JP4503525B2 - 多層光情報記録媒体 - Google Patents

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Description

本発明は、光ファイルシステムや映像情報等の記録を行う光情報記録再生装置および記録媒体に関し、特に多層式光記録媒体の情報記録再生装置およびその利用効率を高くできる多層光情報記録媒体に関するものである。
従来の多層光情報記録媒体として、少なくとも2個の記録面およびガイド面を有する光記録媒体に光学的に情報を書き込み、書き込んだ情報を読み取りおよび/または消去する方法並びにその装置が特許文献1に記載されている。図14に示す特許文献1に記載されている記録媒体の構造は、複数の記録層3に対して1つのトラック層(制御層)5を設けて構成されている。
また、特許文献2には、光記録媒体、光ピックアップ装置および記録再生装置として、トラッキング用の制御層と感光材料を層状に重ねた記録媒体の構成が記載されており、特許文献3には、記録可能な記録層が樹脂製コア層または樹脂製クラッド層に隣接して設けられてなる光メモリ素子であり、記録層と樹脂製コア層または樹脂製クラッド層との間に、混和を防止するための障壁層を設けた構成が記載されている。
また、特許文献4には、光記録媒体用粘接着シート、光記録媒体用多層構造体および多層記録媒体として、感光材料を含む光記録層と粘接着剤層とが積層されてなる粘接着シートを用いて記録層と非記録層を交互に積層した多層構造の光記録媒体が記載されている。
特許第3110532号公報 特開2003−36537号公報 特開2003−141739号公報 特開2005−259192号公報
しかしながら、このような構成の多層積層型の光情報記録媒体は、積層構造を多段にしていくと、特定の波長や入射角の条件で反射戻り光の反射率の振幅が大きくなり波長依存性が強くなっていく。このため波長や入射光の角度変化により、信号記録および読み出し時の光量が変化してしまうため、ノイズが増加しS/N比が劣化する。
また、図14に示すように、多層記録用の光記録媒体に対して、トラッキング用の制御層を加えた場合では、積層構造を多段にしていくと、各多層記録層と制御層との距離が大きくなり、制御する精度を確保することが困難になってくる。
また、多段積層の記録層と制御層とが密着しているため、記録層と制御層を順次積層した場合、制御層の加工プロセスに制約が生じて設計の自由度が低下するという問題があった。
本発明は、前記従来技術の問題を解決することに指向するものであり、多層積層型の光記録媒体において、信号記録および読み出し時の光量変化が小さく、波長や入射光の角度変化により、ノイズが増加してS/N比の劣化することのない、また、記録層の積層数が多段であっても、トラッキング制御する精度を確保して精度低下を少なくし、さらに、各記録層と制御層を順次積層したときに、制御層の加工プロセスに制約が生じることなく、設計の自由度が制限されることのない多層光情報記録媒体を提供することを目的とする。
前記の目的を達成するために、本発明に係る請求項1に記載した多層光情報記録媒体は、光記録材料を含む記録層と中間層の2層が繰り返し配列された多層構造において、記録層と中間層の厚さによる配列周期および記録層の屈折率および中間層の屈折率が一定である多層構造の部分を1単位とし、多層構造の1単位がスペーサ層を介して、深さ方向に複数個を積層した構造を持つ多層光情報記録媒体において、配列周期あるいは記録層の屈折率あるいは中間層の屈折率が複数個の多層構造の1単位ごとで異なることにより、多層構造の1単位間での光学的な位相変化をスペーサ層で調整し最適化でき、反射戻り光の反射率やその振幅が波長変動や入射角の変化により変動することを互いの干渉により弱めることができる。
また、請求項2に記載した多層光情報記録媒体は、請求項1の多層光情報記録媒体における複数のスペーサ層において、それぞれの層厚あるいは屈折率が異なることにより、多層構造の各単位間における光の伝播時の相対的な位相が変化し、反射戻り光の反射率や振幅が波長変動や入射角の変化により変動することを互いの干渉により弱めることができる。
また、請求項に記載した多層光情報記録媒体は、請求項1または2の多層光情報記録媒体における1単位ごとに設けるトラッキング制御信号発生用の制御層を、1単位をなす多層構造で1番目の記録層に隣接して積層したこと、また1単位をなす多層構造の中間部分に積層したこと、さらに、1単位ごとに設けるトラッキング制御信号発生用の制御層に隣接して接着層あるいは粘着層を設けたこと、または、制御層に1単位として構成する記録層と中間層の組み合わせの順序情報および多層光情報記録媒体内の位置を表す情報を記録したことにより、1単位ごとに制御層に基づきトラッキング制御ができ、多層構造の1単位を深さ方向に積層する際の制御層に対する制約を受けることなく形成できる。
また、請求項に記載した多層光情報記録媒体は、請求項1〜の多層光情報記録媒体における多層構造の1単位と1単位の間に積層するスペーサ層を接着層あるいは粘着層としたこと、さらに、多層構造の1単位において、1単位を構成する記録層と中間層の間に障壁層を設けたことにより、多層構造の1単位を順次積層する構成が容易にでき、また記録層と中間層の形成時に一方の層の溶媒が他方の層に影響することなく形成することができる。
また、請求項9に記載した多層光情報記録媒体は、周囲と光学的性質が変化してなる記録スポットの複数が周期的に配列、かつ層状に配置された記録層において、層状に配置された記録スポットの周期が一定である多層構造の部分を1単位とし、多層構造の1単位がスペーサ層を介して、深さ方向に複数個を積層した構造を持つ多層光情報記録媒体において、記録スポットを配置する層状の周期が、あるいは記録層の屈折率が前記1単位ごとで異なることにより、多層構造の1単位間での光学的な位相変化をスペーサ層で調整し最適化でき、反射戻り光の反射率やその振幅が波長変動や入射角の変化により変動することを互いの干渉により弱めることができる。
また、請求項10に記載した多層光情報記録媒体は、請求項の多層光情報記録媒体における複数のスペーサ層において、それぞれの層厚あるいは屈折率が異なることにより、多層構造の各単位間における光の伝播時の相対的な位相が変化し、反射戻り光の反射率や振幅が波長変動や入射角の変化により変動することを互いの干渉により弱めることができる。
また、請求項1114に記載した多層光情報記録媒体は、請求項10の多層光情報記録媒体における1単位ごとに設けるトラッキング制御信号発生用の制御層を、1単位をなす記録層に隣接して積層したこと、また1単位をなす記録層の中間に積層したこと、さらに、1単位ごとに設けるトラッキング制御信号発生用の制御層に隣接して接着層あるいは粘着層を設けたこと、または、制御層に1単位として構成する記録層中で記録スポットの複数の周期的な配列や層状の配置に係る構成情報および多層光情報記録媒体内の位置を表す情報を記録したことにより、1単位ごとに制御層に基づきトラッキング制御ができ、多層構造の1単位を深さ方向に積層するとき制御層に対する制約を受けることなく形成できる。
また、請求項15に記載した多層光情報記録媒体は、請求項14の多層光情報記録媒体における記録層の1単位と1単位の間に積層するスペーサ層を接着層あるいは粘着層としたことにより、1単位を順次積層する構成が容易にできる。
本発明によれば、波長や入射光の角度変化による信号記録および読み出し時の反射光量変化を抑制し、ノイズの増加やS/N比の劣化を低減するとともに、トラッキングの精度を高めた多層光情報記録媒体を提供できるという効果を奏する。
以下、図面を参照して本発明における実施の形態を詳細に説明する。
図1は本発明の実施の形態1における多層光情報記録媒体の構成を示した図である。本実施の形態1について図1を参照しながら説明する。図1に示すように、基板1上に、1番目の中間層2、1番目の記録層3、2番目の中間層2、さらに2番目の記録層3、3番目の中間層2と繰り返し、記録層3と中間層2からなる多層構造を1単位として、例えば記録層3を5層、中間層2を6層が積層される。さらに、その上に分離層(スペーサ層)4が積層されている。このように、基板1上に1単位の多層記録媒体がスペーサ層4を挟み複数が積層されて多層光情報記録媒体を構成する。
また、別の1単位として中間層2、記録層3、中間層2と繰り返し、同じく記録層3が5層、中間層2が6層を積層している。ここで、光記録媒体の記録層3に光源波長の光を対物レンズにより集光し、集光スポットによって記録マークを形成する。
なお、本実施の形態1において記録マークの屈折率が周囲に対して増加する材料を用いても良く、その反対に屈折率が周囲に対して減少する材料を用いても良い。また、記録層3の層厚は集光スポットの深さ方向の大きさに比べ小さい方が望ましい。反対に中間層2の層厚は集光スポットの深さ方向の大きさ程度、あるいはそれより大きい方が望ましい。
また、記録した情報の読み取りは、記録層3の屈折率が記録マークのある所とない所で異なるため、中間層2と記録層3の間の界面における反射率が記録マークの有無で異なることを利用し、反射光の強弱による読み取りを行う。
基板1としては、ガラス、酸化物結晶、ポリカーボネート、ポリオレフィン等の光源波長に対して透明な材料が適用できる。また、中間層2は光源波長に対して透明な材料で構成され、記録層3は光源波長の光の1部を吸収するように設定されている。さらに、中間層2としては、ポリビニールアルコール、エチレンビニールアルコール等の樹脂を塗布して積層しているが、例えばポリカーボネート、ポリスチレン、ポリアミド、エポキシ、ウレタン樹脂等の透明な樹脂およびそのフィルムを融着、押し出し成形、ラミネート、蒸着等で積層して形成することもできる。
さらに、材料は有機材料に限らず、ガラス、酸化物等の蒸着、スパッタリング等の方法で形成が可能である。記録層3としてはポリメチルメタクリレート、ポリスチレン等の樹脂とスピロピラン、ジアリールエテン、フルギドのような特定の光源波長の光を吸収して吸収波長や屈折率が変化するフォトクロミック色素を混合したものを塗布や混合蒸着等の方法で積層している。これらの色素を用いた記録媒体では、短パルス高出力のレーザ光源を用いて2光子吸収を含めた多光子吸収等の記録方法を用いることもできる。分離層(スペーサ層)4に関しては、中間層2と同様な材料を用いて同様な方法で形成することができる。
また、1単位を構成する記録層3と中間層2の間に障壁層(図示せず)を設け、この障壁層により、記録層3と中間層2の多層構造を形成する際に、一方の層の溶媒が他方の層を溶解してしまうような場合であっても、その間に別材料の障壁層が存在するため、溶剤の塗布といった簡便な方法で各層を形成することができる。また、後述する記録層3と中間層2の構成において、各層厚を薄くして透過率を高めるような場合にも容易に対応することができる。
次に、本実施の形態1の多層光情報記録媒体の特性について、図2,図3を用いて説明する。図2は図1に示す多層光情報記録媒体において、中間層2および記録層3の組み合わせが5層の場合と50層の場合とで、基板1と反対側から見た相対的な反射率を比較した層数と反射率の関係を示す図である。ここでは、スペーサ層4や基板1の影響は考えずに、単純に中間層2および記録層3の組み合わせを繰り返し積層数のみを変化させている。
この計算例では記録層3の屈折率n2を1.6、中間層2の屈折率n3を1.5として、光源波長λが0.66μmの場合の、多層構造の反射率の計算例を示している。記録層3の層厚はλ/4n2、中間層2の厚さはλ/4n3の奇数倍の場合(図2に示す実線)と、この条件から少し外れた場合(図2に示す破線)の2条件を示している。
図2から分かるように、中間層2の層厚はλ/4n3の奇数倍の場合に層数の増加に伴い急激に反射率が増加することが分かる。これは光記録媒体の基板1を反対側から見て光が奥まで届かないことを示しており避ける必要がある。
また、図3は図2と同様に多層構造の中間層層厚と反射率の関係を示す図である。ここでは記録層3の層厚はλ/4n2に固定し、中間層2の層厚を変化させたときの反射率を層数50(図3に示す実線)の場合と、層数5(図3に示す破線)の場合を示している。ここでの多層光情報記録媒体の構成は、層数5を1単位とし10個を積層したものを例としている。層数が多いと、中間層2の層厚によっては反射率が高く避けるべき条件が中間層2の層厚により周期的に存在することが分かる。
このため特定の中間層2の層厚と屈折率に対して、図3に示すような中間層2の層厚と屈折率(屈折率と層厚の積で決まる光路長)の組み合わせ条件は避ける必要がある。
この観点からは、記録層3と中間層2の配列周期や中間層の屈折率は、記録層3と中間層2の2層以上からなる多層構造を1単位として、複数の1単位により構成した多層光情報記録媒体の組の中でも一定である必要はなく変化している方が望ましい。さらに、スペーサ層4の層厚および屈折率に関しては、層厚と屈折率の積である光路長がλ/2の整数倍であることが望ましい。
この条件において、前述した多層構造を1単位として、これらが複数ある場合に、スペーサ層4の上下にある1単位が反射率の高い場合であっても全体の透過率が低下することを防止して透過率を高めることができる。
図4は本発明の実施の形態2における多層光情報記録媒体の構成を示した図である。本実施の形態2について図4を参照しながら説明する。図4に示すように、基板1の上に1番目の記録層3が形成され、その中には周囲と屈折率の異なる記録スポットである記録マーク3aの複数が周期的に配列、かつ基板1に垂直な方向に一定の周期(間隔)を持って層状に配置されて形成される。
記録マーク3aの複数が周期的に配列、かつ層状に配置された記録層3を1単位として、その上にスペーサ層4が積層される。また、スペーサ層4の上には2番目の記録層3が積層され、1番目の記録層3と同様に、中には周囲と屈折率の異なる記録マーク3aの複数が周期的に配列、かつ層状に形成されている。さらに、その上にもスペーサ層4が積層され、この繰り返しにより多層光情報記録媒体を構成する。
多層光情報記録媒体は光源波長の光を対物レンズで記録層3に集光し、集光スポットにより記録マーク3aの列を形成する。ここでは、各記録マーク3aの屈折率が周囲に対して増加する材料を用いても良く、その反対に屈折率が周囲に対して減少する材料を用いても良い。また、記録した情報の読み取りでは、記録マーク3aの列の屈折率が周囲と異なるため、集光スポットを記録マーク3aに照射したときの反射率が記録マーク3aのある所とない所で異なることを利用して反射光の強弱による読み取りを行う。
また、基板1の材料に関しては、前述の実施の形態1と同様である。記録層3としては、ポリメチルメタクリレート、ポリスチレン等の樹脂とスピロピラン、ジアリールエテン、フルギドのような特定の光源波長の光を吸収して吸収波長や屈折率が変化するフォトクロミック色素を混合したものを塗布や混合蒸着等の方法で積層している。これらの色素を用いた記録では、短パルス高出力のレーザ光源を用いて2光子吸収を含めた多光子吸収等の記録方法を用いることもできる。分離層(スペーサ層)4に関しても、実施の形態1の中間層と同様な材料を用いて同様な方法で形成することができる。
さらに、本実施の形態2に関しても、前述の図2,図3に示された実施の形態1の多層光情報記録媒体の特性と類似した特性を持つ。すなわち、実施の形態1の構成における中間層2および記録層3の組み合わせの周期が、本実施の形態2における記録マーク3aの層状の周期に相当する。この場合においても、図2,図3に示したような、記録マーク3aの層状の周期は、λを光源波長、n2を記録層3の屈折率とすると、λ/4n2の奇数倍の場合に、記録マーク3aの層数の増加に伴い急激に反射率が増加する現象が存在する。これは、多層光情報記録媒体の基板1を反対側から見て光が奥まで届きにくくなることを示しており避ける必要がある。
また、層数が多いと、記録マーク3aの周期によっては反射率が高く、これを避けるべき条件が記録マーク3aの層状の周期により周期的に存在することが分かる。このような記録マーク3aの層状の周期と記録媒体の屈折率の(屈折率と周期の積で決まる光路長)組み合わせ条件は避ける必要がある。
この観点から、記録マーク3aの層状の周期と記録層3の屈折率は、記録層の1単位として、複数の1単位により構成した多層光情報記録媒体の組の中でも一定である必要はなく変化している方が望ましい。さらに、スペーサ層4の層厚および屈折率に関しても、層厚と屈折率の積である光路長がλ/2の整数倍であることが望ましい。
この条件において、周囲と光学的性質が変化してなる記録マーク3aの複数が周期的に配列、かつ層状に配置され記録可能な記録層3を1単位とし、これらが複数ある場合に、スペーサ層4の上下にある記録層3の1単位で反射率の高い場合であっても全体の透過率が低下することを防止して透過率を高めることができる。
図5は本発明の実施の形態3における多層光情報記録媒体の構成を示した図である。本実施の形態3について図5を参照しながら説明する。図5に示すように、本実施の形態3は、前述した図1に示す実施の形態1と構造が類似するが、基板1と中間層2の間に、1番目の接着層6、制御層5、2番目の接着層6が形成されている点が異なる。ここで、制御層5にトラッキング用のグルーブが形成されており、接着層6とはその屈折率は異なっている必要がある。ただし、制御層5の屈折率が接着層6の屈折率より高くても低くても構わない。
また、2番目の接着層6の上に中間層2、記録層3、中間層2、記録層3と、前述の実施の形態1と同様な層が形成され、さらに、スペーサ層4が形成されている。これ以後は、前述した各層が周期的に繰り返されて配置され、多層光情報記録媒体を構成する。
さらに、本実施の形態3における記録層3と中間層2の構成として、それぞれを5層、6層とした層数の1単位に制御層5を設けた例を示したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、(記録層3の層厚)×層数+(中間層2の層厚)×層数の値が大きくなると、制御層5において最も遠い記録層3との距離が離れて、後述する信号記録再生装置のように2つの光源からの光ビームを用いたトラッキング位置制御方法を行う場合、記録用光ビームの集光スポットにおいてトラッキング位置精度が悪くなり、制御層5を1単位に隣接して設ける効果が小さくなる。この観点から実用的には各層について100層以下のレベルとなる。
また、図5において、制御層5はプッシュプル法での検出用にグルーブが基板1側に形成されている。しかし、基板1と反対側に形成されても良い。また、グルーブ形状のみでなく屈折率変調型であっても構成は可能である。さらに、制御層5のグルーブのパターンは同心円状や渦巻状等、任意のパターンが適用できる。
その他の構成と作用は実施の形態1と同様である。また、材料に関しては、制御層5に、例えばUV硬化樹脂を塗布し透明な凹凸形状のスタンパーを接触させて形状を転写する方法などが適用できる。また、接着層6は樹脂の各種接着剤や粘着剤等が適用できる。
図6は本発明の実施の形態4における多層光情報記録媒体の構成を示した図である。本実施の形態4について図6を参照しながら説明する。本実施の形態4は、前述した図4に示す実施の形態2の構成に、図5に示す実施の形態3の制御層5、接着層6を設けて構成したものである。図6に示すように、基板1あるいはスペーサ層4と記録層3の間に、接着層6、制御層5、接着層6を形成して多層光情報記録媒体を構成する。それ以外の構成,動作等は、前述の実施の形態2,3の場合と同様である。
図7は本発明の実施の形態5における多層光情報記録媒体の構成を示した図である。本実施の形態5について図7を参照しながら説明する。本実施の形態5は、前述した図1に示す実施の形態1の構成において、スペーサ層4の層厚が異なるスペーサ層4−1,4−2を形成したものである。また、スペーサ層4において、光路長を変えるためスペーサ層4の屈折率を変化させても良い。それ以外の本実施の形態5の構成,動作等は、前述した実施の形態1の場合と同様である。さらに、スペーサ層4の層厚を変化させる程度は、光路長で0からλ/2程度以上あれば十分であるが、任意で良い。
図8は本発明の実施の形態6における多層光情報記録媒体の構成を示した図である。本実施の形態6について図8を参照しながら説明する。本実施の形態6は、前述した図3に示す実施の形態2の構成において、スペーサ層4の層厚が異なるスペーサ層4−1,4−2を形成したものである。また、スペーサ層4において、光路長を変えるためスペーサ層4の屈折率を変化させても良い。それ以外の本実施の形態6の構成,動作等は、前述した実施の形態2の場合と同様である。さらに、スペーサ層4の層厚を変化させる程度は、光路長で0からλ/2程度以上あれば十分であるが、任意で良い。
図9は本発明の実施の形態7における多層光情報記録媒体の構成を示した図である。本実施の形態7について図9を参照しながら説明する。本実施の形態7は、前述した図1に示す実施の形態1の構成において、中間層2あるいは中間層2と記録層3の層厚が異なる中間層2−1,2−2,2−3および記録層3−1,3−2,3−3のように層厚を変化させて形成したものである。また、中間層2あるいは中間層2と記録層3の光路長を変えるために中間層2あるいは中間層2と記録層3の屈折率を変化させても良い。それ以外の本実施の形態7の構成,動作等は、前述した実施の形態1の場合と同様である。さらに、中間層2と記録層3の層厚の厚さを変化させる程度は、光路長で0からλ/2程度以上あれば十分であるが、任意でも良い。さらに、ばらつきの仕方はなるべく周期性がない方が望ましい。
図10は本発明の実施の形態8における多層光情報記録媒体の構成を示した図である。本実施の形態8について図10を参照しながら説明する。本実施の形態8は、前述した図5に示す実施の形態2の構成において、記録層3の中で記録マーク3aの層状の周期を、記録層3−1,3−2,3−3のように変化させ、また記録マーク3a間の厚さ3b−1,3b−2,3b−3のように変化させて構成したものである。また、記録層3の中で記録マーク3aの層状の周期を変えずに光路長を変えるために記録層3の屈折率を変化させても良い。それ以外の構成,動作等は、前述した実施の形態2の場合と同様である。記録層3の層厚と記録マーク3a間の厚さを変化させる程度は、光路長で0からλ/2程度以上あれば十分であるが、任意でも良い。さらに、ばらつきの仕方はなるべく周期性がない方が望ましい。
図11は本発明の実施の形態9における多層光情報記録媒体の構成を示した図である。本実施の形態9について図11を参照しながら説明する。本実施の形態9は、前述した図5に示す実施の形態3と構造が類似しているが、図5において基板1と中間層2の間にある、1番目の接着層6,制御層5,2番目の接着層6が、1単位として周期的に積層された中間層2および記録層3の間に形成した点で構造が異なる。ただし、図11に示すように、図5において1番目の接着層6、制御層5の次にある2番目の接着層6が省略されている。この場合は制御層5の上に直接、中間層2を形成して積層することができる。それ以外の本実施の形態9における構成,動作等は、前述した実施の形態2の場合と同様である。
図12は本発明の実施の形態10における多層光情報記録媒体の構成を示した図である。本実施の形態10について図12を参照しながら説明する。本実施の形態10は、前述した図6に示す実施の形態4と構造が類似しているが、図6の構成とは、基板1あるいはスペーサ層4と記録層3の間にあった1番目の接着層6,制御層5,2番目の接着層6が、記録層3と記録層3の間に形成されている点が異なる。ただし、図12に示す構成では2番目の接着層6が省略されている。この場合は制御層5の上に直接、記録層3を形成して構成することができる。それ以外の構成,動作等は、前述した実施の形態4の場合と同様である。
図13は本発明の実施の形態11における多層光情報記録媒体に信号記録再生を行う装置を示した構成図である。ここでは、各実施の形態の中から前述の図5に示す実施の形態3で説明した多層光情報記録媒体に信号の記録再生を行う例を示している。
本実施の形態11について図13を参照しながら説明する。図13に示す信号記録再生装置では、光源11(第1光源)からの出射光はレンズ12、偏光ビームスプリッタ13、ダイクロイックプリズム14、1/4波長板15、対物レンズ16を介して光記録媒体中の制御層5のトラック部分に集光する。制御層5のトラック部分からの反射光は対物レンズ16、1/4波長板15、ダイクロイックプリズム14を通って偏光ビームスプリッタ13により反射され、集光レンズ17、ピンホール18(第1ピンホール)、集光レンズ19および20を通り、シリンドリカルレンズ21を通って4分割光検出器22上に集光する。
集光レンズ20とシリンドリカルレンズ21により集光した光線は非点収差を生じ、2つの焦点を持つ。この2つの焦点位置の間に、4分割光検出器22を配置する。また集光レンズ17および19の間にはピンホール18を配置し、このピンホール18の径は、例えば集光レンズ17の集光スポット径に対してやや大きめに設定している。このため光源11からの光ビームが光記録媒体の制御層5に焦点が合わなくても、戻り光がピンホール18を通過できるようにしている。
次に光源11とは別の光源23(第2光源)からの出射光は、レンズ24を通過後、偏光ビームスプリッタ25で反射し、その後、集光レンズ26および27を通り、ダイクロイックプリズム14で反射し、1/4波長板15を通って対物レンズ16により光記録媒体中の記録層3に集光する。対物レンズ16はコイル等の位置制御機構がついており、位置の制御が可能である。
光記録媒体の記録層3からの反射光は対物レンズ16、1/4波長板15、ダイクロイックプリズム14を通って反射し、集光レンズ27および26を通り、さらに偏光ビームスプリッタ25を透過して集光レンズ28、ピンホール29(第2ピンホール)を経て光検出器30上に集光する。
ここで光源23とピンホール29の位置は光学的に共焦の配置となっている。さらに集光レンズ26および27はビームエキスパンダを形成しており、位置制御装置として機能し、お互いの位置を光軸に沿って変化させることにより、光記録媒体内で結焦させる焦点位置を変化させることができる。すなわち集光レンズ26および27の間隔を制御することにより、光源23からの光ビームの集光位置を光軸に沿って調節することが可能である。またピンホール29はその径が集光レンズ28の集光スポット径と同じレベルか、その前後のレベルに調整されている必要がある。
このような構成では、光源11からの出射光による光ビームを制御層5上のトラックに焦点を合わせたまま、光源23からの光ビームを、光源11からの光ビームによる集光スポットから相対的にある一定の光軸上の距離だけ離れるように、集光レンズ26および27の間隔を制御し調整しておけば、任意の記録層3上に集光させることができる。光源11からの出射光は4分割光検出器22の信号から非点収差法によるフォーカス誤差信号と、プッシュプル法によるトラック誤差信号を得ることができる。このため対物レンズ16を制御することができる。
これ以外の構成としては、光源23と光検出器30の検出系を複数設けて多層の記録層3へマルチビームで情報を記録再生することもできる。また光源23と光検出器30の検出系の代わりに、光源11と4分割光検出器22の光学系を複数設け、複数の記録層3に同時にそれぞれフォーカスサーボを掛けることもできる。この場合、液晶焦点調整素子等の動的な焦点調整手段の追加が必要である。
次に、本発明の実施の形態12について説明する。本実施の形態12は、前述した実施の形態3,4,9,10,11における制御層5において、1単位として構成される記録層3と中間層2の組み合わせの順序情報、あるいは記録層3の中で記録マーク3aの複数の周期的な配列や層状の配置に係る構成情報、および多層光情報記録媒体内の位置を表す情報を制御層5の中に記録したものである。
これらの情報を制御層5の中に記録する方法は、制御層5のトラック用グルーブを作成する際、同時に形状変化で凹凸状に制御層5中に形成することができる。その他の構成,動作等は各実施の形態の場合と同等である。
また、本発明の多層光情報記録媒体における記録層3,中間層2等の各層の層数や層厚等の数値については、全体での記録層3の層数は数十層から数百層程度までを想定の範囲としており、また、1単位の層数は前述したように、数層以上から100層以下の程度を想定の範囲としている。具体的には、実際に利用可能な材料および製品のスペックを考慮した場合、記録層3および中間層2の膜厚は0.1μm〜数十μm程度の範囲であり、中間層2の方が記録層3と同等か層厚が厚いことが好ましく、さらに、スペーサ層4に関しても、1μm〜100μm程度の範囲とすることが好ましい。
本発明に係る多層光情報記録媒体は、波長や入射光の角度変化による信号記録および読み出し時の反射光量変化を抑制し、ノイズの増加やS/N比の劣化を低減するとともに、トラッキングの精度を高めて利用効率の向上を図ることができ、光ファイルシステムや映像情報等の記録を行う光情報記録再生装置および記録媒体に用いられる多層式の光記録媒体に有用である。
本発明の実施の形態1における多層光情報記録媒体の構成を示す図 層数と反射率の関係を示す図 中間層層厚と反射率の関係を示す図 本発明の実施の形態2における多層光情報記録媒体の構成を示す図 本発明の実施の形態3における多層光情報記録媒体の構成を示す図 本発明の実施の形態4における多層光情報記録媒体の構成を示す図 本発明の実施の形態5における多層光情報記録媒体の構成を示す図 本発明の実施の形態6における多層光情報記録媒体の構成を示す図 本発明の実施の形態7における多層光情報記録媒体の構成を示す図 本発明の実施の形態8における多層光情報記録媒体の構成を示す図 本発明の実施の形態9における多層光情報記録媒体の構成を示す図 本発明の実施の形態10における多層光情報記録媒体の構成を示す図 本発明の実施の形態11における多層光情報記録媒体に信号記録再生を行う装置を示す構成図 従来の多層光情報記録媒体の構成を示す図
符号の説明
1 基板
2,2−1,2−2,2−3 中間増
3,3−1,3−2,3−3 記録層
3a 記録マーク
3b−1,3b−2,3b−3 厚さ
4,4−1,4−2 スペーサ層
5 制御層
6 接着層
11 光源(第1光源)
12,24 レンズ
13,25 偏光ビームスプリッタ
14 ダイクロイックプリズム
15 1/4波長板
16 対物レンズ
17,19,20,26,27,28 集光レンズ
18 ピンホール(第1ピンホール)
21 シリンドリカルレンズ
22 4分割光検出器
23 光源(第2光源)
29 ピンホール(第2ピンホール)
30 光検出器

Claims (15)

  1. 光記録材料を含む記録層と中間層の2層が繰り返し配列された多層構造において、記録層と中間層の厚さによる配列周期および前記記録層の屈折率および前記中間層の屈折率が一定である多層構造の部分を1単位とし、前記多層構造の1単位がスペーサ層を介して、深さ方向に複数個を積層した構造を持つ多層光情報記録媒体において、
    前記配列周期あるいは前記記録層の屈折率あるいは前記中間層の屈折率が前記複数個の多層構造の1単位ごとで異なることを特徴とする多層光情報記録媒体。
  2. 前記複数のスペーサ層において、それぞれの層厚あるいは屈折率が異なることを特徴とする請求項1記載の多層光情報記録媒体。
  3. 前記1単位ごとに設けるトラッキング制御信号発生用の制御層を、前記1単位をなす多層構造で1番目の記録層に隣接して積層したことを特徴とする請求項1または2記載の多層光情報記録媒体。
  4. 前記1単位ごとに設けるトラッキング制御信号発生用の制御層を、前記1単位をなす多層構造の中間部分に積層したことを特徴とする請求項1または2記載の多層光情報記録媒体。
  5. 前記1単位ごとに設けるトラッキング制御信号発生用の制御層に隣接して接着層あるいは粘着層を設けたことを特徴とする請求項または記載の多層光情報記録媒体。
  6. 前記制御層に1単位として構成する記録層と中間層の組み合わせの順序情報および多層光情報記録媒体内の位置を表す情報を記録したことを特徴とする請求項3〜5のいずれか1項に記載の多層光情報記録媒体。
  7. 前記多層構造の1単位と前記1単位の間に積層するスペーサ層を接着層あるいは粘着層としたことを特徴とする請求項のいずれか1項に記載の多層光情報記録媒体。
  8. 前記多層構造の1単位において、前記1単位を構成する記録層と中間層の間に障壁層を設けたことを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の多層光情報記録媒体。
  9. 周囲と光学的性質が変化してなる記録スポットの複数が周期的に配列、かつ層状に配置された記録層において、前記層状に配置された記録スポットの周期が一定である多層構造の部分を1単位とし、前記多層構造の1単位がスペーサ層を介して、深さ方向に複数個を積層した構造を持つ多層光情報記録媒体において、
    前記記録スポットを配置する層状の周期が、あるいは前記記録層の屈折率が前記1単位ごとで異なることを特徴とする多層光情報記録媒体。
  10. 前記複数のスペーサ層において、それぞれの層厚あるいは屈折率が異なることを特徴とする請求項9記載の多層光情報記録媒体。
  11. 前記1単位ごとに設けるトラッキング制御信号発生用の制御層を、前記1単位をなす記録層に隣接して積層したことを特徴とする請求項9または10記載の多層光情報記録媒体。
  12. 記1単位ごとに設けるトラッキング制御信号発生用の制御層を、前記1単位をなす記録層の中間に積層したことを特徴とする請求項9または10記載の多層光情報記録媒体。
  13. 前記1単位ごとに設けるトラッキング制御信号発生用の制御層に隣接して接着層あるいは粘着層を設けたことを特徴とする請求項11または12記載の多層光情報記録媒体。
  14. 前記制御層に1単位として構成する記録層中で記録スポットの複数の周期的な配列や層状の配置に係る構成情報および多層光情報記録媒体内の位置を表す情報を記録したことを特徴とする請求項1113のいずれか1項に記載の多層光情報記録媒体。
  15. 前記記録層の1単位と前記1単位の間に積層するスペーサ層を接着層あるいは粘着層としたことを特徴とする請求項9〜14のいずれか1項に記載の多層光情報記録媒体。
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