JP4509594B2 - 安全関連情報配信方法、配信装置および配信システム - Google Patents

Description

本発明は、例えば海外旅行傷害保険の加入者に安全関連情報の事前学習を行わせると共に、旅行先の旅行者に旅行先に対応する安全関連情報をネットワークを介して配信する安全関連情報配信装置、配信方法および配信システムに関する。

ユーザに対して一定の学習を行わせ、その学習成績などに応じてそのユーザにある種の特典を与えるシステムが、例えば保険業界などにおいて用いられている。このような従来技術として次のような文献がある。
特開２００１−３２５３４７号公報「学習ユーザ対象処理装置、学習ユーザ対象処理方法及び記録媒体」 特開２００２−１１７２３６号公報「保険料設定方法および保険料設定システム並びに保険料設定プログラムを記録した記録媒体」 特開２００３−９９５０５号公報「旅行情報収集システム、旅行情報収集方法、旅行情報収集プログラム」

特許文献１には、例えば自動車保険の契約者に対してリスクを回避させるための学習を行わせ、その学習努力に応じて契約者に対して保険料の割引などの特典を与える処理を行う学習ユーザ対象処理装置などが開示されている。

特許文献２には、例えば生命保険の被保険者に対して保険が対象とするリスクに関する情報を提示して学習を行わせ、その学習努力（時間、程度、回数など）を保険料に反映させる保険料設定方法が開示されている。

特許文献３には、観光地や観光施設、宿泊施設および飲食店の情報など、最新で、かつ詳細な現地の旅行情報を旅行者に提供するための旅行情報収集システムが開示されている。このシステムでは、旅行者が旅行先でさらに新しい別の情報を入手することも可能とされている。

以上のような方法を旅行傷害保険にも同様に適用し、旅行者に事前学習を行わせることによって、旅行者にとっては保険料を安くすることが可能となり、また保険会社にとっては結果としてトラブルの件数が減少するというメリットが期待される。

しかしながらこのようなサービスがあったとしても、旅行出発前に十分な学習の時間を取ることは難しく、学習せずに出発したり、学習しても忘れてしまうということも考えられる。また現地では他に気を取られることが多く、自分からトラブル情報を検索するということはなかなかできないという問題点がある。

また事故や犯罪などの最新情報を旅行先で配信されたとしても、そのような最新情報が個人の属性、例えば性別、旅行目的、年齢などに関係なく配信される場合には、保険契約者にとっては関係のない内容であることもある。そのような場合には、どの情報が自分にとって重要か判断しなければならず、旅行者などにとっては非常に面倒であるという問題点がある。

本発明の課題は、上述の問題点に鑑み、旅行者、出張者、海外滞在者などに対して、例えば安全に関する事前学習を行わせ、例えば旅行中には未学習の安全関連情報や関連する新たなトラブル情報などをその個人の属性や学習履歴、および情報の重要度などに応じて配信することにより、旅行者などの安全性を向上させることである。

図１は本発明の安全関連情報配信装置の原理構成ブロック図である。同図は、例えば海外旅行者や出張者、海外滞在者などのうちの希望者に対して安全関連情報、例えば犯罪情報や事故情報を配信する装置の原理構成を示し、安全関連情報配信装置１は、少なくとも、例えば現地配信部に相当する配信方式判定手段２と安全関連情報配信手段３とを備える。

配信方式判定手段２は、安全関連情報の配信希望者がそのスケジュールに合わせた情報のスケジュール配信を希望するか、あるいはその希望者の現在位置に対応する安全関連情報のゾーン配信を希望するかを判定するものであり、安全関連情報配信手段３は、その判定結果に対応して希望者に対して安全関連情報を配信するものである。

次に本発明の安全関連情報配信方法においては、計算機が情報の配信希望者がスケジュールに合わせたスケジュール配信を希望するか、希望者の現在位置に対応する安全関連情報のゾーン配信を希望するかをメモリの格納内容に判定し、その判定結果に対応して希望者に対してネットワークを介して安全関連情報を配信する方法が用いられる。

発明の実施の形態においては、この安全関連情報として最新の情報を外部、例えば海外旅行の代理店などから受け取り、その最新情報に重要度をつけてメモリに格納し、安全関連情報配信にあたってそのメモリ内の情報を選択して配信することもでき、またメモリに格納された最新情報につけられた重要度を希望者の現在位置を含む条件に対応して変更し、変更後の重要度の大きい最新情報を配信することもできる。

また、前述の希望者に対して安全性向上のための事前学習を行わせ、その学習の結果に対応する学習履歴をメモリに格納することもでき、希望者の個人属性、現地滞在履歴、スケジュール、および過去の学習履歴に対応して、事前学習のための個別学習課程を作成し、その個別学習課程を用いて希望者に事前学習を行わせることもでき、さらに安全関連情報配信にあたってメモリに格納された学習履歴に対応して希望者の現在位置に対応する新たな学習用コンテンツをその希望者に配信することもできる。

また実施の形態においては、安全関連情報配信にあたって、希望者の個人属性や現地の滞在履歴に対応して前述の最新情報を選択して配信することもでき、さらに前述のスケジュール配信の希望者からのスケジュール変更を受付け、その変更内容を反映させて安全関連情報の配信を行なうこともできる。

さらに実施の形態においては、前述の最新情報をメモリに格納し、希望者が前述のスケジュール配信とゾーン配信のいずれを希望するかに無関係に、あらかじめ定められた時刻に重要な安全情報を配信することもできる。

また本発明の安全関連情報配信システムは、前述の配信方式判定手段２と安全関連情報配信手段３とを備える安全関連情報配信装置１と、この装置１とネットワークによって接続され、装置１の安全関連情報配信手段３によって配信される安全関連情報を表示する表示手段を備える端末装置とによって構成される。

以上のように本発明によれば、例えば海外旅行者がスケジュールに合わせた配信を希望するか、現在位置に対応する配信を希望するかの判定結果に対応して、安全関連情報の配信が行われる。

本発明によれば、例えば海外旅行傷害保険の契約者に対して安全に関する事前学習を行わせ、また例えば旅行中において最新の安全関連情報をその旅行者の個人属性や学習履歴などに対応して、また情報の重要度に応じて配信することが可能となり、旅行者などの安全性を向上させると共に、例えば保険会社は保険金の支払いを減少させることが可能となる。

図２は、本発明の安全関連情報配信システムの全体構成ブロック図である。同図において、例えば旅行者に旅行予定先に対応する事前学習を行わせ、その後の旅行中に安全関連情報を旅行者に配信する旅行者学習支援センター１０、旅行者学習支援センター１０とインターネット１１によって接続される旅行者端末１２_a、１２_b、および例えば旅行先での最新の安全情報を収集するための代理店端末１３、および旅行者が必要に応じてさらに学習を行うための学習端末１４（例えば現地の代理店内に設置）によってシステムが構成されている。

図３は、図２の旅行者学習支援センター１０の詳細構成を示すブロック図である。同図において、まず個人属性、旅行履歴、旅行スケジュール入力部２０に対して旅行予定者２１から必要な申告が行われ、個人属性データベース２２、旅行履歴データベース２３、旅行スケジュールデータベース２４の内容が作成される。これらのデータベースの内容については後述する。

本実施形態では、例えば海外旅行の出発前に海外旅行傷害保険への加入に合せて旅行先での事故や犯罪を避けるための学習とその理解度を測るためのテストが実施され、その結果が学習履歴として保存される。そのためにまず個別学習メニュー作成部２５によって個人属性（年齢、性別など）、旅行履歴、および旅行目的やスケジュールに合せた個別学習メニューが作成され、個別学習メニューデータベース２８に格納される。この個別学習メニューデータベース２８の内容は、学習履歴データベース２６内のデータがその旅行予定者２１に対してすでに存在する場合には、すでに学習済みのものを除くなど、そのデータにも適合させ、また学習コンテンツデータベース２７から選択する形で作成される。この学習コンテンツデータベース２７には、例えば理解を容易にするための動画などを用いた通常版と、例えば旅行先でさらに学習をつづけるための主としてテキスト形式の簡易版とがあるものとする。

個別学習メニューデータベース２８が作成されると、そのメニューに基いて事前学習部３０によって旅行予定者２１の事前学習が行われ、その結果、例えばテストの成績などは学習履歴データベース２６に格納される。一方、例えばすでに海外で旅行している旅行者や現地スタッフ３２による収集や、マスコミ報道、警察発表、保険請求事例などから現地での安全に関する最新情報が収集され、その情報は最新情報収集部３３によって最新情報データベース３４に格納される。

旅行者３８が実際に旅行に出発すると、旅行期間中において現地配信部３５によって安全関連情報の配信が行われる。この安全関連情報は個人属性、旅行履歴、および旅行スケジュールの内容に基いて最新情報３４の中から選択され、旅行者３８に配信されるものとする。

旅行者３８が現地で旅行スケジュールを変更する場合には、例えば端末からその変更内容が入力され、旅行スケジュール変更部４０によってその内容が受け取られ、現地配信部３５に変更後の旅行スケジュールが与えられる。

続いて図３の各データベースの格納内容について図４〜図１０を用いて説明する。図４は、個人属性データベース２２の格納内容の例である。本システムにおいては、一元的に管理される旅行者管理番号に対応して旅行者の氏名、性別、年齢、住所および電話、Ｅメールアドレス、ユーザＩＤ、パスワードが格納されている。

図５は旅行履歴データベース２３の格納内容の例である。旅行者管理番号に対応する旅行者の旅行履歴として旅行の年月日、旅行先の地域コード、訪問地、および目的が格納されている。地域コードとしては、国、州、都市、地域をそれぞれ示すコードが格納され、このコードは他のデータベースでも同様に用いられる。一行目の地域コードの国はアメリカ、州はハワイ、都市はホノルル、地域はワイキキを示す。

図６は旅行スケジュールデータベース２４の格納内容の例である。旅行者管理番号に対応する旅行者の今回の旅行スケジュールとしてスケジュールの年月日、時刻、交通手段としてのフライト名、都市、地域コード、発着の別、行動に加えて宿泊ホテル名が格納されている。

図７は学習コンテンツデータベース２７の格納内容の例である。事故や犯罪などのトラブルの事例に対応する管理番号ごとにそのトラブル事例の重要度、トラブル発生地の地域コード、トラブルに関係のある個人属性としての性別、年齢や旅行目的、例えばスリなどのトラブル事例のコンテンツ、トラブル事例に対する対策方法のコンテンツ、例えば旅行予定者の事前学習に対するテストのコンテンツ、およびそのテストの解答などが格納されている。このうち重要度は後述する最新情報の重要度に相当する。

図８は、個別学習メニューデータベース２８の格納内容の例である。旅行者管理番号に対応して、その旅行者が事前学習すべきトラブル事例の管理番号が格納されている。このトラブル事例の内容は図７の学習コンテンツデータベース２７の内容に相当する。

図９は学習履歴データベース２６の格納内容の例である。旅行者管理番号に対応して、その旅行者が、例えば事前学習を行ったトラブル事例の管理番号ごとに学習の開始、および終了の時刻、テストの結果が格納されている。例えば同一地域の複数のトラブル事例に対するテスト結果の正解率によって、その学習者のテスト成績を段階的に評価することが可能である。

図１０は最新情報データベース３４の格納内容の例である。最新事例のそれぞれに対応する管理番号ごとに重要度、事故や犯罪の起こった地域の地域コード、発生日付、そのトラブルに関係のある個人属性、およびトラブル事例が格納されている。重要度は、例えばここでは１から５の範囲とし、重要度が大きいことは危険度が高いことを示す。例えば重要度のレベル４はハリケーンや山火事の情報を示し、レベル５は戦争、クーデター、地震など最高に重要な情報であることを示している。例えば一番下の行の最新事例としての睡眠薬バーのトラブル事例では、トラブル属性としての個人属性の性別が男であり、年齢が１８歳以上であり、目的がドリンクであることが示されている。

次に本実施形態における処理について図１１〜１７を用いて説明する。図１１は図３の個人属性、旅行履歴、旅行スケジュール入力部２０、および個別学習メニュー作成部２５による処理のフローチャートである。同図において処理が開始されると、まずステップＳ１でシステムに対する初めての登録であるか否かが判定され、初めての登録である場合にはステップＳ２で個人属性の登録が行われ、ステップＳ３でその旅行予定者に対してＩＤとパスワードが発行され、それらは個人属性データベース２２に格納され、ステップＳ６の処理に移行する。

一方ステップＳ１で初めての登録でない場合には、ステップＳ４でＩＤとパスワードの入力が行われ、ステップＳ５でそれらが正しいか否かが判定され、正しくない場合にはステップＳ４以降の処理が繰り返され、正しい場合にはステップＳ６の処理に移行する。

ステップＳ６では旅行履歴データベース２３への旅行履歴の登録、例えばその旅行者に対するエントリの作成が行われ、ステップＳ７で旅行スケジュールデータベース２４への旅行スケジュール登録が行われる。ステップＳ８で個別学習メニュー作成が行われる。この個別学習メニュー作成処理では必要に応じて個人属性データベース２２、旅行履歴データベース２３、旅行スケジュールデータベース２４、学習履歴データベース２６、および学習コンテンツデータベース２７の内容が参照され、個別学習メニューデータベース２８が作成されて処理を終了する。

図１２は事前学習部３０による処理のフローチャートである。同図において処理が開始されると、まずステップＳ１０でＩＤとパスワードの入力が行われ、ステップＳ１１でそれらが正しいか否かが判定され、正しくない場合にはステップＳ１０以降の処理が繰り返され、正しい場合にはステップＳ１２の処理に移行する。

ステップＳ１２では個別学習メニューデータベース２８と学習コンテンツデータベース２７の内容を用いて旅行予定者による学習が行われ、ステップＳ１３で学習コンテンツデータベース２７の内容に対応してテストが行われ、その結果は学習履歴データベース２６に格納される。ステップＳ１４で個別学習メニューによる学習が終了したか否かが判定され、終了していない場合にはステップＳ１２以降の処理が繰り返され、終了したと判定された時点で事前学習処理を終了する。

図１３は最新情報収集部３３による処理のフローチャートである。同図において処理が開始されると、ステップＳ１６で現地情報の入力受付処理が行われ、入力された情報が最新情報データベース３４に格納される。ステップＳ１７である特定時刻、例えば夜中の１２時になったか否かが判定され、なっていない場合にはステップＳ１６からの処理が繰り返される。特定時刻になった場合には、ステップＳ１８で一定期間を経過した情報が最新情報データベース３４から削除される。これは古い情報が最新情報データベース３４に格納されたままになることを防止するためである。そしてステップＳ１９で最新情報収集処理を終了させるべきか否かが判定され、終了すべきでない場合にはステップＳ１６以降の処理が繰り返され、終了すべき時点で処理を終了する。

図１４は現地配信部３５による旅行先への安全関連情報配信処理のフローチャートである。同図において処理が開始されると、まずステップＳ２１で特定時刻になったか否かが判定され、特定時刻になった場合にはステップＳ２２で旅行者や海外滞在者の現在の滞在地域に関係なく、重要度の高い最新情報の配信が行われる。ここで重要度の高い最新情報としては、図１０で説明した重要度のレベルが４以上であるような情報が、例えば旅行者の旅行先などに関係なく配信される。なおステップＳ２１における特定時刻は例えば１時間毎とし、１時間毎に重要度の高い新しい最新情報の配信が行われる。特定時刻になっていない場合にはステップＳ２３の処理にそのまま移行する。

ステップＳ２３では旅行者がスケジュールによる安全関連情報の配信を希望しているか否かが判定され、希望している場合にはステップＳ２４でスケジュール配信が行われ、スケジュール配信を希望していない場合には直ちにステップＳ２５の処理に移行する。

ステップＳ２５では旅行者が現在位置による配信を希望しているか否かが判定され、現在位置による配信を希望している場合にステップＳ２６でゾーン配信が行われ、希望していない場合にはステップＳ２７の処理に移行する。ステップＳ２７では旅行が終了したか否かが判定され、旅行が終了していない場合にはステップＳ２１以降の処理が、例えば１時間毎に繰り返され、旅行終了の時点で情報配信処理を終了する。

図１５は図１４のステップＳ２４におけるスケジュール配信の詳細処理フローチャートである。同図において処理が開始されると、まずステップＳ３０で旅行スケジュールデータベース２４からその旅行者の旅行日程表が読み込まれ、ステップＳ３１で現地時刻が特定され、ステップＳ３２でその時刻が、例えば利用者によって指定された時刻であるか否かが判定される。

図１６はこの指定時刻か否かを判定するための配信設定テーブルの格納内容の例である。同図においては旅行者の管理番号に対応して、配信設定の方法とスケジュール配信の場合の配信指定時刻とが格納されている。配信設定の方法としては、０は配信が不要であること、１はスケジュール配信であること、２はゾーン配信であること、３はスケジュール配信とゾーン配信の両方であることのいずれかが指定され、配信指定時刻としてはスケジュール配信の場合の配信時刻が現地時刻によって指定されている。旅行予定者は旅行スケジュールなどの申告にあたって配信設定方法を指定すると共に、スケジュール配信を希望する場合にはその希望時刻を配信指定時刻として指定する。本実施形態では後述するように安全関連情報、すなわち最新情報は旅行者が翌日に訪問するであろう地域に対応して送られるために、その最新情報を受け取る時刻としては、例えば夕食後の最新情報を受け取りやすい時刻などが指定される。

図１５のステップＳ３２に戻り、指定時刻でない場合には直ちに処理を終了するが、指定時刻である場合にはステップＳ３３で旅行スケジュールデータベース２４からスケジュールに従って翌日訪問する都市、地域が求められ、ステップＳ３４で最新情報データベース３４から翌日訪問する都市や地域に関する最新情報が検索され、ステップＳ３５でそのような最新情報のうち個人属性に合う情報、すなわち図１０の最新情報データベースで説明したトラブル属性と個人属性とが合う最新情報が選択され、ステップＳ３６で必要に応じて統計処理による重要度の変更が行われる。なおステップＳ３５の最新情報の選択では、事前学習にない情報を選択したり、旅行目的に合わせて選択することもできる。例えばスキューバダイビングを目的とする場合には、ダイビングの事故やサメの情報が重要になる。

ステップＳ３６では、図１０で説明した最新情報、すなわち最新事例につけられた重要度が翌日訪問する都市や地域での事故や犯罪発生の統計的傾向によって変更され、例えばスリのように比較的重要度が低い最新事例であっても、その都市、地域で最近頻繁にそのトラブルが発生している場合には重要度を高くする処理が行われる。この重要度変更処理は、最新情報データベース３４の内容を変更することなく、その旅行者に対応して内部テーブルを作業用に用いて実行され、重要度の変更結果に対応して、ステップＳ３７で選択された最新情報が旅行者端末１２に送信される。ここでこの最新情報は後述するように、例えば重要度が高い順に並べて旅行者が重要度を認識できるように表示する形式で送信することもできる。

続いてステップＳ３８で旅行者が翌日訪問する都市や地域に関する未学習の学習内容や、テスト成績の悪い学習内容が学習履歴データベース２６、個別学習メニューデータベース２８を用いて検索され、ステップＳ３９でその検索結果に従って学習コンテンツ簡易版データベース３７のうちで対応する簡易学習コンテンツが送信され、ステップＳ４０で学習履歴データベース２６と旅行履歴データベース２３に学習履歴と旅行履歴の追加が行われ、処理を終了する。このように本実施形態では、旅行者は事前学習だけでなく、旅行先でも必要に応じて学習を行うことができ、特にごく最近発生した事故や犯罪について旅行中でも学習を行うことが可能となる。

図１７は図１４のステップＳ２６におけるゾーン配信の詳細処理フローチャートである。同図の処理は図１５のスケジュール配信における処理と類似しているので、異なる処理を中心に説明する。処理が開始されるとステップＳ４１で旅行者の位置情報の取得が行われる。この処理では旅行者端末１２の位置がＧＰＳ衛星１８によって検出される。

続いてステップＳ４２で旅行者の現在位置が特定ゾーンに該当するか否かが判定され、該当しない場合には最新情報を配信することなく処理を終了する。ここで特定ゾーンとは、例えば事故や犯罪の発生頻度が高く、旅行者などが特に注意を必要とする都市、地域である。特定ゾーンに該当するということはすでにある特定ゾーンに旅行者が入っているか、あるいはその特定ゾーンに隣接する都市などに滞在し、例えば翌日その特定ゾーンに入る可能性があることを意味する。翌日に特定ゾーンに入るか否かは、図２の旅行者学習支援センター１０側では不明であるが、旅行者の注意を喚起するためにこの特定ゾーンに該当する最新情報の配信が行われる。

すなわちステップＳ４３で最新情報データベース３４からその特定ゾーンに関係する最新情報が検索され、ステップＳ４４、Ｓ４５で図１５におけると同様に個人属性に合う最新情報が選択され、統計処理による重要度変更が行われ、ステップＳ４６で旅行者端末１２に対する最新情報の送信が重要度順にメッセージとして送信処理される。そしてステップＳ４７からＳ４９において図１５におけると同様に特定ゾーンに関係する簡易学習コンテンツが送信され、学習履歴と旅行履歴の追加が行われて処理を終了する。

図１８は図２の旅行者端末１２側における表示画面の遷移の説明図である。旅行者は端末１２を用いて情報の配信前に最新情報を閲覧したり、詳細情報や関連情報の表示を行ったり、スケジュール変更の入力を行うこともできる。

図１８において旅行者学習支援センター１０にその旅行者のＩＤとパスワードが保存されており、このＩＤとパスワードを用いて旅行者はメニュー画面から各種の操作を行うことができる。１．配信情報をクリックすると、センターからの配信情報、すなわち最新情報を右側に示すように表示することができる。その最新情報には重要度が表示され、一般的にテキスト形式で表示される。ここで詳細ボタンをクリックすることによって、その最新情報がテキスト形式に限定されず、例えば動画を用いて詳細に表示される。実際にはこの動画の表示には時間がかかるため、旅行者が詳細情報を求める時に限って動画表示などを行うものとする。

２．学習をクリックすると、好きな時間に最新情報の学習を継続することができ、３．検索をクリックすると、センター側からの最新情報の配信を待つのではなく、例えば都市、地域を指定してその都市、地域に関する最新情報を検索することができる。

４．スケジュール表示・変更をクリックすると、例えば翌日のスケジュールが表示され、変更ボタンをクリックすることによってスケジュール変更の入力を行うことができる。このスケジュール変更の入力は図３の旅行スケジュール変更部４０によって受け取られ、現地配信部３５に与えられて、その後の最新情報の配信に反映される。５．設定をクリックすると、図１６で説明したように配信方法の変更や設定を行うことができる。すなわちスケジュール配信、ゾーン配信、またはスケジュール配信とゾーン配信の両方などの設定を行うことができ、６．終了をクリックすることによってこのアプリケーションが終了する。

以上の説明においては、特に海外旅行の旅行予定者が海外旅行傷害保険に加入する時点で事前学習を行い、旅行先では海外旅行傷害保険サービスの一部として、旅行者に事故や犯罪に関する安全関連情報としての最新情報を配信する処理を中心として、本発明の実施形態を説明したが、本発明の適用範囲はこのような分野に留まることなく、例えば国内旅行の旅行者でもよく、また旅行者に限らず海外出張者や海外滞在者などに対するサービスとしても本発明を適用することができることは当然である。

また海外旅行傷害保険の保険料割引などについては特に説明しなかったが、事前学習によって旅行者などの危険が減少し、保険金の支払いも減ることが期待されるので、それに対応して保険料を割り引くことも当然可能である。

（付記１） 安全関連情報の配信希望者に該情報を計算機が配信する方法であって、
該希望者がスケジュールに合わせた安全関連情報のスケジュール配信を希望するか、あるいは該希望者の現在位置に対応する安全関連情報のゾーン配信を希望するかをメモリの格納内容に従って判定し、
該判定結果に対応して、該希望者に対して安全関連情報をネットワークを介して配信することを特徴とする安全関連情報配信方法。

（付記２） 前記安全関連情報配信方法において、
前記安全関連情報として、最新の情報を外部から受け取り、該最新情報に重要度を付けてメモリに格納し、
前記安全関連情報配信にあたって、該メモリに格納された最新情報を選択して配信することを特徴とする付記１記載の安全関連情報配信方法。

（付記３） 前記安全関連情報配信にあたって、前記メモリに格納された最新情報に付けられた重要度を前記希望者の現在位置を含む条件に対応して変更し、変更後の重要度が大きい最新情報を配信することを特徴とする付記２記載の安全関連情報配信方法。

（付記４） 前記安全関連情報配にあたって、前記希望者の個人属性、現地滞在履歴に対応して前記最新情報を選択して配信することを特徴とする付記２記載の安全関連情報配信方法。

（付記５） 前記安全関連情報配信方法において、
前記希望者に対して安全性向上のための事前学習を行わせ、該学習の結果に対応する学習履歴をメモリに格納することを特徴とする付記１記載の安全関連情報配信方法。

（付記６） 前記安全関連情報配信方法において、
前記希望者の個人属性、現地滞在履歴、スケジュール、過去の学習履歴に対応して前記事前学習のための個別学習課程を作成し、
該個別学習課程を用いて前記事前学習を行わせることを特徴とする付記５記載の安全関連情報配信方法。

（付記７） 前記安全関連情報配信にあたって、前記メモリに格納された学習履歴に対応して希望者の現在位置に対応する新たな学習用コンテンツを該希望者に配信することを特徴とする付記５記載の安全関連情報配信方法。

（付記８） 前記安全関連情報配信方法において、
前記安全関連情報のスケジュール配信の希望者からのスケジュール変更を受付け、前記安全関連情報配信にあたって該変更内容を反映させることを特徴とする付記１記載の安全関連情報配信方法。

（付記９） 前記安全関連情報配信方法において、
前記希望者が前記スケジュール配信とゾーン配信のいずれを希望するかに無関係に、あらかじめ定められた時刻に重要な安全情報を配信することを特徴とする付記１記載の安全関連情報配信方法。
（付記１０） 前記安全関連情報配信方法において、
前記安全関連情報として最新の情報を外部から受け取り、該最新情報に重要度を付けてメモリに格納し、
前記重要情報配信にあたって、該メモリに格納された最新情報を選択して配信することを特徴とする付記９記載の安全関連情報配信方法。

（付記１１） 安全関連情報の配信希望者に該情報を配信する装置であって、
該希望者がスケジュールに合わせた安全関連情報のスケジュール配信を希望するか、あるいは該希望者の現在位置に対応する安全関連情報のゾーン配信を希望するかを判定する配信方式判定手段と、
該判定結果に対応して、該希望者に対して安全関連情報を配信する安全関連情報配信手段とを備えることを特徴とする安全関連情報配信装置。

（付記１２） 安全関連情報の配信希望者に該情報を配信するシステムであって、
該希望者がスケジュールに合わせた安全関連情報のスケジュール配信を希望するか、あるいは該希望者の現在位置に対応する安全関連情報のゾーン配信を希望するかを判定する配信方式判定手段と、該判定結果に対応して該希望者に対して安全関連情報を配信する安全関連情報配信手段とを備える安全関連情報配信装置と、
該安全関連情報配信装置とネットワークによって接続され、該安全関連情報配信装置から配信される安全関連情報を表示する表示手段を備える端末装置とによって構成されることを特徴とする安全関連情報配信システム。

（付記１３） 安全関連情報の配信希望者に該情報を配信する計算機によって用いられるプログラムであって、
該希望者がスケジュールに合わせた安全関連情報のスケジュール配信を希望するか、あるいは該希望者の現在位置に対応する安全関連情報のゾーン配信を希望するかを判定する手順と、
該判定結果に対応して該希望者に対して安全関連情報を配信する手順とを計算機に実行させるプログラム。

本発明は、海外旅行傷害保険などの保険産業などは当然のこととして、安全関連情報を配信して旅行者や海外滞在者の安全性向上を図ることが有益なすべての産業において利用可能であるので、例えば旅行会社が自社で旅行を手配した顧客に対するサービスとして、あるいは、クレジットカード会社が自社のカード会員に対するサービスとして、あるいは、一般の事業会社が自社の海外出張を行う社員に対するサービスとして本発明を適用することができる。

本発明の安全関連情報配信装置の原理構成ブロック図である。 本発明の安全関連情報配信システムの全体構成を示すブロック図である。 図２の旅行者学習支援センターの詳細構成を示すブロック図である。 個人属性データベースの格納内容の例である。 旅行履歴データベースの格納内容の例である。 旅行スケジュールデータベースの格納内容の例である。 学習コンテンツデータベースの格納内容の例である。 個別学習メニューデータベースの格納内容の例である。 学習履歴データベースの格納内容の例である。 最新情報データベースの格納内容の例である。 旅行スケジュール登録、および個別学習メニュー作成処理のフローチャートである。 事前学習処理のフローチャートである。 最新情報収集処理のフローチャートである。 旅行先情報配信処理のフローチャートである。 スケジュール配信の詳細処理のフローチャートである。 配信設定テーブルの格納内容の例である。 ゾーン配信の詳細処理のフローチャートである。 旅行者端末における画面表示遷移の説明図である。

符号の説明

１ 安全関連情報配信装置
２ 配信方式判定手段
３ 安全関連情報配信手段
１０ 旅行者学習支援センター
１１ インターネット
１２ 旅行者端末
１３ 代理店端末
１４ 学習端末
２０ 個人属性、旅行履歴、旅行スケジュール入力部
２１ 旅行予定者
２２ 個人属性データベース
２３ 旅行履歴データベース
２４ 旅行スケジュールデータベース
２５ 個別学習メニュー作成部
２６ 学習履歴データベース
２７ 学習コンテンツデータベース
２８ 個別学習メニューデータベース
３０ 事前学習部
３２ 旅行者、現地スタッフ
３３ 最新情報収集部
３４ 最新情報データベース
３５ 現地配信部
３７ 学習コンテンツ簡易版データベース
３８ 旅行者
４０ 旅行スケジュール変更部

Claims (4)

1. 安全関連情報の配信希望者の端末装置に該安全関連情報を計算機が配信する方法であって、
   前記計算機が、該計算機の記憶手段に格納された配信設定テーブルに設定されている配信設定情報が示す配信種別に基づいて、該希望者が該安全関連情報のスケジュール配信を希望するか、あるいは該安全関連情報のゾーン配信を希望するかを判定し、
   前記計算機が、前記配信設定情報がスケジュール配信を示す場合に、前記配信設定テーブルに設定された指定時刻になると最新情報データベースに格納された最新の安全関連情報を配信するとともに、学習コンテンツデータベースに格納されたトラブル事例と対策方法のコンテンツを前記配信希望者の端末装置に対して送信したことに対して受信した該トラブル事例に対するテストの解答の正誤を学習履歴として格納した学習履歴データベースに基づいて、前記配信希望者が翌日訪問する都市又は地域に関する未学習又はテスト成績の悪いトラブル事例と対策方法のコンテンツを前記配信希望者の端末装置に配信し、該配信設定情報がゾーン配信を示す場合に、前記配信希望者の現在位置が事故又は犯罪の発生頻度が高いゾーンに該当すれば該最新情報データベースに格納された該ゾーンの安全関連情報を該端末装置に配信するとともに、前記学習履歴データベースに基づいて、前記ゾーンに関する未学習又はテスト成績の悪いトラブル事例と対策方法のコンテンツを前記配信希望者の端末装置に配信することを特徴とする安全関連情報配信方法。
2. 前記安全関連情報配信方法において、
   前記計算機が、前記最新情報データベースに格納された重要度が閾値以上の安全関連情報を前記端末装置に配信することを特徴とする請求項１記載の安全関連情報配信方法。
3. 安全関連情報の配信希望者の端末装置に該安全関連情報を配信する装置であって、
   配信種別を示す配信設定情報が設定された配信設定テーブルを格納する記憶手段と、
   前記配信設定情報に基づいて、該希望者が該安全関連情報のスケジュール配信を希望するか、あるいは該安全関連情報のゾーン配信を希望するかを判定する配信方式判定手段と、
   前記配信設定情報がスケジュール配信を示す場合に、前記配信設定テーブルに設定された指定時刻になると最新情報データベースに格納された最新の安全関連情報を配信するとともに、学習コンテンツデータベースに格納されたトラブル事例と対策方法のコンテンツを前記配信希望者の端末装置に対して送信したことに対して受信した該トラブル事例に対するテストの解答の正誤を学習履歴として格納した学習履歴データベースに基づいて、前記配信希望者が翌日訪問する都市又は地域に関する未学習又はテスト成績の悪いトラブル事例と対策方法のコンテンツを前記配信希望者の端末装置に配信し、該配信設定情報がゾーン配信を示す場合に、前記希望者の現在位置が事故又は犯罪の発生頻度が高いゾーンに該当すれば該最新情報データベースに格納された該ゾーンの安全関連情報を該端末装置に配信するとともに、前記学習履歴データベースに基づいて、前記ゾーンに関する未学習又はテスト成績の悪いトラブル事例と対策方法のコンテンツを前記配信希望者の端末装置に配信する安全関連情報配信手段とを備えることを特徴とする安全関連情報配信装置。
4. 安全関連情報の配信希望者に該安全関連情報を配信するシステムであって、
   配信種別を示す配信設定情報が設定された配信設定テーブルを格納する記憶手段と、前記配信設定情報に基づいて、該希望者が該安全関連情報のスケジュール配信を希望するか、あるいは該安全関連情報のゾーン配信を希望するかを判定する配信方式判定手段と、前記配信設定情報がスケジュール配信を示す場合に、前記配信設定テーブルに設定された指定時刻になると最新情報データベースに格納された最新の安全関連情報を配信するとともに、学習コンテンツデータベースに格納されたトラブル事例と対策方法のコンテンツを前記配信希望者の端末装置に対して送信したことに対して受信した該トラブル事例に対するテストの解答の正誤を学習履歴として格納した学習履歴データベースに基づいて、前記配信希望者が翌日訪問する都市又は地域に関する未学習又はテスト成績の悪いトラブル事例と対策方法のコンテンツを前記配信希望者の端末装置に配信し、該配信設定情報がゾーン配信を示す場合に、前記希望者の現在位置が事故又は犯罪の発生頻度が高いゾーンに該当すれば該最新情報データベースに格納された該ゾーンの安全関連情報を配信するとともに、前記学習履歴データベースに基づいて、前記ゾーンに関する未学習又はテスト成績の悪いトラブル事例と対策方法のコンテンツを前記配信希望者の端末装置に配信する安全関連情報配信手段とを備える安全関連情報配信装置と、
   該安全関連情報配信装置とネットワークによって接続され、該安全関連情報配信装置から配信される安全関連情報を表示する表示手段を備える端末装置とによって構成されることを特徴とする安全関連情報配信システム。

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