JP4511127B2 - 太陽光発電システム - Google Patents
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Description
【発明が属する技術分野】
本発明は太陽電池等の直流電源の直流電力を交流電力に変換する電力変換手段(例えば、パワーコンディショナ)を備えた太陽光発電システムに関し、電力変換手段の起動制御に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、太陽電池と電力系統とを、太陽電池が発電した直流電力をスイッチング動作により交流に変換するためのインバータを備えたパワーコンディショナで連系させた太陽光発電システムでは、太陽光の日射量に応じて、太陽電池で発電した電力を負荷へ供給すべき場合と、この電力供給を停止すべき場合とを自動的に検知している。すなわち、太陽光による日射が弱くなって、その日射量が所定レベル以下の時には、太陽光発電システムを停止させ、逆に、太陽光による日射が強くなって日射量が所定レベルを超えた時には、該太陽光発電システムを起動させる制御を行っていた。
【0003】
図3に、このような太陽光発電システムの起動方法を示すフローチャートを閉めす。このフローチャートの主たるロジックは、太陽電池の出力電圧Vpvが、システムを起動させるか否かの判断基準となる開放電圧Vocにマージンαを加算た値を超え、かつ、この状態が、少なくとも時間Δtだけ持続するのを待ってから、太陽光発電の発電電力を負荷に供給するためのパワーコンディショナを起動させている。なお、日射量が発電可能な状態に対応した予め設定された開放電圧Voc’と、太陽光発電システムの起動前の出力電圧Vpvとを比較することにより起動させることも行なう。ここで、時間Δtの経過を起動条件としている理由は、雲の影等の影響によりハンチング現象が生じて誤判断となるからである。
【0004】
また、上記開放電圧Vocは、太陽光発電システムを起動させるべき所定の日射量を規定するための一つの判断基準であり、従来は、太陽電池の出力特性において、出力電流を0とした時(すなわち、負荷開放時)の出力電圧の所定値を採用している。
【0005】
さらに、太陽光発電システムを起動させるべき所定の日射量を規定しておくための一つの判断基準として、太陽電池の出力端子を短絡させた時に流れる短絡電流の所定値も採用している。
【0006】
その他、従来の太陽光発電システムの起動方法として、モニタ用の太陽電池を備えた太陽光発電システムを別途に設置しておき、本来の太陽光発電システムを起動させるべきタイミングを、例えば図3に示したフローチャートと同様なロジックで動作した時の結果に準じて判断する方式も知られている。
【0007】
しかしながら、上記太陽光発電システムでは、例えば、前述の判断基準として開放電圧を採用する方式の場合、夏季では外気温度の上昇に伴い測定される開放電圧が低くなるので、既に太陽光発電システムを起動させるべき所定の日射量に達している場合でも、測定される開放電圧が基準の開放電圧に達せず、従って、太陽光発電システムを起動させるべきタイミングを見逃してしまい、その結果、太陽光発電システムの発電量に損失が生じていた。
【0008】
これとは逆に冬季では、太陽光発電システムを起動させるべき所定の日射量に達していないのに、太陽光発電システムを起動させてしまい、その結果、起動・停止を繰り返すハンチング現象が生じていた。
【0009】
また、前述の判断基準として短絡電流を採用する方式の場合、短絡または開放のいずれかに切り替えるためのスイッチ回路を具備する必要があり、コスト面で安価なシステムを提供することが困難であった。
【0010】
さらに、モニタ用の太陽電池を備えた太陽光発電システムを別途に備える方式の場合は、太陽電池の設置箇所によっては、雲の影等が及ぼす影響を抑制するために、条件に応じて複数のモニタ用の太陽電池を備える必要があり、やはり、コスト面で安価なシステムを提供することが困難であった。そこで、直前にシステムを停止した時(例えば前日の夕方の停止時)の開放電圧を元に、起動の判定基準とするといった方法が提案されている(例えば、特許文献1を参照)。
【0011】
【特許文献1】
特開平8−126208号公報(第4頁、第2図)
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、直前にシステムを停止した時(例えば前日の夕方の停止時)の開放電圧に基づいて起動の判定基準としているため、データーの補正が必要となり(従来技術では、判定基準マージンを付加している)、補正が正確でない場合は、逆に起動判定を誤る可能性があるという問題がある。
【0013】
すなわち、
▲1▼太陽電池の設置状況により、朝と夕方とでは日射条件・温度条件が異なる。(例えば、太陽電池を西面+南面に設置した場合の夕方停止時の日射条件・温度条件は、明け方起動時の日射条件・温度条件を正確には反映していない。)
▲2▼太陽電池の設置状況(太陽電池の搭載枚数・設置面数・設置方位・設置角など)は家屋毎に異なるため、補正値は家屋毎に設定値を設けるのが望ましい。
【0014】
▲3▼太陽電池の設置環境(太陽電池の増設・交換、経年変化による出力変化など)が変化した場合には、補正値の設定を変更しなければならないが、現実的ではない。
【0015】
このように、補正値は絶対的なものではないし、従来のパワーコンディショナでは、起動判定レベルはある一定の値で設定されているが、実際のシステムでは、パワーコンディショナに接続される太陽電池は、様々な直列数×並列数のシステム構成が採用されている。すなわち、容量の大きなシステム(例えば太陽電池モジュール10直列・3並列のシステム)から、小さなシステム(例えば太陽電池モジュール6直列・1並列のシステム)まで様々あり、必ずしも起動判定レベルの設定値が最適とは限らない。
【0016】
また、パワーコンディショナ自身の待機損失(運転・制御に必要な最低限の損失)に対応するため、考えられる全てのシステムで誤動作なく運転するための判定値の設定は、太陽電池容量が最小のシステムに基づいて決定せざるを得ない。この場合、最小のシステム以外では多かれ少なかれ太陽電池側で十分出力できる能力があるにもかかわらず、パワーコンディショナが起動しないため、太陽電池出力が有効に利用できていないという問題がある。
【0017】
さらに、システムの大きさを推定した結果を時間要素に反映している。これはある起動判定電圧レベルに達した後、その状態が所定時間継続した場合に起動させる方式であり、システムの大きさに応じて起動判定時間を調整するものである。この方式では、時間経過とともに日射量が増加することを期待しているが、曇天時など期待した日射量増加が無い場合は起動できないこととなる。
【0018】
以上のような問題から、朝夕などの起動制御が安定に行なえない時間が長くなると、パワーコンディショナによる発電時間が短くなることになり、総発電量が低下してしまう(パワーコンディショナの利用効率が低下する)。このように、太陽電池の出力を有効に活用できていなかった。
【0019】
本発明は上述した従来の諸問題に鑑みてなされたものであり、太陽電池の発電電力をより有効に活用できるように、設置システムに応じた起動タイミングを、経時的劣化や設置環境の変化に起因する太陽電池の特性変化に影響されずに判断することが可能な優れた太陽光発電システムを提供することを目的とするものである。
【0020】
太陽電池が発電した電力を電力変換手段により交流電力に変換して負荷に供給するようにした太陽光発電システムであって、前記電力変換手段の前回起動時における前記太陽電池の出力電圧値を基準電圧値として記憶しておく基準電圧記憶手段と、前記太陽電池の今回起動時における出力電圧値を検出する電圧検出手段と、前記太陽電池の今回起動時における出力電圧値と前記基準電圧値とを比較する比較手段とを備え、前記比較手段の比較により前記太陽電池の今回起動時における出力電圧値が前記基準電圧値を超えたとき、前記電力変換手段を起動させるように成すとともに、前記比較手段は、前記基準電圧値より導いた補正値と該基準電圧値より算出した起動予測電圧値と前記太陽電池の今回起動時における出力電圧値とを比較し、該出力電圧値が前記起動予測電圧値を超えれば、前記起動予測電圧値を次回の基準電圧値に置き換えることを特徴とする。
【0021】
【発明の実施の形態】
本発明の太陽光発電システムの実施形態について図面に基づいて説明する。
【0022】
図1に示すように、太陽光発電システムは、太陽電池1と、太陽電池1の出力(直流)を入力する判定回路4と、太陽電池1からの出力(直流)を判定回路4の判定結果に応じて出力する電力変換手段であるパワーコンディショナ2と、パワーコンディショナ2からの出力(交流)を判定回路4の判定結果に応じて、電力系統3に引き渡すか遮断するかを行なう開閉器5と、不図示の負荷を接続した電力系統3を備える。
【0023】
ここで、太陽電池1は例えば多数のセル(太陽電池素子)を縦横方向に整列状態で並置するとともに、セルの各々を互いに電気的に接続して成るものであり、この太陽電池1を備えたパネルは、架台などに固定されて所定の場所に設置される。
【0024】
パワーコンディショナ2はインバータを備え、太陽光による日射でもって太陽電池1が発電した直流電力を、インバータによるスイッチング動作によって交流電力に変換する。このパワーコンディショナ2は、太陽電池1が発電した直流電力を交流電力に変換する際に、太陽電池1の出力が最大となるように、太陽電池1の動作電圧を最大電力の電圧値にする制御(最大電力追従制御)を行う。
【0025】
判定回路4からの出力は、符号Sで示される起動信号であり、システム起動前の日射量がパワーコンディショナ2を起動させるべきタイミングに達したと判断した時に、この起動信号Sをパワーコンディショナ2に送出する。判定回路4は、太陽電池1の出力電圧値を検出する電圧検出手段である電圧検出部41、太陽電池1の出力電圧値と基準電圧値とを比較する比較手段である起動判定部42、起動信号出力部43、および太陽電池1の出力電圧値を基準電圧値として記憶しておく基準電圧記憶手段であるデーター保存部44等から構成されている。
【0026】
判定回路4における電圧検出部41は分圧抵抗などで構成されており、太陽電池1の出力電圧を監視し起動判定部42に信号を送信する。また、起動判定部42はマイクロコンピュータ等で構成され、電圧検出部41からのデーターとデーター保存部44からのデーターとの比較を行ない起動の判定を行なう。また、起動信号出力部43は起動判定がOKの場合(起動予測電圧値を出力電圧が超えた時)に、パワーコンディショナ2に起動信号を出力する。さらに、データー保存部44に起動時のデーターを送信する。また、データー保存部44は、起動時のデーターの初期設定値、およびその後のデーターを格納する半導体メモリ等から構成される。
【0027】
このようにして、本発明ではパワーコンディショナ2の前回起動時における太陽電池1の出力電圧値を基準電圧値として記憶しておくデーター保存部44と、太陽電池1の今回起動時における出力電圧値を検出する電圧検出部41と、この太陽電池1の出力電圧値と前記基準電圧値とを比較する起動判定部42とを備え、この比較動作により、太陽電池1の出力電圧値が前記基準電圧値を超えたときで、且つ前記出力電圧値が所定電圧値以下の場合に、パワーコンディショナ2を起動させるようにしている。
【0028】
かくして、上記構成によれば、前回の起動時の太陽電池の出力電圧値を記憶し、今回起動時の太陽電池の出力電圧値と比較する比較手段を設けることとしたので、前回の起動時における太陽電池の出力電圧値を判断基準にすることができ、シンプルな回路構成でありながら、太陽電池の経時的な劣化、設置環境、外気温度、季節等の変化による特性変化に左右されることなく、太陽電池の使用状況に応じて最適な判断基準としての出力電圧値を自動的に設定することが可能となり、安定して確実なシステム起動が実現される。
【0029】
また、前回起動時の太陽電池の出力電圧値を基準電圧値としたので、演算を行なわずに済み、煩わしい計算を省いて太陽電池の発電電力をより有効に活用できるとともに、起動と停止を繰り返すことなく電力変換手段の各部の劣化を極力抑えることができる。
【0030】
また、比較手段を設け、比較する数値を変化させて起動条件の下限を見つけられるようにすることにより、発電に寄与する時間を多く取れるので総発電量の増大を図ることができる。
【0031】
さらに、基準電圧値として、複数の前回起動時における太陽電池の出力電圧値に基づいて平均化処理されたものや、一定時間の持続を条件とするようにして、より正確に、かつ安定した起動状態の太陽光発電システムを実現させることが可能である。
【0032】
以下、パワーコンディショナ2を起動させるべきタイミングを判定する具体的な方法について説明する。まず、パワーコンディショナ2においては、その起動時の太陽電池1の出力電圧値(Vpwake)を判定回路4において参照可能に記憶しておく。一般に、起動時の太陽電池1への日射の当たり方(太陽電池1は設置後移動することはないものとする。太陽も毎日所定の方角(東側)から昇る。)は同じであるので、上記記憶していた前回起動時の太陽電池1の出力電圧値(Vpwake)で、パワーコンディショナ2が接続されている太陽電池1の十分な日射量が存在する状態での開放電圧、すなわちパワーコンディショナ2を起動させるべきか否かを判定するための基準電圧値が得られる。
【0033】
判定回路4は、この基準電圧値と、現行の運転期間における太陽電池1のシステム起動前の出力電圧値(Vpv)とを比較することで、現在の(システム起動前の)日射量を推定し、この現在の日射量が太陽光発電を行うに十分な量である場合に、パワーコンディショナ2を起動させるとともに、開閉器5を閉にして、得られた交流電力を電力系統3に供給する。
【0034】
このとき何らかの事情によって、太陽電池1の出力電圧が急に低下した場合には、システムを起動することが可能な最低限の電圧は出力されているにもかかわらず、従来は、システムが起動しないままにしてしまうことがあった。そこで、このような状態を防止するために、本実施形態では、システム起動前の太陽電池の出力電圧値が起動最低条件として設定した電圧値を超える状態が、所定時間継続した時点で、上記と同様に、パワーコンディショナ2を起動させる(所定電圧以下のときに起動させることと同一)とともに、開閉器5を閉にして、得られた交流電力を電力系統3に供給するように構成している。
【0035】
図2は、本実施形態に係る太陽光発電システムの起動方法を示すフローチャートである。以下、図1を参照しつつ、図2に基づいて本実施形態に係る太陽光発電システムの起動方法を説明する。
【0036】
図2に示すフローチャートでは、大きく分けて図示したステップAのフローと、ステップB1,B2のフローとを有しているが、これらのフローは同時に実行することが可能である。
【0037】
まず、ステップAのフローでは、判定回路4は太陽電池1のシステム起動前の出力電圧値(Vpv)が、Vpwakeよりも低く設定された最低起動条件(電圧値)を超えたか否かを検証し、超えていればステップB2に進み、超えていなければステップAの検証を反復する。
【0038】
ステップAの終了後、ステップB2では、判定回路4は、太陽電池1のシステム起動前の出力電圧値(Vpv)が、起動最低条件を超える上記の状態が、少なくとも時間Δtだけ継続したか否かを検証し、継続していれば起動信号Sを送出してパワーコンディショナ2を起動させる(すなわち、超えるまでの待機がなされ、太陽電池1出力電圧値が所定電圧値以下の場合に起動がかかることになる)とともに、開閉器5を閉にして、得られた交流電力を電力系統3に供給し、継続していなければステップAに戻る。なお、ステップAのフローでは、最低起動条件(電圧値)は接続されている太陽電池の容量に関係なく固定であるため、パワーコンディショナ2が起動するように設定される電圧は、太陽電池容量の小さな条件に合わせられており、このため最低起動条件(電圧値)は高めに設定されることになり最適とはいえない。
【0039】
そこで、ステップB1のフローにおいては、判定回路4は太陽電池1のシステム起動前の出力電圧値(Vpv)が、記憶していた前回起動時の太陽電池1の出力電圧値(Vpwake)を超えたか否かを検証し、超えていればステップB1を終了し、起動信号Sを送出してパワーコンディショナ2を起動させるとともに、開閉器5を閉にして、得られた交流電力を電力系統3に供給する。超えていなければステップB1の検証を反復する(すなわち、超えるまでの待機がなされる)。具体的には、太陽電池1の出力電圧値(Vpv)が入力されると、まずデーター保存部44に記憶されている前回起動時の太陽電池1の出力電圧値(Vpwake)を取り出し、その値が何ボルトであったかを確認する。前記データー保存部44には、太陽電池1が何直列何並列の場合には起動電圧値が何ボルトの出力電圧範囲になるかのデーターベース(Vpara1〜Vpara5)に格納されており、前回起動時の出力電圧値(Vpwake)はVpara1〜Vpara5のいずれかの電圧範囲にあるかを判断する。例えば前回の起動電圧値が140Vであったとした場合、起動電圧値が130V〜150Vの電圧範囲、すなわちVpara3であるとして、補正値(Vk)を3Vに設定する。なお、前記起動電圧値の補正決定用の電圧範囲(Vpara)は、太陽電池1の並列数が大きいほど低日射量でも起動電圧が得られ、しかも少ない電圧変化でも大きな電流変化が生じることを利用し、並列数が多くなるほど補正値の電圧範囲が狭くなるように区切るとよい。また同様にして、前述の現象に基づいて前回の起動電圧値(Vpwake)から接続されている太陽光発電システムの太陽電池容量を推測することが可能であるので、推定した出力カーブ(一般にV−Iカーブと呼称される)を算出すれば、前記電圧範囲の幅を決定する以外にも、具体的数値として補正値を導き出すことができる。
【0040】
次に、前回起動時の出力電圧値(Vpwake)から先程算出した補正値(Vk)を減算し、今回の起動予測電圧値(Vpw)を算出する。そして、今回の起動予測電圧値(Vpw)と太陽電池1の出力電圧値(Vpv)を比較検証し、起動予測電圧値(Vpw)よりも出力電圧値(Vpv)が超えたところでパワーコンディショナ2の起動を行ない、起動に成功すれば今回の起動電圧値であるVpwを前回の起動電圧値であるVpwakeに書き換えて記憶させる。また、超えていなければ今回の起動予測電圧値(Vpw)に設定電圧上昇値(Vn)を加算し、ステップB1の検証を反復する。設定電圧上昇値(Vn)は一定の値の加算でも良いが、補正値(Vk)と連動させて上昇係数として乗算するようにし、より起動電圧の予測修正が迅速に行なえるようにしてもよい。
【0041】
このように、補正値(Vk)で減算することにより、前回の起動電圧値を基に当該太陽光発電システムの起動電圧の予測値が行なわれた後に、より低電圧側で起動ができないかを検証できるようになり、季節の変化や温度変化に応じて起動条件を自動的に決定できる。
【0042】
以上述べたように、本発明の太陽発電システムの起動方法では、前回起動時の太陽電池1の出力電圧値(Vpwake)を実績値として記憶しておき、現行の運転期間においては、太陽電池1のシステム起動前の出力電圧値と上記実績値とを比較して、システムの起動タイミングを判定している(すなわち明け方の日射条件・温度条件を反映している)ので、起動判定基準の補正の必要が無く、太陽電池1の経時的な劣化や、その設置環境(太陽電池の搭載枚数・設置面数・設置方位・設置角など)、および外気温度(季節)の変化による太陽電池1の特性の変化に影響されることなく、最適のタイミング(システムの設置環境に応じた起動判定基準の電圧レベルに調整できることによる)でシステムを起動させることができ、図4に示すように、従来では主に昼間のある領域しか発電量が得られなかったのに対して、本発明では朝・夕などにおける起動・停止の領域でも発電を有効に利用することができる。
【0043】
【発明の効果】
本発明の太陽光発電システムによれば、前回の起動時の太陽電池の出力電圧値を記憶し、今回起動時の太陽電池の出力電圧値と比較する比較手段を設けることとしたので、前回の起動時における太陽電池の出力電圧値を判断基準にすることができ、シンプルな回路構成でありながら、太陽電池の経時的な劣化、設置環境、外気温度、季節等の変化による特性変化に左右されることなく、太陽電池の使用状況に応じて最適な判断基準としての出力電圧値を自動的に設定することが可能となり、安定して確実なシステム起動が実現される。
【0044】
また、前回起動時の太陽電池の出力電圧値を基準電圧値としたので、演算を行なわずに済み、煩わしい計算を省いて太陽電池の発電電力をより有効に活用できるとともに、起動と停止を繰り返すことなく電力変換手段の劣化を極力抑えることができる。
【0045】
また、比較手段を設け、比較する数値を変化させて起動条件の下限を見つけられるようにすることにより、発電に寄与する時間を多く取れるので総発電量の増大を図ることができる。
【0046】
さらに、基準電圧値として、複数の前回起動時における太陽電池の出力電圧値に基づいて平均化処理されたものや、一定時間の持続を条件とするようにして、より正確にかつ安定した起動状態の太陽光発電システムを実現させることが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係る太陽光発電システムの全体構成を示すブロック図である。
【図2】本実施形態に係る太陽光発電システムの起動方法を示すフローチャートである。
【図3】従来の太陽光発電システムの起動方法を示すフローチャートである。
【図4】本発明と従来の発電量の差を表わす概念図である。
【符号の説明】
1:太陽電池
2:パワーコンディショナ(電力変換手段)
3:電力系統
4:判定回路
5:開閉器
S:起動信号
Vpv:起動前の太陽電池の出力電圧値
Vpwake:前回起動時の太陽電池の出力電圧値
Vpw:今回起動時の太陽電池の予測電圧値
Vpara:起動電圧値の補正決定用の電圧範囲
Vk:起動電圧の補正値
Vn:起動失敗時の設定電圧上昇値
Δt:所定時間
Claims (1)
- 太陽電池が発電した電力を電力変換手段により交流電力に変換して負荷に供給するようにした太陽光発電システムであって、
前記電力変換手段の前回起動時における前記太陽電池の出力電圧値を基準電圧値として記憶しておく基準電圧記憶手段と、
前記太陽電池の今回起動時における出力電圧値を検出する電圧検出手段と、
前記太陽電池の今回起動時における出力電圧値と前記基準電圧値とを比較する比較手段とを備え、
前記比較手段の比較により前記太陽電池の今回起動時における出力電圧値が前記基準電圧値を超えたとき、前記電力変換手段を起動させるように成すとともに、
前記比較手段は、前記基準電圧値より導いた補正値と該基準電圧値より算出した起動予測電圧値と前記太陽電池の今回起動時における出力電圧値とを比較し、該出力電圧値が前記起動予測電圧値を超えれば、前記起動予測電圧値を次回の基準電圧値に置き換えることを特徴とする太陽光発電システム。
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