JP4489633B2 - ゴルフボール - Google Patents

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Description

本発明は、ゴルフボールに関する。詳細には、本発明は、ゴルフボールのディンプルの改良に関する。
ゴルフボールは、カバーと、このカバーの表面に位置する塗装層を備えている。塗装層の役割は、外観向上、マーク層の保護及びカバーの保護にある。白色層とクリアー層とからなる塗装層を備えたゴルフボールや、クリアー層のみを備えたゴルフボールが存在している。
ゴルフボールは、その表面に多数のディンプルを備えている。ディンプルは、飛行時のゴルフボール周りの空気の流れを乱し、乱流剥離を起こさせる。乱流剥離によって空気のゴルフボールからの剥離点が後方にシフトし、抗力が低減される。乱流剥離によってバックスピンに起因するゴルフボールの上側剥離点と下側剥離点との差が助長され、ゴルフボールに作用する揚力が高められる。このようなディンプルの役割は、「ディンプル効果」と称されている。優れたディンプルは、よりよく空気の流れを乱す。
飛行性能向上を目的とした、ディンプルの断面形状に関する種々の提案がなされている。特開平5−96026号公報には、エッジ近傍のスロープ面が底部のスロープ面よりも急傾斜である形状を備えたディンプルが開示されている。特開2004−166725公報には、エッジ近傍の曲率半径に対する底部の曲率半径の比が大きなディンプルが開示されている。
特開平9−70449号公報には、断面形状がダブルラジアスから構成されるディンプルが開示されている。このダブルラジアスディンプルは、環状の側壁面と、碗状のボトム面とを備えている。側壁面及びボトム面の断面形状は、円弧状である。側壁面の曲率半径は小さく、ボトム面の曲率半径は大きい。このダブルラジアスディンプルでは、側壁面とボトム面との接点において、空気の流れの方向が急に変化する。これにより、空気の流れが乱される。ダブルラジアスディンプルは、優れたディンプル効果を奏する。
特開平5−96026号公報 特開平9−70449号公報 特開2004−166725公報
塗装層は、液状の塗料がカバーの表面に塗装され、この塗料が硬化することで得られる。塗装直後の塗料は、カバーの表面で流動しうる。ダブルラジアスディンプルでは、流動によって側壁面とボトム面との接点の近傍に塗料が溜まりやすい。塗料が溜まると、接点近傍において厚く他の部分において薄い塗装層が得られる。この塗装層は、接点における曲率半径の変化を緩める。これにより、ディンプル効果が阻害される。本発明の目的は、飛行性能に優れたゴルフボールの提供にある。
本発明に係るゴルフボールは、その表面に多数のディンプルを備えている。このディンプルは、
(1)断面が円弧状であり下向きに凸である側壁面、
(2)この側壁面の下端P2においてこの側壁面と接しており、ディンプル中心に向かって下向きに傾斜する第一スロープ面、
(3)この第一スロープ面の下端P3においてこの第一スロープ面と連続しており、第一スロープ面よりも緩やかに、ディンプル中心に向かって下向きに傾斜する第二スロープ面
及び
(4)この第二スロープ面の下端P4においてこの第二スロープ面と接しており、断面が円弧状であり、ディンプル中心に位置する碗状のボトム面
を有している。
好ましくは、ディンプル深さd0に対する深さd2の比率は、50%以上85%以下である。深さd2は、側壁面と第一スロープ面との接点P2の深さである。好ましくは、ディンプル深さd0に対する深さd4の比率は、50%以上85%以下である。深さd4は、第二スロープ面とボトム面との接点P4の深さである。
好ましくは、ディンプルの深さd0に対する、深さd4と深さd2との差(d4−d2)の比率は、10%以上30%以下である。好ましくは、側壁面が延長された円弧とボトム面が延長された円弧とは、接点P5において接する。ディンプル深さd0に対する接点P5の深さd5の比率は、50%以上85%以下である。
好ましくは、ボトム面の曲率半径Rbと側壁面の曲率半径Raとの比(Rb/Ra)は、5以上55以下である。
本発明は、平均厚みが6μm以上である塗装層を備えたゴルフボールに、特に適している。
このゴルフボールでは、ランドからディンプルの中心に向かう空気の流れが、第一スロープ面と第二スロープ面との交点P3の近傍において乱される。このゴルフボールでは、ディンプルの中心からランドに向かう空気の流れも、第一スロープ面と第二スロープ面との交点P3の近傍において乱される。このゴルフボールは、飛行性能に優れる。
以下、適宜図面が参照されつつ、好ましい実施形態に基づいて本発明が詳細に説明される。
図1は、本発明の一実施形態に係るゴルフボール2が示された模式的断面図である。このゴルフボール2は、球状のコア4と、カバー6とを備えている。カバー6の表面には、多数のディンプル8が形成されている。ゴルフボール2の表面のうちディンプル8以外の部分は、ランド10である。このゴルフボール2は、カバー6の外側にペイント層及びマーク層を備えているが、これらの層の図示は省略されている。
このゴルフボール2の直径は、40mmから45mmである。米国ゴルフ協会(USGA)の規格が満たされるとの観点から、直径は42.67mm以上が好ましい。空気抵抗抑制の観点から、直径は44mm以下が好ましく、42.80mm以下がより好ましい。このゴルフボール2の質量は、40g以上50g以下である。大きな慣性が得られるとの観点から、質量は44g以上が好ましく、45.00g以上が特に好ましい。USGAの規格が満たされるとの観点から、質量は45.93g以下が好ましい。
コア4は、ゴム組成物が架橋されることによって形成されている。ゴム組成物の基材ゴムとしては、ポリブタジエン、ポリイソプレン、スチレン−ブタジエン共重合体、エチレン−プロピレン−ジエン共重合体及び天然ゴムが例示される。2種以上のゴムが併用されてもよい。反発性能の観点からポリブタジエンが好ましく、特にハイシスポリブタジエンが好ましい。
コア4の架橋には、共架橋剤が好適に用いられる。反発性能の観点から好ましい共架橋剤は、アクリル酸亜鉛、アクリル酸マグネシウム、メタクリル酸亜鉛及びメタクリル酸マグネシウムである。ゴム組成物には、共架橋剤と共に有機過酸化物が配合されるのが好ましい。好適な有機過酸化物としては、ジクミルパーオキサイド、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン及びジ−t−ブチルパーオキサイドが挙げられる。
コア4のゴム組成物には、充填剤、硫黄化合物、老化防止剤、着色剤、可塑剤、分散剤等の各種添加剤が、必要に応じて適量配合される。ゴム組成物に、架橋ゴム粉末又は合成樹脂粉末が配合されてもよい。
コア4の直径は30.0mm以上、特には38.0mm以上である。コア4の直径は42.0mm以下、特には41.5mm以下である。コア4が2以上の層から構成されてもよい。コア4とカバー6との間に、中間層が設けられてもよい。
カバー6に好適なポリマーは、アイオノマー樹脂である。特に、α−オレフィンと炭素数が3以上8以下のα,β−不飽和カルボン酸との共重合体におけるカルボン酸の一部が金属イオンで中和されたものが好適である。好ましいα−オレフィンは、エチレン及びプロピレンである。好ましいα,β−不飽和カルボン酸は、アクリル酸及びメタクリル酸である。中和のための金属イオンとしては、ナトリウムイオン、カリウムイオン、リチウムイオン、亜鉛イオン、カルシウムイオン、マグネシウムイオン、アルミニウムイオン及びネオジムイオンが例示される。中和が、2種以上の金属イオンでなされてもよい。ゴルフボール2の反発性能及び耐久性の観点から特に好適な金属イオンは、ナトリウムイオン、亜鉛イオン、リチウムイオン及びマグネシウムイオンである。
アイオノマー樹脂に代えて、又はアイオノマー樹脂と共に、他のポリマーが用いられてもよい。他のポリマーとしては、熱可塑性樹脂スチレンエラストマー、熱可塑性ポリウレタンエラストマー、熱可塑性ポリアミドエラストマー、熱可塑性ポリエステルエラストマー及び熱可塑性ポリオレフィンエラストマーが例示される。
カバー6には、必要に応じ、二酸化チタンのような着色剤、硫酸バリウムのような充填剤、分散剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、蛍光剤、蛍光増白剤等が適量配合される。比重調整の目的で、カバー6にタングステン、モリブデン等の高比重金属の粉末が配合されてもよい。
カバー6の厚みは0.5mm以上、特には0.8mm以上である。カバー6の厚みは2.5mm以下、特には2.2mm以下である。カバー6の比重は0.90以上、特には0.95以上である。カバー6の比重は1.10以下、特には1.05以下である。カバー6が2以上の層から構成されてもよい。
図2は図1のゴルフボール2が示された拡大平面図であり、図3はその正面図である。図2及び図3から明らかなように、全てのディンプル8の平面形状は円である。図2では、ゴルフボール2の表面が10個の等価なユニットに区画された場合の1個のユニットにおいて、符号AからDによってディンプル8の種類が示されている。このゴルフボール2は、直径が4.1mmであるディンプルAと、直径が3.6mmであるディンプルBと、直径が3.4mmであるディンプルCと、直径が3.2mmであるディンプルDとを備えている。ディンプルAの個数は132個であり、ディンプルBの個数は180個であり、ディンプルCの個数は60個であり、ディンプルDの個数は60個である。このゴルフボール2のディンプル8の総数は、432個である。
図4は、図1のゴルフボール2の一部が示された拡大断面図である。この図4には、ディンプル8の面積重心及びゴルフボール2の中心を通過する平面に沿った断面が示されている。図4における上下方向は、ディンプル8の深さ方向である。深さ方向は、ディンプル8の面積重心からゴルフボール2の中心へ向かう方向である。図4において二点鎖線12で示されているのは、仮想球である。仮想球12の表面は、ディンプル8が存在しないと仮定されたときのゴルフボール2の表面である。ディンプル8は、仮想球12から凹陥している。ランド10は、仮想球12と一致している。
図4において両矢印Diで示されているのは、ディンプル8の直径である。この直径Diは、ディンプル8の両側に共通の接線Tが画かれたときの、一方の接点Edと他方の接点Edとの距離である。接点Edは、ディンプル8のエッジでもある。エッジEdは、ディンプル8の輪郭を画定する。直径Diは、2.00mm以上6.00mm以下が好ましい。直径Diが2.00mm以上に設定されることにより、大きなディンプル効果が得られる。この観点から、直径Diは2.20mm以上がより好ましく、2.40mm以上が特に好ましい。直径Diが6.00mm以下に設定されることにより、実質的に球であるというゴルフボール2の本来的特徴が維持される。この観点から、直径Diは5.80mm以下がより好ましく、5.60mm以下が特に好ましい。
図4において両矢印d0で示されているのは、ディンプル8の深さである。深さd0は、接線Tとディンプル8の最深部との距離である。ゴルフボール2のホップが抑制されるとの観点から、ディンプル8の深さd0は、0.05mm以上が好ましく、0.08mm以上がより好ましく、0.10mm以上が特に好ましい。ゴルフボール2のドロップが抑制されるとの観点から、深さd0は0.60mm以下が好ましく、0.45mm以下がより好ましく、0.40mm以下が特に好ましい。
図5は、図4のゴルフボール2のディンプル8の一部が示された拡大断面図である。この図では、塗装されていないゴルフボール2が示されている。このディンプル8は、上壁面14、側壁面16、第一スロープ面18、第二スロープ面20及びボトム面22を備えている。上壁面14、側壁面16、第一スロープ面18及び第二スロープ面20はリング状である。ボトム面22は、碗状である。
上壁面14は、エッジEdから点P1に至っている。上壁面14は、上向きに凸な曲面である。ランド10を通過した空気は、まずこの上壁面14に沿って流れる。
側壁面16は、上壁面14のボトム側に位置している。側壁面16は、点P1から点P2に至っている。側壁面16は、点P1において上壁面14と連続している。側壁面16は、点P1において上壁面14と接している。側壁面16は、下向きに凸な曲面である。側壁面16の断面形状は、円弧状である。図5において矢印Raで示されているのは、側壁面16の曲率半径である。
第一スロープ面18は、側壁面16のボトム側に位置している。第一スロープ面18は、点P2から点P3に至っている。第一スロープ面18は、点P2において側壁面16と連続している。第一スロープ面18は、点P2において側壁面16と接している。第一スロープ面18の断面形状は、直線状である。第一スロープ面18は、ディンプル8の中心に向かって下向きに傾斜している。
第二スロープ面20は、第一スロープ面18のボトム側に位置している。第二スロープ面20は、点P3から点P4に至っている。第二スロープ面20は、点P3において第一スロープ面18と連続している。点P3は、第一スロープ面18と第二スロープ面20との交点である。第二スロープ面20の断面形状は、直線状である。第二スロープ面20は、ディンプル8の中心に向かって下向きに傾斜している。第二スロープ面20の傾斜は、第一スロープ面18の傾斜よりも緩やかである。従って、第一スロープ面18と第二スロープ面20とのなす角は、点P3の上側において鋭角である。
ボトム面22は、ディンプル8の中心に位置している。ボトム面22は、点P4から他方の点P4(図4参照)に至っている。ボトム面22は、点P4において第二スロープ面20と連続している。ボトム面22は、点P4において第二スロープ面20と接している。ボトム面22は、下向きに凸な曲面である。ボトム面22の断面形状は、円弧状である。図5において矢印Rbで示されているのは、ボトム面22の曲率半径である。
側壁面16が延長された円弧24とボトム面22が延長された円弧26とは、点P5において接する。図5から明らかなように、点P3は点P5よりも下方に位置する。ディンプル8の表面は、点P3の近傍において窪んでいる。
このゴルフボール2では、ランド10からディンプル8の中心に向かう空気は、上壁面14、側壁面16、第一スロープ面18、第二スロープ面20及びボトム面22に沿って流れる。この空気の流れ方向は、点P3の近傍で急激に変化する。この変化によって、大きなディンプル効果が得られる。このゴルフボール2では、ディンプル8の中心からランド10に向かう空気は、ボトム面22、第二スロープ面20、第一スロープ面18、側壁面16及び上壁面14に沿って流れる。この空気の流れ方向は、点P3の近傍で急激に変化する。この変化によって、大きなディンプル効果が得られる。
塗料が塗装されると、流動によってこの塗料が点P3の近傍に溜まる。この溜まりにより、点P3の近傍において厚く他の領域において薄い塗装層が形成される。この塗装層により、空気の流れ方向の変化が減じられる。しかし、点P3の近傍は窪んでいるので、従来のダブルラジアスディンプルに比べ、ディンプル効果の阻害は少ない。このゴルフボール2は、飛行性能に優れる。平均厚みが厚い塗装層は、ディンプル効果を阻害しやすい。平均厚みが6μm以上、特には8μm以上である塗装層を備えたゴルフボール2において、点P3における窪みは有効である。無作為に抽出された20カ所のランドにおいて測定された塗装層厚みに基づき、平均厚みが算出される。
ボトム面22の曲率半径Rbと側壁面16の曲率半径Raとの比(Rb/Ra)は、5以上が好ましい。この比(Rb/Ra)が5以上に設定されることにより、空気の流れ方向が大きく変化し、大きなディンプル効果が得られる。ディンプル効果の観点から、この比(Rb/Ra)は7以上がより好ましく、30以上が特に好ましい。ディンプル効果の観点から、比(Rb/Ra)は55以下が好ましい。
曲率半径Raは、1.0mm以上1.5mm以下が好ましい。曲率半径Raが1.0mm以上に設定されることにより、打撃時のカバー6の傷つきが抑制される。この観点から、曲率半径Raは1.1mm以上がより好ましい。曲率半径Raが1.5mm以下に設定されることにより、大きなディンプル効果が得られる。この観点から、曲率半径Raは1.4mm以下がより好ましい。
曲率半径Rbは、10.0mm以上50.0mm以下が好ましい。曲率半径Rbが上記範囲に設定されることにより、大きなディンプル効果が得られる。この観点から、曲率半径Rbは20.0mm以上がより好ましい。曲率半径Rbは、40.0mm以下がより好ましい
図5において、両矢印d1で示されているのは点P1の深さであり、両矢印d2で示されているのは点P2の深さであり、両矢印d3で示されているのは点P3の深さであり、両矢印d4で示されているのは点P4の深さであり、両矢印d5で示されているのは点P5の深さである。
ディンプル効果の観点から、深さd0(図4参照)に対する深さd2の比率は50%以上85%以下が好ましい。この比率が50%以上に設定されることにより、側壁面16及び第一スロープ面18がディンプル効果に大きく寄与する。この観点から、比率は55%以上がより好ましい。この比率が85%以下に設定されることにより、第二スロープ面20及びボトム面22がディンプル効果に大きく寄与する。この観点から、比率は65%以下がより好ましい。
ディンプル効果の観点から、深さd0(図4参照)に対する深さd4の比率は50%以上85%以下が好ましい。この比率が50%以上に設定されることにより、側壁面16及び第一スロープ面18がディンプル効果に大きく寄与する。この観点から、比率は65%以上がより好ましい。この比率が85%以下に設定されることにより、第二スロープ面20及びボトム面22がディンプル効果に大きく寄与する。この観点から、比率は80%以下がより好ましい。
ディンプル効果の観点から、深さd0に対する深さd5の比率は50%以上85%以下が好ましい。この比率が50%以上に設定されることにより、側壁面16がディンプル効果に大きく寄与する。この観点から、比率は60%以上がより好ましい。この比率が85%以下に設定されることにより、ボトム面22がディンプル効果に大きく寄与する。この観点から、比率は80%以下がより好ましく、70%以下が特に好ましい。
ディンプル8の深さd0に対する差(d4−d2)の比率は、10%以上30%以下が好ましい。この比率が10%以上に設定されることにより、大きなディンプル効果が得られる。この観点から、比率は15%以上がより好ましい。この比率が30%以下のディンプル8は、外観に優れる。この観点から、比率は25%以下がより好ましい。
上壁面14は、ゴルフボール2の製造上の都合によって形成される。深さd0に対する深さd1の比率は、10%以下、特には5%以下が好ましい。ディンプル8が上壁面14を有さなくても良い。この場合は、深さd0に対する深さd1の比率はゼロである。
ディンプル効果の観点から、ディンプル8の深さd0に対する差(d2−d1)の比率は30%以上70%以下が好ましく、ディンプル8の深さd0に対する差(d3−d2)の比率は5%以上20%以下が好ましく、ディンプル8の深さd0に対する差(d4−d3)の比率は5%以上20%以下が好ましく、ディンプル8の深さd0に対する差(d0−d4)の比率は35%以上15%以下が好ましい。
ディンプル8の面積sは、無限遠からゴルフボール2の中心を見た場合の、輪郭線に囲まれた領域の面積である。円形ディンプル8の場合、面積sは下記数式によって算出される。
s = (Di / 2) ・ π
図2及び図3に示されたゴルフボール2では、ディンプルAの面積は13.20mmであり、ディンプルBの面積は10.18mmであり、ディンプルCの面積は9.08mmであり、ディンプルDの面積は8.04mmである。
本発明では、全てのディンプル8の面積sの合計の、仮想球12の表面積に対する比率は、占有率と称される。十分なディンプル効果が得られるとの観点から、占有率は70%以上が好ましく、72%以上がより好ましく、74%以上が特に好ましい。占有率は、90%以下が好ましい。図2及び図3に示されたゴルフボール2では、ディンプル8の合計面積は4602.0mmである。このゴルフボール2の仮想球12の表面積は5728.0mmなので、占有率は80.3%である。
本発明において「ディンプルの容積」とは、ディンプル8の輪郭を含む平面とディンプル8の表面とに囲まれた部分の容積を意味する。ゴルフボール2のホップが抑制されるとの観点から、ディンプル8の総容積は250mm以上が好ましく、260mm以上がより好ましく、270mm以上が特に好ましい。ゴルフボール2のドロップが抑制されるとの観点から、総容積は400mm以下が好ましく、390mm以下がより好ましく、380mm以下が特に好ましい。
十分なディンプル効果が得られるとの観点から、ディンプル8の総数は200個以上が好ましく、240個以上がより好ましく、260個以上が特に好ましい。個々のディンプル8が十分な直径を備えうるとの観点から、総数は500個以下が好ましく、480個以下がより好ましく、460個以下が特に好ましい。
図4に示されたディンプル8は、
(1)断面が円弧状であり下向きに凸である側壁面16、
(2)この側壁面16の下端P2においてこの側壁面16と接しており、ディンプル8の中心に向かって下向きに傾斜する第一スロープ面18、
(3)この第一スロープ面18の下端P3においてこの第一スロープ面18と連続しており、第一スロープ面18よりも緩やかに、ディンプル8の中心に向かって下向きに傾斜する第二スロープ面20
及び
(4)この第二スロープ面20の下端P4においてこの第二スロープ面20と接しており、断面が円弧状であり、ディンプル8の中心に位置する碗状のボトム面22
を有する。上記(1)から(4)を有するディンプル8の数の、ディンプル8の総数に対する比率は、50%以上が好ましく、70%以上がより好ましい。この比率は、理想的には100%である。
本発明では、ディンプル8の各部位のサイズは、塗料が塗布されていないゴルフボール2において測定される。塗装層が除去された後のゴルフボール2において、各部位のサイズが測定されてもよい。
以下、実施例によって本発明の効果が明らかにされるが、この実施例の記載に基づいて本発明が限定的に解釈されるべきではない。
[実施例1]
100質量部のポリブタジエン(ジェイエスアール社の商品名「BR−18」)、30質量部のアクリル酸亜鉛、6質量部の酸化亜鉛、10質量部の硫酸バリウム、0.5質量部のジフェニルジスルフィド及び0.5質量部のジクミルパーオキサイドを混練し、ゴム組成物を得た。このゴム組成物を共に半球状キャビティを備えた上型及び下型からなる金型に投入し、170℃で18分間加熱して、直径が39.7mmのコアを得た。一方、50質量部のアイオノマー樹脂(三井・デュポンポリケミカル社の商品名「ハイミラン1605」)、50質量部の他のアイオノマー樹脂(三井・デュポンポリケミカル社の商品名「ハイミラン1706」)及び3質量部の二酸化チタンを混練し、樹脂組成物を得た。上記コアを、内周面に多数の突起を備えた金型に投入し、球体の周囲に上記樹脂組成物を射出成形法により注入して、厚みが1.5mmであるカバーを成形した。カバーには、突起の形状が反転した形状のディンプルが多数形成された。このカバーに、二液硬化型ポリウレタンを基材とするクリアー塗料を塗装し、直径が42.7mmであり質量が約45.4gである実施例1のゴルフボールを得た。側壁面における塗装層の厚みは10μmであり、点P3の直上における塗装層厚みは15μmであり、ボトム面における塗装層の厚みは9μmであった。塗装層の平均厚みは、10μmであった。このゴルフボールでは、ディンプル総容積は約320mmであった。このゴルフボールは、図2及び図3に示されたディンプルパターンを有する。このゴルフボールのディンプルは、図4及び図5に示された断面形状を有する。ディンプルの仕様の詳細が、下記表1に示されている。
[実施例2から5]
深さd2及び深さd4を下記の表1及び表2に示される通りとした他は実施例1と同様にして、実施例2から5のゴルフボールを得た。
[実施例6及び7]
側壁面の曲率半径Ra及びボトム面の曲率半径Rbを下記の表1及び表2に示される通りとした他は実施例1と同様にして、実施例6及び7のゴルフボールを得た。
[比較例]
ディンプルの断面形状をダブルラジアスとした他は実施例1と同様にして、比較例のゴルフボールを得た。このディンプルは、上壁面、側壁面及びボトム面を備えている。側壁面とボトム面とは、接している。
[飛距離テスト]
ツルテンパー社のスイングマシンに、チタンルヘッドを備えたドライバー(住友ゴム工業株式会社の商品名「XXIO」、シャフト硬度:X、ロフト角:9°)を装着した。ヘッド速度が49m/secである条件でゴルフボールを打撃して、発射地点から静止地点までの距離を測定した。20回の測定の平均値が、下記の表1及び表2に示されている。
Figure 0004489633
Figure 0004489633
表1及び表2に示されるように、実施例のゴルフボールは飛行性能に優れている。この評価結果から、本発明の優位性は明らかである。
本発明は、ツーピースゴルフボールのみならず、ワンピースゴルフボール、マルチピースゴルフボール及び糸巻きゴルフボールにも適用されうる。
図1は、本発明の一実施形態に係るゴルフボールが示された模式的断面図である。 図2は、図1のゴルフボールが示された拡大平面図である。 図3は、図2のゴルフボールが示された正面図である。 図4は、図1のゴルフボールの一部が示された拡大断面図である。 図5は、図4のゴルフボールのディンプルの一部が示された拡大断面図である。
符号の説明
2・・・ゴルフボール
4・・・コア
6・・・カバー
8・・・ディンプル
10・・・ランド
12・・・仮想球
14・・・上壁面
16・・・側壁面
18・・・第一スロープ面
20・・・第二スロープ面
22・・・ボトム面

Claims (6)

  1. その表面に塗装層と多数のディンプルを備えており、
    この塗装層が形成される前の状態でのディンプルが、
    (1)断面が円弧状であり下向きに凸である側壁面、
    (2)この側壁面の下端P2においてこの側壁面と接しており、ディンプル中心に向かって下向きに傾斜し、その断面形状が直線状である第一スロープ面、
    (3)この第一スロープ面の下端P3においてこの第一スロープ面と連続しており、第一スロープ面よりも緩やかに、ディンプル中心に向かって下向きに傾斜しその断面形状が直線状である第二スロープ面
    及び
    (4)この第二スロープ面の下端P4においてこの第二スロープ面と接しており、断面が円弧状であり、ディンプル中心に位置しており、その曲率半径が側壁面の曲率半径よりも大きな碗状のボトム面
    を有しているゴルフボール。
  2. 上記塗装層が形成される前の状態において、上記側壁面と第一スロープ面との接点P2の深さがd2とされたとき、ディンプル深さd0に対する深さd2の比率が50%以上85%以下である請求項1に記載のゴルフボール。
  3. 上記塗装層が形成される前の状態において、上記第二スロープ面とボトム面との接点P4の深さがd4とされたとき、ディンプル深さd0に対する深さd4の比率が50%以上85%以下である請求項1又は2に記載のゴルフボール。
  4. 上記塗装層が形成される前の状態において、上記ディンプルの深さd0に対する、深さd4と深さd2との差(d4−d2)の比率が10%以上30%以下である請求項1から3のいずれかに記載のゴルフボール。
  5. 上記塗装層が形成される前の状態において、上記ボトム面の曲率半径Rbと側壁面の曲率半径Raとの比(Rb/Ra)が5以上55以下である請求項1から4のいずれかに記載のゴルフボール。
  6. 上記塗装層の平均厚みが6μm以上である請求項1から5のいずれかに記載のゴルフボール。
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