JP4509509B2 - 放電加工装置 - Google Patents

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Description

この発明は放電加工装置に関し、特に、被加工物に多数の細穴をNC装置による制御のもとで加工形成する細穴加工用の放電加工装置に関する。
従来の細穴を放電加工する放電加工機は、ベッドと、そのベッド上に水平面上で互いに直交するX軸及びY軸にそれぞれ移動制御されるサドルと、テーブルが載置されているXYクロステーブルとによって構成する。サドルは、X軸モータで移動し、テーブルは、Y軸モータで移動する。テーブル上に加工槽が設けられ、この加工槽中の底部に設けた定盤上に被加工物が定置される。ベッド上にコラムが立設され、このコラムに主加工軸であるZ軸方向(鉛直方向)に昇降制御される加工ヘッドが設けられ、この加工ヘッドは加工主軸を回転自在に内蔵している。加工ヘッドは、Z軸モータで昇降移動する。Z軸モータは、加工主軸を回転させる主軸回転モータである。加工主軸の先端部(下端部)に電極ホルダチャックが取り付けられ、このチャックに電極ホルダが装着される。電極ホルダは、細穴加工用電極を把持し、この電極は円筒状である(例えば、特許文献1参照。)。
特開2002−301623号公報
従来の細穴加工の放電加工装置は、被加工物の表面をXY平面と平行になるように置き、XY平面内の電極移動によって被加工物の表面をXY平面に保ちながら、加工を進行させるため、XY平面に対して垂直でない曲面または多面体からなる表面を有する被加工物に、その表面に垂直または傾いた穴径の小さな細穴を加工できないという課題があった。
また、XY平面に対して垂直でない表面法線方向を有する半球形状の被加工物に穴径の大きな穴を加工する際、穴の側面と電極を進める方向とは傾いているので、その側面の放電加工においては、少しずつ電極を進め、さらに被加工物をXY平面内で移動を繰り返す。そのため、加工速度と表面性状を両立できないという課題があった。
また、電極の消耗に対して、電極を送り出す機構がなく、多数の細穴を連続加工できないという課題があった。
この発明の目的は、薄い変質層と小さな表面粗さを有し、曲面または多面体からなる表面を有する被加工物の表面に多数の異形穴を連続加工できる放電加工装置を提供することである。
この発明の放電加工装置は、被加工物と近接しながら上記被加工物との間で放電を発生する電極と、上記電極と上記被加工物の相対位置をXYZ直交3軸方向に移動させる移動手段と、上記被加工物の表面をXY平面に対して可変に位置できるように上記被加工物を調整可能に支持する被加工物支持手段と、上記被加工物と上記電極との間に放電のための電力を供給する放電電源と、上記移動手段と上記被加工物支持手段とをあらかじめ設定した位置情報に従って位置制御するとともに、上記放電電源を用いて上記被加工物と上記電極との間に放電を発生させて放電加工を行う制御装置と、を備え、Z軸の移動によって上記被加工物の穴を深さ方向に放電加工するとともに、X軸またはY軸の移動によって上記被加工物に異形穴を放電加工し、上記被加工物を2軸の周りに回転させることで該異形穴の深さ方向が上記被加工物の表面の法線方向となす角度を所望の角度になるように放電加工し、上記被加工物に対して互いに上記角度の異なった複数の異形穴を加工し、上記被加工物と上記電極との極間制御においては、2軸回りの回転制御を用いることなく、XYZ直交3軸の制御を用いる
この発明に係わる放電加工装置の効果は、被加工物を傾けて3次元スキャニングの創成放電加工を行うことによって、曲面または多面体からなる表面を有する被加工物に垂直または傾いた異形穴を連続して形成することができる。
実施の形態1.
図1は、この発明に係わる放電加工装置の構成を示す図である。図2は、図1の被加工物支持手段の詳細図である。図2(a)は、被加工物支持手段の正面図であり、図2(b)はその側面図である。
図1において、この放電加工装置は、被加工物1を支持し、C軸(図2参照)まわりに回転するC軸テーブル2と、C軸テーブル2を支持し、B軸(図2参照)まわりに回転するB軸テーブル3と、B軸テーブル3を支持するベッド4とを備えている。
さらに、放電加工装置は、被加工物1との間に放電を発生させる電極5と、この電極5を保持する電極ホルダ6と、被加工物1の近傍で電極5の先端位置を決めるガイド7と、電極ホルダ6を保持するチャック8と、このチャック8を支持し、Z軸方向に平行移動するヘッド9と、このヘッド9を支持し、X軸、Y軸方向に移動するラム10とを備えている。
さらに、放電加工装置は、その中に加工液を満たして被加工物1を加工液に浸漬する加工槽11を備えている。この加工槽11およびラム10などはベッド4に支持されている。
さらに、放電加工装置は、C軸テーブル2、B軸テーブル3、ヘッド9およびラム10をそれぞれ制御する制御装置としてのNC制御装置12を有している。NC制御装置12は、目標加工形状をあらかじめNCデータとして記憶するNCデータ部13と、NCデータに基づきC軸テーブル2、B軸テーブル3、ヘッド9およびラム10を制御する位置制御情報を生成するNC位置制御手段14とを有している。
なお、NCデータにより放電加工を制御するNC制御装置について説明するが、NCデータではなくコンピュータコントロールデータなどを用いても同様の効果が得られるので限定されるものではない。
さらに、放電加工装置は、被加工物1と電極5との間に放電を発生する放電電圧を印加する放電電源15を有している。
この放電加工装置における座標軸は、以下のように設定してある。基準面Fは、ベッド4の上面とし、XY平面に平行である。このベッド4の上面は、設置地面に水平に調整して設置してある。この上面上で幅方向をX軸方向とし、作業者にとって向かって右手方向を正、左手方向を負に設定してある。さらに、この上面上で奥行き方向をY軸方向とし、手前側を正、奥行き側を負に設定してある。この上面の法線方向をZ軸方向とし、上方を正、下方を負に設定してある。
ヘッド9は、Z軸方向に直線移動することができる。
ラム10は、X軸−Y軸の2軸を有する図示しない直線軸受けによって支持されている。
これら電極ホルダ6、ガイド7、チャック8、ヘッド9およびラム10により電極移動手段17を構成している。
図3は、この放電加工装置における被加工物1および電極5の周辺を拡大した斜視図である。被加工物1は、円筒1aの片側の開口部を半球形状のドーム1bが一体として覆っている。放電加工は、このドーム1bに多数の後述する異形穴をドーム1bの表面の法線方向に中心軸を揃えて設けることである。
電極5は、電極ホルダ6で保持され、さらに、被加工物1に近接した位置でガイド7によってX軸、Y軸方向の位置が拘束されている。このようにガイド7で支持することによって、小さな径、例えば1mm以下の小径の電極5を用いることができる。
また、電極5がたわみやすい場合でも、電極5のX軸、Y軸位置を正確に制御することができる。そして、電極ホルダ6は、ヘッド9で支持され、ガイド7は、ラム10で支持されている。ヘッド9は、ラム10で支持されているため、ラム10のX軸、Y軸位置を制御することにより、電極ホルダ6とガイド7のX軸、Y軸方向位置を同期して制御できる。
また、放電加工装置では、ベッド4から垂直に立ち上がった図示しない支持部材に設けられたB軸に回転自在に支持されたB軸テーブル3は、所定な曲率半径Rを有し、B軸の周りに回転することができる。
C軸テーブル2は、B軸テーブル3上のC軸に対して(図2参照)回転自在に支持されている。
これらC軸テーブル2とB軸テーブル3とによって被加工物支持手段16を構成している。
次に、この放電加工装置における被加工物1の表面の法線とX軸−Y軸平面とのなす角度は、B軸テーブル3を所望の角度に成るように回転することにより設定される。
図4は、ドーム1bに放電加工で設ける異形穴の形状を説明した上面図(a)と、そのA−A断面図(b)である。この図4で、異形穴の中心軸Lは、上面図(a)では中心の一点、断面図(b)では一点鎖線で示されている。この中心軸Lは、Z軸と平行になる。 さらに、異形穴の中心軸Lと垂直な平面すなわちXY平面における穴の内周の形状は円形と異なっている。図4では、XY平面上の穴の内周の形状は、十文字状である。このように中心軸Lに垂直な断面が円形と異なる形状においては、内接円と外接円とを定義する。内接円は、穴の内周の少なくとも1点が含まる最小の円である。また、外接円は、穴の内周のすべての点が含まれる最大の円である。この内接円の半径と外接円の半径との差が電極半径よりも大きい特異形状を異形と呼び、穴の内周の形状が異形のときの穴を異形穴と称す。
なお、図4(b)に示すような被加工物1を貫通する穴とともに、図5に示すような被加工物1を貫通しない凹部も穴と称す。場合でも図5に示すように、図4に示した内接円の直径よりも凹部深さが大きい形状を穴と呼ぶ。このような異形穴は電極5をX軸、Y軸方向に走査しながら、放電加工をZ軸方向に進行させることによって形成できる。
図20は、他の異形穴の例を示す説明図である。図20(a)では、穴の内周の形状が矩形である穴を示す。内接円の半径と外接円の半径との差が電極半径よりも大きい。図20(b)では、穴の内周の形状が三角形である穴を示す。
次に、図1の放電加工装置を用いて図6に示す異形穴を被加工物1に対し放電加工により設ける動作について説明する。
まず、加工目標となる異形穴の形状に関して、図6を参照して説明する。図6(a)は、異形穴の断面図である。図6(b)は、異形穴加工後の被加工物1の斜視図である。
図6に示すように、異形穴20は、ドーム1bに設けるものである。B軸テーブル3を角度αだけ回転させることにより、異形穴20の中心軸をドーム1bの表面の法線方向に合わせることができる。図6(a)の状態で異形穴20を加工した後、C軸テーブル2を角度βだけ回転させて、異形穴20を回転角βに応じた位置に加工できる。
図7に示すように、NC制御装置12は、B軸テーブル3とC軸テーブル2とを位置制御して被加工物1をその目標加工形状の異形穴の中心軸と電極のZ軸方向とを一致させる。このようにしてB軸テーブル3とC軸テーブル2をベッド4に固定して、それ以降の放電加工を進める。
次に、NC制御装置12は、ヘッド9およびラム10の位置を制御して電極5をスキャニングして被加工物1との間隔を調整する。同時に、放電電源15を駆動して放電加工を行う。この説明では、電極5をスキャニングしたとき画かれる軌跡をスキャニング軌跡と呼ぶ。
次に、異形穴20の創成加工における動作について説明する。
図8(a)は、電極5のスキャニングによって異形穴20を加工するときのスキャニング軌跡を示す上面図である。図8(a)において、破線は、電極の中心のスキャニング軌跡である。点Aから開始して、電極5はY軸負方向に移動され、Y軸と平行な壁面のX軸正方向側を加工しながら点Bに達したら、電極5をX軸負方向に移動する。次に、電極5はY軸正方向に移動され、Y軸と平行な壁面のX軸負方向側を加工しながら中央部に戻る。次に、点Cに向かってX軸負方向に移動され、X軸と平行な壁面のY軸負方向側を加工し、点Cに達したら、電極5はY軸正方向に移動される。次に、電極5はX軸正方向に移動されながら、X軸と平行な壁面のY軸正方向側を加工して中央部に戻る。次に、点Dに向かってY軸正方向に移動され、Y軸と平行な壁面のX軸負方向側を加工し、点Dに達したら、電極5をX軸正方向に移動する。次に、電極5はY軸負方向に移動されながら、Y軸と平行な壁面のX軸正方向側を加工して中央部に戻る。次に、点Eに向かってX軸正方向に移動され、X軸と平行な壁面のY軸正方向側を加工し、点Eに達したら、電極5をY軸負方向に移動する。次に、電極5はX軸負方向に移動されながら、X軸と平行な壁面のY軸負方向側を加工して中央の点Fに戻る。
この点Aから点Fに至る1回のXY平面内の移動距離に比例した深さだけZ軸負方向に電極5を送り込むことにより、電極消耗を補正して、電極5の先端を一定の深さに保つことができる。すなわち、図8(b)のスキャニング軌跡23に示すように、異形穴20の側面を一定の深さで電極5の先端が移動することになる。
点A、B、C、D、E、Fの一巡動作の後、電極5をある一定値たとえば中空状電極の肉厚の2倍の長さだけZ軸負方向に送り込み、図8(a)の点A、B、C、D、E、Fの一巡動作させることによって、図8(b)のスキャニング軌跡24を電極5の先端がたどり、異形穴20が深くなる。このような動作を逐次繰り返して、異形穴20を所望の深さまで加工することができる。
次に、異なったドーム1bの位置に異形穴20を設けることについて説明する。
ドーム1bの同一の緯度上に異形穴20を設けるときは、B軸テーブルはそのままに固定し、C軸テーブルだけを例えば図6に示すように角度βだけ回転し、固定すれば、その位置のドーム1bの表面の法線方向がZ軸方向と平行にすることができる。
また、ドーム1bの異なった緯度上に異形穴20を設けるときは、B軸テーブルを図6のように回転してその位置のドーム1bの表面の法線方向がZ軸方向と平行にすることができる。
このような放電加工装置は、表面に曲面が設けられた被加工物にその表面に対して任意の角度を有する異形穴を設けることができる。
また、放電を安定に保つ被加工物と電極との極間制御にB軸テーブル、C軸テーブルを含めずに、X軸、Y軸、Z軸の3軸のみの制御に限定することにより、極間制御に必要なNC制御装置の演算量を軽減し、NC制御装置を安価に構成できる。
また、ガイドを設けたので、径の小さな電極を用いることができ、穴径の小さな異形穴を形成することができる。
さらに、ガイドを設けたので、たわみやすい電極を用いることができる。
なお、被加工物として半球状のドームを対象に説明したが、曲面を含んだ表面を有していればどうようにB軸テーブルおよびC軸テーブルにより穴の中心軸を調整することができる。また、複数の平面を含んだ表面を有していても同様に異形穴を設けることができる。
実施の形態2.
図9は、この発明の実施の形態2に係わる放電加工装置の電源と電極を説明する図である。実施の形態1の放電加工装置とは、電極ホルダと放電電源とが異なっている。その他は、同様であるので、同様な部分の説明は省略する。
電極ホルダ6は、チャック8に支持され、チャック8は回転機構18(図1参照)のモータにより回転している。電極ホルダ6は、電極5と、電極5と電気的に接続し、かつ電極5とともに機械的に回転するスリップリング31と、このスリップリング31と摺動しならが電流を供給するブラシ32と、このブラシ32に電流を供給するフィーダ線33を有している。なお、電極5の材料は、熱伝導率が被加工物1よりも大きな真鍮など銅を含む金属を用いている。
また、放電電源15は、メイン電源34と、サブ電源35と、メイン電源34に直列に接続した抵抗を有する抵抗回路36と、抵抗回路36、バイパス回路37およびサブ電源35とを切り換えフィーダ線33と接続する切り換え回路38とを備えている。
被加工物1は、C軸テーブル2に取付冶具39で保持される。取付治具39は、放電電源15とグランド線40で接続する。
NC制御装置12は、図1に示すように回転機構18のモータを制御して電極の回転を調整する電極制御手段19を有している。
図1に示すようにNC制御装置12は、荒放電加工手段41と仕上げ放電加工手段42とを有している。
荒放電加工手段41は、切り換え回路38を切り換え抵抗回路36を電極5に直列に接続する。また、メイン電源34の放電持続時間を長くする。
さらに、仕上げ放電加工手段42は、切り換え回路38を切り換えバイパス回路37をメイン電源34と電極5との間に挿入する。また、メイン電源34の放電持続時間を短くする。
バイパス回路37の抵抗値は抵抗回路36の抵抗値よりも十分に小さい。このようにバイパス回路37から抵抗回路36へ切り換えることにより、長パルスの電流値を小さくして、電極消耗を抑制できる。
なお、短パルス波形においては、フィーダ線33の自己インダクタンスが過渡的にインピーダンスとして作用し、電流の大きさが抑えられる。
図10と図11は、この発明の実施の形態2に係わる放電加工装置の放電電源の電源波形を示す。図10は、荒放電加工手段41により制御されたときの放電電源から発生する長パルス低ピークの電圧(a)、電流波形(b)を示す。図11は、仕上げ放電加工手段42により制御されたときの放電電源から発生する短パルスの電圧(a)、電流波形(b)を示す。
荒放電加工手段41と仕上げ放電加工手段42とも、被加工物1と電極5の間にサブ電源35によって電圧を加え、加工液の絶縁破壊が起こって電流が流れ始めたときに、サブ電源35からメイン電源34に切り換える。
荒放電加工においては、メイン電源34の放電持続時間をたとえば4μsと長く取り、被加工物1と電極5との間に直列に抵抗回路36を入れる。そして、たとえばその抵抗の抵抗値を23Ωとし、メイン電源電流を6A程度の低い値とする。
仕上げ放電加工においては、メイン電源34の放電持続時間をたとえば0.1μsと短くし、切り換え回路38としてのリレーで切り換えて荒放電加工で用いた抵抗回路36はバイパスして、電流値のピークはたとえば20Aと高くする。
仕上げ加工においては、変質層厚さが15μm以下となるように放電持続時間を1μs未満とし、荒加工においては、放電持続時間を1μs以上とする。
図12は、長パルス低ピークの電流波形で荒放電加工し、この荒放電加工の後に短パルスの電流波形で仕上げ放電加工するときのスキャニング軌跡を示す。図8では、電極5の中心の軌跡を示したが、この図12では、電極5の側面の加工点の軌跡を示している。
図12において、実線52は荒放電加工における異形穴の内周形状を示し、一点鎖線54は、仕上げ放電加工においてスキャニングする軌跡を示している。
荒放電加工における形状は、長パルス低ピークの電流波形を用いて加工しているため、被加工物の表面粗さが大きく、変質層が厚くなる傾向にある。次に、この表面粗さの大きい表層および変質層を短パルス電流波形の仕上げ放電加工で除去する。仕上げ放電加工のスキャニング軌跡を荒放電加工のスキャニング軌跡よりも穴を広げる方向にオフセットする。仕上げ放電加工においては、短パルス波形を用いるため、伝熱時間が短く、被加工物表面の放電痕は小さく、浅くなる。また、変質層も薄くなる。
このようなオフセットしたスキャニング軌跡で仕上げ放電加工することにより、荒放電加工の面を除去しつつ、面粗さを小さくし、変質層を薄くして仕上げ放電加工をすることができる。
図13、図14は、図12の異形穴形状のXY断面であり、加工表面を模式的に表している。
図13は、荒放電加工後の断面である。荒放電加工後の被加工物1の表面は、面粗さが大きく、変質層53が厚い。放電加工は、放電で被加工物を加熱して溶融させるとともに加工液の気化爆発によって、加熱溶融された被加工物を吹き飛ばして、除去し、加工を進行させる。過熱した被加工物1の材料が、たとえば、耐熱合金の場合、高温強度が高いので、放電で加熱され、気化爆発力を受けたときに、吹き飛ばされずに残存し、残存部分の突起が大きく、面粗さが大きくなる。また、吹き飛ばされる量が少ないために、変質層も厚くなる。その結果、図13に示すように、面粗さが大きくなり、変質層が厚くなる。また、荒放電加工で長パルスを用いると、熱伝導時間が長くなり、変質層が厚く、放電痕が大きくなって、面粗さも大きくなる。図13において、1点破線は、この荒放電加工の後に行う仕上げ放電加工のスキャニング軌跡54を示す。
この厚い変質層53を包含するように仕上げ放電加工のスキャニング軌跡54を取って加工した結果が図14である。図14は仕上げ放電加工後の断面であり、図13の荒放電加工に比べて、面粗さが小さく、変質層53も薄くなる。短パルスを用いたため、熱伝導の時間が短く、変質層は薄くなる。また、放電痕も小さいため、面粗さが小さくなる。
このような放電加工装置は、荒放電加工において、印加電圧時間を長くして、1回の放電による被加工物1の放電痕を大きく、かつ、深くすることによって、単位時間あたりの被加工物1の除去体積を増して加工速度を上げることができる。
また、そのとき電流値を低く抑えることによって、電極の消耗を抑制できる。
また、電極材料は真鍮など銅を含む金属を用いて熱伝導率を被加工物よりも大きくすることにより、長パルス波形を用いたときに、加工速度を増しつつ電極消耗を抑制することができる。
また、長パルスの荒放電加工の電流値を小さくして、電極消耗を抑制しながら、加工速度を増すことができる。
このような放電加工装置は、荒放電加工では、十分に長いパルス波形を用いて加工速度を増し、仕上げ放電加工においては、短パルス波形を用いて、オフセットしたスキャニング軌跡で荒放電加工面を除去することにより、面粗さを小さく、変質層を薄くし、被加工物の表面をなめらかにし、クラック発生を抑制して、クラックに応力集中を発生させることなく、被加工物の強度を高めることができる。
このような放電加工装置は、電極や被加工物の材質、形状のばらつきなどの加工条件の変化に対して、ストレート下穴は一定の形状が確保できる。電極をスキャニングして加工する体積を小さくできるため、加工条件の変化に対して加工形状の変動を抑制できる。また、新たな材料、形状に対して、精度良く加工することができる。
実施の形態3.
図15は、この発明の実施の形態3に係わる放電加工装置の電極ホルダを説明する断面図である。実施の形態1に係わる放電加工装置は、実施の形態1の放電加工装置と電極ホルダが異なっている。その他は同様であるので、同様な部分の説明は省略する。
電極ホルダ6は、チャック8で保持されるドローバー61と、このドローバー61に連結したケーシング62と、このケーシング62の中を加工液圧によって上下する加圧部材としての受圧可動子63と、この受圧可動子63の位置を戻す方向に働く復帰ばね64と、電極5が貫通する孔を有し、受圧可動子63によって変形して電極5をシールする可撓性シール部材としての樹脂シール65と、電極5の挿入を案内するテーパワッシャ66と、電極5を保持する掴み爪67と、油圧ポンプなどからなる加工液を加圧する加圧手段68とを有する。
さらに、電極制御手段19は、電極ホルダ6を制御して電極の突き出し長さを調整する。
電極5は円筒状であり、円筒の内側を経由して加工液を被加工物1との放電個所に流すことによって、加工くずを排出し、放電加工を進行させる。
加工液は、ポンプ68で高圧に、たとえば5MPaに加圧し、ドローバー61の内側から導入する。受圧可動子63は、加工液の圧力を受けてZ軸負方向に押し下げられる。受圧可動子63の先端に接した樹脂シール65は、テーパワッシャ66との間で押しつぶされる。その結果、樹脂シール65の孔の内側面と電極5の外側面とは密着する。このようにして樹脂シール65と電極5との隙間がシールされるので、加工液は電極5の狭い内側、例えば内径Φ0.12mmの細い流路を通って、放電個所に到達する。放電加工中は掴み爪67によって電極5を保持する。
一方、スキャニングによって創成放電加工を進行させるのに伴って、電極5が消耗する。この電極消耗に対して、電極5の先端を別機構(図示せず)で保持し、ヘッド9を上方(Z軸正方向)に上げることによって、電極突き出し長さを長くする。このとき、樹脂シール65と電極5とが密着していると、電極5をスムーズに引き出すことができないので、加工液のポンプ68を止めて、加工液圧を下げ、受圧可動子63を復帰ばね64の力でZ軸正方向に押し上げて、樹脂シール65を元の形状に戻し、樹脂シール65の内側面と電極5の外側面との間にすきまを設ける。また、電極引出しのときには、掴み爪67を別の機構(図示せず)で開き、電極5を開放する。これら一連の動作はNC制御装置12の電極制御手段19で行い、自動的に電極突き出し長さを調節する。
なお、電極5を最初に樹脂シール65の内側に挿入するとき、下方(Z軸負方向)から電極5を樹脂シール65に挿入し、このときのテーパワッシャ66のテーパ部によって電極5を樹脂シール65の内側に案内する。テーパワッシャ66は金属など樹脂よりも硬い材料とし、電極5の先端が当たることによる破損を防止する。
このような放電加工装置は、複数の異形穴を加工するときに、電極が消耗しても自動で電極を引き出すことにより、電極を付け替えることなく、連続して放電加工でき、加工中断時間を省略して加工時間を短縮でき、人手をかけることなく無人で多数個の異形穴を連続加工することができる。
実施の形態4.
次に、スキャニング軌跡のZ軸方向ピッチについて説明する。
図16は、パイプ状の電極5の断面および異形穴20のテーパ部20aの加工途中の断面を示している。パイプ状の電極5の肉厚はt(mm)である。また、テーパ部20aを加工することにより電極5の先端に行くほどパイプの肉厚が減少する。肉厚が減少しだしている箇所と電極5の先端との長さをp(mm)とする。電極5はZ軸と平行であるため、テーパ部20aの斜面(この斜面は異形穴20の中心軸からγ(°)だけ傾いている。)のZ軸に対する角度はγ−α(°)となる。(角度αは角度γと同じ傾きの方向にB軸が傾けられたときである。逆の傾きにB軸が傾けられたときはγ+αとなる。)したがって、電極の摩耗部分の長さpは式(1)で表される。
p=t/tan(γ−α)・・・・・・・・・・・・・・・・・・・(1)
しかし、実際には、一点鎖線のような電極5の形状では、先端部分が薄くなるため、消耗量が増え、実線のように、少し丸くなる。このことによる先端長さの減少分をδ1(mm)とすると、スキャニング軌跡のZ軸方向送りピッチp1を式(2)に従って与えることによって、滑らかなテーパ部20aの加工面が得られる。
p1=p−δ1+δ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・(2)
ここで、δはZ軸方向の放電ギャップであり、δ1はδの1〜5倍の値である。式(2)をδで表せば、式(3)のように表すことができる。
p1=p−k×δ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・(3)
ここで、kは、1を超えて4未満の任意の実数である。式(3)に式(1)を代入すると式(4)が得られる。
p1=t/tan(γ−α)−kδ・・・・・・・・・・・・・・・・(4)
スキャニングに用いる電極5の外径Dを、異形穴20の最も狭い部分の幅より少しだけ小さくすることによって、電極5中心のスキャニング軌跡を短くすることができる。たとえば、目標形状に対して、放電ギャップだけ小さい電極径を用いるとよい。図17に示すように、最も狭い部分であるストレート部のX軸方向の幅をL1、X軸ーY軸方向の放電ギャップをδx、電極径をDとしたとき、D=L1−2δxから求まる電極径Dを選ぶことにより、ストレート部分の加工において、電極5をX軸方向に移動させることなく、所望形状が得られることになる。
また、電極径を極力大きくすることは、電極と被加工物の対向面積を増して放電面積を増やすこととなり、放電加工分野で広く知られている所謂面積効果によって、放電が安定し、加工速度が増す。
実際の電極5には、径の寸法ばらつきもあり、放電ギャップも加工条件で変化するため、その分余裕を持ち、D=L1−10δxとなるように電極径Dを選定することが好ましい。
このような放電加工装置は、パイプ状電極の肉厚に対して、電極のZ方向送り量を十分に大きく取ることにより、加工時間を短縮できる。
また、ディフューザーホールの穴断面形状に対して、十分大きな電極径を用いることにより加工時間を短縮できる。
実施の形態5.
この発明の実施の形態5に係わる放電加工装置の電極位置決め機構を図18に示す。ラム10上にW軸位置決め機構80が備えられている。W軸位置決め機構80は、ラム10上に設けられたサーボモータ69と、サーボモータ69に連結したボールねじ70と、ボールねじ70と平行にスライドする直動玉軸受71と、直動玉軸受71上に設置され、ボールねじ70によってZ軸方向に駆動されるW軸スライダ72とを有する。W軸スライダ72上にZ軸位置決め機構81が備えられている。Z軸位置決め機構81は、W軸スライダ72上に設けられたサーボモータ73と、サーボモータ73に連結されたボールねじ74と、ボールねじ74と平行にスライドする直動玉軸受75と、直動玉軸受75上に設置されたヘッド9とを有している。ヘッド9は、ボールねじ74によってZ軸方向に駆動される。ヘッド9上に主軸76を設け、主軸76の回転軸に電極ホルダ6が連結されている。W軸スライダ72上にはガイド7が搭載されている。
W軸位置決め機構80の可動部は、W軸スライダ72、サーボモータ73、ボールねじ74、直動玉軸受75、ガイド7およびX軸位置決め機構81である。Z軸位置決め機構81の可動部は、電極5、電極ホルダ6、ヘッド9および主軸76である。
次に図18の電極位置決め機構の動作について説明する。まず、所望の加工位置にガイド7を移動するために、ラム10をX軸、Y軸方向に動かしてガイド7のXY軸方向の位置を決める。次に、サーボモータ69によってW軸スライダ72を動かしてZ軸方向の位置を決める。次に、電極5の先端位置は、XY軸方向をガイド7で拘束し、サーボモータ73によってヘッド9を動かすことでZ軸方向の位置を決める。
加工開始とともに、電極5は、電極5と被加工物1との間の放電電圧の時間平均が一定になるようにZ軸位置決め機構81で位置制御される。このZ軸位置決め機構81とW軸位置決め機構80とからなる電極位置決め機構では、W軸位置決め機構80の位置制御帯域幅よりもZ軸位置決め機構81の位置制御帯域幅の方が大きくなるように位置制御系が構成される。このような構成にすることによって、放電加工中の電極位置決めをW軸位置決め機構80を用いて行うよりもZ軸位置決め機構81を用いて高応答に電極5を動作させることができる。
Z軸位置決め機構81の位置制御帯域幅をW軸位置決め機構80の位置制御帯域幅よりも大きくする方法としては、特開2001−9642号公報に可動部質量を小さくするという発明が示されている。しかしながら、Z軸位置決め機構81の位置制御帯域幅を大きくするという観点から考えると、可動部質量を単に小さくするだけでは不十分である。
一般のフィードバック制御を用いた位置制御系では、制御系の安定性の指標である位相余裕とゲイン余裕を確保するために、位置決め機構系の固有振動数よりも低い周波数に位置制御帯域幅が決められる。逆に、位置制御帯域幅をさらに拡大したい場合には、位置決め機構系の固有振動数を所望の位置制御帯域幅に対して十分大きくしておく必要がある。
Z軸位置決め機構81を一自由度振動系とみなせば、この系の固有振動数Fは数1で表すことができる。
Figure 0004509509
ここで、kはボールねじ、ボールねじナット部分の弾性変形を1個のばねで近似したときのばね定数、mはZ軸並進系可動部質量である。この式から、位置決め機構系の固有振動数を大きくするためには、単に可動部質量mを小さくするだけでは十分でないことがわかる。位置決め機構系の固有振動数を大きくするには、可動部質量を小さくするとともに、固有振動数がW軸位置決め機構80の位置制御帯域幅よりも高くなるようにばね定数kを適切に大きく設定する必要があることがわかる。
次に、W軸位置決め機構80の位置制御帯域幅よりもZ軸位置決め機構81の位置制御帯域幅が大きくなるようにした図18の放電加工装置の一構成例について述べる。
W軸位置決め機構80の位置制御帯域幅は約20Hz、固有振動数は約100Hzであり、Z軸位置決め機構81の固有振動数がこれよりも高くなるように構成する。ヘッド9にはアルミ材を用い、周囲にリブを配置して可動部質量mを25kgに軽量化し、ボールねじ74の軸径はΦ25mmとすることで、Z軸位置決め機構81のばね定数を82.5N/μmとした。数1で求まるZ軸位置決め機構81の固有振動数は289Hzである。
図19は、W軸位置決め機構80の位置制御系の交差周波数に対して、Z軸位置決め機構81の位置制御系の交差周波数を2.5倍に設定したときの、Z軸位置決め機構81の閉ループ周波数伝達特性を示す図である。比較のために、ボールねじ74の径をΦ25mmにした場合(図(a))と、ボールねじ74の径をΦ12mmにした場合(図(b))を示している。
ボールねじ74の径をΦ25mmと太くしたときは、Z軸位置決め機構81の固有振動数を高くすることができ、図19(b)の200Hz付近で生じている共振ピークが図19(a)ではかなり小さくなっている。
この共振ピークの低減によって、電極5を高速・高応答で動かしたときに生じる振動はかなり低減できるため、図19(b)の状態に比べると電極1と被加工物1との間に生じる放電状態を安定に維持しやすくなる。
以上に示したように、W軸位置決め機構80とZ軸位置決め機構81とからなる電極位置決め機構をW軸位置決め機構80単体よりも高速・高応答にするには、少なくともW軸位置決め機構80の位置制御帯域幅よりも高い固有振動数と位置制御帯域幅を持つようにZ軸位置決め機構81を構成すればよい。
これによって、W軸位置決め機構80のみで電極5を動かす場合よりも高速・高応答に電極5を動かすことが可能になるので、加工屑などによって生じる短絡を迅速に回避して安定な加工状態を高い効率で維持することが可能となり、加工速度を上げることができる。
また、位置制御帯域幅と固有振動数をあらかじめ決めてZ軸位置決め機構81を設計・製作することによって、機種ごとの電極位置決め性能のばらつきを小さくでき、安定した加工性能を得ることができる。
この発明に係わる放電加工装置の構成を示す図である。 図1の被加工物支持手段の詳細図である。 放電加工部分を拡大した斜視図である。 放電加工を施す目標の異形穴の形状である。 放電加工を施す目標の他の異形穴の形状である。 被加工物の頂点から下がった部分に放電加工する様子を示す図である。 被加工物を放電加工装置に固定した状態を示す図である。 異形穴の放電加工の際の電極のスキャニング軌跡の様子を示す図である。 この発明の実施の形態2に係わる放電加工装置の電源と電極とを示す図である。 図9を用いて荒放電加工したときの電源波形を示す図である。 図9を用いて仕上げ放電加工したときの電源波形を示す図である。 図11を用いた加工するときのスキャニング軌跡の様子を示す図である。 図10を用いて荒放電加工した後の断面の様子を示す図である。 図11を用いて仕上げ放電加工した後の断面の様子を示す図である。 この発明の実施の形態3に係わる放電加工装置の電極ホルダを示す図である。 異形穴のテーパ部と電極断面の関係を示す説明図である。 異形穴の断面と電極径との関係を示す説明図である。 この発明の実施の形態5に係わる電極位置決め機構の斜視図である。 図18のZ軸位置決め機構の位置制御系の閉ループ周波数伝達特性を示す図である。 この発明に係わる矩形異形穴、三角異形穴の説明図である。
符号の説明
1 被加工物、1a (被加工物の)円筒、1b (被加工物の)ドーム、2 C軸テーブル、3 B軸テーブル、4 ベッド、5 電極、6 電極ホルダ、7 ガイド、8 チャック、9 ヘッド、10 ラム、11 加工槽、12 NC制御装置、13 NCデータ部、14 NC位置制御手段、15 放電電源、16 被加工物支持手段、17 電極移動手段、18 回転機構、19 電極制御手段、20 異形穴、20a (異形穴の)テーパ部、23、24 スキャニング軌跡、31 スリップリング、32 ブラシ、33 フィーダ線、34 メイン電源、35 サブ電源、36 抵抗回路、37 バイパス回路、38 切り換え回路、39 取付治具、40 グランド線、41 荒放電加工手段、42 仕上げ放電加工手段、52 荒放電加工のスキャニング軌跡、53 変質層、54 仕上げ放電加工のスキャニング軌跡、61 ドローバー、62 ケーシング、63 受圧可動子、64 復帰ばね、65 樹脂シール、66 テーパワッシャ、67掴み爪、68 加圧手段、69 サーボモータ、70 ボールねじ、71 直動玉軸受、72 W軸スライダ、73サーボモータ、74 ボールねじ、75 直動玉軸受、76 主軸、80 W軸位置決め機構、81 Z軸位置決め機構。

Claims (9)

  1. 被加工物と近接しながら上記被加工物との間で放電を発生する電極と、
    上記電極をXYZ直交3軸方向に移動させる電極移動手段と、
    上記被加工物を2軸の周りに回転支持する被加工物支持手段と、
    上記被加工物と上記電極との間に放電のための電力を供給する放電電源と、
    上記移動手段と上記被加工物支持手段とをあらかじめ設定した位置情報に従って位置制御するとともに、上記放電電源を用いて上記被加工物と上記電極との間に放電を発生させて放電加工を行う制御装置と、
    を備え、
    Z軸の移動によって上記被加工物の穴を深さ方向に放電加工するとともに、X軸またはY軸の移動によって上記被加工物に異形穴を放電加工し、上記被加工物を2軸の周りに回転させることで該異形穴の深さ方向が上記被加工物の表面の法線方向となす角度を所望の角度になるように放電加工し、上記被加工物に対して互いに上記角度の異なった複数の異形穴を加工し、
    上記被加工物と上記電極との極間制御においては、2軸回りの回転制御を用いることなく、XYZ直交3軸の制御を用いることを特徴とする放電加工装置。
  2. 上記被加工物支持手段は、
    曲面を含む上記被加工物の表面をXY平面に対して平行になるように上記被加工物を2軸の周りに回転支持することを特徴とする請求項1に記載の放電加工装置。
  3. 上記電極移動手段は、
    上記電極の先端部をXY軸方向に位置決めするガイドを有し、2軸回りの回転支持機構によって上記電極が移動するZ軸方向と上記被加工物の表面の法線方向とがなす角度を所望の角度に設定した後に、XYZ直交3軸の制御で放電加工することを特徴とする請求項1または2に記載の放電加工装置。
  4. 上記電極の外径は、
    上記被加工物に開ける異形穴の上記異形穴の中心軸に垂直な内周に対する内接円半径と外接円半径との差よりも小さいことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の放電加工装置。
  5. 上記電極の外径は、
    上記異形穴の内接円の直径から放電ギャップの10倍を引いて得た値と該直径から該放電ギャップの2倍を引いて得た値との間の値のいずれかであることを特徴とする請求項4に記載の放電加工装置。
  6. 上記制御装置は、
    上記被加工物の仕上げ放電加工に必要な電流ピーク値および放電持続時間の放電電流を用いて仕上げ放電加工する仕上げ放電加工手段と、
    上記仕上げ放電加工に先立ち上記仕上げ放電加工に必要な電流ピーク値よりも小さい電流ピーク値で上記仕上げ放電加工に必要な放電持続時間より長い放電持続時間の放電電流で荒放電加工する荒放電加工手段と、
    を有することを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載の放電加工装置。
  7. 上記放電電源は、
    メイン電源から直接上記電極に電力を供給する仕上げ放電加工用のバイパス回路と
    上記電極に流れる電流を減少するための抵抗を介してメイン電源から上記電極に電力を供給する荒放電加工用の抵抗回路と、
    上記バイパス回路と上記抵抗回路とを切り換える切換回路と、
    を有することを特徴とする請求項6に記載の放電加工装置。
  8. 上記電極移動手段は、
    上記電極の肉厚を上記被加工物に開ける穴の側面とZ軸とがなす角度の正接で除して得た値から放電ギャップのk倍(kは1を超えて4未満の実数)を引いて得た値だけ上記電極をZ軸方向に送り込むことを特徴とする請求項1乃至7のいずれか一項に記載の放電加工装置。
  9. 上記電極をZ軸方向に位置決めするZ軸位置決め機構と、
    上記電極の先端部をXY軸方向に位置決めするガイドをZ軸方向に位置決めするW軸位置決め機構と、
    を有し、
    上記Z軸位置決め機構は、上記W軸位置決め機構より軽量であり、かつ位置制御帯域幅が上記W軸位置決め機構より広いことを特徴とする請求項1に記載の放電加工装置。
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