以下、本発明の一実施形態に係るプリンタ装置について、添付図面を参照しつつ説明する。
本実施形態に係るプリンタ装置は、図1に示す如く、プリント処理されたペーパー(プリント)にラミネート処理を施すラミネート装置E2が着脱可能に装着されている。なお、図においては、境界線Lの右側が本実施形態に係るプリンタ装置E1で、左側がプリンタ装置E1に装着されたラミネート装置E2となっている。
本実施形態に係るプリンタ装置E1は、筒状の芯体に長尺なペーパーPが巻かれたペーパーロール(以下、単にロールという。)Rが収容され、該ロールRから引き出したペーパーPを下流側に供給するペーパー供給部1と、該ペーパー供給部1から供給されてくるペーパーPにプリント処理を施すプリント部2と、プリント処理されたペーパーPを所定長さに切断して枚葉状にする切断部3と、枚葉状にされたペーパーPの巻き癖(カール癖ともいう。)を矯正するデカール部4とを備える。
前記ペーパー供給部1、プリント部2、切断部3、及びデカール部4は、共通の筐体E内に内装されている。なお、本実施形態に係るプリンタ装置E1は、各部1,2,3,4へのアクセスを可能とすべく、筐体Eに開閉可能な扉Dや着脱可能なカバーCが各部1,2,3,4の配置に対応して設けられている。
前記ペーパー供給部1は、筐体E(プリンタ装置E1の側面の下部領域の一部)に設けられた扉Dを開くことで、作業者がアクセスできるようになっている。該ペーパー供給部1について具体的に説明すると、ペーパー供給部1は、図2(イ)及び図2(ロ)に示す如く、ロールRを保持するペーパーロール用リール(以下、単にリールという。)10と、該リール10を軸支する軸受体15,15と、該軸受体15,15で軸支されたリール10を回転させる駆動系12とを備える。
前記リール10は、図3及び図4に示す如く、ロールRの芯体に挿通される軸体100と、ロールRを挟み込むようにして軸体100に装着され、ロールRの軸心CL1方向での移動を規制する一対の規制体110,110とを備える。本実施形態に係るリール10は、一対の規制体110,110のそれぞれの軸体100に対する装着位置が軸心CL1方向に変更可能に構成され、交換されるロールRのサイズが異なっても、規制体110,110の位置を変更することで、各ロールRの軸心CL1方向の移動を規制できるようになっている。
より具体的に説明すると、前記軸体100は、ロールRに挿通される軸本体101と、該軸本体101の両端に突設され、前記軸受体15,15に支持される支持軸102,103とで構成されている。
前記軸本体101は、樹脂成形品であり、外周面上に、規制体110,110を装着する(後述するピン(被嵌合部)112を嵌合させる)ための複数の溝104a,104b,104c…(嵌合部)が形成されている。かかる複数の溝104a,104b,104c…は、ロールRの各サイズに対応するように軸体100の軸心CL1方向に配列されて一群をなす。各溝104a,104b,104c…は、軸体100の軸心CL1と直交する方向に伸長するように形成されており、本実施形態においては、ピン112の外形に即して形成されている。即ち、前記溝104a,104b,104cは、ピン112が嵌り込んだ状態で、該ピン112の外周面が密接する内周形状で形成されている。
本実施形態において、軸本体101には、一群(一列)をなす複数の溝104a,104b,104c…(以下、一群をなす複数の溝104a,104b,104c…を総称して溝列104という)が二列設けられており、各溝列104は、軸体100の軸心CL1を基準とする対称位置に形成されている。上述の如く、本実施形態に係るリール10は、一対の規制体110,110の何れもが軸体100(軸本体101)に対する装着位置を変更できるように構成されているので、軸本体101の一端側半分に、一方の規制体110を装着するため溝列104,104が二列形成されるとともに、軸本体101の他端側半分に、他方の規制体110を装着するための溝列104,104が二列形成され、一端側及び他端側の各溝列104は、同一直線上に位置するように形成されている。
本実施形態に係る軸本体101は、全長に亘る断面形状が大きく面取りされた四角形状をなしている。言い換えれば、該軸本体101の外周面は、軸心方向に長手をなす長方形状の第一面105と、軸心CL1方向に長手をなし、短手方向が第一面105よりも短い帯状の第二面106とが交互に連続して形成され、断面形状が変形した八角形をなしている。従って、該軸本体101は、第一面105が軸心CL1を挟んで略平行状態で対向して二対形成され、第二面106が軸心を挟んで略平行状態で対向して二対形成された態様をなす。即ち、軸本体101は、各対の第一面105及び第二面106が軸心CLを基準とする対称位置に形成され、これらの各対が周方向に交互に形成されることで断面が変形した八角形状に形成されている。
本実施形態においては、二対の第二面106のうち、一対の第二面106上に前記溝列104が形成されている。各溝列104の溝104a,104b,104c…は、隣り合う第一面105に跨るようにして形成され、これにより、溝列104の形成された第二面106に接続された第一面105の端部には、長手方向に間隔をおいて凹部が形成された態様となっている。
本実施形態に係る軸本体101は、軽量化を図るべく、前記溝104a,104b,104c…を配列した一対の第二面106が形成された柱体107に対して軸心CL1方向に複数の凸片108,108…が凸設されることにより、他の第二面106が凸片108,108…の先端面によって軸心CL1方向において断続的に形成された態様をなしている。即ち、本実施形態に係る軸本体101は、断面が変形した八角形をなす部分と非八角形をなす部分とが軸心CL1方向において交互に形成された態様をなす。なお、かかる態様は上述の如く軽量化の為であり、以下の説明において、便宜上、軸本体101は、軸心CL1方向の全長に亘って変形した八角形の断面(外周に第一面105と第二面106とが交互に形成された態様)であるとして説明することとする。
軸本体101の両端に突設された一対の支持軸102,103のそれぞれは、図4に示す如く、軸本体101の端面に連結される接続部102a,103aと、該接続部102a,103aに連設された軸部102b,103bと、該軸部102b,103bの先端に形成された鍔部102c,103cとで構成され、一方の支持軸102にのみ、前記駆動系12から駆動を受けるためのギア102dが前記鍔部102cに連設されている。
前記軸部102b,103bは、軸受体15,15の後述する軸受凹部150(図7参照)に嵌り込むように外径が設定されると共に軸受体15,15及び後述する軸規制体16(図7参照)の合計厚さ以上の長さに設定され、鍔部102c,103cは、軸部102b,103bよりも大径に設定されている。
前記規制体110,110は、軸体100(軸本体101)を挿通させる挿通部111が形成され、該挿通部111には、挿通状態にある軸体100と当該規制体110とを軸心回りで相対回転させることで、該規制体110の配置に対応する任意の前記溝104a,104b,104c…(嵌合部)に対して周方向に嵌脱する被嵌合部112,112が設けられている。本実施形態に係る規制体110,110は、溝列104(溝104a,104b,104c…の配列)に対応するように、被嵌合部112,112が挿通部111の挿通中心CL1を挟んで対向するように二つ(一対)設けられている。即ち、規制体110は、二つの被嵌合部112,112が挿通中心CL1を基準とする対称位置に設けられている。なお、図においては、軸体100の軸心と挿通部111の挿通中心とに同一符号CL1を付している。
より具体的に説明すると、本実施形態に係る規制体110,110は、ロールRの端面に対向配置されるリール板113と、該リール板113に回転可能に取り付けられた回転体120とで構成され、前記挿通部111がリール板113と回転体120との回転中心と挿通中心CL1とを略一致させて形成されている。
前記リール板113は、平面視略長方形状をなす板本体部114と、該板本体部114に連設された外観円柱状の芯嵌合部115とで構成されている。
板本体部114は、ロールRの端面に一方の面を対向させて配置される部分であり、長手方向の長さがロールRの最大径よりも長く設定されている。即ち、該板本体部114は、ロールRを保持した状態で該ロールRの外周から外方に向けて延出するように構成されている。そして、該板本体部114の長手方向の端面は、挿通部111の挿通中心CL1と直交する方向に真っ直ぐに延びるように形成されており、該リール10を横臥状態で配置する際に、板本体部114が台等の配置面上に配置できる足部として機能するようになっている。このようにすることで、保持したロールRの外周が配置面と接触するのを防止できるようになっている。なお、本実施形態においては、ロールRの軸心が板本体部114の長手方向の略中央に位置するように、該ロールRを保持するように構成されており、該板本体部114は、挿通部111の挿通中心CL1を境にして長手方向の両側の何れもが足部として機能するようになっている。
前記芯嵌合部115は、軸本体101が挿通されたロールRの芯体内に嵌合される部分であり、板本体部114の一方の面における長手方向の略中央に突設されている。即ち、該芯嵌合部115は、軸本体101とロールRの芯体との間の隙間に嵌め込まれることで、ロールRを軸本体101の軸心CL1と同心で保持できるように構成されている。
該リール板113には、板本体部114と芯嵌合部115とを貫通し、前記挿通部111の一部を構成する軸挿通穴111aが形成されている。本実施形態に係る軸挿通穴111aは、開口断面略四角形状に形成され、軸本体101の各第一面105を内周面で案内し、リール板113と軸体100とが軸心回りで相対回転するのを防止した上で、軸本体101を挿通できるように構成されている。
上記構成の板本体部114の他方の面には、回転体120を挿通中心CL1周りで回転させるための案内溝(図示しない。)が形成されている。該案内溝は、軸挿通穴111aを挟んで板本体部114の長手方向両側に形成されている。各案内溝は、挿通部111の挿通中心CL1(軸挿通穴111aの穴心)を中心に円弧状に形成されている。
前記回転体120は、長方形状に形成されており、本実施形態においては、長手方向の両端が円弧状に形成されている。具体的には、該回転体120は、長手方向の長さが板本体部114の長手方向の長さよりも短く、短手方向の長さが板本体部114の短手方向の長さと略同一に設定されている。該回転体120は、軸挿通穴111aと共に挿通部111を構成する貫通した開口111bが略中央に形成され、板本体部114と対向する一方の面に、板本体部114に形成された案内溝に挿入される被案内部(図示しない。)が凸設されている。
該被案内部は、開口111b中心を中心にして円弧状をなし、案内溝内で周方向に移動できるように、案内溝の周方向の長さよりも短く形成されている。これにより、回転体120は、案内溝内で被案内部が移動できる所定の回転範囲内で回転できるようになっている。なお、本実施形態に係る回転体120は、長手方向の両端部に開口111b中心を中心にして円弧状をなす長穴が穿設されており、該長穴を介して板本体部114にビスを螺合することで、回転体120を開口111b中心(挿通中心CL1)回りで回転可能にした上でリール板113(板本体部114)からの脱落を防止するようにしている。
該回転体120の開口111bは、軸挿通穴111aよりも大きなサイズ(対向する内面同士の間隔が軸本体101の対向する第二面106間の距離よりやや広め)の略正八角形状に形成されており、互いに対向する二組の内面(二辺)が当該回転体120の長手方向及び短手方向の端縁に沿うように形成されている。
該回転体120の他方の面には、図5及び図6に示す如く、前記溝104a,104b,104c…に嵌入される前記被嵌合部としての棒状のピン112,112を装着するためのピン装着凹部121が開口111bに対して回転体120の長手方向の両側に形成されている。これにより、本実施形態に係る回転体120は、軸本体101の溝列104の配置に対応して二つのピン112,112を装着できるようになっている。
具体的には、各ピン装着凹部121は、回転体120の他方の面側から見て、開口111bの一部(開口111b部の回転体120の長手方向における両端部分)と重複するように形成されている。即ち、各ピン装着凹部121は、ピン112,112が開口111b中心側に移動を規制すべく、ピン112,112の両端部を規制するピン規制部122,122を形成し、ピン112,112の両端部以外の部分が長手方向に位置する開口111bの内面に沿って該開口111b内に介在できるように形成されている。このようにピン規制部122,122を形成することで、対向する一対のピン112,112間の間隔が所定の間隔(軸本体101(第一面105,105間)を挿通可能な間隔)以下になるのを防止できるようなっている。
その一方で、ピン装着凹部121は、一対のピン112,112が互いに離間する方向への移動を許容するようにも形成されている。さらに、該ピン装着凹部121内には、ピン112,112を開口111b側(ピン規制部122,122側)に付勢するコイルバネ123,123を内装できるようにも形成されている。本実施形態においては、ピン112,112の両端部を付勢すべく、二つのコイルバネ123,123を内装できるように形成されている。
そして、該ピン装着凹部121のそれぞれに装着されたピン112,112は、コイルバネ123,123によって付勢された状態で、ピン規制部122,122に開口111b側への移動が規制され、軸体100の外周上の対称位置に形成された一対の第一面105,105間の距離よりもやや広い間隔を保っている。かかる回転体120は、上述の如く、ピン112,112及びコイルバネ123,123をピン装着凹部121内に内装した状態で、カバープレート124が取り付けられ、ピン112,112及びコイルバネ123,123の脱落を防止するように構成されている(図3及び図4参照)。なお、本実施形態おいて、両側のピン装着凹部121は、開口111bを跨いで一枚のカバープレート124によって塞がれている。そのため、カバープレート124には、回転体120の開口111bと同形の開口111b’が形成されており、軸体100を挿通部111に挿通できるようになっている(図3及び図4参照)。
上記構成の規制体110,110は、図5に示す如く、回転体120の長手方向に延びる中心線CL2が板本体部114の長手方向に延びる中心線CL3に対して傾斜するように、回転体120を回転させ、一対のピン112,112が板本体部114の軸挿通穴111aの内面と略平行になった状態で、軸体100を挿通部111(軸挿通穴111a及び開口111b)に挿通することができるようになっている。その一方で、上記構成の規制体110,110は、図6に示す如く、回転体120と板本体部114の長手方向の中心線CL2,CL3が一致するように回転体120を回転させると、挿通部111に挿通した軸体100(軸本体101)の溝104a,104b,104c…にピン112,112が周方向から嵌り込むようになっている。
図2(イ)及び図2(ロ)に戻り、前記軸受体15,15は、リール10の幅(軸心方向の長さ)に対応する間隔をおいて二つ配設され、軸体100の各支持軸102,103を軸支するようになっている。具体的には、各軸受体15,15は、起立させた板材で構成され、扉Dを解放した際の開口側から奥部に向けて延びるように設けられている。即ち、本実施形態に係る軸受体15,15は、略水平方向に伸長して形成されている。
各軸受体15,15は、図7(イ)及び図7(ロ)に示す如く、上面の所定位置(ペーパー供給部1の奥部に位置する所定位置)に、前記支持軸102,103が軸心と直交する方向から嵌り込み得るように、下方に向けて掘り下げられた軸受用の凹部(以下、軸受凹部という。)150が形成されている。本実施形態に係る軸受体15,15は、上述の如く、扉D側から奥部に向けて延びるように配設されているので、扉D側から軸受凹部150までの上面Gが、リール10を収容位置(支持軸102,103を軸受凹部150)にまで案内する案内面として機能するようになっている。該軸受体15,15の起立面には、長手方向に延びる長穴151が貫通して形成されており、該長穴151によって後述する軸規制体16,16を案内できるようになっている。
本実施形態に係るペーパー供給部1は、軸支したロールRからペーパーPを上方(軸受凹部150から支持軸102,103が抜け出る方向(脱出方向)に引っ張り力が作用する方向)に向けて引き出すように構成されている。これに伴い、本実施形態に係るプリンタ装置E1は、ペーパーPの引き出しに伴うリール10(ロールR)の脱落を防止すべく、前記軸規制体16,16を備えている。該軸規制体16,16は、前記軸受凹部150に軸支された支持軸102,103上(軸受凹部150の開口側)に出退する規制部160を備え、軸受凹部150内の支持軸102,103上に規制部160が突出した状態で、支持軸102,103が軸受凹部150から抜け出ようとするのを規制するようになっている。
具体的には、軸規制体16,16は、起立した板材で構成され、軸受体15に対応して扉D側から奥部に向けて延びるように設けられている。即ち、本実施形態に係る軸規制体16,16は、軸受体15,15と同様に、略水平方向に伸長して形成されている。該軸規制体16,16は、長手方向の一端側(先端側)に、軸受体15に軸支された支持軸102,103(軸部102b、103b)に嵌り込む軸嵌合凹部161が先端から後端に向けて掘り下げられて形成されている。これにより、軸規制体16,16の一端側には、軸嵌合凹部161を挟んで一対の突片状部が形成されており、一方が規制部160として機能するようになっている。
該軸規制体16,16は、軸受体15の軸受凹部150の掘り下げ方向と交差方向にスライド可能に設けられ、前記軸嵌合凹部161と軸受凹部150とが重なって軸受凹部150内の支持軸102,103の移動を規制する規制位置と、前記軸嵌合凹部161と軸受凹部150との重なりが解除されて軸受凹部150内の支持軸102,103の規制を解除する解除位置とに位置変更できるようになっている。本実施形態に係る軸規制体16は、長手(伸長)方向を軸受体15,15の長手(伸長)方向と一致させ、該長手方向にスライドできるように軸受体15,15に取り付けられている。具体的には、軸規制体16,16の一方の起立面に軸受体15,15の長穴151に挿通されるピン162が突設されている。これにより、軸受体15,15の長穴151の内周面によってピン162が案内され、軸規制体16,16が所定の軌道上でスライド(移動)し、前記規制位置と解除位置とに位置変更できるようになっている。なお、該軸規制体16,16は、軸受体15の長穴151に挿通されたピン162の先端に抜止部材(採番しない)が固着されており、軸受体15からの脱落を防止した上で該軸受体15(長穴151)に沿ってスライドできるようになっている。
本実施形態に係る軸規制体16,16の他端部には、前記扉Dの側板Dsに突設されたピン(図示しない。)が挿入される案内溝(図示しない。)が形成されており、扉Dの開閉に伴ってピンが案内溝に案内されることで該軸規制体16,16がスライドするようになっている。即ち、該軸規制体16,16は、扉Dを閉じた状態で、軸嵌合凹部161と軸受体15,15の軸受凹部150とが重なり合い、規制部160が支持軸102,103(軸部102b,103b)を軸受凹部150の奥部に押さえ込むように作用して該支持軸102,103の移動を規制する規制位置に位置し、扉Dを開いた状態で、規制部160が軸受凹部150から退避して軸部102b,103bの規制が解除される解除位置に位置するように構成されている。なお、図2及び図7においては、前記側板Dsを備えた扉Dのフレームのみを示している。
本実施形態に係る軸規制体16,16は、上面G2が前記軸受体15,15の上面と連続するように設けられており、上述の如く、解除位置に位置する状態で、前記軸受体15,15の上面Gが延長されたのと同様の態様となって延長案内面として機能するようになっている。即ち、前記軸受体15,15の上端部が支持軸102,103を案内するレールとして機能し、軸規制体16,16の上端部が前記レールを延長する延長レールとして機能するように構成されている。従って、ロールRの重量が重い場合等においては、ロールRを保持したリール10の支持軸102,103を各延長レール乃至レール上で案内し(転動させ)、支持軸102,103(軸部102b、103b)を軸受凹部150に導入できるようになっている。なお、本実施形態においては、扉Dを開いた状態で、該扉Dの側板Dsが、延長レールとして機能する軸規制体16,16を更に延長するレールとなるように形状設定されている。
図2(イ)及び図2(ロ)に戻り、前記駆動系12は、複数のギアや無端ベルト等(図示しない。)が組み合わされて構成され、リール10の支持軸102のギア102dと噛合可能に配設された駆動ギア125を備えている。これにより、軸受体15,15に軸支されたリール10に対し、ペーパーPの引き出し(搬送)に対応して回転を伝達できるようになっている。該駆動系12は、プリンタ装置E1内部に設けられたペーパー搬送用の搬送ローラ対(例えば、図9や図10で符号400を付した搬送ローラ対等)を駆動する駆動系と電気的に同期を取るように制御されている。本実施形態において、ペーパー供給部1の駆動系12、各部でのペーパー搬送用の駆動系は、それぞれ独立したパルスモータで駆動するようになっており、プリンタ装置E1の静音化を図るべく、各パルスモータを所定パルス数に分割して安定周波数で間欠駆動するようにしている。さらに、各パルスモータは、共通のタイマで駆動するようになっている。即ち、共通(単一)のタイマの周波数をソフトカウンタで分周し、モータ毎に所定のパルスを出力することにより、各パルスモータを駆動するようになっている。
前記プリント部2は、図8に示す如く、ペーパー供給部1の上方に設けられており、搬送中のペーパーPに向けてインクを吐出させるヘッド20と、ヘッド20に供給するインクを貯留するタンク(図示しない。)と、ヘッド20をペーパーPの搬送方向に対して直交方向に往復動させるヘッド駆動手段21とを備えている。即ち、プリント部2は、ペーパーPの搬送とヘッド20の往復動とにより、ペーパーPに対して主走査方向及び副走査方向(二軸方向)に順々に描画するようになっている。
前記ヘッド20は、上面に前記タンクに接続されたチューブ22を接続するための筒状のチューブ接続部200が凸設され、内部には、チューブ接続部200に流体的に接続された複数のノズル(図示しない。)が内装されている。なお、本実施形態に係るプリンタ装置E1は、Y(イエロー)、M(マゼンタ)、C(シアン)、BK(ブラック)の4色のインクで描画するようになっており、前記チューブ接続部200及びノズルは、インクの色毎に設けられている。
各ノズルは、ヘッド20の下面に開口(吐出口)を形成しており、ヘッド20は、ノズル(吐出口)から所定量で且つ適正なタイミングでインクを吐出させる吐出手段を備える。前記吐出手段には、ノズルの内周面に埋設されており、電圧を印加することで膨張変形する圧電素子(ピエゾ素子)や、電圧を印加することでインクを加熱するヒータ素子等が採用される。該ヘッド20は、ノズル内で吐出手段を作用させることで、ノズル内のインクが吐出口から押し出されるように構成されている。なお、ピエゾ素子やヒーター素子は、家庭用として普及しているインクジェットプリンタにも採用される一般的なものであるので、これらの説明については割愛することとする。
前記ヘッド駆動手段21は、前記ヘッド20をペーパーPの搬送方向と直交する方向に案内するガイドレール210と、該ガイドレール210の長手方向に沿って配設された無端ベルト(図示しない)と、該無端ベルトを回転駆動する駆動モータ(図示しない)とを備えており、前記無端ベルトの一部が前記ヘッド20に連結されている。これにより、駆動モータを駆動して無端ベルトを周方向に回転させることによって、ヘッド20をガイドレール210に沿って往復移動させることができるようになっている。
図1に戻り、前記切断部3は、プリント部2の下流側に設けられており、互いに接離する一対のカッター30,30を備えている。該切断部3は、プリント部2から搬送されてくる長尺なペーパーPを予め設定されたサイズ(長さ)に切断するようになっている。なお、本実施形態に係るプリンタ装置E1は、切断部3の下流側に、プリント処理済みのペーパーに対してオーダー等の情報を印字するためのドットプリンタ5が設けられ、さらに、該ドットプリンタ5の下流側に、該プリンタ装置E1とラミネート装置E2との処理速度差等を吸収するためのループ部6が設けられている。かかるループ部6は、ペーパーPがプリンタ装置E1とラミネート装置E2とに跨るような長尺サイズである場合、該ペーパーPを一時的にループ状に撓ませてバッファを形成することで、下流側でのペーパーPの搬送速度と上流側でのペーパーPの搬送速度との差を吸収できるようになっている。
前記デカール部4は、図9及び図10に示す如く、ペーパーPは排出する排出口44の上流側近傍の搬送経路上に設けられている。該デカール部4は、上流側から搬送されてくるペーパーPの上流側と下流側とを支持する一対の支持部40,41と、該一対の支持部40,41の間に位置するペーパーPを、巻き癖とは反対側の曲げが作用するように押圧する押圧体としての押圧ローラ43とを備える。さらに、本実施形態に係るデカール部4は、押圧ローラ43がペーパーPを押圧する押圧位置PP(図9参照)と、押圧を解除する押圧解除位置PR(図10参照)とに押圧ローラ43の配置を切り換えるローラ位置切換手段50を備える。
本実施形態に係るプリンタ装置E1の搬送経路は、ペーパーPを圧着搬送する搬送ローラ対400…がペーパーP搬送方向に間隔をおいて配設されることにより構築され、上下流で隣り合う搬送ローラ対400…間にガイド板410が配設されることにより、上流側から搬送されてくるペーパーPが搬送経路から外れることなく下流側の搬送ローラ対400…に乗り移ることができるようになっている。
前記一対の支持部40,41は、搬送経路の一部を排出口44近傍で構成するように設けられている。具体的に説明すると、上流側に設けられた一方の支持部40は、搬送経路を構築する上流側の搬送ローラ対400…に並んで配設されたガイド体40(具体的には後述する角部40c)で構成されている。該ガイド体40は、曲げ部分に丸みを持たせるようにしてプレートをL字状に曲げ加工されて形成されており、一方の片部40aが上流側の搬送経路に沿うように上流側の搬送ローラ対400に下流側で隣接し、他方の片部40bが前記搬送経路に対して直交方向下方に延びるよう配設されている。これにより、該ガイド体40は搬送中のペーパーPを角部40cで支持できるようになっている。該ガイド体40は、曲げ部分(角部40c)に開口が形成されており、角部40cの内側に、開口を介してデカール部4(ガイド体40)上でのペーパーPの有無を検出するセンサ48が設けられている。
他方の支持部41は、ローラ(以下、支持ローラという。)で構成されており、前記ガイド体40の角部40c)に対して間隔をおき、且つ上流側の搬送経路に対して下方側に変位した位置に設けられている。本実施形態においては、支持ローラ41で支持するペーパーPを圧着搬送できるように、支持ローラ41に対して圧接する圧着ローラ45が設けられている。該支持ローラ41と圧着ローラ45との圧接線は、スリット状に形成された排出口44と略平行をなし、圧接されたペーパーPが姿勢を変えることなく排出口44に導かれるように設けられている。
前記押圧ローラ43は、一対の支持部40,41(ガイド体40の角部40cと支持ローラ41)との間でペーパーPを巻き癖とは反対側に曲げるように押圧できるように設けられている。具体的には、押圧ローラ43は、押圧して曲がったペーパーPの下流側の部分が支持ローラ41と圧着ローラ45との圧接線と排出口44とを結ぶ仮想線(図示しない)の延長上に位置するようにペーパーPを押圧するようになっている。即ち、押圧ローラ43及び受圧ローラ46の圧接線、支持ローラ41及び圧着ローラ45の圧接線、及び排出口44を結ぶ仮想線が略一直線になるように、各ローラ41,43,45,46が配置されることで、押圧位置PPの押圧ローラ43と支持ローラ41とに跨るペーパーPの姿勢の延長線上に排出口44に繋がる真っ直ぐな搬送経路を形成するようにしている。
本実施形態においては、押圧(デカール)中のペーパーPを押圧ローラ43でも搬送できるように、押圧位置PPに位置する押圧ローラ43に圧接可能な受圧ローラ46が設けられている。本実施形態においては、受圧ローラ46は、押圧位置PPに位置する押圧ローラ43の真下に位置するように設けられている。本実施形態に係る押圧ローラ43及び受圧ローラ46は、何れも外周が軟質材料によって形成されている。なお、デカール中のペーパーPを支持ローラ41上に確実に案内できるように、支持ローラ41と圧着ローラ45との間にガイドプレート47が設けられている。
前記ローラ位置切換手段50は、ガイド体40の開口を介してペーパーPの有無を検知するセンサ48の検知結果に基づいて作動するようになっており、センサ48がペーパーPを検知していない状態で、押圧ローラ43がペーパーPを押圧しない押圧解除位置PR(図9参照)に位置し、センサ48がペーパーPを検知した状態で、押圧ローラ43がペーパーPを押圧する押圧位置PP(図10参照)に位置するように構成されている。
本実施形態に係るローラ位置切換手段50は、押圧ローラ43の両端を支持する一対のアーム500,500と、駆動モータ510と、駆動モータ510の出力軸511に取り付けられた第一アーム520と、第一アーム520の回転に追従して回転し、前記アーム500,500を回転させる一対の第二アーム530,530とで構成されている。
前記一対のアーム500,500のそれぞれは、一端部が筐体E内のフレーム533に枢着されたアーム本体501と、該アーム本体501の他端部に、該アーム本体501の伸長方向と直交方向に突設され、前記押圧ローラ43の端部を軸支する軸支部502とで構成されている。
前記アーム本体501は、一端部がガイド体40の一方の片部40aよりも上方で且つガイド体40の角部40cよりも上流側に枢着されており、本実施形態においては、ガイド体40に対して上流側で隣接する搬送ローラ対400の搬送経路の上方側に位置する一方のローラ400aと同心となるように枢着されている。そして、該アーム本体501の他端側には、第二アーム530の後述するカムフォロア531を嵌め込まれる案内穴503が長手方向に延びる長穴状に形成されている。
前記駆動モータ510には、パルスモータが採用され、出力軸511を所定の回転角度で回転させるように制御されるようになっている。前記第一アーム520は、出力軸511に回転不能に固定されており、先端部に出力軸511の軸心に対して回転軸心を平行にしてカムフォロア521が取り付けられている。
一対の第二アーム530,530は、前記一対のアーム500,500を挟み込むように設けられている。該一対の第二アーム530,530は、一端部同士が駆動モータ510の出力軸511と略平行な連結軸532を介して連結され、該連結軸532周りで回転可能にフレーム533に枢着されている。そして、該一対の第二アーム530のそれぞれは、互いに対向する面の先端部にカムフォロア531が枢着され、該カムフォロア531は、アーム本体501の案内穴503に介装されている。駆動モータ510側に位置する一方の第二アーム530は、伸長方向と直交方向の両端部にフレーム533(駆動モータ510)側に折り返された一対のレール片534,534を備えており、該レール片534,534間に第一アーム520に枢着されたカムフォロア521が介装されている。これにより、一対の第二アーム530は、駆動モータ510の出力軸511の回転(第一アーム520の回転)に伴うカムフォロア521の回転に追従して連結軸532の軸心回りで回転するように構成されている。
上記構成のローラ位置切換手段50は、上述の如く連結軸532周りで一対の第二アーム530,530を回転させることで、該第二アーム530,530に枢着されたカムフォロア531で一対のアーム500,500を回転させ、押圧ローラ43を押圧位置PPと押圧解除位置PRとに切り換えるようになっている。また、該ローラ位置切換手段50は、連結軸532を介して連結された一対の第二アーム530に枢着したカムフォロア531,531で一対のアーム500,500を回転させるようにしているので、押圧ローラ43を押圧位置PPに位置させた際に、該押圧ローラ43の両端に荷重(押圧力)を作用し、押圧ローラ43が受圧ローラ46に圧接したときに全長に亘って均一な押圧力が作用するようになっている。
上記構成のデカール部4は、上流側の搬送経路でのペーパーPの搬送速度よりも速くペーパーPを搬送し、先行するペーパーPとの間隔を詰めて後続のペーパーPを排出口44から排出するようにしている。即ち、デカール部4は、押圧ローラ43及び受圧ローラ46、支持ローラ41及び圧着ローラ45の設定回転速度が、上流側の搬送ローラ対400…の設定回転速度よりも高速に設定されており、デカール部4において、ペーパーPをデカールしながら先行するペーパーPに所定の間隔にまで追いつかせ、各ペーパーPの間隔を詰めて各処理を行える(処理効率を高める)ようになっている。但し、ペーパーPが長尺でプリント部2とデカール部4とに跨っている場合には、デカール部4での圧着搬送(引っ張り)がプリント部2でのプリントに悪影響を与えないように、デカール部4での搬送速度は、プリント部2での搬送速度と同一であり、切断部3でペーパーPを切断した後に搬送速度が高速に切り替わるようになっている。デカール部4での搬送速度をプリント部2での搬送速度と同じにするには、押圧ローラ43及び受圧ローラ46を上流側の搬送ローラ対400と同速で回転させたり、押圧ローラ43及び受圧ローラ46を上流側の搬送ローラ対400よりも高速で回転させ、ペーパーPに対する圧着力を弱めてスリップさせたりすればよい。
図1に戻り、ラミネート装置E2は、前記排出口44から排出されるペーパーPをそのままの姿勢で搬送し、外部に排出する第一経路Aと、排出口44から排出されたペーパーPにラミネート処理を施す第二経路Bとが形成されており、第一経路Aの途中にペーパーPの搬送方向を第二経路Bに切り換える振分部7を備えている。
前記第一経路Aは、複数の搬送ローラ対(採番しない。)で構成されており、前記プリンタ装置E1のデカール部4から排出口44までの搬送経路を真っ直ぐに延長するように形成され、外部に設けられたトレー8a上に処理済みのペーパーPを排出できるように構成されている。前記第二経路B上には、プリント処理済みのペーパーPにラミネート処理を施すラミネート部9が形成されている。該ラミネート部9は、シート状の基材にラミネート層が積層されたラミネート材Xと、ラミネート材Xのラミネート層を転写させるアンダーフィルムYとを互いに対向させて搬送するように構成されており、該ラミネート材XとアンダーフィルムYとの間にペーパーPが供給され、軸心部にヒータを備えた加熱ローラ対90でこれらの三者を圧着搬送することで、ペーパー(プリント)Pの記録面にラミネート層を加熱圧着させると共に、ペーパーPからはみ出るラミネート層をアンダーフィルムYに転写させるように構成されている。
そして、アンダーフィルムYをペーパーPから離間させることで、ペーパーPの端部のエッジ作用等により、はみ出たラミネート層をペーパーP上のラミネート層から切り離すと共に、ペーパーP上のラミネート層から基材を剥離することでペーパーPの記録面上にラミネート層を形成できるようになっている。かかるラミネート処理されたペーパー(プリント)Pは、第二経路B上で搬送され外部に設けられたトレー8bに排出されるようになっている。
本実施形態に係るプリンタ装置E1及び該プリンタ装置E1に装着されたラミネート装置E2は、以上からなり、次に、ロールRの装着方法、及びプリンタ装置E1等の作動について説明する。
まず、上記構成のリール10の軸体100に対し、規制体110,110を保持するロールRのサイズに対応した位置に装着する。具体的には、一方の規制体110を軸本体101の一端側の所定位置に装着する。この際、図5に示す如く、回転体120の長手方向の中心線CL2とリール板113の長手方向の中心線CL3とが傾斜するように回転体120を回転させる。この状態で、一対のピン112,112がリール板113(芯嵌合部115)の軸挿通穴111aの内面に沿った姿勢となり、軸本体101が挿通可能な状態となる。
そして、軸本体101の第一面105を芯嵌合部115の開口111bの内面及びピン112,112に対向させるようにして軸本体101を挿通部111に挿通し、保持するロールRのサイズに対応する溝104a,104b,104c…とピン112,112とが並ぶ位置まで規制体110,110と軸本体101とを軸心方向に相対移動させる。そして、規制体110,110が適正な位置に到達すると、図6に示す如く、リール板113と回転体120との長手方向の中心線CL2,CL3が一致するように回転体120を回転させる。なお、リール板113の開口111bは、対向する内面が軸本体101の第一面105,105間に間隔と対応するように形成されているため、リール板113は軸本体101の軸心回りでの回転が規制され、回転体120のみが回転することになる。そして、回転体120を回転させると、ピン112,112が軸本体101の外周形状に対応して外側に押されるが、該ピン112,112はコイルバネ123,123によって挿通中心CL1側に付勢されているので、溝104a,104b,104c…に対して周方向から順々に入り込み、最終的に溝104a,104b,104c…に沿った姿勢で完全に嵌り込み、規制体110,110がピン112,112と溝104a,104b,104c…との嵌合によって軸心CL1方向の移動が規制された状態となる。
しかる後、ロールRの芯体に軸本体101を挿通し、他方の規制体110を軸本体101の他端側の所定位置に装着する。かかる規制体110,110の装着は、一方の規制体110と同様にして行われる。
このようにして一対の規制体110,110が軸体100に装着されると、図3に示す如く、リール板113がロールRの外周よりも外側に延出した状態となって足部として機能するので、その他の作業を行うのにリール10を横臥状態にして配置してもロールRを傷めるのを防止することができる。
そして、ペーパー供給部1にリール10を装着するが、この場合、図7(イ)に示す如く、扉Dを開くことでペーパー供給部1の軸規制体16,16は、扉D側(解放した開口)側にスライドした状態となっており、リール10の両端に設けられた支持軸102,103の軸部102b,103bを軸規制体16,16の上面(延長案内面G2)上に載置する。そして、リール10をペーパー供給部1内(奥部に向けて)に押し込むと、各支持軸102,103(軸部102b,103b)が軸規制体16,16及び軸受体15,15の延長案内面G2及び案内面Gに案内され、軸受凹部150に導入されることになる。即ち、支持軸102,103は、鍔部102c、103cを備えているので、軸規制体16,16及び軸受体15,15の上端部をレールにして軸受凹部150内に軸部102b、103bが案内されることになる。
そして、図7(ロ)に示す如く、扉Dを閉めると、軸規制体16,16がスライドし、軸受凹部150に嵌り込んだ軸部102b,103b上に規制部160が突出しリール10の移動が規制されることになる。即ち、軸規制体16,16が軸受体15,15に沿ってスライドし、軸受凹部150に支持された軸部102b,103bが軸嵌合凹部161に嵌り込み、軸嵌合凹部161を挟んで形成された一対の突片状部が軸受体15,15と支持軸102,103の鍔部102c,103cとの間に入り込む。そうすると、一方の突片状部が規制部160として機能し、支持軸102,103の上方(軸受凹部150からの脱出方向)への移動が規制され、ロールR(リール10)の装着が完了する。
そして、ペーパー供給部1内のロールRからペーパーPが、上方のプリント部2に向けて引き出され、順次供給されるとプリント部2において該ペーパーPの記録面上にプリント処理が施され、下流側の切断部3で所定のサイズに切断されることになる。なお、ペーパーPの出力サイズが長尺な場合は、ペーパーPが所定長さになるまで切断部3は作動することなく、ペーパーPは下流側に向けて順々に搬送され、プリンタ装置E1とラミネート装置E2とに跨るような場合には、ループ部6にてループが形成されることになる(図1参照)。
そして、デカール部4に到達したペーパーPは、押圧ローラ43による押圧で巻き癖が矯正されることになる。具体的には、図9に示す如く、押圧ローラ43が押圧解除位置PRで待機した状態で、上流側からペーパーPが送り込まれてくる。そして、ガイド体40の開口111bからセンサ48がペーパーPの存在(有無)を検知して所定時間経過後(ペーパーPの先端がガイド体40の角部40cから十分に突出した状態になると)、ローラ位置切換手段50が作動し、押圧ローラ43が押圧位置PPに向けて下降する。そうすると、図10に示す如く、ガイド体40の一方の片部40aに沿って前方に突出したペーパーPの先端部が押圧ローラ43に押され、該ペーパーPは、ガイド体40の角部40cで曲げられると共に、押圧ローラ43に巻き癖とは反対方向に曲げられた態様となり、本実施形態においては、受圧ローラ46を設けているので、ペーパーPは、押圧ローラ43と受圧ローラ46とに圧着されることになる。
そして、押圧ローラ43と受圧ローラ46とでペーパーPが下流側に送られ、下流側の支持部としての支持ローラ41と圧着ローラ45とに圧着されることになる。なお、支持ローラ41及び圧着ローラ45の回転は、押圧ローラ43及び受圧ローラ46の回転よりも速く設定されており、ペーパーPが押圧ローラ43に巻き付けられた(引っ張られる)態様となるようになっている。これにより、デカール部4(押圧ローラ43)を通過するペーパーPは、巻き癖とは反対側に曲げられた状態で下流側に引っ張られ、強制的に巻き癖が矯正されることになる。
そして、押圧ローラ43及び受圧ローラ46の圧接線、支持ローラ41及び圧着ローラ45の圧接線、及び排出口44を結ぶ仮想線が略一直線になるように、各ローラ41,43,45,46が配置されているので、デカール部4(下流側の支持ローラ41)を通過したペーパーPは巻き癖と同方向の曲げが作用することなく搬送され、該ペーパーPが真っ直ぐな姿勢で排出口44から排出されることになる。
図1に戻り、プリンタ装置E1の排出口44から排出されるペーパーPは、ラミネート装置E2に送り込まれ、ラミネートを施さない場合には、デカール部4と排出口44とを結ぶ仮想線の延長線上に形成された真っ直ぐな第一経路Aで搬送され、真っ直ぐな姿勢のままトレー8a上に排出されることになる。その一方で、ペーパーPにラミネート処理を施す場合、プリンタ装置E1から送り込まれたペーパーPは、振分部7において第二経路Bに導かれ、ラミネート部9でラミネートされた後にトレー8b上に排出される。
以上のように、本実施形態に係るプリンタ装置E1は、デカール部4において、ガイド体40の角部40c(上流側の支持部)と支持ローラ41(下流側の支持部)との間のペーパーPを押圧ローラ43で押圧し、該ペーパーPに巻き癖とは反対側の曲げが作用するように構成したので、ペーパーPの巻き癖を矯正することができる。その上、支持ローラ41から排出口44までの搬送経路が、押圧ローラ43で押圧されて支持ローラ41と押圧ローラ43とに跨るペーパーPの姿勢の延長線と一致するように真っ直ぐに形成されているので、押圧ローラ43の押圧で巻き癖が矯正された下流側において、ペーパーPに巻き癖と同方向の曲げ作用が生じることが無く、排出口44から真っ直ぐなペーパーPを排出することができる。
また、押圧ローラ43は、ペーパーPを押圧する押圧位置PPと、ペーパーPの押圧が解除される押圧解除位置PRとに位置変更可能に設けられているので、ペーパーPがガイド体40と支持ローラ41とに跨る際、押圧ローラ43がペーパーPの進行を妨げることがない。その一方で、ペーパーPを押圧できる状態になってから確実にペーパーPを押圧してペーパーPの巻き癖を矯正(デカール)することができる。また、ペーパーPを押圧する押圧体として押圧ローラ43を採用したので、巻き癖を矯正する際してペーパーPを押圧ローラ43の外周形状に沿わせて曲げることができ、ペーパーP傷めるような極端な曲げが作用するのを防止することができる。
さらに、押圧位置PPで押圧ローラ43と共にペーパーPを圧着搬送する受圧ローラ46を備えたので、デカール部4においてペーパーPをデカールしつつ搬送することができる。
さらに、下流側の支持部を支持ローラ41で構成すると共に、支持ローラ41と共にペーパーPを圧着搬送する圧着ローラ45を設け、支持ローラ41及び圧着ローラ45の圧接線が押圧ローラ43と受圧ローラ46との圧接線と排出口44とを結ぶ仮想線上に位置するように、支持ローラ41及び圧着ローラ45を配設するようにしたので、押圧ローラ43と支持ローラ41とに跨るペーパーPの姿勢の延長線上に、押圧ローラ43での曲げ作用(巻き癖の矯正作用)が生じた後の搬送経路を真っ直ぐに形成することができ、巻き癖が矯正されたペーパーPに巻き癖と同方向の曲げが作用すること(曲げ癖が付くことなく)なく排出口44まで搬送することができる。即ち、デカールした後に巻き癖(曲げ癖)をつけることなく排出口44まで搬送するので、プリンタ装置E1単体で使用するときに平面性に優れたプリントを得ることができる。また、ラミネート装置E2と一体型で使用する場合でも、ラミネートを施さない場合の第一経路Aが延長方向にあるので巻き癖が付くこともない。一方、ラミネート部9にも平面性を有するペーパーPを供給することができる。
尚、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
上記実施形態において、プリンタ装置E1にラミネート装置E2を装着したが、これに限定されるものではなく、プリンタ装置E1を単体で構成するようにしても勿論よい。この場合、排出口44から排出されるペーパーPを受けるトレー等をプリンタ装置E1に直接設けるようにすればよい。また、ペーパーPにインクで描画するプリンタ装置E1に限定されるものではなく、例えば、ペーパーPとしての感光材料を採用し、該感光材料に対して露光・現像処理を行うプリンタ装置であってもよい。
上記実施形態に係るデカール部4において、上流側の支持部としてガイド体40を採用したが、これに限定されるものではなく、例えば、下流側の支持部と同様に、回転自在なローラで構成するようにしても勿論よい。
上記実施形態に係るデカール部4において、支持ローラ41と排出口44とを結ぶ搬送経路を、押圧位置PPにある押圧ローラ43と支持ローラとに跨るペーパーPの姿勢の延長線上に位置させて真っ直ぐに形成するようにしたが、これに限定されるものではなく、例えば、前記延長線に対してペーパーPの巻き癖側とは反対側に傾斜するように排出口44までの搬送経路を構築するようにしてもよい。即ち、押圧ローラ43で巻き癖が矯正された後において、ペーパーPに巻き癖と同方向の曲げが生じることのない搬送経路を形成するようにすればよい。
上記実施形態に係るデカール部4において、押圧ローラ43をローラ位置切換手段50により押圧位置PPと押圧解除位置PRとに切り換えるようにしたが、例えば、駆動モータの出力軸に連結したレーバーに押圧ローラ43を枢着し、駆動モータの駆動で押圧ローラ43を直接的に位置変更させるようにしてもよい。但し、この場合、押圧ローラ43が捻れる傾向にあるため、より確実なデカールを達成するには、上記実施形態の如く、押圧ローラ43の両端部を付勢するように構成することが好ましい。
1…ペーパー供給部、2…プリント部、3…切断部、4…デカール部、5…ドットプリンタ、E…筐体、6…ループ部、7…振分部、8a,8b…トレー、9…ラミネート部、10…リール、12…駆動系、15…軸受体、16…軸規制体、20…ヘッド、21…ヘッド駆動手段、22…チューブ、30…カッター、40…ガイド体(支持部)、40a,40b…片部、40c…角部、41…支持ローラ(支持部)、43…押圧ローラ(押圧体)、44…排出口、45…圧着ローラ、46…受圧ローラ、47…ガイドプレート、48…センサ、50…ローラ位置切換手段、90…加熱ローラ対、100…軸体、101…軸本体、102,103…支持軸、102a,103a…接続部、102b,103b…軸部、102c,103c…鍔部、102d…ギア、104…溝列、104a,104b,104c…溝(嵌合部)、105…第一面、106…第二面、107…柱体、108…凸片、110…規制体、111…挿通部、111a…軸挿通穴、111b…開口、112…ピン(被嵌合部)、113…リール板、114…板本体部、115…芯嵌合部、120…回転体、121…ピン装着凹部、122…ピン規制部、123…コイルバネ、124…カバープレート、125…駆動ギア、150…軸受凹部、151…長穴、160…規制部、161…軸嵌合凹部、162…ピン、200…チューブ接続部、210…ガイドレール、400a…ローラ、400…搬送ローラ対、410…ガイド板、500…アーム、501…アーム本体、502…軸支部、503…案内穴、510…駆動モータ、511…出力軸、520…第一アーム、521…カムフォロア、530…第二アーム、531…カムフォロア、532…連結軸、533…フレーム、534…レール片、A…第一経路、B…第二経路、C…カバー、CL1…軸心(挿通中心)、CL2,CL3…中心線、D…扉、Ds…側板、E1…プリンタ装置、E2…ラミネート装置、G…案内面、G2…延長案内面、L…境界線、P…ペーパー、R…ロール(ペーパーロール)、Xラミネート材、Y…アンダーフィルム