JP4504557B2 - 液面レベルセンサ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、容器内の液体の液面レベル(又は液位)を検出する液面レベルセンサに関し、特に、磁石付フロートを利用して液位を検出する液面レベルセンサに関する。
【0002】
【従来の技術】
この種の液面レベルセンサは、例えば、自動車のガソリンやオイルの液量を監視するためのレベルセンサとして利用されている。この種の液面レベルセンサでは、磁石付フロートが液面レベルに応じて複数個配列されたリードスイッチに沿って上下方向に摺動し、これらのリードスイッチの一部を開閉させることによって、液位を検出するようになっている。
しかしながら、従来の液面レベルセンサには複数個のリードスイッチが必要でありコスト高になる、段階的出力を得るために多点検出をすることが多いがこれに伴い半田接合部が増え信頼性が低下する、等の問題があった。
【0003】
以下図9及び図10を用いてこの問題を説明する。
図9は、従来の液面レベルセンサを示す概要図である。図9は従来の液面レベルセンサの側断面図に近い概要図である。図10は、図9の従来例による液面レベルと電気出力信号の関係を示すグラフである。
【0004】
図9の概要図に示す従来の液面レベルセンサは、例えば、車載ガソリンタンク等の容器TNK1に装着されて、この容器TNK1内のガソリン等の液体LQの液位LVを検出する。この液面レベルセンサのレベルセンサ筐体901は、円筒状の検出部及び箱形状の電気回路部から構成され、円筒状の検出部が容器TNK1内に浸されるように装着される。この円筒状検出部の内部には、複数のリードスイッチ905A〜905Dが液面レベルに応じて、図に示すように縦列接続されている。これら各リードスイッチ905A〜905Dの一端は共通に電気信号出力端子904の一方に接続され、各リードスイッチ905A〜905Dの他端はそれぞれ、検出抵抗906A〜906Dを介して電気信号出力端子904の他方に接続されている。また、上記レベルセンサ筐体901の円筒状検出部にガイドされて、リング状のフロート907が液面レベルに応じて摺動する。このフロート907には同じくリング状の磁石902が内蔵されている。
【0005】
このフロート907が液位に応じて摺動する際に、内蔵された磁石902の磁力線(点線で示す)が複数のリードスイッチ905A〜905Dのうちのひとつ或いは複数をオン制御し、これに伴って変化する電気信号出力端子904の端子間の抵抗値に基づいて、図10に示すような液面レベルに応じた電気出力信号値が取得される。なお、この電気信号出力端子904の両端には所定の基準電圧が印加される。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述の従来の液面レベルセンサによると、設定する液位検出点(この例では4つ)の数に応じた複数のリードスイッチが必要となる。リードスイッチは高価であるので、検出点が増加するに伴って部品点数が増加し非常にコスト高となる。また、図10に示すような段階状出力を得ようとすると、隣接するリードスイッチが必ず2個同時にオンするような近接配置が必要となり、液位の変化量が大きくなるに伴い、更に部品点数が増加しますますコスト高となる。このような2個或いはそれ以上のリードスイッチを同時にオンするような多点検出が増加すると、リードスイッチの半田接合部も増加し、このため信頼性も低下することになる。
【0007】
よって本発明は、上述した現状に鑑み、液位検出点が増加してもリードスイッチ等の磁気検出素子の増加を伴わず、コストアップを抑えかつ信頼性を高めた液面レベルセンサを提供することを課題としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するためになされた請求項1記載の液面レベルセンサは、図1に示すように、液体LQを貯蔵する容器TNKに装着され、この液体LQの液位を磁力を利用して測定する液面レベルセンサであって、放射状にN極及びS極が交互に多極着磁されたリング状の磁石31と、前記磁石31を収容し、前記液体LQに対して浮力を有するリング状のフロート30と、前記フロート30を貫通して前記フロート30が摺動する際のガイドとなるフロート軸の一部を構成し、摺動する前記フロート30に収容される前記磁石31の一方の極の着磁位置に対向するように放射状に、かつ軸方向に連続的に延びた複数の縦長リブ12を有する、磁性体で形成された軸ヨーク10と、前記軸ヨーク10を外側から覆うような形状をしており、前記軸ヨーク10と一体化されて、前記フロート軸を構成し、摺動する前記フロート30に収容される前記磁石31の他方の極の着磁位置に対向するように、予め段階的に設定された複数の液位検出点にそれぞれ応じた長さの複数の足部Yを有する、磁性体で形成された外側ヨーク20と、前記磁石31の一方の極、前記軸ヨーク10、前記外側ヨーク20、及び前記磁石31の他方の極からなる磁気結合ループに介在し、この磁気結合ループによる磁力を検出する磁気検出素子40Aとを有することを特徴とする。
【0009】
請求項1記載の発明によれば、軸ヨーク10と外側ヨーク20とによって構成されるフロート軸にガイドされて、リング状のフロート30が液位に応じて摺動する。フロート30には放射状にN極及びS極が交互に多極着磁されたリング状の磁石31が収容されており、この磁石31の他方の極が、液位検出点にそれぞれ応じた長さの外側ヨーク20の足部Yのいずれか或いはいくつかと磁気結合する。また、軸ヨーク10は、磁石31の一方の極の着磁位置に対向するように放射状に、かつ軸方向に連続的に延びた複数の縦長リブ12を有するので、縦長リブ12を介して磁石31の一方の極は軸ヨーク10と常に磁気結合している。これにより、上記磁石31の他方の極、軸ヨーク10、外側ヨーク20、及び磁石31の一方の極からなる磁気結合ループが形成されるが、液位に応じて上記磁気結合する外側ヨーク20の足部Yが変動するので、これに伴い変動する磁力が磁気検出素子40Aにより検出される。そして、この磁力を利用して容器TNK内にある液体LQの液面レベルが測定される。
【0010】
上記課題を解決するためになされた請求項2記載の液面レベルセンサは、図1に示すように、請求項1記載の液面レベルセンサにおいて、前記磁気検出素子40Aは、前記複数の足部Yが集結する前記外側ヨーク20の平面部と前記軸ヨーク10の上端部との間に挟着されることを特徴とする。
【0011】
請求項2記載の発明によれば、外側ヨーク20の各足部Yが集結する平面部と軸ヨーク10の上端部との間に検出素子40Aを挟着するようにしているので、本液面レベルセンサの組立作業が容易になる。すなわち、組立時には軸ヨーク10の上端部に検出素子40Aを搭載し、その上から、検出素子40Aを挟むように外側ヨーク20を装着するようにして組み立てることができる。
【0012】
上記課題を解決するためになされた請求項3記載の液面レベルセンサは、図1及び図4に示すように、請求項2記載の液面レベルセンサにおいて、外側ヨーク20の足部Yの長さは、液位検出点に応じて螺旋状に段階的に均等に変化していくように形成されていることを特徴とする。
【0013】
請求項3記載の発明によれば、外側ヨーク20の足部Yの長さは液位検出点に応じて螺旋状に段階的に均等に変化していくように形成されているので、この外側ヨーク20が成形しやすくなる。すなわち、足部Yの長さが、螺旋状に回転する方向に順次均等な長さだけ変化するように外側ヨーク20を成形するようにすればよい。
【0014】
上記課題を解決するためになされた請求項4記載の液面レベルセンサは、図1に示すように、請求項3記載の液面レベルセンサにおいて、前記磁気検出素子40Aからの検出された磁力を電気信号に変換する磁電気変換回路と、前記容器TNKの形状に応じた形状データを書き換え可能に格納し、前記電気信号を前記形状データに基づき前記形状に応じて補正した補正電気信号を生成する補正回路とを更に有することを特徴とする。
【0015】
請求項4記載の発明によれば、あらゆる形状の容器TNK内の液体LQの液位をより正確に測定できるようになる。すなわち、請求項3記載のように、外側ヨーク20を螺旋状に段階的に均等に変化するようにすると、成形容易さ等の効果を得られるが、液面レベルの検出は均等間隔で出力されるので、様々な形状の容器にも対応できるように上記補正回路を付加している。このように、補正回路により容器の形状を考慮して補正電気信号を生成することにより、より正確に液位を測定できるようになる。また、補正回路は形状データを書き換え可能に格納するので、形状データ書き換えによりあらゆる形状の容器内の液体の液位を測定できるようになる。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0017】
まず、図1及び図2を用いて本液面レベルセンサの概要を説明する。
図1は、本発明の液面レベルセンサの一実施形態を示す概要図である。図2(A)及び(B)はそれぞれ、図1の液面レベルセンサのAA線断面図及び下面図である。なお、この図2(A)及び(B)では、図1のタンクTNKは省略している。
【0018】
図1の概要図に示すように本液面レベルセンサは、例えば、車載ガソリンタンク等の容器TNKに装着されて、この容器TNK内のガソリン等の液体LQの液位LVを検出する。この液面レベルセンサはほぼ円筒状の外形を有し、上記容器TNKにある液体LQの液位LVの上限から下限に渡って測定可能なように上記容器TNK内に装着されている。
【0019】
本液面レベルセンサは、フロート軸を構成する軸ヨーク10、外側ヨーク20、及びこれにガイドされて摺動するリング状の磁石31を収容するリング状のフロート30により基本外形が構成されている。この軸ヨーク10及び外側ヨーク20で構成されるフロート軸は実際には、磁力結合を妨げない材質で形成された円筒状のフロート軸筐体(不図示)で外周が覆われている。
【0020】
軸ヨーク10は、フロート30を貫通してフロート30が摺動する際のガイドとなるフロート軸の一部を構成するもので、図2(A)及び(B)に示すように、摺動するフロート30に収容される磁石31の一方の極(例えばS極)の着磁位置に対向するように放射状に、かつ軸方向に連続的に延びた複数の縦長リブ12を有する。このリブ12の数は、8磁極対の磁石31に対応して、この例では8つである。更に軸ヨーク10の先端には、後述の磁気検出素子と磁気結合しやすいように先端凸部11が形成されている。そして、この軸ヨーク10は、後述の磁気ループを形成するため、磁性体で形成されている。
【0021】
外側ヨーク20は、軸ヨーク10を外側から覆うような形状をしており、上記軸ヨーク10と一体化されて前述したフロート軸を構成する。そして、図2(A)及び(B)に示すように、摺動するフロート30に収容される磁石31の他方の極(例えばN極)の着磁位置に対向するように、予め段階的に設定された複数の液位検出点にそれぞれ応じた長さの複数の足部Y(Y1〜Y8)を有する。この足部Y1〜Y8は、この例では検出する液位が8段階であることに基づく。そして、この外側ヨーク20は、後述の磁気ループを形成するため、磁性体で形成されている。
なお、上記軸ヨーク10及び外側ヨーク20は、後述の図3及び図4を用いた説明により、全体形状がより明確になる。
【0022】
フロート30は図2(A)及び(B)に示すように、リング状をしており、磁石31を収容する。そして、フロート30は容器TNK内の液体LQに対して浮力を有する材質で形成されている。このフロート30には、上記軸ヨーク10及び外側ヨーク20により構成されるフロート軸が貫通され、これにガイドされてフロート30は摺動する
【0023】
このフロート30に収容される磁石31も図2(A)及び(B)に示すように、リング状をしており、放射状にN極及びS極が交互に多極着磁された永久磁石である。この例では、8つの液位を測定可能にするため、8磁極対になっている。このようにリング型にすることにより、重量バランスがよく、フロート摺動が安定的になる。
【0024】
また上記磁気検出素子40Aを含む検出回路40、特にその検出素子40Aが磁力を検出しやすいように外側ヨーク20の平面部と軸ヨーク10の先端に形成された先端凸部11の間に挟まれるようにして固定されている。
【0025】
このように外側ヨーク20の各足部Y1〜Y8が集結する平面部と軸ヨーク10の上端部との間に検出素子40Aを含む検出回路40を挟着するようにしているので、本液面レベルセンサの組立作業が容易になる。すなわち、組立時には軸ヨーク10の上端部に検出回路40を搭載し、その上から、検出回路40を挟むように外側ヨーク20を装着するようにして組み立てることができる。また、このような挟着構造にすることにより、軸ヨーク10及び外側ヨーク20の形状も必要以上に複雑化することもない。
【0026】
この検出回路40は磁気検出素子40Aの他に、図示しないが磁電気変換回路及び補正回路を有している。この磁電気変換回路は、磁気検出素子40Aによって検出された磁力を電気信号に変換する。検出素子40A及び磁電気変換回路としては、例えば公知のホール素子等が用いられる。また、補正回路は基本的にEEPROMとマイコンもしくはASICとから構成され、この補正回路のEEPROMは容器TNKの形状に応じた形状データを書き換え可能に格納し、そのマイコンは磁電気変換回路からの電気信号を形状データに基づいて補正した補正電気信号を生成し、電気信号出力端子50から出力する。なお、上記補正電気信号に関しては、図8を用いて再度説明する。
【0027】
検出回路40に含まれる上記素子及び回路を、磁電変換及びプログラマブル補正機能を備えた集積回路構成とすれば、各検出液位の出力レベルを任意に補正できるようになり、容器TNK形状の違いから生じる被検出液体LQの残量の補正も容易に可能となる。また、上記の集積回路を用いることにより形状が異なる容器TNKに対しても本液面レベルセンサが共用化できるようになる。
【0028】
上述のような構成の本液面レベルセンサにおいて、各液位検出点Lnはこの例では8段階に設定されており、フロート30は液位に応じてフロート軸にガイドされて、図1の矢印で示すように上下に摺動する。この例では、液位は8段階中、4段階にあるとしている。
【0029】
そうすると、フロート30に内蔵されている磁石31の4つの各S極は、この4段階の位置に対応する外側ヨークの足部Y1、Y2、Y3及びY4とそれぞれ磁気結合する。これにより、図1の点線で示すように、磁石31の4つの各S極、(4つの各縦長リブ12を介して)軸ヨーク10、(足部Y1〜Y4を介して)外側ヨーク20、及び磁石31の4つの各N極からなる4系統の磁気結合ループが形成されることになる。なお、この磁気結合に関しては、図5〜図7で後述する。
【0030】
上述のように、軸ヨーク10の先端凸部11及び外側ヨーク20の間には、検出回路40が介在するので、そこに含まれる磁気検出素子40Aにより上記各磁気結合ループの合成された磁力(又は磁束密度)が検出される。そして、液位に応じて形成される磁気結合ループは異なるので、すなわち磁力が異なるので、この磁力を検出することによって容器TNKに貯蔵される液体LQの液位LVが測定できるようになる。
【0031】
このように本実施形態によれば、液位検出点Lnに応じたフロート30に内蔵される磁石31、軸ヨーク10、外側ヨーク20の磁力結合による磁力を利用して、液位LVを測定するようにしているので、検出液位検出点の数が増えても、従来のように高価なリードスイッチ及びそれに伴う半田接合作業の増加が伴うことはない。すなわち、液位検出点Lnが増えても、磁石付きフロート30と各ヨークの形状変化のみで対応できるようになるので、高価な部品点数の増加防止、組立工数増加防止等コストアップを抑えることができるようになる。更に、従来のリードスイッチ方式とは異なり無接点で液位検出できるようになるうえ、半田接合作業の増加もないので信頼性も高まる。
【0032】
次に図3及び図4を用いて、上記軸ヨーク及び外側ヨークによって構成されるフロート軸について説明を加える。
図3(A)、(B)及び(C)はそれぞれ、本液面レベルセンサの軸ヨーク及び外側ヨークから構成されるフロート軸を示す正面図、平面図及び下面図である。図4は、図3で示すフロート軸を構成する軸ヨーク及び外側ヨークの分解斜視図である。
【0033】
図3(A)及び図4に示すように、外側ヨーク20が軸ヨーク10を外側から覆うようして、これらが一体化されフロート軸を構成している。そして、図3(C)に示すように、外側ヨーク20と軸ヨーク10とは、外側ヨーク20の8本の足部Y1〜Y8と軸ヨーク10の8本の縦長リブ12とが互い違いになるようにして、一体化されている。なお、このフロート軸は実際には、磁力結合を妨げない材質で形成された円筒状のフロート軸筐体(不図示)で外周が覆われている。
【0034】
図3(B)及び(C)、並びに図4に示すように、軸ヨーク10は、前述したリング状の磁石31のそれぞれのS極の着磁位置に対向するように放射状に、かつ軸方向に連続的に延びた8本の縦長リブ12を有する円柱状に形成される。このリブ12の数は、8磁極対の磁石31に対応して、この例では8つである。更に軸ヨーク10の先端には、後述の磁気検出素子と磁気結合しやすいように先端凸部11が形成されている。そして、軸ヨーク10は、後述の磁気ループを形成するため、磁性体で形成されている。
【0035】
図3及び図4に示すように、外側ヨーク20は、軸ヨーク10を外側から覆うように上記軸ヨーク10と一体化されて前述したフロート軸を構成する。そして、フロート30が摺動する際に、ここに収容される磁石31のN極の着磁位置に対向するように、かつ予め段階的に設定された複数の液位検出点にそれぞれ応じた長さの8本の足部Y(Y1〜Y8)を有する。この足部Y1〜Y8が8本であるのは、この例では液位検出点Lnが8段階であることに基づく。
【0036】
また、図4に示すように上記足部Y1〜Y8は、所定位置で折り曲げられて、共通の上底平面部に集結している。上から見ると、図3(B)の平面図に示すように8本の足部Y1〜Y8が中心から均等に放射線状に延びて所定の箇所で共に略直角に下側に折れ曲がっている。これら足部Y1〜Y8は、螺旋状の細長い短冊状であり、それらの長さは段階的に均等に順次変化していくように形成されている。すなわち、最長の足部Y1より所定長だけ短い足部Y2が隣設され、このように右回り螺旋状にY3、Y4、…、Y8が形成される。足部Y1の長さは1番に低位の検出点L1に対応し、足部Y2の長さは2番に低位の検出点L2に対応するという具合に、順次、足部Y3、Y4、Y5、Y6、Y7、及びY8の長さはそれぞれ、検出点L3、 L4、 L5、 L6、 L7、及びL8に対応している。
【0037】
なお、これら足部Y1〜Y8は、必ずしも上記のように左回りに螺旋状に均等に変化するように形成する必要はないが、螺旋状に均等に順次変化するように形成すると、この外側ヨーク20が全体的に成形しやすくなる。すなわち、足部Yの長さが、螺旋状に回転する方向に順次均等な長さだけ変化するように外側ヨーク20を成形するようにすればよい。
【0038】
更に、図5〜図7を用いて、フロート位置と磁束量の関係を説明する。
図5(A)、図6(A)及び図7(A)はそれぞれ、液位が最低点時、中位点時及び最高点時の磁気結合の説明図である。図5(B)、図6(B)及び図7(B)はそれぞれ、図5(A)、図6(A)及び図7(A)の状態における磁束量を示すグラフである。なお、磁気結合の状態は、上記各図と共に図1を再び参照すると理解がしやすくなる。
【0039】
液位が最低点時(L1)には、図5(A)に示すように、外側ヨーク20の足部Y1だけが磁石31のN極と対峙するので、その際の結合磁束は、図5(A)及び図1の点線で示すように、磁石31のS極、軸ヨーク10の縦長リブ12及び先端凸部11、外側ヨーク20の平面部及び足部Y1を介して、上記磁石31のN極及びS極に至り、これにより検出点L1の液位に応じた磁気結合ループが形成される。
このように、磁気結合ループは足部Y1に基づく1系統だけなので、この時の全磁束量は図5(B)のG1で示すように最低となる。
【0040】
また、液位が中位時(L4)には、図6(A)に示すように、外側ヨーク20の足部Y1〜Y4が磁石31の4つのN極と対峙するので、その際の結合磁束は、図6(A)及び図1の点線で示すように、磁石31のS極、軸ヨーク10の縦長リブ12及び先端凸部11、外側ヨーク20の平面部及び足部Y1〜Y4を介して、上記磁石31のN極及びS極に至り、これにより検出点L4の液位に応じた磁気結合ループが形成される。
このように、磁気結合ループは足部Y1〜Y4に基づく4系統あるので、この時の全磁束量は図6(B)のG4で示すように最高位の約半分となる。
【0041】
更に、液位が最高位時(L8)には、図7(A)に示すように、外側ヨーク20の全足部Y1〜Y8がそれぞれ、磁石31の全ての各N極と対峙するので、その際の結合磁束は、図7(A)及び図1の点線で示すように、磁石31のS極、軸ヨーク10の縦長リブ12及び先端凸部11、外側ヨーク20の平面部及び足部Y1〜Y8を介して、上記磁石31のN極及びS極に至り、これにより検出点L8の液位に応じた磁気結合ループが形成される。
このように、磁気結合ループは足部Y1〜Y8に基づく8系統あるので、この時の全磁束量は図7(B)のG4で示すように最大となる。
【0042】
なお、他の検出点L2、L3、L5、L6及びL7の時にも上記と同様に考えることができ、各液位に応じた磁束量が生成される。
【0043】
最後に図8を用いて、上述した集積回路化された検出回路に含まれる補正回路による電気出力信号の補正について説明する。
図8(A)は補正前のフロート磁石位置と電気出力信号との関係を示すグラフである。図8(B)は補正後のフロート磁石位置と電気出力信号との関係を示すグラフである。
【0044】
補正回路による補正前には、磁気検出素子40Aによって検出された磁力は磁電気変換回路によって図8(A)に示すような波形の電気信号に変換される。ここに示すような階段状に出力される電気出力信号の電位変化部を上記各検出液位とみなすことができる。例えば、液位がL4からL5に変化すると、電気出力信号も40X(V)から50X(V)に変化するので、この電気出力信号の各変化点を検出するとによって液位が検出点L5にあることを算出することができる。上記は液位の増加時であるが、減少時には電気出力信号が60X(V)から50X(V)への変化部でも、液位がL5に到達したとすることができる。他の例についても同様である。
【0045】
これに対して、図8(B)に示すように補正回路による補正後では、事前に補正回路のEEPROMに格納される容器TNKの形状に応じた形状データに基づいて、図8(A)のような電気出力信号が補正されて、図8(B)に示すような電気出力信号になる。すなわち、図8(B)に示すように、液位がL5からL6、又はL6からL5へと変化する際、その電気出力信号は20X(V)増減する。一方、L6からL7(又はL7からL6)等の変化の際には、それらの電気出力信号は10X(V)しか増減しない。
【0046】
すなわち、形状データが示す容器TNKの形状によると、上記液位がL5からL6、又はL6からL5へと変化する箇所の近辺の容器断面は他の箇所より広くなっていることになる。容器断面が広いと、液位が1段階だけ変動しても実際の液量の変動は他よりも大きくなるはずなので、この点を考慮して補正回路は電気出力信号を補正して出力する。逆に、液位がL2からL3、又はL3からL2へと変化する際等は、その電気出力信号は5X(V)だけしか変化しない。すなわち、この液位の近辺の容器断面は他の箇所より狭くなっていることになる。容器断面が狭いと、液位が1段階だけ変動しても実際の液量の変動は他よりも小さくなるはずなので、この点を考慮して補正回路は電気出力信号を補正して出力する。
【0047】
図3及び図4で説明したように、外側ヨーク20を螺旋状に段階的に均等に変化するようにすると、成形容易さ等の効果を得られるが、これによって液面レベルの検出は均等間隔で出力されるので、様々な形状の容器TNKにも対応できるように上記補正回路を付加している。このように、補正回路により容器TNKの形状を考慮して補正した電気出力信号を生成することにより、より正確に液位を測定できるようになる。また、補正回路は形状データを書き換え可能に格納するので、形状データ書き換えによりあらゆる形状の容器TNK内の液体LQの液位LVを測定できるようになる。
【0048】
なお、上記実施形態で説明した、磁石31、軸ヨーク10及び外側ヨーク20で説明した極性は、全く反対にしてもよい。また、液位検出点の変更に伴って、磁極対の数や足部の本数も適宜変更可能である。
【0049】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1記載の発明によれば、液位検出点に応じて変動するフロート30に内蔵される磁石31、軸ヨーク10、外側ヨーク20の磁力結合による磁力により、液位を測定するようにしているので、液位検出点の数が増えても、従来のように高価なリードスイッチの及びそれに伴う半田接合作業の増加が伴うことはない。すなわち、液位検出点が増えても、磁石31の多極化と各ヨークの形状変化のみで対応できるようになるので、高価な部品点数の増加防止、組立工数増加防止等コストアップを抑えることができるようになる。更に、従来のリードスイッチ方式とは異なり無接点で液位検出できるようになるうえ、半田接合作業の増加もないので信頼性も高まる。
【0050】
請求項2記載の発明によれば、外側ヨーク20の各足部Yが集結する平面部と軸ヨーク10の上端部との間に検出素子40Aを挟着するようにしているので、本液面レベルセンサの組立作業が容易になる。すなわち、組立時には軸ヨーク10の上端部に検出素子40Aを搭載し、その上から、検出素子40Aを挟むように外側ヨーク20を装着するようにして組み立てることができる。また、このような挟着構造にすることにより、軸ヨーク10及び外側ヨーク20の形状も複雑化することもない。
【0051】
請求項3記載の発明によれば、外側ヨーク20の足部Yの長さは液位検出点に応じて螺旋状に段階的に均等に変化していくように形成されているので、この外側ヨーク20が成形しやすくなる。すなわち、足部Yの長さが、螺旋状に回転する方向に順次均等な長さだけ変化するように外側ヨーク20を成形するようにすればよい。
【0052】
請求項4記載の発明によれば、あらゆる形状の容器TNK内の液体LQの液位をより正確に測定できるようになる。すなわち、請求項3記載のように、外側ヨーク20を螺旋状に段階的に均等に変化するようにすると、成形容易さ等の効果を得られるが、液面レベルの検出は均等間隔で出力されるので、様々な形状の容器TNKにも対応できるように上記補正回路を付加している。このように、補正回路により容器TNKの形状を考慮して補正電気信号を生成することにより、より正確に液位を測定できるようになる。また、補正回路は形状データを書き換え可能に格納するので、形状データ書き換えによりあらゆる形状の容器TNK内の液体LQの液位を測定できるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の液面レベルセンサの一実施形態を示す概要図である。
【図2】図2(A)及び(B)はそれぞれ、図1の液面レベルセンサのAA線断面図及び下面図である。
【図3】図3(A)、(B)及び(C)はそれぞれ、本液面レベルセンサの軸ヨーク及び外側ヨークから構成されるフロート軸を示す正面図、平面図及び下面図である。
【図4】図3で示すフロート軸を構成する軸ヨーク及び外側ヨークの分解斜視図である。
【図5】図5(A)は、液位が最低点時の磁気結合の説明図である。図5(B)は、図5(A)の状態における磁束量を示すグラフである。
【図6】図6(A)は、液位が中位点時の磁気結合の説明図である。図6(B)は、図6(A)の状態における磁束量を示すグラフである。
【図7】図7(A)は、液位が最高点時の磁気結合の説明図である。図7(B)は、図7(A)の状態における磁束量を示すグラフである。
【図8】図8(A)は補正前のフロート磁石位置と電気出力信号との関係を示すグラフである。図8(B)は補正後のフロート磁石位置と電気出力信号との関係を示すグラフである。
【図9】従来の液面レベルセンサを示す概要図である。
【図10】図9の従来例による液面レベルと電気出力信号の関係を示すグラフである。
【符号の説明】
10 軸ヨーク
11 先端凸部
12 縦長リブ
20 外側ヨーク
30 フロート
31 磁石
40 検出回路
40A 磁気検出素子
50 電気信号出力端子
TNK 容器
Ln 液位検出点
LQ 液体
LV 液位
Y1〜Y8 足部
Claims (4)
- 液体を貯蔵する容器に装着され、この液体の液位を磁力を利用して測定する液面レベルセンサであって、
放射状にN極及びS極が交互に多極着磁されたリング状の磁石と、
前記磁石を収容し、前記液体に対して浮力を有するリング状のフロートと、
前記フロートを貫通して前記フロートが摺動する際のガイドとなるフロート軸の一部を構成し、摺動する前記フロートに収容される前記磁石の一方の極の着磁位置に対向するように放射状に、かつ軸方向に連続的に延びた複数の縦長リブを有する、磁性体で形成された軸ヨークと、
前記軸ヨークを外側から覆うような形状をしており、前記軸ヨークと一体化されて、前記フロート軸を構成し、摺動する前記フロートに収容される前記磁石の他方の極の着磁位置に対向するように、予め段階的に設定された複数の液位検出点にそれぞれ応じた長さの複数の足部を有する、磁性体で形成された外側ヨークと、
前記磁石の一方の極、前記軸ヨーク、前記外側ヨーク、及び前記磁石の他方の極からなる磁気結合ループに介在し、この磁気結合ループによる磁力を検出する磁気検出素子と、
を有することを特徴とする液面レベルセンサ。 - 請求項1記載の液面レベルセンサにおいて、
前記磁気検出素子は、前記複数の足部が集結する前記外側ヨークの平面部と前記軸ヨークの上端部との間に挟着される、
ことを特徴とする液面レベルセンサ。 - 請求項2記載の液面レベルセンサにおいて、
外側ヨークの足部の長さは、液位検出点に応じて螺旋状に段階的に均等に変化していくように形成されている、
ことを特徴とする液面レベルセンサ。 - 請求項3記載の液面レベルセンサにおいて、
前記磁気検出素子からの検出された磁力を電気信号に変換する磁電気変換回路と、
前記容器の形状に応じた形状データを書き換え可能に格納し、前記電気信号を前記形状データに基づき前記形状に応じて補正した補正電気信号を生成する補正回路と、
を更に有することを特徴とする液面レベルセンサ。
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