JP4488377B1 - 折りたたみ式袋物 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 この折りたたみ式袋物は、互いに平行で長さの等しい2対の長辺と、前記長辺に囲まれ、互いに平行で長さの等しい2対の短辺とを有する8角形の布状体1と、前記1対の短辺を除く前記布状体の周縁に沿って配置された1対の紐部2とで構成されており、前記各紐部は、前記8角形の長辺に設けられた4本の紐通し用管状部と、前記短辺を介し近接する2つの紐通し用管状部3に連続して貫通せしめられ、前記長辺の端縁に沿って導出された紐4とで構成され、平面構造体の域を超え、意匠性の高いバックとなる。
【選択図】図2
Description
上記特許文献2においては、4辺に配された紐を引いて袋状にするが、図28にも示されているように、開口を絞り込んで袋状にするものである。この構造では、外観上も風呂敷の延長に過ぎず、バッグをイメージするには程遠い形状である。またその紐は、ループ状であるために、収納する際に隅部の用布を充分に活用することが出来ず収納量が少ない。口を閉じて使用する場合は尚のこと少なくなる。引き出された紐はいずれもループ状であり、それを結び留めるのは煩雑であり、解く場合は尚いっそう煩雑である。
この構成によれば、1枚の正方形布を基本とする布体でありながら、使用時には布体という平面構造体の域を超え、包んだ荷物の収まりも良く、意匠性に優れ、持ちやすいバッグに変身し得るものとなる。さらに、用布面積を効率よく活かし、それによる収納量の増大を図ることができる。
また、長辺と短辺の比を3:√2とする場合、底部となる8角形の領域の周囲に、正方形(5Sと5L)、直角2等辺3角形(5T)が上下、左右が対称となるように配置される。このとき底部となる8角形はこの折りたたみ式袋物の8角形に対して同心状に配置されている。この状態で、立体形に折りたたまれ、紐通し用管状部が形成された各長辺の部分がギャザーで縮められるが、基本的な構造部を構成する正方形とに対し、その間に直角2等辺3角形が対称的に配されており、この直角2等辺3角形部分の存在により、均一にギャザー部を作ることができ、この図形的特徴により実用性及び安定した意匠性を提供している。
この構成によれば、紐の導出部で囲まれた1対の短辺が、絞込まれてしまうのではなく、短辺の中心で外表に折畳まれ、外方への張り出し部を構成することで、バッグのまちのような外観となり、美しい外観を具有するものとなる。そしてその収納力を充分に活かした場合は布状体が荷物に密着し、ピンと張りを呈することで、荷物の重量を布状体全体に分散させ、持ちやすくもなる。また収納として余裕がある場合は美しいギャザーや重なりを呈する。
この構成によれば、折り込みにより2重になった部分が短辺の補強と張り出し部の張りに有効に作用し、意匠性に優れ、かつ強度の高いものとなる。また上記用布は方形で布端の布目が直進していることで、強度が高く、バイアスとなっている部分は2重構造をなしているため、より強度が高いものとなっている。
さらに短辺、長辺の縫製にあたり、切り込み、切除をしないため、形状維持と耐久性に優れたものとなっている。
この構成によれば、正方形の1辺を1:3:1に分割し、4隅の隅部を内部に折り込むことで、短辺の布目も正バイアスで構成され、伸縮性を充分に活かすことが出来、形状に沿った美しいギャザーができ、意匠性の高い折りたたみ式袋物を提供することができる。
この構成によれば、形成された開口縁の傾斜角により、収納の際、紐を引っ張ることで、短辺が重なり合い、口を閉じる状態となる。したがって、収納物を包み込むことが出来るようになり、袋物の機能をより高めている。
(実施の形態1)
図1は本発明の実施の形態1の折りたたみ式袋物に荷物を収納した布状体に布目を模した斜視図であり、用布の端を折り重ねることにより形成された額縁状の縁取りを有する形態である。図2はこの折りたたみ式袋物の展開状態を示す図である。
この折りたたみ式袋物は、図2に示すように、互いに平行で長さの等しい2対の長辺B(B1とB3、B2とB4)と、前記長辺Bに囲まれ、互いに平行で長さの等しい2対の短辺A(A1とA3、A2とA4)とを有する8角形の布状体1と、前記布状体の周縁に沿って配置された1対の紐部2とで構成されており、前記各紐部は、前記8角形の長辺Bに設けられた4本の紐通し用管状部3と、前記短辺Aを介し近接する2つの紐通し用管状部3に連続して貫通せしめられ、前記長辺Bの端縁に沿って導出された紐4とで構成されている。
本実施の形態では、正方形の布状体の巾Dを1:3:1に分割し、この1/5D分だけ、4隅の隅部を正バイアスにて折り込みをすることにより、長辺Bと短辺Aとが交互に形成された8角形の布状体が形成される。図4に示すように、長辺Bの長さが3であるとき、折り込まれた短辺の長さは√2となる。
まず、短辺の長さが望ましい比より小さい場合について述べる。たとえば、長辺と短辺の比を4:√2とするとき(正方形布の1辺を1:4:1に分割するとき)、短辺が短くなるので、長辺が長くなる。この場合、長辺を短辺で割った値は約2.8となる(望ましい場合の長辺を短辺で割った値は約2.1)。この場合、使用時に紐を引くと、長くなった長辺の紐通し用管状部が縮められる。その結果、図7(a)に示すように長辺が長くなった分ギャザー分が多くなり、それら4辺の長辺の膨らみが袋物全体を膨らませている。このふくらみが、荷物の形状に沿うことを妨げており、荷物の収まりが悪く、意匠性に欠けるものである。
まず、図8に示すように正方形の下面用布1aと上面用布1bを重ねた状態で、下面用布の隅を折り重ねる。ついで、図9に示すように、さらに隅を折り込んで、縫い目8を施すと4辺の短辺部分A(A1、A2、A3、A4)が形成される。ついで図10に示すように、下面用布1aの4つの長辺B(B1、B2、B3、B4)の端縁を折り込んで、縫い目8を施すと、4辺の紐通し用管状部3が形成される。上記4辺の紐通し用管状部3の折り込みにより8個の開口が形成される。その開口H1乃至H8は紐通し用管状部3の端縁に対し45度の傾斜角を有している。
用布の性質により必要であるならば、縫いを施す部分に、接着芯を貼り付けて布目を補強しても良い。布の片面に特殊な糊が塗布された接着芯を、表地の裏面に当て、アイロンの熱で押さえるだけで、効率よく芯地を貼着することができる。
図11(a)乃至(c)は使用例1の使用時の組立工程、紐の操作を説明する図である。細長い形状のものを収納する場合には、図11(a)に示したように、布状体を広げ、短辺A1、短辺A3に平行になるように中央に荷物を載せ、図11(a)、図11(b)に示すように、短辺A1と短辺A3を上面で突き合わせて、両側の開口H1、H4とH5、H8から引き出した紐4を、2本ずつ向き合う形で、束ねるように重ねる。図11(c)に示すように、重なっている紐の1本を用いて、開口に近い部分で結びとめ、もう一方も同様に結びとめる。
この使用例2の使用状態を図13、14に示す。図13は、図4の原理説明の図をもとに、本発明の実施の形態1の折りたたみ式袋物の使用例2の布状体に正方形5L、5S、直角2等辺3角形5Tの位置関係を示した図である。図14はその使用例2の布状体に布目を模した図である。この使用例2の場合は、周縁部すべてが上面に集められており、立方体や球体も、安定して美しく包める使用方法である。
次に、本発明の折りたたみ式袋物、実施の形態2について、図面を参照しつつ説明する。図15は、本発明の実施の形態2の折りたたみ式袋物の平面図である。前記実施の形態1と異なるのは、紐の導出部の構造である。前記実施の形態1では図2に示したように、紐通し用管状部の開口が、長辺に対して45度の傾斜角をなすように形成されており、短辺上に設けられた開口縁から、紐が導出されていたのに対し、本実施の形態では、図15に示すように、紐通し用管状部3の開口が、長辺と短辺の交点から、短辺の辺に沿って設けられている点であり、短辺上に設けられた開口縁から、長辺の端縁に沿って紐が導出されている。用布は2枚あるいは、複数枚を用いており、両面使用の形態である。他は実施の形態1と同様であり、ここでは説明を省略する。また符号については、図2と同一符号を付した。
図16(a)乃至(c)は、図15に示した本発明の実施の形態2の折りたたみ式袋物の使用例1の、組み立て工程を説明する斜視図である。図16(c)は、使用例1の使用状態に、布目を模した全体図である。図17は図16(c)の要部拡大図である。この場合は、両面使用の形態である開口の、端縁の縫い目に相当する部分を、縫い合わせることなく開口としている。そのため両面用布の間から、するりと紐を引き出すことができる。結びとめる場合も、その開口縁の布目が伸びて、結びとめた部分に沿うように囲む形状となる。図17に示すように、短辺A1、A3が接した状態で、持ち上げられることにより、袋の口を閉じた状態になる。両面使用の形態にするために、両面の用布の縫い代は内部に折り込まれており、その折り重ねられた端縁に、表から縫いを施している。それにより、正バイアスの布目となる短辺は伸縮性がより活かされ、荷物の形状に沿いやすくなり、かさ高な荷物の場合にも、包み易く、袋物としての機能性を高めている。
図18は使用例2の使用状態に原理説明の位置関係を表した正面図である。正方形5L、5S、直角2等辺3角形5Tの位置関係は図5と同様であるのでここでは説明を省略する(符号は図15参照)。図19、20、21は上面図、側面図、底面図である。本発明の布状体を広げて荷物を載せてから、紐の先端を結んで、その2つの結び目7を持ち上げるだけで、紐が引き出されて、図18のようにショルダーバッグ様の体裁となる。この使用例の場合は、非常に簡単に荷物を収納でき便利である。また、用布面積を効率よく活かしており、形状を問わず、多くの物を収納できる。
例えば、
(1)横に長い形状の物を収納する場合に、2本の紐を引き出して開口近くで結びとめた、ふくらみをもつバッグのようになる使用例。
(2)立方体や球体などに向く使用例。
(3)引き出した紐の端を結びショルダーバッグのようにする使用例。
(4)引き出した紐を、短辺に露出している紐にくぐらせてから、結びとめて菓子折りなどの箱や、かさ高な物に向く使用例。
このような使用例があり、さらに持ち手になる紐の長さも、体格や使用状況に応じて必要な長さに結ぶことが出来る。紐の結び方も、それぞれの好みで変えることができる。
さらにまた、実施の形態2の両面使用の場合には、食事の際にもひざ掛けとして用いたり、あるいは、短辺のひとつの紐を長くして、首にかけ、もう一方の紐をウエストで縛ることで、ジャケットのインナーとしても使用でき、バッグの中に1枚入れておくだけで種々の用途に使用可能である。
1a 下面用布
1b 上面用布
2 紐部
3 紐通し用管状部
4 紐
5S 小さい正方形
5L 大きい正方形
5T 直角2等辺3角形
6 抜け落ち防止部分
7 持ち手になる紐の結び目
8 ミシン縫製の縫い目
A1 短辺
A2 短辺
A3 短辺
A4 短辺
B1 長辺
B2 長辺
B3 長辺
B4 長辺
C 布状体の中心
D 布状体出来上がり巾
H1 開口
H2 開口
H3 開口
H4 開口
H5 開口
H6 開口
H7 開口
H8 開口
LC 底部の中心線
R 底部となる8角形の領域
101 布体
102 紐通路
103 紐
104 通路口
Claims (5)
- 互いに平行で長さの等しい2対の長辺と、互いに平行で長さの等しい2対の短辺とを有する8角形の布状体と、
前記2対の短辺のうちの1対の短辺を残して前記布状体の周縁に沿って配置された1対の紐部とで構成されており、
前記長辺と短辺の比が3:√2であり、
前記紐部は、
前記8角形の長辺に設けられた4本の紐通し用管状部と、
前記短辺を介し近接する2つの紐通し用管状部に連続して貫通せしめられた紐とで、構成されている折りたたみ式袋物。 - 請求項1に記載の折りたたみ式袋物であって、
前記布状体は、正方形布の4隅を折り込むことにより形成された隅切り部である短辺と、前記正方形布の辺である長辺とを有する8角形の布状体であり、
両端に前記紐の導出部を有する1対の短辺は、それぞれ当該短辺の中心で外表に折畳まれ、外方への張り出し部を形成し得るように構成された折りたたみ式袋物。 - 請求項1または2のいずれかに記載の折りたたみ式袋物であって、
前記紐通し用管状部の開口が、前記長辺に対し45度の傾斜角を持つように形成された折りたたみ式袋物。 - 請求項1乃至3のいずれかに記載の折りたたみ式袋物であって、
前記紐通し用管状部の開口が前記短辺に沿って設けられた折りたたみ式袋物。 - 請求項1乃至4のいずれかに記載の折りたたみ式袋物であって、
紐を引き出して荷物を収納する際には、布状体の中心Cと紐部を構成する各短辺の中点とを結んだ線を含む断面が半円形の形状をなすように構成された折りたたみ式袋物。
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