JP4500093B2 - 減価型電子通貨システム、電子通貨管理装置、及び支払装置用プログラム - Google Patents

減価型電子通貨システム、電子通貨管理装置、及び支払装置用プログラム Download PDF

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Description

本発明は、電子通貨の価値を減価させる減価型電子通貨システムに関する。
近年、消費者が現金を持ち歩くことなく商品の購入を行い、サービスの提供を受けることを可能とした電子通貨(電子マネー)への需要が高まっている。電子通貨を使用することにより、現金の受渡しという煩雑な手間を簡素化することができ、現金を使用する場合の多くの弊害、例えば現金の盗難、破損、紛失等の諸問題を解消することができる。このように、電子通貨は消費者にとって、今後の消費活動に欠くことができない媒体物である。
生方幸夫著、「図解60分でわかる電子マネー」,PHP研究所,1996年 石井孝利著、「図解電子マネー」,東洋経済新報社,1996年
しかしながら、電子通貨においては、以下のような問題点も指摘される。
(1)電子通貨、特に電子通貨の中でも法定通貨ではなく、特定のコミュニティの中で通用する地域通貨に関しては、一部の人に通貨が滞留する傾向があり、電子通貨の普及阻害要因となっている。
(2)経済の活性化という観点でも、死蔵している電子通貨を掘り起こして、電子通貨を流通させる仕組みが求められている。
(3)減価する通貨(通貨が退蔵せず、流通するという性質を有する)という考えは以前から提唱されているが、この仕組みを反映した現実的かつ利便性に富んだ電子通貨システムは、実現に至っていない。
本発明は、上記の事情を鑑みてなされたものであり、電子通貨の流通を促進させ、経済の活性化をもたらすとともに、利用者に利便性高い減価型電子通貨システム、電子通貨管理装置、支払装置用プログラム、及び電子通貨記録装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、請求項1記載の本発明は、所定の記録装置に記憶された電子通貨の支払処理を行う支払装置と、該支払装置と通信ネットワークを介して相互に通信可能であり、前記電子通貨の保有期間に応じて貨幣価値を減価させる電子通貨管理装置と、を備える減価型電子通貨システムであって、前記支払装置は、前記記録装置に記憶された利用者識別情報、電子通貨額、及び電子通貨の有効期限を電子通貨情報として取得する電子通貨情報取得手段と、電子通貨の支払処理時点が、取得した電子通貨の有効期限内であるか否かを判断する有効期限判断手段と、有効期限内であると判断した場合には、取得した電子通貨額から支払額を差し引いた額を前記記録装置の電子通貨額に反映する手段と、有効期限内でないと判断した場合には、取得した電子通貨情報を前記電子通貨管理装置に送信する電子通貨情報送信手段と、前記電子通貨管理装置から送信された、減価された電子通貨額及び更新された有効期限をそれぞれ前記記録装置の電子通貨額及び有効期限に反映する手段と、を有し、前記電子通貨管理装置は、前記利用者識別情報ごとに、減価させる時期に関する情報を記憶する利用者管理情報記憶手段と、前記支払装置から前記電子通貨情報を送信されたときは、該電子通貨情報の利用者識別情報に基づいて、前記利用者管理情報記憶手段から前記減価させる時期に関する情報を取得し、該減価させる時期及び予め定められた減価率に関する情報に基づいて前記電子通貨情報の電子通貨額を減価させるとともに、該減価させる時期に合わせて前記電子通貨情報の有効期限を更新する第1の減価手段と、減価された電子通貨額及び更新された有効期限を前記支払装置に送信する減価情報送信手段と、を有し、前記利用者管理情報記憶手段は、前記利用者識別情報ごとに、前記記録装置内に所有する電子通貨額(第1の電子通貨額)、並びに、当該電子通貨管理装置内に所有する電子通貨額であって、前記第1の電子通貨額の増額に伴い減額される電子通貨額(第2の電子通貨額)を記憶しており、前記電子通貨管理装置は、前記減価させる時期及び前記減価率に関する情報に基づいて、前記第の電子通貨額を減価させ、前記利用者管理情報記憶手段に反映する第2の減価手段を有し、前記第1の減価手段は、前記第の電子通貨額を前記減価された電子通貨額と同額に減価させ、前記利用者管理情報記憶手段に反映することを特徴とする。
請求項2記載の本発明は、請求項1記載の発明において、前記支払装置は、前記支払処理における支払額を前記利用者識別情報ごとに決済情報として記憶する決済情報記憶手段と、前記決済情報を前記電子通貨管理装置に適宜送信する決済情報送信手段と、を有し、前記電子通貨管理装置は、送信された決済情報を、該決済情報の利用者識別情報に従って、前記利用者管理情報記憶手段の前記第の電子通貨額に反映する決済情報反映手段を有することを特徴とする。
請求項記載の本発明は、請求項1又は2に記載の発明において、前記減価させる時期は、暦月に基づいて設定されるとともに、所定の保有期間経過後に、電子通貨額を減価させることを特徴とする。
請求項4記載の本発明は、所定の記録装置に記憶された電子通貨の支払処理を行う支払装置と通信ネットワークを介して相互に通信可能であり前記電子通貨の保有期間に応じて貨幣価値を減価させる電子通貨管理装置であって、前記支払装置は、前記電子通貨管理装置から送信された電子通貨額及び有効期限をそれぞれ前記記録装置の電子通貨額及び有効期限に反映するものであり、前記電子通貨管理装置は、利用者識別情報ごとに、減価させる時期に関する情報を記憶する利用者管理情報記憶手段と、前記支払装置から、前記記録装置に記憶された利用者識別情報、電子通貨額、及び電子通貨の有効期限を電子通貨情報として受信すると、該電子通貨情報の利用者識別情報に基づいて、前記利用者管理情報記憶手段から前記減価させる時期に関する情報を取得し、該減価させる時期及び予め定められた減価率に関する情報に基づいて前記電子通貨情報の電子通貨額を減価させるとともに、該減価させる時期に合わせて前記電子通貨情報の有効期限を更新する第1の減価手段と、減価された電子通貨額及び更新された有効期限を前記支払装置に送信する減価情報送信手段と、を有し、前記利用者管理情報記憶手段は、前記利用者識別情報ごとに、前記記録装置内に所有する電子通貨額(第1の電子通貨額)、並びに、当該電子通貨管理装置内に所有する電子通貨額であって、前記第1の電子通貨額の増額に伴い減額される電子通貨額(第2の電子通貨額)を記憶しており、前記減価させる時期及び前記減価率に関する情報に基づいて、前記第2の電子通貨額を減価させ、前記利用者管理情報記憶手段に反映する第2の減価手段を有し、前記第1の減価手段は、前記第1の電子通貨額を前記減価された電子通貨額と同額に減価させ、前記利用者管理情報記憶手段に反映することを特徴とする。
請求項5記載の本発明は、請求項4記載の発明において、前記支払処理における支払額を前記利用者識別情報ごとに決済情報として記憶する前記支払装置から、送信された前記決済情報を前記利用者識別情報に従って、前記利用者管理情報記憶手段の前記第1の電子通貨額に反映する決済情報反映手段を有することを特徴とする。
請求項記載の本発明は、請求項4又は5に記載の発明において、前記減価させる時期は、暦月に基づいて設定されるとともに、所定の保有期期間経過後に、電子通貨額を減価させることを特徴とする。
請求項記載の本発明は、請求項1乃至3のいずれか1項に記載の減価型電子通貨システムに用いられる支払装置のための支払装置用プログラムあって、前記記録装置に記憶された利用者識別情報、電子通貨額、及び電子通貨の有効期限を電子通貨情報として取得するステップと、電子通貨の支払処理時点が、取得した電子通貨の有効期限内であるか否かを判断するステップと、有効期限内であると判断した場合には、取得した電子通貨額から支払額を差し引いた額を前記記録装置の電子通貨額に反映するステップと、有効期限内でないと判断した場合には、前記減価型電子通貨システムの電子通貨管理装置に前記電子通貨情報を送信するステップと、前記電子通貨管理装置から送信された、減価された電子通貨額及び更新された有効期限をそれぞれ前記記録装置の電子通貨額及び有効期限に反映するステップと、を前記支払装置に実行させることを特徴とする。
本発明によれば、電子通貨記録装置に記録された電子通貨の有効期限が切れている場合には、減価させる時期及び減価率に関する情報に基づいて、電子通貨の貨幣価値を減価させて、減価された電子通貨額及び更新された有効期限を電子通貨記録装置に記録するので、電子通貨の保有期間に応じた減価型電子通貨システムを実現することができる。
この結果、電子通貨の流通を促進させ、経済の活性化をもたらすとともに、電子通貨の有効期限内においては、電子通貨の支払処理を処理の負荷が軽いオフライン処理として対処できるので、利用者の利便性を向上させることができる。
以下、本発明の実施の形態を図面を用いて説明する。
<第1の実施の形態>
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る減価型電子通貨システム100の概略構成図である。図1に示す減価型電子通貨システム100は、利用者が所有する電子通貨を電子通貨記録装置1に記録させて利用するもので、電子通貨記録装置1を用いて電子通貨の支払い処理を行う支払端末2と、支払端末2と通信ネットワークを介して接続されており、利用者の電子通貨を管理するとともに電子通貨の減価処理を行う電子通貨管理サーバ3と、を有するシステム構成となっている。
電子通貨記録装置1は、例えば、具体的には、ICカード、携帯電話などのデバイスが想定されるが、後述する電子通貨情報d1を記録できる携行可能な記録媒体であれば特に限定されない。電子通貨記録装置1は、詳しくは、利用者を一意に識別可能な利用者識別情報d11、電子通貨記録装置1内に所有する電子通貨の通貨価値(金額)であるバリューd12、所有する電子通貨の有効期限d13、電子通貨のチャージや支払の履歴情報d14などの電子通貨情報d1を記憶部11に記憶している。ここで、利用者が所有する電子通貨について説明する。例えば、現金の対価、贈与、取引の対価などにより利用者に発行されたバリューは、まず、電子通貨管理サーバ3で管理されるので、利用者は、電子通貨管理サーバ3で管理されているバリューの任意の額を電子通貨記録装置1にチャージする。これにより、電子通貨記録装置1には、チャージ金額分のバリューd12が得られるとともに、電子通貨管理サーバ3においては、チャージ金額分減額されたバリューを管理することになる(例えば、利用者に発行された電子通貨1000円のうち、300円を電子通貨記録装置1にチャージすれば、電子通貨管理サーバ3で管理する電子通貨は700円である)
支払端末2は、商店を始めとする減価型電子通貨システム100が適用される加盟店に設置されており、利用者が所望の商品やサービスの対価として電子通貨記録装置1を用いて支払処理を行う端末装置である。支払端末2は、詳しくは、電子通貨記録装置1及び電子通貨管理サーバ3と通信を行う通信部21、電子通貨記録装置1との間で支払処理を行う支払処理部22、支払処理において発生する利用者の決済情報(利用者識別情報、決済金額など)を記憶する決済情報記憶部23、有効期限に基づいて利用者が所有する電子通貨記録装置1内の電子通貨の減価処理を電子通貨管理サーバ3に要求する(以下、リフレッシュ要求という。また、リフレッシュ要求に応じて実施される減価処理をバリューリフレッシュ処理という)とともに、電子通貨管理サーバ3からの指示(以下、リフレッシュ指示という)に従って電子通貨記録装置1内の電子通貨を減価させるバリューリフレッシュ処理部24、決済情報記憶部23に記憶された決済情報を適宜所定のタイミングで電子通貨管理サーバ3に送信制御する決済情報処理部25、及び電子通貨記録装置1と電子通貨管理サーバ3との間のチャージ処理を仲介するチャージ処理部26を具備する構成である。
電子通貨管理サーバ3は、各利用者が所有する電子通貨を管理する装置であり、利用者ごとに後述するような利用者管理情報d2を記憶する利用者管理情報記憶部31、支払端末2との通信を行う通信部32、電子通貨記録装置1へのチャージ処理を行うチャージ処理部33、電子通貨管理サーバ3に所有するバリューを所定のタイミング(後述する減価タイミングの暦月情報d24)で減価させる減価処理部34、支払端末2からのリフレシュ要求を受けて電子通貨記録装置1内の電子通貨を減価させるバリューリフレッシュ処理部35、及び支払端末2から送信された決済情報を用いて、電子通貨管理サーバ3で管理される電子通貨記録装置1内のバリューを決済額分だけ減額する決済情報処理部36を具備する構成である。
ここで、利用者情報記憶部31は、詳しくは、利用者識別情報d21、電子通貨管理サーバ3内に所有する電子通貨のバリューd22、電子通貨記録装置1内に所有する記録媒体内バリューd23(=バリューd12)、減価タイミングの暦月情報d24(例えば、具体的には、毎暦月の月初など)、減価処理及びバリューリフレッシュ処理の履歴情報である減価/リフレシュ履歴情報d25などの利用者管理情報d2を管理している。
尚、上述した支払端末2及び電子通貨管理サーバ3は、少なくとも演算機能および制御機能を備えた中央演算装置(CPU)、プログラムやデータを格納する機能を有するRAM等からなる主記憶装置(メモリ)を有する電子的な装置から構成されているものである。また、支払端末2及び電子通貨管理サーバ3は、主記憶装置の他、ハードディスクなどの補助記憶装置を具備していてもよい。
また、本実施の形態に係る各種処理を実行するプログラムは、前述した主記憶装置またはハードディスクに格納されているものである。そして、このプログラムは、ハードディスク、フレキシブルディスク、CD−ROM、MO、DVD−ROMなどのコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録することも、通信ネットワークを介して配信することも可能である。
次に、本実施の形態に係る減価型電子通貨システム100の特徴を示す支払処理及びバリューリフレッシュ処理の動作を図2を用いて説明する。ここで、図2は、支払処理及びバリューリフレッシュ処理における電子通貨記録装置1、支払端末2及び電子通貨管理サーバ3間のやりとりを説明するシーケンス図である。
始めに、利用者が電子通貨記録装置1を用いて支払い要求を行うと(具体的には、電子通貨記録装置1を支払端末2に読み取らせて、支払処理を選択する)、支払端末2は、電子通貨の有効期限を要求するので、電子通貨記録装置1は、記憶部11に記憶された有効期限d13を送信する(ステップS10,S20,S30)。
支払端末2は、有効期限d13を取得すると、支払時期が有効期限内であるか否かを判断し、有効期限内であると判断した場合には、電子通貨記録装置1に支払指示を出し、電子通貨記録装置1と支払端末2との間で支払処理が行われる(ステップS40,S50,S60)。(この支払処理をオフラインでの通常支払処理という)。このオフラインでの通常支払処理は、支払端末2によって、支払額分が減算されたバリューd12が、電子通貨記録装置1の記憶部11に反映されるものである。また、利用者の支払額が決済情報として、支払端末2の決済情報記憶部23に反映されるものである。
これに対して、支払時期が有効期限外と判断した場合には、支払端末2は電子通貨管理サーバ3にリフレッシュ要求を送信する(ステップS40,ステップS70)。ここで、リフレッシュ要求として電子通貨管理サーバ3に送信される情報は、電子通貨記録装置1に記憶されている利用者識別情報d11、バリューd12、及び有効期限d13である。
電子通貨管理サーバ3は、リフレッシュ要求を受け取ると、電子通貨記録装置1内のバリューd12を減価処理(バリューリフレッシュ処理)する(ステップS80)。これは、減価型電子通貨システム100で予め定められた減価率r(電子通貨管理サーバ3の所定の記憶部に記憶されている)を用いてバリューd12をバリューd12’に減価させるものである(例えば、電子通貨1000円が900円になる)。この減価させる仕組みについては、詳しくは後述する。また、電子通貨管理サーバ3は、電子通貨記録装置1内の有効期限d13を減価タイミングの暦月情報d24に基づいて、新たな有効期限d13’を設定する(ステップS80)。これは、例えば、支払時が2004年4月10日、有効期限d13が2004年4月1日まで、減価タイミングの暦月情報d24が毎暦月月初であれば、新たな有効期限d13’は2004年5月1日までと設定されるものである。
次いで、電子通貨管理サーバ3は、リフレッシュ指示、即ち、減価後の電子通貨記録装置1内のバリューd12’を支払端末2に送信する(ステップS90)。これを受けて、支払端末2は、電子通貨記録装置1に減価後のバリューd12’を反映する(ステップS100)。そして、この電子通貨記録装置1へのフレッシュ指示の結果がOKであれば、結果OKのメッセージが電子通貨記録装置1から支払端末2を介して電子通貨管理サーバ3に送信される(ステップS110,S120)。
次いで、電子通貨管理サーバ3は、電子通貨管理サーバ3で管理する記録媒体内バリューd23を減価処理(バリューリフレッシュ処理)する(ステップS130)。これは、ステップS80で行った処理と同一の処理を行って、電子通貨記録装置1のバリューd12と記録媒体内バリューd23の同期をとるもので、記録媒体内バリューd23が記録媒体内バリューd23’(=バリューd12’)に減価されるものである。そして、この処理の結果がOKであれば、リフレッシュ処理完了のメッセージを支払端末2に送信するので、支払端末2は、電子通貨記録装置1に支払指示を出し、上述したオフラインでの通常支払処理が行われる(ステップS140,S150,S160)。
次に、上述したバリューリフレッシュ処理及び減価処理における減価の仕組みを図3を用いて説明する。ここで、図3は、利用者Cが発行されたバリューの一部を電子通貨記録装置1にチャージした後、電子通貨記録装置1を用いて加盟店Xで支払いを行い、その後電子通貨の有効期限が切れてバリューリフレッシュ処理が起きた一具体例を電子通貨記録装置1、支払端末2、及び電子通貨管理サーバ3それぞれが管理するバリューの観点から説明する図である。
まず、利用者Cは電子通貨管理サーバ3に所有するバリューd22がm1であり、このうち、m2(但し、m1>m2)分の金額を電子通貨記録装置1にチャージする(ステップS1)。これにより、利用者Cの電子通貨記録装置1のバリューd12は、m2となり、電子通貨管理サーバ3の利用者Cの利用者管理情報d2のバリューd22は、m1−m2、記録媒体内バリューd23は、m2となる。
次いで、利用者Cは、加盟店Xで商品を購入し、m3(但し、m2>m3)分の金額を支払う(オフラインでの通常支払処理)(ステップS2)。これにより、利用者Cの電子通貨記録装置1のバリューd12は、m2−m3となる。
次いで、加盟店Xの支払端末2は、定期的に決済情報を電子通貨管理サーバ3に送信する(ステップS3)。これにより、電子通貨管理サーバ3は、利用者Cの決済額m3の決済情報を受けて、利用者Cの利用者管理情報d2の記録媒体内バリューd23を、m2−m3とする。
次いで、電子通貨管理サーバ3は、利用者Cの利用者管理情報d2の減価タイミングの暦月情報d24から、有効期限が切れる暦月m1において減価処理を行う(ステップS4)。これにより、利用者Cの利用者管理情報d2のバリューd22は、D1(=(m1−m2)×r;rは減価率)分減額されて、(m1−m2)×(1−r)となる。
次いで、利用者Cは、有効期限が切れた後、電子通貨記録装置1を用いて支払処理をしようとすると、電子通貨記録装置1に対してバリューリフレッシュ処理が行われる(ステップS5)。これにより、利用者Cの電子通貨記録装置1のバリューd12、及び電子通貨管理サーバ3の利用者Cの利用者管理情報d2の記録媒体内バリューd23は、d1(=(m2−m3)×r;rは減価率)分減額されて、(m2−m3)×(1−r)となる。また、利用者Cの電子通貨記録装置1の有効期限d13は、利用者Cの利用者管理情報d2の減価タイミングの暦月情報d24をもとに新たな有効期限が設定される。
尚、本実施の形態においては、上述した減価させるタイミングを、電子通貨を一定の保有期間後の暦月に設定しているので、利用者の電子通貨の残高管理を容易にするものである。これは、減価させるタイミングを電子通貨が発行された日から起算する方式を採用すると、複数回の発行、チャージ、支払に際しては、減価するタイミングが不定期に発生し、利用者にとっては、日々の残高管理が困難となるため、上記の方式にしたものである。これを図4を用いて説明する。
図4(a)は、tの時点におけるチャージ額Xが時間とともに減価する様子を示す図である。尚、減価タイミングは、一定期間Tを時間間隔として、暦月M、M、M、M、…においてそれぞれ減価処理がされるものである(例えば、具体的には、減価タイミングを毎暦月月初として毎月月初に減価処理するなど)。同図によれば、チャージした時点tが起点となるのではなく、翌暦月Mの1日に受領したものとして、一定の保有期間Tが経過した時点、即ち、暦月Mの月初に初めて減価処理される。
また、図4(b)及び(c)は、利用者Aが、時点tでチャージ額Xのうち利用額Yを受領者Bに贈与した場合を示している。この場合においても、受領者Bは、翌暦月Mの1日に受領したものとして、一定の保有期間Tが経過した時点、即ち、暦月M2の月初に初めて減価処理される。また、利用者Aにとっても、暦月Mから暦月Mまでにおいては、差額(X−Y)分が一定の保有期間T保有されていたから、暦月Mの月初においては、額(X−Y)が減価計算の対象となる。
以上、本実施の形態に係る減価型電子通貨システム100においては、支払のたびに電子通貨管理サーバ3に問い合わせて処理を行うのではなく、有効期限内においては、電子通貨記録装置1と支払端末2間でのオフライン支払処理となるので、処理を軽くして、利用者の利便性を高めることができる。また、有効期限が切れた際には、電子通貨記録装置1の電子通貨はそのままでは使用できないので、電子通貨管理サーバ3でバリューリフレッシュ処理を行うことにより、電子通貨記録装置1内のバリューを的確に減価させるとともに、その際、電子通貨管理サーバ3で管理している減価タイミングの暦月情報を考慮して有効期限を再設定することができるので、電子通貨管理サーバ3での減価処理のタイミグと常に同期させることができる。
さらには、減価させるタイミングを一定の保有期間後の暦月にしているので、減価タイミング暦月の管理だけで減価処理を行うことが可能となり、利用者の残高管理が容易となる。
<その他の実施の形態>
尚、第1の実施の形態においては、バリューリフレッシュ処理及びチャージ処理を支払端末を介して行うようにしたが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、電子通貨記録装置として携帯電話を用いた場合などには、バリューリフレッシュ処理及びチャージ処理を電子通貨記録装置と電子通貨管理サーバとの間で直接行ってもよいものである。尚、この場合においては、電子通貨記録装置が有効期限の判断をするものである。
図5は、本発明の第2の実施の形態に係る減価型電子通貨システム200の概略構成図である。図5に示す減価型電子通貨システム200は、利用者が所有する電子通貨を電子通貨記録装置4に記録させて利用するもので、電子通貨記録装置4を用いて電子通貨の支払い処理を行う支払端末5と、支払端末5と通信ネットワークを介して接続されており、利用者の電子通貨を管理するとともに電子通貨の減価処理を行う電子通貨管理サーバ6と、を有するシステム構成となっている。尚、本実施の形態においては、上記実施の形態と異なる構成及び機能のみ説明し、その他の構成及び機能に関しては同一部分には同一符号を付して説明を省略する。
電子通貨記録装置4は、記憶部41とバリューリフレッシュ処理部42を備えており、支払処理の際に自らの装置で減価処理を行う点が電子通貨記録装置1と異なるものである。ここで、記憶部41は、利用者を一意に識別可能な利用者識別情報d11、電子通貨記録装置4内に所有する電子通貨の通貨価値(金額)であるバリューd12、前回支払日d31、減価期間d32、減価率d33などの電子通貨情報d3を管理している。また、減価処理部42は、支払端末5との上述したオフラインでの通常支払処理において、支払時期が有効期限を過ぎている場合(具体的には、支払時期が、前回支払日d31から減価期間d32を過ぎているか否かにより有効期限を判断する)には、減価率d33に用いてバリューd12を減価させて、バリューd12’とする処理を行うものである。
支払端末5は、商店を始めとする減価型電子通貨システム200が適用される加盟店に設置されており、利用者が所望の商品やサービスの対価として電子通貨記録装置4を用いて支払処理を行う端末装置である。支払端末5は、詳しくは、電子通貨記録装置4及び電子通貨管理サーバ6と通信を行う通信部21、電子通貨記録装置4との間で支払処理を行う支払処理部22、支払処理において発生する利用者の決済情報(利用者識別情報、決済金額などに加えて電子通貨記録装置4で減価処理された場合には、減価額)を記憶する決済情報記憶部51、決済情報記憶部51に記憶された決済情報を適宜所定のタイミングで電子通貨管理サーバ6に送信制御する決済情報処理部52、及び電子通貨記録装置4と電子通貨管理サーバ6との間のチャージ処理を仲介するチャージ処理部26を具備する構成である。
電子通貨管理サーバ6は、各利用者が所有する電子通貨を管理する装置であり、利用者ごとに後述するような利用者管理情報d2を記憶する利用者管理情報記憶部31、支払端末5との通信を行う通信部32、電子通貨記録装置4へのチャージ処理を行うチャージ処理部33、電子通貨管理サーバ6に所有するバリューを所定のタイミング(減価タイミングの暦月情報d24)で減価させる減価処理部34、及び支払端末5から送信された決済情報を用いて、電子通貨管理サーバ3で管理される記録媒体内バリューd24を決済額及び減価分だけ減額する決済情報処理部61を具備する構成である。
即ち、第1の実施の形態においては、支払端末2が電子通貨記録装置1の有効期限を判断して、有効期限を過ぎている場合には、電子通貨管理サーバ3がバリューリフレッシュ処理を行っていたが、本実施の形態においては、電子通貨記録装置4で有効期限を判断してバリューリフレッシュ処理を行い、その結果を支払端末5を介して電子通貨管理サーバ6に反映するようになっている。
従って、本実施の形態に係る減価型電子通貨システム200によれば、第1の実施の形態と同じ効果を得ることができる。また、本実施の形態においては、バリューリフレッシュ処理を行うように電子通貨記録装置4を高機能化しているので、電子通貨管理サーバ6の処理の負荷を軽減することができる。
本発明の第1の実施の形態に係る減価型電子通貨システム100の概略構成図である。 本発明の第1の実施の形態に係る減価型電子通貨システム100の支払処理及びバリューリフレッシュ処理の動作を説明するフローチャート図である。 本発明の第1の実施の形態に係る減価型電子通貨システム100におけるバリューリフレッシュ処理及び減価処理における減価の仕組みを説明する図である。 本発明の第1の実施の形態に係る減価型電子通貨システム100において減価させるタイミングを説明する図である。 本発明の第2の実施の形態に係る減価型電子通貨システム200の概略構成図である。
符号の説明
1,4 電子通貨記録装置
2,5 支払端末(支払装置の一例)
3,6 電子通貨管理サーバ(電子通貨管理装置の一例)
11,41 記憶部
21,32 通信部
22 支払処理部
23,51 決済情報記憶部
24,35,42 バリューリフレッシュ処理部
25,36,52,61 決済情報処理部
26,33 チャージ処理部
31 利用者管理情報記憶部
34 減価処理部
100,200 減価型電子通貨システム

Claims (7)

  1. 所定の記録装置に記憶された電子通貨の支払処理を行う支払装置と、該支払装置と通信ネットワークを介して相互に通信可能であり、前記電子通貨の保有期間に応じて貨幣価値を減価させる電子通貨管理装置と、を備える減価型電子通貨システムであって、
    前記支払装置は、
    前記記録装置に記憶された利用者識別情報、電子通貨額、及び電子通貨の有効期限を電子通貨情報として取得する電子通貨情報取得手段と、
    電子通貨の支払処理時点が、取得した電子通貨の有効期限内であるか否かを判断する有効期限判断手段と、
    有効期限内であると判断した場合には、取得した電子通貨額から支払額を差し引いた額を前記記録装置の電子通貨額に反映する手段と、
    有効期限内でないと判断した場合には、取得した電子通貨情報を前記電子通貨管理装置に送信する電子通貨情報送信手段と、
    前記電子通貨管理装置から送信された、減価された電子通貨額及び更新された有効期限をそれぞれ前記記録装置の電子通貨額及び有効期限に反映する手段と、
    を有し、
    前記電子通貨管理装置は、
    前記利用者識別情報ごとに、減価させる時期に関する情報を記憶する利用者管理情報記憶手段と、
    前記支払装置から前記電子通貨情報を送信されたときは、該電子通貨情報の利用者識別情報に基づいて、前記利用者管理情報記憶手段から前記減価させる時期に関する情報を取得し、該減価させる時期及び予め定められた減価率に関する情報に基づいて前記電子通貨情報の電子通貨額を減価させるとともに、該減価させる時期に合わせて前記電子通貨情報の有効期限を更新する第1の減価手段と、
    減価された電子通貨額及び更新された有効期限を前記支払装置に送信する減価情報送信手段と、
    を有し、
    前記利用者管理情報記憶手段は、前記利用者識別情報ごとに、前記記録装置内に所有する電子通貨額(第1の電子通貨額)、並びに、当該電子通貨管理装置内に所有する電子通貨額であって、前記第1の電子通貨額の増額に伴い減額される電子通貨額(第2の電子通貨額)を記憶しており、
    前記電子通貨管理装置は、前記減価させる時期及び前記減価率に関する情報に基づいて、前記第2の電子通貨額を減価させ、前記利用者管理情報記憶手段に反映する第2の減価手段を有し、
    前記第1の減価手段は、前記第1の電子通貨額を前記減価された電子通貨額と同額に減価させ、前記利用者管理情報記憶手段に反映することを特徴とする減価型電子通貨システム。
  2. 前記支払装置は、
    前記支払処理における支払額を前記利用者識別情報ごとに決済情報として記憶する決済情報記憶手段と、
    前記決済情報を前記電子通貨管理装置に適宜送信する決済情報送信手段と、
    を有し、
    前記電子通貨管理装置は、
    送信された決済情報を、該決済情報の利用者識別情報に従って、前記利用者管理情報記憶手段の前記第1の電子通貨額に反映する決済情報反映手段を有することを特徴とする請求項1記載の減価型電子通貨システム。
  3. 前記減価させる時期は、暦月に基づいて設定されるとともに、所定の保有期間経過後に、電子通貨額を減価させることを特徴とする請求項1又は2に記載の減価型電子通貨システム。
  4. 所定の記録装置に記憶された電子通貨の支払処理を行う支払装置と通信ネットワークを介して相互に通信可能であり前記電子通貨の保有期間に応じて貨幣価値を減価させる電子通貨管理装置であって、前記支払装置は、前記電子通貨管理装置から送信された電子通貨額及び有効期限をそれぞれ前記記録装置の電子通貨額及び有効期限に反映するものであり、
    前記電子通貨管理装置は、
    利用者識別情報ごとに、減価させる時期に関する情報を記憶する利用者管理情報記憶手段と、
    前記支払装置から、前記記録装置に記憶された利用者識別情報、電子通貨額、及び電子通貨の有効期限を電子通貨情報として受信すると、該電子通貨情報の利用者識別情報に基づいて、前記利用者管理情報記憶手段から前記減価させる時期に関する情報を取得し、該減価させる時期及び予め定められた減価率に関する情報に基づいて前記電子通貨情報の電子通貨額を減価させるとともに、該減価させる時期に合わせて前記電子通貨情報の有効期限を更新する第1の減価手段と、
    減価された電子通貨額及び更新された有効期限を前記支払装置に送信する減価情報送信手段と、を有し、
    前記利用者管理情報記憶手段は、前記利用者識別情報ごとに、前記記録装置内に所有する電子通貨額(第1の電子通貨額)、並びに、当該電子通貨管理装置内に所有する電子通貨額であって、前記第1の電子通貨額の増額に伴い減額される電子通貨額(第2の電子通貨額)を記憶しており、
    前記減価させる時期及び前記減価率に関する情報に基づいて、前記第2の電子通貨額を減価させ、前記利用者管理情報記憶手段に反映する第2の減価手段を有し、
    前記第1の減価手段は、前記第1の電子通貨額を前記減価された電子通貨額と同額に減価させ、前記利用者管理情報記憶手段に反映することを特徴とする電子通貨管理装置。
  5. 前記支払処理における支払額を前記利用者識別情報ごとに決済情報として記憶する前記支払装置から、送信された前記決済情報を前記利用者識別情報に従って、前記利用者管理情報記憶手段の前記第1の電子通貨額に反映する決済情報反映手段を有することを特徴とする請求項4記載の電子通貨管理装置。
  6. 前記減価させる時期は、暦月に基づいて設定されるとともに、所定の保有期期間経過後に、電子通貨額を減価させることを特徴とする請求項4又は5に記載の電子通貨管理装置。
  7. 請求項1乃至3のいずれか1項に記載の減価型電子通貨システムに用いられる支払装置のための支払装置用プログラムあって、
    前記記録装置に記憶された利用者識別情報、電子通貨額、及び電子通貨の有効期限を電子通貨情報として取得するステップと、
    電子通貨の支払処理時点が、取得した電子通貨の有効期限内であるか否かを判断するステップと、
    有効期限内であると判断した場合には、取得した電子通貨額から支払額を差し引いた額を前記記録装置の電子通貨額に反映するステップと、
    有効期限内でないと判断した場合には、前記減価型電子通貨システムの電子通貨管理装置に前記電子通貨情報を送信するステップと、
    前記電子通貨管理装置から送信された、減価された電子通貨額及び更新された有効期限をそれぞれ前記記録装置の電子通貨額及び有効期限に反映するステップと、
    を前記支払装置に実行させることを特徴とする支払装置用プログラム。
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