JP4495199B2 - タービンロータ及びロータの製造方法 - Google Patents
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Description
かかる電子ビーム溶接からなるタービンロータを製造する方法の一つに、特許文献1(特許3293712号公報)にて提供されている技術がある。
即ち、かかる従来技術にあっては、タービン翼車とロータ軸とを接続しながら回転させ、その接合部に電子ビームを照射して溶接した後、電子ビームを、前記接合部よりロータ軸側に所定の幅走査しながら照射して接合部近傍のロータ軸を焼戻すように構成しているが、タービン翼車とロータ軸との電子ビーム溶接後に焼戻しを行った場合の接続部は、表面が粗になっているため、クラックが発生し易い状況にある。かかるクラックの発生の生じやすさについては、焼戻しでは除去することは困難である。
エンジンからの排気ガスをタービンケーシング内に設けられた複数のノズルベーンを通して該ノズルベーンの内周側に設けられたタービンロータに作用させ、該タービンロータによりエンジン給気加圧用のコンプレッサを直結駆動するように構成され、前記タービンロータはディスク部の外周に羽根が形成された金属製のホイールと前記ホイールとは異種金属からなるシャフトとを電子ビーム溶接によって接合して構成された排気ターボ過給機におけるタービンロータの製造方法であって、前記タービンロータを回転しながら前記ホイールと前記シャフトとを第1次電子ビームの照射によって溶接固着し、次いで前記タービンロータを回転しながら前記第1次電子ビームによる溶接部の表面を覆うように第2次電子ビームを再照射し、該第2次電子ビームの再照射により前記電子ビーム溶接部のビード表面を滑らかにするようにしたことを特徴とする。
(1)前記第2次電子ビームの再照射は、前記ロータ若しくは前記タービンロータの軸方向をX方向、該X方向と直角方向をY方向としたとき、前記第2次電子ビームを前記X方向及びY方向に混成した面偏向として所定の幅、長さを保ちつつ、該ロータを回転されることにより行う。
(2)前記第2次電子ビームの再照射は、前記第1次電子ビームとビームの配置を同一に設定して行う。
エンジンからの排気ガスをタービンケーシング内に設けられた複数のノズルベーンを通して該ノズルベーンの内周側に設けられたタービンロータに作用させ、該タービンロータによりエンジン給気加圧用のコンプレッサを直結駆動するように構成された排気ターボ過給機において、前記タービンロータは、ディスク部の外周に羽根が形成された金属製のホイールと前記ホイールとは異種金属からなるシャフトとを電子ビーム溶接によって接合して構成されるとともに、前記ホイールとシャフトとを第1次電子ビームの照射によって溶接固着し、次いで前記第1次電子ビームによる溶接部の表面を覆うように、第2次電子ビームを再照射して前記溶接部のビード表面を滑らかにするように構成したことを特徴とする。
図1において、2は溶接作業を行うための真空チャンバで、該真空チャンバ2内にホイール1aとシャフト1bとが互いに組み合った状態のワーク(タービンロータ)1として収容される。該ワーク(タービンロータ)1は、上部を上部チャック9、下部を下部チャック8で支持され、上部チャック9に連結されるモータ3により回転駆動される。
前記ケース5の両側には、円周方向に180°の間隔で電子銃4が2台設置されている(電子銃4は1台でもよい)。該電子銃4は前記ワーク1の接合部101の位置に合わせて電子ビーム4aを照射する。
該電子銃4は、前記ワーク1とは独立して、単独に上下及び前後に偏向走査可能となっており、電子ビームの収束4aが前記溶接部に自在に一致するように(具体的には後述する)配置されている。6はガスの排出管である。
先ず、ワーク(タービンロータ)1を回転しながら、前記2つの電子銃4により、前記ホイール1aと前記シャフト1bとを第1次電子ビームの照射による溶接によって第1次電子ビーム溶接部10を全周に亘り固着する。このときのワークの回転数(毎分)は20〜22回転数(毎分)程度である。
(1)2つの電子銃4の位置を、電子ビームの収束4aの先端部が前記ワーク1の接合部101の位置に一致するように合わせる(ジャストフォーカス)。
(2)このとき、前記第2次電子ビームの再照射は、第1次電子ビームと第2次電子ビームとの配置を同一に設定する、即ち第2次電子ビームの再照射のビームの中心と、第1次電子ビームの中心とを一致させて行う。
さらに、この第2次電子ビームの再照射は、図3に示すように、前記ワーク1の軸方向をX方向、該X方向と直角方向をY方向としたとき、前記第2次電子ビームを前記X方向及びY方向に混成した面偏向として所定の幅、長さを保ちつつ、該ワーク1を回転させることにより行う。このX方向、Y方向の偏向は第2次電子ビームのビーム中心を中心に両側に振ることで偏向させる。
(3)この第2次電子ビームの再照射のとき、ワーク1の軸回転数は、好ましくは第1次電子ビーム溶接のときの回転数(毎分)の1.5〜2倍程度とし、電子ビームの照射を例えば、振幅がX方向に2mm、Y方向に6mmで、振幅周波数を2000〜3000Hz、照射時間を5〜10秒に設定する。
1a ホイール
1b シャフト
2 真空チャンバ
3 モータ
4 電子銃
4a 電子ビームの収束
5 ケース
6a 昇降手段
8 下部チャック
9 上部チャック
10 第1次電子ビーム溶接部
11 第2次電子ビームの再照射部
12 シャフト側熱影響部
101 接合部
Claims (5)
- ディスク部の外周に羽根が形成された金属製のホイールと棒状に形成され前記ホイールとは異種金属からなるシャフトとを電子ビーム溶接によって接合してロータを形成するロータの製造方法であって、
前記ロータを回転しながら前記ホイールと前記シャフトとを第1次電子ビームの照射によって溶接固着し、次いで前記ロータを回転しながら前記第1次電子ビームによる溶接部の表面を覆うように第2次電子ビームを再照射し、該第2次電子ビームの再照射により前記電子ビーム溶接部のビード表面を滑らかにするようにしたことを特徴とするロータの製造方法。 - エンジンからの排気ガスをタービンケーシング内に設けられた複数のノズルベーンを通して該ノズルベーンの内周側に設けられたタービンロータに作用させ、該タービンロータによりエンジン給気加圧用のコンプレッサを直結駆動するように構成され、前記タービンロータはディスク部の外周に羽根が形成された金属製のホイールと前記ホイールとは異種金属からなるシャフトとを電子ビーム溶接によって接合して構成された排気ターボ過給機におけるタービンロータの製造方法であって、
前記タービンロータを回転しながら前記ホイールと前記シャフトとを第1次電子ビームの照射によって溶接固着し、次いで前記タービンロータを回転しながら前記第1次電子ビームによる溶接部の表面を覆うように第2次電子ビームを再照射し、該第2次電子ビームの再照射により前記電子ビーム溶接部のビード表面を滑らかにするようにしたことを特徴とするロータの製造方法。 - 前記第2次電子ビームの再照射は、前記ロータ若しくは前記タービンロータの軸方向をX方向、該X方向と直角方向をY方向としたとき、前記第2次電子ビームを前記X方向及びY方向に混成した面偏向として所定の幅、長さを保ちつつ、該ロータを回転されることにより行うことを特徴とする請求項1若しくは2に記載のロータの製造方法。
- 前記第2次電子ビームの再照射は、前記第1次電子ビームとビームの配置を同一に設定して行うことを特徴とする請求項1若しくは2に記載のロータの製造方法。
- エンジンからの排気ガスをタービンケーシング内に設けられた複数のノズルベーンを通して該ノズルベーンの内周側に設けられたタービンロータに作用させ、該タービンロータによりエンジン給気加圧用のコンプレッサを直結駆動するように構成された排気ターボ過給機において、
前記タービンロータは、ディスク部の外周に羽根が形成された金属製のホイールと前記ホイールとは異種金属からなるシャフトとを電子ビーム溶接によって接合して構成されるとともに、前記ホイールとシャフトとを第1次電子ビームの照射によって溶接固着し、次いで前記第1次電子ビームによる溶接部の表面を覆うように、第2次電子ビームを再照射して前記溶接部のビード表面を滑らかにするように構成したことを特徴とするタービンロータ。
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