JP4497719B2 - 金属被膜用および誘電性被膜用の陰極アーク源 - Google Patents
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Description
本発明は陰極アーク源に関し、特に、金属被覆および誘電性被覆用の、フィルタ付きの陰極アーク源と、陰極アーク源用の陽極ライナと、陰極アーク源の動作方法と、陰極アーク源のためのストライカとに関する。
【0002】
本発明のアーク源は、本出願人によって以前に開発され、WO96/26531特許出願公開明細書に記載されている二重湾曲フィルタダクトと共に使用されることが好都合であるが、フィルタ装置と共にまたはフィルタ装置なしに使用することに適している。
【0003】
様々な基板上に金属薄膜および誘電性薄膜を形成するフィルタ付きの陰極アーク源が知られている。従来技術のアーク源において認められている問題点は、アーク源の強いアークスポットにより、堆積された薄膜を不純にする大量のマクロ粒子が発生するということである。薄膜中のマクロ粒子の数を減らすという問題は、マクロ粒子をアーク源の陰極ターゲットから放出される正イオンのビームから除去する手段を備えることによって従来は対処されている。
【0004】
米国特許出願第5,433,836号に開示されている公知の市販の装置は、マクロ粒子をビームから除去する、45°の角度の湾曲部を含んでいる。WO96/26531号特許出願公開明細書に本発明者によって開示された装置は、同じ目的のための二重の湾曲フィルタダクトを備えている。後者の装置を使用して得られる四面体非晶質炭素の薄膜の品質は高いものの、金属薄膜および誘電性薄膜の品質改善のための調査研究が続けられている。
【0005】
公知の装置の使用時には、アークスポットがターゲット表面の周囲を不規則に移動するので、ターゲットの表面が不均一に消耗するということも分かっている。ターゲット表面上でのアークのこの移動は制御不可能であり、スポットがターゲットの端部に近づく時に堆積速度が低下する。ターゲットを全てのターゲット材料が消耗されるよりかなり前に交換しなければならないが、これでは能率的でない。
【0006】
理論的には、一連の金属ターゲットを使用して形成される多層被膜によって、得られる複合薄膜の非常に望ましい特性がもたらされる。しかし、公知の装置では、ターゲットの交換が不便なので、こうした被覆の工業生産は可能ではない。さらに、既存の装置は長期間の工業的な使用に適しておらず、実験用途用のみに構成されている。したがって、多層被覆の理論的特性を実現するには、改良された装置が必要である。
【0007】
公知の装置においてアークを点弧するためには、通常移動可能であり、陰極ターゲットに、またはそれに非常に近接して配置されているストライカが必要である。この構成の欠点は、アーク源の使用時に、ストライカが、ターゲットの、またはターゲットの周囲の電界に干渉することによって、または、真空チャンバ壁の一領域の冷却を物理的に妨害することによって、または、プラズマの中に不純物を導入することによってしばしばアークに干渉するということである。したがって、別のストライカ機構が望ましい。
【0008】
本発明は、個別に、または組み合わせて、従来技術において確認されている問題の幾つかを解消、または少なくとも改善する、陰極および陽極の新規な構造と、新規なストライカ機構と、新規な動作方法と、他の特徴とを提供しようとするものである。
【0009】
したがって、本発明の目的は、アークを従来技術と比較してより少量のマクロ粒子を使用時に放出する陰極ターゲットから発生する方法と装置を提供することにある。他の目的は、基板上に多層被覆を行う方法と装置を提供することにある。さらに他の目的は、同時に2つ以上のターゲットから行う、基板の被覆の方法と装置を提供することにある。さらに他の目的は、公知の真空チャンバと組み合わせて使用され、その真空チャンバを正イオンの陰極アーク源として使用する装置を提供することにある。他の目的は、長期間の動作が可能な陰極アーク源を提供することにある。さらに他の目的は、アーク源における改善されたアーク点弧を実現することにある。
【0010】
本発明の第1の態様によれば、ターゲットを収容する陰極ステーションと、概ねゼロの垂直な磁界の強さを有する、ターゲットに半径方向に平行な磁界を発生する手段とを備える陰極アーク源が提供される。
【0011】
この磁界は、磁界の大きな横方向成分がターゲット表面上に、またはその直ぐ上方に存在するような、ターゲット上方の磁界とターゲット下方の磁界の合成磁界であることが妥当である。この横方向(または半径方向)の磁界はアークスポットをターゲット表面上に維持するためのものであり、有利なことに、こうした横方向磁界を有するアーク源が動作する時に、ターゲットの利用が、例えばより均一に、改善され、アークがより安定して維持されることが分かっている。
【0012】
磁界発生手段を、ターゲットがそのステーションにある場合、第1の発生手段の頂部の上方に僅かな距離(適切には少なくとも2mm)だけ離れるように陰極ステーションにまたはその下方に配置することができる。したがって、ターゲット表面の磁界は2つの成分を有し、これらの成分が両方とも調節可能であることが好ましい。一方の成分はターゲットに対して実質的に直角(垂直)であり、他方の成分は実質的に横方向(半径方向)にある。横方向の磁界は、高度のターゲット利用を確実なものとし、かつ垂直磁界の強さを低く保つようにアークスポットを案内するのに役立つ。この組み合わせは安定したアーク動作を促進する。
【0013】
このアーク源は、金属被覆および/または誘電性被覆を生成するためのものであり、したがって、グラファイト以外の物質で作られたターゲットを有している。適切なターゲット材料は、固体金属と半導体を含むが、炭素は含まない。適切なターゲット材料の例としては、金、白金、銀、チタン、鉛、銅、タングステン、モリブデン、ケイ素、アルミニウム、ガリウム、ゲルマニウムが含まれる。本発明のアーク源を使用して堆積される被覆物は、1つまたは2つ以上のターゲット材料と組合せた、酸素または窒素のような気体を任意に含んでいる。したがって、本発明の陰極アーク源は、金属、酸化物、窒化物およびセラミックの被覆物を堆積する装置へ組み込むのに適している。
【0014】
本発明の一実施態様では、陰極ターゲットの前面に対して垂直な方向に放出される正イオンを陰極ターゲットから生成する陰極アーク源が、真空チャンバと、その真空チャンバ内に磁界を発生する手段とを有し、この磁界が、ターゲットの前面に対して垂直な方向を有し、かつ、ターゲットの上方の位置にゼロの磁界強さを有する。この陰極アーク源は、ターゲットの付近と下方に、第1の磁界方向を有する第1の磁界を発生する手段と、ターゲットの遠方と上方に、第1の磁界方向とは反対の磁界方向を有する第2の磁界を発生する手段とを含むことが好ましい。真空チャンバ内の合成磁界が、磁界の強さが陰極ターゲットの前面に対して垂直な方向にゼロである点をターゲットの上方に含み、同時に、強い半径方向成分を有する磁界がターゲット表面上に生成される。この半径方向の磁界が少なくとも5Gの強さを持つことが好ましく、通常は40G未満の強さを有し、15〜25Gの強さを有することがさらに好ましい。しかし、大型の装置では、この半径方向の磁界の強さを変更してもよい。
【0015】
使用時には、本発明の陰極アーク源は、マクロ粒子の個数が少ない、正イオンのプラズマビームと電子とを生成する。したがって、本発明は、マクロ粒子が最初からほとんど生成されないようにするために、マクロ粒子を、アーク源の真空チャンバ内の磁界を制御することによってプラズマからいかにして除去するかという課題を解決しようとするものである。マクロ粒子をさらに減少させるためのプラズマビームの濾過は随意であり、本発明の好ましい実施態様の1つの特徴である。
【0016】
本発明の特定の実施態様では、正イオンを陰極ターゲットから生成する陰極アーク源が磁界を発生する手段を有し、
(1)ターゲットの前面においては、その前面に対して垂直な磁界方向がその前面に向かっており、
(2)前面に対して垂直な磁界の強さが、ターゲットから、前面に対して垂直な磁界の強さがゼロである点までの距離が増大するにつれて減少し、
(3)垂直な磁界の強さがゼロである点から、ターゲットからの距離が増大するにつれて、磁界方向がターゲットの前面から離れる方向になっている。
【0017】
あるいは、(1)と(2)における磁界方向を、ターゲットの上方に、ターゲット表面に対して垂直な磁界の強さがゼロである点または領域が存在する限りは逆向きにできる。以下では、ターゲットの前面に対して垂直な方向、または前面に対して半径方向に平行な方向の磁界の強さがゼロである点をゼロ点とも呼ぶ。
【0018】
以下に詳述する本発明の具体的な実施態様では、陰極アーク源が、ターゲットと基板との間に、基板に向かう磁界方向を有する磁界を発生する第1の磁界発生手段と、ターゲットと基板との間に、ターゲットに向かう磁界方向を有する磁界を発生する第2の磁界発生手段とを有している。第2の磁界発生手段は陰極ターゲットの後面の近くに配置されている。
【0019】
本発明の他の具体的な実施態様では、ターゲットの上方の、垂直磁界の強さがゼロである点を変えるように、各磁界の一方または両方の強さを変化させる手段も備えられている。従来技術の装置では、誘電性被覆物または酸素を含む他の被覆物の堆積中に、酸化物層が急速に盛り上がり、陽極を不純にする。本発明によるゼロ点位置の変動により、この問題が軽減される。さらに、本発明の装置内の陽極が、通常、特に従来技術の装置の具体的な陽極と比較すると、大きな表面積をすでに有する、(設けられているであろういかなるライナを備える)真空チャンバの内壁であるので、ゼロ点位置の変動により、陽極の使用可能な表面積をさらに増大させ、陽極がひどく不純にされてアークを停止させられなければならなくなるまでの動作時間を延ばすことができる。試験では、動作時間をこの方法を使用して5倍に延ばした。
【0020】
好ましい実施態様の陰極アーク源は2つの磁界発生コイルを有している。第1のコイルはターゲットの上方に配置されおり、使用時にはターゲットと基板との間に位置する。フィルタ付きの陰極アーク源が、生成されたプラズマを、ターゲットから、例えば、単一または二重の湾曲部と、バッフルのような、濾過の他の構成物を有するフィルタ装置に通し、基板に向かって案内する磁界を発生するので、このような磁気コイルは、フィルタ付きの陰極アーク源内に通常見出される。陰極ターゲットに対して垂直な、コイルによって発生された磁界は、ターゲットから遠ざかって基板に向かう方向を有している。この陰極アーク源は、ターゲットの下方に、すなわちターゲットの、基板から反対の側に配置された第2の磁気コイルも有している。この第2の磁気コイルは、第1のコイルによって発生される磁界とは反対方向に磁界を発生する。この作用は、相対的な磁界の強さを調整することによってターゲットの上方の点に垂直磁界がゼロ点を有するように、第2のコイルによって発生される磁界が第1のコイルによって発生される磁界と部分的に平衡することである。前述のように、ターゲットの上方の磁界内にゼロ点が存在する限り、磁界方向は随意に逆向きにされる。
【0021】
各々のコイル内の電流が変化すると、ゼロ点、すなわち、垂直方向の磁界がゼロである点が、ターゲット表面からさらに遠ざかるように、またはターゲット表面に向かってさらに近づくように移動する。
【0022】
各々のコイルの電流が、陰極ターゲットの上方の、垂直磁界についてのゼロ点を移動させるように変えられるのに対して、ターゲット表面の、またはターゲット表面の直ぐ上方の横方向磁界は相対的に強いが、アークの挙動と堆積速度に大きな影響を与えることに対して許容可能な、陰極の上方のコイルが一様な10Aに維持される一方での、陰極の下方のコイルの5Aから20Aの間のコイル電流の変化に対して、通常12ガウスから35ガウスの間の範囲内に留まっているということが分かっている。
【0023】
ゼロ点がターゲットに接近するとアークがより強くなり、ターゲットにより接近すると強い青いプラズマが見られ、堆積速度が低下するということが確認されている。
【0024】
ゼロ点がターゲットから遠ざかると、ターゲット表面上の磁界の強さが増大し、アークの維持とアークの点弧が困難になる。さらに、堆積速度の低下が見られる。さらに、ターゲット材料がターゲット上と真空チャンバの壁上に付着することが観測される。
【0025】
したがって、ゼロ点は、拡散したアーク光と低下したアークスポット強さを有するアークを発生するように中間位置に位置するように選択される。直径が60mmの金属ターゲットと、ターゲットの下方のコイルにおける約10Aの電流と、ターゲットの上方のコイルにおける約3Aの電流を使用する、本発明の一実施態様では、ゼロ点はターゲットの前面の約2〜3cm上方にあり、実用的な堆積速度を与える青いプラズマが得られる。このアーク中には「赤い飛翔体(red fly)」がほとんど観測されず、円柱形状を有するプラズマビームが生成される。このアーク円柱が、ターゲットの中央に留まってターゲットを一様に侵食する傾向があるということも観測されている。ゼロ点の最適位置は、ターゲット材料の選択に応じて変化するが、通常、金属の場合にターゲットの上方1cmから4cmである。一般的に、良好な結果は、ターゲット下方のコイル内の電流がターゲット上方のコイル内の電流よりも多い場合に得られる。
【0026】
アーク電流が流れている間に、正イオンについての集中領域であるハンプがターゲット表面の上方に形成される。大半の正イオンは、通常約−30ボルトの負電位のターゲット表面に向かって戻るように加速され、高いエネルギーを伴ってターゲット表面上に当たり、アークを永続させる。電流が、ターゲット表面上の原子がイオンと電子とに分離させられ、その電子が、接地された、従って0Vである極に流れるようにして流れる。通常のアーク電流は約100Aであり、この電流では、プラズマ電流、すなわち、プラズマビームを形成する正イオンは約1Aの電流を有することがある。したがって、正イオンのプラズマビームを形成することになる電流は、アーク電流全体の中で非常に低い割合である。
【0027】
アーク電圧はターゲット毎に一般的に固定されており、材料に特有であり、多くの場合約−20ボルトから約−30ボルトである。これは、アークを点弧して維持するために必要な最小値を多くの場合有するが、大きな堆積速度を与えるように増大させることができるアーク電流とは対照的である。チタンを使用する場合には、従来技術の装置では、通常50Aの電流でアークが点弧される。本発明の装置では、少なくとも100Aが、チタンのアークの点弧と維持に必要である。チタンの場合のゼロ点はターゲット表面の約3〜4cm上方に理想的に位置し、本発明者はチタンターゲットとアルミニウムターゲットとについて実際に非常に厳密に調べたが、ゼロ点の最適化は大半の金属に関して同様である。ターゲットからのゼロ点の距離に対する堆積速度は、約4〜6cmの距離までは増大し、その後、ゼロ点がターゲット上方の5〜6cm以上にある時にアークが消え始めるので低下する。
【0028】
この陰極アーク源によって生成されたプラズマビームをこの後、従来通りの単一または二重の湾曲ダクトを使用して濾過できる。当該技術において公知のようにプラズマビームは磁界の磁力線に従うので、プラズマビームの磁気による案内が実現される。
【0029】
ゼロ点では、ターゲットに対して垂直の磁界の強さがゼロであり、かつ、強い横方向磁界が存在する。この垂直磁界の強さはプラズマビームの中央で測定される。横方向磁界の強さは陽極の円筒形壁に沿って測定される。使用時に、陰極アーク源が中に配置されている真空チャンバの壁がターゲット材料の薄片で通常覆われ、これが、電子が閉じた電気回路を形成するように陰極に衝突する、横方向磁界が強い点で輝くので、垂直磁界がゼロである点、すなわちゼロ点の視覚的観測が容易に行われる。
【0030】
陰極アーク源から生成されたプラズマの、磁気による案内、すなわちかじとりは、永久磁石を使用して実現できる。永久磁石は、通常、プラズマをアーク源から遠方の基板に案内するプラズマダクトの周囲にぴったりと嵌まるように形成される。永久磁石の使用の利点は、プラズマダクト内の1つまたは複数の湾曲部付近の磁界がその湾曲部の全幅に亙って実質的に一様であり、ダクトを通るプラズマの伝達速度を増大させ、かつ、ダクト壁へのプラズマの損失を減少させるということである。
【0031】
磁界を、ゼロ点位置を変化させるように好ましくは移動可能である永久磁石を使用することによってターゲットの位置またはその下方に発生することはさらなる選択肢である。
【0032】
本発明のアーク源の使用時には、ターゲット表面上に生成される陰極スポットが、従来技術のアーク源を使用する場合に比べてより拡散しているということが観測される。さらに、本発明の陰極ターゲットが均一に消耗されることも観測されている。アーク放電は不連続的な物理的事象であると一般的に見なされているので、この観測結果は驚くべきものであると同時に喜ばしいものである。
【0033】
例えば約10cm(6インチ)以上の大きな幅のプラズマダクトを使用するためにこの装置を大型化する場合には、案内磁界の強さを、プラズマをダクト内の1つまたは複数の湾曲部に通すように案内するように大きくする必要がある。この大きくされた磁界の強さにより、ターゲットの周囲の磁界が影響され、ターゲット上方のゼロ点と強い半径方向成分とを有する、ターゲット表面上の磁界が適切に維持されるようにするため、ターゲットの下方の反転磁界の強さを大きくすることが余儀なくされる場合がある。しかし、この磁界の著しい増大はアークを不安定にする危険性がある。
【0034】
本発明において提供される解決策は、案内磁界が、高い透磁率を有する材料のおおいによって少なくとも部分的に囲われた、または誘導された、大型のプラズマダクトを有する装置を提供することである。鉄が適切な材料であり、同様に、通常は高い透磁率を有する合金である、いわゆる「μメタル」が適した材料である。この合金は、例えば、コバルト、ニッケル、鉄を含んでいる。
【0035】
おおいは案内磁界コイルまたは磁石を随意に囲んでいる。おおいは少なくともターゲットの直ぐ上方の区域を案内磁界から覆うように配置されなければならない。
【0036】
さらに、金属ターゲットの表面を、本発明の陰極アーク源を使用してアークを点弧する前に改変することが他の選択肢である。例えば、ターゲット表面から突き出ているリムが金属ターゲット表面内に随意に形成される。このリムが、ターゲットの端縁へのアークの移動を防止するのを助ける。
【0037】
本発明の他の実施態様は、基板の両側の被覆用の装置であって、
基板を装着できる基板ステーションを含む堆積チャンバと、
プラズマを基板の前面上に堆積する第1の陰極アーク源と、
プラズマを基板の後面上に堆積する第2の陰極アーク源と、
概ねゼロの垂直磁界の強さを有する磁界を、第1の陰極アーク源内のターゲットに対して半径方向に平行に発生する手段と、
概ねゼロの垂直磁界の強さを有する磁界を、第2の陰極アーク源内のターゲットに対して半径方向に平行に発生する手段とを有する装置に関する。
【0038】
この装置の好ましい一実施態様では、第1のアーク源内のターゲットの前面で、第1のアーク源内のターゲットの前面に対して垂直な磁界方向が、この前面に向かう方向であり、案内磁界内の磁界方向が、第1のアーク源内のターゲットの前面から遠ざかる方向で、かつ第2のアーク源内のターゲットの前面に向かう方向であり、第2のアーク源内のターゲットの前面に対して垂直な磁界方向が、その前面で測定された場合に、第2のアーク源のターゲットから遠ざかる方向である。
【0039】
本発明の第2の態様は、基板上の多層被膜の形成の問題を解決しようとすると共に、基板上の混合被膜の形成の問題をも解決しようとするものである。
【0040】
したがって、本発明の第2の態様は、陽極と、第1のターゲット用の陰極ステーションと、アークを陽極と第1のターゲットとの間に発生する手段とを有し、さらに、第2のターゲット用の陰極ステーションと、アークを陽極と第2のターゲットとの間に発生する手段とを有する陰極アーク源を提供する。アーク源は、第1のターゲットからのアーク発生と第2のターゲットからのアーク発生とを互いに独立して起こすことができ、かつ同時に起こすことができるようになっている。
【0041】
第1のターゲットと第2のターゲットとのそれぞれからの別々のアーク点弧を可能にするためには、各ターゲット用の別々のアーク点弧手段を備えることが好都合である。これに適したアーク点弧子は、点弧子の先端がターゲットと接触する点弧位置と、その先端がターゲットから離れて引っ込められる格納位置との間を移動可能である。しかし、第1のターゲットと第2のターゲットとから別々にアーク点弧を生じるように移動可能な単一の点弧子を備えることも考えられる。
【0042】
本発明の第2の態様のアーク源は、ある材料の第1のターゲットとこれとは別の材料の第2のターゲットとを多層被覆形成に連続的に使用できるので、多層被覆の形成に適している。あるいは、合金のような材料混合物を有する被覆を望む場合には、第1のターゲットと第2のターゲットの両方からのアークを、こうした被膜を形成するために同時に発生できる。このように、本発明の装置は多層被覆技術における大きな利点を有する。
【0043】
一般的に言って、本発明の第1の態様の実施態様と特徴は、本発明の第2の態様での使用にも適している。具体的には、本発明の第2の態様の陰極アーク源は、垂直方向についてゼロ磁界の、かつ強い横方向磁界を有するゼロ点がターゲットの上方に配置されるように、ターゲットの上方と下方に磁界を発生する手段を随意に含む。本発明の第1の態様と同様に、単一もしくは二重湾曲の、または他のダクトを使用した、プラズマビームの濾過も随意である。
【0044】
第2の態様の陰極アーク源は真空チャンバを有し、この真空チャンバ内では、陽極とターゲットとが、アルミナまたはPTFEのような適切な材料で作られた、非導電性のおおいを使用して互いに電気的に絶縁されていることが好ましい。通常、第1のターゲットと第2のターゲットとは陰極ステーション上で互いに隣接して配置されており、かつ、非導電性おおいによって隔てられている。本発明の一実施態様では、これらのターゲットは、円形で直径が約30mmであり、ターゲットが互いに最も接近している点で少なくとも幅5mmの非導電性おおいによって互いに隔てられている。
【0045】
本発明の他の実施態様では、陰極アーク源は、他の各々のターゲットと独立して、または同時に動作可能な第3のターゲットと、随意の第4のターゲットをさらに有している。
【0046】
多重ターゲットの陰極アーク源を使用する場合には、ある材料のターゲットの、別の材料のターゲットに対する比率を、堆積される被覆物の理論比を達成するように選択できる。例えば、4つのターゲットを有する陰極アーク源では、アルミニウムとチタンとの組み合わせの被覆を行うために、これらのターゲットの中の3つをアルミニウムとし、1つをチタンとすることができる。
【0047】
真空チャンバ内のターゲットの構成は、ターゲットの数に応じて好都合に選択される。一般的に言って、ターゲット形状の選択は使用者の任意であり、本発明者は正方形、長方形、円形、および半円形のターゲットを想定している。2つのターゲットを有するアーク源は、おおいによって隔てられている2つの半円形のターゲットを有することができる。3つのターゲットを有するアーク源は、同様におおいで隔てられている、同じ大きさの扇形の形状の3つのターゲットを有することができる。4つのターゲットを有するアーク源は、全てのターゲットが同様に互いに電気的に絶縁されている、より大きな正方形を形成する4つの正方形のターゲットのように配置されたターゲットを有することができる。
【0048】
本発明の特定の実施態様では、陰極アーク源が、陰極ステーションよりも大きな直径を有し、陰極ステーションを囲んでいる陽極の内側の実質的に中央に、かつ内部に配置されている、陰極ステーション自体に配置されている、第1のターゲットと第2のターゲットとを有している。この2つのターゲットは円形で直径が30mmであり、アルミナまたはPTFEで作られた非導電性の電気絶縁性おおいによって互いに隔てられている。これらのターゲットは、さらに、同様のおおいによって陽極から絶縁されている。陰極ステーションは、2つのターゲットの各々が動作中に過熱しないように水冷されている。陽極は水冷されており、アークの供給電力が陽極と2つのターゲットの各々に供給される。別々のストライカが、同時に、または一度に1つ動作可能なターゲットの各々に備えられている。磁気コイルが陰極ステーションの下方に配置されており、ターゲット表面に対して実質的に垂直な方向を有する磁界を陰極ステーションに発生する。第2の磁界がターゲットの上方に配置されており、かつ陽極の上部部分に巻かれている第2のコイルによって生成される。第2のコイルから生成される磁界が、陰極ターゲットの表面に強い横方向成分の磁界が存在し、かつ、2つのターゲットの表面の約5〜6cm上方の位置に、ターゲットの表面に対して垂直な方向の磁界の強さがゼロである点が存在するように、第1のコイルから生成される磁界と釣り合う。陰極アーク源は単一の湾曲フィルタダクトをも有し、第2の磁気コイルは、プラズマビームを単一の湾曲フィルタダクト付近に案内し、ターゲットから遠い位置に取り付けられている基板へ案内する案内磁界の一部分を形成する。
【0049】
本発明の第3の態様は、陰極アーク源におけるアークの点弧に関し、公知のストライカがこのアーク源の動作に干渉するという問題を解決しようとするものである。
【0050】
したがって、本発明の第3の態様は、陰極アーク源の陰極ターゲットへのアーク点弧用手段であって、
アーク点弧用の、切り換え可能なアースに電気的に接続している先端を備える本体を有する、ストライカアーム上に移動可能に備えられているストライカを有し、
このアームが、ストライカがターゲットから引っ込められた第1の位置と、ターゲットに近接する第2の位置との間で移動するようになっており、
ストライカが、ストライカが第2の位置に来るとすぐにストライカの先端をターゲットに向かって下方に移動させるように、アームに対して相対移動するようになっているアーク点弧用手段を提供する。
【0051】
この点弧手段は、アークが一旦点弧されるとストライカがターゲットから完全に引き離されるようにできるので、使用時に有利である。ターゲットを点弧するためには、ストライカの先端が、ターゲット表面に接近するように突き出る必要がある。いったんアークが点弧されると、従来技術のストライカを、真空チャンバ付近の電界と、真空チャンバの内側表面への冷却水の供給との一方または両方を妨害することなしに格納することは困難である。本発明のストライカは、先端がアークを点弧するために突き出て、そしてアームとより整列した位置に向かって動けるように、そしてその後、アームがターゲットから遠ざかって完全に引っ込み、電界と真空チャンバの冷却を最小限にしか妨害しないように、アームに対して相対的に移動可能である。
【0052】
詳細に後述される、本発明の一実施態様では、点弧手段が、アームの初期移動によって、ストライカが、アームに対するストライカの相対移動なしにターゲットに向かって移動するように、さらに、アームの次の移動によって、ストライカ頭部の先端を下方にストライカの先端をターゲット表面に向かって接近させるような、アームに対するストライカ頭部の相対的移動が生じるようになっている。
【0053】
ストライカがアーム上にピボット運動するように備えられており、先端が外向きかつ下方に突き出る位置と、先端がストライカアームと同一平面の位置に向けて引っ込められる位置との間でピボット運動可能であることが好ましい。ストライカアームはそれから、真空チャンバ壁内の比較的小さい大きさの凹部の中に引っ込められることが可能であり、したがって、点弧手段が非使用時に引っ込められる、真空チャンバの領域への冷却水と電界の供給に対する妨害が低減される。
【0054】
本発明の一実施態様では、ストライカアームの移動が、カム表面にアクチュエータが作用することによって、ストライカアームに対するストライカの相対移動を引き起こすように真空チャンバの床上または壁上のカム表面に使用時に接する、ストライカアームをストライカの一部分に連結するアクチュエータをストライカが有している。
【0055】
ストライカの先端は、アークを点弧する手段に電気的に接続されており、さらに、切り換え可能なアースに通常接続されている。この電気的接続は、本発明の一実施態様では、ストライカアームを囲む真空ふいごと、ストライカの先端を真空チャンバの外部の電源に連結する電気的フィードスルーとの使用によって行われる。回転フィードスルーを電気的接続のための使用してもよい。詳細に後述する、本発明の特定の実施態様では、ストライカアームは実質的に直線状であり、ターゲットから遠ざかる、およびターゲットに近づく、ストライカの横方向の移動を可能にし、ストライカは下方にターゲットに向かってアーム上でピボット運動可能である。したがって、ストライカが基本的に直線状の引っ込み移動を行い、陽極中への最小限の侵入を行うので、電界を最小限にしか妨害しない。通常、ストライカは、アーク使用時に真空チャンバの壁内に、かつ磁界内のゼロ点の下方に配置されている。
【0056】
フィルタ付きの陰極アーク源は、一体の装置であるが、高価で希有な実験用品として当該技術において公知である。本発明の第4の態様は、陰極アーク源として使用される公知の真空チャンバを改変することに関する。
【0057】
したがって、本発明の第4の態様は、真空チャンバ内で使用され、陰極アークから正イオンを発生するプラズマガンであって、
陰極および陽極とを含み、
陽極と陰極をアーク電源に接続する手段と、
陽極と陰極を冷却水の供給源に接続する手段と、
陰極に対して垂直な磁界方向を有し、かつこの垂直方向にゼロの強さを真空チャンバの内側に、かつ陰極の上方の位置に有する、真空チャンバ内の磁界を発生する手段とを有し、陰極が陽極の内側に配置され、かつ陽極によって囲まれ、非導電性おおいによって陽極から電気的に絶縁されているプラズマガンを提供する このプラズマガンは、公知の真空チャンバを陰極アーク源に変換するように、公知の真空チャンバ内へ組み込むのに適している点で有利な使用ができる。真空チャンバは一般的な実験用機器であるが、一般的に言うと、陰極アーク源は実験用として希有である。そこで、本発明は、こうした既存の真空チャンバがさらに利用されるのを可能にする。
【0058】
アーク源から生成されたプラズマビームの濾過はさらなる選択肢であるが、アーク源から生成されたプラズマビームの品質がさらに濾過しなくても許容可能である場合は、真空チャンバを本発明のプラズマガンを用いる陰極アーク源への変換に適するようにするためにさらに改造することはほとんど必要ないであろう。
【0059】
本発明の第1の態様では、実施態様が、真空チャンバ壁であるまたは真空チャンバ壁の一部分である陽極を有し、本発明の第4の態様が、自身の陽極を有するイオンガンを提供し、このプラズマガンが、陽極としては機能しない別個のチャンバ壁を有する真空チャンバ内に配置されるが、本発明の第1の態様の特徴と実施態様とは、本発明の第4の態様のプラズマガンで使用されるのにも適している。
【0060】
本発明の一実施態様では、イオンガンが、陰極の周囲に巻き付けられており、かつターゲットの下方に配置されている、ターゲットに対して垂直でかつターゲットに向かう磁界方向を有する磁界を発生する第1の磁気コイルを有し、陽極の周囲に巻き付けられており、かつターゲットの上方に位置している、ターゲットに対して垂直でかつターゲットから遠ざかる磁界方向を有する磁界を発生する第2の磁気コイルをさらに有し、これら2つの磁界の合成により、ターゲットに対して垂直な磁界方向について磁界がゼロの強さを有する点を磁界内に生じる。
【0061】
本発明の好ましい実施態様では、陽極が実質的に円筒形であり、その陽極内の実質的に中央に配置されている陰極を囲んでおり、第2の磁気コイルが円筒形の陽極の上部部分の周りに巻き付けられている。
【0062】
本発明の第4の態様のプラズマガンは、気体を反応性被膜の製造用の真空チャンバ内に導入する手段と組み合わせて使用されることにも適している。
【0063】
本発明は陰極アーク源の工業的使用にも関する。したがって、本発明の第5の態様は、アーク源の内側に、かつ陽極の外面に接してぴったりと嵌り込むライナを形成するように互いに連結し、かつ、アーク源からの取り外しのために分離可能な2つまたは3つ以上の部品から構成されている、陰極アーク源内の陽極用のライナを提供する。
【0064】
ライナを構成する部品は互いに実質的に対称にすることが可能であり、これらの部品は通常2個、3個または4個である。あるいは、これらの部品を異なるサイズにすることもできる。部品間の接続が、互い違いの部品の各凸部と凹部との締り嵌めによることは随意である。部品間の接続は、陽極またはアーク源の外面への、ねじかボルトかナットか同様のものによる取り付けに適した突起物の重ね合わせによることもできる。これらの部品は、アーク電流がライナを流れるので、組み立てられた時、陽極との良好な電気的接触を確保するように陽極にぴったりと接触するようになっている。
【0065】
ライナの材料は、金属、合金、および、他の耐熱材料から選択される。ステンレス鋼、ニッケル、および、モリブデンが、それらから陰極アーク源の内壁が作られていることが公知である金属の全てであるので適している。一例として後述される、本発明の特定の実施態様では、極度に高い温度に耐えることができ、酸素を含有する被覆物が堆積される時に、チャンバ内の酸素とのライナの組み合わせにより、陽極上に蓄積してアーク源の性能に影響を与える可能性がある酸化物被膜の形成ではなく、COまたはCO2気体の形成が結果的にもたらされるという他の利点を有するグラファイトを、ライナが含むかまたはグラファイトからできている。陽極ライナの使用により、陽極が、陽極ライナが無い場合のように小さな領域を超えるこのような高温度に耐える必要がないので、比較的低い融点を有する陽極材料の使用が容易になる。したがって、鋼がアーク源の陽極に決まって使用されているが、ここでは、銅またはアルミニウムのような他の材料を使用することが、ある事例および適切な冷却を行う場合に可能である。
【0066】
本発明の第6の態様では、イオンを陰極アーク源を使用して基板上に堆積させる方法であって、
(i)アークを、アーク源のターゲットと陽極との間にアークを維持するのに十分なアーク電流を使用して形成することと、
(ii)磁界の強さがゼロである位置を有する、ターゲットに対して垂直な磁界を生成することと、
(iii)磁界の強さがゼロである位置をアークを維持しながら変えることとを有する方法が提供される。
【0067】
この方法は、案内磁界をターゲットの上方に、反転磁界をターゲットに、またはその下方に生成することと、これらの磁界の少なくとも一方の強さまたは位置を変え、磁界の強さがゼロである位置の変化を起こすこととを通常有している。磁界の強さがゼロである位置を、アークを維持するのに適した位置の範囲内で変動させることが、本発明を実施する1つの方法であり、この変動を、変動が平均的な位置を中心とする規則的な上下移動を有するようにして周期的にすることができる。
【0068】
本発明のこの態様の使用によって、アーク源の保守点検間隔を延ばすことができる。陽極の、またはライナが嵌め込まれている場合にはライナの内表面上の摩耗は、殆どの場合に最大電流の点、通常は、垂直磁界のゼロ点および最大横方向磁界の点とその周囲に生じる。ゼロ点の位置を僅かでも変えることによって、摩耗が前よりも広い領域に拡散される。ある被膜を形成する時には、堆積物の蓄積が陽極上に生じる。この付着物の蓄積がいずれはアーク性能に悪影響を与えるので、ゼロ点を堆積物を分散させるように変えることにより、保守点検が必要となるまでの、アーク源が使用できる期間が延びる。
【0069】
ゼロ点の位置は、反転磁界の、または案内磁界の、またはこれら両方の磁界の強さを変化させることによって変えることができる。あるいは、永久磁石が反転磁界と案内磁界の一方または両方を発生するのに使用される場合には、この永久磁石を、ゼロ点の、ターゲットの上方の高さを変えるように物理的に移動させてもよい。この変化の度合いは、使用者の必要に合うように選択可能であるが、一般的には、ゼロ点を、アークを維持できなくなる点の下方に移動するべきではなく、また、アークを維持できなくなる、またはアークの挙動が不安定になる点の上方に上昇させるべきではない。
【0070】
本発明の第6の態様は、本発明の第1の態様と組み合て使用するのに適している。さらに、本発明の特に好ましい実施態様は、前述の本発明の6つの態様の全ての中の2つ以上の態様を包含している。
【0071】
ここで、本発明を、図面に示されている、以下の具体的な実施例で説明する。
【0072】
図1と図2を参照すると、陰極アーク源10は、ターゲットプレート12と自身が陰極底部14に接続された陰極本体13とに電気的に接触しているターゲット11を有している。ターゲットプレート12と陰極本体13との組み合わせ体は、陰極ステーション、すなわち、陰極ターゲットをその上に配置するためのもの、とも呼ばれる。
【0073】
使用時に、ターゲットの冷却が、入口15の中に入り出口16を介して出ていく冷却水の流れによって行われる。
【0074】
いわゆる「反転磁界」が、直線運動フィードスルー18とフランジ19との上に取り付けられている永久磁石17によって与えられる。図2に示されるアーク源では、永久磁石17が代替の電磁石40によって置き換えられており、この場合には、電磁石40に電力を供給するワイヤ(不図示)がフランジ19を通って出ている。
【0075】
ターゲット11の周囲には、シールド本体21とセラミック環状体23とシールドキャップ22とによって構成されているシールドが備えられている。陰極アーク源の他の構成要素は、テフロン絶縁体24、および、鋼製座金26とフランジ27とテフロンシール28と心出しリング29とスペーサリング30とゴム製Oリング31とテフロンシール32とで構成されている、設置および陰極アーク源内の配置用の手段である。
【0076】
永久磁石17が上下移動するように取り付けられており、「反転磁界」と、プラズマ(不図示)を単一湾曲フィルタ装置または二重湾曲フィルタ装置または他のフィルタ装置に通すように案内する磁界との合成の磁界内のゼロ点の位置を変えるようにこの永久磁石17を動かすことができる。
【0077】
図3と図4を参照すると、陽極壁52内にぴったりと嵌め込まれて、陽極壁52に電気的に接触している陽極ライナ50が示されている。冷却が、冷却水ハウジング51を通る水流によって行われ、アークの観察が観察穴54を通して行われる。ターゲットはこれら2つの図には示されていないが、「反転磁界」を発生するコイル60が示されており、このコイル60は、所定位置にある場合、ターゲットの大体の高さの下方に、または大体の高さに位置している。図3は直線ストライカ71を示しており、図4は回転ストライカ70を示している。
【0078】
陽極ライナ50はグラファイトで作られており、連結された時に陽極壁52の内側に、かつ陽極壁52に接してぴったり嵌る、2つの互いに連結する半体の形状をしている。これらの半体は、陽極ライナからの取り外しを容易にし、摩耗した時または汚れた時には新しいライナと迅速に交換できるようにするために分離することができる。
【0079】
図面の図5を参照すると、第1のターゲット11と第2のターゲット56を有する、本発明の陰極アーク源100が示されている。これらのターゲットの両方が、通常の方法で入口15と出口16とを通って流れる水によって冷却されている。これらのターゲットは絶縁おおい57内に配置されており、アーク電源(不図示)に接続されている。電磁石60用のコイルが「反転磁界」をターゲットの下方に生成し、電磁石61用のコイルが、プラズマをアーク源から基板に向けて、随意に単一湾曲フィルタ装置または二重湾曲フィルタ装置または他のフィルタ装置(不図示)を通して案内する磁界を生成する。直線ストライカ71が陰極アーク源の側部に取り付けられており、この特定の陰極アーク源では、2つのこのような直線ストライカがある。さらに図6と図7を参照すると、ストライカは、アークを本体72とターゲット11またはターゲット56に点弧する電源に電気的に接続している先端73とを有する。
【0080】
本体72は、ストライカがアーク源の真空チャンバの外部で操作者によって使用できるように、真空ふいご75の中に突き出ているアーム74上に取り付けられている。動作時に、ストライカは、最初、図7に示されている状態で凹部84の内側に引っ込められている。アークをターゲットの1つに点弧することが求められている場合、アーム74が、真空ふいご75への操作者の操作によって、直線ストライカをターゲットに向かって前進させる。アーム74上には、コネクタ79を介してストライカの本体72にピボット運動するように接続されているアクチュエータ77がピボット運動するように取り付けられている。ばね76が、ストライカの本体と先端とを図7に示されている状態に維持する。アクチュエータ77が突起78に接すると、アーム74がさらに前進することにより、ストライカがピボット点80を軸としてピボット運動し、先端73が、アーク点弧を発生できるようにターゲットに向かって下方に動かされる。アーク点弧後に、アーム74の引っ込みと、ばね76の収縮とによって、ストライカが図7に示されている状態に引き戻され、したがってストライカを、アークからのプラズマに干渉したりプラズマを不純にしたりしないように、アークの経路から外して凹部84の中に引っ込めることができる。
【0081】
図8を参照すると、プラズマガン110は、陰極112に電気的に接続されており、入口114と出口(不図示)を通る水流によって冷却されているターゲット111を有している。陽極表面113は、冷却水の入口115または出口116のどちらかを介して電源に電気的に接続されている。コイルまたは永久磁石117が、反転磁界を生成するようにターゲットの下方に配置されており、同様のコイルまたは永久磁石118が、案内磁界を生成するようにターゲットの上方に配置されている。カラー119のような保護用の構造物がアーク源の周囲に配置されており、例えばプラズマガンを真空チャンバ内に取り付ける際の、損傷を防止する。金属またはセラミックのシールド120がカラーの頂部上に取り付けられており、ねじ121によってカラーに保持されている。このシールドは、プラズマガン上に取り付けられるべきグリッド用の支持構造物としても働き、したがって、イオンガンとしても機能する。
【0082】
セラミック絶縁体122が陽極を陰極から隔てており、固定されたアークトリガ(不図示)がアーク点弧用のガン内に配置されている。気体を、プラズマガンから放出されるプラズマの中に気体入口123経由で導入できる。通常の真空シール124が、水導管と気体導管と電力導管のフィードスルーに使用される(全ての真空シールが図示されているわけではない)。
【0083】
プラズマガンは真空チャンバ内への取り付け用の位置決め穴126でフランジ125上に取り付けられている。使用時に、プラズマガンは通常の、電力、水、気体の供給源またはラインに接続され、真空チャンバを陰極アーク源に変換する。
【0084】
本発明は、含有するマクロ粒子がより少ない薄膜および多層薄膜の製造を可能にすると共に、堆積装置内の陰極アーク源の、長期間の、そして工業的な使用を可能にする。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の陰極アーク源の模式的断面図である。
【図2】 本発明の他の陰極アーク源の模式的断面図である。
【図3】 本発明のストライカと陽極ライナとを含む陰極アーク源の一部分の模式的断面図である。
【図4】 本発明による陽極ライナを含む陰極アーク源の一部分の模式的断面図である。
【図5】 本発明の陰極アーク源の模式的断面図である。
【図6】 本発明のストライカの模式的断面図である。
【図7】 図6の位置とは別の位置にある、本発明のストライカの模式的断面図である。
【図8】 本発明のプラズマガンの模式的断面図である。
Claims (17)
- 正イオンを非グラファイトのターゲットから生成する陰極アーク源であって、(a)前記ターゲットを受け止める陰極ステーションと、(b)第1の方向を有する第1の磁界を発生する第1の磁界発生手段と、(c)前記第1の方向とは反対の方向を有する第2の磁界を発生する第2の磁界発生手段とを有し、
前記第1の磁界発生手段が前記ターゲットと基板との間に配置され、
前記第2の磁界発生手段が前記ターゲットの前記基板の側とは反対の側に配置され、かつ前記ターゲットの直径よりも大きい直径を持つコイルからなっており、
前記ターゲットと前記基板との間に前記ターゲットに対して垂直な合成磁界が、磁界の強さがゼロの点を有し、かつ前記ターゲットの表面に強い横方向磁界が存在する陰極アーク源。 - 正イオンを前記ターゲットから前記ターゲットの前面に対して垂直な方向に生成する陰極アーク源であって、真空チャンバと、前記ターゲットの上方の前記第1の磁界発生手段と、前記ターゲットの下方の前記第2の磁界発生手段とを有する、請求項1に記載の陰極アーク源。
- (1)前記ターゲットの前面の所で、磁界の横方向の強さが相対的に強く、かつ前記前面に対して垂直な磁界の方向が前記前面に向かっており、
(2)前記前面に対して垂直な磁界の強さが、前記ターゲットからの距離が前記前面に垂直な磁界の強さがゼロである点に向かって増大するにつれて減少し、
(3)前記垂直な磁界の強さがゼロである点から、前記ターゲットからの距離が増大するにつれて、磁界方向が前記ターゲットの前面から離れる方向になる、請求項1または2に記載の陰極アーク源。 - 前記ターゲットから離れており、かつ第1の磁界方向を有する第1の磁界を発生する前記第1の磁界発生手段と、前記ターゲットに近接しており、かつ第1の磁界方向とは反対の磁界方向を有する第2の磁界を発生する前記第2の磁界発生手段とを含む、請求項1から3のいずれか1項に記載の陰極アーク源。
- (a)前記ターゲットと前記基板との間に第1の磁界を発生する前記第1の磁界発生手段としての、永久磁石である第1の磁石または第1の電磁石と、
(b)前記ターゲットの前記基板の側とは反対の側に第2の磁界を発生する前記第2の磁界発生手段としての、永久磁石である第2の磁石または第2の電磁石とを含み、
前記第1の磁界が、プラズマを前記基板に向かって案内するものであり、前記第1の磁界と前記第2の磁界との組み合わせが、前記ターゲットと前記基板との間のゼロ点と、前記ターゲットの表面とその直ぐ上方の強い横方向磁界とを有する合成磁界を生成する、請求項4に記載の陰極アーク源。 - 真空チャンバ内の中央に配置されている陰極と、前記陰極よりも直径が大きく、前記陰極を囲む陽極とを有し、前記陰極が非導電性のおおいによって前記陽極から電気的に絶縁されている、請求項1から5のいずれか1項に記載のアーク源。
- 前記垂直な磁界の強さがゼロである点に、12Gから35Gの強さを有する横方向の磁界が存在する、請求項1から6のいずれかに記載の陰極アーク源。
- 前記垂直な磁界の強さがゼロである点が、前記ターゲット表面の3cmから7cm上方の位置にある、請求項7に記載の陰極アーク源。
- 前記陰極アーク源の内側に、かつ前記陽極の外面に接してぴったり嵌るライナを形成するように互いに組合い、かつ前記陰極アーク源から取り外すために分離可能な2つまたは3つ以上の部品から構成されているライナを有する、請求項1から8のいずれかに記載の陰極アーク源。
- 前記ライナを構成する部品が互いに実質的に対称である、請求項9に記載の陰極アーク源。
- 前記ライナの部品がそれぞれの凸部と凹部との締り嵌めによって互いに連結する、請求項9または10に記載の陰極アーク源。
- 前記ライナがグラファイトから作られている、またはグラファイトを含んでいる、請求項9から11のいずれかに記載の陰極アーク源。
- 前記ライナがステンレス鋼、モリブデン、またはニッケルから作られている、または含んでいる、請求項9から11のいずれかに記載の陰極アーク源。
- 正イオンを非グラファイトのターゲットから生成する方法であって、(a)前記ターゲットを受け止める陰極ステーションと、(b)第1の方向を有する第1の磁界を発生する第1の磁界発生手段と、(c)前記第1の方向とは反対の方向を有する第2の磁界を発生する第2の磁界発生手段とを有し、
前記第1の磁界発生手段が前記ターゲットと基板との間に配置され、
前記第2の磁界発生手段が前記ターゲットの前記基板の側とは反対の側に配置され、かつ前記ターゲットの直径よりも大きい直径を持つコイルからなっており、
前記ターゲットと前記基板との間に前記ターゲットに対して垂直な合成磁界が、磁界の強さがゼロの点を有し、かつ前記ターゲットの表面に強い横方向磁界が存在するように、前記第1の磁界と前記第2の磁界を発生することを含む方法。 - 陰極アーク源を用いて、非グラファイトのイオンを基板上に堆積する方法であって、
1.アークを維持するのに十分なアーク電流を使用して非グラファイトのターゲットと前記アーク源の陽極との間にアークを形成することと、
2.互いに反対方向の第1の磁界と第2の磁界との合成磁界であり、かつ垂直な磁界の強さがゼロである位置を前記ターゲットと前記基板との間に、強い横方向磁界を前記ターゲットの表面に有する磁界を生成することと、
3.最大の摩耗または汚れが生じる、前記陰極アーク源の前記陽極の壁上の位置を、前記アークを維持しながら周期的に変動させるように、前記磁界の強さがゼロである位置を周期的に変動させることを有する、イオンを基板上に堆積する方法。 - 案内磁界を前記ターゲットの上方に、反転磁界を前記ターゲットに、またはその下方に生成することと、前記案内磁界と前記反転磁界の一方または両方の強さまたは位置を変えることとを有する、請求項15に記載の方法。
- 陰極アーク源と、前記陰極アーク源によって生成されたプラズマを基板上へ案内する、第1の方向の磁界をターゲットと前記基板との間に発生する前記第1の磁界発生手段と、反対方向の磁界を前記ターゲットに、またはその周りに発生する前記第2の磁界発生手段とを有し、それによって前記第1の磁界の強さを変えることが可能であり、または前記第2の磁界の強さまたは位置を変えることが可能である、請求項14から16のいずれかに記載の方法を実施する装置。
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