JP4509818B2 - 物の使用権または所有権の制御システム及び方法 - Google Patents
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Description
また、レンタカー業務など貸出料を徴収してリアルな物の使用権を一時的に事業者または個人等へ与える場合、物の貸出・返却業務に携わる人員が必要であった。
また、個人情報保護の観点から企業におけるパーソナルコンピュータ(以下、「PC」と記載)管理の重要性が近年増している。そこで、従来は、PCを不正に社外へ持ち出せないよう、ゲートで持ち出し管理を行ったり、万が一PCが盗難に遭った場合でも容易にPC内のデータを読みみ出せないようデータを暗号化するなどの対策が取られていた。
一方、非特許文献1には、無線技術を用いて物の認識を行うRFID(Radio Frequency Identification)を、車のキーレスエントリーシステムに用いることや、車の盗難防止(イモビライザ)に応用することが記載されている。
三宅 功、斎藤 洋、「ユビキタスサービスネットワーク技術」、初版、オーム社、平成15年9月1日、p.24−35
また、上記の「レンタカー業務など」の場合において、貸出・返却を行う営業所を無人化し、業務の効率化したい、という要望があった。
また、上記の「PCの管理」において、営業社員等が社外へPCへ持ち出すことは不可避であること、また、どんなに強固な暗号化を施してもそれを解読されるリスクをゼロには出来ないとの問題があった。
本発明は、上記のように、機械式の錠や論理式の鍵を遠隔から制御可能とすることにより、様々な新規の応用分野を提供する。また、本発明におけるもう一つの観点は、錠ではなく、ある物を物理的に破壊する装置を遠隔から制御可能とすることにより、様々な新規の応用分野を提供するものである。すなわち、本発明の本質的な概念は、ネットワーク経由により、リアルな物の所有権または利用権を制御するものである。物そのものの破壊も所有権または利用権の停止と捉えることができ、本発明の権利請求の範囲とすることが可能である。
本実施の形態においては、発送者が、荷物を錠前付きのかばんに入れて施錠し、運搬者が、そのかばんを運搬し、受領者が、そのかばんを受け取り、開けて、内容物である荷物を受け取る場合の例を示す。
かばん200は錠前付きのかばんであり、ICタグ100が備えられる。ICタグ100は、公衆広域無線アクセスネットワーク400を構成する基地局410と無線により通信を行う。公衆広域無線アクセスネットワーク400は、インターネット420と相互に接続しており、制御装置としての荷物の発送者の端末300は、インターネット420に接続される。発送者の端末300は、例えば、パーソナルコンピュータ、携帯電話などである。
(1)ICタグ100と発送者の端末300は、乱数k、hash関数fとgを保持する。なお、ICタグ100と発送者の端末300は、時刻情報利用のため、時計機能を有しているものとする。
(2)発送者の端末300は、当該ICタグ100と通信時に、時刻情報timeを用いて、g(k,time)を送信する。なお、g(k,time)は、乱数k及び時刻情報timeをパラメータとして、hash関数gを計算したハッシュ値を示す。
(3)ICタグ100は、内部で計算したg(k,time)と受信したg(k,time)との整合性により発送者の端末300の正当性をチェックする。
(4)ICタグ100は、f(k,time)を送信する。なお、f(k,time)は、乱数k及び時刻情報timeをパラメータとして、hash関数fを計算したハッシュ値を示す。
(5)発送者の端末300は、内部で計算したf(k,time)と受信したf(k,time)の整合性によりICタグ100の正当性をチェックする。
(6)ICタグ100と発送者の端末300は、乱数kをあらかじめ取り結んだ方法により更新する。
まず、荷物の発送者は、インターネットや電話などで商品の注文を受けると、商品をかばん200に入れ、施錠して発送する(ステップS11)。かばん200の施錠は、発送者の端末300からネットワークを介してICタグ100へ指示することにより行ってもよく、発送者が物理的な鍵により行ってもよい。施錠すると、鍵あるいは鍵穴の扉がしまる。この鍵あるいは扉は、ICタグ100と接続されており、発送者の端末300からの開錠命令を受信すると、ICタグ100の錠前制御手段140により開錠される。発送者の端末300からの開錠命令を受信しなければかばん200の錠は開錠されない。
本実施の形態においては、本発明によりレンタカー貸出業務を効率化させる場合の例を示す。図4は本発明の第2の実施の形態による使用権または所有権の制御システムの全体構成を表す概略図である。同図において、図1に示す第1の実施の形態の構成と同一の部分には同一の符号を付し、その説明を省略する。
自動車500はICタグ1100を、自動車500の鍵700はICタグ1200をそれぞれ備えている。ICタグ1100及び1200は、公衆広域無線アクセスネットワーク400を構成する基地局410と無線により通信を行う。制御装置としてのレンタカー事業者の管理端末600は、公衆広域無線アクセスネットワーク400またはインターネット420に接続される。レンタカー事業者の管理端末600は、例えば、パーソナルコンピュータである。
まず、レンタカーを借りようとするユーザは、その旨をレンタカー事業者へ申し出る(ステップS21)。例えば、ユーザは、自身のPCや携帯電話などからレンタカー事業者のサービス申し込みを行うサーバへインターネット等でアクセスし、レンタカーを借りるための申請に関する情報、例えば、車種、借用期間、場所などの情報を送信する(ステップS21)。レンタカーを借りるための申請を済ませた後、ユーザは、レンタカー事業者の指定する口座へ、利用料金または保証金等を振り込む。レンタカー事業者は、見積、その他、契約に必要な情報と、自動車500が駐車されている自動車駐車場、自動車500の鍵700の置き場所をユーザへ電話や電子メールなどで通知する(ステップS23)。
また、仮に鍵700が盗難に遭っても、鍵700の備えるICタグ1200内の論理式鍵を自動車500の備えるICタグ1100内の論理式鍵と一致しないように管理端末600からネットワーク経由で変更を指示しておけば、自動車500本体が盗難されるリスクは小さい。借用期間の終了や、事故等のトラブルにより、当該ユーザのレンタカー利用権が無くなった時、レンタカー会社は鍵700の備えるICタグ1200内の論理式鍵、または、自動車500の備えるICタグ1200内の論理式鍵を変更することにより、当該自動車500を使用できなくすることが出来る。本実施の形態においては無線通信手段を有するICタグ1100、1200を自動車500およびその鍵700に持たせ、ICタグ1100、1200内に記憶される論理式鍵を、ネットワークを介してレンタカー事業者の管理端末600から遠隔で変更することが可能となるようにしたことにより、使用権の制御が実現されるものである。これにより、レンタカー貸出業務を行う営業所を無人化することが可能である。
近年、企業におけるPC(パーソナルコンピュータ)管理は個人情報保護の観点から非常に重要な課題となっている。PC管理における対処法は大きく分けて個人情報が格納されたPCを外部の不正利用者に奪われないことと、万が一奪われた場合に個人情報を取り出せないようにすることの2つがある。本実施の形態によれば、後者において有効な方法を提供することが可能である。すなわち、PCに、無線通信機能を有するICタグと、さらにそのICタグを経由して遠隔から施錠または開錠が可能な物理的な錠とを付加する。万が一PCが盗難に遭った場合に、企業の内部ネットワークに接続されるPC管理端末が、遠隔からPC内の物理錠を施錠することにより、そのPCに格納された個人情報等の機密情報を奪われないよう防御することが可能となる。
盗難されたPC内のデータを盗まれないための別の考え方は、PCが盗難にあったと判明した時に、内部のデータを盗まれる前に、そのデータを破壊してしまう方法である。すなわち、PCに、無線通信機能を有するICタグとデータ破壊装置とを付加しておく。データ破壊装置は、ICタグの無線通信機能を経由して遠隔から作動させることが可能である。盗難が判明した時点で、企業の内部ネットワークに接続されるPC管理端末が、ICタグを経由して遠隔からPC内のデータ破壊装置を作動させ、PC内に格納された個人情報等の重要データを破壊する。これにより、需要データが不正利用者の手に渡ることを未然に回避することが出来る。
また、上記第2の実施の形態によれば、レンタカー業務において、貸出・返却を行う営業所を無人化することができるため、業務を効率化することができる。
また、上記第3及び第4の実施の形態によれば、PCの管理において、PCの盗難等が発生した場合であっても、第三者がPC内のデータを取り出すことを防ぐ効果がある。
なお、上記の実施の形態においては、具体的な事例に基づいた効果を説明したが、本発明による効果はこれに限らず、その波及範囲は広いと考えるのは妥当である。
また、本実施の形態によれば、ある物を動作しないように、物が動作するために必要な部分を物理的に破壊する装置を無線通信により遠隔から制御可能とすることで、様々な新規の応用分野を提供するものである。これにより、上述する実施の形態において挙げたPC管理のように、データ保護などに有効な対処法を提供することが可能である。
このように、本発明の本質的な概念は、無線通信経由でリアルな物の所有権または利用権を制御するものである。上述するような物そのものの破壊も所有権または利用権の停止と捉えることができる。以上の本質的な意味を考えると、上記において4つの実施の形態を挙げているが、本発明の効果はこれらの事例に限定されないことは自明である。
また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD−ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムを送信する場合の通信線のように、短時間の間、動的にプログラムを保持するもの、その場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリのように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。また上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良く、さらに前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるものであっても良い。
110、1210…制御手段
120、1220…記憶手段
130、1230…無線通信手段
140…錠前制御手段
150、1240…電源供給手段
200…かばん
300…発送者の端末
400…公衆広域無線アクセスネットワーク
410…基地局
420…インターネット
500…自動車
600…レンタカー事業者の管理端末
700…鍵
Claims (9)
- 物を梱包する梱包体に備えられたICタグと、制御装置とをネットワークを介して接続してなる物の使用権または所有権の制御システムであって、
前記梱包体は、開錠しないと該梱包体により梱包されている物を取り出すことはできない錠を備え、
前記制御装置は、前記ネットワークを介して前記ICタグへ開錠または施錠の指示を送信する指示送信手段を備え、
前記ICタグは、
前記ネットワークを介して前記制御装置から開錠または施錠の指示を受信する通信手段と、
前記通信手段が前記制御装置から開錠の指示を受信した場合に、自身が備えられている梱包体に備えられた前記錠を開錠し、前記通信手段が前記制御装置から施錠の指示を受信した場合に、自身が備えられている梱包体に備えられた前記錠を施錠する錠前制御手段とを備えており、
前記錠は、前記錠前制御手段によってのみ開錠される、
ことを特徴とする物の使用権または所有権の制御システム。 - 物を梱包する梱包体に備えられたICタグと、制御装置とをネットワークを介して接続してなる物の使用権または所有権の制御システムに用いられ、前記梱包体に梱包された物の所有権または使用権をある事業者から他の事業者または個人に一時的または永久的に譲渡するための物の使用権または所有権の制御方法であって、
前記梱包体は、前記ICタグによってのみ開錠され、開錠しないと該梱包体により梱包されている物を取り出すことはできない錠を備えており、
前記制御装置が、ある事業者の所有する物を前記梱包体に梱包して他の事業者または個人に輸送した後に、前記ネットワークを介して該梱包体に備えられた前記ICタグへ開錠の指示を送信し、
前記ICタグが、前記ネットワークを介して前記制御装置から開錠の指示を受信し、自身が備えられている梱包体に備えられた前記錠を開錠する、
ことを特徴とする物の使用権または所有権の制御方法。 - 前記梱包体は、かばん、または、コンテナケースであり、
前記制御装置は、前記ある事業者としての電子商取引業者が、前記他の事業者または個人からの購入申し込みを受けて即座に前記梱包体に入れて発送した注文品の購入代金の支払い終了の情報を受信次第、該梱包体に備えられた前記ICタグへ開錠の指示を送信する、
ことを特徴とする請求項2に記載の物の使用権または所有権の制御方法。 - ICタグと、制御装置とをネットワークを介して接続してなる物の使用権または所有権の制御システムに用いられ、ある事業者が所有する物の所有権または使用権を他の事業者または個人に一時的または永久的に譲渡するための物の使用権または所有権の制御方法であって、
前記物は、鍵で起動される装置と、前記鍵とから構成されており、
前記鍵で起動される装置および前記鍵は、それぞれICタグを備えており、
前記制御装置が、前記事業者により前記他の事業者または前記個人へ前記鍵で起動される装置および前記鍵が一時的または永久的に譲渡される際に、認証を行う際の演算に用いられるデータである論理式鍵を、前記ネットワークを介して前記鍵で起動される装置の備えるICタグと前記鍵の備えるICタグとへ、対となるようにそれぞれ送信し、
前記鍵で起動される装置の備えるICタグと前記鍵の備えるICタグとがそれぞれ、前記ネットワークを介して前記論理式鍵を受信して内部に記憶し、
前記鍵で起動される装置の備えるICタグ内に記憶されている前記論理式鍵に対して、前記鍵の備えるICタグ内から読み出した前記論理式鍵が正当な場合に、前記鍵で起動される装置が使用可能な状態となる、
ことを特徴とする物の使用権または所有権の制御方法。 - 前記鍵で起動される装置は、自動車であり、
前記鍵は、前記自動車の鍵であり、
前記事業者は、所有権または使用権をユーザに一時的に譲渡するレンタカー業者であり、
前記自動車およびその自動車の鍵は、ICタグを備えており、
前記制御装置が、前記レンタカー業者により前記ユーザへ前記自動車が貸し出される際に、対となる論理式鍵のそれぞれを前記自動車の備えるICタグと前記自動車の鍵の備えるICタグへ送信し、
前記自動車が、自身の備える鍵穴と前記自動車の鍵が機械的に合致しており、かつ、自身の備えるICタグ内に記憶している論理式鍵に対して、該鍵の備えるICタグ内から読み出した論理式鍵が正当である場合に使用可能な状態となる、
ことを特徴とする請求項4に記載の物の使用権または所有権の制御方法。 - 物に備えられたICタグと、制御装置とをネットワークを介して接続してなる物の使用権または所有権の制御システムに用いられ、ある事業者が所有する物の使用権を他の事業者または個人に一時的または永久的に停止するための物の使用権の制御方法であって、
前記物は、前記ICタグによって開錠または施錠され、開錠により当該物を使用可能とし、施錠により当該物を使用不可とする錠を備えており、
前記制御装置が、前記ネットワークを介して開錠の指示または施錠の指示を前記ICタグへ送信し、
前記ICタグが、前記ネットワークを介して開錠の指示を受信した場合に、自身が備えられている物に備えられた前記錠を開錠し、前記ネットワークを介して施錠の指示を受信した場合に、自身が備えられている物に備えられた前記錠を施錠する、
ことを特徴とする物の使用権の制御方法。 - 前記物は、コンピュータ装置であり、
前記制御装置は、前記コンピュータ装置の使用を許可しない場合、または、前記コンピュータ装置内部に記憶された情報の閲覧を許可しない場合に、前記ネットワークを介して前記施錠の指示を送信する、
ことを特徴とする請求項6に記載の物の使用権の制御方法。 - 物に備えられたICタグと、制御装置とをネットワークを介して接続してなる物の使用権または所有権の制御システムに用いられ、ある事業者が所有する物の所有権または使用権を他の事業者または個人に永久的に停止するための物の使用権または所有権の制御方法であって、
前記物は、前記ICタグによって起動され、破損により当該物が使用不能となる部品を破壊するための破壊手段を備えており、
前記制御装置が、前記ネットワークを介して前記破壊の指示を前記ICタグへ送信し、
前記ICタグが、前記ネットワークを介して前記制御装置から破壊の指示を受信し、自身が備えられている物に備えられた前記破壊手段を起動する、
ことを特徴とする物の使用権または所有権の制御方法。 - 前記物は、コンピュータ装置であり、
前記破壊装置は、破損により、前記コンピュータ装置内のハードディスク装置が、該コンピュータ装置内に記憶された情報を読み出せなくなる部品、または、破損により、前記コンピュータ装置が作動できなくなる部品を物理的に破壊し、
前記制御装置は、前記コンピュータ装置から不正に情報が奪われる危険がある場合に、前記破壊の指示を前記ICタグへ送信する、
ことを特徴とする請求項8に記載の物の使用権または所有権の制御方法。
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