JP4490092B2 - 熱可塑性樹脂組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、特定のイソブチレン系ブロック共重合体、熱可塑性ポリウレタン系樹脂、及び、特定の官能基を含有するオレフィン系重合体又はスチレン系重合体を含有してなる熱可塑性樹脂組成物に関する。
近年ゴム的な軟質材料であって、加硫工程を要せず、熱可塑性樹脂と同様な成形加工性を有する熱可塑性エラストマーが注目されている。このような熱可塑性エラストマーには現在、ポリオレフィン系、ポリウレタン系、ポリエステル系、ポリスチレン系等の種々のポリマーが開発され、市販されている。
これら熱可塑性エラストマーのなかでも、ポリスチレン系熱可塑性エラストマー(特許文献1参照)は加工性、コスト面より広く利用されているが、低硬度、耐油性、透明性等をすべて満足するものはなかった。
特開平11−293083号公報
本発明の目的は、低硬度、耐油性、透明性等に優れた熱可塑性樹脂組成物を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究を積み重ねた結果、特定のイソブチレン系ブロック共重合体、熱可塑性ポリウレタン系樹脂、及び、特定の官能基を含有するオレフィン系重合体又はスチレン系重合体を含有してなる熱可塑性樹脂組成物が前記課題を解決することを見出し、本発明に至ったものである。
即ち本発明は、(a)イソブチレンを主成分とする重合体ブロックと、イソブチレンを主成分としない単量体成分からなる重合体ブロックとから構成されるイソブチレン系ブロック共重合体5〜95重量%、(b)熱可塑性ポリウレタン5〜95重量%からなる組成物の総量100重量部に対し、(c)エポキシ基、アミノ基、水酸基、酸無水物基、カルボキシル基及びその塩、並びに、カルボン酸エステルからなる群より選ばれる少なくとも1種の官能基を含有するオレフィン系重合体又はスチレン系重合体0.1〜50重量部、を含有することを特徴とする熱可塑性樹脂組成物に関する。
好ましい実施態様としては、(a)成分のイソブチレンを主成分としない単量体成分が、芳香族ビニル系単量体を主成分とする単量体成分であることを特徴とする熱可塑性樹脂組成物に関する。
好ましい実施態様としては、芳香族ビニル系単量体がスチレン、p−メチルスチレン、α−メチルスチレン及びインデンからなる群から選ばれる少なくとも1種以上である熱可塑性樹脂組成物に関する。
好ましい実施態様としては、(a)イソブチレン系ブロック共重合体が、芳香族ビニル系単量体を主成分とする重合体ブロック−イソブチレンを主成分とする重合体ブロック−芳香族ビニル系単量体を主成分とする重合体ブロックからなるトリブロック共重合体、芳香族ビニル系単量体を主成分とする重合体ブロック−イソブチレンを主成分とする重合体ブロックからなるジブロック共重合体、及び、芳香族ビニル系単量体を主成分とする重合体ブロックとイソブチレンを主成分とする重合体ブロックからなるアームを3つ以上有する星型ブロック共重合体からなる群から選ばれる少なくとも1種以上であることを特徴とする熱可塑性樹脂組成物に関する。
好ましい実施態様としては、(c)成分のオレフィン系重合体又はスチレン系重合体が、酸無水物基を有するスチレン−エチレンブチレン−スチレン共重合体(MAH−SEBS)であることを特徴とする熱可塑性樹脂組成物に関する。
以下に本発明を詳細に説明する。
本発明の(a)イソブチレン系ブロック共重合体は、イソブチレンを主成分とする重合体ブロック及びイソブチレンを主成分としない単量体成分からなる重合体ブロックを有しているものであれば特に制限はなく、例えば、直鎖状、分岐状、星状等の構造を有するブロック共重合体、ジブロック共重合体、トリブロック共重合体、マルチブロック共重合体等のいずれも選択可能である。好ましいブロック共重合体としては、物性バランス及び必要に応じて使用される後述の軟化剤の吸収能の点から、イソブチレンを主成分としない単量体成分からなる重合体ブロック−イソブチレンを主成分とする重合体ブロック−イソブチレンを主成分としない単量体成分からなる重合体ブロックからなるトリブロック共重合体、イソブチレンを主成分としない単量体成分からなる重合体ブロック−イソブチレンを主成分とする重合体ブロックからなるジブロック共重合体、イソブチレンを主成分としない単量体成分からなる重合体ブロックとイソブチレンを主成分とする重合体ブロックからなるアームを3本以上有する星型ブロック共重合体等が挙げられる。これらは所望の物性・成形加工性を得る為に1種又は2種以上を組み合わせて使用可能である。
本発明のイソブチレンを主成分としない単量体成分は、イソブチレンの含有量が30重量%以下である単量体成分を示す。イソブチレンを主成分としない単量体成分中のイソブチレンの含有量は10重量%以下であることが好ましく、3重量%以下であることがさらに好ましい。
本発明のイソブチレンを主成分としない単量体成分中の、イソブチレン以外の単量体は、カチオン重合可能な単量体成分であれば特に限定されないが、脂肪族オレフィン系、芳香族ビニル系、ジエン系、ビニルエーテル系、シラン化合物、ビニルカルバゾール、β−ピネン、アセナフチレン等の単量体が例示できる。これらは1種又は2種以上組み合わせて使用される。
脂肪族オレフィン系単量体としては、エチレン、プロピレン、1−ブテン、2−メチル−1−ブテン、3−メチル−1−ブテン、ペンテン、ヘキセン、シクロヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、ビニルシクロヘキサン、オクテン、ノルボルネン等が挙げられる。
芳香族ビニル系単量体としては、スチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、α−メチルスチレン、β−メチルスチレン、2,6−ジメチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、α−メチル−o−メチルスチレン、α−メチル−m−メチルスチレン、α−メチル−p−メチルスチレン、β−メチル−o−メチルスチレン、β−メチル−m−メチルスチレン、β−メチル−p−メチルスチレン、2,4,6−トリメチルスチレン、α−メチル−2,6−ジメチルスチレン、α−メチル−2,4−ジメチルスチレン、β−メチル−2,6−ジメチルスチレン、β−メチル−2,4−ジメチルスチレン、o−クロロスチレン、m−クロロスチレン、p−クロロスチレン、2,6−ジクロロスチレン、2,4−ジクロロスチレン、α−クロロ−o−クロロスチレン、α−クロロ−m−クロロスチレン、α−クロロ−p−クロロスチレン、β−クロロ−o−クロロスチレン、β−クロロ−m−クロロスチレン、β−クロロ−p−クロロスチレン、2,4,6−トリクロロスチレン、α−クロロ−2,6−ジクロロスチレン、α−クロロ−2,4−ジクロロスチレン、β−クロロ−2,6−ジクロロスチレン、β−クロロ−2,4−ジクロロスチレン、o−t−ブチルスチレン、m−t−ブチルスチレン、p−t−ブチルスチレン、o−メトキシスチレン、m−メトキシスチレン、p−メトキシスチレン、o−クロロメチルスチレン、m−クロロメチルスチレン、p−クロロメチルスチレン、o−ブロモメチルスチレン、m−ブロモメチルスチレン、p−ブロモメチルスチレン、シリル基で置換されたスチレン誘導体、インデン、ビニルナフタレン等が挙げられる。
ジエン系単量体としては、ブタジエン、イソプレン、ヘキサジエン、シクロペンタジエン、シクロヘキサジエン、ジシクロペンタジエン、ジビニルベンゼン、エチリデンノルボルネン等が挙げられる。
ビニルエーテル系単量体としては、メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、n−プロピルビニルエーテル、イソプロピルビニルエーテル、n−ブチルビニルエーテル、sec−ブチルビニルエーテル、tert−ブチルビニルエーテル、イソブチルビニルエーテル、メチルプロペニルエーテル、エチルプロペニルエーテル等が挙げられる。
シラン化合物としては、ビニルトリクロロシラン、ビニルメチルジクロロシラン、ビニルジメチルクロロシラン、ビニルジメチルメトキシシラン、ビニルトリメチルシラン、ジビニルジクロロシラン、ジビニルジメトキシシラン、ジビニルジメチルシラン、1,3−ジビニル−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン、トリビニルメチルシラン、γ−メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロイルオキシプロピルメチルジメトキシシラン等が挙げられる。
本発明のイソブチレンを主成分としない単量体成分は、物性及び重合特性等のバランスから、芳香族ビニル系単量体を主成分とする単量体成分であることが好ましい。本発明の芳香族ビニル系単量体を主成分とする単量体成分は、芳香族ビニル系単量体の含有量が60重量%以上、好ましくは80重量%以上である単量体成分を示す。芳香族ビニル系単量体としては、スチレン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレン及びインデンからなる群から選ばれる1種以上の単量体を使用することが好ましく、コストの面からスチレン、α−メチルスチレン、あるいはこれらの混合物を用いることが特に好ましい。
また本発明のイソブチレンを主成分とする単量体成分は、イソブチレン以外の単量体を含んでいてもよいし、含んでいなくても良く、通常、イソブチレンを60重量%以上、好ましくは80重量%以上含有する単量体成分である。イソブチレン以外の単量体としてはカチオン重合可能な単量体であれば特に制限はないが、例えば上記の単量体等が挙げられる。
イソブチレンを主成分とする重合体ブロックとイソブチレンを主成分としない単量体成分からなる重合体ブロックの割合に関しては、特に制限はないが、各種物性の面から、イソブチレンを主成分とする重合体ブロックが40から95重量%、イソブチレンを主成分としない単量体成分からなる重合体ブロックが5から60重量%であることが好ましく、イソブチレンを主成分とする重合体ブロックが50から85重量%、イソブチレンを主成分としない単量体成分からなる重合体ブロックが15から50重量%であることが特に好ましい。
またイソブチレン系ブロック共重合体の数平均分子量にも特に制限はないが、流動性、加工性、物性等の面から、30000〜500000であることが好ましく、50000〜400000であることが特に好ましい。イソブチレン系ブロック共重合体の数平均分子量が30000よりも低い場合には、必要に応じて使用される軟化剤のブリードアウトが起こる傾向にあり機械的な物性が十分に発現されず、一方500000を超える場合には流動性、加工性の面で不利である。上記数平均分子量は、Waters社製ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)システム(カラム:昭和電工株式会社製Shodex K−804(ポリスチレンゲル)、移動相:クロロホルム)を用いて測定した値である。
イソブチレン系ブロック共重合体の製造方法については特に制限はないが、例えば、下記一般式(1)で表される化合物の存在下に、イソブチレンを主成分とする単量体成分及びイソブチレンを主成分としない単量体成分を重合させることにより得られる。
(CRX)n (1)
[式中Xはハロゲン原子、炭素数1〜6のアルコキシ基又は炭素数1〜6のアシロキシ基を示す。R、Rはそれぞれ水素原子または炭素数1〜6の1価の炭化水素基を示し、R、Rは同一であっても異なっていても良い。Rは多価芳香族炭化水素基または多価脂肪族炭化水素基であり、nは1〜6の自然数を示す。]
上記一般式(1)で表される化合物は開始剤となるもので、ルイス酸等の存在下炭素陽イオンを生成し、カチオン重合の開始点になると考えられる。本発明で用いられる一般式(1)の化合物の例としては、次のような化合物等が挙げられる。
(1−クロル−1−メチルエチル)ベンゼン〔CC(CHCl〕、1,4−ビス(1−クロル−1−メチルエチル)ベンゼン〔1,4−Cl(CHCCC(CHCl〕、1,3−ビス(1−クロル−1−メチルエチル)ベンゼン〔1,3−Cl(CHCCC(CHCl〕、1,3,5−トリス(1−クロル−1−メチルエチル)ベンゼン〔1,3,5−(ClC(CH〕、1,3−ビス(1−クロル−1−メチルエチル)−5−(tert−ブチル)ベンゼン〔1,3−(C(CHCl)-5−(C(CH)C
これらの中でも特に好ましいのはビス(1−クロル−1−メチルエチル)ベンゼン[C(C(CHCl)]、トリス(1−クロル−1−メチルエチル)ベンゼン[(ClC(CH]である。なおビス(1−クロル−1−メチルエチル)ベンゼンは、ビス(α−クロロイソプロピル)ベンゼン、ビス(2−クロロ−2−プロピル)ベンゼンあるいはジクミルクロライドとも呼ばれ、トリス(1−クロル−1−メチルエチル)ベンゼンは、トリス(α−クロロイソプロピル)ベンゼン、トリス(2−クロロ−2−プロピル)ベンゼンあるいはトリクミルクロライドとも呼ばれる。
イソブチレン系ブロック共重合体を重合により製造する際に、さらにルイス酸触媒を共存させることもできる。このようなルイス酸としてはカチオン重合に使用できるものであれば良く、TiCl、TiBr、BCl、BF、BF・OEt、SnCl、SbCl、SbF、WCl、TaCl、VCl、FeCl、ZnBr、AlCl、AlBr等の金属ハロゲン化物;EtAlCl、EtAlCl等の有機金属ハロゲン化物を好適に使用することができる(Etはエチル基を表す)。中でも触媒としての能力、工業的な入手の容易さを考えた場合、TiCl、BCl、SnClが好ましい。ルイス酸の使用量は、特に限定されないが、使用する単量体の重合特性あるいは重合濃度等を鑑みて設定することができる。通常は一般式(1)で表される化合物に対して0.1〜100モル当量使用することができ、好ましくは1〜50モル当量の範囲である。
イソブチレン系ブロック共重合体の重合に際しては、さらに必要に応じて電子供与体成分を共存させることもできる。この電子供与体成分は、カチオン重合に際して、成長炭素カチオンを安定化させる効果があるものと考えられており、電子供与体の添加によって分子量分布の狭い構造が制御された重合体を生成することができる。使用可能な電子供与体成分としては特に限定されないが、例えば、ピリジン類、アミン類、アミド類、スルホキシド類、エステル類、または金属原子に結合した酸素原子を有する金属化合物等を挙げることができる。
イソブチレン系ブロック共重合体の重合は必要に応じて有機溶媒中で行うことができ、有機溶媒としてはカチオン重合を本質的に阻害しなければ特に制約なく使用することができる。具体的には、塩化メチル、ジクロロメタン、クロロホルム、塩化エチル、ジクロロエタン、n−プロピルクロライド、n−ブチルクロライド、クロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素;ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、プロピルベンゼン、ブチルベンゼン等のアルキルベンゼン類;エタン、プロパン、ブタン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、ノナン、デカン等の直鎖式脂肪族炭化水素類;2−メチルプロパン、2−メチルブタン、2,3,3−トリメチルペンタン、2,2,5−トリメチルヘキサン等の分岐式脂肪族炭化水素類;シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、エチルシクロヘキサン等の環式脂肪族炭化水素類;石油留分を水添精製したパラフィン油等を挙げることができる。
これらの溶媒は、ブロック共重合体を構成する単量体の重合特性及び生成する重合体の溶解性等のバランスを考慮して単独又は2種以上を組み合わせて使用される。
上記溶媒の使用量は、得られる重合体溶液の粘度や除熱の容易さを考慮して、重合体の濃度が好ましくは1〜50重量%、より好ましくは5〜35重量%となるように決定することができる。
実際の重合を行うに当たっては、各成分を冷却下例えば−100℃以上0℃未満の温度で混合することが好ましい。エネルギーコストと重合の安定性を釣り合わせるために、特に好ましい温度範囲は−80℃〜−30℃である。
本発明の(b)熱可塑性ポリウレタン系樹脂としては、エステル系、エーテル系、カーボネート系等、各種の熱可塑性ポリウレタン系樹脂が使用される。
熱可塑性ポリウレタン系樹脂(b)としては、例えば、(イ)有機ジイソシアネート、(ロ)鎖伸張剤、(ハ)高分子ポリオールからなる熱可塑性ポリウレタン系樹脂が挙げられる。その製造方法はいかなる方法でも良く、例えば(イ)成分と、予め均一に混合した(ロ)成分および(ハ)成分とを高速攪拌混合して離型処理したバット上に流延して必要に応じて200℃以下の温度で反応して製造するか、或いは、(イ)成分と(ロ)成分を加えて末端イソシアネート基のプレポリマーとした後、(ハ)成分を加えて高速攪拌混合し離型処理したバット上に流延して、必要に応じて200℃以下の温度で反応して製造するなど従来より公知の技術を利用できる。
有機ジイソシアネート(イ)としては、従来より公知のものがいずれも使用できるが、例えばヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、キシレンジイソシアネート、シクロヘキサンジイソシアネート、トルイジンジイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネート、m−フェニレンジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネートなどの単独あるいはこれらの混合物が使用できる。
鎖伸張剤(ロ)としては、分子量が500より小さいジヒドロキシ化合物が使用できるが、例えば、エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、2,3−ブチレングリコール、1,4−ブタンジオール、2,2’−ジメチル−1,3−プロパンジオール、ジエチレングリコール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、シクロヘキサン−1,4−ジオール、シクロヘキサン−1,4−ジメタノールなどの単独あるいは混合物が挙げられる。
高分子ポリオール(ハ)としては、平均分子量が500〜4000のジヒドロキシ化合物が使用できるが、例えば、ポリエステルジオール、ポリエーテルジオール、ポリカーボネートジオール等が挙げられる。
ポリエステルジオールとしては、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、シクロヘキサンジメタノール、或いはその他の低分子ジオール成分の1種叉は2種以上とグルタル酸、スベリン酸、セバシン酸、テレフタル酸、イソフタル酸等の低分子ジカルボン酸の1種叉は2種以上との縮合重合物やラクトンの開環重合で得たポリラクトンジオール、例えばポリプロピオラクトンジオール、ポリカプロラクトンジオール、ポリバレロラクトンジオール等が挙げられる。
ポリエーテルジオールとしては、ポリプロピレンエーテルグリコール、ポリテトラメチレンエーテルグリコール、ポリヘキサメチレンエーテルグリコール、その他の共重合ポリエーテルグリコール等が挙げられる。
ポリカーボネートジオールとしては、ポリヘキサメチレンカーボネートジオール、ポリヘキサメチレンカーボネートジオールにラクトンを開環付加重合して得られるジオール、ポリヘキサメチレンカーボネートジオールと他のポリエステルジオール、ポリエーテルジオール、ポリエーテル・エステルジオールとの共縮合物等が挙げられる。
上記熱可塑性ポリウレタン系樹脂は、1種又は2種以上を用いることができる。
本発明の熱可塑性樹脂組成物の透明性を高めるためには、(a)成分と(b)成分の屈折率が近いものを組み合わせることで実現できる。屈折率は、アッベ屈折計NAR−3T(株式会社アタゴ製)のような、ナトリウムのD線を用いた方法で測定した値を使用することができる。
成分(b)熱可塑性ポリウレタン系樹脂の配合量は、成分(a)イソブチレン系ブロック共重合体5〜95重量%に対して、5〜95重量%、好ましくは(a)イソブチレン系ブロック共重合体25〜75重量%に対して、25〜75重量%である。5重量%未満の場合は、得られる熱可塑性樹脂組成物の耐油性が低下し、95重量%を超えると得られる熱可塑性樹脂組成物の硬度が上昇し、柔軟な感触が低下してしまう。
本発明の(c)成分に用いられる、官能基を含有するオレフィン系重合体又はスチレン系重合体中の官能基は、極性を有する官能基であり、エポキシ基、アミノ基、水酸基、酸無水物基、カルボキシル基及びその塩、並びに、カルボン酸エステルからなる群より選ばれる少なくとも1種の官能基である。ここでいう重合体とは、共重合体のことも含み、共重合体の共重合様式には特に制限はなく、ランダム共重合体、グラフト共重合体、ブロック共重合体などいずれの共重合体様式であっても良い。
オレフィン系重合体、及びスチレン系重合体の例としては、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−ブテン共重合体、エチレン−オクテン共重合体、エチレン−ヘキセン共重合体などのエチレン・α−オレフィン系共重合体;ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリブテン、エチレン−プロピレン−ジエン共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体(SBS)、スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体(SIS)、ポリブタジエン、ブタジエン−アクリロニトリル共重合体、ポリイソプレン、ブテン−イソプレン共重合体、スチレン−エチレンブチレン−スチレンブロック共重合体(SEBS)、スチレン−エチレンプロピレン−スチレンブロック共重合体(SEPS)などが例示できる。
本発明の(c)成分に用いられる官能基を有するオレフィン系重合体、及びスチレン系重合体の具体例としては、エチレン・α−オレフィン系共重合体などのポリオレフィン系重合体に、マレイン酸無水物、琥珀酸無水物、フマル酸無水物などの酸無水物を共重合したもの、アクリル酸、メタクリル酸、酢酸ビニルなどのカルボン酸及びそのNa、Zn、K、Ca、Mgなどの塩、アクリル酸メチル、メタクリル酸メチル、アクリル酸エチル、メタクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、メタクリル酸プロピル、アクリル酸ブチル、メタクリル酸ブチルなどのカルボン酸エステルが共重合されたオレフィン系重合体などが挙げられる。
より具体的にはエチレン−アクリル酸メチル共重合体、エチレン−アクリル酸エチル共重合体、エチレン−アクリル酸n−プロピル共重合体、エチレン−アクリル酸イソプロピル共重合体、エチレン−アクリル酸n−ブチル共重合体、エチレン−アクリル酸t−ブチル共重合体、エチレン−アクリル酸イソブチル共重合体、エチレン−メタクリル酸メチル共重合体、エチレン−メタクリル酸エチル共重合体、エチレン−メタクリル酸n−プロピル共重合体、エチレン−メタクリル酸イソプロピル共重合体、エチレン−メタクリル酸n−ブチル共重合体、エチレン−メタクリル酸t−ブチル共重合体、エチレン−メタクリル酸イソブチル共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸共重合体およびそのNa、Zn、K、Ca、Mgなどの金属塩、エチレン−マレイン酸無水物共重合体、エチレン−ブテン−マレイン酸無水物共重合体、エチレン−プロピレンーマレイン酸無水物共重合体、エチレン−ヘキセン−マレイン酸無水物共重合体、エチレン−オクテン−マレイン酸無水物共重合体、プロピレン−マレイン酸無水物共重合体、無水マレイン酸変性のSBS、無水マレイン酸変性のSIS、無水マレイン酸変性のSEBS、無水マレイン酸変性のSEPS、無水マレイン酸変性のエチレン−アクリル酸エチル共重合体などが例示できる。(c)成分としては、1種又は2種以上を組み合わせて使用可能である。
(c)成分としては、透明性の観点から、酸無水物基を有するスチレン−エチレンブチレン−スチレン共重合体(MAH−SEBS)が好ましい。
本発明の熱可塑性樹脂組成物は、(a)成分と(b)成分の総量100重量部に対して、(c)成分であるオレフィン系重合体又はスチレン系重合体を、0.1〜50重量部含有するものである。好ましい下限は、0.5重量部、好ましい上限は、20重量部である。(c)成分であるオレフィン系重合体又はスチレン系重合体が0.1重量部未満であると、相溶性が十分に発現されず、50重量部を超えると組成物中の(a)成分の割合が減少するため好ましくない。
(c)成分は、(a)成分と(b)成分の溶融混練時に添加してもよいし、あらかじめ(a)成分または(b)成分に添加しておいてもよい。あらかじめ(a)成分または(b)成分に添加しておく方が、相溶性の改良効果が発現しやすく、好ましい。
本発明の組成物には、ポリオレフィン系樹脂も必要に応じ使用される。ポリオレフィン系樹脂としては、α−オレフィンの単独重合体、ランダム共重合体、ブロック共重合体及びそれらの混合物、またはα−オレフィンと他の不飽和単量体とのランダム共重合体、ブロック共重合体、グラフト共重合体及びこれら重合体の酸化、ハロゲン化又はスルホン化したもの等を1種又は2種以上組み合わせて使用できる。具体的には、ポリエチレン、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−プロピレン−非共役ジエン共重合体、エチレン−ブテン共重合体、エチレン−ヘキセン共重合体、エチレン−オクテン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−ビニルアルコール共重合体、エチレン−エチルアクリレート共重合体、塩素化ポリエチレン等のポリエチレン系樹脂;ポリプロピレン、プロピレン−エチレンランダム共重合体、プロピレン−エチレンブロック共重合体、塩素化ポリプロピレン等のポリプロピレン系樹脂;ポリブテン、ポリイソブチレン、ポリメチルペンテン、環状オレフィンの(共)重合体等が例示できる。これらの中でコスト、熱可塑性樹脂の物性バランスの点からポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、又はこれらの混合物が好ましく使用できる。
ポリオレフィン系樹脂の配合量は、(a)成分と(b)成分の総量100重量部に対して、0〜100重量部、好ましくは0〜50重量部、さらに好ましくは0〜30重量部である。100重量部を超えると硬度が高くなるために好ましくない。
本発明の組成物には、軟化剤も必要に応じ使用される。特に限定されないが、通常、室温で液体又は液状の材料が好適に用いられる。また親水性及び疎水性のいずれの軟化剤も使用できる。このような軟化剤としては鉱物油系、植物油系、合成系等の各種ゴム用又は樹脂用軟化剤が挙げられる。鉱物油系としては、ナフテン系、パラフィン系等のプロセスオイル等が、植物油系としては、ひまし油、綿実油、あまみ油、なたね油、大豆油、パーム油、やし油、落花生油、木ろう、パインオイル、オリーブ油等が、合成系としてはポリブテン、低分子量ポリブタジエン等が例示できる。これらの中でも成分(a)との相溶性あるいは熱可塑性樹脂組成物の物性バランスの点から、パラフィン系プロセスオイル、ポリブテンが好ましく用いられる。これら軟化剤は、単独で用いてもよいし、所望の粘度及び物性を得るために2種以上を適宜組み合わせて使用することも可能である。
軟化剤の配合量は、(a)成分と(b)成分の総量100重量部に対して、0〜100重量部、好ましくは0〜50重量部、さらに好ましくは0〜30重量部である。100重量部を超えると軟化剤のブリードアウトが発生するため好ましくない。
さらに本発明の樹脂組成物には、物性改良あるいは経済上のメリットから充填材を配合することができる。好適な充填材としては、クレー、珪藻土、シリカ、タルク、硫酸バリウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、金属酸化物、マイカ、グラファイト、水酸化アルミニウム等の麟片状無機充填材;各種の金属粉、木片、ガラス粉、セラミックス粉、カーボンブラック、粒状又は粉末ポリマー等の粒状又は粉末状固体充填材;その他の各種の天然又は人工の短繊維、長繊維等が例示できる。また中空フィラー、例えば、ガラスバルーン、シリカバルーン等の無機中空フィラー、ポリフッ化ビニリデン、ポリフッ化ビニリデン共重合体からなる有機中空フィラー等を配合することにより、軽量化を図ることができる。更に軽量化、衝撃吸収性等の各種物性の改善のために、各種発泡剤を混入させることも可能であり、また、混合時等に機械的に気体を混ぜ込むことも可能である。これらは1種又は2種以上を組み合わせて使用可能である。
充填材の配合量は、(a)成分と(b)成分の総量100重量部に対して、0〜100重量部であり、好ましくは0〜50重量部であり、さらに好ましくは0〜30重量部である。100重量部を超えると、得られる熱可塑性樹脂組成物の機械強度の低下が起こり、柔軟性も損なわれるので好ましくない。
また本発明の熱可塑性樹脂組成物には、必要に応じて、酸化防止剤及び/又は紫外線吸収剤を配合することができ、配合量は(a)成分と(b)成分の総量100重量部に対して、0.01〜10重量部、好ましくは0.01〜5重量部である。
さらに他の添加剤として難燃剤、抗菌剤、光安定剤、着色剤、流動性改良剤、滑剤、ブロッキング防止剤、帯電防止剤、架橋剤、架橋助剤等を添加することができ、これらは1種又は2種以上を組み合わせて使用可能である。
上述の添加剤のうち、本発明の熱可塑性樹脂組成物には、成形加工性を整え、離型性を付与する目的で、滑剤を配合することができる。滑剤としては、脂肪酸金属塩系滑剤、脂肪酸アミド系滑剤、脂肪酸エステル系滑剤、脂肪酸系滑剤、脂肪族アルコール系滑剤、脂肪酸と多価アルコールの部分エステル、パラフィン系滑剤などが好ましく用いられ、これらの中から2種以上を選択して用いてもよい。
脂肪酸金属塩系滑剤としては、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸バリウム、モンタン酸金属塩などが挙げられる。
脂肪酸アミド系滑剤としては、エチレンビスステアリン酸アミド、エルカ酸アミド、オレイン酸アミド、ステアリン酸アミド、ベヘニン酸アミド、エチレンビスオレイン酸アミド、エチレンビスエルカ酸アミド、エチレンビスラウリン酸アミド、m−キシリレンビスステアリン酸アミド、p−フェニレンビスステアリン酸アミドなどが挙げられる。
脂肪酸エステル系滑剤としては、ラウリン酸メチル、ミリスチン酸メチル、パルミチン酸メチル、ステアリン酸メチル、オレイン酸メチル、エルカ酸メチル、ベヘニン酸メチル、ラウリン酸ブチル、ステアリン酸ブチル、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、パルミチン酸オクチル、ヤシ脂肪酸オクチル、ステアリン酸オクチル、特殊牛脂脂肪酸オクチル、ラウリン酸ラウリル、ステアリン酸ステアリル、ベヘニン酸ベヘニル、ミリスチン酸セチル、牛脂硬化油、ヒマシ硬化油、モンタン酸エステルなどが挙げられる。
脂肪酸系滑剤としては、ステアリン酸、パルミチン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、モンタン酸などが挙げられる。
脂肪族アルコールとしては、ステアリルアルコール、セチルアルコール、ミリスチルアルコール、ラウリルアルコールなどが挙げられる。
脂肪酸と多価アルコールの部分エステルとしては、ステアリン酸モノグリセライド、ステアリン酸ジグリセライド、オレイン系モノグリセライド、モンタン酸部分ケン化エステルなどが挙げられる。
パラフィン系滑剤としては、パラフィンワックス、流動パラフィン、ポリエチレンワックス、酸化ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックスなどが挙げられる。
これらの中でも、成形性の改良効果とコストのバランスから、脂肪酸アミドや脂肪酸エステル、パラフィン系滑剤が好ましい。
滑剤の配合量は、(a)イソブチレン系ブロック共重合体、(b)熱可塑性ポリウレタン系樹脂の総量100重量部に対して好ましくは0〜10重量部であり、より好ましくは0〜5重量部であり、さらに好ましくは0〜3重量部である。10重量部を超えると十分に混合されず、滑剤がブリードアウトする傾向があり、さらに、得られる熱可塑性樹脂組成物の機械強度が低下する傾向もあり、好ましくない。
滑剤は、(a)成分と(b)成分の溶融混練時に添加してもよいし、あらかじめ(a)成分または(b)成分に添加しておいてもよい。(a)成分に対しては、比較的極性の低いパラフィン系滑剤が好ましく、(b)成分に対しては、比較的極性の高い脂肪酸アミド系滑剤や脂肪酸エステル系滑剤が好ましいため、成形性の改良効果を効率よく得るためには、あらかじめ(a)成分に対してパラフィン系滑剤を、(b)成分に対して脂肪酸アミド系滑剤や脂肪酸エステル系滑剤を添加しておくことが好ましい。
さらに本発明の熱可塑性樹脂組成物の性能を損なわない範囲であれば、各種熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、他の熱可塑性エラストマー等を配合しても良い。
本発明の熱可塑性樹脂組成物の製造方法には、特に制限はなく、公知の方法を適用することができる。例えば、前記の各成分及び所望により添加剤成分を加熱混練機、例えば、一軸押出機、二軸押出機、ロール、バンバリーミキサー、ブラベンダー、ニーダー、高剪断型ミキサー等を用いて溶融混練することで製造することができる。また各成分の混練順序は特に限定されず、使用する装置、作業性あるいは得られる熱可塑性樹脂組成物の物性に応じて決定することができる。
本発明の熱可塑性樹脂組成物は低硬度、耐油性、透明性に優れており、さらに、耐熱安定性、機械強度にも優れていることから、食品用途、日用雑貨用途、玩具・運動用具用途、文具用途、自動車内外装用途、土木・建築用途、家電機器用途、衣料・履き物用途、医療用途、衛生用品、包装輸送資材、電線用途等に利用可能である。特に、耐油性と低硬度を要求される日用雑貨用途に好適である。
以下実施例により本発明をさらに具体的に説明する。尚、本発明はこれらの実施例によって何ら限定されるものではなく、その要旨を変更しない範囲において適宜変更実施可能である。
本実施例に示すブロック共重合体の分子量及び組成物の物性は以下に示す方法で測定した。
(1)硬度
JIS K 6352に準拠し、2mm厚のプレスシートを3枚重ねて測定した。
(2)耐油性
2mm厚プレスシートを作製し、パラフィン系オイル、及び、IRM#3オイルに室温で72時間浸漬後、取り出して表面性の変化を観察し、オイル吸収量を測定した。
○:変化なし
×:変化有り(変形又は膨潤)
(3)機械強度
組成物を170℃で圧縮成形し、JIS3号ダンベル試験片を作成した。JIS K6251に従い、引張速度500mm/secで引張強度・伸びを測定した。
(4)透明性
組成物を170℃で圧縮成形し、JIS3号ダンベル試験片を作成した。得られたプレスシートの透明性を目視で判断した。
○:透明感がある
△:若干透明感がある
×:透明感がない
また、透明性を定量化することを目的に濁度計(モデル:NDH−300A、日本電色工業製)を使用し、プレスシートにて得られたシートの濁度を測定した。
(5)分子量
Waters社製ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)システム(カラム:昭和電工株式会社製Shodex K−804(ポリスチレンゲル)、移動相:クロロホルム)を用いた。数平均分子量はポリスチレン換算で表記した。
製造例1 イソブチレン系ブロック共重合体の製造
攪拌機付き2L反応容器に、1−クロロブタン(モレキュラーシーブスで乾燥したもの)452mL、ヘキサン(モレキュラーシーブスで乾燥したもの)319mL、1,4−ビス(1−クロル−1−メチルエチル)ベンゼン0.55gを加えた。反応容器を−75℃に冷却した後、ジメチルアセトアミド0.42g、イソブチレン182mLを添加した。さらに四塩化チタン6.53mLを加えて重合を開始し、−75℃で溶液を攪拌しながら1.5時間反応させた。次いで反応溶液にスチレン51gを添加し、さらに60分間反応を続けた後、反応溶液を大量の水中へあけて反応を停止させた。
有機層と水層の分離状況を目視で確認したところ、分離性は良好であり分液ロートで容易に分別できた。水洗を2回行った後、水層が中性になっているのを確認してから有機層を大量のメタノール中に注いで重合体を沈殿させ、得られた重合体を60℃で24時間真空乾燥することによりイソブチレン系ブロック共重合体(SIBS)を得た。該イソブチレン系ブロック共重合体(SIBS)のGPC分析を行ったところ、数平均分子量は72000であり、1H−NMRにより求めたスチレンの含有量は29重量%であった。
実施例1〜4、比較例1〜4
下記の成分(a)、(b)、(c)を表1に示した割合で、190℃に設定したラボプラストミル(東洋精機社製)を用いて溶融混練した。得られた組成物を圧縮成形して試験片を作成し、各種物性を評価した。評価結果を表1に示した。
成分(a)
スチレン−イソブチレン−スチレンブロック共重合体(SIBS):製造例1で得られたもの。
成分(b)
熱可塑性ポリウレタン1(TPU):エステルタイプ、ディックバイエルポリマー社製(商品名:パンデックス T−1375) 、硬度75。
成分(c)
酸無水物基を有するスチレン−エチレンブチレン−スチレン共重合体(MAH−SEBS):Shell社製(商品名:クレイトン FG1901X)、硬度65。
Figure 0004490092
実施例1〜4の組成物は、いずれも柔軟性(低硬度)、耐油性、透明性の全てに優れたものであるが、比較例1〜4の組成物は、柔軟性(低硬度)、耐油性、透明性のいずれかが不充分であることがわかった。
本発明の熱可塑性樹脂組成物は低硬度、耐油性、透明性に優れており、さらに、耐熱安定性、機械強度にも優れていることから、食品用途、日用雑貨用途、玩具・運動用具用途、文具用途、自動車内外装用途、土木・建築用途、家電機器用途、衣料・履き物用途、医療用途、衛生用品、包装輸送資材、電線用途等に利用可能である。特に、耐油性と低硬度を要求される日用雑貨用途に好適である。

Claims (4)

  1. (a)イソブチレンを主成分とする重合体ブロックと、芳香族ビニル系単量体を主成分とする単量体成分からなる重合体ブロックとから構成されるイソブチレン系ブロック共重合体5〜95重量%、
    (b)熱可塑性ポリウレタン5〜95重量%
    からなる組成物の総量100重量部に対し、
    (c)酸無水物基を有するスチレン−エチレンブチレン−スチレン共重合体0.1〜50重量部、
    を含有することを特徴とする熱可塑性樹脂組成物であって、
    イソブチレン系ブロック共重合体(a)が、芳香族ビニル系単量体を主成分とする重合体ブロック−イソブチレンを主成分とする重合体ブロック−芳香族ビニル系単量体を主成分とする重合体ブロックからなるトリブロック共重合体、芳香族ビニル系単量体を主成分とする重合体ブロック−イソブチレンを主成分とする重合体ブロックからなるジブロック共重合体、及び、芳香族ビニル系単量体を主成分とする重合体ブロックとイソブチレンを主成分とする重合体ブロックからなるアームを3つ以上有する星型ブロック共重合体からなる群から選ばれる少なくとも1種以上である熱可塑性樹脂組成物
  2. 芳香族ビニル系単量体がスチレン、p−メチルスチレン、α−メチルスチレン及びインデンからなる群から選ばれる少なくとも1種以上であることを特徴とする請求項記載の熱可塑性樹脂組成物。
  3. イソブチレン系ブロック共重合体(a)が、芳香族ビニル系単量体を主成分とする重合体ブロック−イソブチレンを主成分とする重合体ブロック−芳香族ビニル系単量体を主成分とする重合体ブロックからなるトリブロック共重合体であることを特徴とする請求項1または2に記載の熱可塑性樹脂組成物。
  4. スチレン−エチレンブチレン−スチレン共重合体(c)の酸無水物基が、無水マレイン酸基であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の熱可塑性樹脂組成物。
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