JP4491389B2 - 電子機器、プログラム、及びプログラムを記録した記録媒体 - Google Patents
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Description
特許文献1に開示されている「辞書情報表示方式」は、表示されている文章中の不明な単語をカーソル等でなぞり、その単語を辞書データから検索し、検索した単語の情報を表示するものである。
また、特許文献2の「電子ブック装置」は、表示された文章中の指定された語句が、辞書の見出し語に存在しない変化形または複合語であるために、その語句の意味を表示できない場合、表示された文章を解析し、変化形の語句の原形を抽出し、その意味を表示したり、または、複合語を辞書の見出し語単位に分割して抽出し、その意味を表示するものである。
また、特許文献4の「電子辞書」は、表示された文章中の1文字をカーソルで選択し、選択された文字を先頭位置として、終了位置をカーソルで選択し、先頭位置から終了位置の範囲の中で、辞書に存在する見出し語の一覧を表示するものである。また、終了位置を決定する方法として、選択した先頭位置から1文字ずつ後ろに延ばした範囲の中で、辞書の見出し語として存在する文字までを終了位置とする方法であったり、先頭位置の文字が漢字の場合は、先頭位置から後ろの方向に、平仮名またはカタカナがある直前までの文字を終了位置とする方法や、平仮名またはカタカナを介して再び漢字が存在する直前までの文字を終了位置とする方法が示され、先頭位置から、上記のように決定した終了位置までの範囲の中で、辞書の見出し語に存在する見出し語の一覧を表示するものである。
しかし、特許文献3は、特許文献1や特許文献2のように、表示している文章の中で、見出し語の検索を行う文章の範囲や、意味を知りたい語句そのものの範囲の指定を行っていないため、カーソルで指定している語句の前後に位置している語句の中で、いくつの語句に関する意味を表示するかという、意味を表示する語句の個数の設定が必要である。その個数の設定には、設定を行うための画面を表示させ、個数を入力する必要があり、ユーザーにとっては、非常に不便であった。例えば、複数の語句に関する意味が表示されているとき、更に範囲を広げて、1つ前または、1つ後ろの語句の意味を知りたいときは、上記の設定値を変更する画面を表示させ、上記の設定値の入力を行った後、再度カーソルによる語句の指定を行う必要があり、ユーザーにとっては、使い勝手がよいものとは言えなかった。また、意味を表示する語句の範囲を広げる他の方法として、カーソルを移動させて、指示する語句を変更するとともに、指示した語句の前後の意味を表示する語句の範囲を変更する方法が考えられるが、意味を知りたい語句が、その範囲内に入るかどうかを見ながら、カーソルを移動させる位置を決定する必要があり、非常に使い勝手が悪かった。
また、本発明に係るプログラムは、見出し語に対応した解説データを有する複数種類の辞書データを記憶した辞書データ記憶手段と、電子データを表示する表示部を具備する電子機器によって、見出し語を表示するためのプログラムであって、行選択手段によって、前記表示された電子データから1行又は複数行を選択し、選択された行の最後が区切り文字であるかどうかを判断し、区切り文字である場合は、行の先頭から選択された行の最後までを行の選択範囲とし、選択された行の最後が区切り文字でない場合は、選択された行の先頭から選択された行の次の行の区切り文字までを行の選択範囲とする行選択ステップと、語句抽出手段によって、前記行選択ステップで選択された行の選択範囲の電子データを取得し、該取得した電子データから語句を抽出する語句抽出ステップと、検索手段によって、前記語句抽出ステップで抽出された語句と一致する見出し語を前記複数種類の辞書データ記憶手段から検索する検索ステップと、表示制御手段によって、前記検索ステップで検索された見出し語を辞書の種類毎に表示部に表示し、表示した見出し語の中から選択された1つの見出し語の意味を表示させる表示制御ステップとをコンピュータに実行させるためのプログラムである。
また、本発明に係る記録媒体は、上記プログラムを記憶したコンピュータ読み取り可能な記録媒体である。
本発明によれば、表示されたデータ中の選択された行において、その行に含まれる語句の中で、辞書データに存在する見出し語を検索し、検索された見出し語のリストを表示することが可能となる。
図1は、本実施の形態の辞書データを有する電子機器のシステム構成を示すブロック図である。図1に示すように、このシステムは、表示部10と、入力部11と、CPU(中央演算処理装置)12と、ROM(Read Only Memory)13と、RAM(Random Access Memory)14とを含む構成である。入力部11は、文字入力や制御コマンドの入力などを行うために操作される入力手段であり、辞書データを含む電子データを表示中に、データ中に含まれる語句の意味を調べるときに使用する[ジャンプ]キー、データ上の反転表示している行を上下に動かすための[↑]、[↓]キー、反転表示した行から見出し語を抽出し、見出し語の一覧を表示するときに使用する[決定]キー、電源キーなどがこれに含まれる。また、入力手段としては、タッチパネル上で入力するタッチキーやPC(Personal Computer)のようにキーボード上で入力するキー等で構成することができる。
CPU12は、入力部11からのキー入力による文字列、制御コマンドのキー操作による入力処理、ROM13に記憶される辞書データ130を検索する検索処理、辞書データ130またはその他の電子データ132上の解説データなどを表示部10に表示させる表示処理などを実行し、電子機器全体の制御を行う。なお、CPUは、後述のROM13のプログラム領域131に記憶されたプログラムにしたがって、行選択手段、語句抽出手段、検索手段、表示制御手段、見出し語ソート手段として機能する。
辞書データ130とは、英和辞書や和英辞書や広辞苑(商標登録)といった国語辞書の内容を電子化したものである。なお、この例では、辞書としては複数のものを備えたものと例示したが、本発明においては、一つの辞書を設けることで実施可能で、以下の説明からも明白である。
また、電子データ132とは、辞書データ以外の、百科事典や書物等のデータを電子化したものであり、複数の種類のデータ(1)132a、・・・、データ(n)132nが格納されている。
ROM13は、辞書データ記憶部130および電子データ記憶部132以外に、本実施の形態の電子機器を制御するためのプログラムを含め、辞書データ上の解説データを表示させるための制御を実行するプログラムを記憶している。このプログラムは、プログラム記憶領域131に記憶されており、入力処理を行う入力処理用プログラム131a、検索処理を行う検索処理用プログラム131bおよび表示処理を行う表示処理用プログラム131cなどが記憶される。
RAM14は、ワークエリア1400、Buf1401、抽出行記憶部1402、開始ポインタ記憶部1403a、終了ポインタ記憶部1403b、検索辞書個数記憶部1405、切替回数記憶部1406、表示用画面記憶部1407、リスト記憶部1408から構成されている。これらの記憶部は、CPU12による解説データ及び解説データ中の任意の行の文字から、辞書データに存在する見出し語を検索し、その見出し語の一覧を表示部に表示させる制御を実行するために用いられるデータを記憶する記憶部である。
まず、表示用画面記憶部1407は、表示部10に表示する内容を格納するエリアである。表示用画面記憶部1407上の第1表示画面記憶部1407aは、主要な内容を記憶するためのエリアであり、例えば、図14(a)の画面141に示したような、辞書データ130及び電子データ132から検索したデータの内容を記憶している。第2表示画面記憶部1407bは、見出し語のリスト表示や、選択した見出し語の意味を表示する際に、その表示内容を格納するエリアである。例えば、図14(d)の画面144に示したような見出し語のリスト表示や、図15(e)の画面155に示したような見出し語の意味を格納している。
他の例として、選択されている行の内容が、“・・・睡眠不足や・・・・、生”で、次の行の内容が、“活環境が悪くなると、・・・”のような文章の場合は、まず、“・・・睡眠不足や・・・・、生”が、抽出行記憶部1402に格納される。ここで、選択されている行の文章は、中途半端に終了しているため、文章中の区切りがよい次の行の“活環境が悪くなると、”までを抽出することが望ましい。そこで、抽出行記憶部1402に格納されている“・・・睡眠不足や・・・・、生”の後に、選択されている行の終わりであることを示す“行区切文字”と、更に、文章中の区切のよい“活環境が悪くなると、”までの文字が格納され、その後に、抽出行記憶部1402に格納されているデータの最後であることを示す“終了文字”が格納される。すなわち、“・・・睡眠不足や・・・・、生”、“行区切文字”、“活環境が悪くなると、”、“終了文字”の順番で、抽出行記憶部1402に格納される。なお、このようにして抽出行記憶部1402に格納されるデータは少なくとも文章の一部のデータであるが、この格納データを文書データと記載する。
もし、語句抽出手段により抽出した語句が辞書に存在しなければ、リスト記憶部1408には格納しない。語句抽出手段による語句の抽出は、まず、文章データ中の1文字目のみを抽出し、次に、文章データ中の1文字目を先頭文字とし、終了文字を文章データ中の2文字として、先頭文字から終了文字までの語句の抽出を行い、それ以降は、終了文字の位置を文章データ中で順に1つずつ後ろにずらすごとに先頭文字から終了文字までの語句の抽出を行っていく。語句抽出手段により語句を抽出するごとに、検索手段により、その抽出した語句が辞書に存在するかどうか検索し、検索された語句をリスト記憶部1408に格納する処理を行っていくが、抽出された語句で始まる見出し語が辞書に存在しなくなった時点で、文章データ中の1文字目を先頭文字とする語句の抽出を終了させる。
具体的には、“・・・睡眠不足や・・・・、生”、“行区切文字”、“活環境が悪くなると、”、“終了文字”という文字が抽出行記憶部1402に格納されている場合、語句抽出手段により、抽出する語句の先頭文字が“行区切文字”の直前の“生”に移動し、“生”で始まる語句である“生”、“生活”、“生活環”、“生活環境”等が抽出される。“生”で始まる語句の抽出と、検索手段により抽出した語句が辞書に存在するかどうか検索し、その語句が辞書に存在した場合、リスト記憶部1408にその語句を格納する処理が終了した後、語句抽出手段は、先頭文字を1つ後ろにずらし、その文字は“行区切文字”となる。“行区切文字”の次の“活”で始まる語句の抽出は、次の行の内容であるため、抽出する必要はなく、抽出する語句の先頭文字が“行区切文字”になった時点で、語句の抽出処理を終了する。
このように、表示している行を選択するだけで、その行から辞書に存在する見出し語のリストを表示できる。そのため、ユーザーが、知りたい語句の先頭から終了位置まで、カーソル等で指示する必要がないので、より簡単な操作で知りたい語句を選択することができる。
和英辞書、和独辞書や日中辞書の外国語翻訳辞書から検索した見出し語は、外国語翻訳リスト記憶部1408c上の各外国語翻訳辞書に対応した翻訳リスト記憶部(a)1408c−a、・・・、翻訳リスト記憶部(n)1408c−nのエリアへ格納する。更に、古語辞書から検索した見出し語は、古語リスト記憶部1408dへ、漢字辞書で検索した見出し語は、漢字リスト記憶部1408eへ格納する。上記以外の辞書から検索した見出し語は、その他の辞書リスト記憶部1408fへ格納する。
上記のように、各辞書で検索した見出し語を格納したリスト記憶部1408を、表示用画面記憶部1407上の第2表示画面記憶部1407bへ格納し、表示部10に表示することにより、図14(d)の画面144に示したような、表示しているデータの選択した行から、辞書の見出し語を抽出し、その見出し語のリストを表示することができる。
このように、切替回数記憶部1406に格納された値に対応した辞書の見出し語を表示し、[切替]キーを入力するごとに表示させる辞書の種類を切り替えている。但し、切替回数記憶部1406に格納された切替回数の値が、搭載している辞書数を超えた場合は、最後の辞書から1つ目の辞書へ切り替えるような、ローテーションする機能を実施するために、切替回数記憶部1406に格納された値から、搭載している辞書数が格納されている検索辞書個数記憶部1405に格納された検索辞書個数の値を減算した値を、切替回数として使用することにより、切替回数を補正する処理を行っている。検索辞書個数記憶部1405には、ROM13の辞書データ130上の辞書データの個数が格納されており、その検索辞書個数は本実施の形態の電子機器の初期設定時に記憶される。
ワークエリア1400は、表示しているデータの任意の行から、辞書データに存在する見出し語を検索し、検索した見出し語をリスト表示する際に使用するエリアであり、n、m、Start及びendから構成されており、以下に説明するような処理を実行するために用いられる。
以上が、本実施の形態の構成を説明したものであり、以下に、本発明をより理解できるように、本実施の形態において表示しているデータの任意の行に含まれる辞書の見出し語の一覧の表示を行う制御にかかる処理手順の説明を行っていく。
図2は、辞書データを含む電子データ上の解説データを表示し、その表示している解説データ内の任意の行を選択後、選択した行に含まれる辞書の見出し語の一覧を表示するまでの本実施の形態にかかる制御手順の一例を示したフローチャートである。
まず、本実施の形態による辞書データ130を含む電子データ132上の解説データを表示するために、表示する解説データを持つ見出し語の文字を、入力部11の文字キーで入力し、その後、入力部11の[決定]キーの入力を行うことにより、入力した見出し語の解説データを表示することを決定し、ステップ201に移行する。
このステップ201では、入力した見出し語の辞書データ130を含む電子データ132上の解説データを第1表示画面記憶部1407aに格納する。ここで、解説データとは、本実施の形態では、辞書データ130上の見出し語だけでなく、見出し語の意味、例文、熟語等の見出し語に付随するデータや、辞書以外の百科事典等の書物を電子データ化した電子データ132上の各電子データ(132a〜132n)に格納されている見出し語とその見出し語の解説のデータを総称したものである。
続いて、ステップ202に進み、CPU12(表示制御手段)は、第1表示画面記憶部1407aに格納されている解説データを、表示部10に表示させる。この処理により、図14(a)の画面141のような解説データの表示が可能となる。
ステップ206のジャンプモード処理は、表示している解説データの任意の行を選択する制御の処理であり、図3のフローチャートで詳細を説明する。
図3は、表示している解説データの任意の行を選択する処理及び、選択された行をユーザーに分からしめるために反転表示を行う処理のフローチャートである。
まず、ステップ301は、解説データの表示中に[ジャンプ]キーが入力されたときに行う最初の処理であり、ここで、CPU12(表示制御手段)は解説データが格納されている第1表示画面記憶部1407aの1行目を反転表示する。これは、例えば、図14(b)の画面142に示すように、表示している解説データの1行目が反転表示されるものである。ここでは、選択されている行を反転表示で表しているが、他の方法として、選択している行に下線を表示したり、選択している行の文字を太字や斜体等で表示したりすることが考えられ、選択している行とそれ以外の行とを異なる表示方法で表示することにより、ユーザーにとって、どの行が選択されているか認識できる表示ならばなんでもよい。
もし、[↑]キーの入力があれば、ステップ309で、解説データ中の反転表示している行が1行目かどうかの判断を行う。
もし、1行目を反転表示しているならば、[↑]キーの入力を行っても、反転表示している行より上に行は存在しないため、反転表示を動かす必要はなく、何も処理を行わず、ステップ303のキー待ち状態に戻る。もし、解説データの反転表示している行が、1行目でなければ、ステップ310で、ワークエリア1400のnの値から1を減算し、その値をワークエリア1400のnに格納する。その後、ステップ311で、CPU12(表示制御手段)は、n行目を反転表示し、ステップ303のキー待ち状態に戻る。ステップ310とステップ311により、図14(c)の画面143で示すような解説データの2行目が反転表示している場合に、[↑]キーの入力により、図14(b)の画面142で示すような、反転している行を1つ上に移動する処理を行う。
ステップ313で、解説データの最後の行が反転表示している場合は、[↓]キーの入力を行っても、反転表示している行より下に行は存在しないため、反転表示を動かす必要はなく、何も処理を行わず、ステップ303のキー待ち状態に戻る。もし、解説データの反転表示している行が最後の行でないならば、ステップ314で、ワークエリア1400のnの値に1を加算し、その値をワークエリア1400のnに格納する。その後、ステップ311で、n行目を反転表示し、ステップ303のキー待ち状態に戻る。ステップ314とステップ311により、図14(b)の画面142で示すような解説データの1行目が反転表示している場合に、[↓]キーの入力により、図14(c)の画面143で示すように、反転している行を1つ下に移動する処理を行う。
ステップ312で、[↓]キーの入力がなければ、ステップ315で、その他のキー処理を行い、ステップ303のキー待ち状態に戻る。
図4は、解説データの反転表示している行から、文字を抽出する制御手順を示したフローチャートである。
具体的には、表示している解説データ“・・・不清潔や生活環境が悪くなると、・・・”の中で、反転表示している行が、“・・・不清潔や生”で終わり、次の行が、“活環境が悪くなると、・・・”となっているときには、反転している行の全ての文字と、更に次の行の句読点までの文字である“・・・不清潔や生活環境が悪くなると、”を抽出する。その後、抽出した文字の中から辞書の見出し語を検索し、検索した見出し語を表示するため、“生”で始まる“生活”や“生活環境”等の見出し語を表示することができる。
更に、表示している解説データ“・・・風邪の諸症状が現れ、・・・”の中で、反転表示している行が、“・・・風邪の諸症状が現れ、”で終わっている場合は、“・・・風邪の諸症状が現れ、”を抽出する。この場合は、反転している行が、区切り良く終わっているため、次の行の文字を抽出する必要はない。
まず、解説データの任意の行が反転表示しているときに、[決定]キーを押下すると、図4に示すフローチャートを実行するため、まずステップ401へ移行する。
ステップ401では、ワークエリア1400のmに解説データの反転表示している行番号を格納する。例えば、解説データの2行目を反転表示しているときは、mには“2”が格納される。
ここで、解説データを格納している第1表示画面記憶部1407aの構造についてだが、第1表示画面記憶部1407aには、解説データの文字と、そのデータの最後の文字の次には、“終了文字”が格納されている。そのため、解説データの最後の行が反転表示しているときにステップ402の処理が実行されると、抽出行記憶部1402には、解説データの最後の行の文字と、その後に“終了文字”が格納される。
ステップ403で、抽出行記憶部1402の最後の文字、すなわち、解説データの反転表示している行の最後の文字が、句読点、スペース、記号の内の何れでもないならば、ステップ405へ移行し、抽出行記憶部1402の最後の文字が“終了文字”かどうかの判断を行っている。抽出行記憶部1402の最後の文字が、“終了文字”であるときは、解説データの最後の行が反転表示されている場合であり、それ以上解説データは存在しないため、抽出行記憶部1402に格納されている文字から、辞書データの見出し語を抽出するステップ413の処理へ移行する。
次に、ステップ407で、mの値に1を加算し、加算した値をmに格納する。
次に、ステップ408で、第1表示画面記憶部1407aのm行目に、句読点、スペース、記号の何れかがあるかどうかを検索する。ステップ408では、ステップ407で、mの値には1が加算されているので、反転表示している次の行に、句読点、スペース、記号の何れかがあるかどうか、つまり、文章の区切りがよい部分があるかどうかを検索している。
ステップ409の判断で、もし、第1表示画面記憶部1407aのm行目に、句読点、スペース、記号の何れが存在するならば、ステップ411へ移行し、第1表示画面記憶部1407aのm行目の文字を、抽出行記憶部1402に格納する。
ステップ407からステップ411の処理を繰り返すことにより、解説データの反転表示している行の最後が、句読点、スペース、記号でないような区切りの悪い終わり方である場合、反転表示している行以降の句読点、スペース、記号があるところまでの全ての文字を抽出行記憶部1402に格納し続ける。
次に、抽出行記憶部1402に格納されている文字から、辞書データが持つ見出し語を抽出するステップ413の処理へ移行する。
ステップ413の処理は、見出し語モード処理(A)と見出し語モード処理(B)の2つの方法が存在する。これら見出し語モード処理(A)と見出し語モード処理(B)は、解説データの反転表示している行から抽出した文字の中で、辞書の見出し語を抽出する方法が異なる。
すなわち、図14(b)の1行目の反転表示している行の文字を抽出する図4の処理で、抽出行記憶部1402には、“・・・睡眠不足や、・・・、生”、“行区切文字”、“活環境が悪くなると、”、“終了文字”が格納される。
なお、文章中の区切りの良し悪しを判断するのに、句読点、スペース、記号を例示しているが、例えば英語ならば、カンマ(,)、ピリオド(.)、コロン(:)、セミコロン(;)、疑問符(?)、感嘆符(!)など、ここに例示した以外の文字も用いることができる。
以上が、解説データの反転表示している行から区切りのよい場所までの文字を抽出する処理を説明したものであり、以下に、抽出した文字から辞書の見出し語を抽出する処理の説明を行っていく。
(見出し語の一覧表示及び、一覧表示中のキーの動作にかかる制御(A))
まず、ステップ501で、切替回数記憶部1406に“1”を格納する。切替回数記憶部1406は、[切替]キーが押された回数を格納する記憶部であり、ここでは、初期設定を行っている。具体的には、図14(d)の画面144で示したように、1つ目の辞書である国語辞書の見出し語を表示するために、切替回数記憶部1406に“1”を設定している。
この処理を具体的に説明すると、図4の処理で、図14(b)の画面142で示した解説データの1行目が反転表示している行から抽出した文字が格納されている抽出行記憶部1402には、“・・・睡眠不足や、・・・、生”、“行区切文字”、“活環境が悪くなると、”、“終了文字”が格納されている。ステップ502の処理では、この抽出行記憶部1402に格納されている文字から、辞書に存在するしないにかかわらず、全ての語句を抽出する。例えば、この中の“睡眠不足や”の部分について、語句を抽出すると、“睡”、“睡眠”、“睡眠不”、“睡眠不足”、“睡眠不足や”のように、対象語句の中の1文字目を先頭文字として、1文字ずつ後ろにずらした文字までの全ての語句と、“眠”、“眠不足”、“眠不足や”、“不”、“不足”、“不足や”、“足”、“足や”、“や”のように、先頭文字を1文字後ろにずらし、その先頭文字から更に1文字ずつ後ろにずらした文字までの全ての語句が得られる。
この後、上記のように抽出した語句から、辞書に存在する見出し語を検索する。その結果、例えば、国語辞書で検索すると、“睡”、“睡眠”、“眠”、“不”、“不足”、“足”、“や”が得られる。更に、国語辞書以外の全ての辞書データにおいても、上記のように、抽出した語句の中から辞書の見出し語を検索し、各辞書で検索した見出し語は、リスト記憶部1408上の各辞書に対応したリスト記憶部に格納される。このステップ502の処理の詳細は、後述の図6のフローチャートで説明する。
見出し語を格納するときには、見出し語に付随する“区切り文字”や“同類開始文字”等も同様に第2表示画面記憶部1407bに格納する。“区切り文字"とは、全ての見出し語の後ろに格納されている文字であり、見出し語と他の見出し語の区切りを表している文字である。“同類開始文字”とは、同じ語句で始まる見出し語の中で、最も文字数の多い見出し語の前に格納されている文字である。更に、同じ語句で始まる全ての見出し語の後ろには、”同類文字“と”区切り文字“が格納されている。例えば、図14(d)の画面144を表示するために、図5のステップ503を処理したときは、第2表示画面記憶部1407bには、“睡眠”、“区切り文字”、“不足”、“区切り文字”、“同類開始文字”、“生活環境”、“同類文字”、“区切り文字”、“終了文字”の順番で第2表示画面記憶部1407bに格納されている。
次に、ステップ504で、解説データの反転表示している行に存在する、全ての辞書で検索した見出し語の中から、タグ表示上で選択されている辞書の見出し語のみを表示する処理を行う。これは、具体的には、図14(d)の画面144に示したように、解説データの反転している行の中から、タグ表示上で選択されている国語辞書に存在する見出し語の一覧を表示部10に表示する。
次に、ステップ505に移行し、キー待ち状態になる。
解説データの反転表示した行から抽出した語句の中で、各辞書データに存在する見出し語の検索を全辞書において行う処理は、ステップ502で既に終了しているため、ステップ504では、[切替]キーで切り替えたタグ表示の辞書データにおいて、ステップ503で格納した見出し語を表示するだけでよい。この処理を行うことにより、[切替]キーを入力して、表示する辞書を切り替える度に、解説データの反転表示している行から辞書の見出し語を検索する処理が必要ないので、表示する辞書を切り替える処理を高速化できるという効果がある。
具体的には、図14(d)の画面144での国語辞書の見出し語表示中に、[切替]キーを入力すると、図14(e)の画面145での和英辞書の見出し語表示に変わるように、表示する辞書の種類を変えるため、[切替]キーを入力するごとに切替回数記憶部1406の値に1を加算し、ステップ503において、切替回数記憶部1406の値に対応した辞書の見出し語を第2表示画面記憶部1407bに格納し、ステップ504において、格納した見出し語の一覧を表示制御手段(CPU12)にて表示する処理を行っている。
ステップ508で、[決定]キーの入力があれば、ステップ509へ移行し、見出し語が展開中かどうか、つまり、同じ語句で始まる複数の見出し語が全て表示されているかどうかの判断を行う。具体的には、図15(c)の画面153に示すように、“生活”という語句で始まる見出し語である“生活環境”、“生活環”、“生活”が全て表示されているかどうかを判断する。
ステップ509で、もし、見出し語が展開中ならば、ステップ511へ移行し、選択している見出し語の解説データを辞書データより取り出し、第2表示画面記憶部1407bへ格納する。
次に、ステップ512で、第2表示画面記憶部1407bに格納されている内容を表示部10に表示する。その後、ステップ505へ移行し、キー待ち状態に戻る。
ステップ509で、見出し語展開中でないならば、ステップ510へ移行し、展開可能な見出し語を選択中かどうか、つまり、同じ語句で始まる見出し語が、他に存在しない見出し語を選択しているかどうかを判断している。
ステップ510で、展開可能な見出し語を選択中ならば、ステップ513へ移行し、選択している見出し語と同じ語句で始まる、全ての見出し語を第2表示画面記憶部1407bへ格納する処理を行う。その後、ステップ504に戻り、第2表示画面記憶部1407bに格納された見出し語のリストを表示部10に表示する処理を行い、ステップ505のキー待ち状態へ移行する。ステップ510からステップ513、ステップ504へ移行する処理は、具体的には、図15(b)の画面152で“生活環境”の前に表示されている“3”が反転表示され、“生活環境”が選択されている状態で、[決定]キーを入力すると、図15(c)の画面153に示すように、“生活”で始まる見出し語である“生活環境”、“生活環”、“生活”を表示させる動作を行う。
ステップ508の処理で、選択した見出し語の解説データを表示することにより、解説データの反転表示している行に存在する見出し語の意味等の詳しい情報を知ることができ、解説データの文章における理解度を高めることができる効果がある。
ステップ514で、[↑]または[↓]キーの入力があれば、ステップ515で、見出し語の前に表示されている選択番号または選択アルファベットの反転表示を、上または下に移動させる。ここで、選択番号と選択アルファベットとは、見出し語の一覧表示の中で、どの見出し語が選択されているかを表すためのものであり、見出し語の前に表示している番号またはアルファベットの中で、反転表示している番号またはアルファベットの後ろに表示されている見出し語が選択されていると、ユーザーに分かりやすく知らしめるためのものである。
具体的には、図14(d)の画面144に示したように、“1”が反転表示しているならば、“1”の後ろにある“睡眠”が選択されていることを示しており、図15(d)の画面154に示したように、“C”が反転表示しているならば、“C”の後ろの“生活”が選択されていることを示している。
ステップ514で、[↑]または[↓]キーの入力がなかったならば、ステップ516へ移行し、その他のキー処理を行い、ステップ504の表示処理に戻る。
(見出し語を抽出する処理にかかる制御)
図4において、抽出行記憶部1402に、解説データの反転表示している行の文字を抽出し、図5にて、[切替]キーを何回入力したかを切替回数記憶部1406に切り替え回数として格納した後に、ステップ502を処理するときに、図6のステップ601に移行する。
(辞書の見出し語を検索する制御)
まず、図6のステップ601で、国語辞書リスト作成処理を行い、次にステップ602で、和訳辞書リスト作成処理を行う。国語辞書リスト作成処理は、図14(d)の画面144に示すように、解説データの反転表示している行から国語辞書に存在する見出し語の一覧を表示するための見出し語の検索、格納処理であり、図7のフローチャートに基づいて説明する。また、和訳辞書検索処理は、日本語から外国語に翻訳する辞書で見出し語を検索する処理であり、図14(e)の画面145に示すように、解説データの反転表示している行から和英辞書に存在する見出し語の一覧を表示するための見出し語の検索、格納処理であり、これも同じく図7のフローチャートに基づいて説明する。
図7は、解説データの反転表示している行から抽出した文字を格納している抽出行記憶部1402の中で、国語辞書と和訳辞書に存在する見出し語を検索し、それぞれの辞書で検索した見出し語を、リスト記憶部1408上の国語リスト記憶部1408aと和訳リスト記憶部1408bに格納する処理である。見出し語の格納については、国語辞書で検索した見出し語は、国語リスト記憶部1408aに格納し、和英辞書や日中辞書等の和訳辞書で検索した見出し語は、和訳リスト記憶部1408b上の各辞書に対応したリスト記憶部(1408b−a、・・・、1408b−n)に格納する。
次に、ステップ702では、終了ポインタ記憶部1403bに、開始ポインタの値を格納する。終了ポインタ記憶部1403bに格納される終了ポインタは、抽出する語句の終了位置を示しており、開始ポインタの位置の文字を先頭として、語句の抽出を終了させる位置を示すために用いられるポインタである。
抽出行記憶部1402上の“終了文字”は、抽出行記憶部1402の最後の文字の直後に格納されている。よって、開始ポインタの位置の文字が“終了文字”である場合は、解説データの反転表示している行の最後の文字を先頭の文字とした語句の抽出が終了したということであり、つまり、抽出行記憶部1402の最後まで語句の抽出が終了したということを表している。
もし、ステップ703の判断で、“終了文字”でなければ、ステップ704で、抽出行記憶部1402の開始ポインタの位置の文字が、“行区切文字”かどうかの判断を行う。
抽出行記憶部1402上の“行区切文字”は、解説データの反転表示している行の最後の文字の直後に格納されている。よって、開始ポインタの位置の文字が“行区切文字”である場合は、解説データの反転表示している行の最後の文字を先頭の文字とした語句の抽出が終了したということを表している。
その後、ステップ706へ移行し、リスト最適化処理を行い、全ての処理を終了する。
ステップ706のリスト最適化処理は、同じ文字で始まる語句の中で、文字数の多い順に並べる処理である。これは、同じ文字で始まる語句の中で、文字数が少ない語句よりも文字数が多い語句の方が、ユーザーが調べたい語句と合致する可能性が高く、その語句を画面の上方に表示することにより、ユーザーは、画面を極力スクロールすることなく、目的とする語句に早くたどり着けるよう利便性を高めるための処理である。
ステップ706のリスト最適化処理の詳細については、後述の図10のフローチャートにて説明を行う。
ステップ707の処理を行うのが、解説データの反転表示し、選択されている行から語句を抽出する本実施の形態の語句抽出手段である。
次に、ステップ708で、Buf1401に格納された語句で始まる語句が、国語辞書または和訳辞書の見出し語に存在するかどうかを判断する。もし、存在しなければ、抽出行記憶部1402上の次の語句の抽出を行うため、ステップ714へ移行し、開始ポインタ1403aに1を加算し、抽出する語句の開始位置を1つ後ろにずらした文字から始まる語句の抽出と、その語句が辞書の見出し語に存在するかどうかの検索を行っていく。
ステップ708からステップ709の処理を行うのが、解説データの反転表示している行から抽出した語句の中で、辞書の見出し語を検索する本実施の形態の検索手段である。また、ステップ708は抽出した語句を先頭に持つ見出し語を辞書から検索する前方一致検索手段による処理で、ステップ709が、抽出した語句と完全に一致する見出し語を検索する完全一致検索手段による処理であり、本実施の形態の検索手段は、この2つの手段から構成されている。
上記検索手段において、最初に前方一致検索手段による処理により、検索の対象となる語句で始まる語句があるかどうかを検索し、次に、前方一致検索手段により検索された語句が、検索対象の語句と完全に一致するかどうかを判断する完全一致検索手段の処理を行うことにより、最初から検索の対象となる語句が持つ全ての文字と、辞書の見出し語が持つ全ての文字が完全に一致するかどうかを判断するより、検索の効率が良くなり、検索処理が高速化される効果がある。
ステップ710の判断で、Buf1401に格納されている語句が1文字でなければ、ステップ711へ移行し、Buf1401に格納されている語句と、“区切り文字”を、国語リスト記憶部1408aまたは、和訳リスト記憶部1408bに格納する。
次に、ステップ713で、抽出行記憶部1402の終了ポインタ位置の文字が、“終了文字”かどうかの判断を行う。もし、“終了文字”ならば、終了ポインタは抽出行記憶部1402の最後の位置を指しており、これ以上後ろにポインタを移動させることは出来ないため、ステップ714へ移行し、開始ポインタを1つ後ろの位置に移動させる処理を行い、その位置の文字を先頭とする語句の抽出を行い、辞書の見出し語に存在するかどうか検索していくために、ステップ702へ移行する。
もし、ステップ713で、抽出行記憶部1402の終了ポインタ1403b位置の文字が、“終了文字”でないならば、ステップ715へ移行し、終了ポインタ位置の文字が、“行区切文字”かどうかの判断を行う。
“行区切文字”は、抽出行記憶部1402に格納されている解説データにおいて、反転表示している行の最後の文字の次に格納されている文字であり、それが格納されている意味は前述に説明した通りである。
上記の語句抽出手段による処理において、解説データの反転表示している行から次の行にまたがる語句を抽出することにより、行の終わりが語句の途中となっていて、次の行に続いているような解説データの場合でも、現在選択している行と、次の行の複数行を選択したり、または、現在選択している行から次の行にまたがっている語句の終わりまでを選択するような煩雑な操作を行う必要がなく、行をまたいでいる語句の1文字目が存在する行を選択するような、より簡単な操作で、行をまたいだ語句の抽出を行うことができる効果がある。
以上のようにして、解説データの反転表示している行から抽出された語句のうち、国語辞書、和訳辞書の見出し語に存在する語句を抽出し、その見出し語の一覧を格納する制御処理が行われる。以下に、図7のステップ706における、検索した見出し語の一覧表示に関して、ユーザーの操作性を高めるために、見出し語の表示する順番を変える処理の説明を行っていく。
図7の処理で、解説データの反転表示している行に存在する国語辞書と和訳辞書の見出し語を、それぞれ国語リスト記憶部1408aと和訳リスト記憶部1408bに格納しているが、図10では、見出し語ソート手段によって、国語リスト記憶部1408aに格納されている見出し語に対して、同じ語句で始まる見出し語の中で、文字数の多い順に並び替える処理を行っている。例えば、図7の処理で、“生活”、“区切り文字”、“生活環”、“区切り文字”、“生活環境”、“終了文字”が国語リスト記憶部1408aに格納されている場合、図10では、それらの語句を、文字数が多い順の“生活環境”、“区切り文字”、“生活環”、“区切り文字”、“生活”、“終了文字”の順番に並べ替える。
次に、ステップ1002で、ワークエリア1400のStartに格納されている数値に対して、Start個目が“終了文字”であるかどうかを判断している。もし、“終了文字”であるならば、それ以上語句が格納されていないため、図10の処理を終了している。
ステップ1002で、“終了文字”でなければ、ステップ1003で、ワークエリア1400のmにStartの値を格納する。
ステップ1004からステップ1005では、各辞書のリスト記憶部において、同じ語句で始まる見出し語の集まりが何個目までであるかを検索している。例えば、国語辞書で検索した見出し語が、“生活”、“生活環”、“生活環境”、“風邪”、“風邪薬”であった場合、“生活”と“生活環”と“生活環境”は、いずれも“生活”で始まる語句の集まりであり、“風邪”と“風邪薬”は、“風邪”で始まる語句の集まりであると判断される。
ステップ1004で、(m+1)個目の語句が、m個目の語句と同じ語句でないならば、ステップ1006へ移行し、ワークエリア1400のendにmの値を格納する。
ステップ1007で、ワークエリア1400のStartに格納されている値と、endに格納されている値が異なっているならば、ステップ1008へ移行し、選択されている辞書のリスト記憶部のStart個目の語句から、end個目までの語句の順番を入れ替える処理を行う。これにより、例えば、Start個目に格納されている語句が“生活”で、その次に格納されている語句が“生活環”、end個目に格納されている語句が“生活環境”であった場合、ステップ1007を行うことにより、“生活環境”、“生活環”、“生活”の順番に入れ替えられる。
また、図15(c)の画面153に示すように、“生活”で始まる全ての見出し語が表示されている場合は、“同類文字”の前に格納されている“生活環境”、“生活環”、“生活”を表示するように処理を行っている。つまり、同じ語句で始まる見出し語の中で、最も文字数の多い見出し語を表示するときには、“同類開始文字”を検索し、その後ろに格納されている見出し語を表示するように処理し、同じ語句で始まる全ての見出し語を表示するときは、“同類文字”を検索し、その前に格納されている見出し語を表示している。なお、“同類開始文字”と“同類文字”は、解説データ中の文字や“終了文字”等の本実施の形態で使用している文字と区別のつくものならばどんな文字でも構わない。
(漢字辞書から見出し語を検索する制御)
図8は、解説データの反転表示している行から抽出した文字を格納している抽出行記憶部1402の中で、漢字辞書に存在する見出し語を検索し、漢字辞書で検索した見出し語を、リスト記憶部1408上の漢字リスト記憶部1408eに格納する処理である。
次に、ステップ802では、抽出行記憶部1402の開始ポインタ位置の文字が、“終了文字”かどうかの判断を行う。
もし、ステップ803の判断で、“終了文字”でなければ、ステップ804で、抽出行記憶部1402の開始ポインタの位置の文字が、“行区切文字”かどうかの判断を行う。
ステップ803の判断で、抽出行記憶部1402の開始ポインタ位置の文字が、“行区切文字”でないならば、ステップ805で、開始ポインタの文字をBuf1401へ格納する。
もし、ステップ806で、Buf1401に格納された語句と同じ見出し語が漢字辞書に存在すれば、ステップ807へ移行し、Buf1401に格納されている語句と、“区切り文字”を、漢字リスト記憶部1408eに格納する。
図7における、国語辞書と和訳辞書から見出し語を検索する処理では、表示している解説データの反転している行から語句を抽出する際に、任意の文字数の語句を抽出しているが、図8における漢字辞書から見出し語を検索する処理では、漢字辞書の見出し語には、1文字の漢字しか存在しないので、表示している解説データの反転している行から1文字の語句を抽出し、その語句が漢字辞書の見出し語にあるかどうかを検索していることである。
以上のようにして、解説データの反転表示している行から1文字の語句のみを抽出することにより、任意の文字数を持つ語句を全て抽出する処理を行うよりも、処理を簡略化し、高速化することができる効果がある。
(国語辞書、和訳辞書、漢字辞書以外の辞書から見出し語を検索する制御)
図9は、反転表示している解説データの行から抽出した文字を格納している抽出行記憶部1402上の中で、国語辞書と和訳辞書と漢字辞書以外の外国語翻訳辞書、古語辞書、その他の辞書に存在する見出し語を検索し、それぞれの辞書で検索した見出し語を、リスト記憶部1408上の外国語翻訳リスト記憶部1408cと古語リスト記憶部1408dとその他の辞書リスト記憶部1408fに格納する処理である。見出し語の格納については、英和辞書や中日辞書等の外国語翻訳辞書で検索した見出し語は、外国語翻訳リスト記憶部1408c上の各辞書に対応したリスト記憶部(1408c−a、・・・、1408c−n)に格納し、古語辞書で検索した見出し語は、古語リスト記憶部1408dに格納し、上記以外の辞書で検索した見出し語は、その他の辞書リスト記憶部1408fに格納する。
図9には、図7のステップ706で、同じ語句で始まる見出し語の中で、文字数の多い順に並べ替えるリスト最適化処理と、ステップ710で、抽出行記憶部1402から抽出した語句が1文字の場合は、その語句を格納しない処理が存在しない。
図9において、これらの処理が存在しない理由は、1文字の見出し語を表示しないことや、同じ語句で始まる見出し語の中で、文字数の多い順に並べることが、必ずしもユーザーに取って都合がよいとは限らないためである。例えば、“に”という語句を古語辞書で検索すると、助動詞“ぬ”の連用形であったり、助動詞“なり”の連用形であったり、他にも様々な意味がある。もし、リスト最適化処理で行ったような1文字の語句を見出し語として表示しなければ、上記のような“に”の様々な意味を知ることができず、ユーザーにとっては不便である。また、古語辞書は、“生活”、“生活環”、“生活環境”のような同じ語句で始まる見出し語が、国語辞書と比較して少ないために、リスト最適化処理の有用性があまり高くない。よって、これらの処理時間を少なくし、より短時間で、辞書に存在する見出し語のリスト表示を行うほうが、ユーザーにとって、ストレスがなく、操作性がよいという効果がある。
しかし、もし、ユーザーにとって有用性があるような見出し語表示のルールがあるならば、図7のステップ706のリスト最適化処理のように、各辞書のリスト記憶部に見出し語を格納する際に、そのルールを適用する処理を実施すればよい。
(見出し語のリストを表示する制御)
図11は、反転表示している解説データの行から抽出した見出し語を表示する処理である。
図11の処理直前の第2表示画面記憶部1407bの内容は、タグ表示を行っている辞書のリスト記憶部に格納されている見出し語と、見出し語に付随している“区切り文字”と“同類開始文字”と“同類文字”と“終了文字”とが、表示する内容に応じた必要なもののみ格納されている。例えば、図15(b)の画面152を表示しているときは、“1”、“睡眠”、“改行文字”、“2”、“不足”、“区切り文字”、“同類開始文字”、“3”、“生活環境”、“同類文字”、“区切り文字”、“終了文字”が格納されている。第2表示画面記憶部1407bを表示するときは、“同類開始文字”、“同類文字”、“終了文字”は表示せず、“区切り文字”は改行として表示される。
次に、ステップ1102で、第2表示画面記憶部1407bに格納されている見出し語の後ろに格納されている文字が、“区切り文字”のみかどうかの判断を行う。“区切り文字”のみであるならば、ステップ1103へ移行し、“区切り文字”の前に格納されている見出し語の前に選択番号を格納した後、ステップ1102へ戻り、次の見出し語の処理を行っていく。具体的には、図14(d)の画面144に示すように、“睡眠”という見出し語の前に表示している“1”や、“不足”の前に表示している“2”の文字を、第2表示画面記憶部1407bに格納する処理である。
この処理により、図14(d)の画面144に示したような、国語辞書に存在する見出し語のリスト表示や、図14(e)の画面145に示したような、和英辞書に存在する見出し語のリスト表示を行うことが出来る。
上記のように、各辞書に存在する見出し語のリスト表示を行うことにより、解説データの反転表示している行から、必要とする辞書を選択することにより、その辞書の見出し語を簡単に探し出すことができる効果がある。
(見出し語の一覧表示及び、一覧表示中のキーの動作にかかる制御(B))
図12の見出し語モード処理(B)の説明を行っていく。図5で説明した見出し語モード処理(A)では、解説データの反転表示している行から、辞書の見出し語を検索し、格納する処理を、全ての辞書において実施した後、タグ表示している辞書の見出し語を表示する処理を行っている。これにより、[切替]キーを入力して、表示する辞書を切り替える度に、辞書データの見出し語を検索する処理が必要ないので、表示する辞書を切り替える処理を高速化できるという効果がある。
ステップ502の見出し語抽出処理では、上記のように、解説データの反転表示している行に存在する辞書の見出し語の検索、格納する処理を、全ての辞書データにおいて実施している。
ステップ1202のタグ辞書見出し語抽出処理は、タグ表示を行っている辞書のみから見出し語の検索を行い、検索した見出し語を格納する処理であり、図13のフローチャートに基づいて説明する。
ここでは、図14(d)の画面144に示したように、解説データの任意の行が反転表示しているときに、[決定]キーを入力し、タグ表示している辞書の見出し語を表示するときに、表示する辞書の順番は、国語辞書、和英辞書、日中辞書、漢字辞書の順番である場合において、以下に説明を行っていく。
次に、ステップ1303で、切替回数記憶部1406に格納されている値が“2”でないならば、ステップ1305で、“3”かどうかの判断を行う。もし、“3”ならば、ステップ1306で、解説データの反転表示している行から、外国語翻訳辞書の見出し語を検索し、検索した見出し語を外国語翻訳リスト記憶部1408cに格納する処理を行い、図13の処理を終了する。
次に、ステップ1307で、切替回数記憶部1406に格納されている値が“4”でないならば、ステップ1309で、“5”かどうかの判断を行う。もし、“5”ならば、ステップ1310で、解説データの反転表示している行から、漢字辞書の見出し語を検索し、検索した見出し語を漢字リスト記憶部1408eに格納する処理を行い、図13の処理を終了する。
次に、ステップ1311の判断で、切替回数記憶部1406に格納されている値が検索辞書個数の値より小さいならば、ステップ1312で、解説データの反転表示している行から、国語辞書、和訳辞書、外国語翻訳辞書、古語辞書、漢字辞書以外の辞書の見出し語を検索し、検索した見出し語をその他の辞書リスト記憶部1408fに格納する処理を行い、図13の処理を終了する。
上記のように、解説データの反転表示している行から自動的に辞書の見出し語を検索し、検索した見出し語を表示することにより、ユーザーが、知りたい語句をカーソル等で指示し、知りたい語句のみを反転表示するような操作をする必要がなく、反転表示する行を、上下方向に移動させるだけでよいため、操作性がよくなる。更に、解説データ中の知りたい語句と同じ行にある、他の見出し語も表示するため、他の語句の意味等を知りたい際の操作性も向上する。また、解説データ中の反転表示している行に含まれる複数の見出し語の意味が分からず、文章内容が理解できないときには、反転している行に存在する様々な見出し語を表示し、その意味を簡単に知ることができるため、行の文章内容を理解するのに要する時間が短くてすむ。
以上は、解説データの反転表示している行から語句を抽出し、その語句の中から辞書の見出し語を検索し、検索した見出し語を表示する処理を詳細に説明したものであり、以下に、図14と図15の表示例で、本実施の形態の解説データから自動的に辞書の見出し語を検索し、検索した見出し語を表示し、表示した見出し語の中から選択した見出し語の意味を表示する処理について説明する。これにより、さらに本発明がより明確になるものと確信する。
図14は、表示している解説データ上で反転表示し、選択している行から辞書の見出し語を検索し、表示するときの表示画面である。
次に、図14(b)の画面142を表示中に、[決定]キーを入力すると、図14(d)の画面144のように、選択しているデータの1行目の語句から、国語辞書の見出し語を検索し、その見出し語を表示する。この場合は、反転表示しているデータの1行目の“睡眠不足”から、国語辞書の見出し語に存在する“睡眠”、“不足”を、見出し語のリスト表示の1つ目と2つ目に表示している。なお、“睡”、“眠”、“不”、“足”のような1文字の見出し語は、ユーザーが知りたい単語である可能性が低く、これらの見出し語を表示すると、画面が煩雑になり、知りたい単語を選択するために、画面をスクロールする必要が生じ、操作性がよくないため表示していない。
これらの選択している行から、国語辞書及び和訳辞書に存在する見出し語を検索し、格納する処理は、図7のフローチャートの処理で行っている。更に、格納した見出し語を表示する処理は、図11のフローチャートの処理で行っている。
図14(b)の画面142のように、表示している解説データの行を選択後に、[決定]キーを入力するだけで、図14(d)の画面144のように、選択されている行から、自動的に国語辞書に存在する見出し語を検索し、表示しているので、従来のように、図14(a)の画面141において、意味を知りたい単語をカーソルで指示する必要がなく、容易に単語の選択を行うことができる。
図15(a)の画面151は、解説データの反転表示している1行目から、国語辞書に存在する見出し語を検索、表示している画面である。このとき、1つ目の見出し語である“睡眠”に付随している“1”の番号が反転表示しており、“睡眠”が選択されていることを表している。
次に、図15(a)の画面151を表示中に、[↓]キーを2回入力すると、“睡眠”を選択していることを表していた番号の反転表示が、2つ下に移動し、“生活環境”に付随している“3”の番号が反転表示される。
次に、図15(c)の画面153を表示中に、[↓]キーを2回入力すると、図15(d)の画面154のように、“生”で始まる見出し語の中で、3つ目の見出し語である“生活”を選択している画面が表示される。
図15(c)の画面153を表示中に、[決定]キーを入力すると、図15(c)の画面153で選択されている“生活環境”が決定され、図15(e)の画面155のように、“生活環境”の意味を表示する。
131 プログラム
1402 抽出行記憶部
1403a 開始ポインタ記憶部
1403b 終了ポインタ記憶部
1406 切替回数記憶部
1408a 国語リスト記憶部
1408b 和訳リスト記憶部
1408c 外国語翻訳リスト記憶部
1408d 古語リスト記憶部
1408e 漢字リスト記憶部
1408f その他の辞書リスト記憶部
1407 表示用画面記憶部
1407a 第1表示画面記憶部
1407b 第2表示画面記憶部
Claims (12)
- 見出し語に対応した解説データを有する複数種類の辞書データを記憶した辞書データ記憶手段を具備し、表示用の電子データを出力する電子機器において、
表示された電子データから1行又は複数行を選択し、
選択された行の最後が区切り文字であった場合は、行の先頭から選択された行の最後までを行の選択範囲とし、
選択された行の最後が区切り文字でなかった場合は、選択された行の先頭から選択された行の次の行の区切り文字までを行の選択範囲とする行選択手段と、
前記行選択手段で選択された行の選択範囲から語句を抽出する語句抽出手段と、
前記語句抽出手段で抽出された語句と一致する見出し語を前記複数種類の辞書データから検索する検索手段と、
前記検索手段で検索された見出し語を辞書の種類毎に表示し、表示した見出し語の中から選択された1つの見出し語の意味を表示させる表示制御手段と、
を備えたことを特徴とする電子機器。 - 前記複数種類の辞書データ毎に検索された見出し語を記憶するリスト記憶手段をさらに備え、
前記検索手段は、複数種類の辞書データから検索した見出し語を、辞書データの種類毎に対応したリスト記憶手段に記憶し、
前記表示制御手段は、前記電子データを表示するとともに、前記複数種類の辞書データの名称を表示し、表示されている辞書データの名称が選択されたことに基づき、選択された辞書データに対応したリスト記憶手段に記憶された見出し語を表示させることを特徴とする請求項1に記載の電子機器。 - 前記区切り文字は、句読点、スペース、記号、カンマ、ピリオド、コロン、セミコロン、疑問符、感嘆符のいずれかであることを特徴とする請求項1または2に記載の電子機器。
- 前記語句抽出手段は、前記選択された行の選択範囲の先頭文字を開始位置として、該開始位置の文字より後方に1文字ずらした位置を終了位置として、開始位置から終了位置までの語句を抽出し、
前記検索手段は、前記抽出された語句と一致する見出し語を前記辞書データから検索し、
検索された場合は、検索された見出し語を前記辞書データ毎に記憶し、
さらに、
前記語句抽出手段により前記終了位置をさらに後方に1文字ずらした位置を終了位置として、開始位置から終了位置までの語句の抽出と、前記検索手段により該抽出した語句と一致する見出し語の検索と、検索された見出し語の記憶とを、抽出された語句と一致する見出し語が検索されなくなるまで繰り返し行うことを特徴とする請求項1から3までのいずれか1項に記載の電子機器。 - 前記検索手段により前記抽出された語句と一致する見出し語が辞書データから検索されなかった場合、
前記語句抽出手段は、前記開始位置を後方に1文字ずらした位置を開始位置として語句の抽出を行うことを特徴とする請求項4に記載の電子機器。 - 前記語句抽出手段は、前記終了位置が前記行の選択範囲を越えた場合、前記開始位置を後方に1文字ずらした位置を開始位置として語句の抽出を行うことを特徴とする請求項4に記載の電子機器。
- 前記語句抽出手段は、前記開始位置が、前記行選択手段により表示された電子データから選択された1行または複数行の最後の文字位置を越えた場合は、語句の抽出を行わないことを特徴とする請求項4に記載の電子機器。
- 前記検索手段は、前記リスト記憶手段に記憶された見出し語を、前記開始位置が同じである見出し語の中で文字数の多い順番に並べ替え、
前記表示制御手段は、前記開始位置が同じである見出し語の中で文字数が最も多い見出し語を表示するとともに、開始位置が同じであり、かつ該見出し語とは異なる他の見出し語を有することを示す表示形態で表示することを特徴とする請求項4から7のいずれか1項に記載の電子機器。 - 前記表示制御手段は、表示された見出し語の中で、他の見出し語を有することを示す表示形態で表示された見出し語が選択されたことに基づいて、該選択された見出し語と他の見出し語とを表示させることを特徴とする請求項8に記載の電子機器。
- 見出し語に対応した解説データを有する複数種類の辞書データを記憶した辞書データ記憶手段と、電子データを表示する表示部を具備する電子機器によって、見出し語を表示する見出し語表示方法であって、
行選択手段によって、前記表示された電子データから1行又は複数行を選択し、選択された行の最後が区切り文字であるかどうかを判断し、区切り文字である場合は、行の先頭から選択された行の最後までを行の選択範囲とし、選択された行の最後が区切り文字でない場合は、選択された行の先頭から選択された行の次の行の区切り文字までを行の選択範囲とする行選択ステップと、
語句抽出手段によって、前記行選択ステップで選択された行の選択範囲の電子データを取得し、該取得した電子データから語句を抽出する語句抽出ステップと、
検索手段によって、前記語句抽出ステップで抽出された語句と一致する見出し語を前記複数種類の辞書データから検索する検索ステップと、
表示制御手段によって、前記検索ステップで検索された見出し語を辞書の種類毎に表示部に表示し、表示した見出し語の中から選択された1つの見出し語の意味を表示させる表示制御ステップと、
をコンピュータに実行させる見出し語表示方法。 - 見出し語に対応した解説データを有する複数種類の辞書データを記憶した辞書データ記憶手段と、電子データを表示する表示部を具備する電子機器によって、見出し語を表示するためのプログラムであって、
行選択手段によって、前記表示された電子データから1行又は複数行を選択し、選択された行の最後が区切り文字であるかどうかを判断し、区切り文字である場合は、行の先頭から選択された行の最後までを行の選択範囲とし、選択された行の最後が区切り文字でない場合は、選択された行の先頭から選択された行の次の行の区切り文字までを行の選択範囲とする行選択ステップと、
語句抽出手段によって、前記行選択ステップで選択された行の選択範囲の電子データを取得し、該取得した電子データから語句を抽出する語句抽出ステップと、
検索手段によって、前記語句抽出ステップで抽出された語句と一致する見出し語を前記複数種類の辞書データ記憶手段から検索する検索ステップと、
表示制御手段によって、前記検索ステップで検索された見出し語を辞書の種類毎に表示部に表示し、表示した見出し語の中から選択された1つの見出し語の意味を表示させる表示制御ステップと、
をコンピュータに実行させるためのプログラム。 - 請求項11記載のプログラムを記憶したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2005219203A JP4491389B2 (ja) | 2005-07-28 | 2005-07-28 | 電子機器、プログラム、及びプログラムを記録した記録媒体 |
Applications Claiming Priority (1)
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