JP4510208B2 - 商品陳列棚における棚板照明装置 - Google Patents
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Description
【0001】
【従来の技術】
商品陳列棚に多数の棚板を上下方向に並べて設けて、各棚板上に化粧品等の商品を陳列する場合に、各棚板の下面に照明灯を取り付けて、それより下方の棚板上の商品を照らすことにより、棚板上の商品を効果的に演出して、顧客の購買意欲を増進させようとすることは従来より行われている。
【0002】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、このように、上方の照明灯のみによって商品を照らした場合には、大きな演出効果は得られない。
このため、棚板の上面の前端部にも照明灯を設けて、前下方からも商品を照らすことが考えられるが、このようにすると、棚板の前端部において照明灯が露呈するため、棚板の見栄えが悪くなってしまう。
【0003】
本発明は、上述の問題点に鑑みてなされたものであり、棚板の前部の外観を損なうことなく、照明灯により棚板上の商品を前下方から効果的に照明できるようにすることにより、演出効果を高めることができるようにした商品陳列棚における棚板照明装置を提供することを目的としている。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明によると、上記課題は、次のようにして解決される。
(1) 商品陳列棚におけるいずれかの棚板の下面の前部に照明灯を取り付け、前記棚板における照明灯の直上部分に横長のスリットを設けるとともに、前記スリットに、前記照明灯から上方に照射された光を棚板上の後方に偏向させる透明棒材からなる偏向手段を嵌合する。
【0005】
(2) 上記(1)項において、偏向手段を、横長のプリズムとする。
【0006】
(3) 上記(1)または(2)項において、偏向手段を、棚板の上部に突出させる。
【0007】
(4) 上記(3)項において、偏向手段の前面を、遮光材で覆う。
【0008】
(5) 上記(3)または(4)項において、偏向手段の前面を、文字や記号等を表す部分を残して、遮光材で覆う。
【0009】
(6) 上記(1)〜(5)項のいずれか(1)項において、棚板の前端に、下端が照明灯の下端よりも低い位置まで延出する垂下部材を設けて、照明灯が前方に露呈しないようにする。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の第1の実施形態を備える商品陳列棚(1)について図1及び図2を参照しながら説明する。
なお、以下の説明では図1の左下側を「前方」、右上側を「後方」として説明する。
【0011】
商品陳列棚(1)は、本体(2)の前面に多数の棚板(3)(4)(5)を突設したものであり、棚板(3)(4)はガラス製であり、棚板(5)は木製のものである。
【0012】
左端部に設けられた木製の棚板(5)は、化粧品等の商品(A)を陳列するものであり、商品陳列棚(1)の背面板(6)に後端部が係止された左右1対の前後方向を向くブラケット(7)の上面間に架設されるとともに、図2に示すように、棚板(5)の前端部の下面には左右方向を向く補強杆(8)が固着されている。
【0013】
各棚板(5)の前端部には、棚板(8)の左右幅より若干短い左右方向を向くスリット(9)が設けられており、スリット(9)の上部の前縁部と後縁部には、側面視において約45°の角度で面取りされた傾斜面(10)が形成されている。
【0014】
スリット(9)の上面開口部には、左右方向の長さがスリット(9)と同じであり、断面形状が正方形をなすとともに、透明な角柱状のガラス棒材からなるプリズムとした偏向手段(11)の下半部が、側面視において45°傾いた状態で嵌合しており、偏向手段(11)の下半部の前後両側面がスリット(9)の前後の傾斜面(10)に当接し、適宜接着またはその他の手段により固着されてる。
【0015】
補強杆(8)の前面の左右2箇所には可撓性のある金属材料からなる照明灯保持具(12)が固着されており(図2では左側のもののみ図示)、左右の照明灯保持具(12)の間には左右方向を向く照明灯(13)が架設されている。
【0016】
各棚板(5)の前面には、上面が棚板(5)の上面と等高をなすとともに、下端が照明灯(13)の下端よりも若干低い位置まで延出する垂下部材であるプライスカード保持部材(14)が固着されている。
プライスカード保持部材(14)は、棚板(5)に固着された基板(15)と、基板(15)の上端部と下端部とに、互いに対向するように突設された内向きL字状の上部保持片(16)と下部保持片(17)とを具備するものであり、基板(15)と上部保持片(16)及び下部保持片(17)との間の空間に、前面に商品名や商品の価格等を記載したプライスカード(18)を保持するものである。
【0017】
照明灯(13)を点灯すると、上方の棚板(5)に固着された照明灯(13)によって、その下方の棚板(5)上の商品(A)が照らされるとともに、下方の棚板(5)の照明灯(13)から上方に照射された光が、偏向手段(11)の上半部における傾斜する前面(19)および後面(20)から前上向き及び後上向き(図2の矢印の方向)に照射され、偏向手段(11)から後向きに照射された光により、棚板(5)上の商品(A)が前下方から照らされるようになる。
【0018】
他の棚板(5)上の商品も、その棚板(5)の偏向手段(11)から後上向きに照射された光と、その棚板(5)の上方に配設された棚板(5)の照明灯(13)からの光によって、前下方と前上方との両方から照射される。
【0019】
このように、各棚板(5)上の商品(A)を前下方と前上方の両方、または前下のみから照射すると、従来のように前上方からのみ照射していた場合に比べて、商品(A)の演出効果を大きく向上させることができる。
【0020】
次に、本発明の第2の実施形態を備える商品陳列棚(1)について、図3〜図5を参照しながら説明する。
なお、第1の実施形態と同様の部材には同じ符号を付すに止めて、その詳細な説明は省略する。
【0021】
図3に示すように、本実施形態では、正四角柱プリズムとした形偏向手段(11)の上半部の前面(19)の全体に遮光材(20)を塗布してあり、偏向手段(11)の上半部の前面(19)からは光が漏れないようにしてある。
【0022】
このようにすると、偏向手段(11)を通った光が、偏向手段(11)の上半部の後面(20)から後向きにより強力に照射されるようになるので、棚板(5)上の商品(A)をより強力に照らすことができ、商品(A)の演出効果を増大させることができる。
【0023】
図4及び図5は、本実施形態の変形例を示している。
【0024】
図4に示すものは、スリット(9)の上部の前後両縁部に段部(21)を形成し、前後の段部(21)に、断面形状が中心角90°の扇形をなすとともに、曲面状をなす前面(22)部分に遮光材(23)を塗布した透明アクリル棒状体からなる偏向手段(24)を嵌合したものであり、偏向手段(24)を通った光は、偏向手段(24)の後面(25)から後向きに強力に照射される。
【0025】
図5に示すものは、スリット(9)の前後の段部(21)に、断面形状がほぼ半円状をなすとともに、曲面をなす上面(26)の前半部に遮光材(27)を塗布した偏向手段(28)を嵌合したものであり、偏向手段(28)を通った光は、偏向手段(28)の上面の後半部から後向きに強力に照射される。
【0026】
最後に、本発明の第3の実施形態を備える商品陳列棚(1)について、図6を参照しながら説明する。
なお、従前の実施形態と同様の部材には同じ符号を付すに止めて、その詳細な説明は省略する。
【0027】
本実施形態では、図1〜図3に示したのと同様の偏向手段(11)の上半部の前面に、商品名、社名、その他の文字または記号等を表す例えば「A」「O」「C」等の文字(B)を表す部分を残して、第2の実施形態と同様の遮光材(20)を塗布している。
【0028】
このようにすると、第2の実施形態と同様に、棚板(5)上の商品(A)をより強力に照明できるとともに、偏向手段(11)の上半部の前面の「A」「O」「C」等の文字(B)部分を光らせて、商品名等を強調して表現することができるので、棚板(5)上の商品(A)の演出効果を更に向上させることができる。
なお、本実施形態では文字(B)を残すようにして遮光材(20)を塗布したが、文字(B)の代わりに図示を省略した数字や図柄等を残すようにして遮光材(20)を塗布して、数字や図柄等を光らせるようにすることもできる。
【0029】
また、図示は省略したが、以上説明した各実施形態において、照明灯(13)の光を様々な色に変化させることにより、棚板(5)上の商品(A)の演出効果を更に増大させることができる。
【0030】
【発明の効果】
(A) 請求項1記載の発明によれば、各棚板上の商品を前下方から照射できるようになるので、従来のように前上方からのみ照射していた場合に比べて、商品の演出効果を大きく向上させることができるとともに、棚板の前部は、偏向手段が横長の模様となって美麗な外観を呈し、デザインの向上を図ることができる。また、単一の照明灯で、棚板の上方と下方とを同時に照らすことができる利点もある。
また、偏向手段をガラスやアクリル材により簡単に製造することができる。
【0031】
(B) 請求項2記載の発明によれば、プリズム自体が美麗に輝光し、演出効果を高めることができる。また、その断面形状を多角柱等に種々選択することにより、光を特定の方向に収束させ、見る角度によって印象が異なるようにして、演出効果をさらに高めることができる。
【0032】
(C) 請求項3記載の発明によれば、偏向手段が棚板の前端部の上方に突出するので、商品が棚板の前方に落下するのを防止することができる。
【0033】
(D) 請求項4記載の発明によれば、偏向手段を通った光が、偏向手段の後面から後向きにより強力に照射されるようになるので、棚板上の商品をより強力に照らすことができ、商品の演出効果を向上させることができる。
【0034】
(E) 請求項5記載の発明によれば、偏向手段の前面に商品名や価格等を表す文字や記号等を光らせて表示することができるので、棚板上の商品の演出効果を更に向上させることができる。
【0035】
(F) 請求項6記載の発明によれば、照明灯が前方に露呈しないので、商品陳列棚の外観を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1の実施形態を備える商品陳列棚の斜視図である。
【図2】 同じく、図1のII−II線に沿う拡大縦断側面図である。
【図3】 本発明の第2の実施形態の棚板の要部の拡大縦断側面図である。
【図4】 同じく、変形例の棚板の要部の拡大縦断側面図である。
【図5】 同じく、他の変形例の棚板の要部の拡大縦断側面図である。
【図6】 本発明の第3の実施形態の棚板の要部の拡大正面図である。
【符号の説明】
(1)商品陳列棚
(2)本体
(3)(4)(5)棚板
(6)背面板
(7)ブラケット
(8)補強杆
(9)スリット
(10)傾斜面
(11)偏向手段
(12)照明灯保持具
(13)照明灯
(14)プライスカード保持部材(垂下部材)
(15)基板
(16)上部保持片
(17)下部保持片
(18)プライスカード
(19)偏向手段の前面
(20)偏向手段の後面
(21)段部
(22)偏向手段の前面
(23)遮光材
(24)偏向手段
(25)偏向手段の後面
(26)偏向手段の上面
(27)遮光材
(28)偏向手段
(A)商品
(B)文字
Claims (6)
- 商品陳列棚におけるいずれかの棚板の下面の前部に照明灯を取り付け、前記棚板における照明灯の直上部分に横長のスリットを設けるとともに、前記スリットに、前記照明灯から上方に照射された光を棚板上の後方に偏向させる透明棒材からなる偏向手段を嵌合したことを特徴とする商品陳列棚における棚板照明装置。
- 偏向手段を、横長のプリズムとした請求項1記載の商品陳列棚における棚板照明装置。
- 偏向手段を、棚板の上部に突出させたことを特徴とする請求項1または2記載の商品陳列棚における棚板照明装置。
- 偏向手段の前面を、遮光材で覆ったことを特徴とする請求項3記載の商品陳列棚における棚板照明装置。
- 偏向手段の前面を、文字や記号等を表す部分を残して、遮光材で覆ったことを特徴とする請求項3または4記載の商品陳列棚における棚板照明装置。
- 棚板の前端に、下端が照明灯の下端よりも低い位置まで延出する垂下部材を設けて、照明灯が前方に露呈しないようにしたことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の商品陳列棚における棚板照明装置。
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