消去し、静止部分についてのエッジ画像を生成する。
【0068】
ステップS4において、文字検出器12は、ステップS3で生成した静止エッジ画像を、P個の小領域に分割するとともに、各小領域に、図4に示すように番号p(p=1、2,・・・P)を割り当てる。図4の例の場合、小領域には、反時計回転方向、かつフレームの周辺から中心に向う順番で番号が割り当てられるので、フレームの中央に位置する小領域には大きい番号が割り当てられる。
【0069】
次に、ステップS5において、文字検出器12は、小領域の番号を示すカウンタpの値を1に初期化する。ステップS6において、文字検出器12は、カウンタpの値の番号を有する小領域p内のエッジ線分の密度を算出する。なお、線分密度は、2値化画像の白黒比により求められる。
【0070】
次に、ステップS7において、文字検出器12は、ステップS6で算出した線分密度が、所定の閾値以上であるか否かを判定し、それ以上であると判定した場合、ステップS8に進み、小領域pは文字領域であると判定する。一方、ステップS7で、閾値より小さいと判定された場合、ステップS9に進み、小領域pは文字領域ではないと判定される。
【0071】
ステップS8またはステップS9で、小領域pが文字領域である、または文字領域ではないと判定されたとき、ステップS10に進み、文字検出器12は、カウンタpの値が、小領域の数Pより大きいか否かを判定し、それより大きくはないと判定した場合(それ以下である場合)、ステップS11に進み、カウンタpの値を1だけインクリメントして、ステップS6に戻り、次の小領域に対して、それ以降の処理を実行する。
【0072】
ステップS10で、カウンタpの値が小領域の数Pより大きいと判定された場合、すなわち、すべての少領域について文字領域であるか否かが判定されたとき、ステップS12に進み、文字検出器12は、ステップS8で文字領域であると判定された少領域が、所定の数以上あるか否かを判定し、それ以上あると判定した場合、第nフレームには文字が含まれるとし、ステップS13に進む。
【0073】
ステップS13において、文字検出器12は、文字領域であると判定された小領域の群(文字)が、フレームの中央に位置するか否かを判定する。
【0074】
例えば、図4の例では、小領域に割り当たられた番号は、フレームの周辺から中央に向かって大きくなっている。そこでこの場合、文字検出器12は、文字領域とされた小領域の番号を検出し、その番号が所定の番号より大きいか否かを判定することで、フレーム中の文字が中央に位置するか否かを判定することができる。
【0075】
ステップS13で、文字領域とされた小領域の群(文字)は、フレームの中央に位置すると判定された場合、ステップS14に進み、文字検出器12は、離散化数値M[n]を値2とする。一方、ステップS13で、文字領域とされた少領域の群が、フレームの中央に位置しないと判定された場合、ステップS15に進み、文字検出器12は、離散化数値M[n]を値1とする。
【0076】
ステップS12で、ステップS8で文字領域であると判定された小領域が、所定の数以上ないと判定された場合、ステップS16に進み、文字検出器12は、第nフレームには文字が含まれていないとし、離散化数値M[n]を値0とする。
【0077】
ステップS14,15,16で、離散化数値M[n]が決定されたとき、ステップS1に戻り、次にフレームに対して同様の処理が行われる。
【0078】
なお、ここでは、線分密度を利用して文字領域を検出したが、例えば、「画像処理アルゴリズムの最新動向」(新技術コミュニケーションズ,1987)に紹介されている他の方法などを利用することもできる。
【0079】
文字検出器12の出力である離散化数値M[n]は、TV送信信号の特徴量の一つとして特徴量バッファ19へ送られる。
【0080】
図2に戻り、カットチェンジ検出器13は、フレームメモリ11より供給されたフレーム毎の映像信号に基づいて、映像が急激に変化するフレーム(以下、映像変化フレームと呼ぶ)と、輝度が一様となるフレーム(以下、一様輝度フレームと呼ぶ)を検出する。
【0081】
すなわち、カットチェンジ検出器13は、フレームメモリ11に蓄えられた時間的に隣接する2つのフレーム映像間で、各画素毎に輝度の差分の自乗和を求め、当該自乗和が所定の閾値を越えた場合に、上記隣接する2つのフレームのうちの時間的に後のフレームを、上記映像が急激に変化する映像変化フレームとして検出する。また、カットチェンジ検出器13は、フレームメモリ11に蓄えられた各フレーム映像の輝度の分散を求め、その輝度の分散値が所定の閾値以下である場合に、そのフレームを一様輝度フレームであるとして検出する。なお、フレームの間隔(NTSC方式では約30ms)が、後述する音声信号処理において説明するフレーム周期と一致しない場合には、当該フレーム間隔を再離散化することによって、フレーム周期と一致させておくようにする。
【0082】
以下、当該カットチェンジ検出器13における映像変化フレームと一様輝度フレームの検出について、より具体的に説明する。
【0083】
ここで、離散化された映像信号の横サイズをX、縦サイズをY、縦横の画素番号をx,yとし、第nフレームの映像をIn(x,y)、当該第nフレームに対して時間的に1フレーム前の第n−1フレームの映像をIn-1(x,y)として表わすと、第nフレームと第n−1フレームの間の各画素毎の輝度差分の自乗和D[n]は、式(2)により得られ、また、第nフレームの輝度分散値V[n]は、式(3)により得られる。
【0084】
【数2】
【0085】
また、このときのカットチェンジ検出器13の検出出力C[n]は、式(4)により表わされる。
【0086】
【数3】
【0087】
ただし、式中のDthsdは上記映像変化フレームを検出する際の自乗和に対する所定の閾値であり、Vthsdは上記一様輝度フレームを検出する際の輝度の分散値に対する所定の閾値である。
【0088】
当該カットチェンジ検出器13の検出出力C[n]は、映像信号についての特徴量として特徴量バッファ19へ送られる。
【0089】
なお、上記の2つのフレーム映像間で輝度差分を求める際には、2フレーム分の映像信号を蓄積可能なメモリが必要となり、また、2フレーム分の映像信号に対する演算量も必要となる。そこで、例えばフレーム映像全面を同時に処理する代わりに、フレーム映像を適切な小ブロック毎に分け、その小ブロック毎に輝度差分を求めるようにしたり、或いは、フレーム映像間の画素毎に輝度差分を求めるのではなく、フレーム映像毎に輝度ヒストグラムを求めて、その輝度ヒストグラムのフレーム間差分を求めるようにしたり、又は、フレーム映像毎に平均輝度を求めて、その平均輝度のフレーム間差分を求めるようにするで、メモリ容量や演算量を減らすことも可能である。逆に、メモリや演算量に余裕がある場合には、例えば、カラー映像におけるR(赤),G(緑),B(青)成分のようなカラー成分毎に、上記輝度差分やカラーヒストグラム差分を求めることで、より検出精度を高めることも可能である。
【0090】
図2に戻り、図1の復調器2より供給された音声信号2bは、A/D変換器14にてディジタル化され、音声信号バッファ15に蓄えられる。なお、音声信号バッファ15は、少なくとも所定時間T1(例えば30ms、以下、これを1フレーム長とする)分の左(L)右(R)2チャンネルのステレオ音声信号を蓄積可能なメモリである。当該音声信号バッファ15から読み出された音声信号は、振幅検出器16、相関検出器17、およびスペクトル検出器18に送られる。
【0091】
振幅検出器16は、音声信号バッファ15に蓄えられた音声信号を用いて、所定の時間T2(例えば15ms、以下、これを1フレーム周期とする)毎の短時間平均自乗振幅を検出する。すなわち、振幅検出器16は、音声信号バッファ15に左右2チャンネルのステレオ音声信号が蓄積されている場合、当該音声信号バッファ15より読み出された左右2チャンネルのステレオ音声信号SL[m],SR[m]から、所定の時間T2(15ms、1フレーム周期)毎に、短時間平均自乗振幅を検出する。なお、上記m(m=0,・・・,M−1)は、離散化された時間を表わすバッファ内のサンプル番号であり、最大番号Mが1フレーム長T1に対応する。
【0092】
より具体的に説明すると、振幅検出器16は、第nフレームにおける左右2チャンネルの音声信号の平均自乗振幅A[n]を式(5)により計算する。すなわち、平均自乗振幅は15ms(1/2フレーム)毎に計算され、その15ms毎の平均自乗振幅の30ms(1フレーム)の期間における平均値がさらに演算され、最終的な、1フレームの平均自乗振幅とされる。
【0093】
【数4】
【0094】
当該振幅検出器16の検出出力である平均自乗振幅A[n]は、音声信号についての特徴量の一つとして特徴量バッファ19へ送られる。
【0095】
相関検出器17は、音声信号バッファ15に蓄えられた音声信号を用いて、1フレーム毎の音声信号について規格化前の相関係数を検出すると共に、後段にて行われる規格化のための短時間エネルギーも同時に検出する。すなわち、相関検出器17は、音声信号バッファ15に左右2チャンネルのステレオ音声信号が蓄積されている場合、当該音声信号バッファ15より読み出された左右2チャンネルのステレオ音声信号SL[m],SR[m]から、1フレーム毎の左右2チャンネルの音声信号について規格化前の相関係数を検出すると共に、後段にて行われる規格化のための短時間エネルギーも同時に検出する。
【0096】
より具体的に説明すると、相関検出器17は、第nフレームにおける左右2チャンネルの音声信号の相関係数ALR[n]を式(6)により計算し、左チャンネルの音声信号エネルギーALL[n]を式(7)により計算し、そして右チャンネルの音声信号エネルギーARR[n]を式(8)により計算する。
【0097】
【数5】
【0098】
当該相関検出器17の検出出力である相関係数ALR[n]と音声信号エネルギーALL[n],ARR[n]は、それぞれが音声信号についての特徴量の一つとして特徴量バッファ19へ送られる。
【0099】
スペクトル検出器18は、音声信号バッファ15に蓄えられた音声信号を用いて、短時間スペクトルを計算する。すなわち、スペクトル検出器18は、音声信号バッファ15に左右2チャンネルのステレオ音声信号が蓄積されている場合、当該音声信号バッファ15より読み出された左右2チャンネルのステレオ音声信号SL[m],SR[m]から、短時間スペクトルを計算する。
【0100】
より具体的に説明すると、スペクトル検出器18は、第nフレームにおける左右2チャンネルの音声信号の離散スペクトルF[k;n]を求める。なお、k=0,・・・,K−1を離散化された周波数を表わす番号とすると、離散スペクトルF[k;n]は式(9)により表わされる。
【0101】
【数6】
【0102】
この式(9)の演算は、例えば、高速フーリエ変換(FFT)又は線形予測分析(LPC)などを用いて実現される。
【0103】
当該スペクトル検出器18の計算出力である短時間離散スペクトルF[k;n]は、音声信号についての特徴量の一つとして特徴量バッファ19へ送られる。
【0104】
次に、図1の復調器2より供給された放送モード信号2cは、上述した音声信号処理のフレームに合わせて離散化された数値となされる。
【0105】
より具体的に説明すると、第nフレームにおける放送モード信号2cは、例えば式(10)のような数値B[n]となされる。
【0106】
【数7】
【0107】
この放送モード信号2cを離散化した数値B[n]は、TV放送信号の特徴量の一つとして特徴量バッファ19へ送られる。
【0108】
同様に、図1の時計部3より供給された時間信号3aも、音声信号処理のフレームに合わせて離散化された数値T[n]となされ、特徴量の一つとして特徴量バッファ19へ送られる。
【0109】
特徴量バッファ19は、上記文字検出器12からの離散化数値M[n]、カットチェンジ検出器13からの検出出力C[n]、振幅検出器16からの平均自乗振幅A[n]、相関検出器17からの相関係数ALR[n]および音声信号エネルギーALL[n],ARR[n]、スペクトル検出器18からの短時間離散スペクトルF[k;n]、放送モード信号2cの離散化数値B[n]、並びに時間信号3aの離散化数値T[n]とからなる、式(10)に示される特徴量G[n]を、所定の時間T3に渡って蓄積する。なお、時間T3はCM部分を最低でも1つ以上に渡って記憶できる時間であり、例えば80秒などとする。
G[n]={M[n],C[n],A[n],ALR[n],ALL[n],ARR[n],F[k;n],B[n],T[n]} (10)
【0110】
以上のA/D変換器10乃至特徴量バッファ19までが、図2に示したCM検出部4のフロントエンド部の構成であり、以下、図5、図6のフローチャートを用いて当該フロントエンド部における処理の流れを説明する。なお、図5のステップS30乃至S33までは映像信号2aについての処理の流れを表しており、図6のステップS34乃至S41までは音声信号2b及び放送モード信号2c、時間信号3aについての処理の流れを表している。
【0111】
先ず、映像信号2aについての処理の流れを表す図5において、フロントエンド部は、ステップS30の処理として、A/D変換器10によりディジタル化された、少なくとも1フレーム分の映像信号2aをフレームメモリ11に蓄える。このフレームメモリ11は、1フレーム分の映像信号2aを1サンプルとして扱うようになされており、1フレーム分の映像信号2aが入力されると、当該フレームメモリ11内に既に蓄積されている映像信号2aが1フレーム分シフトし、最も時間的に過去に入力された1フレームの映像信号2aが押し出されて出力されるようになっている。
【0112】
次に、フロントエンド部は、ステップS31の処理として、フレームメモリ11から映像信号2aを読み出して文字検出器12に送り、前述のようにして離散化数値M[n]を求める。
【0113】
フロントエンド部は、ステップS32の処理として、フレームメモリ11から映像信号2aを読み出してカットチェンジ検出器13に送り、前述のようにして検出出力C[n]を求める。
【0114】
その後、フロントエンド部は、ステップS33の処理として、離散化数値M[n]および検出出力C[n]を特徴量バッファ19に蓄える。
【0115】
一方、音声信号2bについての処理の流れを表す図6において、フロントエンド部は、ステップS34及びステップS35の処理として、A/D変換器14によりディジタル化された、音声信号2bを音声信号バッファ15に入力すると共に、当該音声信号バッファ15に少なくとも1フレーム周期T2分の音声信号2bを蓄積する。この音声信号バッファ15は、1フレーム周期T2分の音声信号2bを1サンプルとして扱うようになされており、1フレーム周期T2分の音声信号2bが入力されると、当該音声信号バッファ15内に既に蓄積されている音声信号2bが1フレーム周期T2分だけシフトし、最も時間的に過去に入力された1フレーム周期T2分の音声信号2bが押し出されて出力されるようになっている。
【0116】
上記音声信号バッファ15に少なくとも1フレーム周期T2分の音声信号2bが蓄積されると、フロントエンド部は、ステップS36の処理として、当該音声信号バッファ15に蓄積された音声信号2bを読み出して振幅検出器16に送り、前述のようにして、平均自乗振幅A[n]を求める。
【0117】
同時に、フロントエンド部は、ステップS37の処理として、音声信号バッファ15に蓄積された音声信号2bを相関検出器17に送り、前述のようにして、相関係数ALR[n]と音声信号エネルギーALL[n],ARR[n]を求める。
【0118】
また同時に、フロントエンド部は、ステップS38の処理として、音声信号バッファ15に蓄積された音声信号2bをスペクトル検出器18に送り、前述のようにして、短時間離散スペクトルF[k;n]を求める。
【0119】
さらに、フロントエンド部は、ステップS39の処理として、図1の復調器2より供給された放送モード信号2cから、前述のように離散化した数値B[n]を求めると共に、ステップS40の処理として、図1の時計部3より供給された時間信号3aから、前述のように離散化された数値T[n]を求める。
【0120】
その後、フロントエンド部は、ステップS41の処理として、振幅検出器16からの平均自乗振幅A[n]、相関検出器17からの相関係数ALR[n]および音声信号エネルギーALL[n],ARR[n]、スペクトル検出器18からの短時間離散スペクトルF[k;n]、放送モード信号2cの離散化数値B[n]、並びに時間信号3aの離散化数値T[n]を、特徴量バッファ19に蓄積する。すなわち、特徴量バッファ19には、ステップS33とステップS41の処理により、特徴量G[n]が蓄積される。
【0121】
図2に戻り、バックエンド部の説明を行う。なお、以下の説明において、番号nは、特徴量バッファ19内にフレーム毎に蓄積される特徴量の、各フレーム番号を表わすものとする。また、最新のフレームの特徴量をG[0]とし、過去のフレームの特徴量となるにしたがってnの値が増加し、新たなフレームの特徴量が入力された場合には、全てのデータが1ずつシフト(フレーム番号が1ずつシフト)するものとする。
【0122】
図2において、特徴量バッファ19に蓄積された特徴量は、フレーム毎にCM候補検出器20に送られる。
【0123】
当該CM候補検出器20は、ほぼ全てのCMが満たす、前述した「必須条件」に基づき、フレーム毎にCM区間の候補を算出する。ここで、必須条件とは、前述したように、CMの音声信号が「小音量」であること、すなわち音声信号の音量が所定の閾値以下となっているフレーム(以下、音量条件と呼ぶ)であり、且つ、CMの「映像切り替わり」があること、すなわち映像信号が急激に変換するフレーム又は一様な輝度となるフレーム(以下、映像条件と呼ぶ)であり、さらに、「規定時間長(少数種類の時間長)」であること、すなわち上記音量条件と映像条件を満たす2つのフレームの間隔が所定のCM長と合致する区間(以下、時間条件と呼ぶ)となるような条件であり、具体的には、前述の特徴量を用いて、以下のような式(11)で且つ式(12)で且つ式(13)の条件として書き下すことができる。
【0124】
A[0]<Athsd (11)
C[0]=1 (12)
A[n1]<Athsd,C[n1]=1又はA[n2]<Athsd,C[n2]=1又は
A[n3]<Athsd,C[n3]=1 (13)
【0125】
ただし、Athsdは所定の自乗振幅の閾値であり、n1,n2,n3はそれぞれCM長として規定されている時間長(本実施の形態では、一例として15秒、30秒、60秒の3種類の時間長がある場合を説明に用いている)を、フレーム周期単位に換算した数である。なお、CMの実際の放送時間には誤差があるため、実用上は、n1,n2,n3にはそれぞれ多少の幅を持たせる。
【0126】
ここで、図7を用いて、上記CM候補検出器20の動作を説明する。
【0127】
図7において、特徴量バッファ19では、ステップS50のバッファシフト処理とステップS51の特徴量入力処理として、図5のステップS30で説明したフレームメモリと図6のステップS34で説明した音声信号バッファと同様に、1フレーム単位の入力、シフト及び出力の動作を行うようになされている。すなわち、特徴量バッファ19は、1フレーム分の特徴量を1サンプルとして扱うようになされており、1フレーム分の特徴量が入力されると、当該特徴量バッファ19内に既に蓄積されている特徴量が1フレーム分だけシフトし、最も時間的に過去に入力された1フレーム分の特徴量が押し出されて出力されるようになっている。
【0128】
上記ステップS50およびステップS51の処理により、特徴量バッファ19から1フレーム(1サンプル)分の特徴量が入力されると、CM候補検出器20は、ステップS52およびステップS53の処理として、1フレーム(サンプル)に特徴量が上記必須条件の音量条件、映像条件、時間条件を満たすか否かの評価を行う。
【0129】
すなわち、CM候補検出器20は、ステップS52において、先ず最初のフレームの平均自乗振幅A[0]と所定の自乗振幅の閾値Athsdを比較し、次に、ステップS53の処理として、検出出力C[0]が1となるか否か調べることにより、当該フレームが上記必須条件である音量条件、映像条件、時間条件を満たすか否かの判定を行う。CM候補検出器20では、これらステップS52,S53の判定処理の結果、上記平均自乗振幅A[0]が所定の自乗振幅の閾値Athsdを超えず、且つ、上記必須条件を満たしていると判定した場合、当該フレームをCM候補としてステップS57以降(ステップS54乃至S56については後述する)の処理に進み、逆に、上記平均自乗振幅A[0]が所定の自乗振幅の閾値Athsdを超えたか、或いは上記必須条件を満たしていないと判定した場合、当該フレームがCM候補にはならないとしてステップS50の処理に戻る。
【0130】
上記ステップS52,S53の各判定処理の結果、上記平均自乗振幅A[0]が所定の自乗振幅の閾値Athsdを超えず、且つ、上記必須条件を満たしていると判定された場合、CM候補検出器20は、ステップS57の処理としてCM開始フレームnsを検索し、次に、ステップS58の処理としてCM終了フレームneの検索を行い、更に、ステップS59の処理としてCM開始時刻Tsを計算し、ステップS60としてCM長さWを計算する。
【0131】
CM候補検出器20は、以上のステップS57乃至S60の検索及び計算を行った後、ステップS61において後述するCM候補テーブルを参照し、もし、CM開始時刻Ts及びCM長さTwが一致する候補がすでに当該CM候補テーブル中に存在するならば、そのまま再びステップS54乃至S56の処理に戻り、逆に存在しない場合には、ステップS62において、新たなCM候補としてCM候補テーブルに追加した後、再びステップS54乃至S56の処理に戻る。
【0132】
ステップS54乃至S56では、全ての時間長に対して上述同様の処理を行った後、ステップS50に戻り、次の入力に対して同じ処理を繰り返すことを表している。
【0133】
なお、上記CM開始フレームnsとは、n1,n2,n3で表される各フレームのうち時間条件に合致したフレームから、最新フレームの方向へ向かって、平均自乗振幅A[n]が自乗振幅の閾値Athsdを越える最初のフレーム番号である。また、CM終了フレームneとは、0番目のフレームより過去の方向に向かって、平均自乗振幅A[n]が自乗振幅の閾値Athsdを越えない最後のフレーム番号である。さらにCM開始時刻Tsは、CM開始フレーム番号nsを用いてTs=T[ns]として求められる。同様にCM長さTwは、Tw=T[ne]−T[ns]として求められる。
【0134】
ここで、図8に、上記必須条件の算出例を示す。この図8に示すA[n]の項において、「o」は自乗振幅の閾値Athsd未満の平均自乗振幅を持つフレームを示し、「x」は自乗振幅の閾値Athsd以上の平均自乗振幅を持つフレームを示している。この例では、A[0],C[0]及びA[n1],C[n1]が条件を満たし、n1より左方で最初にA[n]=xとなるフレームがns、0より右方に連続する最後のA[n]=oとなるフレームがneとなる。
【0135】
以上の処理により、CM候補検出器20では、1フレーム(1サンプル)の特徴量が入力される毎にCM候補の検出を行い、CM候補が検出された場合にはCM候補テーブルにエントリーする。
【0136】
図9には、CM候補テーブルの構成例を示す。この図9において、CM候補テーブルの項目は、開始時刻Ts、長さTw、及び後述する付加条件算出器21で算出する特徴量Q1乃至Q14、及び後述する付加条件判定器22で算出するスコアRとスコア判定結果Zからなる。CM候補検出器20によるCM候補テーブル20aの段階では、開始時刻Ts、長さTwのみが記述される。このように、CM候補テーブルは、CM候補検出器20で得られるCM開始時刻Ts、長さTwと、付加条件算出器21で算出される特徴量Q1乃至Q14と、付加条件判定器22で算出されるスコアR及びスコア判定結果Zとを記述し、それら特徴量を管理するための表である。また、CM候補テーブルは、そのエントリーがCMであるかないかの判定を受けるまで保持され、CMであると判断された場合には、後述するルール判定器23からCM検出出力4aとして出力され、CMでないと判断された場合には破棄される。
【0137】
上記CM候補検出器20により開始時刻Ts、長さTwのみが記述されたCM候補テーブル20aは、付加条件算出器21に送られる。
【0138】
付加条件算出器21では、CM候補テーブル20aにエントリーされた候補区間より、特徴量バッファ19を参照しながら、以下に示すような特徴量Q1乃至Q14を抽出し、それをCM候補テーブル20aに追加記述し、CM候補テーブル21aとして付加条件判定器22に出力する。
【0139】
図10には、当該付加条件算出器21における特徴量Q1乃至Q11の算出例を示す。
【0140】
この図10において、横軸はフレーム番号(離散時間に相当)を表し、図10(A)はカットチェンジ検出出力C[n]、図10(B)は放送モード信号2cの離散化数値B[n]、図10(C)は音声信号の短時間離散スペクトルS[k,n]、図10(D)は音声信号の平均自乗振幅A[n]を表わし、n1の間隔(図中点線で挟まれた区間)がCM候補である。なお、図10(A)において、図中CTで示す位置はカットチェンジ検出出力C[n]が1となっている位置(すなわちカットチェンジが検出された位置)を示している。また、図10(B)において、図中Mで示す区間はその区間が何らかの放送モードとなっていることを示している。図10の(C)において、図中S1,S2,S3,S4は何らかのスペクトル成分が存在することを示し、図10(D)において、図中AMは自乗振幅の変化を表している。また、図中Q1乃至Q11は、上記付加条件算出器21にて特徴量Q1乃至Q11が計算される場所を示している。
【0141】
以下、付加条件算出器21で算出される各特徴量Q1乃至Q14について個々に説明する。
【0142】
特徴量Q1は、前ブレーク長である。当該前ブレーク長とは、CM候補区間直前の小音量区間(前ブレーク区間と称する)、すなわち連続してA[n]が所定の閾値Athsd以下である時間長であり、図10中の一点鎖線で挟まれた区間長BBが前ブレーク長Q1である。
【0143】
特徴量Q2は、後ブレーク長である。当該後ブレーク長とは、CM候補区間直後の小音量区間(後ブレーク区間と称する)、すなわち連続してA[n]が所定の閾値Athsd以下である時間長であり、図10中の一点鎖線で挟まれた区間長ABが後ブレーク長Q2である。
【0144】
特徴量Q3は、前ブレーク最小振幅である。当該前ブレーク最小振幅Q3は、の前ブレーク区間におけるA[n]の最小値である。
【0145】
特徴量Q4は、後ブレーク最小振幅である。当該後ブレーク最小振幅Q4は、の後ブレーク区間におけるA[n]の最小値である。
【0146】
特徴量Q5は、左右相関値である。当該左右相関値Q5は、CM候補区間の音声の左右2チャンネルの音声信号SL[m],SR[m]の相関値である。これは、式(6)乃至式(8)のALR[n],ALL[n],ARR[n]を利用して、式(15)に従って算出することができる。
【0147】
【数8】
【0148】
この式(15)の演算では、フレームのオーバーラップにより原波形が部分的に複数回加算されることになるが、そのことはこのシステムに実質的な影響は及ぼさない。また、原波形をそのまま保持できるだけのメモリ容量及び処理速度がある場合には、この演算は原波形の相互相関と置き換えることもできる。
【0149】
特徴量Q6は、平均振幅値である。当該平均振幅値Q6は、CM候補区間の音声信号の振幅のRMS値(平均自乗振幅)である。これは、式(16)により計算することができる。
【0150】
【数9】
【0151】
この式(16)の演算では、上記左右相関演算の場合と同様に、フレームのオーバーラップ次第では原波形が部分的に複数回加算されることになるが、そのことは実質的な影響を及ぼさない。また、原波形をそのまま保持できるだけのメモリ容量及び処理速度がある場合には、この演算は原波形のRMS演算と置き換えることもできる。
【0152】
特徴量Q7は、カット数である。当該カット数Q7は、CM候補区間中に存在するカットチェンジの回数(上記CTの数)を数える演算となる。すなわちこれは、[ns,ne]の区間でC[n]=1となる回数を数える演算となる。
【0153】
特徴量Q8は、放送モードである。ここでの放送モードは、CM候補区間中で最も支配的な放送モードのことである。これは、[ns,ne]の区間のB[n]値の中で、最も頻発する放送モードQ8を選ぶ演算である。
【0154】
特徴量Q9は、隣接候補数である。当該隣接候補数Q9は、あるCM候補に対して、その前後にある有音区間もCM候補であるかどうかを表わし、両側ともCM候補であれば「2」、片側のみCM候補であれば「1」、どちらもCM候補でなければ「0」の値をとる。この演算は、CM候補テーブルを検索することで行われ、開始時刻Tsと長さTwと後ブレーク長Q2の和(Ts+Tw+Q2)が、他のCM候補の開始時刻(T's)と一致するかどうかで後側候補の判定が行われる。同様に、開始時刻Tsと前ブレーク長Q1の差(Ts−Q1)が、他のCM候補の開始時刻T'sと長さT'wの和(T's+T'w)と一致するかどうかで、前側候補の判定が行われる。
【0155】
特徴量Q10,Q11はスペクトル差分エネルギーである。当該スペクトル差分エネルギーQ10,Q11は、CMと番組本編やCMと他のCMとの境界での音質変化を定量化するために用いられる。これは、上記境界の両側における平均スペクトルの差の自乗和として定義され、式(17)乃至(22)に従って計算される。
【0156】
【数10】
【0157】
但し、式中のNはスペクトルの平均をとるフレーム数、n'eはCM候補区間の直前の有音区間の終了フレーム番号(図10参照)、n'sはCM候補区間の直後の有音区間の開始フレーム番号、S1[k]はCM候補区間の直前の有音区間の終了直前の平均スペクトラム、S2[k]はCM候補区間開始直後の平均ズクトラム、S3[k]はCM候補区間終了直前の平均スペクトラム、S4[k]はCM候補区間の直後の有音区間の開始直後の平均スペクトラム、Snormは適切な規格化定数である。
【0158】
特徴量Q12は、式(23)に示すように、CM候補区間中に存在するフレーム(フレームNs乃至フレームNe)の離散化数値M[n]に基づく値である。
【0159】
【数11】
【0160】
従って、フレームNs乃至フレームNeの中に、文字が中央に表示される(位置する)フレームが存在する場合、すなわち、離散化数値M[n]が値2のフレームが存在する場合、特徴量Q12は、値2となる。
【0161】
フレームNs乃至フレームNeの中に、文字が中央に位置するフレームは存在しないが、文字が中央以外の部分(周辺)に位置するフレームが存在する場合、すなわち、離散化数値M[n]が値2のフレームは存在しないが、離散化数値M[n]が値1のフレームが存在する場合、特徴量Q12は、値1となる。
【0162】
そしてフレームNs乃至フレームNeの中に、文字を含むフレームが存在しない場合、すなわち、離散化数値M[n]が値1または値2のフレームは存在しない場合(すべてが離散化数値M[n]が値0のフレームである場合)、特徴量Q12は、値0となる。
【0163】
ここで、特徴量Q12を決定する場合の付加条件算出器21の動作を、図11のフローチャートを参照して説明する。
【0164】
ステップS71において、付加条件算出器21は、CM候補区間中のフレームNs乃至フレームNe)の離散化数値M[n]を取得し、ステップS72において、その中に、数値M[n]が値2のフレームが存在するか否かを判定し、存在すると判定した場合、ステップS73に進み、特徴量Q12を値2とする。
【0165】
ステップS72で、数値M[n]が値2のフレームが存在しないと判定された場合、ステップS74に進み、付加条件算出器21は、数値M[n]が値1のフレームが存在するか否かを判定し、存在すると判定した場合、ステップS75に進み、特徴量Q12を値1にする。
【0166】
ステップS74で、数値M[n]が値1のフレームが存在しないと判定された場合、すなわち、結局、数値M[n]が値2,値1のフレームが存在しない場合、ステップS76に進み、付加条件算出器21は、特徴量Q12を値0にする。
【0167】
ステップS73,75,76で特徴量Q12が決定されたとき、処理は終了する。
【0168】
特徴量Q13は、式(24)に示すように、CM候補区間の最初の部分のフレーム(この例の場合、フレームNsが入力されてから1秒間に入力された、フレームNsを含む30個のフレーム)の離散化数値M[n]に基づく値である。
【0169】
【数12】
【0170】
従って、この最初の部分のフレームの中に、文字が中央に位置するフレームが存在する場合、すなわち、離散化数値M[n]が値2のフレームが存在する場合、特徴量Q13は、値2となる。
【0171】
最初の部分のフレームの中に、文字が中央に位置するフレームが存在しないが、文字が周辺に位置するフレームが存在する場合、すなわち、離散化数値M[n]が値2のフレームは存在しないが、離散化数値M[n]が値1のフレームが存在する場合、特徴量Q13は、値1となる。
【0172】
そして最初の部分のフレームの中に、文字を含むフレームが存在しない場合、すなわち、離散化数値M[n]が値1または値2のフレームが存在しない場合(すべてが離散化数値M[n]が値0のフレームである場合)、特徴量Q13は、値0となる。
【0173】
特徴量Q14は、式(25)に示すように、CM候補区間の最後の部分のフレーム(この例の場合、フレームNeが入力される1秒前から入力された、フレームNeを含む30個のフレーム)の離散化数値M[n]に基づく値である。
【0174】
【数13】
【0175】
従って、この最後の部分のフレームの中に、文字が中央に位置するフレームが存在する場合、すなわち、離散化数値M[n]が値2のフレームが存在する場合、特徴量Q14は、値2となる。
【0176】
最後の部分のフレームの中に、文字が中央に位置するフレームが存在しないが、文字が周辺に位置するフレームが存在する場合、すなわち、離散化数値M[n]が値2のフレームは存在しないが、離散化数値M[n]が値1のフレームが存在する場合、特徴量Q14は、値1となる。
【0177】
そして最後の部分のフレームの中に、文字を含むフレームが存在しない場合、すなわち、離散化数値M[n]が値1または値2のフレームが存在しない場合(すべてが離散化数値M[n]が値0のフレームである場合)、特徴量Q14は、値0となる。
【0178】
特徴量Q13,Q14を算出する場合、特徴量Q12を算出する場合における図11のステップS71に相当する処理で、最初の部分のフレームまたは最後の部分のフレームの数値M[n]が取得された後、ステップS72乃至ステップS76に相当する処理が同様に行われる。
【0179】
上記付加条件算出器21は、以上により算出したQ1からQ14までの特徴量を、CM候補テーブル20aに追加記述し、CM候補テーブル21aとして出力する。当該CM候補テーブル21aは、付加条件判定器22に送られる。
【0180】
付加条件判定器22は、CM候補テーブル21aを入力とし、CM候補の特徴量を、閾値関数などにより非線型にパラメータ変換した後、荷重加算することでCM候補に対するスコアRを算出し、Rが所定の閾値以上である場合には有力CM候補と判定する。付加条件判定器22は、これらスコアRとスコア判定結果ZをCM候補テーブル21aに追加記述し、CM候補テーブル22aとして出力する。
【0181】
図12には、付加条件判定器22の概略構成を示す。
【0182】
この図12において、CM候補テーブル21aの各特徴量Q1乃至QLは、それぞれ対応する関数演算器501乃至50Lに送られ、それぞれ対応するパラメータ変換関数H1()乃至HL()による変換演算が施された後、さらにそれぞれ対応する重み付け器511乃至51Lにより荷重W1乃至WLとの積がとられる。各重み付け器511乃至51Lにより重み付けがなされた後の特徴量は、総和加算器52での総和加算によりスコアRが算出される。この総和加算器52から出力されたスコアRは、スコア判定器53にて所定の閾値と比較され、スコアRが所定の閾値以上である場合には有力CM候補である旨を示す判定結果が出力される。なお、スコア判定器53によるスコア判定により所定の閾値未満であると判定されたCM候補は、テーブルから消去される。
【0183】
より具体的に説明すると、当該付加条件判定器22におけるスコア算出演算は、式(26)に従って行われる。
【0184】
【数14】
【0185】
ただし、Hl()は各特徴量に対して予め定めるパラメータ変換関数、Wlは予め決定しておく荷重、そしてLは特徴量数(=14)である。なお、lは1乃至14のうちの任意の数である。
【0186】
ここで、各関数演算器501乃至50Lにおけるパラメータ変換関数Hl()は、最も簡単には矩形関数でよい。すなわち例えば、図13(B)に示すような矩形関数Rect(x;t1,t2)を用い、予め各特徴量について決定しておく標準値の下上限値をt1l,t2lとし、式(27)により例えばQ1が標準値の範囲内ならば1、範囲外ならば0となるようにする。
【0187】
Hl(Ql)=Rect(Ql;t1,t2) (27)
【0188】
なお、境界付近で滑らかに0から1、1から0へ推移させるようにする場合には、例えば式(28)のような、シグモイド関数Sigm(x;t1,t2)を用いることもできる。
【0189】
【数15】
【0190】
図13(C)にシグモイド関数の概形を示す。ただし、σ1l,σ2lは推移の程度を表わす定数であり、予め特徴量の分布などに基づき決定しておく。
【0191】
また、上記各重み付け器511乃至51Lによる加算荷重Wlは、予め特徴量の統計的性質に基づき人為的に決定しておくこともできるが、既知の学習サンプルに対して、ニューラルネットワーク(例えば中川著「パターン情報処理」丸善(1999)などに詳説)の要領で学習することで、自動的に荷重を決定することも可能である。なお、lは1乃至14のうちの任意の数である。
【0192】
さらに、上記判定器53におけるスコア判定は、式(29)のように、スコアRの閾値処理により行う。
【0193】
Z=Unit(R−tr) (29)
【0194】
ただし、Unit(x)は、図13(A)に示すように、x>0で1、x<0で0となる単位ステップ関数であり、trは予め定めるか或いは学習により自動的に決まる判定閾値である。
【0195】
次に、ルール判定器23は、上記付加条件判定器22でのスコア判定により得られたCM候補テーブル22aを入力とし、後述するような所定のルール判定により最終的なCM検出出力4aとしてCM開始時刻と長さを出力する。すなわち、当該ルール判定器23では、同一時刻に複数のCM候補があった場合(以下、競合関係という)に、どちらがよりCMとして確からしいかをルール処理により判定する。
【0196】
以下、ルール判定器23の動作を図14のフローチャートを用いて説明する。
【0197】
先ず、ルール判定器23は、ステップS80として、CM候補テーブルより、判定すべきCM候補を選択する。この選択は、CM候補テーブル中で最古の候補であり、予め設定された時間T4が経過したものから順に行われる。T4は、数個のCMが十分含まれる程度の時間長であり、例えば150秒間とする。
【0198】
続いて、ルール判定器23は、ステップS81として、選択したCM候補の区間中(TsからTs+Twまでの間)に、他のCM候補が存在するかどうか、CM候補テーブル中を検索する。このステップS81において、他のCM候補が存在しないと判定した場合(No)、このCM候補はCM検出出力として出力され、CM候補テーブルより消去される。
【0199】
一方、ステップS81において、他のCM候補が存在すると判定された場合(Yes)、それらは競合関係にあるとして、ステップS82にて先ず最小長さ優先ルールが適用される。ここで、最小長さ優先ルールは、ある時区間が、複数の長さの異なるCM候補の組み合わせにより構成され得る場合、より短いCM候補で構成されている方を優先するというルールである。すなわち、例えば30秒という時区間に対して、1つの30秒CMという可能性と、2つの15秒CMの組み合わせという可能性の、両方が同時に候補として存在する場合には、15秒CMを選択し、30秒CMを棄却するというルールである。
【0200】
図15を用いて、この最小長さ優先ルールの一例を説明する。
【0201】
なおこの例には、図15(A)のように、実際には4つのCM1乃至CM4が連続して放送されている区間に対し、図15(B)中A乃至Hで示すような8つの候補がCM候補テーブルに存在する場合が示されている。
【0202】
先ず、図15(C)に示すように、AのCM候補が判定中であるとすると、この候補Aと競合する候補はEとHである。しかしながら、Eの区間はAとBで記述でき、また、Hの区間はAとBとCとD等で記述できることから、それぞれ棄却され、Aが採用される。続いて、図15(D)に示すように、Bが判定中となったときには、Fが競合相手となる(このとき、E、HはAの判定により棄却済みとなっている)が、Fの区間はBとCで記述できることから棄却され、Bが採用される。同様に、図15(E)に示すように、Cが判定中の場合には、Gが競合相手となるが、Gの区間はCとDで記述されることから棄却され、Cが採用される。最後に、図15(F)に示すように、Dが判定されるときには、すでに競合相手は存在しないので、そもそもこのルールを適用する必要はなく、当該Dがそのまま採用される。
【0203】
以上により、この時区間からは、CM候補としてA,B,C,Dが選択されることとなる。このルールが適用できない競合関係については、そのままCM候補テーブルに残してこの処理を終了する。
【0204】
図14に戻り、ステップS82のルール判定の後、ルール判定器23の処理は、ステップS83に進む。ステップS83に進むと、ルール判定器23は、最小長さ優先ルールを適用した結果、判定中のCMが棄却されたか否か判断する。このステップS83において、判定中のCMが棄却されと判断した場合(Yes)、ルール判定器23は、その候補をCM候補テーブルから消去し、ステップS80に戻る。一方、ステップS83において、判定中のCMが棄却されていないと判断した場合(No)、ルール判定器23は、ステップS84において、再び判定中のCM候補の区間中に他のCM候補が存在するかどうか、テーブル中を検索する。
【0205】
このステップS84において他のCM候補が存在しないと判定した場合(No)、ルール判定器23は、ステップS90において判定中のCM候補をCM検出出力から出力し、CM候補テーブルから消去する。一方、ステップS84にて他のCM候補が存在すると判断した場合(Yes)、ルール判定器23の処理は、ステップS85に進む。
【0206】
ステップS85に進むと、ルール判定器23は、隣接優先ルールを適用する。ここで、隣接優先ルールとは、複数のCM候補が競合関係にある場合、それぞれ直前又は直後に隣接するCM候補を検索し、それが存在する方を優先するというルールである。
【0207】
図16を用いて、当該隣接優先ルールについて説明する。
【0208】
なおこの例には、図16(A)のように、実際には4つのCM11乃至CM14が連続して放送されている区間に対し、図16(B)中I乃至Nで示すような6つの候補が存在する場合が示されている。また、この例の場合、候補M及びNは、偶然CM中にカットチェンジや小音量区間が存在したために候補となっているが、このような候補は、実際には誤った区間であるとはいえ、内容的にはCMを含んでいるため、CMらしさを判定する付加条件のスコア判定によっても、棄却されない場合があるものである。
【0209】
このような例において、先ず、図16(C)に示すように、最古のIが判定される候補となる。当該Iと競合するものとしてMがあるが、Iには隣接する候補Jが存在するのに対し、Mには隣接する候補がないため、Iを採用し、Mを棄却する。次に、図16(D)に示すように、Jが判定される候補となった場合、Jと競合する候補としてNがあるが、Jには隣接する候補I、Kが存在するのに対し、Nには存在しないため、Jが採用されNが棄却される。次に、図16(E),(F)に示すように、残りの候補K、Lには、既に競合する候補がなくなるため、このルールは適用されず、これらK、Lがそのまま採用される。
【0210】
以上により、この図16に例示した区間からは、I,J,K,LがCM候補として選択されることとなる。
【0211】
なお、競合関係の候補のいずれにも隣接候補が無い場合、及び複数の候補にそれぞれ隣接候補がある場合には、それらはどちらも棄却されず、CM候補テーブルに残される。
【0212】
図14に戻り、ステップS85の処理後、ルール判定器23の処理は、ステップS86に進む。ステップS86に進むと、ルール判定器23は、隣接優先ルールを適用の結果、判定中のCMが棄却されたか否か判断する。このステップS86において、判定中のCMが棄却されたと判断した場合(Yes)、ルール判定器23は、その候補をCM候補テーブルから消去し、ステップS80の処理に戻る。一方、ステップS86において棄却されていないと判定された場合(No)、ルール判定器23は、次のステップS87において、再び判定中のCM候補の区間中に、他のCM候補が存在するかどうか、CM候補テーブル中を検索する。
【0213】
このステップS87において、他のCM候補が存在しなと判定された場合(No)、ルール判定器23は、ステップS90において、判定中のCM候補をCM検出出力から出力し、CM候補テーブルから消去する。一方、ステップS87において、他のCM候補が存在すると判定した場合(Yes)、ルール判定器23は、ステップS88において、スコア優先ルールを適用する。ここで、スコア優先ルールとは、上記の各ルールによっても競合関係が解消されない場合、付加条件判定器22により得られた判定スコアRの高い候補を優先するというルールである。このスコア優先ルールは、対象となる競合関係が解消するまで繰り返し適用する。
【0214】
図17を用いて、当該スコア優先ルールについて説明する。
【0215】
なおこの例には、図17(A)のように、実際には4つのCM21乃至CM24が連続して放送されている区間に対し、図17(B)中P乃至Wで示すような7つの候補が存在する場合が示されている。
【0216】
この例において、先ず、図17(C)に示すように、最古のPが判定される候補となるが、この候補PはUと競合関係がある。但し、このときの競合関係は、最小長さ優先ルールによっても、また、隣接優先ルールによっても競合が解消されない。
【0217】
したがって、この場合には、これら競合関係にある候補と関連する全ての競合関係を、CM候補テーブル中から検索する。すなわち、この場合は、(P−U)、(U−Q)、(Q−V)、(V−R)、(R−W)、(W−S)という、7候補に対する6つの競合関係が全て関連しているので、スコア優先ルールでは、これら関連する候補の中で最もスコアの高い候補を採用する。この例の場合、判定スコアR(2.0)が最も高いスコアであるため、図17(D)に示すように、このスコアが採用され、その結果、Rと競合関係にある候補V、Wは棄却される。
【0218】
しかしながら、図17(E)に示すように、これによっても(P−U)の競合関係は解消されていない。したがって、再びこれらと関連する全ての競合関係を、CM候補テーブル中から検索する。今回は、Vが棄却されたことにより、(P−U)、(U−Q)という、3つの候補が関係する2つの競合関係のみとなる。
【0219】
さらに、これらの候補の中で最もスコアの高い候補Q(1.9)を採用し、図17(F)に示すように、Qと競合関係にある候補Uを棄却する。
【0220】
以上によって、Pに関係する競合関係はなくなり、Pが採用される。また、U、V、Wは全て棄却され、Q、R、Sが採用されることとなる。
【0221】
なお、仮に、関連する全ての競合関係を検索せず、対象となる競合関係(この例の場合、P,U)のみでスコア優先ルールを適用すると、先ずUが採用され、Pは棄却される。後にUとQとの競合関係により、一時採用されたUもまた棄却されてしまう。このように、ルール判定器23では、偶然の処理順序により候補Pが棄却されるようなことのないよう、関連競合関係の検索を行っている。
【0222】
以上のスコア優先ルールにより、選択された候補に関する競合関係は必ず解消されることになる。
【0223】
図14に戻り、ステップS88の処理後、ルール判定器23の処理は、ステップS89に進む。ステップS89に進むと、ルール判定器23は、スコア優先ルールを適用の結果、判定中の候補が棄却されたか否か判断する。このステップS89において、判定中の候補が棄却されたと判断した場合(Yes)、ルール判定器23は、その候補をCM候補テーブルより消去し、ステップS80に戻る。一方、ステップS89において、棄却されなかった場合、ルール判定器23は、ステップS90のCM検出出力として、開始時刻とその長さを出力し、CM候補テーブルから消去した後、ステップS80に戻る。
【0224】
なお、本実施の形態では、例えば現行のアナログTV放送の映像音声記録装置を例にとったが、ディジタルTV放送等に適用される場合にも同様のCM検出部4が適用できることは明らかである。また、例えばラジオ放送に適用される場合には、上記CM検出部4から映像信号の処理を担当する部分を省略することで同様の機能が実現できる。
【0225】
上述した一連の処理は、ハードウエアにより実現させることもできるが、ソフトウエアにより実現させることもできる。一連の処理をソフトウエアにより実現する場合には、そのソフトウエアを構成するプログラムがコンピュータにインストールされ、そのプログラムがコンピュータで実行されることより、上述した映像音声記録装置が機能的に実現される。
【0226】
図18は、上述のような映像音声記録装置として機能するコンピュータ101の一実施の形態の構成を示すブロック図である。CPU(Central Processing Unit)111にはバス115を介して入出力インタフェース116が接続されており、CPU111は、入出力インタフェース116を介して、ユーザから、キーボード、マウスなどよりなる入力部118から指令が入力されると、例えば、ROM(Read Only Memory)112、ハードディスク114、またはドライブ120に装着される磁気ディスク131、光ディスク132、光磁気ディスク133、若しくは半導体メモリ134などの記録媒体に格納されているプログラムを、RAM(Random Access Memory)113にロードして実行する。これにより、上述した各種の処理が行われる。さらに、CPU111は、その処理結果を、例えば、入出力インタフェース116を介して、LCD(Liquid Crystal Display)などよりなる出力部117に必要に応じて出力する。なお、プログラムは、ハードディスク114やROM112に予め記憶しておき、コンピュータ101と一体的にユーザに提供したり、磁気ディスク131、光ディスク132、光磁気ディスク133,半導体メモリ134等のパッケージメディアとして提供したり、衛星、ネットワーク等から通信部119を介してハードディスク114に提供することができる。
【0227】
なお、本明細書において、記録媒体により提供されるプログラムを記述するステップは、記載された順序に沿って時系列的に行われる処理はもちろん、必ずしも時系列的に処理されなくとも、並列的あるいは個別に実行される処理をも含むものである。
【0228】
本発明によれば、第1の信号を適切に検出することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用した映像音声記録装置の構成例を表すブロック図である。
【図2】図1のCM検出部の構成例を表すブロック図である。
【図3】文字検出器12の動作を説明するフローチャートである。
【図4】小領域に割り当てられる番号を説明するための図である。
【図5】CM検出部のフロントエンド部における映像信号処理の流れを示すフローチャートである。
【図6】CM検出部のフロントエンド部における音声信号処理の流れを示すフローチャートである。
【図7】CM検出部のCM候補検出器における動作の流れを示すフローチャートである。
【図8】必須条件の算出例の説明に用いる図である。
【図9】CM候補テーブルを示す図である。
【図10】CM検出部の付加条件算出器における特徴量の算出例の説明に用いる図である。
【図11】特徴量Q12を算出する場合の付加条件算出器の動作を説明するフローチャートである。
【図12】付加条件算出器の構成例を示すブロック図である。
【図13】スコア算出演算の際の単位ステップ関数、矩形関数、シグモイド型関数の説明に用いる図である。
【図14】ルール判定器の動作の流れを示すフローチャートである。
【図15】最小長さ優先ルールの説明に用いる図である。
【図16】隣接優先ルールの説明に用いる図である。
【図17】スコア優先ルールの説明に用いる図である。
【図18】コンピュータ101の構成例を示すブロック図である。
【符号の説明】
1 チューナ, 2 復調器, 3 時計部, 4 CM検出器, 5 映像音声記録部, 10,14 A/D変換器, 11 フレームメモリ, 12 文字検出器, 13 カットチェンジ検出器, 15 音声信号バッファ,16振幅検出器, 17 相関検出器, 18 スペクトル検出器, 19 特徴量バッファ, 20 CM候補検出器, 21 付加条件算出器, 22 付加条件判定器, 23 ルール判定器, 24 動作制御部
Claims (5)
- 少なくとも第1の信号の区間とそれ以外の信号の区間とが時分割的に存在する入力信号から、所定の時間間隔を持つ信号の特徴的パターンに基づいて、前記第1の信号の候補区間を検出する候補区間検出手段と、
時間的に隣接する2つのフレームに対して微分法によるエッジ処理を施すことで得られたエッジ画像を2値化し、2値化された2つの前記エッジ画像間で演算処理を行うことで静止部分についての静止エッジ画像を生成し、生成した前記静止エッジ画像を小領域に分割し、前記小領域内のエッジ線分の密度を算出し、算出した前記密度が所定の閾値以上である場合、前記小領域を文字領域とすることで、前記候補区間の信号から、文字を表示する信号を検出する文字検出手段と、
前記小領域には、所定の順に番号が割り当てられており、前記文字検出手段により文字を表示する信号が検出されたとき、前記小領域に割り当てられた番号に基づいて、前記文字の表示位置を検出する文字表示位置検出手段と、
前記文字検出手段による文字検出結果または前記文字表示位置検出手段による文字表示位置検出結果に基づいて、前記第1の信号らしさを表す特徴量を算出する算出手段と、
前記特徴量に基づいて、前記第1の信号の区間を検出する区間検出手段と
を備え、
前記算出手段は、前記文字検出手段により文字を表示する信号が検出されたとき、より大きい前記特徴量を算出し、前記文字表示位置検出手段により画面中央に文字を表示する信号が検出されたとき、さらにより大きい前記特徴量を算出する
信号処理装置。 - 前記文字検出手段により、文字を表示する信号が検出されたとき、前記文字の出現時刻を検出する文字出現時刻検出手段をさらに備え、
前記算出手段は、前記文字出現時刻検出手段により検出された出現時刻が前記候補区間内における前記候補区間の始点または終点付近にあるときにも、さらにより大きい前記特徴量を算出する
請求項1に記載の信号処理装置。 - 少なくとも第1の信号の区間とそれ以外の信号の区間とが時分割的に存在する入力信号から、所定の時間間隔を持つ信号の特徴的パターンに基づいて、前記第1の信号の候補区間を検出する候補区間検出ステップと、
時間的に隣接する2つのフレームに対して微分法によるエッジ処理を施すことで得られたエッジ画像を2値化し、2値化された2つの前記エッジ画像間で演算処理を行うことで静止部分についての静止エッジ画像を生成し、生成した前記静止エッジ画像を小領域に分割し、前記小領域内のエッジ線分の密度を算出し、算出した前記密度が所定の閾値以上である場合、前記小領域を文字領域とすることで、前記候補区間の信号から、文字を表示する信号を検出する文字検出ステップと、
前記小領域には、所定の順に番号が割り当てられており、前記文字検出ステップの処理により文字を表示する信号が検出されたとき、前記小領域に割り当てられた番号に基づいて、前記文字の表示位置を検出する文字表示位置検出ステップと、
前記文字検出ステップの処理による文字検出結果または前記文字表示位置検出ステップの処理による文字表示位置検出結果に基づいて、前記第1の信号らしさを表す特徴量を算出する算出ステップと、
前記特徴量に基づいて、前記第1の信号の区間を検出する区間検出ステップと
を含み、
前記算出ステップでは、前記文字検出ステップの処理により文字を表示する信号が検出されたとき、より大きい前記特徴量を算出し、前記文字表示位置検出ステップの処理により画面中央に文字を表示する信号が検出されたとき、さらにより大きい前記特徴量を算出する
信号処理方法。 - 少なくとも第1の信号の区間とそれ以外の信号の区間とが時分割的に存在する入力信号から、所定の時間間隔を持つ信号の特徴的パターンに基づいて、前記第1の信号の候補区間を検出する候補区間検出ステップと、
時間的に隣接する2つのフレームに対して微分法によるエッジ処理を施すことで得られたエッジ画像を2値化し、2値化された2つの前記エッジ画像間で演算処理を行うことで静止部分についての静止エッジ画像を生成し、生成した前記静止エッジ画像を小領域に分割し、前記小領域内のエッジ線分の密度を算出し、算出した前記密度が所定の閾値以上である場合、前記小領域を文字領域とすることで、前記候補区間の信号から、文字を表示する信号を検出する文字検出ステップと、
前記小領域には、所定の順に番号が割り当てられており、前記文字検出ステップの処理により文字を表示する信号が検出されたとき、前記小領域に割り当てられた番号に基づいて、前記文字の表示位置を検出する文字表示位置検出ステップと、
前記文字検出ステップの処理による文字検出結果または前記文字表示位置検出ステップの処理による文字表示位置検出結果に基づいて、前記第1の信号らしさを表す特徴量を算出する算出ステップと、
前記特徴量に基づいて、前記第1の信号の区間を検出する区間検出ステップと
を含み、
前記算出ステップでは、前記文字検出ステップの処理により文字を表示する信号が検出されたとき、より大きい前記特徴量を算出し、前記文字表示位置検出ステップの処理により画面中央に文字を表示する信号が検出されたとき、さらにより大きい前記特徴量を算出する
処理をコンピュータに実行させるためのプログラムが記録されている記録媒体。 - 少なくとも第1の信号の区間とそれ以外の信号の区間とが時分割的に存在する入力信号から、所定の時間間隔を持つ信号の特徴的パターンに基づいて、前記第1の信号の候補区間を検出する候補区間検出ステップと、
時間的に隣接する2つのフレームに対して微分法によるエッジ処理を施すことで得られたエッジ画像を2値化し、2値化された2つの前記エッジ画像間で演算処理を行うことで静止部分についての静止エッジ画像を生成し、生成した前記静止エッジ画像を小領域に分割し、前記小領域内のエッジ線分の密度を算出し、算出した前記密度が所定の閾値以上である場合、前記小領域を文字領域とすることで、前記候補区間の信号から、文字を表示する信号を検出する文字検出ステップと、
前記小領域には、所定の順に番号が割り当てられており、前記文字検出ステップの処理により文字を表示する信号が検出されたとき、前記小領域に割り当てられた番号に基づいて、前記文字の表示位置を検出する文字表示位置検出ステップと、
前記文字検出ステップの処理による文字検出結果または前記文字表示位置検出ステップの処理による文字表示位置検出結果に基づいて、前記第1の信号らしさを表す特徴量を算出する算出ステップと、
前記特徴量に基づいて、前記第1の信号の区間を検出する区間検出ステップと
を含み、
前記算出ステップでは、前記文字検出ステップの処理により文字を表示する信号が検出されたとき、より大きい前記特徴量を算出し、前記文字表示位置検出ステップの処理により画面中央に文字を表示する信号が検出されたとき、さらにより大きい前記特徴量を算出する
処理をコンピュータに実行させるためのプログラム。
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