JPWO2019044018A1 - 非破壊検査装置 - Google Patents

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Abstract

基端側を地中に埋設することで地面に立設した被検体の地際に生じる減肉を検査する非破壊検査装置を提供する。基端側を地中に埋設することで地面に立設した被検体(T)に磁場を引加する印加コイル(11a,12a)と、この印加コイル(11a,12a)で引加された磁場に対する被検体(T)からの応答を検出する磁気センサ(11b,12b)とを備えた磁気プローブ(11,12)と、引加コイル(11a,12a)に所定周波数の交流電流を供給する電流源(21)と、磁気センサ(11b,12b)からの出力信号を検波する検波器(30)と、この検波器(30)の出力信号を用いて解析を行う解析器(40)とを有する非破壊検査装置において、被検体(T)の地際に向けて印加コイル(11)で生成した磁場を引加する第1モードと、この第1モードの印加コイル(11)の位置とは異なる位置とした印加コイル(12)で被検体(T)に磁場を引加する第2モードとで被検体(T)からの応答を検出する非破壊検査装置とする。

Description

本発明は、金属構造物の腐食を磁気的に検査する非破壊検査装置に関する。
鉄鋼材料で作られたインフラ構造物では、経年劣化が生じることから、安全確保のための検査の実施が現在大きな社会問題となっている。これらの鉄構構造物のうち、道路の表示灯や照明塔などの鋼製支柱や、トラス橋の斜材や歩道橋などの橋脚など、道路に併設されて設置されているものが多くある。これらの鉄構構造物では、基礎部分を土あるいはコンクリートに埋設した状態としているため、特に地際部分では水が溜まりやすく、鉄鋼材の腐食が発生しやすいことが知られていた。しかも、腐食が生じた状態をそのままにしておいた場合には、台風の強風や地震による揺れによって腐食箇所からの破損が生じるおそれがあり、交通の障害あるいは最悪の場合には交通事故を発生させるおそれがあった。このため、鉄構構造物では、腐食などの劣化が生じていないか、定期的な検査が行われている。特に、埋設部分を検査するために、土やコンクリートを掘り起こして検査することも行われていた。このため、鉄構構造物の検査では、多くの時間と労力が必要とされており、簡単に検査できる方法が望まれていた。
鉄構構造物における鉄鋼材の腐食による肉厚の減少を検査する方法としては、以下の方法が知られている。例えば、高周波コイルと電磁石で構成された超音波発生器を用い、地際上部で鉄鋼材に超音波を発生させて肉厚を測定する方法である(例えば非特許文献1)。あるいは、パルス磁場を印加した後に周波数解析して金属に肉厚を計測する方法である(特許文献1)。あるいは、鉄鋼材に複数の周波数を印加して、2つの周波数における磁場ベクトルの位相変化を計測することで、従来の磁気計測において問題になっていた被検体の鋼板などの磁性体の透磁率や着磁による磁気ノイズの影響を受けずに、厚い鋼板でも計測可能とする方法である(非特許文献2)。しかし、これらの方法では、プローブ直下の鉄鋼材の肉厚を測定することはできるが、地面やコンクリートに隠された地際の箇所の検査はできなかった。
地際の地面やコンクリートの中にある腐食を検査する方法はいくつか開発されてきており、例えば、超音波を地表部分の鋼管から引加して地下部分にまで伝搬させてコンクリート表面の部分から検出するものなどがある(特許文献2)。また、超音波を発生させる方法として、先に述べた高周波コイルと電磁石で構成された超音波発生器により地際上部で鋼材に電磁超音波を引加して、地面に埋もれた鋼管部分を通って反射してきた音波を受信することで、その途中部分に生じている腐食を検出する方法がある(非特許文献3)。あるいは、電磁的な方法として、磁力線が従来のコイルよりも広がる渦電流探傷センサを用い、この渦電流探傷センサを鋼管表面に垂直にあてて、地際部分から離れる方向に走査することで生じる減衰信号から腐食の深さを推定する方法がある(特許文献3)。あるいは、鋼管と地面の間に磁性体コアを設けて、この磁性体コアで渦電流計測を行うことで、地中に埋まった部分の鋼管の腐食を計測する方法がある(特許文献4)。
特許第3924626号公報 特許第5900695号公報 特開2014−194382号公報 特開2017−096678号公報
山本敏弘、 溶接・非破壊検査技術センター 技術レビュー、 pp10-19(2016) Keiji Tsukada、 Yuta Haga、 Koji Morita、 et al.、 Detection of Inner Corrosion of Steel Construction Using Magnetic Resistance Sensor and Magnetic Spectroscopy Analysis、IEEE Transactions on Magnetics、 vol. 52、 6201504 (2016) 本間一茂、街路灯地中埋設物部の腐食検査装置、IIC REVIEW、No. 33、 pp36-43 (2005)
しかしながら、電磁超音波を利用した方法では、探傷子部分の直下が腐食していた場合や、塗装が錆とともに膨れている場合には接触が悪くなるため信号が得られないという不具合が生じやすいことが知られている。このため、電磁超音波を利用した方法では、測定部分の表面の腐食部分や膨れた塗装部分などを、あらかじめきれいにしておく前処理作業が必要であった。また、渦電流法を用いた方法では、地際から深いところは計測できないという問題があった。さらに、渦電流法を用いた方法では、地面を介在した渦電流では地面の水分量や密度などの影響を受けることで十分な制度が得られないという問題もあった。
本発明は、上記課題を解決するために提案されたものであって、基端側を地中に埋設することで地面に立設した被検体に磁場を引加する印加コイルと、この印加コイルで引加された磁場に対する被検体からの応答を検出する磁気センサとを備えた磁気プローブと、引加コイルに所定周波数の交流電流を供給する電流源と、磁気センサからの出力信号を検波する検波器と、検波器の出力信号を用いて解析を行う解析器とを有する非破壊検査装置である。
特に、本発明の非破壊検査装置では、被検体の地際に向けて印加コイルで生成した磁場を引加する第1モードと、この第1モードの印加コイルの位置とは異なる位置とした印加コイルで被検体に磁場を引加する第2モードとで被検体からの応答を検出しているものである。
さらに、本発明の非破壊検査装置では、第1モードの磁場を引加する第1の磁気プローブと、第2モードの磁場を引加する第2の磁気プローブとを有していることにも特徴を有するものである。
本発明では、磁気プローブの引加コイルで生成した磁場を被検体の地際に向けて引加することで、被検体の周囲の地面やコンクリート下の部分にも磁場を広げて照射することでき、地面やコンクリートの下となることでそのままでは見えない埋設部分の被検体の板厚の変化を計測することができる。特に、磁場の引加方向あるいは引加目標の異なる第1モードと第2モードで計測を行うことで、板厚が変化している位置を特定することができる。
本発明に係る非破壊検査装置の構成概略図である。 本発明に係る非破壊検査装置の要部の構成図である。 本発明に係る非破壊検査装置の要部の変容例の構成図である。 1つの磁気プローブによる減肉試験体の計測試験によって得られた磁気スペクトルの腐食深さ依存性を示したグラフである。 1Hzの引加磁場で得られた磁気ベクトルを基準ベクトルとして20Hzの引加磁場で得られた磁気ベクトルの差ベクトルを用い、磁気信号強度の腐食深さ依存性を示したグラフである。 試験体の表面と磁気プローブの引加コイルの中心軸との交差角度を30度とした場合と、45度とした場合であって、磁気信号強度の距離依存性を示したグラフである。 試験体の表面と磁気プローブの引加コイルの中心軸との交差角度を30度とした場合と、45度とした場合であって、磁気信号強度の距離依存性を示したグラフである。 試験体の表面と磁気プローブの引加コイルの中心軸との交差角度を45度とした場合であって、磁気信号強度の距離依存性を示したグラフである。
本発明の非破壊検査装置は、図1に示すように、基端側を地中に埋設することで地面に立設した被検体Tの地際部分における減肉を検出する非破壊検査装置である。図1中、符号Sは地面である。
非破壊検査装置は、印加コイルと磁気センサとを備えた磁気プローブ(図2参照)と、磁気プローブの引加コイルに所定周波数の交流電流を供給する電流源21と、磁気プローブの磁気センサからの出力信号を検波する検波器30と、検波器30の出力信号を用いて解析を行う解析器40とで構成している。図1中、符号41は解析器40に接続した表示装置である。本実施形態では、図2に示すように、磁気プローブ11,12は、箱状のプローブホルダ10内に取り付けている。
プローブホルダ10は、被検体Tの周囲を周回可能としている。本実施形態では、図1に示すように、被検体Tには、地面Sから所定の高さに周回レールRを着脱自在に装着し、この周回レールRを走行する走行機構19をプローブホルダ10の上部に設けて、周回レールRに沿ってプローブホルダ10を移動可能としている。
走行機構19は、本実施形態では、プローブホルダ10の上部に突出させた支持フレーム19aと、支持フレーム19aから水平方向に突出させた駆動軸19b(図2参照)と、この駆動軸19bに装着して回転駆動する駆動輪19cと、周回レールRを挟んで駆動輪19cと対向させて配置した補助輪19dと、駆動軸19bを回転駆動させる駆動モータ19eとで構成している。
走行機構19では、駆動輪19cと補助輪19dとで周回レールRを挟持して、駆動輪19cを回転させることで周回レールRに沿って磁気プローブ10を移動可能としている。周回レールRには、所定位置に原点マークをも設けておいて、走行機構19が周回レールRに沿って一回転したことを検出可能としてもよい。図1では省略しているが、解析器40から走行機構19に制御信号を入力することとしており、解析器40による制御によって走行機構19の走行制御を行っている。
電流源21は、周波数発信器22から入力された周波数信号に基づいて所定周波数の交流電流としてプローブホルダ10内の各磁気プローブ11,12に入力している。
検波器30は、本実施形態では、磁気プローブ11,12の磁気センサから出力された信号が入力される磁気センサ計測回路31と、この磁気センサ計測回路31から出力された信号に対して、周波数発信器22から出力されている周波数信号に基づいて検波するロックイン検波器32とで構成している。
ロックイン検波器32から出力された信号は、解析器40に入力して、後述する解析を実行している。
後述するように、プローブホルダ10内に2つの磁気プローブ11,12を設ける場合には、電流源21、周波数発信器22、磁気センサ計測回路31及びロックイン検波器32を適宜の切替スイッチを介して磁気プローブ11,12にそれぞれ接続してもよい。あるいは、磁気プローブ11,12ごとに電流源21、周波数発信器22、磁気センサ計測回路31及びロックイン検波器32を設けてもよい。
本実施形態では、図2に示すように、プローブホルダ10内には、第1磁気プローブ11と第2磁気プローブ12を取り付けている。
第1磁気プローブ11及び第2磁気プローブ12は、それぞれ引加コイル11a,12aと、磁気センサ11b,12bとを内蔵している。引加コイル11a,12aは、それぞれ所定の配線を介して電流源21と接続しているが、配線は省略している。また、磁気センサ11b,12bもそれぞれ所定の配線を介して磁気センサ計測回路31と接続しているが、配線は省略している。
引加コイル11a,12aは、それぞれ第1磁気プローブ11及び第2磁気プローブ12の先端側に設けている。引加コイル11a,12aは、交流磁場を生じさせることで、被検体Tに渦電流を生じさせることとしている。
引加コイル11a,12aの中心位置には磁気センサ11b,12bを設けている。この磁気センサ11b,12bは、被検体Tに生じた渦電流によって生じる磁場を検出している。
磁気センサ11b,12bは、本実施形態では磁気抵抗素子を用いているが、磁気抵抗素子の代わりとしてトンネル型抵抗素子(TMR)、磁気インピーダンス素子(MI)、超伝導量子干渉素子(SQUID)などの低周波から感度がある適宜のセンサを用いることができる。
さらに、引加コイル11a,12aの内側には、キャンセルコイル11c,12cを同軸状に設けている。特に、キャンセルコイル11c,12cの中心位置に磁気センサ11b,12bを配置することが望ましい。キャンセルコイル11c,12cでは、引加コイル11a,12aによって生じた磁場であって、引加コイル11a,12a内の磁気センサ11b,12bに作用する磁場をキャンセルする磁場を生じさせることで、磁気センサ11b,12bへの引加コイル11a,12aの影響を軽減することとしている。なお、磁気センサ11b,12bの配置は、引加コイル11a,12aによって生じさせた交流磁場によって被検体Tに誘導された磁場を検出できれば、どこに配置してもよい。
本実施形態では、第1磁気プローブ11は、引加コイル11aの中心軸を被検体Tの地際近傍に向けて、印加コイル11aで生成した磁場を引加することとしている。すなわち、引加コイル11aの中心軸と被検体Tの外側面とが所定の角度αで交差することとなっている。ここで、説明の便宜上、引加コイル11aの中心軸と、被検体Tの外側面との交点をPとする。被検体Tに生じる減肉は、地際部分よりも若干下側に生じることが多いため、図2に示すように、交点Pは地面Sよりも下側、すなわち地中側とすることが望ましい。
また、本実施形態では、引加コイル11aの中心軸と被検体Tの外側面とのなす角度αを約30度としているが、磁気プローブの形状や被検体Tの鋼材の形状に合わせて、角度は任意とすることができる。また、角度調整機構を設けて、引加コイル11aの中心軸の向きを調整可能としてもよい。
第2磁気プローブ12は、図2に示すように、引加コイル12aの中心軸と被検体Tの外側面とが角度αより大きい角度βを有するように引加コイル12aの中心軸を調整している。すなわち、第2磁気プローブ12は、第1磁気プローブ11の印加コイル11aによる磁場の引加方向と異なる方向に向けて、印加コイル12aで被検体Tに磁場を引加している。ここで、図2では、第2磁気プローブ12の中心軸も点Pで被検体Tの外側面と交差するように描いているが、できる限り同一点Pで交差する状態とすることが望ましい。また、この場合におて、第1磁気プローブ11の印加コイル11aから被検体Tまでの距離と、第2磁気プローブ12の印加コイル12aから被検体Tまでの距離が異なっていてもよい。
図2では、第1磁気プローブ11と第2磁気プローブ12の2つの磁気プローブを用いているが、1つの磁気プローブで、位置調整機構を設けて、第1磁気プローブ11の位置と、第2磁気プローブ12の位置とにそれぞれ磁気プローブを移動させてもよい。
他の実施形態として、図3のように、プローブホルダ10'内で、第1磁気プローブ11'と第2磁気プローブ12'とをそれぞれ上下に配設してもよい。
本実施形態でも、第1磁気プローブ11'は、引加コイル11a'の中心軸を被検体Tの地際近傍に向けて、印加コイル11a'で生成した磁場を引加することとしている。すなわち、引加コイル11a'の中心軸と、被検体Tの外側面とが所定の角度α\och'を有することとなっている。ここで、説明の便宜上、引加コイル11a'の中心軸と、被検体Tの外側面との交点をP'とする。図3中、符号11b'は第1磁気プローブ11'の磁気センサ、符号11c'は第1磁気プローブ11'のキャンセルコイルである。
第2磁気プローブ12'は、図3に示すように、引加コイル12a'の中心軸が、被検体Tの外側面と所定の角度α\och'で交差する状態で、地面Sから所定の高さとしている。この場合、引加コイル12a'の中心軸が被検体Tの外側面と交差する交点P"は、被検体Tの地際から離れていいるが、計測において問題となることはない。図3中、符号12b'は第2磁気プローブ12'の磁気センサ、符号12c'は第2磁気プローブ12'のキャンセルコイルである。なお、第1磁気プローブ11'と第2磁気プローブ12'とで、それぞれの引加コイル11a',12a'の中心軸と被検体Tの外側面と交差角度は必ずしも同一である必要はなく、可能であれば同一とすることが望ましい。
図3では、第1磁気プローブ11'と第2磁気プローブ12'の2つの磁気プローブを用いているが、1つの磁気プローブで、昇降機構を設けて、第1磁気プローブ11'の位置と、第2磁気プローブ12'の位置とにそれぞれ磁気プローブを昇降移動させてもよい。
以下において、本発明の非破壊検査装置を用いた検査方法について説明する。
本発明の非破壊検査装置では、磁気プローブの印加コイルから交流磁場を被検体Tに引加することで被検体Tに渦電流を発生させている。なお、引加する交流磁場は、2つ以上の交流周波数が合成された交流磁場や、あるいは時間で周波数を切り替えた交流磁場等、検査に合わせて適宜の交流磁場を生成可能としている。
引加された交流磁場に基づいて被検体Tには渦電流が生じる。この渦電流が生成する磁場を磁気センサで検出し、磁気センサ計測回路から検出信号として出力している。
磁気センサ計測回路から出力された検出信号はロックイン検波器に入力し、ロックイン検波器では、周波数発信器から入力された周波数情報の信号に基づいて、印加コイルによる印加磁場の周波数と同じ周波数であって、同位相となっている検出信号の実数成分信号と、90°位相がずれた虚数成分信号を検波して出力している。なお、ロックイン検波器の代わりに、検出信号の時間波形をAD変換して、パソコン等によりデジタル的に同相成分と90°位相成分を解析することで、実数成分信号と虚数成分信号とを生成することもできる。
実数成分信号と虚数成分信号は解析器に入力している。解析器では、実数成分信号を実数成分、虚数成分信号を虚数成分とする磁場ベクトルとして扱っている。さらに、解析器では、いずれかの周波数での磁場ベクトルを基準ベクトルとして、この基準ベクトルとの差ベクトルデータを生成することとしている。
ここで、減肉サンプル体として、板厚4mmの鋼板であって、この鋼板の裏面を幅60mmで、深さを0.5mm、1mm、2mm、3mmとそれぞれ研削することで減肉した試験体を用いた。これらの各試験体に対して、1つの磁気プローブを用いて、印加磁場の周波数を1Hzから100Hzの間で走査して得られた差ベクトルの結果を図4に示す。ここで、基準ベクトルは、1Hzの場合の磁場ベクトルとしている。また、磁気プローブの引加コイルの中心軸は、試験体の表面と直交させている。
図4は、各周波数における磁場ベクトルを実軸と虚軸の2次元平面に描いた磁気スペクトルとなっている。図4に示すように、試験体の板厚の変化に応じて磁気スペクトルの大きさが変化しており、試験体の板厚が薄い、つまり腐食による減肉が大きいほど信号が減衰していることが分かる。
なお、印加磁場の周波数を1Hzから100Hzの間で走査して測定を行う場合には、測定時間が比較的長時間となる。そこで、印加磁場の周波数を1Hzとした場合を基準として、例えば印加磁場の周波数を20Hzとした場合の信号強度の変化量を比較した結果を図5に示す。図5に示すように、この場合でも、図4と同様に、試験体の板厚による信号変化を抽出することができた。しかも、2つの周波数でも板厚変化を測定することができており、より短い時間で測定することができることを示している。
ここで、磁気プローブの引加コイルの中心軸は、試験体の表面と直交させているが、上述したように、本発明の非破壊検査装置では、磁気プローブの引加コイルの中心軸は、被検体の外表面と所定の角度を有することとなっている。
そこで、2mmの研削を行った試験体を用いて、この試験体の表面と、磁気プローブの引加コイルの中心軸とが30度で交差する場合と、45度で交差する場合として計測を行った。ここで、印加磁場の周波数を1Hzとした場合を基準として、印加磁場の周波数を20Hzとした場合の信号強度の変化量を計測した。さらに、磁気プローブの試験体からの距離を0mm、10mm、20mm、30mm、40mmとして距離依存性を確認した。結果を図6に示す。
図6に示すように、磁気プローブが試験体から離れるにつれて信号強度変化量が変化していることから、磁気プローブから減肉箇所までの距離情報が得られることがわかる。また、磁気プローブの引加コイルの中心軸と被検体とのなす角で違いがあることが確認できた。
上述した試験は、2mmの研削を行った試験体を用いた場合であるが、他の試験体についても同様に試験した結果を図7に示す。すなわち、各試験体の表面と、磁気プローブの引加コイルの中心軸とが30度で交差する場合と、45度で交差する場合としている。また、印加磁場の周波数を1Hzとした場合を基準として、印加磁場の周波数を20Hzとした場合の信号強度の変化量を計測している。さらに、磁気プローブの試験体からの距離を0mm、10mm、20mm、30mm、40mmとしている。
図7において、ある被検体に対して被検体の外表面と、磁気プローブの引加コイルの中心軸との交差角度を45度とし、印加磁場の周波数を1Hzとした場合を基準として、印加磁場の周波数を20Hzとした場合の信号強度の変化量が約1.3×105μV(図7のラインA)であったとする。なお、被検体Tと試験体とは同一材質である。
この場合には、磁気プローブから減肉箇所までの距離と、減肉量との関係として、以下の3つのケースが考えられることになる。
1)距離30mmで、減肉量3mm(図7のラインAで右端の矢印)
2)距離12mmで、減肉量2mm(図7のラインAで真ん中の矢印)
3)距離8mmで、減肉量1mm(図7のラインAで左端の矢印)
ここで、被検体に対して被検体の外表面と、磁気プローブの引加コイルの中心軸との交差角度を30度とし、印加磁場の周波数を1Hzとした場合を基準として、印加磁場の周波数を20Hzとした場合の信号強度の変化量が約5.2×104μV(図7のラインB)であった場合には、磁気プローブから減肉箇所までの距離と、減肉量との関係として、以下の3つのケースが考えられることになる。
1)距離33mmで、減肉量3mm(図7のラインBで右端の矢印)
2)距離12mmで、減肉量2mm(図7のラインBで真ん中の矢印)
3)距離5mmで、減肉量1mm(図7のラインBで左端の矢印)
この2つのデータから、減肉箇所は、磁気プローブから距離12mmで、減肉量2mmであると判定できることになる。
本発明の非破壊検査装置では、このことを利用しており、例えば、磁気プローブの引加コイルの中心軸とが30度で交差する場合を第1モード、磁気プローブの引加コイルの中心軸とが45度で交差する場合を第2モードとしてそれぞれ計測を行うことで、被検体に生じている減肉箇所までの距離と減肉量を判定することが可能となっている。
特に、図2に示すように、第1モード用の第1磁気プローブ11と、第2モード用の第2磁気プローブ12を設けて検査を行うことで、より短時間で検査を実行することができる。なお、第1磁気プローブ11と第2磁気プローブ12との精度差が気になる場合には、1つの磁気プローブとプローブ位置の調整機構とで、磁気プローブの位置を第1モードと第2モードで異ならせながら計測を行ってもよい。
また、第1モードと第2モードで引加コイルの中心軸の方向を異ならせることで印加コイルの位置を異ならせる場合だけでなく、図3に示すように、印加コイルの位置そのものを異ならせても同様に、被検体に生じている減肉箇所までの距離と減肉量を判定することができる。
図8は、図7のグラフと同様に、各試験体の表面と、磁気プローブの引加コイルの中心軸とが45度で交差する場合として、印加磁場の周波数を1Hzとした場合を基準として、印加磁場の周波数を20Hzとした場合の信号強度の変化量を計測し、さらに、磁気プローブの試験体からの距離を0mm、10mm、20mm、30mm、40mmとして計測した結果のグラフである。
ある被検体に対して被検体の外表面と、磁気プローブの引加コイルの中心軸との交差角度を45度とし、印加磁場の周波数を1Hzとした場合を基準として、印加磁場の周波数を20Hzとした場合の信号強度の変化量が約1.2×105μV(図8のラインC)であったとする。
この場合には、磁気プローブから減肉箇所までの距離と、減肉量との関係として、以下の2つのケースが考えられることになる。
1)距離22mmで、減肉量3mm(図8のラインCで右側の矢印)
2)距離5mmで、減肉量2mm(図8のラインCで左側の矢印)
ここで、磁気プローブの位置を地面Sの位置から離隔させた位置、例えば、磁気プローブの位置を約20mmだけ上方に移動させて、印加磁場の周波数を1Hzとした場合を基準として、印加磁場の周波数を20Hzとした場合の信号強度の変化量を計測した値が約1.42×105μV(図8のラインD)であったとする。
ここで、上記のケース1)では、距離22mmに磁気プローブの移動量の約20mmを加えた距離約42mmで、ラインDで交差するデータがないの対して、上記ケース2)では、距離約5mmに磁気プローブの移動量の約20mmを加えた距離約25mm近傍で、ラインDが減肉量2mmのデータと交差していることから、減肉箇所は、ケース2)であると判定できることになる。
図3に示す非破壊検査装置では、このことを利用しており、例えば、磁気プローブの引加コイルを地面Sに最近接させた場合を第1モード、この第1モードにおける磁気プローブの位置よりも上方に移動させた位置とする場合を第2モードとしてそれぞれ計測を行うことで、被検体に生じている減肉箇所までの距離と減肉量を判定することが可能となっている。
特に、図3に示すように、第1モード用の第1磁気プローブ11'と、第2モード用の第2磁気プローブ12'を設けて検査を行うことで、より短時間で検査を実行することができる。なお、第1磁気プローブ11'と第2磁気プローブ12'との精度差が気になる場合には、1つの磁気プローブとプローブ位置の調整機構とで、磁気プローブの位置を第1モードと第2モードで異ならせながら計測を行ってもよい。
以上のように、本発明の非破壊検査装置では、磁気プローブの角度を変えて、それぞれの角度における2つ以上の周波数で得られた磁気センサの出力を検波あるいは解析して得られたそれぞれの磁気成分の強度と位相を用いて解析することによって、腐食によって減肉が生じている箇所の減肉量と深さ位置を判定できる。あるいは、測定対象箇所からの磁気プローブの距離を変えて、2つ以上の周波数で得られた磁気センサの出力を検波あるいは解析して得られたそれぞれの磁気成分の強度と位相を用いて解析することによって、腐食によって減肉が生じている箇所の減肉量と深さ位置を判定できる。
なお、被検体となる鉄鋼には様々な種類がありこれらの材料に各腐食の減肉量と深さの位置をあらかじめデータベース化して、角度あるいは距離による磁気信号の変化の校正曲線をあらかじめ準備しておくことで、腐食による減肉量と派生している深さ位置をより正確に判定することができる。
本発明は上記の実施形態に限定されるものではなく、本発明の技術的思想を逸脱しない範囲における種々の変形例・設計変更などをその技術的範囲内に包含することは云うまでもない。例えば、本実施例では鋼材を例に示したが、非磁性であるステンレス、銅、アルミ、チタンなど金属であればすべて適用することができる。また、対象として地中に埋まっているものでなく、壁や保護材などに隠れた部分でも適用することができる。
本発明は、金属性の構造物の地際などの隠れた部分の腐食などの欠陥検出に広く用いることができるので、従来困難であった橋梁等の鉛直材、斜材や照明塔の支柱などの社会インフラ分野だけでなく、化学プラントの配管、貯蔵タンクなど工業分野での応用もできる。
10 プローブホルダ
11,11' 磁気プローブ
11a,11a' 引加コイル
11b,11b' 磁気センサ
11c,11c' キャンセルコイル
12,12' 磁気プローブ
12a,12a' 引加コイル
12b,12b' 磁気センサ
12c,12c' キャンセルコイル
19 走行機構
21 電流源
22 周波数発信器
30 検波器
31 磁気センサ計測回路
32 ロックイン検波器
40 解析器
41 表示装置
T 被検体
S 地面
R 周回レール
【0002】
被検体の鋼板などの磁性体の透磁率や着磁による磁気ノイズの影響を受けずに、厚い鋼板でも計測可能とする方法である(非特許文献2)。しかし、これらの方法では、プローブ直下の鉄鋼材の肉厚を測定することはできるが、地面やコンクリートに隠された地際の箇所の検査はできなかった。
[0004]
地際の地面やコンクリートの中にある腐食を検査する方法はいくつか開発されてきており、例えば、超音波を地表部分の鋼管から印加して地下部分にまで伝搬させてコンクリート表面の部分から検出するものなどがある(特許文献2)。また、超音波を発生させる方法として、先に述べた高周波コイルと電磁石で構成された超音波発生器により地際上部で鋼材に電磁超音波を印加して、地面に埋もれた鋼管部分を通って反射してきた音波を受信することで、その途中部分に生じている腐食を検出する方法がある(非特許文献3)。あるいは、電磁的な方法として、磁力線が従来のコイルよりも広がる渦電流探傷センサを用い、この渦電流探傷センサを鋼管表面に垂直にあてて、地際部分から離れる方向に走査することで生じる減衰信号から腐食の深さを推定する方法がある(特許文献3)。あるいは、鋼管と地面の間に磁性体コアを設けて、この磁性体コアで渦電流計測を行うことで、地中に埋まった部分の鋼管の腐食を計測する方法がある(特許文献4)。
先行技術文献
特許文献
[0005]
特許文献1:特許第3924626号公報
特許文献2:特許第5900695号公報
特許文献3:特開2014−194382号公報
特許文献4:特開2017−096678号公報
非特許文献
[0006]
非特許文献1:山本敏弘、溶接・非破壊検査技術センター 技術レビュー、pp10−19(2016)
非特許文献2:Keiji Tsukada、Yuta Haga、Koji Morita、et al.、Detection of Inner Corrosion of Steel Construction Using Magnetic Resistan
【0003】
ce Sensor and Magnetic Spectroscopy Analysis、IEEE Transactions on Magnetics、vol.52、6201504(2016)
非特許文献3:本間一茂、街路灯地中埋設物部の腐食検査装置、IIC REVIEW、No.33、pp36−43(2005)
発明の概要
発明が解決しようとする課題
[0007]
しかしながら、電磁超音波を利用した方法では、探傷子部分の直下が腐食していた場合や、塗装が錆とともに膨れている場合には接触が悪くなるため信号が得られないという不具合が生じやすいことが知られている。このため、電磁超音波を利用した方法では、測定部分の表面の腐食部分や膨れた塗装部分などを、あらかじめきれいにしておく前処理作業が必要であった。また、渦電流法を用いた方法では、地際から深いところは計測できないという問題があった。さらに、渦電流法を用いた方法では、地面を介在した渦電流では地面の水分量や密度などの影響を受けることで十分な制度が得られないという問題もあった。
課題を解決するための手段
[0008]
本発明は、上記課題を解決するために提案されたものであって、基端側を地中に埋設することで地面に立設した被検体に磁場を印加する印加コイルと、この印加コイルで印加された磁場に対する被検体からの応答を検出する磁気センサとを備えた磁気プローブと、印加コイルに所定周波数の交流電流を供給する電流源と、磁気センサからの出力信号を検波する検波器と、検波器の出力信号を用いて解析を行う解析器とを有する非破壊検査装置である。
[0009]
特に、本発明の非破壊検査装置では、被検体の地際に向けて印加コイルで生成した磁場を印加する第1モードと、この第1モードの印加コイルの位置とは異なる位置とした印加コイルで被検体に磁場を印加する第2モードとで被検体からの応答を検出し、前記第1モード及び前記第2モードで印加する磁場の周波数を、基準となる所定の周波数と、当該基準となる周波数とは異なる周波数との2つの周波数としたものである。
[0010]
さらに、本発明の非破壊検査装置では、第1モードの磁場を印加する第1の磁気プローブと、第2モードの磁場を印加する第2の磁気プローブとを有
【0004】
していることにも特徴を有するものである。
発明の効果
[0011]
本発明では、磁気プローブの印加コイルで生成した磁場を被検体の地際に向けて印加することで、被検体の周囲の地面やコンクリート下の部分にも磁場を広げて照射することでき、地面やコンクリートの下となることでそのままでは見えない埋設部分の被検体の板厚の変化を計測することができる。特に、磁場の印加方向あるいは印加目標の異なる第1モードと第2モードで計測を行うことで、板厚が変化している位置を特定することができる。
図面の簡単な説明
[0012]
[図1]本発明に係る非破壊検査装置の構成概略図である。
[図2]本発明に係る非破壊検査装置の要部の構成図である。
[図3]本発明に係る非破壊検査装置の要部の変容例の構成図である。
[図4]1つの磁気プローブによる減肉試験体の計測試験によって得られた磁気スペクトルの腐食深さ依存性を示したグラフである。
[図5]1Hzの印加磁場で得られた磁気ベクトルを基準ベクトルとして20Hzの印加磁場で得られた磁気ベクトルの差ベクトルを用い、磁気信号強度の腐食深さ依存性を示したグラフである。
[図6]試験体の表面と磁気プローブの印加コイルの中心軸との交差角度を30度とした場合と、45度とした場合であって、磁気信号強度の距離依存性を示したグラフである。
[図7]試験体の表面と磁気プローブの印加コイルの中心軸との交差角度を30度とした場合と、45度とした場合であって、磁気信号強度の距離依存性を示したグラフである。
[図8]試験体の表面と磁気プローブの印加コイルの中心軸との交差角度を45度とした場合であって、磁気信号強度の距離依存性を示したグラフである。
発明を実施するための形態
[0013]
本発明の非破壊検査装置は、図1に示すように、基端側を地中に埋設することで地面に立設した被検体Tの地際部分における減肉を検出する非破壊検
【0005】
査装置である。図1中、符号Sは地面である。
[0014]
非破壊検査装置は、印加コイルと磁気センサとを備えた磁気プローブ(図2参照)と、磁気プローブの印加コイルに所定周波数の交流電流を供給する電流源21と、磁気プローブの磁気センサからの出力信号を検波する検波器30と、検波器30の出力信号を用いて解析を行う解析器40とで構成している。図1中、符号41は解析器40に接続した表示装置である。本実施形態では、図2に示すように、磁気プローブ11,12は、箱状のプローブホルダ10内に取り付けている。
[0015]
プローブホルダ10は、被検体Tの周囲を周回可能としている。本実施形態では、図1に示すように、被検体Tには、地面Sから所定の高さに周回レールRを着脱自在に装着し、この周回レールRを走行する走行機構19をプローブホルダ10の上部に設けて、周回レールRに沿ってプローブホルダ10を移動可能としている。
[0016]
走行機構19は、本実施形態では、プローブホルダ10の上部に突出させた支持フレーム19aと、支持フレーム19aから水平方向に突出させた駆動軸19b(図2参照)と、この駆動軸19bに装着して回転駆動する駆動輪19cと、周回レールRを挟んで駆動輪19cと対向させて配置した補助輪19dと、駆動軸19bを回転駆動させる駆動モータ19eとで構成している。
[0017]
走行機構19では、駆動輪19cと補助輪19dとで周回レールRを挟持して、駆動輪19cを回転させることで周回レールRに沿って磁気プローブ10を移動可能としている。周回レールRには、所定位置に原点マークをも設けておいて、走行機構19が周回レールRに沿って一回転したことを検出可能としてもよい。図1では省略しているが、解析器40から走行機構19に制御信号を入力することとしており、解析器40による制御によって走行機構19の走行制御を行っている。
[0018]
電流源21は、周波数発信器22から入力された周波数信号に基づいて所定周波数の交流電流としてプローブホルダ10内の各磁気プローブ11,12に入力している。
【0006】
[0019]
検波器30は、本実施形態では、磁気プローブ11,12の磁気センサから出力された信号が入力される磁気センサ計測回路31と、この磁気センサ計測回路31から出力された信号に対して、周波数発信器22から出力されている周波数信号に基づいて検波するロックイン検波器32とで構成している。
[0020]
ロックイン検波器32から出力された信号は、解析器40に入力して、後述する解析を実行している。
[0021]
後述するように、プローブホルダ10内に2つの磁気プローブ11,12を設ける場合には、電流源21、周波数発信器22、磁気センサ計測回路31及びロックイン検波器32を適宜の切替スイッチを介して磁気プローブ11,12にそれぞれ接続してもよい。あるいは、磁気プローブ11,12ごとに電流源21、周波数発信器22、磁気センサ計測回路31及びロックイン検波器32を設けてもよい。
[0022]
本実施形態では、図2に示すように、プローブホルダ10内には、第1磁気プローブ11と第2磁気プローブ12を取り付けている。
[0023]
第1磁気プローブ11及び第2磁気プローブ12は、それぞれ印加コイル11a,12aと、磁気センサ11b,12bとを内蔵している。印加コイル11a,12aは、それぞれ所定の配線を介して電流源21と接続しているが、配線は省略している。また、磁気センサ11b,12bもそれぞれ所定の配線を介して磁気センサ計測回路31と接続しているが、配線は省略している。
[0024]
印加コイル11a,12aは、それぞれ第1磁気プローブ11及び第2磁気プローブ12の先端側に設けている。印加コイル11a,12aは、交流磁場を生じさせることで、被検体Tに渦電流を生じさせることとしている。
[0025]
印加コイル11a,12aの中心位置には磁気センサ11b,12bを設けている。この磁気センサ11b,12bは、被検体Tに生じた渦電流によって生じる磁場を検出している。
[0026]
磁気センサ11b,12bは、本実施形態では磁気抵抗素子を用いているが、磁気抵抗素子の代わりとしてトンネル型抵抗素子(TMR)、磁気インピーダンス素子(MI)、超伝導量子干渉素子(SQUID)などの低周波から感度がある適宜のセンサを用いることができる。
【0007】
[0027]
さらに、印加コイル11a,12aの内側には、キャンセルコイル11c,12cを同軸状に設けている。特に、キャンセルコイル11c,12cの中心位置に磁気センサ11b,12bを配置することが望ましい。キャンセルコイル11c,12cでは、印加コイル11a,12aによって生じた磁場であって、印加コイル11a,12a内の磁気センサ11b,12bに作用する磁場をキャンセルする磁場を生じさせることで、磁気センサ11b,12bへの印加コイル11a,12aの影響を軽減することとしている。なお、磁気センサ11b,12bの配置は、印加コイル11a,12aによって生じさせた交流磁場によって被検体Tに誘導された磁場を検出できれば、どこに配置してもよい。
[0028]
本実施形態では、第1磁気プローブ11は、印加コイル11aの中心軸を被検体Tの地際近傍に向けて、印加コイル11aで生成した磁場を印加することとしている。すなわち、印加コイル11aの中心軸と被検体Tの外側面とが所定の角度αで交差することとなっている。ここで、説明の便宜上、印加コイル11aの中心軸と、被検体Tの外側面との交点をPとする。被検体Tに生じる減肉は、地際部分よりも若干下側に生じることが多いため、図2に示すように、交点Pは地面Sよりも下側、すなわち地中側とすることが望ましい。
[0029]
また、本実施形態では、印加コイル11aの中心軸と被検体Tの外側面とのなす角度αを約30度としているが、磁気プローブの形状や被検体Tの鋼材の形状に合わせて、角度は任意とすることができる。また、角度調整機構を設けて、印加コイル11aの中心軸の向きを調整可能としてもよい。
[0030]
第2磁気プローブ12は、図2に示すように、印加コイル12aの中心軸と被検体Tの外側面とが角度αより大きい角度βを有するように印加コイル12aの中心軸を調整している。すなわち、第2磁気プローブ12は、第1磁気プローブ11の印加コイル11aによる磁場の印加方向と異なる方向に向けて、印加コイル12aで被検体Tに磁場を印加している。ここで、図2では、第2磁気プローブ12の中心軸も点Pで被検体Tの外側面と交差するように描いているが、できる限り同一点Pで交差する状態とすることが望ましい。また、この場合におて、第1磁気プローブ11の印加コイル11aから被検体Tまでの距離と、第2磁気
【0008】
プローブ12の印加コイル12aから被検体Tまでの距離が異なっていてもよい。
[0031]
図2では、第1磁気プローブ11と第2磁気プローブ12の2つの磁気プローブを用いているが、1つの磁気プローブで、位置調整機構を設けて、第1磁気プローブ11の位置と、第2磁気プローブ12の位置とにそれぞれ磁気プローブを移動させてもよい。
[0032]
他の実施形態として、図3のように、プローブホルダ10’内で、第1磁気プローブ11’と第2磁気プローブ12’とをそれぞれ上下に配設してもよい。
[0033]
本実施形態でも、第1磁気プローブ11’は、印加コイル11a’の中心軸を被検体Tの地際近傍に向けて、印加コイル11a’で生成した磁場を印加することとしている。すなわち、印加コイル11a’の中心軸と、被検体Tの外側面とが所定の角度α’を有することとなっている。ここで、説明の便宜上、印加コイル11a’の中心軸と、被検体Tの外側面との交点をP’とする。図3中、符号11b’は第1磁気プローブ11’の磁気センサ、符号11c’は第1磁気プローブ11’のキャンセルコイルである。
[0034]
第2磁気プローブ12’は、図3に示すように、印加コイル12a’の中心軸が、被検体Tの外側面と所定の角度α’で交差する状態で、地面Sから所定の高さとしている。この場合、印加コイル12a’の中心軸が被検体Tの外側面と交差する交点P”は、被検体Tの地際から離れていいるが、計測において問題となることはない。図3中、符号12b’は第2磁気プローブ12’の磁気センサ、符号12c’は第2磁気プローブ12’のキャンセルコイルである。なお、第1磁気プローブ11’と第2磁気プローブ12’とで、それぞれの印加コイル11a’,12a’の中心軸と被検体Tの外側面と交差角度は必ずしも同一である必要はなく、可能であれば同一とすることが望ましい。
[0035]
図3では、第1磁気プローブ11’と第2磁気プローブ12’の2つの磁気プローブを用いているが、1つの磁気プローブで、昇降機構を設けて、第1磁気プローブ11’の位置と、第2磁気プローブ12’の位置とにそれぞれ磁気プローブを昇降移動させてもよい。
[0036]
以下において、本発明の非破壊検査装置を用いた検査方法について説明す
【0009】
る。
[0037]
本発明の非破壊検査装置では、磁気プローブの印加コイルから交流磁場を被検体Tに印加することで被検体Tに渦電流を発生させている。なお、印加する交流磁場は、2つ以上の交流周波数が合成された交流磁場や、あるいは時間で周波数を切り替えた交流磁場等、検査に合わせて適宜の交流磁場を生成可能としている。
[0038]
印加された交流磁場に基づいて被検体Tには渦電流が生じる。この渦電流が生成する磁場を磁気センサで検出し、磁気センサ計測回路から検出信号として出力している。
[0039]
磁気センサ計測回路から出力された検出信号はロックイン検波器に入力し、ロックイン検波器では、周波数発信器から入力された周波数情報の信号に基づいて、印加コイルによる印加磁場の周波数と同じ周波数であって、同位相となっている検出信号の実数成分信号と、90°位相がずれた虚数成分信号を検波して出力している。なお、ロックイン検波器の代わりに、検出信号の時間波形をAD変換して、パソコン等によりデジタル的に同相成分と90°位相成分を解析することで、実数成分信号と虚数成分信号とを生成することもできる。
[0040]
実数成分信号と虚数成分信号は解析器に入力している。解析器では、実数成分信号を実数成分、虚数成分信号を虚数成分とする磁場ベクトルとして扱っている。さらに、解析器では、いずれかの周波数での磁場ベクトルを基準ベクトルとして、この基準ベクトルとの差ベクトルデータを生成することとしている。
[0041]
ここで、減肉サンプル体として、板厚4mmの鋼板であって、この鋼板の裏面を幅60mmで、深さを0.5mm、1mm、2mm、3mmとそれぞれ研削することで減肉した試験体を用いた。これらの各試験体に対して、1つの磁気プローブを用いて、印加磁場の周波数を1Hzから100Hzの間で走査して得られた差ベクトルの結果を図4に示す。ここで、基準ベクトルは、1Hzの場合の磁場ベクトルとしている。また、磁気プローブの印加コイルの中心軸は、
【0010】
試験体の表面と直交させている。
[0042]
図4は、各周波数における磁場ベクトルを実軸と虚軸の2次元平面に描いた磁気スペクトルとなっている。図4に示すように、試験体の板厚の変化に応じて磁気スペクトルの大きさが変化しており、試験体の板厚が薄い、つまり腐食による減肉が大きいほど信号が減衰していることが分かる。
[0043]
なお、印加磁場の周波数を1Hzから100Hzの間で走査して測定を行う場合には、測定時間が比較的長時間となる。そこで、印加磁場の周波数を1Hzとした場合を基準として、例えば印加磁場の周波数を20Hzとした場合の信号強度の変化量を比較した結果を図5に示す。図5に示すように、この場合でも、図4と同様に、試験体の板厚による信号変化を抽出することができた。しかも、2つの周波数でも板厚変化を測定することができており、より短い時間で測定することができることを示している。
[0044]
ここで、磁気プローブの印加コイルの中心軸は、試験体の表面と直交させているが、上述したように、本発明の非破壊検査装置では、磁気プローブの印加コイルの中心軸は、被検体の外表面と所定の角度を有することとなっている。
[0045]
そこで、2mmの研削を行った試験体を用いて、この試験体の表面と、磁気プローブの印加コイルの中心軸とが30度で交差する場合と、45度で交差する場合として計測を行った。ここで、印加磁場の周波数を1Hzとした場合を基準として、印加磁場の周波数を20Hzとした場合の信号強度の変化量を計測した。さらに、磁気プローブの試験体からの距離を0mm、10mm、20mm、30mm、40mmとして距離依存性を確認した。結果を図6に示す。
[0046]
図6に示すように、磁気プローブが試験体から離れるにつれて信号強度変化量が変化していることから、磁気プローブから減肉箇所までの距離情報が得られることがわかる。また、磁気プローブの印加コイルの中心軸と被検体とのなす角で違いがあることが確認できた。
[0047]
上述した試験は、2mmの研削を行った試験体を用いた場合であるが、他の試験体についても同様に試験した結果を図7に示す。すなわち、各試験体
【0011】
の表面と、磁気プローブの印加コイルの中心軸とが30度で交差する場合と、45度で交差する場合としている。また、印加磁場の周波数を1Hzとした場合を基準として、印加磁場の周波数を20Hzとした場合の信号強度の変化量を計測している。さらに、磁気プローブの試験体からの距離を0mm、10mm、20mm、30mm、40mmとしている。
[0048]
図7において、ある被検体に対して被検体の外表面と、磁気プローブの印加コイルの中心軸との交差角度を45度とし、印加磁場の周波数を1Hzとした場合を基準として、印加磁場の周波数を20Hzとした場合の信号強度の変化量が約1.3×10μV(図7のラインA)であったとする。なお、被検体Tと試験体とは同一材質である。
[0049]
この場合には、磁気プローブから減肉箇所までの距離と、減肉量との関係として、以下の3つのケースが考えられることになる。
1)距離30mmで、減肉量3mm(図7のラインAで右端の矢印)
2)距離12mmで、減肉量2mm(図7のラインAで真ん中の矢印)
3)距離8mmで、減肉量1mm(図7のラインAで左端の矢印)
[0050]
ここで、被検体に対して被検体の外表面と、磁気プローブの印加コイルの中心軸との交差角度を30度とし、印加磁場の周波数を1Hzとした場合を基準として、印加磁場の周波数を20Hzとした場合の信号強度の変化量が約5.2×10μV(図7のラインB)であった場合には、磁気プローブから減肉箇所までの距離と、減肉量との関係として、以下の3つのケースが考えられることになる。
1)距離33mmで、減肉量3mm(図7のラインBで右端の矢印)
2)距離12mmで、減肉量2mm(図7のラインBで真ん中の矢印)
3)距離5mmで、減肉量1mm(図7のラインBで左端の矢印)
[0051]
この2つのデータから、減肉箇所は、磁気プローブから距離12mmで、減肉量2mmであると判定できることになる。
[0052]
本発明の非破壊検査装置では、このことを利用しており、例えば、磁気プローブの印加コイルの中心軸とが30度で交差する場合を第1モード、磁気プ
【0012】
ローブの印加コイルの中心軸とが45度で交差する場合を第2モードとしてそれぞれ計測を行うことで、被検体に生じている減肉箇所までの距離と減肉量を判定することが可能となっている。
[0053]
特に、図2に示すように、第1モード用の第1磁気プローブ11と、第2モード用の第2磁気プローブ12を設けて検査を行うことで、より短時間で検査を実行することができる。なお、第1磁気プローブ11と第2磁気プローブ12との精度差が気になる場合には、1つの磁気プローブとプローブ位置の調整機構とで、磁気プローブの位置を第1モードと第2モードで異ならせながら計測を行ってもよい。
[0054]
また、第1モードと第2モードで印加コイルの中心軸の方向を異ならせることで印加コイルの位置を異ならせる場合だけでなく、図3に示すように、印加コイルの位置そのものを異ならせても同様に、被検体に生じている減肉箇所までの距離と減肉量を判定することができる。
[0055]
図8は、図7のグラフと同様に、各試験体の表面と、磁気プローブの印加コイルの中心軸とが45度で交差する場合として、印加磁場の周波数を1Hzとした場合を基準として、印加磁場の周波数を20Hzとした場合の信号強度の変化量を計測し、さらに、磁気プローブの試験体からの距離を0mm、10mm、20mm、30mm、40mmとして計測した結果のグラフである。
[0056]
ある被検体に対して被検体の外表面と、磁気プローブの印加コイルの中心軸との交差角度を45度とし、印加磁場の周波数を1Hzとした場合を基準として、印加磁場の周波数を20Hzとした場合の信号強度の変化量が約1.2×10μV(図8のラインC)であったとする。
[0057]
この場合には、磁気プローブから減肉箇所までの距離と、減肉量との関係として、以下の2つのケースが考えられることになる。
1)距離22mmで、減肉量3mm(図8のラインCで右側の矢印)
2)距離5mmで、減肉量2mm(図8のラインCで左側の矢印)
[0058]
ここで、磁気プローブの位置を地面Sの位置から離隔させた位置、例えば、磁気プローブの位置を約20mmだけ上方に移動させて、印加磁場の周波数
【0013】
を1Hzとした場合を基準として、印加磁場の周波数を20Hzとした場合の信号強度の変化量を計測した値が約1.42×10μV(図8のラインD)であったとする。
[0059]
ここで、上記のケース1)では、距離22mmに磁気プローブの移動量の約20mmを加えた距離約42mmで、ラインDで交差するデータがないの対して、上記ケース2)では、距離約5mmに磁気プローブの移動量の約20mmを加えた距離約25mm近傍で、ラインDが減肉量2mmのデータと交差していることから、減肉箇所は、ケース2)であると判定できることになる。
[0060]
図3に示す非破壊検査装置では、このことを利用しており、例えば、磁気プローブの印加コイルを地面Sに最近接させた場合を第1モード、この第1モードにおける磁気プローブの位置よりも上方に移動させた位置とする場合を第2モードとしてそれぞれ計測を行うことで、被検体に生じている減肉箇所までの距離と減肉量を判定することが可能となっている。
[0061]
特に、図3に示すように、第1モード用の第1磁気プローブ11’と、第2モード用の第2磁気プローブ12’を設けて検査を行うことで、より短時間で検査を実行することができる。なお、第1磁気プローブ11’と第2磁気プローブ12’との精度差が気になる場合には、1つの磁気プローブとプローブ位置の調整機構とで、磁気プローブの位置を第1モードと第2モードで異ならせながら計測を行ってもよい。
[0062]
以上のように、本発明の非破壊検査装置では、磁気プローブの角度を変えて、それぞれの角度における2つ以上の周波数で得られた磁気センサの出力を検波あるいは解析して得られたそれぞれの磁気成分の強度と位相を用いて解析することによって、腐食によって減肉が生じている箇所の減肉量と深さ位置を判定できる。あるいは、測定対象箇所からの磁気プローブの距離を変えて、2つ以上の周波数で得られた磁気センサの出力を検波あるいは解析して得られたそれぞれの磁気成分の強度と位相を用いて解析することによって、腐食によって減肉が生じている箇所の減肉量と深さ位置を判定できる。
[0063]
なお、被検体となる鉄鋼には様々な種類がありこれらの材料に各腐食の減
【0014】
肉量と深さの位置をあらかじめデータベース化して、角度あるいは距離による磁気信号の変化の校正曲線をあらかじめ準備しておくことで、腐食による減肉量と派生している深さ位置をより正確に判定することができる。
[0064]
本発明は上記の実施形態に限定されるものではなく、本発明の技術的思想を逸脱しない範囲における種々の変形例・設計変更などをその技術的範囲内に包含することは云うまでもない。例えば、本実施例では鋼材を例に示したが、非磁性であるステンレス、銅、アルミ、チタンなど金属であればすべて適用することができる。また、対象として地中に埋まっているものでなく、壁や保護材などに隠れた部分でも適用することができる。
産業上の利用可能性
[0065]
本発明は、金属性の構造物の地際などの隠れた部分の腐食などの欠陥検出に広く用いることができるので、従来困難であった橋梁等の鉛直材、斜材や照明塔の支柱などの社会インフラ分野だけでなく、化学プラントの配管、貯蔵タンクなど工業分野での応用もできる。
符号の説明
[0066]
10 プローブホルダ
11,11’ 磁気プローブ
11a,11a’ 印加コイル
11b,11b’ 磁気センサ
11c,11c’ キャンセルコイル
12,12’ 磁気プローブ
12a,12a’ 印加コイル
12b,12b’ 磁気センサ
12c,12c’ キャンセルコイル
19 走行機構
21 電流源
22 周波数発信器
30 検波器

Claims (4)

  1. 基端側を地中に埋設することで地面に立設した被検体に磁場を引加する印加コイルと、この印加コイルで引加された磁場に対する前記被検体からの応答を検出する磁気センサとを備えた磁気プローブと、
    前記引加コイルに所定周波数の交流電流を供給する電流源と、
    前記磁気センサからの出力信号を検波する検波器と、
    この検波器の出力信号を用いて解析を行う解析器と
    を有する非破壊検査装置において、
    前記被検体の地際に向けて前記印加コイルで生成した磁場を引加する第1モードと、
    この第1モードの前記印加コイルの位置とは異なる位置とした印加コイルで前記被検体に磁場を引加する第2モードと
    で前記被検体からの応答を検出する非破壊検査装置。
  2. 前記第2のモードの前記引加コイルの中心軸の方向を、前記第1モードの前記印加コイルの中心軸方向と異ならせている請求項1に記載の非破壊検査装置。
  3. 前記第2のモードの前記引加コイルの前記地面からの高さを、前記第1モードの前記印加コイルの前記地面からの高さと異ならせている請求項1に記載の非破壊検査装置。
  4. 前記第1モードの磁場を引加する第1の磁気プローブと、
    前記第2モードの磁場を引加する第2の磁気プローブと
    を有する請求項1〜3のいずれか1項に記載の非破壊検査装置。
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