〔実施の形態1〕
本発明の一実施の形態について、図1〜図6に基づいて説明すれば以下の通りである。
図1は、本発明に係る受信機の概略構成を示すブロック図である。
図1に示す光受信機(受信機)1は、例えば、赤外線または光を用いる伝送システムにより伝送された光信号をワイヤレスで受信する電子機器に備えられる受信機であり、受信装置2、異常パルス検出回路(異常パルス検出手段)3、スピーカー駆動装置4、及びスピーカー5を備える構成である。
受信装置2は、例えば光送信機(図示しない)から送信された音声データをワイヤレスで受信し、当該音声データを増幅する。そして、受信装置2は、増幅した音声データを異常パルス検出回路3に出力する。
なお、受信装置2は、音声データを例えば、PDM変調して得られる1ビットデータ列として受信する。即ち、受信装置2が受信する音声データは、パルス幅が既知のパルス列からなるデジタル信号である。また、音声データは、赤外線信号、または可視光信号等の光信号であるがこれに限定されるものではない。即ち、音声データとして使用される信号は、パルス幅が既知のパルス列からなるデジタル信号であれば、どのような信号が用いられても良い。
また、受信装置2は、赤外線通信によりデータ伝送を行う場合、IrDA通信デバイスを使用すれば容易に実現が可能である。ここで、IrDA通信デバイスの通信レートとしては、高速仕様FIR(4Mbps)、中速仕様MIR(1.152Mbps)、及び低速仕様SIR(2.4kbps〜115.2kbps)が存在する。但し、音声データの伝送を行う場合は、通信レートから考えて、IrDA受信用デバイスの高速仕様FIR、または中速仕様MIRを使用するのが好ましい。なお、受信装置2として使用されるデバイスについては、これらに限定されるものではない。
異常パルス検出回路3は、受信装置2から入力される音声データと、当該音声データに基づいて自身が生成した、当該音声データの比較対象としてのミュート基準パルス(基準デジタル信号)とを比較する。そして、その比較結果から、当該音声データに発生するパルス幅の変動を検出した場合、異常パルス検出回路3は、スピーカー駆動装置4に対し、音声データの外部出力を所定の期間停止させる。なお、当該音声データの外部出力の停止は、ミュート信号を当該所定の期間出力することにより行う。異常パルス検出回路3の詳細な説明については、後述する。
なお、本願では、「パルス幅の変動」とは、いわゆるジッタを意味する。即ち、本願では、「パルス幅の変動」とは、送信側のデバイス(例えば、光送信機)が受信側のデバイス(光受信機1)に音声データを伝送する場合において、送信側のデバイスが送信するパルス幅が既知のパルス列(即ち、PDM変調された1ビットデータ列)からなる1ビットデータ列と、受信側のデバイスが受信する当該1ビットデータ列とが、時間軸上で互いに異なるデータ列となる現象を意味する。このパルス幅の変動の具体例としては、パルス太り(所定のパルスのパルス幅が広がる現象)、パルス細り(パルスの部分的欠損により、所定のパルスのパルス幅が狭まる現象)、パルス割れ(パルスの部分的欠損により、1つのパルスが複数のパルスに分離する現象)、誤パルス(本来存在すべきでないパルス)の発生等が挙げられる。
なお、異常パルス検出回路3は、ミュート信号を出力しない場合、即ち受信装置2から受信した音声データに発生するパルス幅の変動を検出しない場合、スピーカー駆動装置4に対し、受信装置2から受信した音声データをそのまま出力する。
スピーカー駆動装置4は、ローパスフィルタ(図示しない)を備える。そして、異常パルス検出回路3からスピーカー駆動装置4に音声データが入力される場合、当該音声データは、スピーカー駆動装置4のローパスフィルタを通過することでアナログ信号に復調され、スピーカー5より音声として出力される。
ここからは、本発明に係る受信機に備えられる異常パルス検出回路の構成について、図2に基づいて説明する。
図2は、異常パルス検出回路の一構成例を示すブロック図である。なお、図2に示す異常パルス検出回路(異常パルス検出手段)3aは、図1に示す光受信機1における異常パルス検出回路3として好適に用いられる。また、図2に示す異常パルス検出回路3aには、受信装置2からの入力信号(即ち、音声データ。以下、単に「入力信号」と称する)が、“1”の信号を示すローレベルと “0”の信号を示すハイレベルとからなる負論理のデジタル信号として入力される。
なお、本願では、「入力信号の1周期」とは、入力信号における、所定のパルスの立ち上がりの瞬間から、当該所定のパルスの次のパルスの立ち上がりの瞬間までの期間を意味する。
図2に示す異常パルス検出回路3aは、入力信号に発生する、上記既知のパルス幅より短いパルス幅を有する異常パルス(パルス細り、パルス割れ、上記既知のパルス幅より短いパルス幅を有する誤パルスの発生等)を検出する場合に好適な実施例である。
図2に示す異常パルス検出回路3aは、受信パルスエッジ検出回路(受信パルスエッジ検出手段)10、ミュート基準パルス生成回路(基準パルス生成手段)11、ロジック回路(論理手段)12、ミュート信号生成回路(ミュート信号生成手段)13、及びスイッチ回路(出力停止手段)14を備える構成である。
受信パルスエッジ検出回路10は、コンデンサC1、抵抗R1、及びインバータI1を備える構成である。コンデンサC1の一端は、受信装置2と同一の電源ラインに接続される。コンデンサC1の他端は、インバータI1の入力端に接続される。インバータI1の出力端は、ミュート基準パルス生成回路11に接続される。抵抗R1の一端は、コンデンサC1の他端とインバータI1の入力端との間(接続点CR1)に接続される。抵抗R1の他端は、駆動電圧源(図示しない)に接続される。
この受信パルスエッジ検出回路10には、入力信号が入力される。そして、受信パルスエッジ検出回路10は、入力信号の立ち上がりエッジまたは立ち下がりエッジ(即ち、入力信号のパルスの立ち上がりまたは立ち下がりの瞬間)を検出するエッジ検出信号を生成し、出力する。
なお、本実施の形態のとおり、入力信号が負論理のデジタル信号である場合、受信パルスエッジ検出回路10は、入力信号の立ち下がりエッジ(立ち下がりの瞬間)を検出するエッジ検出信号を生成し、出力する。また、入力信号が“0”の信号を示すローレベルと “1”の信号を示すハイレベルとからなる正論理のデジタル信号である場合、受信パルスエッジ検出回路10は、入力信号の立ち上がりエッジ(立ち上がりの瞬間)を検出するエッジ検出信号を生成し、出力する。
受信パルスエッジ検出回路10は、生成したエッジ検出信号をミュート基準パルス生成回路11に出力する。
ミュート基準パルス生成回路11は、トランジスタTr1、電流源Ia、コンデンサC2、基準電圧源Vref1、比較器CMP1、及びインバータI2を備える構成である。トランジスタTr1のベースは、受信パルスエッジ検出回路10のインバータI1の出力端に接続される。トランジスタTr1のコレクタは、電流源Iaに接続される。トランジスタTr1のエミッタは、グランド電位に保持される。トランジスタTr1のコレクタと電流源Iaとの間には、比較器CMP1の非反転入力端が接続される。コンデンサC2は、一端がトランジスタTr1のコレクタに接続され、他端がトランジスタTr1のエミッタに接続される。比較器CMP1の反転入力端は、基準電圧源Vref1の正極側の端子に接続され、基準電圧源Vref1の負極側の端子は、グランド電位に保持される。比較器CMP1の出力端は、インバータI2の入力端に接続される。インバータI2の出力端は、ロジック回路12に接続される。
このミュート基準パルス生成回路11は、受信パルスエッジ検出回路10からのエッジ検出信号に基づいてミュート基準パルスを生成し、出力する。なお、ミュート基準パルス生成回路11が、受信パルスエッジ検出回路10からのエッジ検出信号に基づいて、ミュート基準パルスを生成する具体的な要領については後述する。
なお、本実施の形態等、入力信号が負論理のデジタル信号である場合、ミュート基準パルス生成回路11が生成するミュート基準パルスは、パルス幅が一定の正論理のパルスとなる。また、入力信号が正論理のデジタル信号である場合、ミュート基準パルス生成回路11が生成するミュート基準パルスは、パルス幅が一定の負論理のパルスとなる。
ミュート基準パルス生成回路11は、生成したミュート基準パルスを、ロジック回路12に出力する。
ロジック回路12は、一般的なNAND(否定論理積)回路NA1を備える構成である。NAND回路NA1の一方の入力端は、ミュート基準パルス生成回路11のインバータI2の出力端に接続される。NAND回路NA1の他方の入力端は、受信装置2と同一の電源ラインに接続される。NAND回路NA1の出力端は、インバータI3の入力端に接続される。
インバータI3の出力端は、ミュート信号生成回路13に接続される。
このロジック回路12には、ミュート基準パルス生成回路11が生成したミュート基準パルス、及び入力信号が入力される。即ち、ロジック回路12のNAND回路NA1の一方の入力端には、当該ミュート基準パルスが入力され、ロジック回路12のNAND回路NA1の他方の入力端には、当該入力信号が入力される。そして、ロジック回路12は、当該ミュート基準パルスと当該入力信号との否定論理積を示す出力信号を、後段のインバータI3により論理反転してミュート信号生成回路13に出力する。
ミュート信号生成回路13は、トランジスタTr2、電流源Ib、コンデンサC3、基準電圧源Vref2、比較器CMP2、及びインバータI4を備える構成である。トランジスタTr2のベースは、インバータI3の出力端に接続される。トランジスタTr2のコレクタは、電流源Ibに接続される。トランジスタTr2のエミッタは、グランド電位に保持される。トランジスタTr2のコレクタと電流源Ibとの間には、比較器CMP2の非反転入力端が接続される。コンデンサC3は、一端がトランジスタTr2のコレクタに接続され、他端がトランジスタTr2のエミッタに接続される。比較器CMP2の反転入力端は、基準電圧源Vref2の正極側の端子に接続され、基準電圧源Vref2の負極側の端子は、グランド電位に保持される。比較器CMP2の出力端は、インバータI4の入力端に接続される。インバータI4の出力端は、スイッチ回路14に接続される。
このミュート信号生成回路13は、インバータI3の出力信号(即ち、ロジック回路12の出力信号を、インバータI3により論理反転させることにより得られた信号)に基づいて、上記ミュート信号を生成し、出力する。なお、ミュート信号生成回路13が、インバータI3の出力信号に基づいて、ミュート信号を生成する具体的な要領については後述する。
ミュート信号生成回路13は、生成したミュート信号を、スイッチ回路14に出力する。
スイッチ回路14は、インバータI5及びI6、及びNAND回路NA2を備える構成である。インバータI5の入力端は、ミュート信号生成回路13のインバータI4の出力端に接続される。インバータI5の出力端は、NAND回路NA2の一方の入力端に接続される。NAND回路NA2の他方の入力端は、受信装置2と同一の電源ラインに接続される。NAND回路NA2の出力端は、インバータI6の入力端に接続される。インバータI6の出力端は、スピーカー駆動装置4に接続される。
このスイッチ回路14には、ミュート信号生成回路13が生成したミュート信号、及び入力信号が入力される。即ち、スイッチ回路14のNAND回路NA2の一方の入力端には、当該ミュート信号がインバータI5により論理反転して入力され、スイッチ回路14のNAND回路NA2の他方の入力端には、当該入力信号が入力される。そして、スイッチ回路14は、インバータI5の出力信号(即ち、当該ミュート信号を、インバータI5により論理反転させることにより得られた信号)と当該入力信号との否定論理積を示す出力信号を、インバータI6を介してスピーカー駆動装置4に出力する。
スイッチ回路14は、スピーカー駆動装置4に対し、入力信号、またはミュート信号を出力する。スイッチ回路14は、ミュート信号が入力される場合、光受信機1が受信した入力信号の、スピーカー5からの外部出力を所定の期間停止する。
ここからは、異常パルス検出回路3aの具体的な動作原理について、図3〜5に基づいて説明する。
図3は、入力信号にパルス幅の変動が発生していないときの、異常パルス検出回路3aの具体的な動作原理を説明するタイミングチャートである。図4は、入力信号にパルス細りまたは上記既知のパルス幅より短いパルス幅を有する誤パルスが発生しているときの、異常パルス検出回路3aの具体的な動作原理を説明するタイミングチャートである。図5は、入力信号にパルス割れが発生しているときの、異常パルス検出回路3aの具体的な動作原理を説明するタイミングチャートである。
なお、図3〜5のタイミングチャートにおいて、横軸は時間(期間)を、縦軸は上記1ビットデータ列の電圧レベル(ハイレベル(Vcc)またはローレベル(GND))を示す。従って、1ビットデータ列の特定のパルスのパルス幅は、当該特定のパルスがハイレベル(またはローレベル)の信号を出力する時間と等しい。また、図3〜5のタイミングチャートにおいて、(a)の波形は、入力信号の波形を、(b)の波形は、エッジ検出信号の波形を、(c)の波形は、ミュート基準パルスの波形を、(d)の波形は、ロジック回路12の出力信号の波形を、(e)の波形は、ミュート信号の波形を、(f)の波形は、スピーカー駆動装置4への出力信号の波形を示す。
また、上述したとおり、図2に示す異常パルス検出回路3aには、入力信号が負論理のデジタル信号として入力される。
まず、入力信号にパルス幅の変動が発生していないときの、異常パルス検出回路3aの動作について、図3に基づいて説明する。
パルス幅の変動が発生していない場合、入力信号は、図3(a)に示すとおり、正常なパルス幅(即ち、上記既知のパルス幅)を有する。
図3(a)に示す入力信号は、受信パルスエッジ検出回路10に入力される。受信パルスエッジ検出回路10は、図3(a)に示す入力信号の立ち下がりエッジを検出するエッジ検出信号を生成する。
ここで、入力信号が入力されるとき、受信パルスエッジ検出回路10がエッジ検出信号を生成する要領について、図6に基づいて説明する。
図6は、受信パルスエッジ検出回路10が上記エッジ検出信号を生成する要領を説明するタイミングチャートである。なお、図6(a)は、入力信号の波形を、図6(b)は、接続点CR1における電圧波形を、図6(c)は、上記エッジ検出信号の波形を示す。
受信パルスエッジ検出回路10の抵抗R1及びコンデンサC1は、一般的な微分回路を構成する。また、受信パルスエッジ検出回路10に入力される入力信号(図6(a)参照)は、パルスの立ち下がり及び立ち下がりの瞬間において、非常に高い周波数成分を有している。
このため、入力信号の立ち下がりの瞬間において、接続点CR1の電圧は、抵抗R1及びコンデンサC1の微分作用により、ハイレベルからローレベルへと急激に変化する(図6(b)参照)。そしてその後、入力信号は、定常的にローレベルとなるため、接続点CR1の電圧は、ローレベルからハイレベルへと徐々に上昇する。
一方、入力信号の立ち上がりの瞬間において、接続点CR1の電圧は、上記微分作用により、ハイレベル以上の電圧へと急激に変化する(図6(b)参照)。このとき、接続点CR1にはハイレベル以上の電圧が発生するが、入力信号は、定常的にハイレベルとなるため、接続点CR1の電圧は、ハイレベルに漸近する。
以上の動作より、入力信号は、接続点CR1において、入力信号の立ち下がりの瞬間にローレベルとなるパルスであって、所定のパルス幅(パルスが出力される期間)t0(例えば、5(nsec)〜10(nsec)程度の時間に該当するパルス幅)を有するパルス信号に変換される。そして、当該パルス信号を、インバータI1により論理反転させることにより、受信パルスエッジ検出回路10は、入力信号の立ち下がりの瞬間にハイレベルとなるパルスであって、所定のパルス幅t0を有するエッジ検出信号(図6(c)参照)を生成する。
図3(a)に示す入力信号が入力される場合、受信パルスエッジ検出回路10は、図3(a)に示す入力信号の立ち下がりの瞬間にハイレベルとなるパルスであって、所定のパルス幅t0を有する、図3(b)に示すエッジ検出信号を生成する。
受信パルスエッジ検出回路10が生成した、図3(b)に示すエッジ検出信号は、ミュート基準パルス生成回路11に入力される。ミュート基準パルス生成回路11は、図3(b)に示すエッジ検出信号からミュート基準パルスを生成する。
なお、エッジ検出信号が入力されたとき、ミュート基準パルス生成回路11は、下記の要領でミュート基準パルスを生成する。
エッジ検出信号はまず、ミュート基準パルス生成回路11のトランジスタTr1のベースに入力される。トランジスタTr1は、当該エッジ検出信号がハイレベルの間のみ導通状態となる。トランジスタTr1が導通すると、コンデンサC2は、自身が蓄積する電荷を、トランジスタTr1を介して放電する。またこのとき、コンデンサC2が接続される電源ラインは、グランド電位となるため、比較器CMP1の非反転入力端に入力される電圧は0となる。一方、比較器CMP1の反転入力端には、基準電圧源Vref1からの基準電圧vref1が入力される。その結果、比較器CMP1の非反転入力端の電圧は、比較器CMP1の反転入力端の電圧未満となるため、比較器CMP1の出力はローレベルとなる。
次に、エッジ検出信号がハイレベルからローレベルへと変化すると、トランジスタTr1は非導通状態となる。トランジスタTr1が非導通状態となると、コンデンサC2では、電流源Iaからの電流により、充電が開始される。そして、コンデンサC2が接続される電源ラインの電圧は、徐々に上昇し、それに伴い、比較器CMP1の非反転入力端に入力される電圧も徐々に上昇する。そして、比較器CMP1の非反転入力端に入力される電圧が、基準電圧vref1の電圧以上となると、比較器CMP1の出力はハイレベルに変化する。
以上の動作より得られる比較器CMP1の出力を、インバータI2により論理反転させることにより、ミュート基準パルス生成回路11は、エッジ検出信号の立ち上がりから所定の時間経過後にハイレベルとなるパルスであって、パルス幅t1を有するミュート基準パルスを生成する。
なお、ミュート基準パルスのパルス幅(即ち、比較器CMP1がローレベルの信号を出力する期間)t1は、下記数式(1)により、適宜設定することができる。
t1=(C2・vref1)/Ia (nsec) ・・・(1)
(なお、C2:コンデンサC2の容量、vref1:基準電圧源Vref1の基準電圧値、Ia:電流源Iaの電流値)
なお、上述したとおり、入力信号が負論理のデジタル信号である場合、このミュート基準パルスは、正論理のデジタル信号として出力される。
また、入力信号に発生する、上記既知のパルス幅より短いパルス幅を有する異常パルスを検出する場合、上記数式(1)により設定されるミュート基準パルスのパルス幅t1は、当該既知のパルス幅よりも短いパルス幅とする。特にこの場合、ミュート基準パルスのパルス幅t1は、上記既知のパルス幅の0.5〜0.9倍程度の値に設定されるのが好適である。
以上のことから、図3(b)に示すエッジ検出信号が入力される場合、ミュート基準パルス生成回路11は、図3(c)に示すミュート基準パルスを生成する。
図3(c)に示すミュート基準パルス及び図3(a)に示す入力信号は、ロジック回路12に入力される。ロジック回路12は、図3(c)に示すミュート基準パルスと図3(a)に示す入力信号との否定論理積を示す信号を出力する。
なお、ロジック回路12のNAND回路NA1及び後述するスイッチ回路14のNAND回路NA2は、2種類の信号が入力される場合、当該2種類の信号が共にハイレベルであるときにはローレベルの信号を出力し、それ以外のときには、常にハイレベルの信号を出力する(即ち、否定論理積)特性を有する。
そのため、入力信号にパルス幅の変動が発生していない場合、図3(c)に示すミュート基準パルス及び図3(a)に示す入力信号が共にハイレベルとなる期間は存在しない。そのため、ロジック回路12(NAND回路NA1)の出力信号は、図3(d)に示すとおり、ハイレベルに保持される(即ち、ロジック回路12は何も出力しない)。
図3(d)に示すロジック回路12の出力信号は、インバータI3により論理反転してミュート信号生成回路13に入力される。ミュート信号生成回路13は、インバータI3の出力信号からミュート信号を生成する。
なお、上記インバータI3の出力信号が入力されたとき、ミュート信号生成回路13は、下記の要領でミュート信号を生成する。
本実施の形態においては、ミュート信号生成回路13は、ミュート基準パルス生成回路11と略同一の回路構成となる。従って、ミュート信号生成回路13がミュート信号を生成する要領は、上述したミュート基準パルス生成回路11がミュート基準パルスを生成する要領と略同一となる。
即ち、上記インバータI3の出力信号はまず、ミュート信号生成回路13のトランジスタTr2のベースに入力される。トランジスタTr2は、当該インバータI3の出力信号がハイレベルの間のみ導通状態となる。トランジスタTr2が導通すると、コンデンサC3は、自身が蓄積する電荷を、トランジスタTr2を介して放電する。またこのとき、コンデンサC3が接続される電源ラインは、グランド電位となるため、比較器CMP2の非反転入力端に入力される電圧は0となる。一方、比較器CMP2の反転入力端には、基準電圧源Vref2からの基準電圧vref2が入力される。その結果、比較器CMP2の非反転入力端の電圧は、比較器CMP2の反転入力端の電圧未満となるため、比較器CMP2の出力はローレベルとなる。
次に、上記インバータI3の出力信号がハイレベルからローレベルへと変化すると、トランジスタTr2は非導通状態となる。トランジスタTr2が非導通状態となると、コンデンサC3では、電流源Ibからの電流により、充電が開始される。そして、コンデンサC3が接続される電源ラインの電位は、徐々に上昇し、それに伴い、比較器CMP2の非反転入力端に入力される電圧も徐々に上昇する。そして、比較器CMP2の非反転入力端に入力される電圧が、基準電圧vref2の電圧以上となると、比較器CMP2の出力はハイレベルに変化する。
以上の動作より得られる比較器CMP2の出力を、インバータI4により論理反転させることにより、ミュート信号生成回路13は、ミュート信号を生成する。
図3(d)に示すロジック回路12の出力信号が、インバータI3により論理反転してミュート信号生成回路13に入力される場合、ミュート信号生成回路13に入力される信号は、常にローレベルとなる。そのため、トランジスタTr2は常に非導通状態となり、コンデンサC3が接続される電源ラインは、基準電圧vref2以上の電圧に保持されるため、比較器CMP2の出力はハイレベルに保持される。従って、この場合、ミュート信号生成回路13が出力するミュート信号は、図3(e)に示すとおり、ローレベルに保持される。
図3(e)に示すミュート信号及び図3(a)に示す入力信号は、スイッチ回路14に入力される。
ここで、入力信号及びミュート信号が入力されたとき、スイッチ回路14は、下記の要領でスピーカー駆動装置4に対し信号を出力する。
即ち、ミュート信号がインバータI5により論理反転してスイッチ回路14のNAND回路NA2の一方の入力端に入力され、入力信号がスイッチ回路14のNAND回路NA2の他方の入力端に入力されると、NAND回路NA2は、当該ミュート信号のハイレベルとローレベルとを反転させた信号と、当該入力信号と、の否定論理積を出力する。さらに、NAND回路NA2が出力した当該否定論理積は、インバータI6により論理反転してスピーカー駆動装置4に出力される。
ここで、図3の場合、図3(e)に示すミュート信号は、上述したとおり、ローレベルに保持されるため、スイッチ回路14のNAND回路NA2の一方の入力端に入力される信号は、ハイレベルに保持される。
従って、スイッチ回路14のNAND回路NA2は、他方の入力端に入力される信号を論理反転した信号をインバータI6によりさらに論理反転した信号、即ち、図13(f)に示す信号を出力する。
結果として異常パルス検出回路3aは、図3(f)に示す信号、即ち、図3(a)に示す入力信号と同一の波形を有する信号を、スピーカー駆動装置4に出力する。つまり、異常パルス検出回路3aは、図3(a)に示す入力信号をそのままの状態でスピーカー駆動装置4に出力する。
次に、入力信号に、パルス細りまたは上記既知のパルス幅より短いパルス幅を有する誤パルスが発生しているときの、異常パルス検出回路3aの動作について、図4に基づいて説明する。
この場合、入力信号のパルスは、パルス細りにより、図4(a)に示すとおり、正常なパルス幅よりも短いパルス幅を有する。
図4(a)に示す入力信号は、受信パルスエッジ検出回路10に入力される。受信パルスエッジ検出回路10は、上述した要領により、図4(a)に示す入力信号の立ち下がりの瞬間にハイレベルとなるパルスであって、所定のパルス幅t0を有するエッジ検出信号を生成する(図4(b)参照)。
受信パルスエッジ検出回路10が生成したエッジ検出信号は、ミュート基準パルス生成回路11に入力される。ミュート基準パルス生成回路11は、上述した要領により、エッジ検出信号の立ち上がりから所定の時間経過後にハイレベルとなるパルスであって、パルス幅t1を有する、正論理のミュート基準パルスを生成する(図4(c)参照)。
図4(c)に示すミュート基準パルス及び図4(a)に示す入力信号は、ロジック回路12に入力される。ロジック回路12は、図4(c)に示すミュート基準パルスと図4(a)に示す入力信号との否定論理積を示す信号を出力する。
ここで、図4(a)に示すとおり、入力信号のパルスは、パルス細りが発生している箇所において、正常なパルス幅よりも短いパルス幅を有する。そしてこの結果、図4(c)に示すミュート基準パルス及び図4(a)に示す入力信号には、共にハイレベルとなる期間t2が発生する。そのため、ロジック回路12の出力信号は、図4(d)に示すとおり、期間t2においてローレベルとなる(即ち、ロジック回路12は期間t2において信号を出力する)。
そして、図4(d)に示すロジック回路12の出力信号は、インバータI3により論理反転してミュート信号生成回路13に入力される。ミュート信号生成回路13は、上述した要領により、インバータI3の出力信号からミュート信号を生成する。即ち、ミュート信号生成回路13は、ロジック回路12の出力信号の立ち下がり(即ち、インバータI3の出力信号の立ち上がり)から所定の時間経過後にハイレベルとなるパルスであって、パルス幅t3を有するミュート信号を生成する(図4(e)参照)。
なお、本実施の形態においては、上述したとおり、ミュート信号生成回路13がミュート信号を生成する要領は、上述したミュート基準パルス生成回路11がミュート基準パルスを生成する要領と略同一となる。そのため、比較器CMP2がローレベルの信号を出力する時間、即ち、ミュート信号のパルス幅t3(即ち、本発明に係る異常パルス検出手段が、光信号の外部出力を停止する「所定の期間」)は、下記数式により、適宜設定することができる。
t3=(C3・vref2)/Ib (nsec) ・・・(2)
(なお、C3:コンデンサC3の容量、vref2:基準電圧源Vref2の基準電圧値、Ib:電流源Ibの電流値)
なお、入力信号に発生する、上記既知のパルス幅より短いパルス幅を有する異常パルスを検出する場合、上記数式(2)により設定されるミュート信号のパルス幅t3は、入力信号の1周期以上の長さを有するパルス幅、望ましくは、上記既知のパルス幅よりも充分に長いパルス幅とする。特にこの場合、ミュート信号のパルス幅t3は、入力信号においてパルスが発生しない最大の周期に該当するパルス幅以上の範囲に設定するのが好適である。即ち、入力信号の4周期に1パルス以上が発生する場合、ミュート信号のパルス幅t3は例えば、入力信号の周期の4倍以上の値に設定されるのが好適である。
図4(e)に示すミュート信号及び図4(a)に示す入力信号は、スイッチ回路14に入力される。スイッチ回路14は、上述した要領により、スピーカー駆動装置4に対し信号を出力する。
結果として、異常パルス検出回路3aは、図4(a)に示す入力信号と、図4(e)に示すミュート信号をインバータI5により論理反転した信号と、の否定論理積を示す信号を、インバータI6により論理反転した信号、即ち、図4(f)に示す信号を、スピーカー駆動装置4に出力する。
スピーカー駆動装置4への出力信号は、図4(f)に示すとおり、ミュート信号生成回路13からのミュート信号がハイレベルに保持される間はハイレベルに保持される。
入力信号は、元々負論理の信号として入力されるため、スピーカー駆動装置4への出力信号がハイレベルに保持されている間は、実質的に受信装置2からスピーカー駆動装置4へと入力される信号が存在しない。つまり、スピーカー駆動装置4への出力信号がハイレベルに保持されている間は、スピーカー駆動装置4は、スピーカー5に対し、入力信号、即ち、音声データの再生を停止させる。
最後に、入力信号に、パルス割れが発生しているときの、異常パルス検出回路3aの動作について、図5に基づいて説明する。
この場合、入力信号は、パルス割れにより、図5(a)に示すとおり、本来1つであるはずのパルスが、2つのパルス(P1及びP2)に分離している。結果、入力信号は、正常なパルス幅よりも短いパルス幅を有する。
図5(a)に示す入力信号は、受信パルスエッジ検出回路10に入力される。受信パルスエッジ検出回路10は、上述した要領により、入力信号の立ち下がりの瞬間にハイレベルとなるパルスであって、所定のパルス幅t0を有するエッジ検出信号を生成する。
ここで、上記エッジ検出信号は、図5(b)に示すとおり、パルスP1の立ち下がりエッジとパルスP2の立ち下がりエッジとの両方で発生する。
受信パルスエッジ検出回路10が生成したエッジ検出信号は、ミュート基準パルス生成回路11に入力される。ミュート基準パルス生成回路11は、上述した要領により、エッジ検出信号の立ち上がりから所定の時間経過後にハイレベルとなるパルスであって、パルス幅t1を有する、正論理のミュート基準パルスを生成する。
なお、ミュート基準パルス生成回路11は、パルスP1を基に生成されたエッジ検出信号からミュート基準パルスを生成すると共に、パルスP2を基に生成されたエッジ検出信号から当該ミュート基準パルスとは別のミュート基準パルスを生成する。
なお、図5(c)では、上記2つのミュート基準パルスが重なり合った結果、パルス幅がt1よりも長いミュート基準パルスが生成されている。しかしながら、当該2つのミュート基準パルスは必ずしも重なり合うとは限らない。
図5(c)に示すミュート基準パルス及び図5(a)に示す入力信号は、ロジック回路12に入力される。ロジック回路12は、図5(c)に示すミュート基準パルスと図5(a)に示す入力信号との否定論理積を示す信号を出力する。
ここで、図5(c)に示すミュート基準パルス及び図5(a)に示す入力信号が共にハイレベルとなる期間は、図5(d)の期間t21及びt22となる。そのため、ロジック回路12の出力信号は、図5(d)に示すとおり、期間t21及びt22においてローレベルとなる(即ち、ロジック回路12は期間t21及びt22において信号を出力する)。
そして、図5(d)に示すロジック回路12の出力信号は、インバータI3により論理反転してミュート信号生成回路13に入力される。ミュート信号生成回路13は、上述した要領により、インバータI3の出力信号からミュート信号を生成する。即ち、ミュート信号生成回路13は、ロジック回路12の出力信号の立ち下がりから所定の時間経過後にハイレベルとなるパルスであって、パルス幅t3を有するミュート信号を生成する(図5(e)参照)。
図5(e)に示すミュート信号及び図5(a)に示す入力信号は、スイッチ回路14に入力される。スイッチ回路14は、上述した要領により、スピーカー駆動装置4に対し信号を出力する。
結果として、異常パルス検出回路3aは、図5(a)に示す入力信号と、図5(e)に示すミュート信号をインバータI5により論理反転させた信号と、の否定論理積を示す信号を、インバータI6により論理反転させた信号、即ち、図5(f)に示す信号を、スピーカー駆動装置4に出力する。
スピーカー駆動装置4への出力信号は、図5(f)に示すとおり、ミュート信号生成回路13からのミュート信号がハイレベルに保持される間はハイレベルに保持される。
入力信号は、元々負論理の信号として入力されるため、スピーカー駆動装置4への出力信号がハイレベルに保持されている間は、実質的に受信装置2からスピーカー駆動装置4へと入力される信号が存在しない。つまり、スピーカー駆動装置4への出力信号がハイレベルに保持されている間は、スピーカー駆動装置4は、スピーカー5に対し、入力信号、即ち、音声データの再生を停止させる。
こうして、図2に示す異常パルス検出回路3aは、パルス細りまたは上記既知のパルス幅より短いパルス幅を有する誤パルスが発生しているときにおいて、入力信号、即ち、音声データの再生を停止させる。
〔実施の形態2〕
本発明の他の実施の形態について、図7〜図11に基づいて説明すれば以下の通りである。なお、説明の便宜上、すでに図面を用いて説明した部材と同一の機能を有する部材には、同一の符号を付記してその説明を省略する。
図7は、異常パルス検出回路の別の構成例を示すブロック図である。なお、図7に示す異常パルス検出回路(異常パルス検出手段)3bは、図2に示す異常パルス検出回路3aと同様に、図1に示す光受信機1における異常パルス検出回路3として好適に用いられる。また、図7に示す異常パルス検出回路3bには、入力信号が正論理のデジタル信号として入力される。
図7に示す異常パルス検出回路3bは、図2に示す異常パルス検出回路3aと同様に、入力信号に発生する、上記既知のパルス幅より短いパルス幅を有する異常パルスを検出する場合に好適な実施例である。
図7に示す異常パルス検出回路3bは、図2に示す異常パルス検出回路3aの構成において、受信パルスエッジ検出回路10のかわりに受信パルスエッジ検出回路(受信パルスエッジ検出手段)20を備え、ミュート基準パルス生成回路11のかわりにミュート基準パルス生成回路(基準パルス生成手段)21を備え、ロジック回路12のかわりにロジック回路(論理手段)22を備える構成である。また、図7に示す異常パルス検出回路3bは、インバータI3が省略される構成である。
受信パルスエッジ検出回路20は、コンデンサC4、抵抗R2、及びインバータI7、I8を備える構成である。コンデンサC4の一端は、受信装置2と同一の電源ラインに接続される。コンデンサC4の他端は、インバータI7の入力端に接続される。インバータI7の出力端は、インバータI8の入力端に接続される。インバータI8の出力端は、ミュート基準パルス生成回路21に接続される。抵抗R2の一端は、コンデンサC4の他端とインバータI7の入力端との間(接続点CR2)に接続される。抵抗R2の他端は、グランド電位に保持される。
この受信パルスエッジ検出回路20には、入力信号が入力される。そして、受信パルスエッジ検出回路20は、入力信号の立ち上がりエッジまたは立ち下がりエッジを検出するエッジ検出信号を生成し、出力する。
なお、本実施の形態等、入力信号が正論理のデジタル信号である場合、受信パルスエッジ検出回路20は、入力信号の立ち上がりエッジを検出するエッジ検出信号を生成し、出力する。また、入力信号が負論理のデジタル信号である場合、受信パルスエッジ検出回路20は、入力信号の立ち下がりエッジを検出するエッジ検出信号を生成し、出力する。
受信パルスエッジ検出回路20は、生成したエッジ検出信号をミュート基準パルス生成回路21に出力する。
ミュート基準パルス生成回路21は、トランジスタTr1、電流源Ia、コンデンサC2、基準電圧源Vref1、及び比較器CMP1を備える構成である。
なお、ミュート基準パルス生成回路21の回路構成は、図2に示す異常パルス検出回路3aのミュート基準パルス生成回路11の回路構成において、インバータI2を省略した回路構成と同一である(但し、トランジスタTr1のベースは、受信パルスエッジ検出回路20のインバータI8の出力端に接続され、比較器CMP1の出力端は、ロジック回路22に接続される)。従って、ここではミュート基準パルス生成回路21の回路構成の詳細な説明については省略する。
このミュート基準パルス生成回路21は、受信パルスエッジ検出回路20からのエッジ検出信号に基づいて、ミュート基準パルスを生成し、出力する。
なお、本実施の形態等、入力信号が正論理のデジタル信号である場合、ミュート基準パルス生成回路21が生成するミュート基準パルスは、パルス幅が一定の負論理のパルスとなる。また、入力信号が負論理のデジタル信号である場合、ミュート基準パルス生成回路21が生成するミュート基準パルスは、パルス幅が一定の正論理のパルスとなる。
ミュート基準パルス生成回路21は、生成したミュート基準パルスを、ロジック回路22に出力する。
ロジック回路22は、一般的なNOR(否定論理和)回路NO1を備える構成である。NOR回路NO1の一方の入力端は、比較器CMP1の出力端に接続される。NOR回路NO1の他方の入力端は、受信装置2と同一の電源ラインに接続される。NOR回路NO1の出力端は、ミュート信号生成回路13に接続される。
このロジック回路22には、ミュート基準パルス生成回路21が生成したミュート基準パルス、及び入力信号が入力される。即ち、ロジック回路22のNOR回路NO1の一方の入力端には、当該ミュート基準パルスが入力され、ロジック回路22のNOR回路NO1の他方の入力端には、当該入力信号が入力される。そして、ロジック回路22は、当該ミュート基準パルスと当該入力信号との否定論理和を示す出力信号を、ミュート信号生成回路13に出力する。
なお、ミュート信号生成回路13のトランジスタTr2のベースは、ロジック回路22のNOR回路NO1の出力端に接続される。ミュート信号生成回路13には、ロジック回路22の出力信号が入力される。
ここからは、異常パルス検出回路3bの具体的な動作原理について、図8〜10に基づいて説明する。
図8は、入力信号にパルス幅の変動が発生していないときの、異常パルス検出回路3bの具体的な動作原理を説明するタイミングチャートである。図9は、入力信号に、パルス細りまたは上記既知のパルス幅より短いパルス幅を有する誤パルスが発生しているときの、異常パルス検出回路3bの具体的な動作原理を説明するタイミングチャートである。図10は、入力信号に、パルス割れが発生しているときの、異常パルス検出回路3bの具体的な動作原理を説明するタイミングチャートである。
なお、図8〜10のタイミングチャートにおいて、横軸は時間(期間)を、縦軸は上記1ビットデータ列の電圧レベル(ハイレベル(Vcc)またはローレベル(GND))を示す。従って、1ビットデータ列の特定のパルスのパルス幅は、当該特定のパルスがハイレベル(またはローレベル)の信号を出力する時間と等しい。また、図8〜10のタイミングチャートにおいて、(a)の波形は、入力信号の波形を、(b)の波形は、エッジ検出信号の波形を、(c)の波形は、ミュート基準パルスの波形を、(d)の波形は、ロジック回路22の出力波形を、(e)の波形は、ミュート信号の波形を、(f)の波形は、スピーカー駆動装置4への出力信号の波形を示す。
また、上述したとおり、図7に示す異常パルス検出回路3bには、入力信号が正論理のデジタル信号として入力される。
まず、入力信号に、パルス幅の変動が発生していないときの、異常パルス検出回路3bの動作について、図8に基づいて説明する。
パルス幅の変動が発生していない場合、入力信号は、図8(a)に示すとおり、正常なパルス幅を有する。
図8(a)に示す入力信号は、受信パルスエッジ検出回路20に入力される。受信パルスエッジ検出回路20は、図8(a)に示す入力信号の立ち上がりエッジを検出するエッジ検出信号を生成する。
ここで、入力信号が入力されるとき、受信パルスエッジ検出回路20が上記エッジ検出信号を生成する要領について、図11に基づいて説明する。
図11は、受信パルスエッジ検出回路20が上記エッジ検出信号を生成する要領を説明するタイミングチャートである。なお、図11(a)は、入力信号の波形を、図11(b)は、接続点CR2における電圧波形を、図11(c)は、上記エッジ検出信号の波形を示す。
受信パルスエッジ検出回路20の抵抗R2及びコンデンサC4は、一般的な微分回路を構成する。また、受信パルスエッジ検出回路20に入力される入力信号(図11(a)参照)は、パルスの立ち下がり及び立ち上がりの瞬間において、非常に高い周波数成分を有している。
このため、入力信号の立ち上がりの瞬間において、接続点CR2の電圧は、抵抗R2及びコンデンサC4の微分作用により、ローレベルからハイレベルへと急激に変化する(図11(b)参照)。そしてその後、入力信号は、定常的にハイレベルとなるため、接続点CR2の電圧は、ハイレベルからローレベルへと徐々に下降する。
一方、入力信号の立ち下がりの瞬間において、接続点CR2の電圧は、上記微分作用により、ローレベル以下の電圧へと急激に変化する(図11(b)参照)。このとき、接続点CR2にはローレベル以下の電圧が発生するが、入力信号は、定常的にローレベルとなるため、接続点CR2の電圧は、ローレベルに漸近する。
以上の動作より、入力信号は、接続点CR2において、入力信号の立ち上がりの瞬間にハイレベルとなるパルスであって、所定のパルス幅t4(例えば、5(nsec)〜10(nsec)程度の時間に該当するパルス幅)を有するパルス信号に変換される。そして、当該パルス信号を、インバータI7、I8により2度論理反転させることにより、受信パルスエッジ検出回路20は、入力信号の立ち上がりの瞬間にハイレベルとなるパルスであって、所定のパルス幅t4を有するエッジ検出信号(図11(c)参照)を生成する。
図8(a)に示す入力信号が入力される場合、受信パルスエッジ検出回路20は、図8(a)に示す入力信号の立ち上がりの瞬間にハイレベルとなるパルスであって、所定のパルス幅t4を有する、図8(b)に示すエッジ検出信号を生成する。
受信パルスエッジ検出回路20が生成したエッジ検出信号(図8(b)参照)は、ミュート基準パルス生成回路21に入力される。ミュート基準パルス生成回路21は、当該エッジ検出信号からミュート基準パルスを生成する。
なお、上記エッジ検出信号が入力されたとき、ミュート基準パルス生成回路21がミュート基準パルスを生成する要領は、ミュート基準パルス生成回路11がミュート基準パルスを生成する要領と略同一である。
即ち、ミュート基準パルス生成回路21における、上記エッジ検出信号が入力されてから比較器CMP1の出力を得るまでの動作は、ミュート基準パルス生成回路11における当該動作と同一である。但し、上述したとおり、ミュート基準パルス生成回路21は、インバータI2が省略される構成である。従って、上記比較器CMP1の出力を論理反転させずに出力することにより、ミュート基準パルス生成回路21は、図8(c)に示すとおり、エッジ検出信号の立ち上がりから所定の時間経過後にローレベルとなるパルスであって、パルス幅t1を有するミュート基準パルスを生成する。
なお、上述したとおり、入力信号が正論理のデジタル信号である場合、このミュート基準パルスは、負論理のデジタル信号として出力される。また、入力信号における、上記既知のパルス幅より短いパルス幅を有する異常パルスを検出する場合、ミュート基準パルスのパルス幅t1は、当該既知のパルス幅よりも短いパルス幅とする。
図8(c)に示すミュート基準パルス及び図8(a)に示す入力信号は、ロジック回路22に入力される。ロジック回路22は、図8(c)に示すミュート基準パルスと図8(a)に示す入力信号との否定論理和を示す信号を出力する。
なお、ロジック回路22のNOR回路NO1は、2種類の信号が入力される場合、当該2種類の信号が共にローレベルであるときにはハイレベルの信号を出力し、それ以外のときには、常にローレベルの信号を出力する(即ち、否定論理和)特性を有する。
そのため、入力信号にパルス幅の変動が発生していない場合、図8(c)に示すミュート基準パルス及び図8(a)に示す入力信号が共にローレベルとなる期間は存在しない。そのため、ロジック回路22(NOR回路NO1)の出力信号は、図8(d)に示すとおり、ローレベルに保持される(即ち、ロジック回路22は何も出力しない)。
図8(d)に示すロジック回路22の出力信号は、ミュート信号生成回路13に入力される。ミュート信号生成回路13は、上述した要領により、ロジック回路22の出力信号からミュート信号を生成する。
図8(d)に示すロジック回路22の出力信号が、ミュート信号生成回路13に入力される場合、ミュート信号生成回路13に入力される信号は、常にローレベルとなる。従って、この場合、ミュート信号生成回路13が出力するミュート信号は、上述した理由により、図8(e)に示すとおり、ローレベルに保持される。
図8(e)に示すミュート信号及び図8(a)に示す入力信号は、スイッチ回路14に入力される。スイッチ回路14は、上述した要領により、スピーカー駆動装置4に対し信号を出力する。
ここで、図8の場合、図8(e)に示すミュート信号は、上述したとおり、ローレベルに保持されるため、スイッチ回路14のNAND回路NA2の一方の入力端に入力される信号は、ハイレベルに保持される。
従って、スイッチ回路14のNAND回路NA2が出力する信号は、スイッチ回路14のNAND回路NA2の他方の入力端に入力される信号、即ち、図8(a)に示す入力信号と同一となる。
従って、結果として異常パルス検出回路3bは、図8(a)に示す入力信号と同一の波形を有する、図8(f)に示す信号を、スピーカー駆動装置4に出力する。つまり、異常パルス検出回路3bは、図8(a)に示す入力信号をそのままの状態でスピーカー駆動装置4に出力する。
次に、入力信号に、パルス細りまたは上記既知のパルス幅より短いパルス幅を有する誤パルスが発生しているときの、異常パルス検出回路3bの動作について、図9に基づいて説明する。
この場合、入力信号は、パルス細りにより、図9(a)に示すとおり、正常なパルス幅よりも短いパルス幅を有する。
図9(a)に示す入力信号は、受信パルスエッジ検出回路20に入力される。受信パルスエッジ検出回路20は、上述した要領により、図9(a)に示す入力信号の立ち上がりの瞬間にハイレベルとなるパルスであって、所定のパルス幅t4を有するエッジ検出信号を生成する(図9(b)参照)。
受信パルスエッジ検出回路20が生成したエッジ検出信号は、ミュート基準パルス生成回路21に入力される。ミュート基準パルス生成回路21は、上述した要領により、エッジ検出信号の立ち上がりから所定の時間経過後にローレベルとなるパルスであって、パルス幅t1を有する、負論理のミュート基準パルスを生成する(図9(c)参照)。
図9(c)に示すミュート基準パルス及び図9(a)に示す入力信号は、ロジック回路22に入力される。ロジック回路22は、図9(c)に示すミュート基準パルスと図9(a)に示す入力信号との否定論理和を示す信号を出力する。
ここで、図9(a)に示すとおり、入力信号のパルス幅は正常なパルス幅よりも短い。そしてこの結果、図9(c)に示すミュート基準パルス及び図9(a)に示す入力信号には、共にローレベルとなる期間t5が存在する。そのため、ロジック回路22の出力信号は、図9(d)に示すとおり、期間t5においてハイレベルとなる(即ち、ロジック回路22は期間t5において信号を出力する)。
そして、図9(d)に示すロジック回路22の出力信号は、ミュート信号生成回路13に入力される。ミュート信号生成回路13は、上述した要領により、ロジック回路22の出力信号からミュート信号を生成する。即ち、ミュート信号生成回路13は、ロジック回路22の出力信号の立ち上がりから所定の時間経過後にハイレベルとなるパルスであって、パルス幅t3を有するミュート信号を生成する(図9(e)参照)。
図9(e)に示すミュート信号及び図9(a)に示す入力信号は、スイッチ回路14に入力される。スイッチ回路14は、上述した要領により、スピーカー駆動装置4に対し信号を出力する。
結果として、異常パルス検出回路3bは、図9(a)に示す入力信号と、図9(e)に示すミュート信号をインバータI5により論理反転させた信号と、の否定論理積を示す信号を、インバータI6により論理反転させた信号、即ち、図9(f)に示す信号を、スピーカー駆動装置4に出力する。
スピーカー駆動装置4への出力信号は、図9(f)に示すとおり、ミュート信号生成回路13からのミュート信号がハイレベルに保持される間はローレベルに保持される。
入力信号は、元々正論理の信号として入力されるため、スピーカー駆動装置4への出力信号がローレベルに保持されている間は、実質的に受信装置2からスピーカー駆動装置4へと入力される信号が存在しない。つまり、スピーカー駆動装置4への出力信号がローレベルに保持されている間は、スピーカー駆動装置4は、スピーカー5に対し、入力信号、即ち、音声データの再生を停止させる。
最後に、入力信号に、パルス割れが発生しているときの、異常パルス検出回路3bの動作について、図10に基づいて説明する。
この場合、入力信号は、パルス割れにより、図10(a)に示すとおり、本来1つであるはずのパルスが、2つのパルス(P3及びP4)に分離している。結果、入力信号は、正常なパルス幅よりも短いパルス幅を有する。
図10(a)に示す入力信号は、受信パルスエッジ検出回路20に入力される。受信パルスエッジ検出回路20は、上述した要領により、入力信号の立ち上がりの瞬間にハイレベルとなるパルスであって、所定のパルス幅t4を有するエッジ検出信号を生成する。
ここで、上記エッジ検出信号は、図10(b)に示すとおり、パルスP3の立ち上がりエッジとパルスP4の立ち上がりエッジとの両方で発生する。
受信パルスエッジ検出回路20が生成したエッジ検出信号は、ミュート基準パルス生成回路21に入力される。ミュート基準パルス生成回路21は、上述した要領により、エッジ検出信号の立ち上がりから所定の時間経過後にローレベルとなるパルスであって、パルス幅t1を有する、負論理のミュート基準パルスを生成する。
なお、ミュート基準パルス生成回路21は、パルスP3を基に生成されたエッジ検出信号からミュート基準パルスを生成すると共に、パルスP4を基に生成されたエッジ検出信号から当該ミュート基準パルスとは別のミュート基準パルスを生成する。
なお、図10(c)では、上記2つのミュート基準パルスが重なり合った結果、パルス幅がt1よりも長いミュート基準パルスが生成されている。しかしながら、当該2つのミュート基準パルスは必ずしも重なり合うとは限らない。
図10(c)に示すミュート基準パルス及び図10(a)に示す入力信号は、ロジック回路22に入力される。ロジック回路22は、図10(c)に示すミュート基準パルスと図10(a)に示す入力信号との否定論理和を示す信号を出力する。
ここで、図10(c)に示すミュート基準パルス及び図10(a)に示す入力信号が共にローレベルとなる期間は、図10(d)の期間t51及びt52となる。そのため、ロジック回路22の出力信号は、図10(d)に示すとおり、期間t51及びt52においてハイレベルとなる(即ち、ロジック回路22は期間t51及びt52において信号を出力する)。
そして、図10(d)に示すロジック回路22の出力信号は、ミュート信号生成回路13に入力される。ミュート信号生成回路13は、上述した要領により、ロジック回路22の出力信号からミュート信号を生成する。即ち、ミュート信号生成回路13は、ロジック回路12の出力信号の立ち上がりから所定の時間経過後にハイレベルとなるパルスであって、パルス幅t3を有するミュート信号を生成する(図10(e)参照)。
図10(e)に示すミュート信号及び図10(a)に示す入力信号は、スイッチ回路14に入力される。スイッチ回路14は、上述した要領により、スピーカー駆動装置4に対し信号を出力する。
結果として、異常パルス検出回路3bは、図10(a)に示す入力信号と、図10(e)に示すミュート信号をインバータI5により論理反転させた信号と、の否定論理積を示す信号を、インバータI6により論理反転させた信号、即ち、図10(f)に示す信号を、スピーカー駆動装置4に出力する。
スピーカー駆動装置4への出力信号は、図10(f)に示すとおり、ミュート信号生成回路13からのミュート信号がハイレベルに保持される間はローレベルに保持される。
入力信号は、元々正論理の信号として入力されるため、スピーカー駆動装置4への出力信号がローレベルに保持されている間は、実質的に受信装置2からスピーカー駆動装置4へと入力される信号が存在しない。つまり、スピーカー駆動装置4への出力信号がローレベルに保持されている間は、スピーカー駆動装置4は、スピーカー5に対し、入力信号、即ち、音声データの再生を停止させる。
こうして、図7に示す異常パルス検出回路3bは、パルス細りまたは上記既知のパルス幅より短いパルス幅を有する誤パルスが発生しているときにおいて、入力信号、即ち、音声データの再生を停止させる。
〔実施の形態3〕
本発明の他の実施の形態について、図12〜図14に基づいて説明すれば以下の通りである。なお、説明の便宜上、すでに図面を用いて説明した部材と同一の機能を有する部材には、同一の符号を付記してその説明を省略する。
図12は、異常パルス検出回路の別の構成例を示すブロック図である。なお、図12に示す異常パルス検出回路(異常パルス検出手段)3cは、図2に示す異常パルス検出回路3a及び図7に示す異常パルス検出回路3bと同様に、図1に示す光受信機1における異常パルス検出回路3として好適に用いられる。また、図12に示す異常パルス検出回路3cには、入力信号が負論理のデジタル信号として入力される。
図12に示す異常パルス検出回路3cは、入力信号に発生する、上記既知のパルス幅より長いパルス幅を有する異常パルス(パルス太り、上記既知のパルス幅より長いパルス幅を有する誤パルスの発生等)を検出する場合に好適な実施例である。
図12に示す異常パルス検出回路3cは、図2に示す異常パルス検出回路3aの構成において、スイッチ回路14のかわりに、スイッチ回路(出力停止手段)24を備える構成である。なお、このスイッチ回路24は、スイッチ回路14の構成において、インバータI5及びI6のかわりに、インバータI7を備える構成である。インバータI7の入力端は、受信装置2と同一の電源ラインに接続される。インバータI7の出力端は、NAND回路NA2の他方の入力端に接続される。スイッチ回路24のNAND回路NA2の一方の入力端には、ミュート信号生成回路13からのミュート信号が入力される。スイッチ回路24のNAND回路NA2の他方の入力端には、入力信号が、インバータI7により論理反転して入力される。そして、スイッチ回路24のNAND回路NA2は、ミュート信号と入力信号をインバータI7により論理反転した信号との否定論理積を示す信号をスピーカー駆動装置4に出力する。
また、入力信号に発生する、上記既知のパルス幅より長いパルス幅を有する異常パルスを検出する場合、上記数式(1)により設定される、ミュート基準パルス生成回路11(または、ミュート基準パルス生成回路21)が生成するミュート基準パルスのパルス幅t1は、上記既知のパルス幅よりも長く、入力信号の1周期よりも短いパルス幅とする。
さらに、入力信号に発生する、上記既知のパルス幅より長いパルス幅を有する異常パルスを検出する場合、上記数式(2)により設定される、ミュート信号生成回路13が生成するミュート信号のパルス幅t3は、入力信号においてパルスが発生しない最大の周期に該当する程度のパルス幅に設定するのが好適である。即ち、入力信号の4周期に1パルス以上が発生する場合、ミュート信号のパルス幅t3は例えば、入力信号の周期の4倍程度の値に設定されるのが好適である。
ここからは、異常パルス検出回路3cの具体的な動作原理について、図13、14に基づいて説明する。
図13は、入力信号にパルス幅の変動が発生していないときの、異常パルス検出回路3cの具体的な動作原理を説明するタイミングチャートである。図14は、上記既知のパルス幅より長いパルス幅を有する異常パルスが発生しているときの、異常パルス検出回路3cの具体的な動作原理を説明するタイミングチャートである。
なお、図13、14のタイミングチャートにおいて、横軸は時間(期間)を、縦軸は上記1ビットデータ列の電圧レベル(ハイレベル(Vcc)またはローレベル(GND))を示す。従って、1ビットデータ列の特定のパルスのパルス幅は、当該特定のパルスがハイレベル(またはローレベル)の信号を出力する時間と等しい。また、図13、14のタイミングチャートにおいて、(a)の波形は、入力信号の波形を、(b)の波形は、エッジ検出信号の波形を、(c)の波形は、ミュート基準パルスの波形を、(d)の波形は、ロジック回路12の出力波形を、(e)の波形は、ミュート信号の波形を、(f)の波形は、スピーカー駆動装置4への出力信号の波形を示す。
まず、入力信号に、パルス幅の変動が発生していないときの、異常パルス検出回路3cの動作について、図13に基づいて説明する。
パルス幅の変動が発生していない場合、入力信号は、図13(a)に示すとおり、正常なパルス幅を有する。
図13(a)に示す入力信号は、受信パルスエッジ検出回路10に入力される。図13(a)に示す入力信号の立ち下がりの瞬間にハイレベルとなるパルスであって、所定のパルス幅t0を有するエッジ検出信号を生成する(図13(b)参照)。
受信パルスエッジ検出回路10が生成したエッジ検出信号は、ミュート基準パルス生成回路11に入力される。ミュート基準パルス生成回路11は、当該エッジ検出信号から正論理のミュート基準パルスを生成する。
ここで、ミュート基準パルスのパルス幅t1は、上述したとおり、上記既知のパルス幅よりも長く、入力信号の1周期よりも短い。そのため、ミュート基準パルス生成回路11が生成するミュート基準パルスは例えば、図13(c)に示す波形となる。
図13(c)に示すミュート基準パルス及び図13(a)に示す入力信号は、ロジック回路12に入力される。ロジック回路12は、図13(c)に示すミュート基準パルスと図13(a)に示す入力信号との否定論理積を示す信号を出力する。
ここで、入力信号にパルス幅の変動が発生していない場合、図13(c)に示すミュート基準パルス及び図13(a)に示す入力信号には、共にハイレベルとなる期間t6が、上記入力信号の1周期毎に存在する。そのため、ロジック回路12の出力信号は、図13(d)に示すとおり、期間t6においてローレベルとなる(即ち、ロジック回路12は期間t6において信号を出力する)
図13(d)に示すロジック回路12の出力信号は、インバータI3により論理反転してミュート信号生成回路13に入力される。ミュート信号生成回路13は、インバータI3の出力信号からミュート信号を生成する。
ここで、ミュート信号生成回路13が生成するミュート信号のパルス幅t3は、入力信号においてパルスが発生しない最大の周期に該当する程度のパルス幅に設定されている。この場合、ミュート信号のパルス幅t3は、入力信号の1周期以上のパルス幅となる。また、ミュート信号生成回路13は、図13(d)に示すロジック回路12の出力信号に基づいて、上記入力信号の1周期毎にミュート信号を生成する。そのため、結果として、当該ミュート信号は、図13(e)に示すとおり、ハイレベルに保持される。
図13(e)に示すミュート信号、及び図13(a)に示す入力信号をインバータI7により論理反転した信号は、スイッチ回路24に入力される。
ここで、図13の場合、図13(e)に示すミュート信号は、上述したとおり、ハイレベルに保持されるため、スイッチ回路24のNAND回路NA2の一方の入力端に入力される信号は、ハイレベルに保持される。
従って、スイッチ回路24のNAND回路NA2は、他方の入力端に入力される信号を論理反転した信号、即ち、図13(f)に示す信号を出力する。
結果として異常パルス検出回路3cは、図13(f)に示す信号、即ち、図13(a)に示す入力信号と同一の波形を有する信号を、スピーカー駆動装置4に出力する。つまり、異常パルス検出回路3cは、図13(a)に示す入力信号をそのままの状態でスピーカー駆動装置4に出力する。
次に、入力信号に、上記既知のパルス幅より長いパルス幅を有する異常パルスが発生しているときの、異常パルス検出回路3cの動作について、図14に基づいて説明する。
この場合、入力信号は、パルス太りにより、図14(a)に示すとおり、正常なパルス幅よりも長いパルス幅を有する。
図14(a)に示す入力信号は、受信パルスエッジ検出回路10に入力される。図14(a)に示す入力信号の立ち下がりの瞬間にハイレベルとなるパルスであって、所定のパルス幅t0を有するエッジ検出信号を生成する(図14(b)参照)。
受信パルスエッジ検出回路10が生成したエッジ検出信号は、ミュート基準パルス生成回路11に入力される。ミュート基準パルス生成回路11は、当該エッジ検出信号から正論理のミュート基準パルスを生成する(図14(c)参照)。
図14(c)に示すミュート基準パルス及び図14(a)に示す入力信号は、ロジック回路12に入力される。ロジック回路12は、図14(c)に示すミュート基準パルスと図14(a)に示す入力信号との否定論理積を示す信号を出力する。
ここで、図14(a)に示すとおり、入力信号のパルス幅は、パルス太りが発生している箇所において、正常なパルス幅よりも長いパルス幅を有する。そしてこの結果、パルス太りが発生している箇所においては、図14(c)に示すミュート基準パルス及び図14(a)に示す入力信号が共にハイレベルとなる期間(即ち、図13(d)の期間t6に該当する期間)を喪失する(即ち、ロジック回路12は、図14(d)の期間t61において信号を出力しない)。
図14(d)に示すロジック回路12の出力信号は、インバータI3により論理反転してミュート信号生成回路13に入力される。ミュート信号生成回路13は、インバータI3の出力信号からミュート信号を生成する。
ここで、ミュート信号生成回路13が生成するミュート信号のパルス幅t3は、入力信号においてパルスが発生しない最大の周期に該当する程度のパルス幅に設定されている。しかしながら、ミュート信号生成回路13は、上記喪失(図14(c)に示すミュート基準パルス及び図14(a)に示す入力信号が共にハイレベルとなる期間の喪失)が発生する部分においては、ミュート信号を生成することができない。これにより、ミュート信号は、パルス幅t3分の出力を満了すると同時に、ハイレベルからローレベルへと変化する。
図14(e)に示すミュート信号及び図14(a)に示す入力信号は、スイッチ回路24に入力される。スイッチ回路24は、上述した要領でスピーカー駆動装置4に対し信号を出力する。
結果として、異常パルス検出回路3cは、図14(a)に示す入力信号をインバータI7により論理反転した信号と、図14(e)に示すミュート信号と、の否定論理積を示す信号、即ち、図14(f)に示す信号を、スピーカー駆動装置4に出力する。
スピーカー駆動装置4への出力信号は、図14(f)に示すとおり、ミュート信号生成回路13からのミュート信号がローレベルに保持される間はハイレベルに保持される。
入力信号は、元々負論理の信号として入力されるため、スピーカー駆動装置4への出力信号がハイレベルに保持されている間は、実質的に受信装置2からスピーカー駆動装置4へと入力される信号が存在しない。つまり、スピーカー駆動装置4への出力信号がハイレベルに保持されている間は、スピーカー駆動装置4は、スピーカー5に対し、入力信号、即ち、音声データの再生を停止させる。
こうして、図12に示す異常パルス検出回路3cは、パルス太り等の上記既知のパルス幅より長いパルス幅を有する異常パルスが発生しているときにおいて、入力信号、即ち、音声データの再生を停止させる。
〔実施の形態4〕
本発明の他の実施の形態について、図15〜図17に基づいて説明すれば以下の通りである。なお、説明の便宜上、すでに図面を用いて説明した部材と同一の機能を有する部材には、同一の符号を付記してその説明を省略する。
図15は、異常パルス検出回路の別の構成例を示すブロック図である。なお、図15に示す異常パルス検出回路(異常パルス検出手段)3dは、図2に示す異常パルス検出回路3a、図7に示す異常パルス検出回路3b、及び図12に示す異常パルス検出回路3cと同様に、図1に示す光受信機1における異常パルス検出回路3として好適に用いられる。また、図15に示す異常パルス検出回路3dには、入力信号が正論理のデジタル信号として入力される。
図15に示す異常パルス検出回路3dは、入力信号に発生する、上記既知のパルス幅より長いパルス幅を有する異常パルスを検出する場合に好適な実施例である。
図15に示す異常パルス検出回路3dは、図7に示す異常パルス検出回路3bの構成において、スイッチ回路14のかわりに、スイッチ回路14の構成においてインバータI5が省略されるスイッチ回路(出力停止手段)34を備える構成である。スイッチ回路34のNAND回路NA2の一方の入力端には、ミュート信号生成回路13からのミュート信号が入力される。スイッチ回路34のNAND回路NA2の他方の入力端には、入力信号が入力される。そして、スイッチ回路34のNAND回路NA2は、ミュート信号と入力信号との否定論理積を示す信号を、インバータI6により論理反転してスピーカー駆動装置4に出力する。
ここからは、異常パルス検出回路3dの具体的な動作原理について、図16、17に基づいて説明する。
図16は、入力信号にパルス幅の変動が発生していないときの、異常パルス検出回路3dの具体的な動作原理を説明するタイミングチャートである。図17は、上記既知のパルス幅より長いパルス幅を有する異常パルスが発生しているときの、異常パルス検出回路3dの具体的な動作原理を説明するタイミングチャートである。
なお、図16、17のタイミングチャートにおいて、横軸は時間(期間)を、縦軸は上記1ビットデータ列の電圧レベル(ハイレベル(Vcc)またはローレベル(GND))を示す。従って、1ビットデータ列の特定のパルスのパルス幅は、当該特定のパルスがハイレベル(またはローレベル)の信号を出力する時間と等しい。また、図16、17のタイミングチャートにおいて、(a)の波形は、入力信号の波形を、(b)の波形は、エッジ検出信号の波形を、(c)の波形は、ミュート基準パルスの波形を、(d)の波形は、ロジック回路22の出力波形を、(e)の波形は、ミュート信号の波形を、(f)の波形は、スピーカー駆動装置4への出力信号の波形を示す。
まず、入力信号に、パルス幅の変動が発生していないときの、異常パルス検出回路3cの動作について、図16に基づいて説明する。
パルス幅の変動が発生していない場合、入力信号は、図16(a)に示すとおり、正常なパルス幅を有する。
図16(a)に示す入力信号は、受信パルスエッジ検出回路20に入力される。図16(a)に示す入力信号の立ち上がりの瞬間にハイレベルとなるパルスであって、所定のパルス幅t4を有するエッジ検出信号を生成する(図16(b)参照)。
受信パルスエッジ検出回路20が生成したエッジ検出信号は、ミュート基準パルス生成回路21に入力される。ミュート基準パルス生成回路21は、当該エッジ検出信号から負論理のミュート基準パルスを生成する。
ここで、ミュート基準パルスのパルス幅t1は、上述したとおり、上記既知のパルス幅よりも長く、入力信号の1周期よりも短い。そのため、ミュート基準パルス生成回路21が生成するミュート基準パルスは例えば、図16(c)に示す波形となる。
図16(c)に示すミュート基準パルス及び図16(a)に示す入力信号は、ロジック回路22に入力される。ロジック回路22は、図16(c)に示すミュート基準パルスと図16(a)に示す入力信号との否定論理和を示す信号を出力する。
ここで、入力信号にパルス幅の変動が発生していない場合、図16(c)に示すミュート基準パルス及び図16(a)に示す入力信号には、共にローレベルとなる期間t7が、上記入力信号の1周期毎に存在する。そのため、ロジック回路22の出力信号は、図16(d)に示すとおり、期間t7においてハイレベルとなる(即ち、ロジック回路22は期間t7において信号を出力する)。
図16(d)に示すロジック回路22の出力信号は、ミュート信号生成回路13に入力される。ミュート信号生成回路13は、ロジック回路22の出力信号からミュート信号を生成する。
ここで、ミュート信号生成回路13が生成するミュート信号のパルス幅t3は、入力信号においてパルスが発生しない最大の周期に該当する程度のパルス幅に設定されている。即ち、ミュート信号のパルス幅t3は、入力信号の1周期以上のパルス幅となる。そして、ミュート信号生成回路13は、上記入力信号の1周期毎にミュート信号を生成する。そのため、結果として、当該ミュート信号は、図16(e)に示すとおり、ハイレベルに保持される。
図16(e)に示すミュート信号及び図16(a)に示す入力信号は、スイッチ回路34に入力される。スイッチ回路34は、上述した要領でスピーカー駆動装置4に対し信号を出力する。
ここで、図16の場合、図16(e)に示すミュート信号は、上述したとおり、ハイレベルに保持されるため、スイッチ回路34のNAND回路NA2の一方の入力端に入力される信号は、ハイレベルに保持される。
従って、スイッチ回路34のNAND回路NA2は、他方の入力端に入力される信号を論理反転させた信号、即ち、図16(f)に示す信号を出力する。
結果として異常パルス検出回路3dは、図16(f)に示す信号、即ち、図16(a)に示す入力信号と同一の波形を有する信号を、スピーカー駆動装置4に出力する。つまり、異常パルス検出回路3dは、図16(a)に示す入力信号をそのままの状態でスピーカー駆動装置4に出力する。
次に、入力信号に、上記既知のパルス幅より長いパルス幅を有する異常パルスが発生しているときの、異常パルス検出回路3dの動作について、図17に基づいて説明する。
この場合、入力信号は、パルス太りにより、図17(a)に示すとおり、正常なパルス幅よりも長いパルス幅を有する。
図17(a)に示す入力信号は、受信パルスエッジ検出回路20に入力される。図17(a)に示す入力信号の立ち上がりの瞬間にハイレベルとなるパルスであって、所定のパルス幅t4を有するエッジ検出信号を生成する(図17(b)参照)。
受信パルスエッジ検出回路20が生成したエッジ検出信号は、ミュート基準パルス生成回路21に入力される。ミュート基準パルス生成回路21は、当該エッジ検出信号から負論理のミュート基準パルスを生成する(図17(c)参照)。
図17(c)に示すミュート基準パルス及び図17(a)に示す入力信号は、ロジック回路22に入力される。ロジック回路22は、図17(c)に示すミュート基準パルスと図17(a)に示す入力信号との否定論理和を示す信号を出力する。
ここで、図17(a)に示すとおり、入力信号のパルス幅は、パルス太りが発生している箇所において、正常なパルス幅よりも長いパルス幅を有する。そしてこの結果、パルス太りが発生している箇所においては、図17(c)に示すミュート基準パルス及び図17(a)に示す入力信号が共にハイレベルとなる期間(即ち、図16(d)の期間t7に該当する期間)を喪失する(即ち、ロジック回路22は、図17(d)の期間t71において信号を出力しない)。
図17(d)に示すロジック回路22の出力信号は、ミュート信号生成回路13に入力される。ミュート信号生成回路13は、ロジック回路22の出力信号からミュート信号を生成する。
ここで、ミュート信号生成回路13が生成するミュート信号のパルス幅t3は、入力信号においてパルスが発生しない最大の周期に該当する程度のパルス幅に設定されている。しかしながら、ミュート信号生成回路13は、上記喪失(図17(c)に示すミュート基準パルス及び図17(a)に示す入力信号が共にハイレベルとなる期間の喪失)が発生する部分においては、ミュート信号を生成することができない。これにより、ミュート信号は、パルス幅t3分の出力を満了すると同時に、ハイレベルからローレベルへと変化する。
図17(e)に示すミュート信号及び図17(a)に示す入力信号は、スイッチ回路34に入力される。スイッチ回路34は、上述した要領でスピーカー駆動装置4に対し信号を出力する。
結果として、異常パルス検出回路3dは、図17(a)に示す入力信号と、図17(e)に示すミュート信号と、の否定論理積を示す信号を、インバータI6により論理反転させた信号、即ち、図17(f)に示す信号を、スピーカー駆動装置4に出力する。
スピーカー駆動装置4への出力信号は、図17(f)に示すとおり、ミュート信号生成回路13からのミュート信号がローレベルに保持される間はローレベルに保持される。
入力信号は、元々正論理の信号として入力されるため、スピーカー駆動装置4への出力信号がローレベルに保持されている間は、実質的に受信装置2からスピーカー駆動装置4へと入力される信号が存在しない。つまり、スピーカー駆動装置4への出力信号がローレベルに保持されている間は、スピーカー駆動装置4は、スピーカー5に対し、入力信号、即ち、音声データの再生を停止させる。
こうして、図15に示す異常パルス検出回路3dは、パルス太り等の上記既知のパルス幅より長いパルス幅を有する異常パルスが発生しているときにおいて、入力信号、即ち、音声データの再生を停止させる。
なお、光受信機1に備えられる異常パルス検出回路3の構成は、図2に示す異常パルス検出回路3a、図7に示す異常パルス検出回路3b、図12に示す異常パルス検出回路3c、及び図15に示す異常パルス検出回路3dに限定されるものではない。
即ち、光受信機1に備えられる異常パルス検出回路3は、光受信機1が受信した音声データと、当該音声データに基づいて生成したミュート基準パルスと、を比較することにより、上記パルス幅の変動の検出処理を実施し、当該パルス幅の変動を検出した場合には、受信した音声データの外部出力を所定の期間停止させる構成であれば、その回路構成については特に限定されない。
また、光受信機1は、伝送された光信号をワイヤレスで受信する電子機器における受信機として、好適に適用することができる。
本発明は、上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。