JP4503158B2 - エコーキャンセラ - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、エコーキャンセラに係り、特に携帯電話システム等の移動通信システムと公衆回線網等の固定通信網とが接続された、移動通信システムの基地局側に設けられる回線エコーをキャンセルするエコーキャンセラに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来のエコーキャンセラの構成を図7に示す。同図において、エコーキャンセラ300は、移動通信システムの基地局内に設けられており、擬似エコー発生回路301と、減算器302と、ノンリニアプロセッサ(NLP)303とを有している。入力ポート310は、送信側の移動局からの話者の音声が入力されるポートであり、出力ポート320は受信側の移動局または、固定電話機からの話者の音声信号が出力されるポートである。
また、出力ポート311は、固定回線網側の回線に接続される受信側の移動局または、固定電話機に対して出力される送信側の話者の音声信号が出力される出力ポート、入力ポート321は、固定回線網からの回線エコーを含む受信側の移動局または、固定電話機からの話者の音声信号が入力されるポートである。
【0003】
上記構成において、擬似エコー発生回路301の伝送特性は、入力ポート321から入力される受信側からの回線エコーの伝送経路と等価な伝送特性となるように通話開始時に設定され、入力ポート310から送信側の移動局からの送信信号(話者の音声信号)が擬似エコー発生回路301に入力される。擬似エコー発生回路301では、送信側の移動局からの送信信号を通すことにより擬似エコー信号を減算器302に出力する。
【0004】
減算器302では、入力ポート321より入力される固定回線網からの回線エコーを含む受信側の移動局または、固定電話機からの話者の音声信号から上記擬似エコー信号を減算し、その出力信号をノンリニアプロセッサ303に出力する。ノンリニアプロセッサ303は、動作時には減算器302の出力を予め与えられた入出力特性、例えば、図3または図4に示すような入出力特性に基づいた信号レベルになるように処理することにより通話開始時に生ずる残留エコーを除去し、出力ポート320より送信側の移動局に出力する。
【0005】
図3、図4は、所定の動作閾値|X0|以下の入力信号レベルでは、出力を零とし、入力信号レベルが|X0|以上では入力信号に比例した信号を出力するノンリニアプロセッサ303の入出力特性を示している。
すなわち、通話開始時に擬似エコー発生回路301における伝送特性が、受信側からの回線エコーの伝送経路と等価な伝送特性となるように、擬似エコー発生回路を構成する適応フィルタにおける各タップの係数が設定されるまでには、減算器302の出力には除去しきれないエコー、すなわち残留エコーが含まれる。ノンリニアプロセッサ303は、上記特性に基づいて残留エコーを除去するために設けられている。
【0006】
ところで、エコーキャンセラのノンリニアプロセッサについてはITU−T(International Telecommunication Union− Telecommunication Standardization Sector)の国際勧告G.165でその記述が見られるが、ノンリニアプロセッサの入出力特性の概要と、その使用例が示されているだけである。エコーキャンセラを実際に使用する場合において、ノンリニアプロセッサの動作閾値は固定であり、ノンリニアプロセッサの制御は、それを動作状態にするか、非動作状態にするかの選択を行うだけであり、回線に発生するエコーのレベルに応じてノンリニアプロセッサの動作閾値を変更するものは見当たらない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
通話シーケンスにおいて回線が設定された後、エコーキャンセラが回線のエコー特性を学習し終えるまでの学習期間(非収束期間)、すなわちエコーキャンセラの適応フィルタにおける各タップの係数が初期設定されるまでの期間においては、移動通信システムとしての携帯電話システムにおいて移動局である携帯電話のユーザの発した音声がほとんど、そのまま折り返され、耳障りなエコーとなり、通話が阻害される。この場合に上述したようにエコーキャンセラにおけるノンリニアプロセッサを動作させることがエコーを抑制するのに有効な解決手段となるが、ノンリニアプロセッサを何の制限もなく使用すると、必要な音声の一部もキャンセルされてしまい、通話が却って不自然になるという問題が有った。
【0008】
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、ノンリニアプロセッサを有効に制御することにより通話開始時において生ずる回線エコーを最小限に抑制することができるエコーキャンセラを提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、以下の手段を採用した。
発明は、移動局と、管轄エリアにある複数の移動局に対する回線接続制御を行う基地局とを有する移動通信ネットワークが固定回線網に接続されており、前記基地局に設けられる回線エコーをキャンセルするエコーキャンセラであって、該エコーキャンセラは、前記固定回線網からエコーが回り込んでくる信号の伝送経路と等価な伝送特性を有し、送信側の移動局からの送信信号を通すことにより擬似エコー信号を生成する擬似エコー発生回路と、受信側の移動局からの受信信号から前記擬似エコー信号を減算する減算器と、前記減算器の出力から残留エコーを検出するエコーレベル検出回路と、前記減算器の出力を与えられた入出力特性に基づいた信号レベルにするノンリニアプロセッサと、前記ノンリニアプロセッサの動作閾値を前記エコーレベル検出回路の検出出力のレベルに応じて設定する動作閾値設定回路と、前記送信側の移動局からの送信信号のレベルを検出する送信レベル検出回路を有し、前記動作閾値設定回路は、前記エコーレベル検出回路の出力レベルと送信レベル検出回路の出力レベルとの比をとり、この比と前記ノンリニアプロセッサの動作閾値とが比例関係となるように前記ノンリニアプロセッサの動作閾値を動的に設定することを特徴とする。
【0010】
発明によれば、固定回線網からエコーが回り込んでくる信号の伝送経路と等価な伝送特性を有し、送信側の移動局からの送信信号を通すことにより擬似エコー信号を生成する擬似エコー発生回路と、受信側の移動局からの受信信号から前記擬似エコー信号を減算する減算器と、前記減算器の出力から残留エコーを検出するエコーレベル検出回路と、前記減算器の出力を与えられた入出力特性に基づいた信号レベルにするノンリニアプロセッサと、前記ノンリニアプロセッサの動作閾値を前記エコーレベル検出回路の検出出力のレベルに応じて設定する動作閾値設定回路とを有するので、ノンリニアプロセッサ動作閾値を残留エコーのレベルに応じて動的に制御することができ、聴覚上、違和感の少ない音声受信が可能になる。
【0012】
また、本発明によれば、動作閾値設定回路は、エコーレベル検出回路の出力レベルと送信レベル検出回路の出力レベルとの比をとり、この比とノンリニアプロセッサの動作閾値とが比例関係となるように前記ノンリニアプロセッサの動作閾値を動的に設定するようにしたので、聴覚上、違和感の少ない音声受信が可能になる。
【0013】
発明は、移動局と、管轄エリアにある複数の移動局に対する回線接続制御を行う基地局とを有する移動通信ネットワークが固定回線網に接続されており、前記基地局に設けられる回線エコーをキャンセルするエコーキャンセラであって、該エコーキャンセラは、前記固定回線網からエコーが回り込んでくる信号の伝送経路と等価な伝送特性を有し、送信側の移動局からの送信信号を通すことにより擬似エコー信号を生成する擬似エコー発生回路と、受信側の移動局からの受信信号から前記擬似エコー信号を減算する減算器と、前記減算器の出力を与えられた入出力特性に基づいた信号レベルにするノンリニアプロセッサと、通話開始時点からある一定時間が経過するまでの時間を計測するタイマ回路と、前記タイマ回路の出力信号に基づいて前記ノンリニアプロセッサの動作閾値を通話開始後からある一定時間が経過するまでは前記ノンリニアプロセッサの動作閾値を大きめに設定し、かつ前記一定時間経過後は、前記動作閾値を小さめに設定する動作閾値設定回路とを有することを特徴とする。
【0014】
発明によれば、固定回線網からエコーが回り込んでくる信号の伝送経路と等価な伝送特性を有し、送信側の移動局からの送信信号を通すことにより擬似エコー信号を生成する擬似エコー発生回路と、受信側の移動局からの受信信号から前記擬似エコー信号を減算する減算器と、前記減算器の出力を与えられた入出力特性に基づいた信号レベルにするノンリニアプロセッサと、通話開始時点からある一定時間が経過するまでの時間を計測するタイマ回路と、前記タイマ回路の出力信号に基づいて前記ノンリニアプロセッサの動作閾値を通話開始後からある一定時間が経過するまでは前記ノンリニアプロセッサの動作閾値を大きめに設定し、かつ前記一定時間経過後は、前記動作閾値を小さめに設定する動作閾値設定回路とを有するので、ノンリニアプロセッサの動作閾値を、エコーキャンセラを構成する適応フィルタの非収束時間帯には動作閾値を大きくし、その後は動作閾値を小さく設定することにより、聴覚上、違和感の少ない音声受信が可能になる。また、請求項3に記載の発明では、ノンリニアプロセッサの動作閾値を通話開始後の時間経過により設定しているので、残留エコーを検出するエコーレベル検出回路と、送信側の移動局からの送信信号のレベルを検出する送信レベル検出回路とが不要になり、回路構成が簡単化される、という効果がある。
【0015】
発明は、移動局と、管轄エリアにある複数の移動局に対する回線接続制御を行う基地局とを有する移動通信ネットワークが固定回線網に接続されており、前記基地局に設けられる回線エコーをキャンセルするエコーキャンセラであって、該エコーキャンセラは、前記固定回線網からエコーが回り込んでくる信号の伝送経路と等価な伝送特性を有し、送信側の移動局からの送信信号を通すことにより擬似エコー信号を生成する擬似エコー発生回路と、受信側の移動局からの受信信号から前記擬似エコー信号を減算する減算器と、前記減算器の出力を与えられた入出力特性に基づいた信号レベルにするノンリニアプロセッサと、通話開始時点からある一定時間が経過するまでの時間を計測するタイマ回路と、前記タイマ回路の出力信号に基づいて前記ノンリニアプロセッサの動作閾値を通話開始後からある一定時間が経過するまでは前記ノンリニアプロセッサの動作閾値を大きめに設定し、かつ前記一定時間経過後は、前記ノンリニアプロセッサを非動作状態にする動作閾値設定回路とを有することを特徴とする。
【0016】
発明によれば、固定回線網からエコーが回り込んでくる信号の伝送経路と等価な伝送特性を有し、送信側の移動局からの送信信号を通すことにより擬似エコー信号を生成する擬似エコー発生回路と、受信側の移動局からの受信信号から前記擬似エコー信号を減算する減算器と、前記減算器の出力を与えられた入出力特性に基づいた信号レベルにするノンリニアプロセッサと、通話開始時点からある一定時間が経過するまでの時間を計測するタイマ回路と、前記タイマ回路の出力信号に基づいて前記ノンリニアプロセッサの動作閾値を通話開始後からある一定時間が経過するまでは前記ノンリニアプロセッサの動作閾値を大きめに設定し、かつ前記一定時間経過後は、前記ノンリニアプロセッサを非動作状態にする動作閾値設定回路とを有するので、通話開始時の残留エコーを効率的に除去することができ、聴覚上、違和感の少ない音声受信が可能になる。
【0017】
発明は、移動局と、管轄エリアにある複数の移動局に対する回線接続制御を行う基地局とを有する移動通信ネットワークが固定回線網に接続されており、前記基地局に設けられる回線エコーをキャンセルするエコーキャンセラであって、該エコーキャンセラは、前記固定回線網からエコーが回り込んでくる信号の伝送経路と等価な伝送特性を有し、送信側の移動局からの送信信号を通すことにより擬似エコー信号を生成する擬似エコー発生回路と、受信側の移動局からの受信信号から前記擬似エコー信号を減算する減算器と、前記減算器の出力を与えられた入出力特性に基づいた信号レベルにするノンリニアプロセッサと、前記減算器の出力から残留エコーを検出するエコーレベル検出回路と、前記送信側の移動局からの送信信号のレベルを検出する送信レベル検出回路と、通話開始時点からある一定時間が経過するまでの時間を計測するタイマ回路と、前記タイマ回路の出力信号に基づいて通話開始後からある一定時間が経過するまでは、前記エコーレベル検出回路の出力レベルと送信レベル検出回路の出力レベルとの比をとり、この比と前記ノンリニアプロセッサの動作閾値との比が小さめの値となるように前記ノンリニアプロセッサの動作閾値を設定し、かつ前記一定時間経過後は、前記エコーレベル検出回路の出力レベルと送信レベル検出回路の出力レベルとの比と前記ノンリニアプロセッサの動作閾値との比が大きめの値となるように設定する動作閾値設定回路とを有することを特徴とする。
【0018】
発明によれば、固定回線網からエコーが回り込んでくる信号の伝送経路と等価な伝送特性を有し、送信側の移動局からの送信信号を通すことにより擬似エコー信号を生成する擬似エコー発生回路と、受信側の移動局からの受信信号から前記擬似エコー信号を減算する減算器と、前記減算器の出力を与えられた入出力特性に基づいた信号レベルにするノンリニアプロセッサと、前記減算器の出力から残留エコーを検出するエコーレベル検出回路と、前記送信側の移動局からの送信信号のレベルを検出する送信レベル検出回路と、通話開始時点からある一定時間が経過するまでの時間を計測するタイマ回路と、前記タイマ回路の出力信号に基づいて通話開始後からある一定時間が経過するまでは、前記エコーレベル検出回路の出力レベルと送信レベル検出回路の出力レベルとの比をとり、この比と前記ノンリニアプロセッサの動作閾値との比が小さめの値となるように前記ノンリニアプロセッサの動作閾値を設定し、かつ前記一定時間経過後は、前記エコーレベル検出回路の出力レベルと送信レベル検出回路の出力レベルとの比と前記ノンリニアプロセッサの動作閾値との比が大きめの値となるように設定する動作閾値設定回路とを有するので、ノンリニアプロセッサの動作閾値を、通話開始時のエコーキャンセラを構成する適応フィルタの非収束時間帯(所定時間内)は残留エコーのレベルの変化量に対して大きくし、その後残留エコーのレベルの変化量に対して小さくするようにしたので、通話開始時の残留エコーを効率的に除去することができ、聴覚上、違和感の少ない音声受信が可能になる。
【0019】
発明は、移動局と、管轄エリアにある複数の移動局に対する回線接続制御を行う基地局とを有する移動通信ネットワークが固定回線網に接続されており、前記基地局に設けられる回線エコーをキャンセルするエコーキャンセラであって、該エコーキャンセラは、前記固定回線網からエコーが回り込んでくる信号の伝送経路と等価な伝送特性を有し、送信側の移動局からの送信信号を通すことにより擬似エコー信号を生成する擬似エコー発生回路と、受信側の移動局からの受信信号から前記擬似エコー信号を減算する減算器と、前記減算器の出力を与えられた入出力特性に基づいた信号レベルにするノンリニアプロセッサと、前記減算器の出力から残留エコーを検出するエコーレベル検出回路と、前記送信側の移動局からの送信信号のレベルを検出する送信レベル検出回路と、通話開始時点からある一定時間が経過するまでの時間を計測するタイマ回路と、前記タイマ回路の出力信号に基づいて通話開始後からある一定時間が経過するまでは、前記エコーレベル検出回路の出力レベルと送信レベル検出回路の出力レベルとの比をとり、この比と前記ノンリニアプロセッサの動作閾値との比が小さめの値となるように前記ノンリニアプロセッサの動作閾値を設定し、かつ前記一定時間経過後は、前記ノンリニアプロセッサを非動作状態となるように設定する動作閾値設定回路とを有することを特徴とする。
【0020】
発明によれば、固定回線網からエコーが回り込んでくる信号の伝送経路と等価な伝送特性を有し、送信側の移動局からの送信信号を通すことにより擬似エコー信号を生成する擬似エコー発生回路と、受信側の移動局からの受信信号から前記擬似エコー信号を減算する減算器と、前記減算器の出力を与えられた入出力特性に基づいた信号レベルにするノンリニアプロセッサと、前記減算器の出力から残留エコーを検出するエコーレベル検出回路と、前記送信側の移動局からの送信信号のレベルを検出する送信レベル検出回路と、通話開始時点からある一定時間が経過するまでの時間を計測するタイマ回路と、前記タイマ回路の出力信号に基づいて通話開始後からある一定時間が経過するまでは、前記エコーレベル検出回路の出力レベルと送信レベル検出回路の出力レベルとの比をとり、この比と前記ノンリニアプロセッサの動作閾値との比が小さめの値となるように前記ノンリニアプロセッサの動作閾値を設定し、かつ前記一定時間経過後は、前記ノンリニアプロセッサを非動作状態となるように設定する動作閾値設定回路とを有するので、ノンリニアプロセッサの動作閾値を、通話開始時の非収束時間帯(所定時間内)は残留エコーのレベルの変化量に対して大きくし、その後ノンリニアプロセッサを非動作状態になるようにしたので、通話開始時の残留エコーを効率的に除去することができ、聴覚上、違和感の少ない音声受信が可能になる。
【0021】
発明は、移動局と、管轄エリアにある複数の移動局に対する回線接続制御を行う基地局とを有する移動通信ネットワークが固定回線網に接続されており、前記基地局に設けられる回線エコーをキャンセルするエコーキャンセラであって、該エコーキャンセラは、前記固定回線網からエコーが回り込んでくる信号の伝送経路と等価な伝送特性を有し、送信側の移動局からの送信信号を通すことにより擬似エコー信号を生成する擬似エコー発生回路と、受信側の移動局からの受信信号から前記擬似エコー信号を減算する減算器と、前記減算器の出力を与えられた入出力特性に基づいた信号レベルにするノンリニアプロセッサと、前記減算器の出力から残留エコーを検出するエコーレベル検出回路と、前記送信側の移動局からの送信信号のレベルを検出する送信レベル検出回路と、通話開始時において前記ノンリニアプロセッサの動作閾値を最初に大きめに設定し、かつその後に前記動作閾値を小さめに設定する動作閾値設定回路とを有し、前記動作閾値設定回路は、前記大きめの動作閾値から小さめの動作閾値に切り替える動作を、前記エコーレベル検出回路の出力レベルと送信レベル検出回路の出力レベルとの比をとり、この比と前記ノンリニアプロセッサの動作閾値との比が所定値より小さくなった時点で実行することを特徴とする。
【0022】
発明によれば、固定回線網からエコーが回り込んでくる信号の伝送経路と等価な伝送特性を有し、送信側の移動局からの送信信号を通すことにより擬似エコー信号を生成する擬似エコー発生回路と、受信側の移動局からの受信信号から前記擬似エコー信号を減算する減算器と、前記減算器の出力を与えられた入出力特性に基づいた信号レベルにするノンリニアプロセッサと、前記減算器の出力から残留エコーを検出するエコーレベル検出回路と、前記送信側の移動局からの送信信号のレベルを検出する送信レベル検出回路と、通話開始時において前記ノンリニアプロセッサの動作閾値を最初に大きめに設定し、かつその後に前記動作閾値を小さめに設定する動作閾値設定回路とを有し、前記動作閾値設定回路は、前記大きめの動作閾値から小さめの動作閾値に切り替える動作を、前記エコーレベル検出回路の出力レベルと送信レベル検出回路の出力レベルとの比をとり、この比と前記ノンリニアプロセッサの動作閾値との比が所定値より小さくなった時点で実行するようにしたので、前記所定値を適切に選択することにより、ノンリニアプロセッサの動作閾値を残留エコーのレベルの変化量に対して通話開始時の非収束時間帯(所定時間内)は大きくし、非収束時間帯経過後は小さくなるようにすることができ、したがって、通話開始時の残留エコーを効率的に除去することができ、聴覚上、違和感の少ない音声受信が可能になる。
【0025】
発明は、移動局としての携帯電話機と、管轄エリアにある複数の移動局に対する回線接続制御を行う基地局とを有し、固定回線網に接続された携帯電話システムにおいて、前記基地局には固定回線網からの回線エコーをキャンセルするエコーキャンセラが設けられており、前記エコーキャンセラは、前記固定回線網からエコーが回り込んでくる信号の伝送経路と等価な伝送特性を有し、送信側の移動局からの送信信号を通すことにより擬似エコー信号を生成する擬似エコー発生回路と、受信側の移動局からの受信信号から前記擬似エコー信号を減算する減算器と、前記減算器の出力を与えられた入出力特性に基づいた信号レベルにするノンリニアプロセッサと、前記ノンリニアプロセッサの動作閾値を設定する動作閾値設定回路とを有し、前記移動局は、前記ノンリニアプロセッサの動作閾値を設定する操作手段と、前記操作手段により設定された設定情報を前記基地局に送信する通信手段とを有し、前記動作閾値設定回路は、移動局より受信した前記設定情報に基づいて前記ノンリニアプロセッサの動作閾値を設定することを特徴とする。
【0026】
発明によれば、携帯電話システムにおいて、前記基地局には固定回線網からの回線エコーをキャンセルするエコーキャンセラが設けられており、前記エコーキャンセラは、前記固定回線網からエコーが回り込んでくる信号の伝送経路と等価な伝送特性を有し、送信側の移動局からの送信信号を通すことにより擬似エコー信号を生成する擬似エコー発生回路と、受信側の移動局からの受信信号から前記擬似エコー信号を減算する減算器と、前記減算器の出力を与えられた入出力特性に基づいた信号レベルにするノンリニアプロセッサと、前記ノンリニアプロセッサの動作閾値を設定する動作閾値設定回路とを有し、前記移動局は、前記ノンリニアプロセッサの動作閾値を設定する操作手段と、前記操作手段により設定された設定情報を前記基地局に送信する通信手段とを有し、前記動作閾値設定回路は、移動局より受信した前記設定情報に基づいて前記ノンリニアプロセッサの動作閾値を設定するので、移動局側からエコーキャンセラにおけるノンリニアプロセッサの動作閾値を設定することにより、通話開始時の残留エコーを効率的に除去することができ、聴覚上、違和感の少ない音声受信が可能になる。
【0027】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して詳細に説明する。図1に本発明が適用される通信回線網の構成を示す。同図において移動通信ネットワークAは、公衆回線網等の固定回線網1を介して他の移動通信ネットワークBに接続されている。固定回線網1はアナログ回線網である。移動通信ネットワークA、Bは例えば、携帯電話システムであり、移動局10−1、10−2は携帯電話機である。移動通信ネットワークAは、移動局10−1と、移動局10−1の管轄エリアに設置され、移動局間の回線接続制御を行う基地局(BS)20−1と、基地局20−1を含む複数の基地局を統括的に制御する固定回線網1に接続された制御局(CS)30−1とを有している。移動通信ネットワークAには移動局及び基地局がそれぞれ、複数存在するが、説明の便宜上、1つしか示していない。
【0028】
一方、移動通信ネットワークBは、移動局10−2と、移動局間の回線接続制御を行う基地局(BS)20−2、20−3、…、20−Nと、基地局(BS)20−2、20−3、…、20−Nを統括的に制御する固定回線網に接続された制御局30−2とを有している。基地局20−1、20−2、20−3、…、20−Nにはそれぞれ、エコーキャンセラ200が設けられている。
上記構成において、移動通信ネットワークAの移動局10−1と移動通信ネットワークBの移動局10−2との間で回線が接続され、通話を行うものとする。
【0029】
移動通信ネットワークAの移動局10−1からの音声信号は、基地局20−1、制御局30−1を介して固定回線網1に送信され、更に、固定回線網1から移動通信ネットワークBの制御局30−2、移動局10−2の管轄エリアに設置されている基地局20−3を介して移動局10−2に送信される。ここで、移動局10-1から移動局10−02に送信された音声信号は、固定回線網1の終端点に配置されるハイブリッド回路(4線−2線変換回路)におけるインピーダンスの不整合により回線エコー50が発生する。
【0030】
この回線エコー50は、制御局30−1、基地局20−1を介して送信側である移動局10−1に戻ろうとするが、基地局20−1に設けられたエコーキャンセラ200により消去される。この移動局としての携帯電話機による通話の際に、固定回線網(アナログ回線)1のハイブリッド回路におけるインピーダンス不整合に起因して生じる回線エコーのうち、通話開始時においてエコーキャンセラの適応フィルタが非収束状態下で生じるエコーは、通話音声に大きな影響を与えるが、本発明によれば、後述するエコーキャンセラ200を構成するノンリニアプロセッサを有効に制御することにより、通話開始時におけるエコーを最小限に抑制することができる。
【0031】
次に、図1におけるエコーキャンセラ200の具体的構成を図2に示す。同図において、エコーキャンセラ200は、擬似エコー発生回路201と、減算器202と、送信レベル検出回路203と、エコーレベル検出回路204と、動作閾値設定回路205と、ノンリニアプロセッサ(NLP)206と、伝送経路判定部207とを有している。
また、入力ポート210(Rin)は、送信側の移動局からの話者の音声信号が入力されるポートであり、出力ポート220(Sout)は受信側の移動局または、固定電話機からの話者の音声信号が出力されるポートである。
【0032】
また、出力ポート211(Rout)は、固定回線網1側の回線に接続される受信側の移動局または、固定電話機に対して出力される送信側の移動局からの話者の音声信号が出力される出力ポート、入力ポート221(Sin)は、固定回線網1からの回線エコーを含む受信側の移動局または、固定電話機からの話者の音声信号が入力されるポートである。
【0033】
擬似エコー発生回路201は、適応フィルタを含んで構成され、固定回線網1からエコーが回り込んでくる信号の伝送経路と等価な伝送特性を有するように、適応フィルタの各タップの係数が設定され、送信側の移動局からの送信信号(音声信号)を通すことにより回線エコーを消去するための擬似エコー信号を生成する機能を有する。
また、減算器202は、受信側の移動局からの受信信号から擬似エコー信号を減算することにより上記受信信号に含まれるエコーを消去する機能を有している。
【0034】
送信レベル検出回路203は、送信側の移動局からの送信信号のレベルを検出する機能を有し、エコーレベル検出回路204は、減算器202の出力から残留エコーのレベルを検出する機能を有している。
ノンリニアプロセッサ206は、動作状態では、例えば、図3、図4に示すような動作閾値を有する入出力特性を有しており、入力信号(音声入力信号)が所定のレベル以下の場合には出力レベルを零とし、所定のレベル以上では、入力に比例したレベルの信号を出力する。
【0035】
すなわち、減算器202の出力を与えられた入出力特性に基づいた信号レベルにする機能を有している。但し、ノンリニアプロセッサ206の上述した入出力特性において、従来のエコーキャンセラでは、ノンリニアプロセッサの動作閾値は固定された状態で使用されていたが、本発明に係るエコーキャンセラでは、ノンリニアプロセッサ206の入出力特性における動作閾値は、動作閾値設定回路205により変更可能に設定されるようになっている。
また、ノンリニアプロセッサ206は、非動作状態では、入力信号をそのまま出力するスルー状態となる。
【0036】
動作閾値設定回路205は、ノンリニアプロセッサ206の動作閾値をエコーレベル検出回路204の検出出力のレベル、すなわち残留エコーのレベルに応じて動的に設定する機能を有している。
伝送経路判定部207は、通話する端末間の伝送経路が完全なディジタルパスであるか否かを検出する機能を有する。具体的には、固定回線網1における交換機が上記通話する端末間の伝送経路がすべてディジタルパスで構成されているか否かの情報を通知する機能を持たせておき、このパス情報を伝送経路判定部207が受け取り、このパス情報に基づいて上記伝送経路が完全なディジタルパスであるか否かを検出する機能を有している。
【0037】
上記構成において、移動通信ネットワークAの移動局10−1の話者からの音声信号がエコーキャンセラ200の入力ポート210から制御局30−1側に接続されている出力ポート211に出力されると共に、送信レベル検出回路203及び擬似エコー発生回路201に入力される。
擬似エコー発生回路201では、固定回線網1からエコーが回り込んでくる信号の伝送経路と等価な伝送特性を有するように、適応フィルタの各タップの係数が設定され、送信側の移動局10−1からの送信信号(音声信号)を通すことにより回線エコーを消去するための擬似エコー信号を生成し、減算器202に出力する。
【0038】
また、入力ポート221からは、受信側の移動局10−2からの受信信号が入力され、減算器202では、受信側の移動局10−2からの受信信号から擬似エコー信号を減算することにより上記受信信号に含まれるエコーを消去する。しかし、通話開始時から擬似エコー発生回路201を構成する適応フィルタの各タップの係数が収束するまでにはある程度の時間が必要であるために、通話開始直後では、上記適応フィルタの非収束時間帯において減算器202の出力である音声信号に残留エコーが含まれることとなる。
【0039】
受信側の移動局10−2からの残留エコーが含まれた受信信号はエコーレベル検出回路204及びノンリニアプロセッサ206に出力される。
一方、送信レベル検出回路203には、移動局10−1の話者からの音声信号(送信信号)が入力され、送信レベル検出回路203は、この送信信号のレベルを検出し、この検出信号を動作閾値設定回路205に出力する。
エコーレベル検出回路204は、減算器202の出力信号に含まれる残留エコーのレベルを検出し、この検出信号を動作閾値設定回路205に出力する。
【0040】
伝送経路判定部207は、固定回線網1の図示してない交換機よりであるか否かを示すパス情報を受け取る。本実施の形態では、固定回線網1がアナログ回線網であるので、完全なディジタルパスではないことを示すパス情報を固定回線網1の交換機より受け取り、移動局10−1と移動局10−2との間の伝送経路が完全なディジタルパスでないことを示す情報を動作閾値設定回路205に出力する。
【0041】
ここで、動作閾値設定回路205は、移動局10−1と移動局10−2との間の伝送経路が完全なディジタルパスである場合、例えば、固定回線網がISDN等のディジタル回線網である場合には移動通信ネットワークA,Bがディジタル回線網であるために移動局10−1と移動局10−2との間の伝送経路が完全なディジタルパスとなり、回線エコーは発生しない。したがって、この場合にはノンリニアプロセッサ206の閾値設定に関する制御を停止し、かつノンリニアプロセッサ206を非動作状態にする。これによりエコーキャンセラの不要な制御動作を無くすことができる。
【0042】
さて、伝送経路判定部207より移動局10−1と移動局10−2との間の伝送経路が完全なディジタルパスでないことを示す情報を受けた動作閾値設定回路205は、エコーレベル検出回路204の検出出力、すなわち残留エコーのレベルに応じてノンリニアプロセッサ206入出力特性における動作閾値を設定する。
具体的には、動作閾値設定回路205は、エコーレベル検出回路204の出力レベルと送信レベル検出回路203の出力レベルとの比をとり、この比とノンリニアプロセッサ206の動作閾値とが比例関係となるようにノンリニアプロセッサ206の動作閾値を動的に設定する。
【0043】
これにより、検出される残留エコーのレベルに応じて残留エコーのレベルが大きい場合には大きく、残留エコーのレベルが小さい場合には小さくなるように入出力特性における動作閾値が設定されるようにノンリニアプロセッサ206が制御され、送信側の移動局10−1に対して残留エコーを最小限に抑制した音声信号が出力ポート220より出力される。
【0044】
このように、本実施の形態によれば、動作閾値設定回路205は、エコーレベル検出回路204の出力レベルと送信レベル検出回路203の出力レベルとの比をとり、この比とノンリニアプロセッサ206の動作閾値とが比例関係となるようにノンリニアプロセッサ206の動作閾値を動的に設定するので、通話開始時における残留エコーを効率的に除去することができ、聴覚上、違和感の少ない音声受信が可能になる。
【0045】
また、エコーキャンセラ200の他の実施形態として、図5に示すように、通話開始時点から所定時間経過するまでの時間を計測するタイマ回路300を設け、動作閾値設定回路205に、このタイマ回路300の出力信号に基づいてノンリニアプロセッサ206の入出力特性における動作閾値を設定する機能を持たせるようにしてもよい。すなわち、動作閾値設定回路205が、タイマ回路300の出力信号に基づいてノンリニアプロセッサ206の動作閾値を図6に示すように、通話開始後(時刻t0後)からある一定時間Δtが経過するまでは大きめ(Vth1)に設定し、かつ上記一定時間経過後(時刻tn後)は、動作閾値を小さめ(Vth2<Vth1)に設定するようにしてもよい。なお、図5に示すエコーキャンセラの腰部の構成は、タイマ回路300が付加された以外は図2に示した構成と同一である。
【0046】
このように、本実施の形態によれば、ノンリニアプロセッサ206の動作閾値を、エコーキャンセラ200を構成する適応フィルタの非収束時間帯には動作閾値を大きくし、その後は動作閾値を小さく設定することにより、聴覚上、違和感の少ない音声受信が可能になる。
また、ノンリニアプロセッサ206の動作閾値を通話開始後の時間経過により設定しているので、残留エコーを検出するエコーレベル検出回路204と、送信側の移動局からの送信信号のレベルを検出する送信レベル検出回路203とを省略することができ、回路構成が簡単化される、という効果もある。
【0047】
また、動作閾値設定回路205に、タイマ回路300の出力信号に基づいてノンリニアプロセッサ206の動作閾値を、通話開始後(時刻t0後)からある一定時間Δtが経過するまでは大きめ(Vth1)に設定し、かつ上記一定時間経過後(時刻tn後)は、ノンリニアプロセッサ206を非動作状態にする機能を持たせるようにしてもよい。この場合にはノンリニアプロセッサ206の動作閾値の設定は1つで済む。
【0048】
このように、ノンリニアプロセッサ206の動作閾値を、通話開始後からある一定時間が経過するまでは大きめに設定し、かつ上記一定時間経過後は、ノンリニアプロセッサ206を非動作状態にすることによっても、通話開始時の残留エコーを効率的に除去することができ、聴覚上、違和感の少ない音声受信が可能になる。
【0049】
また、動作閾値設定回路205に、図5に示すように、タイマ回路300の出力信号に基づいて通話開始後からある一定時間が経過するまでは、エコーレベル検出回路204の出力レベルと送信レベル検出回路203の出力レベルとの比をとり、この比とノンリニアプロセッサ206の動作閾値との比が小さめの値となるようにノンリニアプロセッサ206の動作閾値を設定し、かつ上記一定時間経過後は、エコーレベル検出回路204の出力レベルと送信レベル検出回路203の出力レベルとの比と、ノンリニアプロセッサ206の動作閾値との比が大きめの値となるように設定する機能を持たせるようにしてもよい。
【0050】
すなわち、ノンリニアプロセッサの動作閾値を、通話開始時のエコーキャンセラを構成する適応フィルタの非収束時間帯(所定時間内)は残留エコーのレベルの変化量に対して大きくし、その後残留エコーのレベルの変化量に対して小さくするようにしてもよい。
このようにすることにより、通話開始時の残留エコーを効率的に除去することができ、聴覚上、違和感の少ない音声受信が可能になる。
【0051】
また、動作閾値設定回路205に、タイマ回路300の出力信号に基づいて通話開始後からある一定時間が経過するまでは、エコーレベル検出回路204の出力レベルと送信レベル検出回路203の出力レベルとの比をとり、この比とノンリニアプロセッサ206の動作閾値との比が小さめの値となるようにノンリニアプロセッサ206の動作閾値を設定し、かつ一定時間経過後は、ノンリニアプロセッサ206を非動作状態となるように設定する機能を持たせるようにしてもよい。
【0052】
すなわち、ノンリニアプロセッサ206の動作閾値を、通話開始時の非収束時間帯(所定時間内)は残留エコーのレベルの変化量に対して大きくし、その後ノンリニアプロセッサ206を非動作状態になるようにしてもよい。
このようにすることにより、通話開始時の残留エコーを効率的に除去することができ、聴覚上、違和感の少ない音声受信が可能になる。
【0053】
また、動作閾値設定回路205に、通話開始時においてノンリニアプロセッサ206の動作閾値を最初に大きめに設定し、かつその後に前記動作閾値を小さめに設定する際に前記大きめの動作閾値から小さめの動作閾値に切り替える動作を、エコーレベル検出回路204の出力レベルと送信レベル検出回路203の出力レベルとの比をとり、この比とノンリニアプロセッサ206の動作閾値との比が所定値より小さくなった時点で実行する機能を持たせてもよい。
【0054】
上記所定値を適切に選択することにより、ノンリニアプロセッサ206の動作閾値を残留エコーのレベルの変化量に対して通話開始時の非収束時間帯(所定時間内)は大きくし、非収束時間帯経過後は小さくなるようにすることができ、したがって、通話開始時の残留エコーを効率的に除去することができ、聴覚上、違和感の少ない音声受信が可能になる。
【0055】
なお、携帯電話システムにおいて、前記基地局には固定回線網からの回線エコーをキャンセルするエコーキャンセラが設けられており、エコーキャンセラは、前記固定回線網からエコーが回り込んでくる信号の伝送経路と等価な伝送特性を有し、送信側の移動局からの送信信号を通すことにより擬似エコー信号を生成する擬似エコー発生回路と、受信側の移動局からの受信信号から前記擬似エコー信号を減算する減算器と、前記減算器の出力を与えられた入出力特性に基づいた信号レベルにするノンリニアプロセッサと、前記ノンリニアプロセッサの動作閾値を設定する動作閾値設定回路とを有する場合において、前記移動局に、前記ノンリニアプロセッサの動作閾値を設定する操作手段と、該操作手段により設定された設定情報を前記基地局に送信する通信手段とを設け、前記動作閾値設定回路は、移動局より受信した前記設定情報に基づいて前記ノンリニアプロセッサの動作閾値を設定するように構成してもよい。
【0056】
このように構成することにより、移動局側からエコーキャンセラにおけるノンリニアプロセッサの動作閾値を設定することにより、通話開始時の残留エコーを効率的に除去することができ、聴覚上、違和感の少ない音声受信が可能になる。
【0057】
【発明の効果】
以上に説明したように、発明によれば、固定回線網からエコーが回り込んでくる信号の伝送経路と等価な伝送特性を有し、送信側の移動局からの送信信号を通すことにより擬似エコー信号を生成する擬似エコー発生回路と、受信側の移動局からの受信信号から前記擬似エコー信号を減算する減算器と、前記減算器の出力から残留エコーを検出するエコーレベル検出回路と、前記減算器の出力を与えられた入出力特性に基づいた信号レベルにするノンリニアプロセッサと、前記ノンリニアプロセッサの動作閾値を前記エコーレベル検出回路の検出出力のレベルに応じて設定する動作閾値設定回路とを有するので、ノンリニアプロセッサ動作閾値を残留エコーのレベルに応じて動的に制御することができ、聴覚上、違和感の少ない音声受信が可能になる。
【0059】
発明によれば、固定回線網からエコーが回り込んでくる信号の伝送経路と等価な伝送特性を有し、送信側の移動局からの送信信号を通すことにより擬似エコー信号を生成する擬似エコー発生回路と、受信側の移動局からの受信信号から前記擬似エコー信号を減算する減算器と、前記減算器の出力を与えられた入出力特性に基づいた信号レベルにするノンリニアプロセッサと、通話開始時点からある一定時間が経過するまでの時間を計測するタイマ回路と、前記タイマ回路の出力信号に基づいて前記ノンリニアプロセッサの動作閾値を通話開始後からある一定時間が経過するまでは前記ノンリニアプロセッサの動作閾値を大きめに設定し、かつ前記一定時間経過後は、前記動作閾値を小さめに設定する動作閾値設定回路とを有するので、ノンリニアプロセッサの動作閾値をエコーキャンセラを構成する適応フィルタの非収束時間帯には動作閾値を大きくし、その後は動作閾値を小さく設定することにより、聴覚上、違和感の少ない音声受信が可能になる。
【0060】
発明では、ノンリニアプロセッサの動作閾値を通話開始後の時間経過により設定しているので、残留エコーを検出するエコーレベル検出回路と、送信側の移動局からの送信信号のレベルを検出する送信レベル検出回路とが不要になり、回路構成が簡単化される、という効果がある。
【0061】
発明によれば、固定回線網からエコーが回り込んでくる信号の伝送経路と等価な伝送特性を有し、送信側の移動局からの送信信号を通すことにより擬似エコー信号を生成する擬似エコー発生回路と、受信側の移動局からの受信信号から前記擬似エコー信号を減算する減算器と、前記減算器の出力を与えられた入出力特性に基づいた信号レベルにするノンリニアプロセッサと、通話開始時点からある一定時間が経過するまでの時間を計測するタイマ回路と、前記タイマ回路の出力信号に基づいて前記ノンリニアプロセッサの動作閾値を通話開始後からある一定時間が経過するまでは前記ノンリニアプロセッサの動作閾値を大きめに設定し、かつ前記一定時間経過後は、前記ノンリニアプロセッサを非動作状態にする動作閾値設定回路とを有するので、通話開始時の残留エコーを効率的に除去することができ、聴覚上、違和感の少ない音声受信が可能になる。
【0062】
発明によれば、固定回線網からエコーが回り込んでくる信号の伝送経路と等価な伝送特性を有し、送信側の移動局からの送信信号を通すことにより擬似エコー信号を生成する擬似エコー発生回路と、受信側の移動局からの受信信号から前記擬似エコー信号を減算する減算器と、前記減算器の出力を与えられた入出力特性に基づいた信号レベルにするノンリニアプロセッサと、前記減算器の出力から残留エコーを検出するエコーレベル検出回路と、前記送信側の移動局からの送信信号のレベルを検出する送信レベル検出回路と、通話開始時点からある一定時間が経過するまでの時間を計測するタイマ回路と、前記タイマ回路の出力信号に基づいて通話開始後からある一定時間が経過するまでは、前記エコーレベル検出回路の出力レベルと送信レベル検出回路の出力レベルとの比をとり、この比と前記ノンリニアプロセッサの動作閾値との比が小さめの値となるように前記ノンリニアプロセッサの動作閾値を設定し、かつ前記一定時間経過後は、前記エコーレベル検出回路の出力レベルと送信レベル検出回路の出力レベルとの比と前記ノンリニアプロセッサの動作閾値との比が大きめの値となるように設定する動作閾値設定回路とを有するので、ノンリニアプロセッサの動作閾値を、通話開始時のエコーキャンセラを構成する適応フィルタの非収束時間帯(所定時間内)は残留エコーのレベルの変化量に対して大きくし、その後残留エコーのレベルの変化量に対して小さくするようにしたので、通話開始時の残留エコーを効率的に除去することができ、聴覚上、違和感の少ない音声受信が可能になる。
【0063】
発明によれば、固定回線網からエコーが回り込んでくる信号の伝送経路と等価な伝送特性を有し、送信側の移動局からの送信信号を通すことにより擬似エコー信号を生成する擬似エコー発生回路と、受信側の移動局からの受信信号から前記擬似エコー信号を減算する減算器と、前記減算器の出力を与えられた入出力特性に基づいた信号レベルにするノンリニアプロセッサと、前記減算器の出力から残留エコーを検出するエコーレベル検出回路と、前記送信側の移動局からの送信信号のレベルを検出する送信レベル検出回路と、通話開始時点からある一定時間が経過するまでの時間を計測するタイマ回路と、前記タイマ回路の出力信号に基づいて通話開始後からある一定時間が経過するまでは、前記エコーレベル検出回路の出力レベルと送信レベル検出回路の出力レベルとの比をとり、この比と前記ノンリニアプロセッサの動作閾値との比が小さめの値となるように前記ノンリニアプロセッサの動作閾値を設定し、かつ前記一定時間経過後は、前記ノンリニアプロセッサを非動作状態となるように設定する動作閾値設定回路とを有するので、ノンリニアプロセッサの動作閾値を、通話開始時の非収束時間帯(所定時間内)は残留エコーのレベルの変化量に対して大きくし、その後ノンリニアプロセッサを非動作状態になるようにしたので、通話開始時の残留エコーを効率的に除去することができ、聴覚上、違和感の少ない音声受信が可能になる。
【0064】
発明によれば、固定回線網からエコーが回り込んでくる信号の伝送経路と等価な伝送特性を有し、送信側の移動局からの送信信号を通すことにより擬似エコー信号を生成する擬似エコー発生回路と、受信側の移動局からの受信信号から前記擬似エコー信号を減算する減算器と、前記減算器の出力を与えられた入出力特性に基づいた信号レベルにするノンリニアプロセッサと、前記減算器の出力から残留エコーを検出するエコーレベル検出回路と、前記送信側の移動局からの送信信号のレベルを検出する送信レベル検出回路と、通話開始時において前記ノンリニアプロセッサの動作閾値を最初に大きめに設定し、かつその後に前記動作閾値を小さめに設定する動作閾値設定回路とを有し、前記動作閾値設定回路は、前記大きめの動作閾値から小さめの動作閾値に切り替える動作を、前記エコーレベル検出回路の出力レベルと送信レベル検出回路の出力レベルとの比をとり、この比と前記ノンリニアプロセッサの動作閾値との比が所定値より小さくなった時点で実行するようにしたので、前記所定値を適切に選択することにより、ノンリニアプロセッサの動作閾値を残留エコーのレベルの変化量に対して通話開始時の非収束時間帯(所定時間内)は大きくし、非収束時間帯経過後は小さくなるようにすることができ、したがって、通話開始時の残留エコーを効率的に除去することができ、聴覚上、違和感の少ない音声受信が可能になる。
【0066】
発明によれば、携帯電話システムにおいて、前記基地局には固定回線網からの回線エコーをキャンセルするエコーキャンセラが設けられており、前記エコーキャンセラは、前記固定回線網からエコーが回り込んでくる信号の伝送経路と等価な伝送特性を有し、送信側の移動局からの送信信号を通すことにより擬似エコー信号を生成する擬似エコー発生回路と、受信側の移動局からの受信信号から前記擬似エコー信号を減算する減算器と、前記減算器の出力を与えられた入出力特性に基づいた信号レベルにするノンリニアプロセッサと、前記ノンリニアプロセッサの動作閾値を設定する動作閾値設定回路とを有し、前記移動局は、前記ノンリニアプロセッサの動作閾値を設定する操作手段と、前記操作手段により設定された設定情報を前記基地局に送信する通信手段とを有し、前記動作閾値設定回路は、移動局より受信した前記設定情報に基づいて前記ノンリニアプロセッサの動作閾値を設定するので、移動局側からエコーキャンセラにおけるノンリニアプロセッサの動作閾値を設定することにより、通話開始時の残留エコーを効率的に除去することができ、聴覚上、違和感の少ない音声受信が可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明が適用される通信回線網の構成を示す図。
【図2】 本発明の実施の形態に係るエコーキャンセラの構成を示すブロック図。
【図3】 エコーキャンセラにおけるノンリニアプロセッサの入出力特性の一例を示す特性図。
【図4】 エコーキャンセラにおけるノンリニアプロセッサの入出力特性の他の例を示す特性図。
【図5】 本発明の他の実施の形態に係るエコーキャンセラの要部の構成を示すブロック図。
【図6】 本発明の実施の形態に係るエコーキャンセラにおける動作閾値設定回路の制御特性の一例を示す図。
【図7】 従来のエコーキャンセラの構成を示すブロック図。
【符号の説明】
1 固定回線網
10−1、10−2 移動局
20−1〜20−N 基地局
30−1、30−2 制御局
200 エコーキャンセラ
201 擬似エコー発生回路
202 減算器
203 送信レベル検出回路
204 エコーレベル検出回路
205 動作閾値設定回路
206 ノンリニアプロセッサ(NLP)
207 伝送経路判定部

Claims (7)

  1. 移動局と、管轄エリアにある複数の移動局に対する回線接続制御を行う基地局とを有する移動通信ネットワークが固定回線網に接続されており、前記基地局に設けられる回線エコーをキャンセルするエコーキャンセラであって、
    該エコーキャンセラは、前記固定回線網からエコーが回り込んでくる信号の伝送経路と等価な伝送特性を有し、送信側の移動局からの送信信号を通すことにより擬似エコー信号を生成する擬似エコー発生回路と、受信側の移動局からの受信信号から前記擬似エコー信号を減算する減算器と、前記減算器の出力から残留エコーを検出するエコーレベル検出回路と、前記減算器の出力を与えられた入出力特性に基づいた信号レベルにするノンリニアプロセッサと、前記ノンリニアプロセッサの動作閾値を前記エコーレベル検出回路の検出出力のレベルに応じて設定する動作閾値設定回路と、前記送信側の移動局からの送信信号のレベルを検出する送信レベル検出回路を有し、前記動作閾値設定回路は、前記エコーレベル検出回路の出力レベルと送信レベル検出回路の出力レベルとの比をとり、この比と前記ノンリニアプロセッサの動作閾値とが比例関係となるように前記ノンリニアプロセッサの動作閾値を動的に設定する
    ことを特徴とするエコーキャンセラ。
  2. 移動局と、管轄エリアにある複数の移動局に対する回線接続制御を行う基地局とを有する移動通信ネットワークが固定回線網に接続されており、前記基地局に設けられる回線エコーをキャンセルするエコーキャンセラであって、該エコーキャンセラは、前記固定回線網からエコーが回り込んでくる信号の伝送経路と等価な伝送特性を有し、送信側の移動局からの送信信号を通すことにより擬似エコー信号を生成する擬似エコー発生回路と、受信側の移動局からの受信信号から前記擬似エコー信号を減算する減算器と、前記減算器の出力を与えられた入出力特性に基づいた信号レベルにするノンリニアプロセッサと、通話開始時点からある一定時間が経過するまでの時間を計測するタイマ回路と、前記タイマ回路の出力信号に基づいて前記ノンリニアプロセッサの動作閾値を通話開始後からある一定時間が経過するまでは前記ノンリニアプロセッサの動作閾値を大きめに設定し、かつ前記一定時間経過後は、前記動作閾値を小さめに設定する動作閾値設定回路と、を有することを特徴とするエコーキャンセラ。
  3. 移動局と、管轄エリアにある複数の移動局に対する回線接続制御を行う基地局とを有する移動通信ネットワークが固定回線網に接続されており、前記基地局に設けられる回線エコーをキャンセルするエコーキャンセラであって、該エコーキャンセラは、前記固定回線網からエコーが回り込んでくる信号の伝送経路と等価な伝送特性を有し、送信側の移動局からの送信信号を通すことにより擬似エコー信号を生成する擬似エコー発生回路と、受信側の移動局からの受信信号から前記擬似エコー信号を減算する減算器と、前記減算器の出力を与えられた入出力特性に基づいた信号レベルにするノンリニアプロセッサと、通話開始時点からある一定時間が経過するまでの時間を計測するタイマ回路と、前記タイマ回路の出力信号に基づいて前記ノンリニアプロセッサの動作閾値を通話開始後からある一定時間が経過するまでは前記ノンリニアプロセッサの動作閾値を大きめに設定し、かつ前記一定時間経過後は、前記ノンリニアプロセッサを非動作状態にする動作閾値設定回路と、を有することを特徴とするエコーキャンセラ。
  4. 移動局と、管轄エリアにある複数の移動局に対する回線接続制御を行う基地局とを有する移動通信ネットワークが固定回線網に接続されており、前記基地局に設けられる回線エコーをキャンセルするエコーキャンセラであって、該エコーキャンセラは、前記固定回線網からエコーが回り込んでくる信号の伝送経路と等価な伝送特性を有し、送信側の移動局からの送信信号を通すことにより擬似エコー信号を生成する擬似エコー発生回路と、受信側の移動局からの受信信号から前記擬似エコー信号を減算する減算器と、前記減算器の出力を与えられた入出力特性に基づいた信号レベルにするノンリニアプロセッサと、前記減算器の出力から残留エコーを検出するエコーレベル検出回路と、前記送信側の移動局からの送信信号のレベルを検出する送信レベル検出回路と、通話開始時点からある一定時間が経過するまでの時間を計測するタイマ回路と、前記タイマ回路の出力信号に基づいて通話開始後からある一定時間が経過するまでは、前記エコーレベル検出回路の出力レベルと送信レベル検出回路の出力レベルとの比をとり、この比と前記ノンリニアプロセッサの動作閾値との比が小さめの値となるように前記ノンリニアプロセッサの動作閾値を設定し、かつ前記一定時間経過後は、前記エコーレベル検出回路の出力レベルと送信レベル検出回路の出力レベルとの比と前記ノンリニアプロセッサの動作閾値との比が大きめの値となるように設定する動作閾値設定回路と、を有することを特徴とするエコーキャンセラ。
  5. 移動局と、管轄エリアにある複数の移動局に対する回線接続制御を行う基地局とを有する移動通信ネットワークが固定回線網に接続されており、前記基地局に設けられる回線エコーをキャンセルするエコーキャンセラであって、該エコーキャンセラは、前記固定回線網からエコーが回り込んでくる信号の伝送経路と等価な伝送特性を有し、送信側の移動局からの送信信号を通すことにより擬似エコー信号を生成する擬似エコー発生回路と、受信側の移動局からの受信信号から前記擬似エコー信号を減算する減算器と、前記減算器の出力を与えられた入出力特性に基づいた信号レベルにするノンリニアプロセッサと、前記減算器の出力から残留エコーを検出するエコーレベル検出回路と、前記送信側の移動局からの送信信号のレベルを検出する送信レベル検出回路と、通話開始時点からある一定時間が経過するまでの時間を計測するタイマ回路と、前記タイマ回路の出力信号に基づいて通話開始後からある一定時間が経過するまでは、前記エコーレベル検出回路の出力レベルと送信レベル検出回路の出力レベルとの比をとり、この比と前記ノンリニアプロセッサの動作閾値との比が小さめの値となるように前記ノンリニアプロセッサの動作閾値を設定し、かつ前記一定時間経過後は、前記ノンリニアプロセッサを非動作状態となるように設定する動作閾値設定回路と、を有することを特徴とするエコーキャンセラ。
  6. 移動局と、管轄エリアにある複数の移動局に対する回線接続制御を行う基地局とを有する移動通信ネットワークが固定回線網に接続されており、前記基地局に設けられる回線エコーをキャンセルするエコーキャンセラであって、該エコーキャンセラは、前記固定回線網からエコーが回り込んでくる信号の伝送経路と等価な伝送特性を有し、送信側の移動局からの送信信号を通すことにより擬似エコー信号を生成する擬似エコー発生回路と、受信側の移動局からの受信信号から前記擬似エコー信号を減算する減算器と、前記減算器の出力を与えられた入出力特性に基づいた信号レベルにするノンリニアプロセッサと、前記減算器の出力から残留エコーを検出するエコーレベル検出回路と、前記送信側の移動局からの送信信号のレベルを検出する送信レベル検出回路と、通話開始時において前記ノンリニアプロセッサの動作閾値を最初に大きめに設定し、かつその後に前記動作閾値を小さめに設定する動作閾値設定回路と、を有し、前記動作閾値設定回路は、前記大きめの動作閾値から小さめの動作閾値に切り替える動作を、前記エコーレベル検出回路の出力レベルと送信レベル検出回路の出力レベルとの比をとり、この比と前記ノンリニアプロセッサの動作閾値との比が所定値より小さくなった時点で実行することを特徴とするエコーキャンセラ。
  7. 移動局としての携帯電話機と、管轄エリアにある複数の移動局に対する回線接続制御を行う基地局とを有し、固定回線網に接続された携帯電話システムにおいて、前記基地局には固定回線網からの回線エコーをキャンセルするエコーキャンセラが設けられており、前記エコーキャンセラは、前記固定回線網からエコーが回り込んでくる信号の伝送経路と等価な伝送特性を有し、送信側の移動局からの送信信号を通すことにより擬似エコー信号を生成する擬似エコー発生回路と、受信側の移動局からの受信信号から前記擬似エコー信号を減算する減算器と、前記減算器の出力を与えられた入出力特性に基づいた信号レベルにするノンリニアプロセッサと、前記ノンリニアプロセッサの動作閾値を設定する動作閾値設定回路とを有し、前記移動局は、前記ノンリニアプロセッサの動作閾値を設定する操作手段と、前記操作手段により設定された設定情報を前記基地局に送信する通信手段とを有し、前記動作閾値設定回路は、移動局より受信した前記設定情報に基づいて前記ノンリニアプロセッサの動作閾値を設定することを特徴とする携帯電話システム。
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