JP4488654B2 - 半導体単結晶引上装置のゲートバルブ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体シリコン単結晶引上げ装置のゲートバルブに関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、例えばチョクラルスキー法によるシリコン単結晶引上装置により製造される半導体単結晶は、生産効率の向上のため大型化(大径化、長尺化、高重量化)が求められて来ている。これに伴ない、シリコン単結晶引上装置の真空室上部(所謂トップチャンバ)と結晶引上げ室(所謂ファーネスチャンバ)との間を開閉自在に仕切るゲートバルブとして、ゲートバルブ通過後のファーネスチャンバの小型化及びコンパクト化を図るために、構造が複雑化し、かつ上下方向スペースを余計に必要とする立てスイング式よりも、構造が簡単で、かつ上下方向長さを短くできる横スライド式ゲートバルブを採用したものが多くなっている。
【0003】
例えば特開平2−252687号公報には図7に示すような単結晶引上装置の横スライド式ゲートバルブ(同公報のアイソレーションバルブに相当)が記載されており、以下同公報により第1の従来技術を説明する。図7において、トップチャンバ4bの上端部フランジ面には中空の弁箱21が搭載されており、該弁箱21内には弁体73が設けられ、弁体73は連結部材23を介して旋回軸24に取付けている。旋回軸24は弁箱21に回動自在に、かつ上下移動自在に支持されており、その上端部に取着されたエアシリンダ71により上下動され、また上端部に取着されたレバー72により手動で回動されてトップチャンバ4b上方の閉位置とその側方の開位置との間を回動するようになっている。また、トップチャンバ4bの上端部フランジ面には上方に突出した環状段部74が形成されており、この環状段部74の外周面に環状に形成された溝内にOリング75が嵌め込まれている。一方、弁体73の下面外周部には下方に突出した環状の鍔部73aが形成されている。
【0004】
上記構成によると、トップチャンバ4b上方の閉位置にてエアシリンダ71により弁体73を下降させると、弁体73の鍔部73aの内周面が段部74の外周面のOリング75を押しつぶし、これにより上記ゲートバルブのシール機能を確保している。
【0005】
また特開平6−117558号公報には、図8に示す単結晶引上装置の横スライド式ゲートバルブ(同公報のアイソレーションバルブに相当)が記載されており、以下同公報により第2の従来技術を説明する。図8において、メインチャンバ4aの上端に付設されているフランジの開口部4cに、ゲートバルブ80が取り付けられている。ゲートバルブ80の弁箱21内には、開口部4cを開閉する弁体73を旋回自在に設けている。弁体73は、弁箱21に回動自在に支持された旋回軸24に取付けられたベース板81と、該ベース板81の上方に対向して設けられた天板82との間がステンレス製のベローズ83により連結されており、上下方向に膨縮可能となっている。このベローズ83は、そのベローズのバネ性を利用して、常に縮退状態となっている。ベローズ83によって弁体73内に形成される内部空間73aは、ベース板81内に設けたガス流路84及びそれに連結されるパイプ85を通じてガス供給装置(図示せず)に接続されており、外部から所定圧のガスを供給することにより弁体73を膨張させるようになっている。また、旋回軸24には旋回用アーム86が取り付けてあり、この旋回用アーム86は図示しないエアシリンダにより駆動されるようになっている。
【0006】
弁体73の天板82及びベース板81にそれぞれ対向する弁箱21の上下の内面には、座87,88が設けられ、この座87,88には弁体73が膨張したときにその天板82及びベース板81が密着可能となっている。そして、座88と対向するベース板81の下面にはシールリング89が設けてあり、これにより座88とベース板81との気密性を高めている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述した従来の単結晶引上装置の横スライド式ゲートバルブにおいては、以下のような課題を有している。
(1)特開平2−252687号公報に記載の第1の従来技術においては、弁体73の下降のときに、弁体73の鍔部73aの内周面が段部74外周部のOリング75を押しつぶしながら下降する際、鍔部73aの内周面とOリング75の外周との同心度がずれた状態が発生し、Oリング75の押圧力が全周均一とならず、このOリング75が下降方向に回転しようとする。このため、該Oリング75がねじれを生じ、真空室内の真空維持が困難である。その上、Oリング75の摺動による摩耗が激しく、その寿命が短く、シール不良が多発する。また、本ゲートバルブ下方の真空室(メインチャンバとトップチャンバ4bとを有する)内は運転時高温状態となっており、この高温状態で弁体73を閉じた場合には、下方のトップチャンバ4b等からの輻射熱により弁体73の前記Oリング75との接触部が高温になり、このためOリング75を焼損させたり、密閉性を劣化させる可能性がある。さらに、旋回軸24は弁箱21に回動自在に、かつ上下移動自在に支持されているが、この旋回軸24の外周部の真空維持手段は弁箱21の上下に設けたシールリング76,76によるものであり、このシールリング76,76は旋回軸24が上下移動する際にねじれを生じ易く、従って前記Oリング75の場合と同様に真空室内の真空維持は困難と予想される。
【0008】
(2)特開平6−117558号公報に記載の第2の従来技術においては、シールリング89がベース板81の平面的に形成された下面に設けてあるため、本ゲートバルブ80下方の真空室(メインチャンバ4aを有する)からの輻射熱及びその反射熱を直接的に受け易く、これによりシールリング89が焼損したり、変形したりして、真空室との密閉性が低下する畏れがある。
【0009】
本発明は、上記の問題点に着目してなされ、上下移動及び旋回による真空室の密閉性の低下が非常に少なく、かつ密閉部を真空室からの輻射熱の影響を受け難い構成とした半導体単結晶引上装置のゲートバルブを提供することを目的としている。
【0010】
【課題を解決するための手段、作用及び効果】
上記の目的を達成するために、第1発明は、半導体単結晶を成長させる真空室と、真空室の上方に載置され、かつ成長して引上げられた単結晶を収納するファーネスチャンバとの間に取付けた弁箱内に、略水平方向に回動自在な旋回軸に装着された連結部材を介して旋回自在に、かつ上下移動自在に略円盤状の弁体を設け、該弁体の外周下面部位に環状のシール座面を有し、真空室の前記弁体のシール座面に対向する上端面の部位に環状のシール座面を有し、前記弁体のシール座面又は前記真空室の上端面のシール座面にシールリングを装着し、弁体により真空室の上端開口部を開閉自在とした半導体単結晶引上装置のゲートバルブにおいて、前記弁体の略中央部上面を、揺動自在に押圧可能な揺動保持部を介して前記連結部材の先端部に取付けた構成としている。
【0011】
第1発明によると、弁体でシールするときには、弁体を下降させて弁体の外周部下面の環状シール座面と真空室の上端面の環状シール座面とを当接させるので、両シール座面のいずれか一方に装着したシールリングを押圧するだけでシールすることになるから、該シールリングの捩じれが無く、真空室内の真空度を確実に維持できる。そして、弁体を真空室の上端面の環状シール座面に当接させるときに、該環状シール座面の傾斜や弁体の傾斜等に倣って両シール座面が平行になるように弁体が傾斜するので、弁体のシール性が非常に良く真空維持が容易にできる。
【0012】
第2発明は、第1発明において、前記弁箱を貫通する旋回軸の外周面を覆い、真空室内の真空圧を維持する蛇腹状の上下伸縮自在なシールを設けた構成としている。
【0013】
第2発明によると、旋回軸の上下移動に伴って上下伸縮する蛇腹状のシールにより旋回軸の外周面をシールするので、上下移動によるシールのねじれが無く、第1発明の効果に加えて、より確実に真空維持できる。
【0014】
第3発明は、第1発明において、前記真空室の上端面のシール座面よりも内側に、上方に突出した環状突起部を形成した構成としている。
【0015】
第3発明によると、シール座面の内側の環状突起部により下方の真空室からの輻射熱を遮断して輻射熱が直接シール座面及びそのシールリングに当るのを防止できる。従って、シールリングの焼損や劣化が無くなるので、弁体による高いシール性を長期間維持できる。
【0016】
第4発明は、第1発明において、前記弁体内に、弁体の下面部及び/又はシール座面近傍部位を冷却する冷却液を通す冷却路を設けた構成としている。
【0017】
第4発明によると、弁体内に冷却路を設け、該冷却路に通す冷却液で弁体の下面部及び/又はシール座面近傍部位を冷却するので、下方の真空室からの輻射熱で弁体、シール座面及びシールリングが高温になるのを防止できる。これにより、輻射熱による弁体の歪み、シールリングの焼損や劣化をなくすことができるので、真空室内の真空度を確実に維持できる。
【0018】
第5発明は、第4発明において、前記旋回軸内に、前記弁体の冷却路に冷却液を給排する為の管路を設けた構成としている。
【0019】
第5発明によると、旋回軸内に設けた管路内に冷却液を通すから、旋回軸自体も冷却されるので、その外周面をシールするシールリングや蛇腹状のベローズ等のシール部材の焼損及び劣化を防止でき、確実に長期間真空室の真空維持ができる。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施形態を詳細に説明する。
【0021】
まず、図1により本発明を適用する単結晶引上装置の概要構成を説明する。図1は、本発明に係る単結晶引上装置1の側面図である。尚、以下での説明において、左右とは装置前方を向いた状態での左右を表すものとする。
床面FLよりも低い位置に設置されたベース2上に設けた架台3の上面には、上方に開口したメインチャンバ4aが載置されており、メインチャンバ4a上にはトップチャンバ4bが分離自在に密閉して載置されている。これらのメインチャンバ4a及びトップチャンバ4bにより真空室4が形成されている。メインチャンバ4aの内部には、シリコンなどの溶融液を溜める坩堝(図示せず)が昇降自在に設けられており、また坩堝内の溶融液を加熱するヒータ(図示せず)が設けられている。
【0022】
トップチャンバ4bの上端部には、ファーネスチャンバ5を切り離す時に真空室4内の真空度を維持するためのゲートバルブ20が取付けられており、ゲートバルブ20の上部には筒状のファーネスチャンバ5の下端部が分離自在に接続されている。ファーネスチャンバ5は略上下方向に設けられており、支持部材5bを介して旋回手段6の旋回軸6aに水平旋回自在に支持されている。
【0023】
旋回手段6の旋回軸6aは、下部が架台3の側面部に固着され、かつ略上下方向に立設されたコラム1aの上部に設けた上下1対のブラケット1b,1bの間に取り付けられている。また、旋回軸6aには旋回筒6bが旋回自在及び昇降自在に支承されており、この旋回筒6bに前記支持部材5bを介して前記ファーネスチャンバ5が取付けられている。
【0024】
支持部材5bには旋回手段6の図示しない旋回モータが取り付けられており、この旋回モータの出力軸は図示しないベルトを介して中間軸7aの上端部に接続され、該中間軸7aの下端部に取着されたギアは旋回軸6aに上下摺動自在に挿入されたギア6cに噛合っている。そして、ギア6cは旋回軸6aに上下摺動自在に挿入された昇降手段8の昇降部材8aの上面に固着されており、このギア6cの上端面に旋回筒6bの下端面が上方より当接している。前記旋回モータにより、ファーネスチャンバ5は旋回筒6bを介して旋回軸6aの回りに結晶引上げ位置と結晶取出し位置との間を旋回するようになっている。尚、旋回モータの代わりに油圧シリンダにより旋回させても構わない。また前記昇降手段8は、油圧シリンダ等の直動型アクチュエータ8bを備えている。
【0025】
次に図2及び図3により、ゲートバルブの概要構成を説明する。図2はゲートバルブの平面図で、図3は図2のZ矢視図(概略図)である。
トップチャンバ4bの開口部4cの上端には、弁体22を内蔵する弁箱21が取付けられており、該弁箱21の上部にはファーネスチャンバ5が分離自在に載置されている。弁体22は連結部材23を介して旋回軸24に連結されており、旋回軸24は前記トップチャンバ4bの開口部4cよりも外側の弁箱21の部位に回動自在に、かつ上下移動自在に支承されている。旋回軸24の上部に取付けられた旋回レバー25の先端部には、弁箱21に設けたブラケット26に取付けられた旋回シリンダ27のロッドがリンク28を介して連結されている。この旋回シリンダ27の伸縮によって旋回軸24が回動し、弁体22がトップチャンバ4bの上方の閉位置Aと、その側方の開位置Bとの間を旋回するようになっている。
【0026】
また、弁箱21の上面に下端部が取付けられたブラケット31の上部は旋回軸24を挟んで2叉状に分岐しており、該2叉状の先端部には上下動レバー32の同じく2叉状の先端部が回動自在にピン連結されている。上下動レバー32の2叉部は対向する2本のピン32a,32aにより旋回軸24の外周部に該ピン32aの回りに回動自在に連結されており、さらに該上下動レバー32の基端部は、上下方向に伸縮自在な上下動シリンダ(詳細は図4にて後述する)のロッドにリンク34を介してピン連結されている。この上下動シリンダの伸縮によって、上下動レバー32を介して旋回軸24が上下移動し、弁体22が上下移動するようになっている。
【0027】
ゲートバルブの詳細説明を図4〜図6により行なう。図4はゲートバルブの側面一部断面図であり、図5はその平面詳細図であり、図6は旋回軸内の供給管路及び排出管路と給液管及び排液管との接続説明図である。
図4,図5において、略円盤状を成す弁体22はその内部に冷却路48を形成する空間を有しており、該空間は複数の仕切板47a〜47dによって複数の空間に仕切られていて、隣接する空間は仕切板47a〜47cに形成された開口部48a〜48cにより連通して一つの冷却路48を形成している。弁体22の上面には給液口45aと排液口46aとが設けてあり、それぞれの給液口45aと排液口46aに外部から給液管45と排液管46の一端側が接続されている。そして、旋回軸24の内部には軸方向の供給管路43及び排出管路44が形成されており、この供給管路43及び排出管路44の下端側が図6に示すように前記連結部材23と旋回軸24との結合部近傍から旋回軸24の外に導出されて前記給液管45と排液管46の他端側に接続されている。供給管路43及び排出管路44の上端側は旋回軸24の上端面に導出され、それぞれ上端面に接続された供給口部材49a及び排出口部材49bを経由して給液及び排液されるようになっている。
【0028】
弁体22の外周部には下方に突出した当接部22aが形成されており、この当接部22aの内部にも前記冷却路48が設けてある。一方、この当接部22aに対向するトップチャンバ4bの上端面55には略水平面内の溝が形成され、該溝内にシールリング56が挿入されている。また、このシールリング56よりも内側には上方に突出した環状突起部4dが形成されている。
【0029】
弁体22の略中央部上面には取付部材51が設けられており、取付部材51はその上下からゴム等の弾性部材53,53により挟まれ、この状態で上方から押圧部材52が載置されてボルトにより弁体22の上面に締着されている。そして、この取付部材51を介して前記連結部材23の先端部に取り付けられており、これらの取付部材51、押圧部材52及び弾性部材53によって弁体22の保持部を構成している。連結部材23を下降したときに、上記弾性部材53の弾性力により弁体22が前後左右に揺動してトップチャンバ4bの上端面55に平行に当接し、所定圧力で押し付けられるようになっている。
【0030】
旋回軸24は、弁箱21に上下移動自在に、かつ回動自在に支承されており、旋回軸24の上側外周面に形成された環状溝37には周方向に摺動自在に嵌挿された環状の支持部材38が取付けられている。この支持部材38の下部は、旋回軸24に回動自在に、かつ上下移動自在に嵌挿された胴体39の上面に取付けられている。そして、該胴体39の下部は、上下伸縮自在な蛇腹状で筒状のベローズ41により旋回軸24の外周面を覆うように弁箱21の上面に接続されている。尚、胴体39の内周面には、旋回軸24の回動に対して高いシール性を有する回動専用のシールリング66が装着されている。また、旋回軸24の下端部は弁箱21の下面部から下方に突出しており、該旋回軸24の下端部と弁箱21の下面部との間には旋回軸24の外周面を覆うように上下伸縮自在な蛇腹状で筒状のベローズ42が取り付けられている。
【0031】
また、上記支持部材38は、前記上下動レバー32の前記2叉部内側に互いに対向する2本のピン32a,32aにより該ピン回りに回動自在に連結されている。上下動レバー32の一端部は弁箱21に取付けられている前記ブラケット31にピン33により回動自在に連結されており、他端部は弁箱21にその基端部が取付けられている上下動シリンダ35のロッドにリンク34を介して連結されている。また、弁箱21に取付けたブラケット65には例えば近接スイッチからなる上下位置検出センサ63が取り付けてあり、該上下位置検出センサ63と前記胴体39の外周端部に取付けた検出鉄片64との接離により旋回軸24の上下位置、即ち弁体22の上下位置を検出するようにしている。
【0032】
また、旋回軸24の上部には旋回レバー25が取付けられており、旋回レバー25の先端部はリンク28を介して旋回シリンダ27に連結されている。前記ブラケット31の上部には、旋回位置を検出する旋回位置検出センサ61,62が取り付けられている。本実施形態では旋回位置検出センサ61,62はリミットスイッチからなる例で示しており、旋回レバー25の基端部の外周部に所定角度だけ離間して設けた検出用ドッグ61a,62aにより作動して旋回軸24の旋回位置、即ち弁体22の閉位置A及び開位置Bをそれぞれ検出可能となっている。
【0033】
次に、上記の構成による、引上げた単結晶をファーネスチャンバ5内から取出す際の手順を説明する。
(1)減圧状態で引上げを完了した単結晶10は、図1に示すように、引上げ手段により、メインチャンバ4a内から上方のファーネスチャンバ5内へ上昇させる。
(2)単結晶10を取出す際に、チャンバ内が高温状態のため、ゲートバルブ20により真空室4とファーネスチャンバ5との間を遮断する必要があるので、旋回軸24を旋回シリンダ27で回動して,開位置Bに待機している弁体22を真空室4の中心位置、即ち閉位置Aに旋回させる。
【0034】
(3)この状態から、上下動シリンダ35により旋回軸24を介して弁体22を下降させ、弁体22の当接部22aの下面(シール面)をトップチャンバ4bの上端面55のシールリング56に上方から押圧して密着させる。この状態で、メインチャンバ4aからの高温の輻射熱は環状突起部4dで遮断される。
(4)次に、弁体22上方のファーネスチャンバ5側を大気圧に戻す。このとき、弁体22の上方が大気圧であり、下方が減圧状態であるため、弁体22にはシールリング56の径に応じた面積に相当する大気圧が作用し、これにより真空維持状態となる。また、弁体22の保持部には弾性部材53による揺動機能、即ち取付部材51に対して弁体22が傾斜自在となる機能を有しているので、弁体22の当接部22aの下面(シール面)とトップチャンバ4bの上端面55(シール面)との平行度があまり良くない場合でも、或いは大気圧により弁体22が変形しても、該弁体22をトップチャンバ4bのシール面に密着させることができる。
【0035】
(5)大気に戻ったファーネスチャンバ5内から、引き上げた単結晶10を取り出す。
(6)引き上げた単結晶10を取り出した後、弁体22の上方のファーネスチャンバ5内を再度減圧状態にし、弁体22の上方と下方とが同圧になった状態で弁体22を上下動シリンダ35により上昇させ、次に旋回シリンダ27により弁体22を開位置Bに旋回させてトップチャンバ4bの開口部4cを開状態とする。これにより、次の作業に備える。
【0036】
本実施形態によると、次のような作用、効果が得られる。
(1)弁体22の上方と下方との仕切るシールリング56はトップチャンバ4bの上端面55に形成した略水平面内の溝に挿入されており、その上方から弁体22の当接部22aが当接して押圧するようにしている。このため、弁体22の上下移動の際にシールリング56にはねじれが発生しないので、シール性を向上でき、確実に真空維持ができる。
(2)弁体22の下降の際に、弁体22の保持部の揺動機能により、弁体22の当接部22aが、対向するトップチャンバ4bの上端面55の傾斜に倣って平行に密着する。従って、シール性をより高めて真空維持が確実にできる。
(3)また、シールリング56よりも内側に、該シール面よりも上方に突出した環状突起部4dを設けているため、下方の真空室からの輻射熱の反射を環状突起部4dにより遮蔽してシール面及びシールリング56に直接当らないようにできるので、シールリング56の焼損及び劣化をさらに確実に防止できる。
【0037】
(4)弁体22の内部に冷却水等の冷却液を循環させる冷却路48を設け、冷却液を循環させるので、弁体22が常時冷却され、下方の真空室4(メインチャンバ4aやトップチャンバ4b)からの輻射熱による弁体22の温度上昇を抑制できる。これにより、輻射熱による弁体22の変形、シールリング56の焼損や劣化を防止できる。特に弁体22のシール面近傍の当接部22aにも冷却路48を設け、シールリング56との当接面を局所的に冷却するので、シールリング56の寿命を格段に長期化できる。
(5)旋回軸24の内部に冷却液の供給管路43及び排出管路44を形成し、これらの管路を経由して上記弁体22の冷却路48に冷却液を給排することにより、真空室4からの輻射熱による旋回軸24の温度上昇を抑制でき、旋回軸外周面のシール部材(シールリング66やベローズ41,42等)の劣化を防止して、高いシール性を確保できると共に、これらのシール部材を長寿命化できる。また、弁箱21の外部から内部の旋回自在な弁体22内に冷却液を給排するための複雑な配管が不要で、簡単な構造で給排でき、構造をコンパクトにできる。
(6)旋回軸24の上端面に、上記供給管路43及び排出管路44に冷却液を給排する供給口部材49a及び排出口部材49bを接続するようにしたため、旋回軸24の管路加工が容易である。
【0038】
(7)旋回軸24の外周面のシールには、回動専用のシールリング66と、上下移動に対して捩じれることのない上下伸縮自在なベローズ41,42とを併用しているので、旋回軸24の上下移動によるシール性の低下を防止でき、確実に真空維持ができる。
【0039】
以上説明したように、本発明により以下のような効果を奏する。
(1)上下移動自在で、かつ旋回自在に設けた弁体のシール面と、これに対向する真空室の上端のシール面とを略水平に設け、該シール面に装着したシールリングを上方から押圧してシールするので、弁体の上下移動時にシールリングのねじれが生じることなく、弁体による確実なシール性を確保できる。また、弁体が前後方向及び左右方向に揺動自在に取付けられているから、弁体のシール面と真空室のシール面との平行度が若干悪くても、あるいは弁体が輻射熱等で変形していても、真空室のシール面に倣って平行に弁体を当接させることができるので、弁体の密着性を高め、確実なシール性を確保できる。これらにより、真空室の真空度を確実に維持できる。
(2)旋回軸の上下移動に対しては上下伸縮自在なベローズによりシール性を確保し、旋回軸の回動に対しては回動専用のシールリングによりシール性を確保するようにしたため、旋回軸の上下移動によるシールリングのねじれがなくなり、高いシール性が得られる。
(3)また、真空室上端のシール面の内側に設けた、上方に突出した環状突起部によって、シール面下方の真空室からの輻射熱を遮断するようにしたため、輻射熱によるシール面の加熱及びシールリングの焼損や劣化を防止でき、よってシール性を向上できると共に、シールリングの耐久性を向上できる。
【0040】
(4)また弁体内に冷却路を設け、冷却液を通じて弁体を冷却するから、弁体、シール面及びシールリング等の温度上昇を抑えて、真空室からの輻射熱による弁体の変形やシールリングの焼損及び劣化を防止するので、弁体により真空室の真空維持が確実にできると共に、シールリングの寿命を長期化できる。
(5)さらに、旋回軸内にも冷却液の管路を設けたため、旋回軸外周面のシール部材の劣化を防止し、長期間確実に真空室の真空度を維持できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る単結晶引上装置の側面図である。
【図2】本発明に係るゲートバルブの平面図である。
【図3】図2のZ矢視図である。
【図4】ゲートバルブの側面一部断面図である。
【図5】ゲートバルブの平面詳細図である。
【図6】旋回軸内の供給管路及び排出管路と給液管及び排液管との接続説明図である。
【図7】第1の従来技術の横スライド式ゲートバルブの一部断面側面図である。
【図8】第2の従来技術の横スライド式ゲートバルブの概略断面側面図である。
【符号の説明】
1…単結晶引上装置、1a…コラム、2…ベース、3…架台、4…真空室、4a…メインチャンバ、4b…トップチャンバ、4c…開口部、4d…環状突起部、5…ファーネスチャンバ、6…旋回手段、8…昇降手段、10…単結晶、20…ゲートバルブ、21…弁箱、22…弁体、22a…当接部、23…連結部材、24…旋回軸、25…旋回レバー、27…旋回シリンダ、28…リンク、31…ブラケット、32…上下動レバー、32a…ピン、33…ピン、34…リンク、35…上下動シリンダ、37…溝、38…支持部材、39…胴体、41…ベローズ、42…ベローズ、43…供給管路、44…排出管路、45…給液管、45a…給液口、46…排液管、46a…排液口、47a〜47d…仕切板、48…冷却路、48a〜48c…開口部、50…揺動保持部、51…取付部材、52…押圧部材、53…弾性部材、55…上端面、56…シールリング、61,62…旋回位置検出センサ、63…上下位置検出センサ、A…閉位置、B…開位置。
Claims (5)
- 半導体単結晶を成長させる真空室(4)と、真空室(4)の上方に載置され、かつ成長して引上げられた単結晶を収納するファーネスチャンバ(5)との間に取付けた弁箱(21)内に、略水平方向に回動自在な旋回軸(24)に装着された連結部材(23)を介して旋回自在に、かつ上下移動自在に略円盤状の弁体(22)を設け、該弁体(22)の外周下面部位に環状のシール座面を有し、真空室(4)の前記弁体(22)のシール座面に対向する上端面(55)の部位に環状のシール座面を有し、前記弁体(22)のシール座面又は前記真空室(4)の上端面(55)のシール座面にシールリング(56)を装着し、弁体(22)により真空室(4)の上端開口部(4c)を開閉自在とした半導体単結晶引上装置のゲートバルブにおいて、
前記弁体(22)の略中央部上面を、揺動自在に押圧可能な揺動保持部(50)を介して前記連結部材(23)の先端部に取付けた
ことを特徴とする半導体単結晶引上装置のゲートバルブ。 - 請求項1記載の半導体単結晶引上装置のゲートバルブにおいて、
前記弁箱(21)を貫通する旋回軸(24)の外周面を覆い、真空室(4)内の真空圧を維持する蛇腹状の上下伸縮自在なシール(41,42)を設けた
ことを特徴とする半導体単結晶引上装置のゲートバルブ。 - 請求項1記載の半導体単結晶引上装置のゲートバルブにおいて、
前記真空室(4)の上端面(55)のシール座面よりも内側に、上方に突出した環状突起部(4d)を形成した
ことを特徴とする半導体単結晶引上装置のゲートバルブ。 - 請求項1記載の半導体単結晶引上装置のゲートバルブにおいて、
前記弁体(22)内に、弁体(22)の下面部及び/又はシール座面近傍部位を冷却する冷却液を通す冷却路(48)を設けた
ことを特徴とする半導体単結晶引上装置のゲートバルブ。 - 請求項4記載の半導体単結晶引上装置のゲートバルブにおいて、
前記旋回軸(24)内に、前記弁体(22)の冷却路(48)に冷却液を給排する為の管路(43,44)を設けた
ことを特徴とする半導体単結晶引上装置のゲートバルブ。
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