JP4493727B1 - 鉄筋コンクリート構造物におけるコンクリートのかぶり厚さの測定又は検査方法及びかぶり厚さ検査器具 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】鉄筋コンクリート構造物において、鉄筋(102)に対するコンクリート(100)のかぶり厚さの検査対象となるコンクリート表面(101)に、かぶり厚さが基準値L0未満のときに磁着する強さの磁力を有するかぶり厚さ検査体(2)を接触させ、検査体(2)を転がしながらコンクリート表面(101)を移動し、磁着しなければコンクリートのかぶり厚さが基準値L0を満たしているとし、磁着すればコンクリートのかぶり厚さが基準値L0を満たしていないとする。
【選択図】図3
Description
更に詳しくは、鉄筋コンクリート構造物の各部において、鉄筋に対するコンクリートのかぶり厚さが、規定されている基準値を満たしているかどうかを測定又は検査する方法及びそれに使用する検査器具に関する。
すなわち、「鉄筋に対するコンクリートのかぶり厚さは、1.耐力壁以外の壁又は床にあっては2cm以上、2.耐力壁、柱又は梁にあっては3cm以上、3.直接土に接する壁、柱、床若しくは梁又は布基礎の立上り部分にあっては4cm以上、4.基礎(布基礎の立上り部分を除く)にあっては捨コンクリートの部分を除いて6cm以上としなければならない。」
すなわち、従来の検査装置は精密で複雑な構造を有しており、精密な診断が可能ではあるものの、装置そのものがきわめて高価である。したがって、その装置を使用した検査費用も同様に高価であり、検査を依頼する側にとっては費用負担がきわめて大きいという課題があった。なお、前記(a)のレーダーを利用するタイプも、これと同様の課題を有している。
本発明の目的は、コンクリート構造物各部のコンクリートのかぶり厚さの測定又は検査を行う際に、予備的な検査として必要十分な精度での検査を簡単かつ安価に行うことができるとともに、予備的な測定又は検査に止まらず、単独で前記測定又は検査を行うこともでき、コンクリートのかぶり厚さの検査の効率化と検査費用の低減を図ることができる、コンクリートのかぶり厚さの測定又は検査方法及びかぶり厚さ検査器具を提供することである。
コンクリート構造物外面とコンクリート内に埋設されている磁性体との距離を測定又は検査する方法であって、
磁石でできているか又は磁石を含む検査体をコンクリート構造物外面に接触させ、検査体を転がしながら又は転がり手段によってコンクリート構造物外面を移動し、コンクリート構造物外面とコンクリート内に埋設されている磁性体との距離が所定の範囲内のときは検査体がコンクリート構造物外面に磁着し、所定の範囲外のときは磁着しないことを含む、
コンクリート構造物外面とコンクリート内に埋設されている磁性体との距離を測定又は検査する方法である。
鉄筋コンクリート構造物において、鉄筋に対するコンクリートのかぶり厚さの検査対象となるコンクリート構造物外面に、かぶり厚さが基準値未満のときに磁着する強さの磁力を有する検査体を接触させ、該検査体を転がしながら又は転がり手段によってコンクリート構造物外面を移動し、コンクリートのかぶり厚さが基準値を満たしていれば検査体は磁着せず、コンクリートのかぶり厚さが基準値を満たしていなければ検査体は磁着することを含む、
鉄筋コンクリート構造物におけるコンクリートのかぶり厚さの測定又は検査方法である。
鉄筋コンクリート構造物におけるコンクリートのかぶり厚さを測定又は検査するかぶり厚さ検査器具であって、
軸柄と、該軸柄の先端側に設けられている検査体を有し、該検査体は磁石でできているか又は磁石を含み、コンクリート構造物外面を転がって移動するか又は転がり手段によって移動するものであり、
前記検査体は鉄筋に対するコンクリートのかぶり厚さが規定されている基準値未満のときにコンクリート構造物外面に磁着する磁力を有する、
コンクリートのかぶり厚さ検査器具である。
また、検査体の表面を合成または天然の樹脂で被覆することもできる。
転がって移動するものの例としては、実施例に示した球形状の他に、車輪形状、円柱形状、紡錘形状、六面体形状(立方体、直方体)、その他の多面体形状(正八面体、正十二面体)等を挙げることができる。外面に大小の凹凸面があってもよい。
転がり手段としては、検査体に設けられる各種形状の車輪、転等を挙げることができる。無限軌道状のものも含まれる。
実施例で示す変向継手(玉継ぎ手を含む構造)、部材の角度を変える回転自在な滑節点を有するもの、自在(フレキシブル)な構造を有するものなどを挙げることができる。
本発明に係るコンクリートのかぶり厚さ検査器具の作用を、鉄筋に対するコンクリートのかぶり厚さが規定された基準値未満のときに被検査面に磁着する磁力を有する、耐力壁、柱又は梁用のコンクリートのかぶり厚さ検査器具を例に採り説明する。
検査に当たっては、検査体をコンクリート構造物外面である耐力壁のコンクリート表面に当てて、コンクリート表面を転がし又は転がり手段によって移動させ位置を変えながら、検査体が磁着するところを探索する。
このように、コンクリートのかぶり厚さが基準値を満たしていると診断された場合、このコンクリート構造物外面については、電磁波を利用するタイプやレーダーを利用するタイプの装置を使用した精密な診断は行わない。
検査に当たっては、検査体をコンクリート構造物外面である耐力壁のコンクリート表面に当てて、検査体をコンクリート表面で転がし又は転がり手段によって移動させ位置を変えながら、かぶり厚さ検査体が磁着するところを探索する。
このように、コンクリートのかぶり厚さが基準値を満たしていないと診断された場合、このコンクリート構造物外面については、電磁波を利用するタイプやレーダーを利用するタイプの従来の装置を使用した精密な診断をあらためて行うようにする。
また、本発明は、前記予備的な測定又は検査に止まらず、単独で前記測定又は検査を行うこともできる。
なお、軸柄を有し先端の検査体でコンクリート構造物外面(タイル面等)を打撃する、いわゆる打診棒としても使用することが出来る。
本実施例では軸柄1は伸縮構造を備え、軸柄1の長さを変えることができる。
変向継手4は、軸柄1の先端に設けられている軸柄側球41と検査体2を取着する台座3の基端に設けられている台座側球42と、軸柄側球41と台座側球42の両側から軸柄側球41、台座側球42を挟むように配置されている一対の挟持板43、44を有する。
かぶり厚さ検査器具Aを使用したコンクリートのかぶり厚さの測定又は検査方法を、耐力壁のコンクリートのかぶり厚さを測定又は検査する場合を例に採り説明する。したがって、使用するかぶり厚さ検査器具Aの検査体2は、磁性体である鉄筋102に対するコンクリートのかぶり厚さが3cm未満のときに検査対象となるコンクリート構造物外面(コンクリート表面101)に磁着する磁力を有するものである。
図3を参照して被検査面であるコンクリート表面101のコンクリートのかぶり厚さが基準値を満たしている場合の検査の流れを説明する。
このように、コンクリートのかぶり厚さL1が基準値を満たしていると診断された場合、このコンクリート表面101については、前記電磁波を利用するタイプやレーダーを利用するタイプの装置を使用した精密な診断は行わない。
図4を参照して被検査面であるコンクリート表面101のコンクリートのかぶり厚さが基準値を満たしていない場合の検査の流れを説明する。
このように、コンクリートのかぶり厚さL2が基準値を満たしていないと診断された場合、このコンクリート表面101については、前記電磁波を利用するタイプやレーダーを利用するタイプの従来の装置を使用した精密な診断をあらためて行うようにする。
図1,2に示す状態の検査器具Aの蝶ナット47を緩め、挟持板43,44による軸柄側球41、台座側球42の締め付けを緩和する。その後、挟持板43,44の方向を垂直方向から斜め、例えば45度程度にし、更に軸22が床スラブ又は梁のコンクリート表面200と平行になるように台座3の方向を動かす。
その後、蝶ナット47を締め挟持板43,44で軸柄側球41、台座側球42を締め付け固定する。
このように、軸柄1と検査体2の間には、検査体2の向きを変える手段である変向継手4を設けているので、垂直方向から水平方向、あるいは斜めの方向など、コンクリートのかぶり厚さの測定又は検査がしやすい方向に変えることができる。
1 軸柄
2 検査体
3 台座
4 変向継手
101 コンクリート表面
100 耐力壁
102 鉄筋
200 コンクリート表面
L0 かぶり厚さの基準値
L1 かぶり厚さ
L2 かぶり厚さ
Claims (5)
- コンクリート構造物外面とコンクリート内に埋設されている磁性体との距離を測定又は検査する方法であって、
磁石でできているか又は磁石を含む検査体(2)をコンクリート構造物外面(101)に接触させ、検査体(2)を転がしながら又は転がり手段によってコンクリート構造物外面(101)を移動し、コンクリート構造物外面(101)とコンクリート内に埋設されている磁性体(102)との距離が所定の範囲内のときは検査体(2)がコンクリート構造物外面(101)に磁着し、所定の範囲外のときは磁着しないことを含む、
コンクリート構造物外面とコンクリート内に埋設されている磁性体との距離を測定又は検査する方法。 - 鉄筋コンクリート構造物において、鉄筋(102)に対するコンクリートのかぶり厚さの検査対象となるコンクリート構造物外面(101)に、かぶり厚さが基準値未満のときに磁着する強さの磁力を有する検査体(2)を接触させ、該検査体(2)を転がしながら又は転がり手段によってコンクリート構造物外面(101)を移動し、コンクリートのかぶり厚さが基準値を満たしていれば検査体(2)は磁着せず、コンクリートのかぶり厚さが基準値を満たしていなければ検査体(2)は磁着することを含む、
鉄筋コンクリート構造物におけるコンクリートのかぶり厚さの測定又は検査方法。 - 鉄筋コンクリート構造物におけるコンクリートのかぶり厚さを測定又は検査するかぶり厚さ検査器具であって、
軸柄(1)と、該軸柄(1)の先端側に設けられている検査体(2)を有し、該検査体(2)は磁石でできているか又は磁石を含み、コンクリート構造物外面(101)を転がって移動するか又は転がり手段によって移動するものであり、
前記検査体(2)は鉄筋(102)に対するコンクリートのかぶり厚さが規定されている基準値未満のときにコンクリート構造物外面(101)に磁着する磁力を有する、
コンクリートのかぶり厚さ検査器具。 - 軸柄(1)と検査体(2)の間に、検査体(2)の向きを変える手段(4)を備えている、
請求項3記載のコンクリートのかぶり厚さ検査器具。 - 検査体(2)が取り替え可能であり、磁力が異なる複数の検査体から検査対象に合わせて選択できるようにした、請求項3または4記載のコンクリートのかぶり厚さ検査器具。
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