JP2009203807A - タービンロータ及びロータの製造方法 - Google Patents

タービンロータ及びロータの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】電子ビーム溶接部の軸側溶接熱影響部の硬さをシャフト母材同等の硬さまで低下させて残留応力を除去して、実機運転中に残留応力が開放されてタービンホイールとタービンシャフトとの直角度を変化させることによって生じる振動騒音の発生を抑え、かつタービンシャフトの母材強度も規定値をも満足ができるタービンロータの製造方法及びこの製造方法によって製造されたタービンロータを提供することを課題とする。
【解決手段】排気ターボ過給機におけるタービンロータの製造方法であって、前記タービンロータ1回転しながら前記ホイールと前記シャフトとを電子ビームの照射によって溶接し、その後、タービンロータに焼入れおよび焼戻しを施すことを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、内燃機関の排気ターボ過給機用タービンロータに用いられ、ディスク部の外周に羽根が形成されたホイールと棒状に形成されたシャフトとを電子ビーム溶接によって接合してなるロータの製造方法及びこの製造方法によって製造されたタービンロータに関する。
車両用エンジン等に用いられる比較的小型の排気ターボ過給機におけるタービンロータは、ディスク部の外周に羽根が形成されたNi基合金のタービンホイールと、棒状に形成された鋼製のタービンシャフトとから構成され、タービンホイールとシャフトは電子ビーム溶接によって接合され、機械加工によってタービンターロータ自体のバランスをとって製造している。
一方、かかる電子ビーム溶接からなるタービンロータを製造する方法の一つに、特許文献1(特許3293712号公報)にて提供されている技術がある。
この特許文献1においては、耐熱金属で形成されたタービン翼車とロータ軸とを接続する方法において、タービン翼車とロータ軸とを接続しながら回転させ、その接合部に電子ビームを照射して溶接した後、電子ビームを、前記接合部よりロータ軸側に所定の幅走査しながら照射して接合部近傍のロータ軸を焼戻すことを特徴とし、熱影響で硬くなった接合部軸近傍に、電子ビームを走査して照射することで焼戻しをすることが可能になり、これにより、熱処理炉に投入して焼き戻すことが不要になり作業工数を大幅に削減し、しかも、連続的に溶接処理をすることが可能となることが示されている。
特許3293712号公報
しかしながら、前記のタービンホイールとシャフトとを電子ビーム溶接によって接合して、機械加工によってタービンターロータ自体のバランスをとって製造したタービンロータは実機運転後、タービンホイールとシャフトとの直角度が低下し、バランスが悪化することがあった。
このバランスの悪化は、電子ビーム溶接部に残留していた残留熱応力が実機運転中に高温の排気ガスの影響を受けて開放することでタービンホイールとシャフトとの直角度が低下するためと考えられている。そのため、バランス修正のために機械加工前に溶接部の残留応力を熱処理(応力除去焼鈍)にて除去することが重要である。しかし、次のような課題があった。
(1)電子ビーム溶接部の応力除去焼鈍温度が低く応力除去が不十分の場合、軸側溶接熱影響部の硬さが十分に低下せず、つまり残留応力が十分除去されないまま使用すると実機運転中に残留応力が開放されてホイールとシャフトとの直角度が低下してしまい、振動騒音発生の原因となる。
(2)電子ビーム溶接部の応力除去焼鈍温度が高く応力除去が十分の場合、軸側溶接熱影響部の硬さが十分に低下し、残留応力が十分除去されると、実機運転後のホイールとシャフトとの直角度が低下することはないが、シャフトの母材自体の機械的強度が低下し実機運転に耐える強度を確保できなくなる。
一方、特許文献1の技術は、前記したように、タービン翼車とロータ軸とを接続しながら回転させ、その接合部に電子ビームを照射して溶接した後、電子ビームを、前記接合部よりロータ軸側に所定の幅走査しながら照射して接合部近傍のロータ軸を焼戻すものである。すなわち、熱処理炉に投入して焼戻し処理する作業工数を削減する技術を示したものであり、溶接部の残留応力除去とロータ軸の強度確保との両立を達成する熱処理については示されておらず、焼き戻し処理だけでは不十分である。
そこで、本発明はかかる従来技術の課題に鑑み、電子ビーム溶接部の軸側溶接熱影響部の硬さをシャフト母材同等の硬さまで低下させて残留応力を除去して、実機運転中に残留応力が開放されてタービンホイールとタービンシャフトとの直角度を変化させることによって生じる振動騒音の発生を抑え、かつタービンシャフトの母材強度も規定値を満足できるタービンロータの製造方法及びこの製造方法によって製造されたタービンロータを提供することを目的とする。
本発明はかかる目的を達成するもので、エンジンからの排気ガスをタービンロータに作用させ、該タービンロータによりエンジン給気加圧用のコンプレッサを直結駆動するように構成され、前記タービンロータはディスク部の外周に羽根が形成された金属製のホイールと前記ホイールとは異種金属からなるシャフトとを接合して構成された排気ターボ過給機におけるタービンロータの製造方法であって、前記タービンロータを回転しながら前記ホイールと前記シャフトとを電子ビームの照射によって溶接し、その後、タービンロータに焼入れおよび焼戻しを施すことを特徴とする。
本発明によれば、電子ビームの照射によって溶接された溶接部分が、焼入れ時に一定時間高温に曝されるため、軸側溶接熱影響部の硬さが十分低下し溶接時の熱応力による残留応力の除去が行われる。その結果、実機運転中に残留応力が開放されてホイールとシャフトとの直角度が低下してしまう問題が無く、ホイールとシャフトとの直角度が低下してタービンロータのバランス悪化によって生じる振動、騒音の発生が抑えられる。
さらに、焼入れ、焼戻しの調質処理によってシャフト母材の機械的強度が確保され、実機運転に耐える強度が確保される。
すなわち、焼入れ、焼戻しの調質処理をビーム溶接後に行うことで、シャフト強度の確保とともに、振動騒音の発生の防止との両立を達成できる。
また、本発明において、好ましくは、前記焼入れおよび焼戻しを、前記溶接部を含むシャフト部分だけに対して行うとよく、このように溶接部を含むシャフト部分だけに対して調質処理を施せばよいため、ホイールを含めた全体を焼入れ、焼戻しする熱処理設備に比べて熱処理設備を簡素化できる。
具体的な、熱処理条件としては、前記ホイールが耐熱材料で形成され、前記シャフトが鋼材からなり、前記焼入れが850〜900℃で1〜2時間加熱保持後の油焼入れであり、前記焼戻しが450〜500℃で1〜2時間加熱保持後の空気冷却であるとよい。
かかる条件によって製造したタービンロータの機械的強度を確認した結果、図3に示すようなシャフト硬さ(応力)の結果を得た。図3より、軸側溶接熱影響部の硬さが十分低下し溶接時の熱応力による残留応力の除去が行われるとともに、シャフト強度の確保が確認できた(詳細は実施例で説明)。
また、本発明によれば、エンジンからの排気ガスをタービンケーシング内に設けられたタービンロータに作用させ、該タービンロータによりエンジン給気加圧用のコンプレッサを直結駆動するように構成された排気ターボ過給機におけるタービンロータであって、
前記タービンロータは、ディスク部の外周に羽根が形成された金属製のホイールと前記ホイールとは異種金属からなるシャフトとを電子ビーム溶接によって接合して構成されるとともに、前記電子ビームの照射による溶接後に焼入れおよび焼戻しが施されて調質されたシャフトを備えることを特徴とする。
かかる構成によれば、前記タービンロータは、ディスク部の外周に羽根が形成された金属製のホイールと前記ホイールとは異種金属からなるシャフトとを電子ビーム溶接によって接合して構成されるとともに、前記電子ビームの照射による溶接後に焼入れおよび焼戻しが施されて調質されたシャフトを備えるため、電子ビームの照射によって溶接された溶接部分が、焼入れ時に一定時間高温に曝されるため、軸側溶接熱影響部の硬さが十分低下し溶接時の熱応力による残留応力の除去が行われる。その結果、実機運転中に残留応力が開放されてホイールとシャフトとの直角度が低下してしまう問題が無く、ホイールとシャフトとの直角度が低下してタービンロータのバランス悪化によって生じる振動、騒音の発生が抑えられたタービンロータを得ることができる。
さらに、焼入れ、焼戻しの調質処理によってシャフト母材の機械的強度が確保され、実機運転に耐える強度が確保されたるため、シャフト強度の確保とともに、振動騒音の発生の防止との両立を達成できるタービンロータを提供ができる。
本発明によれば、電子ビーム溶接部の軸側溶接熱影響部の硬さをシャフト母材同等の硬さまで低下させて残留応力を除去して、実機運転中に残留応力が開放されてタービンホイールとタービンシャフトとの直角度を変化させることによって生じる振動騒音の発生を抑え、かつタービンシャフトの母材強度も規定値を満足できるタービンロータの製造方法及びこの製造方法によって製造されたタービンロータを提供できる。
以下、本発明を図に示した実施例を用いて詳細に説明する。但し、この実施例に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対配置などは特に特定的な記載がない限り、この発明の範囲をそれのみに限定する趣旨ではなく、単なる説明例にすぎない。
図1は、本発明の実施例にかかる排気ターボ過給機のタービンロータ1の電子ビーム溶接部の部分拡大図である。
タービンロータ1は、本実施例においては、タービンケーシング内に設けられるとともに、エンジンからの排気ガスを作用させ、該タービンロータ1に直結されたコンプレッサを駆動してエンジン給気加圧を行う排気ターボ過給機に設けられている。
また、タービンロータ1は、ディスク部の外周に羽根が形成され、インコネル、Ni合金等の耐熱材料からなる金属製のホイール3と、該ホイール3とは異種金属の鋼等からなるシャフト5とを電子ビーム溶接によって接合して構成される。
図1において、図示しない真空チャンバ内にホイール3とシャフト5とが互いに組み合わされた状態のワーク(タービンロータ)1が収容され、該組み合わされた状態のワーク1を図示しないモータによって回転駆動する。そして、シャフト5の周方向に電子銃7が設置され(周方向180°間隔に2個所でもよい)、該電子銃7は、前記ワーク1の溶接部9の位置に合せて電子ビーム11を照射するようになっていて、電子ビーム11の収束位置が溶接部9に一致するようになっている。
ワーク1を回転させながら前記電子ビーム11を照射することによって、ホイール3とシャフト5との接合部の外周に沿って溶接部9が形成される。その電子ビーム11の照射エネルギによってホイール3とシャフト5の接合部が溶融して接合するときに、ホイール3は耐熱材料からなるため溶融熱の影響を受けにくいが、シャフト5はホイール3とは異なる鋼等で製造されるため、ホイール3側よりもシャフト5側に大きな軸側溶接熱影響部13が形成される。
次に、電子ビーム11によって溶接したワーク(タービンロータ)1を真空チャンバから取出して、焼入れと、焼戻しとからなる調質処理を行う。
図2に示すように、ステップS1で電子ビーム溶接が終了したタービンロータ1を、ステップS2で電気炉に投入して850〜900℃で1〜2時間加熱保持する。その後ステップS3で油中急冷を行い、油焼入れを行う。
次に、ステップS4で再び電気炉に投入して450〜500℃で1〜2時間加熱保持する。その後、ステップS5で空中徐冷を行って焼戻しをする。そして、ステップS6で終了する。
なお、電気炉内にワーク1を投入することをせずに、シャフト5の部分だけを高周波焼入れ等の装置によって部分的に焼入れ、焼戻しをしてもよく、その場合には、設備の簡素化が図れる。
以上の条件によって調質して製造したタービンロータ1について、硬さ(応力)試験によって硬さを確認した結果を図3に示す。
図3は、横軸にホイール3と溶接部9との境界部分を基準(ゼロ位置)として、そこからの軸方向距離をとり、図1のD1を溶接部9の距離とし、D2を軸側溶接熱影響部13の距離として、縦軸に横軸位置におれる硬さ(応力)を表したものである。
また、H1のラインは、軸側溶接熱影響部13の上限硬度ラインを示す。すなわち、軸側溶接熱影響部13の硬さがこのラインをこえる場合には溶接時の熱応力による残留応力の除去が十分でなく、靱性が低下し、溶接後に割れを生じるおそれがある硬度ラインを示す。←要相談靱性が低下して硬化が原因で疲労強度の低下を生じる硬度ラインを示す。
また、H2のラインは、実機運転において過給機の過回転時に必要とされるシャフト強度の下限値を示す硬度ラインであり、このラインを下回ることは実機運転においてシャフト強度が低下して回転部品である排気ターボ過給機としての信頼性が確保できなくなる硬度ラインを示している。
なお、図4〜図6においても、横軸および縦軸の表示、H1、H2の説明は同様である。
図3より、軸側溶接熱影響部13の部分の硬さが、この軸側溶接熱影響部13から十分離れたシャフト母材の領域と略同等の硬さとなっており、さらにH1のラインを超えることなく、すなわち残留応力が十分除去でき、かつH2のラインを上回っていることからシャフト強度も回転部品である排気ターボ過給機としての信頼性が確保できるラインを満足していることが確認できた。
なお、図3中に示した終端部とは、溶接部9のシャフト5の周方向の終端部すなわち周方向に電子ビーム11を照射する時の周方向の終端部における硬度試験結果を示し、反対側はその終端部から周方向反対側の位置における硬度試験結果を示すものであり、何れの位置においても満足する結果が確認できた。
次に、図4を参照して、比較例1の硬さ試験結果について説明する。
この比較例1は、従来技術説明したような、溶接部の残留応力に対して熱処理の応力除去焼鈍を施した場合であり、ビーム溶接後に、550℃×0.5時間加熱し、加熱後に除冷した場合を示す。
図4に示すように、シャフト母材の領域では、H2のラインを上回っていることからシャフト強度は、回転部品である排気ターボ過給機としての信頼性が確保できるラインを満足している。しかし、軸側溶接熱影響部13の部分の硬さが、Pの部分でシャフト母材の領域より硬く、すなわち残留応力が十分除去できていないことが分かる。
次に、図5を参照して、比較例2の硬さ試験結果について説明する。
この比較例2は、溶接部の残留応力に対して熱処理の応力除去焼鈍を施した場合であり、ビーム溶接後に、570℃×0.5時間加熱し、加熱後に除冷した場合を示す。
図5に示すように、シャフト母材の領域では、H2のラインを上回っていることからシャフト強度は、回転部品である排気ターボ過給機としての信頼性が確保できるラインを満足している。しかし、軸側溶接熱影響部13の部分の硬さが、Qの部分でシャフト母材の領域より硬く、すなわち残留応力が十分除去できていないことが分かる。ただし、軸側溶接熱影響部13の部分の硬さの程度は前記比較例1の場合よりも小さくなっていることが分かる。すなわちPの部分よりQの部分の方がシャフト母材の硬さとの差が小さくなっている。
次に、図6を参照して、比較例3の硬さ試験結果について説明する。
この比較例3は、溶接部の残留応力に対して熱処理の応力除去焼鈍を施した場合であり、ビーム溶接後に、600℃×0.5時間加熱し、加熱後に除冷した場合を示す。
図6に示すように、軸側溶接熱影響部13の部分の硬さが、シャフト母材の領域と略同等の硬さとなっており、さらにH1のラインを超えることなく、すなわち残留応力が十分除去できていることが分かる。しかし、シャフト母材の領域では、H2のラインを下回り、シャフト強度が、回転部品である排気ターボ過給機としての信頼性が確保できるラインを満足できていない。これは、シャフト母材の部分が応力除去焼鈍の影響によって強度低下を生じたものである。
以上の、比較例1、2、3および実施例の傾向を重ね合わせて、硬さの傾向を模式的見ると図7のようになる。
図7で(1)が、比較例1で、(2)が比較例2で、(3)が比較例3で、(4)が本願発明に相当するものである。
従って、本願発明の焼入れ、焼き戻しによる調質処理によって、シャフト母材の機械的強度が確保されて、実機運転に耐える強度が確保されるとともに、軸側溶接熱影響部13の硬さがシャフト母材と同様まで十分低下し溶接時の熱応力による残留応力の除去が十分行われたことが確認できた。
その結果、実機運転中に残留応力が開放されてホイール3とシャフト5との直角度が低下してしまう問題が無く、ホイール3とシャフト5との直角度が低下してタービンロータ1のバランス悪化によって生じる振動、騒音の発生が抑えられる。
次に、タービンロータ1のバランス悪化が改善されたことを実機耐久試験前後によって確認した。
図8は、前記実施例の条件で焼入れ、焼戻しを行ったタービンロータ1のバランス測定結果である。バランス測定は、タービンロータ1にコンプレッサホイールを取付けた後(カートリッジという)に過給機に組み込んだ形で測定を行った。バランス測定は、過給機ハウジング外周に加速度センサを取り付けて、前記カートリッジを高速回転させたときのシャフトの軸振動を計測した。
シャフト振動値(軸振動値)を表すG値は、カートリッジの回転数が45000rpmにおける値を示し、耐久試験前の値を横軸に、耐久試験後の値を縦軸にとり、表したものである。
なお、耐久試験は、カートリッジを規格値内のバランスに修正した後に行なった。
耐久試験前のG値をX、耐久試験後のG値をYとした時に、図中のプロット(試験サンプル)点が、Y=Xの直線に近ければ耐久試験前後で軸振動値の変化が少ないことが言えるためバランスが良いことを示している。
図6に示す本実施例のタービンロータ1は、プロット点がY=X直線の近傍にまとまっており、上ラインL1と下ラインL2の間隔が狭い範囲内にプロット点があり、耐久試験前後のバランス変化が少ないことが明らかとなった。
図9を参照して、比較例1のバランス試験結果について説明する。
図9中のプロット点は、Y=X直線からはるかに離れた場所にも認められ、上下ラインL1、L2の間隔が広い範囲内に散在しており、耐久試験前後のバランス変化が大きい。 軸側溶接熱影響部13の硬さがシャフト母材より硬く残留応力が十分除去されない(図4参照)まま使用すると実機運転中に残留応力開放されてホイールとシャフトとの直角度が低下して、耐久試験前後のバランス悪化が生じたことが分かった。
図10を参照して、比較例3のバランス試験結果について説明する。
図10中のプロット点は、Y=X直線の近傍にまとまっており、上下ラインL1、L2の間隔が狭い範囲内にプロット点があり、耐久試験前後のバランス変化が少ないことを明らかとなった。つまり、軸側溶接熱影響部13の硬さを、応力除去焼鈍によってシャフト母材と略同等の硬さまで落とすことで、耐久試験前後のバランスの悪化を防止できることが分かった。
しかし、この比較例3の600℃焼鈍の場合には、シャフト母材領域の機械的強度がH2ライン(図6参照)を満たさないため、熱処理としては不十分である。
以上の硬さ試験結果およびバランス試験結果に基づいて、本実施例の条件による焼入れ、焼戻しによる熱処理が、シャフト母材の機械的強度が確保されて、実機運転に耐える強度が確保されるとともに、軸側溶接熱影響部13の硬さがシャフト母材と同様まで十分低下し溶接時の熱応力による残留応力の除去が行われることで、タービンロータ1のバランス悪化が改善されたことを確認した。
本発明によれば、電子ビーム溶接部の軸側溶接熱影響部の硬さをシャフト母材同等の硬さまで低下させて残留応力を除去して、実機運転中に残留応力が開放されてタービンホイールとタービンシャフトとの直角度を変化させることによって生じる振動騒音の発生を抑え、かつタービンシャフトの母材強度も規定値を満足できるので、排気ターボ過給機におけるタービンロータの製造方法及びタービンロータへの適用に適している。
本発明の実施例にかかる排気ターボ過給機のタービンロータの電子ビーム溶接部の部分拡大図である。 本発明にかかる焼入れ、焼戻し手順を示すフローチャートである。 本発明の実施例にかかる硬さ試験結果を示すグラフである。 比較例1の硬さ試験結果を示すグラフである。 比較例2の硬さ試験結果を示すグラフである。 比較例3の硬さ試験結果を示すグラフである。 硬さ試験結果の傾向を示す模式的グラフである。 本発明の実施例にかかるバランス試験結果を示すグラフである。 比較例1のバランス試験結果を示すグラフである。 比較例3のバランス試験結果を示すグラフである。
符号の説明
1 タービンロータ(ワーク)
3 ホイール
5 シャフト
7 電子銃
9 溶接部
11 電子ビーム
13 軸側溶接熱影響部

Claims (4)

  1. エンジンからの排気ガスをタービンロータに作用させ、該タービンロータによりエンジン給気加圧用のコンプレッサを直結駆動するように構成され、前記タービンロータはディスク部の外周に羽根が形成された金属製のホイールと前記ホイールとは異種金属からなるシャフトとを接合して構成された排気ターボ過給機におけるタービンロータの製造方法であって、
    前記タービンロータを回転しながら前記ホイールと前記シャフトとを電子ビームの照射によって溶接し、その後、タービンロータに焼入れおよび焼戻しを施すことを特徴とするタービンロータの製造方法。
  2. 前記焼入れおよび焼戻しを、前記溶接部を含むシャフト部分だけに対して行うことを特徴とする請求項1記載のタービンロータの製造方法。
  3. 前記ホイールが耐熱材料で形成され、前記シャフトが鋼材からなり、前記焼入れが850〜900℃で1〜2時間加熱保持後の油焼入れであり、前記焼戻しが450〜500℃で1〜2時間加熱保持後の空気冷却であることを特徴とする請求項1または2に記載のタービンロータの製造方法。
  4. エンジンからの排気ガスをタービンケーシング内に設けられたタービンロータに作用させ、該タービンロータによりエンジン給気加圧用のコンプレッサを直結駆動するように構成された排気ターボ過給機におけるタービンロータであって、
    前記タービンロータは、ディスク部の外周に羽根が形成された金属製のホイールと前記ホイールとは異種金属からなるシャフトとを電子ビーム溶接によって接合して構成されるとともに、前記電子ビームの照射による溶接後に焼入れおよび焼戻しが施されて調質されたシャフトを備えることを特徴とするタービンロータ。
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