JP4504085B2 - 監視カメラ付きバックミラー - Google Patents

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本発明は、例えば、左側通行用の車両であって、且つ、ドアミラーが採用されているとき、特に、車両がトラック、ミニバンなど大型であって、運転席が比較的に高い位置にあるときには、運転席の反対側、即ち、左側の前輪近傍が死角と成り危険であるので、それに備えて、左前輪近傍を監視する監視カメラと照明装置とを備えたバックミラーに関するものである。
車両の前方側部、特に、左前輪近傍に死角が発生することは従前から認識されているところであり、例えば、下方に向けたCCD小型カメラをドアミラーのハウジングに取付け、上記した死角を監視するものとした構成が知られている。
しかしながら、いかに小型化されているとはいえCCDカメラがドアミラーに取付けられていると、例えば、レンズ部分などが突出する状態となることは避けられず、車両の走行時に風切り音を生じたり、或いは、突出する部分に塵埃の蓄積を生じるものとなり、走行時に違和感を生じさせたり、塵埃により比較的に短い時間で映像の鮮明度が低下するものとなっていた。
この点を解決すべく、ハウジングの一部を透明樹脂で形成し、前記したレンズ部分を含み、CCDカメラ全体をハウジングの内部に収納し、風切り音の解消と、レンズ汚れの防止を図ったものがある。また、上記の構成ではCCDカメラで画像が得られるのは、ほとんど、昼間に限られるものとなるので、上記とほぼ同様にハウジングの一部に透明部分を形成し、CCDカメラと、電球、LEDなどの照明用光源を設けたものもある。
特開2003−159998号公報 特開2003−267140号公報
しかしながら、実際の車両には、例えば、貨物車、乗用車など各種の目的のものが存在し、前記したハウジングにおいても、それらに合わせて相当に形状の異なるものとなっている。また、乗用車のみと限定した場合にも、様々なデザインのものがあり、ハウジングに対しても車両のデザインに対応して様々なデザインのものが採用されている。
よって、夜間にも使用可能とするために、CCDカメラと照明用光源とを組合わせたものを作ろうと図るときにも、照明用光源とCCDカメラとを同一方向に向けることが困難となるデザインが行われる可能性も生じ得る。また、例え両者をほぼ、同一方向に向けることが可能であったとしても、照明用光源側にCCDカメラの撮影範囲を均一に照射する配光特性を与えることは困難であり、結果として、CCDカメラの撮影範囲内であっても光量不足などにより確認困難である位置を生じる問題点を生じるものとなっている。
図9は、上記のように照明用光源の照射範囲と、CCDカメラ3の撮影範囲とに不一致を生じたときの解決方向の一例であり、LEDランプ4aの1個毎に基板4bに対して、ゲージなどを使用し、取付ける角度を所定の値に規制し、総合して、CCDカメラの撮影範囲に合致する配光特性が得られるようにする。このようにすることで、確かに理論上は所望の特性のものは得られることとなるが、現実には、組立に膨大なな手間が係りコスト高なものとなると共に、性能のバラツキなども生じやすく、到底、実現不可能である。
また、上記したように照明用光源を設けた従来例のものにおいては、点灯時の光の色彩、及び、明るさも問題となる可能性があり、色彩については、例えば赤色光などは、尾灯,制動灯との誤認を生じるので好ましくなく、また、他の色であっても光量によっては助手席側のドアミラーの近傍で上向き光を生じていると、対向車の運転者に幻惑を生じさせるという問題点が生じる可能性がある。
本発明は、上記した従来の課題を解決するための具体的手段として、バックミラーを収納するハウジングの内部に少なくとも赤外線での撮像を可能とするカメラを設けると共に、前記ハウジングの一部には可視光を遮断し赤外光を透過させる樹脂で一体に形成された光源カバー部が設けられており、前記ハウジング内部の前記光源カバー部に対応する位置には複数の赤外線発光ダイオードが配設され、且つ前記光源カバー部の内面にはこの赤外線発光ダイオードからの光を前記カメラの撮影範囲を効率的に照明する配光特性とするレンズカットが設けられ、前記赤外線発光ダイオードは板状の基板上に中心軸を傾けることなく、車体の前後とハウジングの長手方向に略沿わせて並ぶ状態に配置されるものとされ、前記レンズカットは1つの前記赤外線発光ダイオードに対して、前記車体の前後方向に沿う方向に分割されたプリズムカットの複数が対応するものとされ、前記プリズムカットは前記赤外線発光ダイオードからの光を車体の前後方向へ向かう略平行光となるようにそれぞれの屈折角が調整されていることを特徴とする監視カメラ付きバックミラーを提供することで、CCDカメラの撮影範囲と一致する配光特性を有する照明装置の実現を可能として課題を解決する。
本発明により、第一には、赤外線発光ダイオードを光源とし、実質的には黒色に見える濃青色、濃緑色のアクリル系樹脂をハウジングの一部を形成するときの樹脂として採用し、CCDカメラには赤外線に高い感度を有するものを採用したことで、夜間の点灯時にも可視光が外部に漏れることはなく、赤外線のみがハウジングの相当部分を透過して外部に放射されるものとなり、対向車に幻惑を与えることもなく、また、車両の前方から赤い光が見えることもなく、車両の後面が見えているとの誤認を生じることもなく、夜間も明確に視認が行える監視カメラ付きバックミラーが得られるものとなる。
また第二には、赤外線発光ダイオードを板状の基板上にゲージなどを使用して傾けることなく、車体の前後、及び、ハウジングの長手方向に略沿わせて配置し、レンズカットは1つの赤外線発光ダイオードに対して、車体の前後方向に沿う方向に分割されたプリズムカットの複数が対応するものとされ、前記プリズムカットは前記赤外線発光ダイオードからの光を車体の前後方向へ向かう略平行光となるようにそれぞれの屈折角が調整されているものとしたことで、CCDカメラの撮影範囲と、照明範囲とを合致させ死角のない監視カメラ付きバックミラーとして性能を向上させるものとなる。
更に第三には、上記した、赤外線発光ダイオードの基板上の配置と、ハウジングに対するプリズムカットの構成としたことで、上記したように死角のない特性の優れた監視カメラ付きバックミラーが、ほとんどのバックミラーの形状に対して実施することが可能となり、この種の監視カメラ付きバックミラーの性能向上に極めて優れた効果を奏する。また、生産工程の簡素化によりコストダウンも可能となる。
つぎに、本発明を図に示す実施形態に基づいて詳細に説明する。図1及び図2に示すものは、本発明により、CCDカメラ3と、夜間には前記CCDカメラ3の照明用の光源4として点灯される赤外線発光ダイオード4aが取付けられている監視カメラ付きバックミラー1を正面から見た図であり、このバックミラー1のハウジング2は、主としてミラー5、駆動部6などをなどが収納するされているミラーハウジング2bと、前記赤外線発光ダイオード4a、及び、必要に応じてはCCDカメラ3を収納することも可能な光源カバー部2aとで構成されている。
前記光源カバー部2aは、上記のように、ミラー5と、多くの場合、このミラー5を運転席から適正な範囲が見える向きとするための駆動を行わせる駆動部6とが収納されているミラーハウジング2bと組合わされ、前記ミラーハウジング2bの前方寄りの下端側に一体化され、運転席から死角となり易い助手席側の前輪の近傍に向かい光を放射する。
即ち、前記ミラーハウジング2b側は、比較的に内部に空隙が少なく、また、前記ミラー5、駆動部6が作動するための空間も確保しておかなければないので、十分な空間も得られ難く、所望の方向を必要な明るさで照明する構成を従来通りの形状のミラーハウジング2b内に形成するのは困難と思われるので、本発明では、前記光源カバー部2aを設け、この部分に赤外線発光ダイオード4a、及び、レンズカット7を配置するものとしている。尚、前記CCDカメラ3においては、近年、極端に小型化されたものが開発されているので、空間が確保できる状態であれば前記ミラーハウジング2b側に取付けても良いものである。
但し、前記バックミラー1には、駐停車時に車体側に折り畳まれる方式としたものもあり、このような場合には光源カバー部2aも一緒に折り畳まれ、所望の方向を向いていないものとなるので、このようなときにはCCDカメラ3の動作を停止させるなどして、正規でない場所を撮影している画像が表示されることのないようにして、運転者に誤った判断を生じることがないようにしておくことが好ましい。また、赤外線発光ダイオード4aも不要の部分を照射するものとなるので、消灯させることが好ましい。
よって、本発明では、基本的には、前記CCDカメラ3も光源4も光源カバー部2aに取付けられるものとなっている。ここで、前記ハウジング2を含み、前記光源カバー部2aの車体10に取付けられているときの状態を図1、及び、図2により検証してみると、まず、図1に示すように、車体10正面から見る状態では、大部分のハウジング2(バックミラー1)は上面が略水平となる状態として車体10に取付けられているが、下面は車両デザインにより、やや傾斜しているものも見受けられる。また、全体の形状も円、楕円、方形など様々である。
また、同じハウジング2を、車体10の上面から見る状態では、図2に示すように、大部分のハウジング2は、車体10に固定されている側、即ち、内側の端部が前方に位置し、外側の端部が後方に位置する。即ち、ハウジング2内に保持されているミラー5が運転者に向かうようになる状態で車体10に取付けられているものとなっている。
従って、前記光源カバー部2aは、車体10に固定が行われている基部側に対して、自由端側である先端側は、後方に位置がずれており、この状態の光源カバー部2aに、例えば板状の基板4bに光軸Zを垂直に取付けた複数の赤外線発光ダイオード4aを取付けたときには、図3にも示すように、光は車体10の前方に向かう程に車体10から離れていくものとなり、従来例として図9に示したように赤外線発光ダイオード4aの1個毎に脚を曲げて照射方向を調整せざるを得ないものとなる。
そこで、本発明は、板状の基板4bに光軸Zを垂直に取付けた複数の赤外線発光ダイオード4aを有する光源4を、車体10に対して傾斜した光源カバー部2aに取付けた状態においても、前記光源4からの光が照明を目的とする助手席側の前輪20近傍に達するように工夫したレンズカット7を開発して照明可能としたのである。尚、本発明では、加えて、前記レンズカット7が適宜な収束作用を有する構成とすることで、一層に効率良く助手席側の前輪20近傍を照明するものとして照明効率も向上させているのである。
図4は前記光源4の構成を示すものであり、例えば、プリント回路基板で形成された基板4b上に、赤外線発光ダイオード4aが例えば4行×3列の行列(マトリクス状)を成すように取付けられている。そして、それぞれの行は、ほぼハウジングの長手方向X、又は、基板4bの長手方向(X)と平行しており、それぞれの列は、基本的には車体10の前後方向Yと平行している。更に、それぞれの前記赤外線発光ダイオード4aの光軸Zも上記したように基板4bの面に対して略直角である。但し、本発明の光源4においては、前記ハウジングの長手方向Xと、車体10の前後方向Yとは、図示のように必ずしも直交するものとは成らず、むしろ、斜交しているのが通常である。
そして、図5に示すように、前記光源カバー部2aの内側には、前記赤外線発光ダイオード4aのそれぞれの列に対応するレンズカット7が設けられる。よって上記に説明したように、本発明では、ハウジング2に取付けられた光源カバー部2aを車体10に取付るときには、前記赤外線発光ダイオード4aの列側は車体に対して前後方向となるようにされているので、この赤外線発光ダイオード4aの列側に対応するレンズカット7も、各カットが車体10に対して前後方向となるように形成されている。尚、現実には、この部分の光源カバー部2aは、湾曲しているものであるので、前記レンズカット7は、車体10の、前後方向に平行であり、且つ、垂直でもある面で分割されるものとなる。
図6は、前記赤外線発光ダイオード4aと前記レンズカット7との関係を示すものであり、図は車両10に取付けたときの光源カバー部2aの部分を、前記赤外線発光ダイオード4a、基板4bなど光源4を含み車両10を基準とする略水平方向で切断した状態で示してある。
本発明では、上記でも説明したように、1個の前記赤外線発光ダイオード4aに対して、1つのレンズカット7が対応するようにされているので、例えば、赤外線発光ダイオード4aが4行(4個)であれば、それに対応して、前記レンズカット7も4行が設けられるものとされている。
前記レンズカット7は、原則的にはそれぞれの前記赤外線発光ダイオード4aが放射する放射角に応じる幅Wとして形成されるものであり、そして前記幅Wは以下に説明するよう(図7参照)に、例えば、内側屈折部7a、中央屈折部7b、外側屈折部7cなど更なる分割が行われ、これら屈折部7a、7b、7cにより、赤外線発光ダイオード4aからの光を更に車体10の監視に適する配光形状として、車体10側に向かわせるものとする。
図7は、前記レンズカット7の作用、効果を更に詳細に示すものであり、前記赤外線発光ダイオード4aは、例えば指向性30°など、この赤外線発光ダイオード4aを頂点とする円錐状の範囲に光束を放射する性質を持っている。従って、赤外線発光ダイオード4aから距離が離れるほど広い円形の範囲に光が拡散されるものとなる。
本発明では、上記した特性を有する赤外線発光ダイオード4aからの光に、レンズカット7を組合わせることで、助手席側の前輪20近傍など、CCDカメラで撮影を行う場所に光が効果的に集中させるものであり、この実施形態のレンズカット7においては、前記赤外線発光ダイオード4aから指向性をもって放射される光の内で、前記助手席側の前輪20に近い方向に放射される光が透過する部分に設ける内側屈折部7aには比較的に弱い屈折を行うプリズムカットを設ける。
そして、前記中央屈折部7bにはそれよりも強く、前記助手席側の前輪20側に向かい屈折を行わせるプリズムカットを設け、前記外側屈折部7cには更に強く、前記助手席側の前輪20側に向かい屈折を行わせるプリズムカットを設ける。このようにすることで、赤外線発光ダイオード4aから放射される光のほとんどが助手席側の前輪20の近傍、即ち、CCDカメラ3が撮影を使用とする付近に収束し、明るく照明を行うものとなる。
また、上記内側屈折部7a、中央屈折部7b、外側屈折部7cは車体10に対して垂直方向に形成されているので、これら各屈折部7a〜7cから放射される光は、車体10の前後方向と略平行となり、且つ、屈折の度合いの差により適宜に重ね合わせられる状態となって、車体の側面に略平行して存在するものとなり、監視範囲に影となる部分を生じることなく、より正確な監視が行えるものとなる。
尚、この実施形態においては、赤外線発光ダイオード4の行、列は4個×3個で構成され、レンズカット7は内側屈折部7a、中央屈折部7b、外側屈折部7cの3分割が行われているものとして説明を行ったが、本発明はこれらを限定するものではなく、例えば赤外線発光ダイオード4においては、光源カバー部2aの長さ、幅などに応じて行側、或いは、列側の数を適宜に増減させるなどは自在であり、また、レンズカット7における屈折部の数の設定なども自在である。
次いで、上記レンズカット7などが形成される部材に付いて説明する。ここまでの説明でも明らかなように、本発明では光源4として複数の赤外線発光ダイオード4aを使用するものとしているが、赤外線発光ダイオード4aといえども、チップの構成、駆動電力の大きさなどによっては可視光を放射するものもある。
この場合、例えば、前方に赤色系の光を放射していると、赤色系の灯色の灯具は車両の後面のみに設けられるものであるので、後面が見えているとの誤認を与える可能性があり好ましくない。そこで、本発明では、前記ハウジング2の光源4が収納される部分である光源カバー部2aの部分は、赤外線を透過させるアクリル系の樹脂部材の濃青色、濃緑色などで成型し、約840nm以下の可視光の透過を防止するものである。
また、アクリル系の樹脂部材のレンズカット面、または、レンズの表面側に略±0.01mmの凹凸を設けた場合には、見かけ上の光源の輝度を低下させ、前方への赤色光の放射をより防ぐことも可能である。発明者らの検討によればレンズカット面にサンドブラスト処理により略0.1〜0.05mm、特に略0.01mmの凹凸を設けた場合には、レンズカットのみでサンドブラスト処理を行わない場合に比べて、撮影範囲内における配光特性が均一化して、より効果的に照射することができ、良好な品質の撮影画像を得ることができた。
また、前記光源4の駆動方法について説明を行えば、前記CCDカメラ3からの画像を監視するためのモニタ装置(図示せず)の蛍光体などに適宜な残光性を有するものを採用すれば、赤外線発光ダイオード4aが間欠的に発光する状態として、連続的に発光を行わないものとしてもモニタ装置上では連続して見えるものとなる。
よって、例えば、0.02秒点灯し、0.1秒消灯させるようなパルス点灯を行わせれば、定格電力を超えない範囲で略5倍の電流を赤外線発光ダイオード4aに印可できるものとなり、明るさも略5倍とすることができる。よって、必要部分を照明する明るさも明るくすることができると共に、蛍光体の残光性、視覚の残像性などにより監視も連続した状態で行えるものとなる。
上記は夜間時に監視を行うときを主として説明したが、昼間時には、この種の監視装置を使用しなくても目視などで直接に確認できる可能性が高く、また、天然光は上記に説明した人工光に比べて照度も均一性が一般的に高いのでCCDカメラによる映像も鮮明であり十分な監視を行うことが可能である。
以上に詳細に説明したように、本発明により、夜間にはバックミラーのハウジング内に取付けた赤外線発光ダイオードからの光で、助手席側の前輪近傍をCCDカメラで撮影して障害物の発見を図る監視カメラ付きバックミラーにおいて、前記ハウジングの内部に設けられる赤外線発光ダイオードは、基板上に中心軸を傾けることなく、車体の垂直、及び、水平方向に沿わせてマトリクス状に配置されるものとされ、ハウジングの前記赤外線発光ダイオードの前方に対応して設けられるレンズカットは、前記車体の垂直方向に沿う方向に分割されたプリズムカットの複数とされ、前記プリズムカットは赤外線発光ダイオードからの光を車体の前後方向へ向かう略平行光となるようにそれぞれの屈折角が調整されている監視カメラ付きバックミラーとしたことで、バックミラーのハウジングの形状に影響されることなく助手席側の前輪近傍を均一な照度で照明できるものとし、障害物の見落としなどをなくする。
また、赤外線発光ダイオードの取付けが基板に対し光軸方向には、行方向のものも、列方向のものも直角で良いので、組立に当たっては基板に形成された取付孔の位置などに従えば良く、組立に何らのジグ、ゲージなども不要となるものとなり、例えば、ハンダリフロー炉など、極めて一般的な設備で生産可能となるので、コストダウンも容易である。
図8は、本発明の別な実施形態を要部で示すものであり、例えば、運転席が高い位置にある車体10であれば、助手席側のバックミラー1も当然に高い位置に取付けられるものとなり、上記に説明したように車体10側への屈折を目的と構成されたレンズカット(7a〜7cなど)では、下方向への屈折が不足し、目的とする助手席側の前輪20の近傍の路面への光が不足気味となることが判明した。
この点を解決すべく、この実施形態では、1個の赤外線発光ダイオード4aに対して、例えば、前記したように3本の線状に分割したレンズカット(7a〜7c)を更に略直角方向に分割し、この方向にに対しても、例えば下方に屈折させる傾斜を設けるものである。
従って、前記赤外線発光ダイオード4aからの光は、前の実施形態で説明したように車体10側に向けて屈折が行われると共に、それと直交する方向、この場合には下方にも屈折が行われるものとなり、これにより、助手席側の前輪20の近傍の路面も照明されるものとなり、目的が達せられるものとなる。
本発明に係る監視カメラ付きバックミラーの実施形態を車体正面から見た状態で示す説明図である。 同じく本発明に係る監視カメラ付きバックミラーの実施形態を車体上面から見た状態で示す説明図である。 レンズカットを設けないときの赤外線発光ダイオードからの光の光路を示す説明図である。 本発明に係る監視カメラ付きバックミラーの光源の構成を示す斜視図である。 光源と光源カバー部とを組合わせた状態で示す説明図である。 赤外線発光ダイオードに対するレンズカットの配置を示す説明図である。 レンズカットの作用を示す説明図である。 本発明に係る監視カメラ付きバックミラーの別の実施形態を要部で示す斜視図である。 従来例を示す説明図である。
符号の説明
1…監視カメラ付きバックミラー
2…ハウジング
2a…光源カバー部
2b…ミラーハウジング
3…CCDカメラ
4…光源
4a…赤外線発光ダイオード
4b…基板
5…ミラー
6…駆動部
7…レンズカット
7a…内側屈折部
7b…中央屈折部
7c…外側屈折部
10…車体
20…助手席側の前輪

Claims (6)

  1. バックミラーを収納するハウジングの内部に少なくとも赤外線での撮像を可能とするカメラを設けると共に、前記ハウジングの一部には可視光を遮断し赤外光を透過させる樹脂で一体に形成された光源カバー部が設けられており、前記ハウジング内部の前記光源カバー部に対応する位置には複数の赤外線発光ダイオードが配設され、且つ前記光源カバー部の内面にはこの赤外線発光ダイオードからの光を前記カメラの撮影範囲を効率的に照明する配光特性とするレンズカットが設けられ、前記赤外線発光ダイオードは板状の基板上に中心軸を傾けることなく、車体の前後とハウジングの長手方向に略沿わせて並ぶ状態に配置されるものとされ、前記レンズカットは1つの前記赤外線発光ダイオードに対して、前記車体の前後方向に沿う方向に分割されたプリズムカットの複数が対応するものとされ、前記プリズムカットは前記赤外線発光ダイオードからの光を車体の前後方向へ向かう略平行光となるようにそれぞれの屈折角が調整されていることを特徴とする監視カメラ付きバックミラー。
  2. 前記光源カバー部の少なくとも前記レンズカットが施された部分には、略±0.01mmとする凹凸加工が行われていることを特徴とする請求項1記載の監視カメラ付きバックミラー。
  3. 前記光源カバー部は約840nm以下の可視光を遮断し、それより長い波長の赤外光を透過する赤外線透過グレードの樹脂とされ、前記カメラは上記840nm以上の波長にも高い感度を有するCCDカメラであることを特徴とする請求項1、又は、請求項2記載の監視カメラ付きバックミラー。
  4. 前記光源カバー部は、濃色の青色、或いは、濃色の緑色で着色が行われたアクリル系樹脂とされ、可視光に対しては実質的に不透明とされていることを特徴とする請求項1〜請求項3記載の監視カメラ付きバックミラー。
  5. 前記赤外線発光ダイオードの駆動は定格電力近傍での定格電流を超えるパルス駆動が行われていることを特徴とする請求項1〜請求項4記載の監視カメラ付きバックミラー。
  6. 前記レンズカットを構成するプリズムカットは、前記車体の前後方向に沿う方向に分割されると共に、これと直交する車体の左右方向に沿う方向にも適宜な間隔で分割が行われ、この方向にも傾斜が設けられて、魚眼状プリズムカットとされていることを特徴とする請求項1〜請求項5記載の監視カメラ付きバックミラー。
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