JP4490032B2 - 光加工装置 - Google Patents

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、光源から発した光を光ファイバで伝送し、光ファイバから出射した光を集光して加工対象物上に照射することにより加工対象物を加工する光加工装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、タッチパネルやプラズマディスプレイパネルに用いられる透明基板は、次のような方法によって製造されるのが一般的であった。即ち、ガラスや透明樹脂等からなる透明の絶縁性基板上に、ITO(インジウム酸化スズ)等からなる透明の導電性膜を形成した後、これをフォトリソグラフィー法によって部分的に除去して電極パターンを形成するのである。しかしながら、かかる方法では、フォトレジストの現像液やエッチング液が廃液となって発生するので、環境保護の観点から好ましくない。また、フォトリソグラフィー法において電極パターンの仕様に応じて異なった遮光パターンの遮光マスクを用いる必要があるため、多品種少量受注というオンデマンド型の生産要求に十分に対応することができなかった。
【0003】
そこで、本出願人は、レーザ光(例えばYAGレーザ光)の照射によって絶縁性基板上の導電性膜を部分的に除去して電極パターンを形成する加工装置を提案した(特許文献1参照)。この加工装置によれば、フォトリソグラフィー法によらずに電極パターンを形成することが可能なので、現像液やエッチング液などによる環境汚染を抑えることができる。また、絶縁性基板上の導電性膜に対するレーザ光走査を制御するための電子データを書き換えるだけで様々な仕様の電極パターンを形成することができるため、オンデマンド型の生産要求にも柔軟に対応することができる。
【0004】
また、本出願人は特許文献1で、パルス光源から発したパルス光を絶縁性基板上の導電性膜の近傍まで伝送するステップインデックス型の光ファイバを用いた加工装置も提案している。この光ファイバを用いると、パルス光の断面におけるエネルギー分布を均一にすることができるため、加工寸法のばらつき、導電性膜の一部の残留、絶縁性基板の損傷などを少なくすることができる。
この加工装置では、パルス光を伝送する光ファイバの光出射端の像を絶縁性基板上の導電性膜に結像させながら、絶縁性基板に対して光照射ポイントを相対移動させることにより、導電性膜をライン状に除去することができる。
【0005】
【特許文献1】
特開平11−320141号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上記従来の加工装置において上記パルス光を照射しながら絶縁性基板からなるワークW上の導電性膜W’を部分的に除去するとき、図10に示すように目視可能なスジ100が発生する場合があることがわかった。このスジ100は、ワークW上に連続して照射される複数の光照射スポットSそれぞれにおいて、各光照射スポットSの相対移動方向(図中のM方向)の下流側端部に発生する。そして、このスジ100は、光照射スポットSの形状が円形の場合は図10に示すように円弧状(三日月状)に見える。
【0007】
本発明は、以上の背景に鑑みなされたものであり、その目的は、次のような光加工装置を提供することである。すなわち、ステップインデックス型の光ファイバから出射したパルス光を加工対象物に照射しながら加工対象物に対して光照射ポイントを相対移動させて加工する場合に、加工部の焦げや変色がなく各光照射スポットの端部のスジの発生を防止することができる光加工装置を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1の発明は、パルス状の光を繰り返し発するパルスレーザ光源と、該パルスレーザ光源から発した光を伝送するステップインデックス型の光ファイバと、該光ファイバのコアから出射した光を集光して結像する結像手段と、加工対象物の加工面に沿った方向に該加工対象物に対する光照射ポイントと該加工対象物とを相対移動させる相対移動手段を備え、該加工対象物の加工面に対して該光照射ポイントを相対移動させながら、該光ファイバから出射し該結像手段を通過したパルス状の光を該加工対象物の加工面に繰り返し照射することにより、該加工対象物の加工面にある膜を部分的に除去する光加工装置において、該光ファイバの光出射端のコアの実像が該結像手段によって結像される結像スポット径が、該加工対象物の加工面の該光照射ポイントの相対移動方向と直交する方向における加工幅よりも小さく、該加工対象物の加工面の位置は、該加工対象物の加工面における光照射スポット径が該加工幅と略同じになる程度まで、該結像手段によって該光ファイバの光出射端のコアの実像が結ばれる結像位置からずれた位置にあり、該加工面上の各照射スポットの端部にスジが発生しないようにしたことを特徴とするものである。
また、請求項2の発明は、請求項1の光加工装置において、上記加工対象物の加工面の位置が、上記結像位置よりも上記結像手段から離間する方向にずれた位置にあり、上記光ファイバの光出射端と該結像手段との間に、該光ファイバから出射した光を部分的に遮光するアパーチャーマスクを有し、該結像手段によって該アパーチャーマスクの開口の実像が該加工対象物の加工面上に結ばれるように、該アパーチャーマスクを配置したことを特徴とするものである。
【0009】
本発明者らは、上述のスジが発生した部分を光学顕微鏡や電子顕微鏡によって観察したところ、正常に膜が除去された他の部分の表面よりも盛り上がっていることを確認した。また、この盛り上がっているスジの部分の成分を調べたところ、除去すべき膜の成分(ITO膜の場合はIn)が検出された。これらの結果により、パルス光の各光照射スポットの端部におけるパワー密度が十分でなく上記スジの部分が除去しきれていないと考えられたため、光源のパワーを上げて加工を行ってみた。ところが、光源のパワーを上げることで上記スジはなくなったが、加工対象物の光が照射された部分に焦げや変色が生じてしまうという問題点が残った。そこで、本発明者らは次のような実験を試みた。即ち、結像手段の位置や加工面の位置等を変えることにより加工対象物の加工面に照射されるパルス光の照射条件を変化させ、上記焦げや変色を抑制しつつ上記スジが発生しない条件を調べた。その結果、加工対象物の加工面が、結像手段によって光ファイバの光出射端の実像が結ばれる結像位置からずれた位置にあるときに、上記焦げや変色がなく、しかも上記スジが発生しなくなることがわかった。
【0010】
そこで、請求項1及び2の光加工装置では、光ファイバの光出射端のコアの実像が結像手段によって結像される結像スポット径が、加工対象物の加工面の光照射ポイントの相対移動方向と直交する方向における加工幅よりも小さくなるように構成するとともに、その加工対象物の加工面の位置を、加工対象物の加工面における光照射スポット径が加工幅と略同じになる程度まで、結像手段によって光ファイバの光出射端のコアの実像が結ばれる結像位置からずれた位置にした。これにより、加工部の焦げや変色がなく各光照射スポットの端部のスジの発生を防止することができた。
特に、請求項2の光加工装置では、上記光ファイバの光出射端と上記結像手段との間の所定位置にアパーチャーマスクを配置し、結像手段によってアパーチャーマスクの開口の実像が加工対象物の加工面上に結ばれるようにしている。このように光ファイバから出射した光を部分的に遮光するアパーチャーマスクの開口の実像が、加工対象物の加工面上に結ばれるため、光照射スポットの外縁部におけるパワー密度の変化が急峻になる。しかも、アパーチャーマスクの開口と同じ形状の光照射スポットが所定の倍率で加工対象物の加工面に照射されるため、アパーチャーマスクの開口の形状を変えることで加工対象物上の加工パターンの形状を調整することできる。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を、固体レーザであるYAG(イットリウム・アルミニウム・ガーネット)レーザを用いた光加工装置であるレーザ加工装置に適用した一実施形態について説明する。以下、ガラス板等からなる基体上にITO(インジウム酸化スズ)からなる透明導電層を形成した加工対象物であるワークWに対し、レーザ加工装置を用いて部分的にITOをガラスから除去して透明電極パターンを形成する場合について説明する。この透明電極パターンが形成されたガラス板は、PDP(プラズマディスプレイパネル)、LCD(液晶ディスプレイ)、タッチパネルなどに用いられる。
【0012】
図2は、本実施形態に係るレーザ加工装置全体の概略構成図である。このレーザ加工装置は、YAGレーザ装置1、ワーク保持装置2、ワーク移載装置3、XYテーブル4、制御手段を構成するメインコントローラ5、加工ヘッド装置6、ステップインデックス型の光ファイバ7から主に構成されている。上記XYテーブル4は、ワークWに対するレーザ光照射ポイントとワークWとを相対移動させる相対移動手段として用いている。
【0013】
図3は、上記YAGレーザ装置1を示す概略構成図である。YAGレーザ装置1は、光源であるYAGレーザ発振器10と、YAGレーザ発振器10から発したレーザ光を光ファイバ7の光入射端に案内するレーザ光入射ガイド部11とから構成されている。
YAGレーザ発振器10は、適量のNd(ネオジウム)が添加されたYAGの棒状結晶体であるレーザロッド及びこれの励起用のランプを内蔵するレーザチャンバ12と、これから発せられる誘導放出光の光路に沿って所定の距離を隔てて対向配置されたフロントミラー13及びリアミラー14を備えている。また、リアミラー14とレーザチャンバ12との間には、シャッタ15及びQスイッチ16が取り付けられている。フロントミラー13は、一部の光の透過が可能な反射率を有するミラーであり、レーザチャンバ12の光路にその鏡面の中心を正対せしめて取り付けてある。リアミラー14は、実質的な全反射が可能な鏡面を有しており、フロントミラー13と対向するように取り付けてある。シャッタ15は、レーザチャンバ12の光路を遮断するものである。Qスイッチ16は、フロントミラー13とリアミラー14との間での共振器のQ値を瞬間的に高め、高出力のレーザパルスを取り出すものである。加工条件によっては、このQスイッチ16を用いなくてもよい。
なお、上記YAGレーザ発振器10の構成は一例であって、これに限られるものではない。他の構成としては、例えばLD励起を用いたものがある。
【0014】
レーザ光入射ガイド部11は、レーザビームエキスパンダ17及び集光レンズ18を備えている。YAGレーザ発振器10から出射されたレーザ光は、レーザビームエキスパンダ17によってそのビーム径が拡大された後、集光レンズ18により、ステップインデックス型の光ファイバ7の光入射端71(コア部端面)に案内される。光ファイバ7の光出射端(コア部端面)から出射するレーザ光は、後述する加工ヘッド装置6を通ってそれぞれXYテーブル4上のワークWに対して照射される。
【0015】
上記ステップインデックス型の光ファイバ7は、軸芯部のコアがその外周部のクラッド層よりも屈折率が大きく、そのコアとクラッド層との境界で屈折率がステップ上に変化しているものである。このステップインデックス型の光ファイバ7のコアにレーザ光を絞って入射すると、レーザ光の互いに異なる角度で入射した複数の光成分がコアとクラッド層との境界で多重に反射されながらコア内を伝送される。このようにレーザ光の複数の光成分が光ファイバ7のコア内で多重に反射されながら伝送されることにより、光ファイバ7の光出射端から出射したレーザ光の断面におけるエネルギー密度は均一になっている。
【0016】
なお、本実施形態では、1つのYAGレーザ発振器10から出射される1本のレーザ光を用いて加工する構成を採用しているが、複数のレーザ光をワークに照射して加工するように構成してもよい。例えば、1つのYAGレーザ発振器10から出射されるレーザ光を複数に分割して複数の光ファイバ及び加工ヘッド装置を介してワークWに照射するように構成してもよい。また、複数のYAGレーザ発振器のそれぞれから出射される複数のレーザ光をワークWに照射するように構成してもよい。
【0017】
図4は、ワーク保持装置2を図2中の上側から見た平面図である。このワーク保持装置2は、ワークWをワーク台20に保持し、加工中に位置がズレないようにする役割を果たすものである。図2に示したXYテーブル本体41に固設されたワーク台20には、一対の固定ガイド21,22及び一対の可動ガイド23,24が配設されている。これらの固定ガイド21,22及び可動ガイド23,24はコの字状の形態を成している。そのコの字状の先端部にそれぞれ、円筒面が回動可能なカムフォロア21a,21b,22a,22b,23a,23b,24a,24bが設けられている。これらのカムフォロアの円筒面がワーク端面に転がり接触するので、ガイドがワークに摺動接触する場合に比べ、位置決め時にワークのスムーズな位置決めが可能となる。そして、ワーク台20にワークWがセットされると、可動ガイド23,24によってワークWが固定ガイド21,22側に押圧され、ワークWがワーク台20に保持される。
【0018】
上記ワーク移載装置3は、ワーク台20に対するワークの装着及び取外しを行うものである。図2に示すように、複数の吸着パッド31でワーク上面を真空吸着しながら搬送するようになっている。
上記XYテーブル4は、XYテーブル本体41、XYテーブル本体41を制御するXYテーブルコントローラ42とから主に構成されている。XYテーブル本体41には、上述したようにワーク保持装置2が配設されている。
上記メインコントローラ5は、本レーザ加工装置全体を制御するものであり、YAGレーザ装置1、ワーク移載装置3、XYテーブルコントローラ42、後述する加工ヘッド装置6が接続されている。
【0019】
図5は、本実施形態におけるXYテーブル4の要部の概略構成を示す側面図である。
XYテーブル4は、加工ヘッド装置6に対してワークWが保持されたワーク台20をX軸方向(図中紙面方向)及びY軸方向(図中左右方向)に相対移動させるものである。ワーク台20は、リニアモータ43の駆動により、ワークWを載置した状態でX軸方向に移動する。この移動の際、ワーク台20は、ガイド44に案内されることで、移動台45上をX軸方向に沿って直線状に移動する。一方、移動台45も、ワーク台20と同様に、図示しないリニアモータの駆動によりワーク台20を載置した状態でY軸方向に直線状に移動する。
【0020】
移動台45の上面には、リニアスケール46を保持するスケール保持部47が固定配置されている。リニアスケール46の目盛り方向はX軸方向に平行である。一方、ワーク台20の下面には、位置検出センサ48が取り付けられたセンサ保持部49が固定されている。位置検出センサ48は、リニアスケール46と対向するように配置されている。この位置検出センサ48としては、例えば反射型光学センサを用いることができ、この場合、リニアスケール46上の目盛りによってON/OFF信号をXYテーブルコントローラ42に出力する。XYテーブルコントローラ42は、その信号に基づいてリニアモータ43の駆動を制御し、加工ヘッド装置6に対してワークWを相対移動させ、X軸方向における位置決めを行う。なお、Y軸方向についても同様である。
【0021】
次に、本発明の特徴部分である加工ヘッド装置6について説明する。
図6(a)及び図6(b)はそれぞれ加工ヘッド装置6に設けられる加工ヘッド60の正面図及び側面図である。加工ヘッド60は、可動ヘッド部61と、その可動ヘッド部を直線移動させる移動手段としてのリニア駆動装置62とから構成されている。
可動ヘッド部61は、光ファイバ7の先端部を保持するファイバ保持部70、アパーチャーマスク64、結像手段としての結像光学系66などから構成されている。アパーチャーマスク64は、光ファイバ7から出射した光を部分的に遮光してレーザ光の断面形状を所定の形状に整形するものであり、光ファイバ7の光出射端72から離して配置されている。また、結像光学系66は、複数のレンズで構成され、アパーチャーマスク64の開口を通過したレーザ光を集光してワークW上に結像するものである。本実施形態では、結像光学系66の倍率を1/2に設定しているが、この倍率に限られるものではない。
【0022】
上記リニア駆動装置62は、リニアモータ67、2つのリニアガイド68、支持台69から主に構成されている。可動ヘッド部61は、リニアモータ67の駆動により、図6(a)中横方向(図6(b)中では紙面に対して垂直方向)に移動する。この移動の際、可動ヘッド部61は、リニアガイド68に案内されることで支持台69上を直線状に移動する。本実施形態では、可動ヘッド部61は、リニアガイド68に案内される方向にのみ移動可能である。
【0023】
上記支持台69上には、上述したXYテーブル4と同様の図示しないリニアスケールが固定配置されている。このリニアスケールの目盛り方向は、リニアガイド68と平行である。一方、支持台69に対向する可動ヘッド部61の面上には、上述したXYテーブル4と同様の位置検出センサが固定されている。位置検出センサは、リニアスケールと対向するように配置されている。この位置検出センサには、上述したXYテーブル4と同様のものを用いることができる。本実施形態では、反射型光学センサを用いている。位置検出センサは、リニアスケール上の目盛りによるON/OFF信号を、リニアモータ67のモータコントローラに出力する。モータコントローラは、その信号に基づいてリニアモータ67の駆動を制御し、可動ヘッド部61を直線移動させ、その移動方向における位置決めを行う。
【0024】
また、本実施形態では、アパーチャーマスク64を取り外した状態で、ワークWの加工面の位置が、結像光学系66によって光ファイバ7の光出射端72の実像が結ばれる結像位置からずれた位置にくるように構成している。具体的には、図1に示すようにワークWの加工面Woの位置が、結像光学系66によって光ファイバ7の光出射端72の実像が結ばれる結像位置Poよりも図中下側の位置、すなわち結像位置Poよりも更に結像光学系66から離れる方向にずれた位置にくるように構成している。
また、図7に示すように結像光学系66によってアパーチャーマスク64の開口64aの実像がワークWの加工面Wo上に結ばれるように、アパーチャーマスク64を配置している。
【0025】
ここで、本実施形態における光ファイバ7のコア径などの一具体例は次のとおりである。図1において、上記光ファイバ7の光出射端72のコア径φcは400μmであり、結像面Poでのビーム径(結像スポット径)φbは200μmであり、ワークWの加工面Wo上でのビーム径(照射スポット径)φwは上記φbよりも大きい径である。また、図7において、アパーチャーマスク64の開口64aの径φaは140μmであり、ワークWの加工面Wo上でのビーム径(照射スポット径)φw'は70μmである。このビーム径(照射スポット径)φw'でワークW上のスリット加工が行われる。
【0026】
図7に示すように、上記光ファイバ7の光出射端(コア部端面)72から出射されたレーザ光Lは、円形の開口64aが形成されたアパーチャーマスク64によって所定形状に整形される。このように整形されたレーザ光Lは結像光学系66によって集光され、XYテーブル4上のワークW上に照射される。このレーザ光Lの照射により、アパーチャーマスク64の開口の形状に対応した加工パターンでワークW上のITO(インジウム酸化スズ)からなる透明導電層が部分的に除去される。
ここで、アパーチャーマスク64を光ファイバ7の光出射端72から離して配置することにより、光ファイバ7の光出射端72から出射した直後の光強度の強い光がアパーチャーマスク64に当たらないようにしている。従って、光ファイバ7から出射したレーザ光によるアパーチャーマスク64の損傷を防止することができる。
【0027】
以上、本実施形態によれば、ワークWに対してパルスレーザ光Lの光照射ポイントを移動させて透明電極層W’のスリット加工する場合に、各光照射スポットS上に焦げや変色がなく、しかも図8に示すように各光照射スポットSの端部のスジのないスリット101を形成することができる。
また、本実施形態によれば、光照射スポットSの外縁部におけるパワー密度の変化が急峻になるので、ワークWの加工面Woに形成されるスリットのエッジのだれを防止できる。しかも、アパーチャーマスク64の開口64aの形状を変えることでワークW上の加工パターンの形状を調整することできるので、任意形状の加工が容易になる。
図9は、正方形の開口64aを有するアパーチャーマスク64を用いてワークWのITO透明電極層W’をライン状に除去するスリット加工の説明図である。図示のようにワークW上で正方形の照射スポットSが一部重なりながら連続して照射されるように、レーザ光の照射タイミング及びワークWの移動を制御して加工することにより、ワークW上の透明電極層Woにスジのないライン状のスリット101を形成できる。なお、図9中の破線は、上述のスジではなく、照射スポットSの形状を示すための仮想線である。
【0028】
なお、上記実施形態では、所定形状の開口が形成されたアパーチャーマスクを用いた場合について説明したが、本発明は、開口を形成せずに、例えばガラス板などの透明部材に遮光パターンを形成することにより光通過パターンを形成したアパーチャーマスクを用いる場合にも適用できるものである。
【0029】
【発明の効果】
請求項1及び2の発明によれば、ステップインデックス型の光ファイバから出射したパルス光を加工対象物に照射しながら加工対象物に対して光照射ポイントを相対移動させて加工する場合に、加工部の焦げや変色がなく各光照射スポットの端部のスジの発生を防止することができるという効果がある。
特に、請求項2の発明によれば、光照射スポットの外縁部におけるパワー密度の変化が急峻になるので、加工対象物の加工面に形成される加工パターンのエッジのだれを防止できる。しかも、アパーチャーマスクの開口の形状を変えることで加工対象物上の加工パターンの形状を調整することできるので、任意形状の加工が容易になるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係るレーザ加工装置の加工ヘッド装置に設けられる加工ヘッドからアパーチャーマスクを取り外したときの結像面とワーク加工面との関係を示す説明図。
【図2】同レーザ加工装置の全体の概略構成図。
【図3】同レーザ加工装置のYAGレーザ装置の概略構成図。
【図4】同レーザ加工装置のワーク保持装置の平面図。
【図5】同レーザ加工装置のXYテーブルの要部の概略構成を示す側面図。
【図6】(a)は同レーザ加工装置の加工ヘッド装置に設けられる加工ヘッドの正面図。(b)は同加工ヘッドの側面図。
【図7】同レーザ加工装置の加工ヘッドを通過するレーザ光の様子を示す説明図。
【図8】同レーザ加工装置で形成したスリットの説明図。
【図9】四角形の開口を有するアパーチャーマスクを用いたライン状のスリット加工の説明図。
【図10】従来装置で形成したスリットに発生したスジの説明図。
【符号の説明】
1 YAGレーザ装置
2 ワーク保持装置
3 ワーク移載装置
4 XYテーブル
5 メインコントローラ
6 加工ヘッド装置
7 ステップインデックス型の光ファイバ
10 YAGレーザ発振器
11 レーザ光入射ガイド部
60 加工ヘッド
61 可動ヘッド部
62 リニア駆動装置
64 アパーチャーマスク
64a 開口
66 結像光学系
67 リニアモータ
68 リニアガイド
69 支持台
70 ファイバ保持部
71 光ファイバの光入射端
72 光ファイバの光出射端
100 スジ
101 スリット

Claims (2)

  1. パルス状の光を繰り返し発するパルスレーザ光源と、該パルスレーザ光源から発した光を伝送するステップインデックス型の光ファイバと、該光ファイバのコアから出射した光を集光して結像する結像手段と、加工対象物の加工面に沿った方向に該加工対象物に対する光照射ポイントと該加工対象物とを相対移動させる相対移動手段を備え、該加工対象物の加工面に対して該光照射ポイントを相対移動させながら、該光ファイバから出射し該結像手段を通過したパルス状の光を該加工対象物の加工面に繰り返し照射することにより、該加工対象物の加工面にある膜を部分的に除去する光加工装置において、
    該光ファイバの光出射端のコアの実像が該結像手段によって結像される結像スポット径が、該加工対象物の加工面の該光照射ポイントの相対移動方向と直交する方向における加工幅よりも小さく、
    該加工対象物の加工面の位置は、該加工対象物の加工面における光照射スポット径が該加工幅と略同じになる程度まで、該結像手段によって該光ファイバの光出射端のコアの実像が結ばれる結像位置からずれた位置にあり、
    該加工面上の各照射スポットの端部にスジが発生しないようにしたことを特徴とする光加工装置。
  2. 請求項1の光加工装置において、
    上記加工対象物の加工面の位置が、上記結像位置よりも上記結像手段から離間する方向にずれた位置にあり、
    上記光ファイバの光出射端と該結像手段との間に、該光ファイバから出射した光を部分的に遮光するアパーチャーマスクを有し、
    該結像手段によって該アパーチャーマスクの開口の実像が該加工対象物の加工面上に結ばれるように、該アパーチャーマスクを配置したことを特徴とする光加工装置。
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JPH11285869A (ja) * 1998-03-31 1999-10-19 Sumitomo Heavy Ind Ltd レーザ歪加工方法及び装置
JPH11320141A (ja) * 1998-03-20 1999-11-24 Ricoh Microelectronics Co Ltd 導電性膜の加工装置

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