JP4509683B2 - 電気式擬似温泉水製造装置及び電気式擬似温泉水製造方法 - Google Patents

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本発明は、業務用又は家庭用の水処理装置及び水処理方法に関し、詳しくは、温泉成分を含有する擬似温泉水の製造装置及び擬似温泉水製造方法に関する。
温泉法によれば、地中から湧出する水(湧水)は、湧出する際の温度が25℃以上であれば温泉とされ、また、25℃未満の湧水でも、1kg当たりの溶存物質総量が1000mg以上であり、且つ指定された物質のうち、少なくとも1種を規定量以上含んでいれば、温泉とされている。
該指定されている物質の1種に、炭酸水素ナトリウムがあり、湧水が、炭酸水素ナトリウムを1kg中に340mg以上含んでいれば、温泉とされている。該温泉は、一般的に重曹泉と呼ばれている。該重曹泉は、皮膚の表面を柔らかくし、皮膚の脂肪や分泌物を乳化して、皮膚を石鹸で洗ったようにツルツルさせる効果を有し、古くから「美人の湯」と言われている。また、該重曹泉は、切り傷、やけど、慢性皮膚病に効用があるとされている。
また、炭酸水素イオンを、1kg中に360mg以上含んでいる重曹泉は、薬理学的な治療効果が期待できる療養泉としても規定されている。他に、陰イオンとして硫酸イオンを主成分する硫酸塩泉、塩化ナトリウムを主成分とする食塩泉も同様に療養泉として分類されている。
ところで、硬水に含まれているカルシウムイオン及びマグネシウムイオンは、石鹸と結合して金属石鹸を生成するため、該硬水を風呂用水として用いると、石鹸の泡立ちが悪くなる。また、該金属石鹸は、皮膚に微量残留することにより、入浴後に肌がかさかさする等の肌荒れを起こす原因となると言われている。水分の蒸発を防ぎ肌を保湿している皮膚の表面にある皮脂層に、該残留金属石鹸が付着すると、皮膚の新陳代謝が悪くなって皮脂膜ができにくくなる結果、皮膚からの水分の蒸発を止められず、肌が乾燥するためである。頭皮にも同様のことが言え、シャンプーで洗髪した後に金属石鹸が毛根に残ると、フケの発生や埃の付着を起こし易く、頭皮や頭髪に問題を起こすと言われている。また、アトピー性皮膚炎のようなアレルギー皮膚炎症の場合も、皮膚のバリア機能が低下しているところに、金属石鹸のような刺激物が付着することは好ましくない。そして、上記問題は、風呂用水に限らず、手洗い用及び洗顔用の水についても共通している。
一方、軟水を風呂用、手洗い用、洗顔用の水に用いた場合、金属石鹸は生成しないので、上記金属石鹸の生成に起因する問題は解消される。また、軟水に含まれているナトリウムイオンは、天然保湿成分の一つに挙げられ、人肌の保湿効果があると言われている。乾燥から肌を守るために、化粧水や保湿クリーム等の保湿液を全身に塗ることは、面倒であったり、べたつき及び臭いを伴うため、ほとんどの場合現実的ではないので、毎日ナトリウムイオンを含有する軟水風呂に入浴することは、手軽に肌の保湿ができる有効な手段である。
そこで、従来より、軟水であり且つ温泉法で指定されている物質を含有する擬似温泉水を製造することが行われており、例えば、特許文献1の特開平2003−53340号公報には、原水をアルカリ金属塩形カチオン交換樹脂層と炭酸水素形アニオン交換樹脂層とに通水する水処理装置、及び該水処理装置を用いて原水を処理することにより、擬似炭酸水素塩泉を製造できることが開示されている。
特開平2003−53340号公報(請求項1、段落番号0016)
しかしながら、前記特許文献1の特開平2003−53340号公報に記載の水処理装置では、イオン交換筒に充填したイオン交換樹脂が貫流点に達した場合、該イオン交換筒を交換するか、又は再生剤を用いて該イオン交換樹脂を再生する必要がある。そのため、連続して炭酸水素塩泉を得ることができず、また、メンテナンス頻度が多くなるのでランニングコストが高くなるという問題があった。また、地域ごとの水質の違い若しくは水質の変化への対応、好みの温泉成分濃度への調整又は好みの泉質への変更がし難いという問題があった。
従って、本発明の課題は、連続して、軟水であり且つ温泉法で指定されている物質を含有する擬似温泉水を製造することができる擬似温泉水製造装置及び擬似温泉水製造方法であって、メンテナンス頻度が少なく、ランニングコストが低く、且つ地域ごとの水質の違い若しくは水質の変化への対応、好みの温泉成分濃度への調整及び好みの泉質への変更が容易な擬似温泉水製造装置及び擬似温泉水製造方法を提供することにある。
本発明者らは、上記従来技術における課題を解決すべく、鋭意研究を重ねた結果、陽極と陰極の間に、陽イオン濃縮室、陽イオン交換体が充填されている軟化処理室、添加剤含有水溶液通水室及び陰イオン濃縮室を、陰極側からこの順に配置し、電圧を印加しながら、被処理水を該軟化処理室及び該陰イオン濃縮室に通水させつつ、添加剤含有水溶液を該添加剤含有水溶液通水室に流入させ、且つ該陽イオン濃縮室に濃縮水を流入させることにより、連続的に炭酸水素泉、食塩泉、硫酸塩泉等とよく似た組成の擬似温泉水を製造することができること等を見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明(1)は、陰極と陽極の間に、陽イオン濃縮室、陽イオン交換体が充填されている軟化処理室、添加剤含有水溶液通水室及び陰イオン濃縮室が、陰極側からこの順に配置され、該陽イオン濃縮室と該軟化処理室の間には陽イオン交換膜が配設され、該軟化処理室と該添加剤含有水溶液通水室の間には陽イオン交換膜が配設され、該添加剤含有水溶液通水室と該陰イオン濃縮室の間には陰イオン交換膜が配設されている電気式擬似温泉水製造装置を提供するものである。
また、本発明(2)は、陰極と陽極の間に、陽イオン濃縮室、陽イオン交換体が充填されている軟化処理室、添加剤含有水溶液通水室、陰イオン交換体が充填されている陰イオン交換室及び陰イオン濃縮室が、陰極側からこの順に配置され、該陽イオン濃縮室と該軟化処理室の間には陽イオン交換膜が配設され、該軟化処理室と該添加剤含有水溶液通水室の間には陽イオン交換膜が配設され、該添加剤含有水溶液通水室と該陰イオン交換室の間には陰イオン交換膜が配設され、該陰イオン交換室と該陰イオン濃縮室の間には陰イオン交換膜が配設されている電気式擬似温泉水製造装置を提供するものである。
また、本発明(3)は、陰極と陽極の間に、陽イオン濃縮室、陽イオン交換体が充填されている軟化処理室、添加剤含有水溶液通水室及び陰イオン濃縮室を、陰極側からこの順に配置し、該陽イオン濃縮室と該軟化処理室の間に陽イオン交換膜を配設し、該軟化処理室と該添加剤含有水溶液通水室の間に陽イオン交換膜を配設し、該添加剤含有水溶液通水室と該陰イオン濃縮室の間に陰イオン交換膜を配設し、(A)電圧を印加しながら、(B)被処理水を該軟化処理室又は該陰イオン濃縮室の一方に流入させ、次いで、該軟化処理室又は該陰イオン濃縮室の流出水を、該軟化処理室又は該陰イオン濃縮室の他方に流入させつつ、(C)添加剤含有水溶液を該添加剤含有水溶液通水室に流入させ、且つ(D)濃縮水を該陽イオン濃縮室に流入させる電気式擬似温泉水製造方法を提供するものである。
また、本発明(4)は、陰極と陽極の間に、陽イオン濃縮室、陽イオン交換体が充填されている軟化処理室、添加剤含有水溶液通水室、陰イオン交換体が充填されている陰イオン交換室及び陰イオン濃縮室を、陰極側からこの順に配置し、該陽イオン濃縮室と該軟化処理室の間に陽イオン交換膜を配設し、該軟化処理室と該添加剤含有水溶液通水室の間に陽イオン交換膜を配設し、該添加剤含有水溶液通水室と該陰イオン交換室の間に陰イオン交換膜を配設し、該陰イオン交換室と該陰イオン濃縮室の間に陰イオン交換膜を配設し、(A)電圧を印加しながら、(B)被処理水を該軟化処理室又は該陰イオン交換室の一方に流入させ、次いで、該軟化処理室又は該陰イオン交換室の流出水を、該軟化処理室又は該陰イオン交換室の他方に流入させつつ、(C)添加剤含有水溶液を該添加剤含有水溶液通水室に流入させ、且つ(D)陰イオン濃縮水を該陰イオン濃縮室に流入させると共に、陽イオン濃縮水を該陽イオン濃縮室に流入させる電気式擬似温泉水製造方法を提供するものである。
本発明の電気式擬似温泉水製造装置及び電気式擬似温泉水製造方法によれば、連続して、軟水であり且つ温泉法で指定されている物質を含有する擬似温泉水を製造でき、メンテナンス頻度が少なく、ランニングコストを低くすることができる。また、該電気式擬似温泉水製造装置及び該電気式擬似温泉水製造方法によれば、地域ごとの水質の違い若しくは水質の変化への対応、好みの温泉成分濃度への調整及び好みの泉質への変更が容易となる。
本発明の第一の実施の形態に係る電気式擬似温泉水製造装置(以下、第一の実施の形態の製造装置とも記載する。)を図1を参照して説明する。図1は、本発明の第一の実施の形態の電気式擬似温泉水製造装置の模式図である。図1中、電気式擬似温泉水製造装置10は、陰極4と陽極5の間に、陽イオン濃縮室1、陽イオン交換体6が充填されている軟化処理室Dc、添加剤含有水溶液通水室R、陰イオン濃縮室2及び陽極室3が、陰極4側からこの順に配置されており、陽イオン濃縮室1と軟化処理室Dcの間には陽イオン交換膜8aが、軟化処理室Dcと添加剤含有水溶液通水室Rの間には陽イオン交換膜8bが、添加剤含有水溶液通水室Rと陰イオン濃縮室2の間には陰イオン交換膜9aが、陰イオン濃縮室2と陽極室3の間には陽イオン交換膜8cが配設されている。なお、該陰極4は、該陽イオン濃縮室1内の該陽イオン交換膜8aとは反対側に設置され、該陽極5は、該陽極室3内の該陽イオン交換膜8cとは反対側に設置されている。また、該電気式擬似温泉水製造装置10には、軟化処理室Dcの一方に繋がる被処理水流入管11、該軟化処理室Dcの他方と陰イオン濃縮室2の一方に繋がる軟水流出管12、該陰イオン濃縮室2の他方に繋がる擬似温泉水流出管14、添加剤含有水溶液通水室Rの一方に繋がる添加剤含有水溶液流入管15、該添加剤含有水溶液通水室Rの他方に繋がる添加剤含有水溶液流出管16、軟水流出管12から分岐し、陽極室3の一方に繋がる陽極水流入管13、該陽極室3の他方と陽イオン濃縮室1の一方に繋がる陽極水流出管17及び該陽イオン濃縮室1の他方に繋がる陽イオン濃縮水流出管18を有する。
該陽イオン交換体6としては、陽イオン交換機能を有するものであれば、特に制限されず、例えば、陽イオン交換樹脂、陽イオン交換繊維、有機多孔質陽イオン交換体等が挙げられ、それらの1種又は2種以上の組合わせたものでもよい。また、該陽イオン交換体6は、強酸性陽イオン交換体、弱酸性陽イオン交換体のいずれでもよく、あるいはそれらを組合わせたものでもよい。
該陽イオン交換膜8a、8b及び8cとしては、特に制限させず、陽イオンのみ透過し、陰イオンを透過しないものであればよい。また、該陰イオン交換膜9aとしては、特に制限させず、陰イオンのみ透過し、陽イオンを透過しないものであればよい。なお、陰イオン濃縮室2と陽極室3の間に配設されるイオン交換膜は、陽イオン交換膜であることが、添加剤含有水溶液通水室Rから移動してくる陰イオンが、該陰イオン濃縮室2から該陽極室3へ排出されない点で好ましい。
該軟化処理室Dcの厚さは、特に制限されず、陽イオン交換体6の種類又は充填方法により、適宜定めることができる。
該被処理水流入管11は、該電気式擬似温泉水製造装置10では、軟化処理室Dcに繋がっているが、本発明の第一の実施の形態の製造装置においてはこれに限定されず、陰イオン濃縮室2に繋がっていてもよく、この場合は、擬似温泉水流出管14が、軟化処理室Dcに繋がることになる。
また、図2に示すように、該軟化処理室Dc、該添加剤含有水溶液通水室R、該陰イオン濃縮室2は、内部がくり抜かれている3つの枠体と4つのイオン交換膜によって形成される一体モジュール30であってもよい。図2は、本発明の第一の実施の形態の製造装置に係る一体モジュールの模式図である。まず、第一枠体31の陰極側に陽イオン交換膜8aを封着し、該第一枠体31のくり抜かれている部分に陽イオン交換体6を充填し、次いで、該第一枠体31の陽極側を陽イオン交換膜8bで封着して、軟化処理室Dcを形成する。次に、該陽イオン交換膜8bを挟み込むように第二枠体32を封着し、該第二枠体の陽極側を陰イオン交換膜9aで封着して、添加剤含有水溶液通水室Rを形成する。次に、第三枠体33、陽イオン交換膜8cを順に封着して、陰イオン濃縮室2を形成する。なお、陽イオン交換膜8a、8b、8c及び陰イオン交換膜9aは、比較的柔らかいものであり、イオン交換膜を封着した時、該イオン交換膜が湾曲するのを防止するため、第一枠体31、第二枠体32及び第三枠体33の空間部には、補強リブ35を縦設する。また、図では省略するが、第一枠体31、第二枠体32及び第三枠体33の上方部又は下方部のいずれか一方には水の流入口が、他方には水の流出口が付設されている。
このようにして形成される該一体モジュール30を、くり抜かれている部分に電極とイオン交換膜の接触を防ぐためのスペーサーが付設されている2つの枠体で挟み、更に、図1に示す陰極4、陽極5及び配管等を付設し、一体モジュール30が組み込まれている電気式擬似温泉水製造装置10を作製することができる。この時、該陰極4が付設される該枠体のくり抜かれている部分が、図1に示す陽イオン濃縮室1であり、該陽極5が付設される該枠体のくり抜かれている部分が、図1に示す陽極室3である。該一体モジュールが組み込まれている電気式擬似温泉水製造装置とすることが、省スペース且つ低コストの電気式擬似温泉水製造装置を作製することができる点で好ましい。
次に、本発明の第一の実施の形態の電気式擬似温泉水製造方法(以下、第一の実施の形態の製造方法とも記載する。)について、図1を参照して説明する。該第一の実施の形態の製造方法は、例えば、該電気式擬似温泉水製造装置10を用いて、(A)陰極4及び陽極5に電圧を印加しながら(以下、A工程とも記載する。)、(B)被処理水を被処理水流入管11から軟化処理室Dcに流入させ、該軟化処理室Dcに通水し、更に、該軟化処理室Dcの流出水を、軟水流出管12により陰イオン濃縮室2に流入させ、該陰イオン濃縮室2に通水し、該陰イオン濃縮室2の流出水(擬似温泉水)を擬似温泉水流出管14から流出させつつ(以下、B工程とも記載する。)、(C)添加剤含有水溶液を添加剤含有水溶液流入管15から添加剤含有水溶液通水室Rに流入させ、該添加剤含有水溶液通水室Rに通水し、該添加剤含有水溶液通水室Rの流出水を添加剤含有水溶液流出管16から流出させ(以下、C工程とも記載する。)、且つ(D)濃縮水を陽極水流出管17から陽イオン濃縮室1に流入させ、該陽イオン濃縮室1に通水し、該陽イオン濃縮室1の流出水を陽イオン濃縮水流出管18から流出させる(以下、D工程とも記載する。)ことにより行われる。また、該電気式擬似温泉水製造装置10を用いる場合は、該D工程の濃縮水として、該軟化処理室Dcの流出水の一部を、陽極水流入管13から陽極室3に流入させ、該陽極室3に通水して得られる該陽極室3の流出水を用いる。
該A工程は、軟化処理室Dcに充填されている陽イオン交換体6に捕捉されているカルシウムイオン又はマグネシウムイオン等の硬度イオン(以下、単に硬度イオンとも記載する。)を陽イオン濃縮室1へ、添加剤含有水溶液通水室Rの添加剤含有水溶液中の陽イオンを軟化処理室Dcへ、添加剤含有水溶液通水室Rの添加剤含有水溶液中の陰イオンを陰イオン濃縮室2へ移動させる工程である。
該B工程は、被処理水を、軟化処理室Dcに通水し、該軟化処理室Dcの流出水を陰イオン濃縮室2に通水することにより、該被処理水を、軟水であり且つ温泉成分を含有する擬似温泉水に変換させる工程である。
該軟化処理室Dcに充填されている陽イオン交換体6の陽イオンは、電場の作用で、添加剤含有水溶液通水室Rから移動してくるナトリウムイオン、カリウムイオン又はリチウムイオン等のアルカリ金属イオンで置換されている。そこで、該被処理水を軟化処理室Dcに通水することにより、該被処理水中の硬度イオンはアルカリ金属イオンにイオン交換される。このことにより、該被処理水は硬度イオンを含有しない軟水に変換される。
そして、該陽イオン交換体6により捕捉された該被処理水中の硬度イオンは、電場の作用で、陰極側に移動し、陽イオン交換膜8aを透過して、陽イオン濃縮室1へと排出される。それと同時に、該陽イオン交換体6の陽イオンは、該添加剤含有水溶液通水室Rから移動してくるアルカリ金属イオンで再び置換される。
次いで、軟化処理室Dcの流出水を陰イオン濃縮室2に通水することにより、該軟化処理室Dcの流出水は、電場の作用で、該添加剤含有水溶液通水室Rから移動してくる炭酸水素イオン、硫酸イオン、塩化物イオン等の温泉成分の陰イオン(以下、単に温泉成分の陰イオンとも記載する。)を受け取る。このようにB工程を行うことにより、該被処理水は、軟水であり且つ温泉成分を含有する擬似温泉水へ変換される。
該被処理水としては、風呂用、洗顔用、洗髪用等の水であれば、特に制限されず、例えば、水道水等の浄水、井戸水等の天然水、雨水等が挙げられる。また、該被処理水中の硬度イオンの含有量は、特に制限されないが、通常、0〜120mg/Lである。
また、該電気式擬似温泉水製造装置10を用いる場合は、被処理水を先に軟化処理室Dcに通水してから、該軟化処理室Dcの流出水を陰イオン濃縮室2に通水することになるが、それには限定されず、第一の実施の形態の製造方法においては、被処理水を先に陰イオン濃縮室2に通水してから、該陰イオン濃縮室2の流出水を軟化処理室Dcに通水することもできる。ただし、被処理水を先に陰イオン濃縮室2に通水すると、陰イオン交換膜9a上等で、被処理水中の硬度イオンが、該陰イオン交換膜9aを透過してきた添加剤水溶液中の陰イオンと結合し、スケールを生成して、通水抵抗若しくは電気抵抗が上昇又は該陰イオン交換膜9aが劣化するという問題が起こることがあり、特に被処理水が硬度イオンを多く含んでいる場合は、該問題が起こり易くなる。従って、被処理水を先に軟化処理室Dcに通水することが、該問題が生じない点で好ましい。
該C工程は、軟化処理室Dc又は陰イオン濃縮室2に移動する陽イオン及び陰イオンを、該電気式擬似温泉水製造装置10に供給するために、添加剤含有水溶液を添加剤含有水溶液通水室Rに通水する工程である。
該添加剤含有水溶液に含有される添加剤としては、陽イオンがアルカリ金属イオンであり、陰イオンが温泉成分の陰イオンである化合物であれば、特に制限されず、例えば、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、炭酸水素リチウム、硫酸ナトリウム、硫酸カリウム、硫酸リチウム、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化リチウム等が挙げられる。これらのうち、ナトリウム金属塩が安価である点で好ましい。また、これらは1種単独又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
該添加剤を溶解させる水としては、特に制限されず、蒸留水、イオン交換水、、水道水若しくは井戸水等の被処理水、又は該電気式擬似温泉水製造装置10で製造される擬似温泉水等が挙げられる。これらのうち、被処理水又は擬似温泉水が、安価である点で好ましい。
該添加剤含有水溶液の添加剤濃度は、特に制限されないが、好ましくは1重量%以上、特に好ましくは各添加剤の飽和濃度である。また、該C工程においては、該添加剤含有水溶液を、設定濃度未満になるまで循環使用することができ、該添加剤含有水溶液の濃度が設定濃度未満になった場合は、該添加剤を追加投入すれば、更に該添加剤含有水溶液の循環使用を続けることができる。
該D工程は、電場の作用で、軟化処理室Dcから移動してくる硬度イオンを、濃縮水に取り込ませ該硬度イオンを排出する工程である。
該濃縮水は、電気式擬似温泉水製造装置10を用いる場合は、軟化処理室Dcの流出水の一部を陽極室3に通水させた後の水であるが、これに限定されず、第一の実施の形態の製造方法においては、例えば、蒸留水、イオン交換水等の硬度イオン含まない又は硬度イオンの含有量が少ない水であればよい。該濃縮水が硬度イオンを含有する場合、硬度イオンの含有量は、5mg/L以下であることが好ましい。該硬度イオンの含有量が5mg/Lを超えると、陽イオン交換膜8cを通過して、擬似温泉水に混入する硬度イオンが多くなり、擬似温泉水の泉質を悪くする点で好ましくない。これらのうち、該濃縮水が、軟化処理室Dcの流出水の一部を陽極室3に通水させた後の水であることが、ランニングコストが低い点で好ましい。
また、軟化処理室Dc若しくは陰イオン濃縮室2の流入水の流入量、又は印加する電圧を調節することにより、地域ごとの水質の違い若しくは水質の変化への対応、又は好みの温泉成分濃度への調整を、容易に行うことができ、更には、添加剤の種類を変更することにより、容易に異なる泉質の擬似温泉水を製造することができる。
このようにして得られる擬似温泉水は、硬度イオンの含有量が40mg/L以下である軟水であり、また、温泉法で規定されている含有量以上の温泉成分を含有している。また、該擬似温泉水には、元々被処理水に含まれていた陰イオンが残っている。このことにより、地域の水の特色を生かした擬似温泉水を製造することができる。
次に、本発明の第二の実施の形態の電気式擬似温泉水製造装置(以下、第二の実施の形態の製造装置とも記載する。)を図3を参照して説明する。図3は、本発明の第二の実施の形態の電気式擬似温泉水製造装置の模式図である。図1と同一の構成要素には同一符号を付して、その説明を省略し、異なる点について主に説明する。第二の実施の形態例において、第一の実施の形態例と主に異なる点は、該軟化処理室Dcの流出水を通水する室が、該陰イオン濃縮室2に代えて、陰イオン交換体が充填されている陰イオン交換室Daであり、該陽極室3に代えて、陰イオン濃縮室41が配置されている点にある。
図3中、電気式擬似温泉水製造装置40は、陰極4と陽極5の間に、陽イオン濃縮室1、陽イオン交換体6が充填されている軟化処理室Dc、添加剤含有水溶液通水室R、陰イオン交換室Da及び陰イオン濃縮室41が、陰極4側からこの順に配置されており、陽イオン濃縮室1と軟化処理室Dcの間には陽イオン交換膜8aが、軟化処理室Dcと添加剤含有水溶液通水室Rの間には陽イオン交換膜8bが、添加剤含有水溶液通水室Rと陰イオン交換室Daの間には陰イオン交換膜9aが、陰イオン交換室Daと陰イオン濃縮室41の間には陰イオン交換膜9bが配設されている。なお、該陰極4は、該陽イオン濃縮室1内の該陽イオン交換膜8aとは反対側に設置され、該陽極5は、該陰イオン濃縮室41内の該陰イオン交換膜9bとは反対側に設置されている。また、電気式擬似温泉水製造装置40には、軟化処理室Dcの一方に繋がる被処理水流入管11、該軟化処理室Dcの他方と陰イオン交換室Daの一方に繋がる軟水流出管43、該陰イオン交換室Daの他方に繋がる擬似温泉水流出管44、添加剤含有水溶液通水室Rの一方に繋がる添加剤含有水溶液流入管15、該添加剤含有水溶液通水室Rの他方に繋がる添加剤含有水溶液流出管16、軟水流出管43から分岐し、陰イオン濃縮室41の一方に繋がる陰イオン濃縮水流入管46、該陰イオン濃縮室41の他方と陽イオン濃縮室1の一方に繋がる陰イオン濃縮水流出管45及び該陽イオン濃縮室1の他方に繋がる陽イオン濃縮水流出管18を有する。
該陰イオン交換体42としては、陰イオン交換機能を有するものであれば、特に制限されず、例えば、陰イオン交換樹脂、陰イオン交換繊維、有機多孔質陰イオン交換体等が挙げられ、それらの1種又は2種以上の組合わせたものでもよい。また、該陰イオン交換体42は、強塩基性陰イオン交換体、弱塩基性陰イオン交換体のいずれでもよく、あるいはそれらを組合わせたものでもよい。
該被処理水流入管11は、該電気式擬似温泉水製造装置10では、軟化処理室Dcに繋がっているが、本発明の第二の実施の形態の製造装置においてはこれに限定されず、陰イオン交換室Daに繋がっていてもよく、この場合は、擬似温泉水流出管44が、軟化処理室Dcに繋がることになる。
また、図4に示すように、該軟化処理室Dc、該添加剤含有水溶液通水室R及び該陰イオン交換室Daは、内部がくり抜かれた3つの枠体と4つのイオン交換膜によって形成される一体モジュール50であってもよい。図4は、本発明の第二の実施の形態の製造装置に係る一体モジュールの模式図である。まず、図2中の一体モジュール30と同様に、軟水処理室Dc及び添加剤含有水溶液通水室Rを形成する。次に、陰イオン交換膜9aを挟み込むように第三枠体33の陰極側を封着し、該第三枠体33のくり抜かれている部分に陰イオン交換体42を充填し、次いで、該第三枠体33の陽極側を陰イオン交換膜9bで封着して、陰イオン交換室Daを形成する。なお、第一枠体31、第二枠体32及び第三枠体33の空間部には、図2に示す一体モジュール30と同様に、補強リブ35を縦設する。また、図では省略するが、第一枠体31、第二枠体32及び第三枠体33の上方部又は下方部のいずれか一方には水の流入口が、他方には水の流出口が付設されている。
このようにして形成される該一体モジュール50を、くり抜かれている部分に電極とイオン交換膜の接触を防ぐためのスペーサーが付設されている2つの枠体で挟み、更に、図2に示す陰極4、陽極5及び配管等を付設し、一体モジュール50が組み込まれている電気式擬似温泉水製造装置40を作製することができる。この時、該陰極4が付設される該枠体のくり抜かれている部分が、図3に示す陽イオン濃縮室1であり、該陽極5が付設される該枠体のくり抜かれている部分が、図3に示す陰イオン濃縮室41である。
次に、本発明の第二の実施の形態の電気式擬似温泉水製造方法(以下、第二の実施の形態の製造方法とも記載する。)について、図3を参照して説明する。該第一の実施の形態の製造方法と同一の構成要素については、その説明を省略し、異なる点について主に説明する。第二の実施の形態の製造方法において、第一の実施の形態の製造方法と主に異なる点は、B工程において被処理水を軟化処理室又は陰イオン濃縮室の一方に通水し、次いで、該軟化処理室又は該陰イオン濃縮室の流出水を、該軟化処理室又は該陰イオン濃縮室の他方に通水することに代え、被処理水を軟化処理室又は陰イオン交換室の一方に通水し、次いで、該軟化処理室又は該陰イオン交換室の流出水を、該軟化処理室又は該陰イオン交換室の他方に通水する点、並びにD工程において濃縮水を陽イオン濃縮室に通水することに代えて、陰イオン濃縮水を該陰イオン濃縮室に流入させると共に、陽イオン濃縮水を該陽イオン濃縮室に流入させる点である。
すなわち、該第二の実施の形態の製造方法は、例えば、該電気式擬似温泉水製造装置40を用いて、(A)陰極4及び陽極5に電圧を印加しながら(A工程)、(B)被処理水を被処理水流入管11から軟化処理室Dcに流入させ、該軟化処理室Dcに通水し、更に、該軟化処理室Dcの流出水を、軟水流出管43により陰イオン交換室Daに流入させ、該陰イオン交換室Daに通水し、該陰イオン交換室Dcの流出水(擬似温泉水)を擬似温泉水流出管44から流出させつつ(B工程)、(C)添加剤含有水溶液を添加剤含有水溶液流入管15から添加剤含有水溶液通水室Rに流入させ、該添加剤含有水溶液通水室Rに通水し、該添加剤含有水溶液通水室Rの流出水を添加剤含有水溶液流出管16から流出させ(C工程)、且つ(D)陰イオン濃縮水を陰イオン濃縮水流入管46から陰イオン濃縮室41に流入させ、該陰イオン濃縮室41に通水し、該陰イオン濃縮室41の流出水を陰イオン濃縮水流出管45から流出させると共に、陽イオン濃縮水を、陰イオン濃縮水流出管45から陽イオン濃縮室1に流入させ、該陽イオン濃縮室1に通水し、該陽イオン濃縮室1の流出水を陽イオン濃縮水流出管18から流出させる(D工程)ことにより行われる。また、該電気式擬似温泉水製造装置40を用いる場合は、該D工程の陰イオン濃縮水として、該軟化処理室Dcの流出水の一部を用い、陽イオン濃縮水として、該軟化処理室Dcの流出水の一部を陰イオン濃縮水流入管46から陰イオン濃縮室41に流入させ、該陰イオン濃縮室41に通水して得られる該陰イオン濃縮室41の流出水を用いる。
該B工程は、被処理水を軟化処理室Dcに通水し、該軟化処理室Dcの流出水を陰イオン交換室Daに通水することにより、被処理水を軟水であり且つ温泉成分を含有する擬似温泉水に変換し、更に、被処理水中の陰イオンを除去する工程である。なお、該B工程の被処理水を軟化処理室Dcに通水する点については、前記第一の実施の形態の製造方法と同様である。
該陰イオン交換室Daに充填されている陰イオン交換体42の陰イオンは、電場の作用で、添加剤含有水溶液通水室Rから移動してくる炭酸水素イオン、硫酸イオン又は塩化物イオン等の該添加剤含有水溶液中の陰イオンで置換されている。そこで、該軟化処理室Dcの流出水を、陰イオン交換室Daに通水することにより、該軟化処理室Dcの流出水中の陰イオンは、該添加剤含有水溶液中の陰イオンによりイオン交換される。このようにB工程を行うことにより、該被処理水は、軟水であり且つ温泉成分を含有する擬似温泉水であり、更に、該被処理水中の陰イオンが除去されている擬似温泉水に変換される。
そして、該陰イオン交換体42により捕捉された該被処理水中の陰イオンは、電場の作用で、陽極側に移動し、陰イオン交換膜9bを透過して、陰イオン濃縮室41へと排出される。それと同時に、該陰イオン交換体42の陰イオンは、該添加剤含有水溶液通水室Rから移動してくる添加剤含有水溶液中の陰イオン、例えば、炭酸水素イオン等で再び置換される。
従って、該陰イオン交換室Daの流出水(擬似温泉水)は、目的とする温泉成分の陰イオン以外の陰イオンを含まないため、純水に添加剤水溶液中のアルカリ金属塩のみを溶解させたような純水温泉水を製造することができる。つまり、該擬似温泉水は、元々被処理水に含まれていた陽イオン及び陰イオンを含まないので、被処理水の水質によらず一定の水質の擬似温泉水を提供することがきる。
また、該電気式擬似温泉水製造装置40を用いる場合は、被処理水を先に軟化処理室Dcに通水してから、該軟化処理室Dcの流出水を陰イオン交換室Daに通水することになるが、それに限定されず、該第二の実施の形態の製造方法においては、該被処理水を先に陰イオン交換室Daに通水してから、該陰イオン交換室Daの流出水を軟化処理室Dcに通水することもできる。ただし、被処理水を先に陰イオン交換室Daに通水すると、陰イオン交換膜9a上等で、被処理水中の硬度イオンが、該陰イオン交換膜9aを透過してきた添加剤水溶液中の陰イオンと結合し、スケールを生成して、通水抵抗若しくは電気抵抗が上昇又は該陰イオン交換膜9aが劣化するという問題が起こることがあり、特に被処理水が硬度イオンを多く含んでいる場合は、該問題が起こり易くなる。従って、被処理水を先に軟化処理室Dcに通水することが、該問題が生じない点で好ましい。
該D工程は、電場の作用で、軟化処理室Dcから移動してくる硬度イオン及び陰イオン交換室Daから移動してくる被処理水中の陰イオンを、濃縮水に取り込ませ該陽イオン及び陰イオンを排出する工程である。
電気式擬似温泉水製造装置40を用いる場合は、陰イオン濃縮水は、軟化処理室Dcの流出水の一部であり、また、陽イオン濃縮水は、該軟化処理室Dcの流出水の一部を該陰イオン濃縮室41に通水させて得られる陰イオン濃縮室41の流出水であるが、これに限定されず、第二の実施の形態の製造方法においては、例えば、蒸留水、イオン交換水等の硬度イオンを含まない又は硬度イオンの含有量が少ない水であればよい。該陰イオン濃縮室41に流入される陰イオン濃縮水が硬度イオンを含有する場合、硬度イオンの含有量は、5重量%以下である。該硬度イオンの含有量が5重量%を超えると、該陰イオン濃縮室41内で、特に該陰イオン交換膜9b上で、該硬度イオンと該陰イオン交換膜9bを通過してくる炭酸水素イオン等の陰イオンとが反応してスケールを発生し易くなる点で好ましくない。これらのうち、陰イオン濃縮水が、軟化処理室Dcの流出水の一部であり、陽イオン濃縮水が、該軟化処理室Dcの流出水の一部を該陰イオン濃縮室41に通水させて得られる陰イオン濃縮室41の流出水であることが、ランニングコストが低い点で好ましい。
本発明の擬似温泉水製造装置又は製造方法により製造される擬似温泉水は、風呂用水、洗顔用水、洗髪用水、手洗い用水、美容用水、洗濯用水、食器洗浄用水等に限定されず、一般家庭用又は公衆用の人肌と接触する全ての用途の水として使用することができる。
次に、本発明に係る電気式擬似温泉水製造装置を家庭で使用する場合の使用例について、図5を参照して説明する。図5は、本発明に係る電気式擬似温泉水製造装置を組み込んだ家庭用擬似温泉装置の模式図である。図5中、家庭用擬似温泉装置60は、浴槽61、被処理水循環ポンプ62、該浴槽61及び該被処理水循環ポンプ62に繋がる被処理水第一循環管67及び被処理水第二循環管68を有しており、浴槽61、被処理水第一循環管67、被処理水循環ポンプ62及び被処理水第二循環管68により、被処理水循環ラインが形成されている。そして、被処理水循環ポンプ62の後段の被処理水循環ラインに、電気式擬似温泉水製造装置40の被処理水流入管11が、三方弁69を介して接続され、また、該三方弁69の後段の被処理水循環ラインに、電気式擬似温泉水製造装置40の擬似温泉水流出管44が、直接接続されている。また、電気式擬似温泉水製造装置40の添加剤含有水溶液流入管15及び添加剤含有水溶液流出管16が、添加剤含有水溶液槽64に接続され、添加剤含有水溶液流入管15には添加剤含有水溶液循環ポンプ65が付設されている。そして、添加剤含有水溶液槽64、添加剤含有水溶液循環ポンプ65、添加剤含有水溶液流入管15、電気式擬似温泉水製造装置40の添加剤含有水溶液通水室R及び添加剤含有水溶液流出管16により、添加剤含有水溶液循環ラインが形成されている。また、電気式擬似温泉水製造装置40の陰極4及び陽極5は、直流電源66に接続されている。また、家庭用擬似温泉装置60には、擬似温泉水流出管44から分岐し、添加剤含有水溶液槽64に繋がり、途中に弁71を有する希釈水流入管70が付設されている。なお、被処理水循環ラインには、必要に応じ、適切な任意の位置に、ヘアキャッチャー72、紫外線殺菌装置73、活性炭ろ過装置74、ヒーター75を付設することができる。
次に、該家庭用擬似温泉装置60の運転方法について説明する。先ず、三方弁69を回し、被処理水循環ラインの擬似温泉水循環ポンプ62側と電気式擬似温泉水製造装置40側を繋ぎ、被処理水循環ポンプ62を用いて、被処理水循環ライン及び電気式擬似温泉水製造装置40に被処理水を循環させる。次に、弁71を開として、被処理水を希釈水流入管70から添加剤含有水溶液槽64に導入し、該添加剤含有水溶液槽64中で、該被処理水と添加剤を混合して、添加剤含有水溶液を調製し、次いで、該添加剤含有水溶液を、添加剤含有水溶液循環ポンプ65を用いて、添加剤含有水溶液循環ライン中に循環させる。そして、被処理水の循環及び添加剤含有水溶液の循環を行いながら、直流電源66を用いて電圧を印加することにより、被処理水中の硬度イオン及び陰イオンが除去されると共に、被処理水中の添加剤成分の濃度が上昇し、該被処理水は擬似温泉水へと変換される。該家庭用擬似温泉装置60の運転を続け、該擬似温泉水中の温泉成分濃度が、設定値に達した後は、三方弁69を回転させ、被処理水循環ラインの擬似温泉水循環ポンプ62側と浴槽61側を繋ぎ、電気式擬似温泉水製造装置40への該被処理水の流入を止める。
該家庭用擬似温泉装置60の運転中に、循環している添加剤含有水溶液の水溶液量が減少した時は、希釈水流入管70から被処理水を導入し、必要量に調整することができる。該添加剤含有水溶液の水溶液量は、添加剤含有水溶液槽64に付設された図示しないレベルスイッチにより、制御することができる。また、循環している添加剤含有水溶液中の添加剤濃度が低下した時は、添加剤含有水溶液槽64に、添加剤を投入することにより、所定の濃度に調整することができる。また、添加剤含有水溶液流出管16の途中に、図示しない伝導率指示調節計を付設することにより、添加剤含有水溶液中の添加剤濃度を監視することができ、一定の濃度以下になった時は、ランプの点灯等により、使用者に知らせる手段を設けることが好ましい。
このように、添加剤含有水溶液は、添加剤又は被処理水を必要に応じ補充すれば、交換することなく継続して使用することができるが、一定期間使用された添加剤含有水溶液を図示しないブロー管から全量排出して、新たに添加剤含有水溶液を調製してもよい。
本発明の第一の実施の形態における電気式擬似温泉水製造装置の模式図である。 本発明の第一の実施の形態に係る一体モジュールの模式図である。 本発明の第二の実施の形態における電気式擬似温泉水製造装置の模式図である。 本発明の第二の実施の形態に係る一体モジュールの模式図である 本発明の電気式擬似温泉水製造装置を組み込んだ家庭用擬似温泉装置の模式図である。
符号の説明
Dc 軟化処理室
R 添加剤含有水溶液通水室
Da 陰イオン交換室
1 陽イオン濃縮室
2、41 陰イオン濃縮室
3 陽極室
4 陰極
5 陽極
6 陽イオン交換体
8a、8b、8c 陽イオン交換膜
9a、9b 陰イオン交換膜
10、40 電気式擬似温泉水製造装置
11 被処理水流入管
12、43 軟水流出管
13 陽極水流入管
14、44 擬似温泉水流出管
15 添加剤含有水溶液流入管
16 添加剤含有水溶液流出管
17 陽極水流出管
18 陽イオン濃縮水流出管
31 第一枠体
32 第二枠体
33 第三枠体
35 補強リブ
42 陰イオン交換体
45 陰イオン濃縮水流出管
46 陰イオン濃縮水流入管
60 家庭用擬似温泉装置
61 浴槽
62 被処理水循環ポンプ
64 添加剤含有水溶液槽
65 被処理水循環ポンプ
66 直流電源
67 被処理水第一循環管
68 被処理水第二循環管
69 三方弁
70 希釈水流入管
71 弁
72 ヘアキャッチャー
73 紫外線殺菌装置
74 活性炭ろ過装置
75 ヒーター

Claims (7)

  1. 陰極と陽極の間に、陽イオン濃縮室、陽イオン交換体が充填されている軟化処理室、添加剤含有水溶液通水室及び陰イオン濃縮室が、陰極側からこの順に配置され、該陽イオン濃縮室と該軟化処理室の間には陽イオン交換膜が配設され、該軟化処理室と該添加剤含有水溶液通水室の間には陽イオン交換膜が配設され、該添加剤含有水溶液通水室と該陰イオン濃縮室の間には陰イオン交換膜が配設されていることを特徴とする電気式擬似温泉水製造装置。
  2. 前記軟化処理室、前記添加剤含有水溶液通水室及び前記陰イオン濃縮室が、陽イオン交換膜、第一枠体、陽イオン交換膜、第二枠体、陰イオン交換膜、第三枠体及び陽イオン交換膜を、この順に積層することにより形成される一体モジュールであることを特徴とする請求項1記載の電気式擬似温泉水製造装置。
  3. 陰極と陽極の間に、陽イオン濃縮室、陽イオン交換体が充填されている軟化処理室、添加剤含有水溶液通水室、陰イオン交換体が充填されている陰イオン交換室及び陰イオン濃縮室が、陰極側からこの順に配置され、該陽イオン濃縮室と該軟化処理室の間には陽イオン交換膜が配設され、該軟化処理室と該添加剤含有水溶液通水室の間には陽イオン交換膜が配設され、該添加剤含有水溶液通水室と該陰イオン交換室の間には陰イオン交換膜が配設され、該陰イオン交換室と該陰イオン濃縮室の間には陰イオン交換膜が配設されていることを特徴とする電気式擬似温泉水製造装置。
  4. 前記軟化処理室、前記添加剤含有水溶液通水室及び前記陰イオン交換室が、陽イオン交換膜、第一枠体、陽イオン交換膜、第二枠体、陰イオン交換膜、第三枠体及び陰イオン交換膜を、この順に積層することにより形成される一体モジュールであることを特徴とする請求項3記載の電気式擬似温泉水製造装置。
  5. 陰極と陽極の間に、陽イオン濃縮室、陽イオン交換体が充填されている軟化処理室、添加剤含有水溶液通水室及び陰イオン濃縮室を、陰極側からこの順に配置し、該陽イオン濃縮室と該軟化処理室の間に陽イオン交換膜を配設し、該軟化処理室と該添加剤含有水溶液通水室の間に陽イオン交換膜を配設し、該添加剤含有水溶液通水室と該陰イオン濃縮室の間に陰イオン交換膜を配設し、(A)電圧を印加しながら、(B)被処理水を該軟化処理室又は該陰イオン濃縮室の一方に流入させ、次いで、該軟化処理室又は該陰イオン濃縮室の流出水を、該軟化処理室又は該陰イオン濃縮室の他方に流入させつつ、(C)添加剤含有水溶液を該添加剤含有水溶液通水室に流入させ、且つ(D)濃縮水を該陽イオン濃縮室に流入させることを特徴とする電気式擬似温泉水製造方法。
  6. 陰極と陽極の間に、陽イオン濃縮室、陽イオン交換体が充填されている軟化処理室、添加剤含有水溶液通水室、陰イオン交換体が充填されている陰イオン交換室及び陰イオン濃縮室を、陰極側からこの順に配置し、該陽イオン濃縮室と該軟化処理室の間に陽イオン交換膜を配設し、該軟化処理室と該添加剤含有水溶液通水室の間に陽イオン交換膜を配設し、該添加剤含有水溶液通水室と該陰イオン交換室の間に陰イオン交換膜を配設し、該陰イオン交換室と該陰イオン濃縮室の間に陰イオン交換膜を配設し、(A)電圧を印加しながら、(B)被処理水を該軟化処理室又は該陰イオン交換室の一方に流入させ、次いで、該軟化処理室又は該陰イオン交換室の流出水を、該軟化処理室又は該陰イオン交換室の他方に流入させつつ、(C)添加剤含有水溶液を該添加剤含有水溶液通水室に流入させ、且つ(D)陰イオン濃縮水を該陰イオン濃縮室に流入させると共に、陽イオン濃縮水を該陽イオン濃縮室に流入させることを特徴とする電気式擬似温泉水製造方法。
  7. 前記添加剤含有水溶液が、炭酸水素イオン、硫酸イオン及び塩化物イオンから選ばれる少なくとも1種のイオンのアルカリ金属塩を含有する水溶液であることを特徴とする請求項5又は6記載の電気式擬似温泉水製造方法。
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