JP4512255B2 - 内視鏡の湾曲操作機構 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は内視鏡の湾曲操作機構に関する。
【0002】
【従来の技術】
内視鏡の挿入部の先端付近には一般に、操作部からの遠隔操作によって屈曲する湾曲部が形成されている。
【0003】
そして、湾曲部を屈曲させる機構として、湾曲操作ワイヤを牽引駆動するための操作ワイヤ牽引機構が操作部の内部に配置されており、その操作ワイヤ牽引機構を動作させるために、オペレータの指によって操作されるノブ状又はレバー状の湾曲操作部材が操作部の外面に設けられている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
内視鏡の操作部は内視鏡検査中に漏れ出す患者の体内汚液等によって汚れてしまう場合があるので、内視鏡検査終了後はくまなく洗浄する必要がある。
【0005】
しかし、上述のようなノブ状又はレバー状の湾曲操作部材はいずれも軸を中心に回動する回動体であり、その裏面部分は操作部の表面に面しているため確実に洗浄するのが困難である。
【0006】
そこで本発明は、湾曲操作部材をくまなく容易に洗浄することができる内視鏡の湾曲操作機構を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するため、本発明の内視鏡の湾曲操作機構は、内視鏡の挿入部に形成された湾曲部を屈曲させる操作ワイヤを牽引駆動するための操作ワイヤ牽引機構が操作部の内部に配置され、操作ワイヤ牽引機構を動作させるために指によって操作される湾曲操作部材が操作部の外面に設けられた内視鏡の湾曲操作機構において、湾曲操作部材が、指先で押し込み操作される押しボタン状の部材であり、湾曲操作部材を押し込むことにより操作ワイヤ牽引機構が操作ワイヤを牽引する動作を行うようにしたものである。
【0008】
なお、押しボタン状の湾曲操作部材を押し込まれた位置から突出位置に戻すためのスプリングが設けられていてもよく、操作ワイヤ牽引機構が、操作ワイヤが巻回されたプーリを有していて、押しボタン状の湾曲操作部材を押し込み操作することによりプーリが回転駆動されるようにしてもよい。
【0009】
そして、押しボタン状の湾曲操作部材として、プーリを相反する方向に回転させるための一対の湾曲操作部材が並列に並んで配置されていてもよく、或いは、押しボタン状の湾曲操作部材として、プーリを相反する方向に回転させるための一対の湾曲操作部材が180°逆向きに真っ直ぐに配置されていてもよい。
【0010】
【発明の実施の形態】
図面を参照して本発明の実施例を説明する。
図2は、本発明の第1の実施例の内視鏡を示しており、操作部1に基端が連結された挿入部2の先端部分に、操作部1からの遠隔操作によって屈曲する湾曲部3が連結され、対物光学系等を内蔵した先端部本体4が湾曲部3の先端に連結されている。
【0011】
操作部1の前面上部には、送気送水操作ボタン5,6が配置され、さらにそれより上方位置に、湾曲部3を屈曲操作するための湾曲操作装置10の一対の湾曲操作ボタン11U,11Dが配置されている。9は、光源装置に接続されるライトガイドケーブルの付け根部分である。
【0012】
図1は、操作部1に配置された湾曲操作装置10を示しており、先端が湾曲部3の先端部分に連結された一対の操作ワイヤ5U,5Dが、各々挿入部2内に挿通配置されたガイド管6U,6D内を通って操作部1内に引き出されている。
【0013】
操作部1内には、プーリ12とピニオン13とが一体に連結された操作ワイヤ牽引輪が軸線周りに回転自在に配置されており、一対の操作ワイヤ5U,5Dがプーリ12に巻回されて各操作ワイヤ5U,5Dの端部はプーリ12に固定されている。
【0014】
したがって、プーリ12を回転させることにより、一対の操作ワイヤ5U,5Dのうち一方が牽引されて他方は押し込まれ、湾曲部3が上方向又は下方向に屈曲する。
【0015】
一対の湾曲操作ボタン11U,11Dは、並列に並んで配置されて各々が軸線方向に進退自在に操作部1に支持されていて、ピニオン13に対して平行に噛み合う一対のラック14U,14Dと一体的に真っ直ぐに連結されている。
【0016】
また、各湾曲操作ボタン11U,11Dを押し戻し方向に付勢する圧縮コイルスプリング15U,15Dが、各湾曲操作ボタン11U,11Dの突端と操作部1の外面との間に装着されていて、その外面は、弾力性のある材料からなる蛇腹状カバー16U,16Dによって水密に囲まれている。
【0017】
その結果、一対の湾曲操作ボタン11U,11Dを指先で選択的に押し込み操作すると、それによってラック14U,14Dの一方が押し込まれてピニオン13を回転駆動し、ピニオン13と一体に連結されたプーリ12が回転して一対の操作ワイヤ5U,5Dの一方が牽引され、湾曲部3が屈曲する。
【0018】
そして、湾曲操作ボタン11U,11Dから指先を放せば、湾曲操作ボタン11U,11Dは圧縮コイルスプリング15U,15Dの付勢力によって元のニュートラル状態の戻る。ただし、圧縮コイルスプリング15U,15Dは必ずしも設けなくても差し支えない。
【0019】
このように構成された内視鏡の湾曲操作機構によれば、内視鏡検査が終了して内視鏡を洗浄する際には、操作部1の外表面に露出する湾曲操作装置10をくまなく容易に洗浄することができる。
【0022】
なお、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、例えば上記の各実施例の機構を一つの操作部に二組配置すれば、上下左右の四方向に屈曲させる湾曲操作機構を構成することができる。
【0023】
【発明の効果】
本発明によれば、湾曲操作部材を指先で押し込み操作される押しボタン状の部材にしたことにより、内視鏡検査が終了して内視鏡を洗浄する際には、操作部の外表面に露出する湾曲操作部材をくまなく容易に洗浄することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例の内視鏡の湾曲操作機構の側面断面図である。
【図2】本発明の第1の実施例の内視鏡の側面図である。
【符号の説明】
1 操作部
3 湾曲部
5(U,D) 湾曲操作ワイヤ
10 湾曲操作装置
11(U,D) 湾曲操作ボタン
12 プーリ
13 ピニオン
14(U,D) ラック
Claims (2)
- 内視鏡の挿入部に形成された湾曲部を屈曲させる操作ワイヤを牽引駆動するための操作ワイヤ牽引機構が操作部の内部に配置され、上記操作ワイヤ牽引機構を動作させるために指によって操作される湾曲操作部材が上記操作部の外面に設けられた内視鏡の湾曲操作機構において、
上記操作ワイヤ牽引機構として、上記操作ワイヤが巻回されたプーリと、上記プ−リに直結されたピニオンと、上記ピニオンと噛み合う状態に平行に配置された一対のラックとが設けられると共に、
上記湾曲操作部材として、上記一対のラックの先端に各々指先で押し込み操作される押しボタン状の部材が取り付けられて、その押しボタン状の一対の湾曲操作部材が上記操作部の外壁から並列に突出配置され、
並列に配置された上記一対の湾曲操作部材を選択的に押し込み操作することにより、上記一対のラックの一方で上記プーリを回転駆動させて、上記湾曲部をあい反する任意の方向に任意の角度だけ屈曲させることができるようにしたことを特徴とする内視鏡の湾曲操作機構。 - 上記の各湾曲操作部材を押し込まれた位置から突出位置に戻すためのスプリングが設けられている請求項1記載の内視鏡の湾曲操作機構。
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