JP4491997B2 - ピンミラーカッタ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、レシプロエンジンに用いられるクランクシャフト等を加工するピンミラーカッタに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、レシプロエンジンのクランクシャフトを加工する工具として、例えば図7に示すようなピンミラーカッタが知られる。
図7は、従来のピンミラーカッタの構成を説明する平面図(片側半分は図示を省略)である。なお、カッタ本体51の内周部に配設される切刃の図示を省略して示している。また、図8は、図7のF−F線の断面図を示している。
このピンミラーカッタを構成する円環状のカッタ本体51は、このカッタ本体51の内周部に、この内周面から突出させた状態で固定された複数の切刃(図1参照)を備える。
また、このカッタ本体51は、後述する加工機に取り付けるためのアダプタ52に嵌め込まれ、この構成にてピンミラーカッタが形成される。
【0003】
図9に示すように、カッタ本体51は、加工機50に先に取り付けられたアダプタ52にその軸線を主軸(図示せず)と一致させて取り付けられる。
加工機50に設けられたチャック55,56には、ピンミラーカッタの内空部を貫通して固定される被加工物であるクランクシャフト(図示せず)が架け渡される。
【0004】
アダプタ52に取り付けられたカッタ本体51は、主軸によって自身の軸線回りに一定方向(図7の矢印R方向)に自転すると共に、固定保持されたクランクシャフトに対して、公転しながら軸方向に適宜移動させられる。
これにより、クランクシャフトは、ピンミラーカッタの切刃によって所定の形状に加工されることになる。
【0005】
ところで、ピンミラーカッタを用いたクランクシャフトの加工方法では、カッタ本体51の軸線と、加工機50の主軸の回転軸線との同軸度が加工精度に大きく影響を及ぼす。また、カッタ本体51とアダプタ52との取り付けにおける剛性も大きく影響する。
【0006】
このため、ピンミラーカッタでは、図8に示すように、アダプタ52の内周部に主軸と同軸をなす環状の段付き部P(段付き形状)を形成すると共に、カッタ本体51の外周部にも環状の段付き部Q(段付き形状)を形成して、これらを互いに嵌合させることとしている。これら両段付き部P,Qの形状は、カッタ本体51及びアダプタ52の厚みtに対してほぼ半分の厚みt1,t2となる段付き面53,54を有する。
【0007】
さらに、図7においてアダプタ52の内周側の壁面には、中心側を向く4つのキー溝57aが形成され、さらに、これらと同一方向に向けられた4つのキー溝57bがカッタ本体51側にも形成される。これら各キー溝57a,57bには、キー材57が嵌合される。なお、図7においては、片側半分を省略しているため、それぞれ2つのみ図示している。
【0008】
これら各キー材57は、略直方体形状とされ、図7のピンミラーカッタの平面視において、アダプタ52側にその周方向に沿って90°間隔となるように十字の方向に配設される。
また、キー材57は、それぞれの幅方向中心線Gが径方向中心で交差するように、正確に位置決めされた状態で各キー溝57a,57bに嵌合され、ボルト57cにより固定される。
【0009】
カッタ本体51の外周部には、上述したキー材57と同一幅の断面長方形の切欠をなすキー溝57bがキー材57と同一配置で形成されており、これらキー材57に対してキー溝57aを嵌合させることにより、アダプタ52の両段付き部P,Q(図8参照)に対するカッタ本体51の径方向の移動を拘束して同軸度を高めている。
【0010】
そして、カッタ本体51をアダプタ52に装着するにあたっては、カッタ本体51の段付き部Pをアダプタ52の段付き部Qに嵌合すると共に、4つのキー溝57bをキー材57にそれぞれ嵌合させることで、カッタ本体51の軸線が、アダプタ52の軸線に一致するように装着される。
【0011】
さらに、カッタ本体51の外周部には略半月形凹部58b、及び、アダプタ52の内周部には略半月状凹部58aがそれぞれ形成され、これら略半月状凹部58a,58bが組み合わされて円形凹部58が形成される。この円形凹部58に略半月形状の切欠を有するクランパ59が回動可能に取り付けられ、これを回動させることで、カッタ本体51はアダプタ52に堅固に固定され、ピンミラーカッタの加工機50への取り付けが完了する。
【0012】
以上説明した従来のピンミラーカッタは、カッタ本体51の内周部に切刃を備えた、いわゆるインターナル型のピンミラーカッタであるが、カッタ本体の外周部に切刃を備え、アダプタの外周部にカッタ本体の内周部が装着される、いわゆるエクスターナル型のピンミラーカッタもある。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、ピンミラーカッタにおけるカッタ本体51とアダプタ52との取り付けが上述のような構造であると、かみ合わせにおける剛性の低下が招かれる。これは、段付き部P,Qにおけるカッタ本体51及びアダプタ52の厚さ寸法が制約されることによって起こるものである。つまり全体の厚さtに対して、段付き部の寸法はほぼ半分のt1,t2となり、この部分の剛性が低下することを意味する。特に、全体の厚さtが薄い場合にはこの傾向がさらに助長される。
【0014】
さらに、カッタ本体51の脱着・交換作業が長期にわたって繰り返し行われた場合には、キー溝57a,57b及びキー材57が摩耗・熱変形したりし、両者の間にガタつきを生じてしまうことがある。これは、キー材57のみで回転トルクを伝達するためである。
【0015】
係る場合には、カッタ本体51とアダプタ52の同軸度が低下して被加工物を高精度に加工できなくなるばかりか、アダプタ52からカッタ本体51へのトルク伝達力の低下も招かれる。
【0016】
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、カッタ本体とアダプタとの嵌合における剛性を高め、高精度な加工を行うことが可能なピンミラーカッタを提供することを目的とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記課題を解決するため、以下の手段を採用することとした。
請求項1に記載のピンミラーカッタは、円環状をなすと共に内周部に切刃が配列されたカッタ本体が、加工機の回転駆動するアダプタの内周部に嵌合状態にて装着され、これらを軸線回りに一体回転させることによって前記切刃で切削を行うピンミラーカッタにおいて、
前記カッタ本体の外周部と前記アダプタの内周部とは、互いに相対する段付き形状を有し、
前記カッタ本体の外周部に形成された段付き形状の凸部に面取り部が形成され、前記アダプタの内周部に形成された段付き形状の凹部にリブが形成され、また、前記カッタ本体の外周部に形成された段付き形状の凹部にリブが形成され、前記アダプタの内周部に形成された段付き形状の凸部に面取り部が形成されており、
前記面取部は前記リブよりも回転方向に大きな幅を有し、
前記アダプタに対して回転方向に回転トルクが加えられると、前記カッタ本体の本体側面取部と前記アダプタのアダプタ側リブとの嵌合、または前記アダプタのアダプタ側面取部と前記カッタ本体の本体側リブとの嵌合とのいずれかにより、前記回転トルクが前記カッタ本体に伝えられることを特徴とする。
【0018】
このような構成によれば、カッタ本体の外周部に形成された段付き形状の凸部に面取り部が形成され、アダプタの内周部に形成された段付き形状の凹部にリブが形成される。
また、カッタ本体の外周部に形成された段付き形状の凹部にリブが形成され、アダプタの内周部に形成された段付き形状の凸部に面取り部が形成される。
形成された面取り部と、これらと相対する形状に形成されたリブとが互いに嵌合されて、アダプタにカッタ本体が装着される。このリブの形状によって、段付き形状の剛性が高められることになる。
面取り部は、段付き形状の凸部を一定範囲にわたって面取りを行うこと、あるいは、予め面取り部の形状を有するように、例えば鋳造、鍛造、機械加工等によって形成される。また、リブは、予めこの形状を有するように形成することが好適である。
クランクシャフト等の加工時においては、これらリブと面取り部との嵌合によって、アダプタからカッタ本体に回転トルクを伝達する。
【0019】
請求項2に記載のピンミラーカッタは、円環状をなすと共に外周部に切刃が配列されたカッタ本体が、加工機の回転駆動するアダプタの外周部に嵌合状態にて装着され、これらを軸線回りに一体回転させることによって前記切刃で切削を行うピンミラーカッタにおいて、
前記カッタ本体の内周部と前記アダプタの外周部とは、互いに相対する段付き形状を有し、
前記カッタ本体の内周部に形成された段付き形状の凸部に面取り部が形成され、前記アダプタの外周部に形成された段付き形状の凹部にリブが形成され、また、前記カッタ本体の内周部に形成された段付き形状の凹部にリブが形成され、前記アダプタの外周部に形成された段付き形状の凸部に面取り部が形成されており、
前記面取部は前記リブよりも回転方向に大きな幅を有し、
前記アダプタに対して回転方向に回転トルクが加えられると、前記カッタ本体の本体側面取部と前記アダプタのアダプタ側リブとの嵌合、または前記アダプタのアダプタ側面取部と前記カッタ本体の本体側リブとの嵌合とのいずれかにより、前記回転トルクが前記カッタ本体に伝えられることを特徴とする。
【0020】
このような構成によれば、切刃がカッタ本体の外周部に設けられた、いわゆるエクスターナル型のピンミラーカッタにおいて、カッタ本体の内周部に形成された段付き形状の凸部に面取り部が形成され、アダプタの外周部に形成された段付き形状の凹部にリブが形成される。
また、カッタ本体の内周部に形成された段付き形状の凹部にリブが形成され、アダプタの外周部に形成された段付き形状の凸部に面取り部が形成される。
形成された面取り部と、これらと相対する形状に形成されたリブとが互いに嵌合されて、アダプタにカッタ本体が装着される。このリブの形状によって、段付き形状の剛性が高められることになる。
面取り部は、段付き形状の凸部を一定範囲にわたって面取りを行うこと、あるいは、予め本体側面取り部の形状を有するように、例えば鋳造、鍛造、機械加工等によって形成される。また、リブは、予めこの形状を有するように形成することが好適である。
加工時においては、これら面取り部とリブとの嵌合により、アダプタからカッタ本体に回転トルクを伝達する。
【0021】
請求項3記載のピンミラーカッタは、請求項1または請求項2記載のピンミラーカッタにおいて、
前記リブ及び前記面取り部が複数形成されていることを特徴とする。
【0022】
このような構成としたことで、カッタ本体とアダプタとが嵌合される側の周部の段付き形状には、ある間隔にて複数の面取りあるいはこれに相対するリブが形成される。
これら面取り部とリブとは交互に一定間隔で配置することが望ましい。
これらリブの形状によって、両方の段付き形状の剛性が周部全体にわたって高められることなる。また、カッタ本体とアダプタとが上述した複数のリブあるいは面取り部にて互いに嵌合され、これらの嵌合においてアダプタからカッタ本体に回転トルクを伝達する。
【0023】
請求項4記載のピンミラーカッタは、請求項1〜請求項3のいずれかに記載のピンミラーカッタにおいて、
前記アダプタの前記カッタ本体と嵌合する側の周部には、略長方形のキー溝が円周方向に沿って少なくとも3つ以上形成され、前記各キー溝には、端部が面取りされたキー材が嵌合され、さらに、前記各キー溝に接する前記カッタ本体の周部にはキー材用面取り部が形成されていることを特徴とする。
【0024】
このような構成としたことで、キー材に形成された面取りと、これに接触するキー材用面取り部とのスライド作用、つまりはアダプタの軸線にカッタ本体の軸線が誘導されることによって、カッタ本体の軸線とアダプタの軸線とを一致させることが可能となる。この作用は、3つ以上のキー材を設けることによってなされ、もちろんこれ以上に設けることとしてもよい。
【0025】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施形態について、図面を参照して説明する。
図1は本実施形態のピンミラーカッタの全体構成を説明する平面図(片側半分は図示を省略)、図2は図1のA−A線断面図、図3は図1のB−B線断面図、図4は図1のC−C線断面図、図5は図1のD−D線断面図、図6は図1のE−E線断面図である。
【0026】
図1〜図6に示すように、カッタ本体2は略円環状をなしており、その外周部は段付き部J(段付き形状)を有している。この内周部には、切刃2aを有するチップ2bがボルト2cを介して固定される。
また、他方のアダプタ1も略円環状をなしており、その内周部は段付き部K(段付き形状)を有している。この段付き部Kは、カッタ本体2の段付き部Jと面接触可能な形状とされる。
【0027】
カッタ本体2の外周部及びアダプタ1の内周部には、これらを跨いで形成された略円形凹形状のクランパ溝3aが形成され、このクランパ溝3aに略半月形状の切欠を有するクランパ3が回動可能に取り付けられる。このクランパ3を回動させることで、カッタ本体2はアダプタ1に堅固に固定される。
【0028】
また、アダプタ1の内周部には、平面視で十字方向(即ち90°間隔)に配置されるよう、4つのキー溝4aが中心方向に開口する凹溝として形成される。なお、図1には2つのキー溝4aしか図示されていない。
またこれらに相対するように、カッタ本体2の外周部には、図5に示されるキー材用面取り部25が形成される。この面取り形状は、後述するキー材4の端部面取り形状に合わせて形成されるものである。
【0029】
キー材4は、キー溝4aに着座した状態で、キー材表面に貫通して設けられた孔(図示せず)にボルト5を挿入して固定される。ボルト5は、例えば2本以上設定してキー材4を固定する。
【0030】
カッタ本体2とアダプタ1との嵌め合い形状は、図1における2本の実線L1,L2と、2本の点線M1,M2に示される部位であり、これら各部位の断面形状ついて図2〜図6の断面図を用いて説明する。なお、符号20番台はカッタ本体2の形状における部位を示し、符号10番台はアダプタ1の形状における部位を示すものである。
【0031】
図2は、図1のA−A線における断面図であり、断面が略L字形状とされた両段付き部J、K(共に段付き形状)が従来と同様に形成される。符号2aは、カッタ本体2の内周部に設けられた切刃を示し、符号2bはチップを示している。カッタ本体2の段付き部Jは、内側にあたる円柱外周面22と外側にあたる円柱外周面21とを有し、これら両円柱外周面21,22とを繋ぐリング状の面20によって段付き部Jが形成される。
また、アダプタ1の段付き部Kは、内側にあたる円柱内周面11と外側にあたる円柱内周面12とを有し、これら両円柱内周面11,12を繋ぐリング状の面10によって段付き部Kが形成される。
これら両段付き部J,Kは、それぞれの面10,20で接触しており、また、回転軸と平行な円柱外周面21,22と、円柱内周面11,12とはある程度の隙間を有して嵌め合わされる。
【0032】
次に、図1のB−B線における断面形状について図3を用いて説明する。カッタ本体2の段付き部Jの内側の円柱外周面22(図2参照)と面20とがなす凹部(図2参照)には、傾斜角θの傾斜面を有する本体側リブ23(リブ)が形成される。また、これに相対するように、アダプタ1の段付き部Kの内側の円柱内周面11(図2参照)と面10とがなす凸部(図2参照)には、傾斜角θをなすアダプタ側面取り部13(面取り部)が形成される。
このアダプタ側面取り部13は、嵌合される本体側リブ23の幅よりもわずかに大きい幅寸法を有し、平面視して十字の方向に4つ均等に配置される(図1の点線を参照)。
【0033】
次に、図1のC−C線における断面形状について図4を用いて説明する。カッタ本体2の段付き部Jの外側の円柱外周面21(図2参照)と面20とがなす凸部(図2参照)には、傾斜角θ(図示を省略)の傾斜面を有する本体側面取り部24(面取り部)が形成される。
また、これに相対するようにアダプタ1の段付き部Kの外側の円柱内周面12(図2参照)と面10とがなす凹部(図2参照)には、傾斜角θ(図示を省略)をなすアダプタ側リブ14(リブ)が形成される。
本体側面取り部24は、嵌合されるアダプタ側リブ14の幅よりもわずかに大きい幅を有し、平面視して十字の方向に4つ均等に配置(図1参照)される。
【0034】
次に、図1のD−D線における断面形状について図5を用いて説明する。符号4はキー材を示し、アダプタ1に形成されたキー溝4a(図1参照)のキー溝底面15にボルト5を介して固定される。このキー材4は、中心方向を向く一端部が傾斜角θ(図示を省略)を有するように面取りがなされる。
カッタ本体2の段付き部Jの外側の円柱外周面21(図2参照)と面20(図2参照)とがなす凸部(図2参照)には、傾斜角θ(図示を省略)の傾斜面を有するキー材用面取り部25が形成される。よって、このキー材用面取り部25とキー材4の面取り部が相対するように嵌合される。
キー材4は、キー溝底面15を図において上下方向に固定され、キー材用面取り部25とキー材4の面取り部とが接触してカッタ本体2を誘導することで、両中心軸の一致を図る構造とされる。
キー材用面取り部25は、嵌合されるキー材4の面取り部の幅よりもわずかに大きい幅を有し、平面視して十字の方向に4つ均等に配置(図1参照)される。
【0035】
次に、図1のE−E線における断面形状について図6を用いて説明する。カッタ本体2の段付き部Jの外側の円柱外周面21(図2参照)は、ここに配置されるクランパ3の形状に合わせて形成されたクランパ溝3aが設けられる。
同様に、アダプタ1の外周部においてもクランパ3の形状に合わせたクランパ溝3aが形成され、クランパ3は、アダプタ1側のクランパ溝3aにボルト26を介して回動可能に取り付けられる。
【0036】
以上説明した各部の断面形状を有するカッタ本体2とアダプタ1との嵌合は、図1の2本の点線M1,M2に示されるように、これら各リブ14,23、あるいは各面取り部13,24が交互となるように均等に配置される。
【0037】
ピンミラーカッタの回転トルクは、カッタ本体2の外周部の外側に形成された本体側面取り部24と、これに相対するアダプタ1の内周部のアダプタ側リブ14とを用いて伝達される。
【0038】
多くの嵌め合い形状によって回転トルクを伝達するには、互いに高精度な加工が必要とされる。しかし、同一円周上に配置された本体側面取り部24及びアダプタ側リブ14に限定して加工することにより、高精度且つ容易に形成することができ、複数配置されたアダプタ側リブ14及び本体側面取り部24に均等に回転トルクにおける負荷を伝達することが可能となる。
【0039】
よって、アダプタ1に対して回転方向Rに回転トルクが加えられると、この回転トルクは、図4における本体側面取り部24とアダプタ側リブ14との嵌合によって伝達される。換言すれば、本体側面取り部24の側面にアダプタ側リブ14の側面が先に接触し、上述したアダプタ側面取り部13の側面と本体側リブ23の側面との接触をあえて行わないように隙間を設けることとしている。
【0040】
これは、回転トルクが伝達される部位を均一にするためでもあり、また、円周方向における外側をトルクの伝達部位とすることでモーメントの負荷を少なくし、製作の容易化と耐久性の向上の両方を兼ね備えることになる。
【0041】
以上説明した本実施形態のピンミラーカッタによれば、カッタ本体2とアダプタ1との嵌合における剛性が向上し、高精度な加工を行うことが可能なピンミラーカッタが実現できる。
【0042】
また、本実施形態のピンミラーカッタの変形例として、以下の構成としてもよい。
図1〜図6に示した本実施形態におけるピンミラーカッタは、カッタ本体2の内周部に各チップ2bを装着した、いわゆるインターナル型のピンミラーカッタであるが、カッタ本体の外周部に切刃を突出させた状態で各チップを装着した、いわゆるエクスターナル型のピンミラーカッタでもよい。
このようなピンミラーカッタによれば、本実施形態と同様に高剛性且つ高精度な加工が実現可能となる。
【0043】
また、各リブ14,23、及び各面取り部13,24はそれぞれ4組、且つ傾斜角θの形状を有するものとして説明したが、さらに数を設けること、及び、それぞれに傾斜角を設定することとしてもよい。
これによれば、形状に合わせて必要十分な剛性を確保することができ、製作コストと剛性確保との両立が可能となる。
【0044】
さらに、回転トルクの伝達部位は、本体側面取り部24とアダプタ側リブ14としたが、もちろんこれらに限定されるものではなく、アダプタ側面取り部13と本体側リブ23との嵌合にてなされることとしてもよい。
なお、本発明に係るピンミラーカッタの一実施形態と示したものであり、本発明がこれらに限定解釈されるものではない。
【0045】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1記載のピンミラーカッタによれば、カッタ本体とアダプタとが嵌合される段付き形状の周部に面取り部とリブとが互いに相対するように形成されるので、これらの嵌合によって段付き形状の剛性及びピンミラーカッタの剛性が向上し、被加工物への高精度な加工が可能なインターナル型のピンミラーカッタを実現することができる。
【0046】
請求項2記載の発明によれば、カッタ本体がアダプタの外側に配置されるエクスターナル型のピンミラーカッタにおいて、カッタ本体とアダプタとが嵌合される段付き形状の周部に面取り部とリブとが互いに相対するように形成されるので、これらの嵌合によって段付き形状の剛性及びピンミラーカッタの剛性が向上し、被加工物への高精度な加工が可能なピンミラーカッタを実現することができる。
【0047】
請求項3記載のピンミラーカッタによれば、カッタ本体とアダプタとが嵌合される段付き形状の周部に複数の面取り部とリブとが互いに相対するように形成されるので、これらが互いに嵌合されることによってピンミラーカッタの剛性が全体にわたって向上し、被加工物への高精度な加工が可能となる。
【0048】
請求項4記載のピンミラーカッタによれば、面取り形状を有したキー材を用いてカッタ本体とアダプタとを嵌合させるので、容易に同一軸線上に誘導することができると共に、剛性を確保した高精度なピンミラーカッタを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施形態におけるピンミラーカッタの全体構成を説明する平面図である。
【図2】 図1のA−A線断面における断面図である。
【図3】 図1のB−B線断面における断面図である。
【図4】 図1のC−C線断面における断面図である。
【図5】 図1のD−D線断面における断面図である。
【図6】 図1のE−E線断面における断面図である。
【図7】 従来のピンミラーカッタの構成を説明する平面図である。
【図8】 図7のF−F線断面における断面図である。
【図9】 ピンミラーカッタが取り付けられた加工機の概略構成図である。
【符号の説明】
1 アダプタ
2 カッタ本体
4 キー材
4a キー溝
5 ボルト
13 アダプタ側面取り部(面取り部)
14 本体側面取り部(面取り部)
23 本体側リブ(リブ)
24 アダプタ側リブ(リブ)
25 キー材用面取り部
J,K 段付き部(段付き形状)
Claims (4)
- 円環状をなすと共に内周部に切刃が配列されたカッタ本体が、加工機の回転駆動するアダプタの内周部に嵌合状態にて装着され、これらを軸線回りに一体回転させることによって前記切刃で切削を行うピンミラーカッタにおいて、
前記カッタ本体の外周部と前記アダプタの内周部とは、互いに相対する段付き形状を有し、
前記カッタ本体の外周部に形成された段付き形状の凸部に面取り部が形成され、前記アダプタの内周部に形成された段付き形状の凹部にリブが形成され、また、前記カッタ本体の外周部に形成された段付き形状の凹部にリブが形成され、前記アダプタの内周部に形成された段付き形状の凸部に面取り部が形成されており、
前記面取部は前記リブよりも回転方向に大きな幅を有し、
前記アダプタに対して回転方向に回転トルクが加えられると、前記カッタ本体の本体側面取部と前記アダプタのアダプタ側リブとの嵌合、または前記アダプタのアダプタ側面取部と前記カッタ本体の本体側リブとの嵌合とのいずれかにより、前記回転トルクが前記カッタ本体に伝えられることを特徴とするピンミラーカッタ。 - 円環状をなすと共に外周部に切刃が配列されたカッタ本体が、加工機の回転駆動するアダプタの外周部に嵌合状態にて装着され、これらを軸線回りに一体回転させることによって前記切刃で切削を行うピンミラーカッタにおいて、
前記カッタ本体の内周部と前記アダプタの外周部とは、互いに相対する段付き形状を有し、
前記カッタ本体の内周部に形成された段付き形状の凸部に面取り部が形成され、前記アダプタの外周部に形成された段付き形状の凹部にリブが形成され、また、前記カッタ本体の内周部に形成された段付き形状の凹部にリブが形成され、前記アダプタの外周部に形成された段付き形状の凸部に面取り部が形成されており、
前記面取部は前記リブよりも回転方向に大きな幅を有し、
前記アダプタに対して回転方向に回転トルクが加えられると、前記カッタ本体の本体側面取部と前記アダプタのアダプタ側リブとの嵌合、または前記アダプタのアダプタ側面取部と前記カッタ本体の本体側リブとの嵌合とのいずれかにより、前記回転トルクが前記カッタ本体に伝えられることを特徴とするピンミラーカッタ。 - 請求項1または請求項2記載のピンミラーカッタにおいて、
前記リブ及び前記面取り部が複数形成されていることを特徴とするピンミラーカッタ。 - 請求項1〜請求項3のいずれかに記載のピンミラーカッタにおいて、
前記アダプタの前記カッタ本体と嵌合する側の周部には、略長方形のキー溝が円周方向に沿って少なくとも3つ以上形成され、
前記各キー溝には、端部が面取りされたキー材が嵌合され、
さらに、前記各キー溝に接する前記カッタ本体の周部にはキー材用面取り部が形成されていることを特徴とするピンミラーカッタ。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2001210652A JP4491997B2 (ja) | 2001-07-11 | 2001-07-11 | ピンミラーカッタ |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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