JP4488078B2 - 電波吸収体 - Google Patents

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Description

本発明は、Niを主成分中に含まないMnZn系フェライト材料から構成される電波吸収体に関し、電波暗室や電波吸収壁等に使用される電波吸収体に関する。
近年、情報通信技術の発達や多様な電気機器の普及に伴い、不要な電磁ノイズが精密機器関連装置に及ぼす影響が問題となっている。
このような電磁ノイズの測定には、電磁波の反射のない電波暗室(電波無響室)が必要となり、電波暗室の内壁には電波吸収体が使用されている。
また、テレビジョンの電波が高層建築物等で反射されて生じる受信障害を防止するために、建築物等の外壁に電波吸収体が使用されている。
このような電波吸収体は、電波暗室の内部や外壁等に多量に使用されるために、製品コストが低いことが求められる。
従来の電波吸収体として、例えば、40MHz〜450MHzの周波数帯域において反射減衰量が20dB以上の特性を有する電波吸収体として、マグネシウムー亜鉛系フェライトを焼結させた電波吸収体、ニッケルー亜鉛系フェライトを焼結させた電波吸収体、マンガンーニッケル−銅−亜鉛系フェライト等がある。
これらの中で、マグネシウムー亜鉛系フェライト材は、比較的に原料コストが安いものの、電波吸収体の整合厚みは8mm程度と大きく、電波暗室の内壁や建築物等の外壁に使用される電波吸収体の総重量を低減させるには限界がある。
一方、ニッケルを主成分として含むフェライトは、所望の電波吸収体特性を得るためには有利な素材ではあると言えるが、コストが高くなり、コスト低減を目的とする本願発明の趣旨には合致しない。なお、精密機器関連装置の電磁ノイズを測定する電波暗室では、電磁ノイズを評価する周波数帯域が規格化され、30〜1000MHzの範囲における反射減衰量が20dB以上が要求される。
このような実状のもと、本願出願人は、すでに、特願2007−272587号出願(出願日2007年10月19日)として、Mn−Zn系の電波吸収体の発明の提案をおこなっている。この提案によれば、要求される特性レベルを高いレベルに維持したまま製造コストの低減を図ることができる。
ところで、電波吸収体をタイル状に形成し、構造体の外装、あるいは内装に設ける場合、構造体の形状、規格等に合わせて加工を行なう必要がある。例えば、ビルの外壁に用いる場合、一定の寸法精度に加工されていないと電波吸収体パネル間に隙間が生じたり、決められた設計どおりの位置に設けることができなくなってしまう。この問題を解消させるために、従来の電波吸収体を用いて加工を行なおうとすると、機械的な衝撃に弱いために、加工時や施工時に欠けや、クラックを生じることが多く、歩留まりが低下して、コスト高を招く要因となったりするという問題が生じていた。
本願発明は基本的に上記の課題を解決するために創案されたものではあるが、本願と関連すると思われる先行技術として、JP特許第3278373号公報、特開2001−53483公報、特開2005−213115公報を挙げることができる。
JP特許第3278373号公報に開示の技術は、NiCuZn系フェライトにおいて、MoO3を副成分として添加して耐チッピング性を向上させるものである。
また、特開2001−53483公報に開示の技術は、NiCuZn系フェライトにおいて、V23を副成分として添加して耐チッピング性を向上させるものである。
また、特開2005−213115公報に開示の技術は、NiCuZn系フェライトにおいて、副成分としてWの酸化物、Moの酸化物、Biの酸化物、Pbの酸化物、Mgの酸化物、Siの酸化物、Vの酸化物およびNbの酸化物を適宜選定して添加することにより、耐チッピング性等を向上させるものである。
しかしながら、これらの先行技術は、いずれも、NiCuZn系フェライトに関するものであり、本願発明とは主成分組成が根本的に異なる。また、これらの先行技術は、いずれも、本願発明とは添加すべき副成分の組成の構成および添加量も異なる。
JP特許第3278373号公報 特開2001−53483公報 特開2005−213115公報
このような実状のもとに、本発明は創案されたものであって、その目的は、要求される特性レベルを高いレベルに維持したまま製造コストの低減が図れるMnZn系フェライトの電波吸収体を提供することはもとより、廉価な系であるMnZn系フェライトの耐チッピング性を向上させることにある。
このような課題を解決するために、本発明は、MnZn系フェライト焼結体からなる電波吸収体であって、
該電波吸収体は、
酸化鉄がFe23換算で45.0〜49.0モル%、
酸化亜鉛がZnO換算で19.0〜23.0モル%、および
酸化マンガンがMnO換算で28.0〜36.0%からなる主成分を有し、
この主成分100重量部に対して副成分として、
酸化コバルトをCoO換算で1000〜7000重量ppm、酸化ケイ素をSiO2換算で10〜200重量ppm、酸化バナジウムをV25換算で50〜1000重量ppm、酸化カルシウムをCaO換算で200〜2500重量ppm、および酸化ニオブをNb25換算で50〜500重量ppm含有してなるように構成される。
また、本発明の電波吸収体の好ましい態様として、前記酸化コバルトはCoO換算で3500〜6500重量ppmであるように構成される。
また、本発明の電波吸収体の好ましい態様として、キュリー温度が80℃以上である特性、焼結密度が4.7(g/cm3)を超える特性、周波数30MHzにおける複素誘電率実数部であるε´の値が、10<ε´<30の条件を満たす特性、周波数30MHzにおける複素透磁率実数部であるμ´の値が、μ´<80の条件を満たす特性、周波数30MHzにおける複素透磁率虚数部であるμ´´の値が、μ´´>260の条件を満たす特性、整合厚みが6mm以下となる特性、25℃での反射減衰量が20dB以上である特性、およびラトラ値が0.5%以下となる特性を、有するように構成される。
また、本発明の電波吸収体の好ましい態様として、当該電波吸収体の形状が板状のタイル形状をなしているように構成される。
本発明のMnZn系フェライト焼結体からなる電波吸収体は、酸化鉄がFe23換算で45.0〜49.0モル%、酸化亜鉛がZnO換算で19.0〜23.0モル%、および
酸化マンガンがMnO換算で28.0〜36.0%からなる主成分を有し、この主成分100重量部に対して、副成分として酸化コバルト、酸化ケイ素、酸化バナジウム、酸化カルシウム、および酸化ニオブをそれぞれ所定量を含有してなるように構成されているので、製造コストの格段の低減を図ることができ、キュリー温度、整合厚み、電波吸収特性の温度特性周波数特性に優れ、さらに耐チッピング性が格段と向上する。
以下、本発明の実施の形態について説明する。
(本発明の電波吸収体を構成する主成分の説明)
本発明の電波吸収体は、酸化鉄、酸化亜鉛、および酸化マンガンからなる主成分を含み構成される。酸化鉄は、Fe23換算で45.0〜49.0モル%(好ましくは、46.0〜48.0モル%)、酸化亜鉛はZnO換算で19.0〜23.0モル%(好ましくは20.5、〜22.5モル%)、および酸化マンガンはMnO換算で28.0〜34.5モル%含有される。
上記の範囲を外れた組成領域では、電波吸収特性に必要とされる複素比透磁率の周波数特性、複素比誘電率の周波数特性が満足されなかったり、電波吸収体の整合厚みが6.0mmを超えたり、電波吸収体として適当なキュリー点が得られなかったりする。
ここで電波吸収特性とは下記の式(1)で表され、複素透磁率実数部μ´の低下を生じさせる周波数が高くなると、低周波数帯域からの良好な電波吸収特性が得られなくなってしまう。また、複素透磁率虚数部μ´´が低い場合、整合厚みの増大を来たすことになる。
また、複素誘電率の実数部ε´が適切な値でないと、反射減衰量の低下を招いてしまう。
Figure 0004488078
また、キュリー点が著しく低い場合、変換された熱により電波吸収体そのものの温度が容易にキュリー点を超えてしまい、磁性を失い電波吸収体として機能しなくなってしまうという不都合が生じる。
上記酸化鉄の含有量が、45.0モル%未満となると、複素比透磁率の虚数部μ´´の低下により、整合厚みが6mm以上となり、しかも、キュリー温度が80℃以下になるという不都合が生じる。また、上記酸化鉄の含有量が、49.0モル%を超えると、複素比透磁率の実数部μ´の低下を生じさせる周波数が高くなり、30MHzの低周波領域における、室温(25℃)での反射減衰量が20dB以下になってしまうという不都合が生じる。
また、上記酸化亜鉛の含有量が、19.0モル%未満となると、複素比透磁率の実数部μ´の低下を生じさせる周波数が高くなり、30MHzの低周波領域における、室温(25℃)での反射減衰量が20dB以下になってしまうという不都合が生じる。また、上記酸化亜鉛の含有量が、23.0モル%を超えると、整合厚みが6mm以上となり、しかもキュリー温度が80℃以下になるという不都合が生じてしまう。
(主成分に添加される副成分の説明)
(1)副成分として酸化コバルトの添加
上記のMnZn系フェライト主成分100重量部に対して、副成分として酸化コバルトがCoO換算で1000〜7000重量ppm、好ましくは3500〜6500重量ppm含有される。
適度なコバルトの添加は、複素比透磁率の実数部μ´の減衰を低周波側へシフトさせる効果をもたらし、上記酸化コバルトの含有量が、1000重量ppm未満となると、複素比透磁率の実数部μ´の低下を生じさせる周波数が高くなってしまう。その結果、30MHzの低周波領域における、室温(25℃)での反射減衰量が20dB以下となり、かつマイナス20℃(−20℃)での反射減衰量が15dB以下となってしまうという不都合が生じる傾向がある。
また、酸化コバルトの含有量が、7000重量ppmを超えると、逆に複素比透磁率の実数部μ´の低下を生じさせる周波数が高くなり、30MHzの低周波領域における、室温(25℃)での反射減衰量が20dB以下となり、かつマイナス20℃(−20℃)での反射減衰量が15dB以下となってしまうという不都合が生じる傾向がある。
また、1000〜7000重量ppmの酸化コバルトの添加は、酸化バナジウム、酸化カルシウム、および酸化ニオブの添加と相俟って、耐チッピング性向上の相乗効果を生み出す。
(2)副成分として酸化ケイ素(SiO2)の添加
上記のMnZn系フェライト主成分100重量部に対して、副成分として酸化ケイ素がSiO2換算で10〜200重量ppm、好ましくは30〜150重量ppm含有される。酸化ケイ素の含有量が10重量ppm未満であると、焼結密度が著しく低下してしまうという不都合が生じる。また、酸化ケイ素の含有量が200重量ppmを超えると、異常粒成長が現れてしまうという不都合が生じる。
(3)副成分としての酸化バナジウム(V25)の添加
上記のMnZn系フェライト主成分100重量部に対して、副成分として酸化バナジウムがV25換算で50〜1000重量ppm、好ましくは100〜500重量ppm含有される。酸化バナジウムの含有量が50重量ppm未満であると、ラトラ値が増大するという不都合が生じてしまう。
また、酸化バナジウムの含有量が1000重量ppmを超えると、複素比透磁率の実数部μ´の低下を生じさせる周波数が高くなり、30MHzの低周波領域における、室温(25℃)での反射減衰量が20dB以下となる。整合厚みも厚くなる。
また、50〜1000重量ppmの酸化バナジウムの添加は、酸化コバルト、酸化カルシウム、および酸化ニオブの添加と相俟って、耐チッピング性向上の相乗効果を生み出す。
(4)副成分として酸化カルシム(CaO)の添加
上記のMnZn系フェライト主成分100重量部に対して、副成分として酸化カルシウムがCaO換算で200〜2500重量ppm、好ましくは500〜1500重量ppm含有される。酸化カルシウムの含有量が200重量ppm未満であると、周波数30MHzにおけ複素比透磁率の実数部μ´が大きくなってしまい(複素比透磁率の実数部μ´の減衰が高周波側にシフトしてしまい)、20dB以上の反射減衰量が得られないという不都合が生じてしまう。
また、酸化カルシウムの含有量が2500重量ppmを超えると、周波数30MHzにおける複素比透磁率の虚数部μ´´が小さくなってしまい、整合厚みが厚くなってしまうという不都合が生じる。
また、200〜3000重量ppmの酸化カルシムの添加は、酸化バナジウム、酸化コバルト、および酸化ニオブの添加と相俟って、耐チッピング性向上の相乗効果を生み出す。
(5)副成分として酸化ニオブ(Nb25)の添加
上記のMnZn系フェライト主成分100重量部に対して、副成分として酸化ニオブがNb25換算で50〜500重量ppm、好ましくは100〜400重量ppm含有される。酸化ニオブの含有量が50重量ppm未満であると、耐チッピング性向上の効果が低下するという不都合が生じてしまう。また、酸化ニオブの含有量が500重量ppmを超えると、周波数30MHzにおける複素比透磁率の実数部μ´が大きくなってしまい(複素比透磁率の実数部μ´の減衰が高周波側にシフトする)、20dB以上の反射減衰量が得られないという不都合が生じる傾向にある。
また、50〜500重量ppmの酸化ニオブの添加は、酸化バナジウム、酸化コバルト、および酸化カルシウムの添加と相俟って、耐チッピング性向上の相乗効果を生み出す。
(6)その他の副成分
その他の副成分として、SnO2、TiO2、NiO、Ta25、ZrO2、HfO2、GeO2、MoO3、WO3、Bi23、In23、Cr23、Al23等の種々の副成分を本願発明の作用効果を逸脱しない範囲で含有させるようにしてもよい。
上述してきたような本発明の電波吸収体は、焼結後の組成が上記の範囲内となるように配合されたMnZn系フェライト材料を、例えば、板状のタイル形状に成形した後、1100℃〜1350℃程度の温度で焼結させることにより製造される。より具体的な製造方法は、後述の実施例での実験例を参考されたい。なお、タイル形状の大きさとしては、縦寸法が50〜200mm程度、横寸法が50〜200mm程度、厚さ寸法が3〜10mm程度の板状体を例示することができる。
以下、具体的な実施例を挙げて、本発明をさらに詳細に説明する。
焼成後の組成が、下記表1に示される組成となるように各原料成分を秤量し、鋼鉄製ボールミルで16時間湿式混合した。
次に、この混合粉を大気中900℃で2時間、仮焼きした。得られた仮焼き物に副成分を、焼成後の組成が下記表1に示される組成となるように添加し、鋼鉄製ボールミルで16時間湿式粉砕した。
このようにして得られたMnZn系フェライト粉にポリビニルアルコール水溶液を10重量%添加して造粒し、1ton/cm2の圧力で下記の電波吸収体の特性テストが可能なような所定の形状に成形した。
このようにして形成した成形物を焼成した。焼成条件として、焼成温度1300℃(1300℃まで空気中)とし、その後の冷却帯域において1000℃まで酸素分圧を制御し、1000℃以下では窒素(N2)雰囲気での焼成を行なった。
このようにして得られた電波吸収体のサンプルについて、下記の要領で、(1)キュリー点、(2)電波吸収体の整合厚み、(3)周波数30MHzにおける25℃での反射減衰量、(4)複素比透磁率の実数部μ´、複素比透磁率の虚数部μ´´、複素誘電率の実数部ε´の値(いずれも25℃、周波数30MHzで測定)、(5)焼結密度ρ(g/cm3)、(6)ラトラ値をそれぞれ、測定した。
(1)キュリー点(Tc)の測定方法
試料を高温層の中に入れ、各温度で十分安定するまで保持した後、LCRメーターを用いて初透磁率μiの温度特性を測定した。初透磁率の最大値を超えた下降部において最大値の80%の点と20%の点を結ぶ延長線がμi=1の線と交わる点を求め、キュリー温度Tcとした。なお、測定周波数は1kHzとした。
なお、キュリー温度Tcの目標値は、80℃以上である。
(2)電波吸収体の整合厚み(d)
電波吸収体の電波吸収特性は、外径19.8mm、内径8.6mmに加工されたリング形状のサンプルを用い、同軸管内に挿入した状態でネットワーク・アナライザーで反射係数を測定した。得られた測定結果から、反射減衰量および電波吸収体前面の規格化インピーダンスを算出した。
規格化インピーダンス(Z)と反射係数(S)の関係は以下のとおり。
Z=(1+S)/(1−S)
S=(Z−1)/(Z+1)
S=(Ssample/Smetal
−20log|S|=dB
それぞれの厚みの規格化インピーダンスをスミスチャートにプロットし、スミスチャートの中心を通る厚みを計算により求め、その厚さを整合厚み(d)とした。
なお、整合厚み(d)の目標値は、6mm以下である。
(3)周波数30MHzにおける25℃での反射減衰量(RD25
上記計算した整合厚みのリングを実際に作製し、上記の同軸管法により周波数30MHzにおける25℃での反射減衰量(RD25)を測定した。RD25の目標値は、20dB以上である。
(4)複素比透磁率の実数部μ´、複素比透磁率の虚数部μ´´、複素誘電率の実数部ε´の値(いずれも25℃、周波数30MHzで測定)
上記(2)の手法に準じて、外径19.8mm、内径8.6mmに加工されたリング形状のサンプルを用い、同軸管内に挿入した状態でネットワーク・アナライザーで反射係数を測定し、得られた測定結果からμ´、μ´´、およびε´を導出した。
なお、ε´の目標値は、10<ε´<30の範囲内である。
また、μ´の目標値は、μ´<80である。
また、μ´´の目標値は、μ´´>260である。
(5)焼結密度ρ(g/cm3
アルキメデス法により測定した。
なお、焼結密度ρの目標値は、4.7(g/cm3)を超えることである。
(6)ラトラ値(Rattler Value)
焼結体試料を直径20mm、高さ15mmの円柱状に加工し、加工された焼結体試料について、ラトラ試験を行い、ラトラ値を求めた。
ラトラ試験は、以下の要領で行なった。
まず、試験に用いる3個の焼結体試料の試験前の重量(W1)を測定した。次いで、3個の焼結体試料を、内部に邪魔棒を有する直径約10cmのポット(ラトラ試験機)に入れ、回転数100rpm、回転時間5分の条件で3個の焼結体試料をポット内で粉砕した。その後、3個の焼結体試料の試験終了後の重量(W2)を測定した。3個の焼結体試料の試験前後の重量の減少率を求め、これをラトラ値とした。すなわち、ラトラ値は、下記式(1)によって算出される。
ラトラ値(%)=100×(W1−W2)/W1 …式(1)
本発明におけるラトラ値の目標値は、0.5%以下である。
これらの各項目の測定結果を下記表1に示した。
Figure 0004488078
Figure 0004488078
以上の実験結果より、本発明の効果は明らかである。すなわち、本発明は、MnZn系フェライト焼結体からなる電波吸収体であって、該電波吸収体は、酸化鉄がFe23換算で45.0〜49.0モル%、酸化亜鉛がZnO換算で19.0〜23.0モル%、および酸化マンガンがMnO換算で28.0〜36.0%からなる主成分を有し、この主成分100重量部に対して、副成分として酸化コバルト、酸化ケイ素、酸化バナジウム、酸化カルシウム、および酸化ニオブをそれぞれ所定量を含有してなるように構成されているので、要求される特性レベルを高いレベルに維持したまま製造コストの低減が図れ、かつ、耐チッピング性を向上させることができる。
本発明のMnZn系フェライトの製造方法は、幅広く各種の電気部品産業に利用できる。

Claims (4)

  1. MnZn系フェライト焼結体からなる電波吸収体であって、
    該電波吸収体は、
    酸化鉄がFe23換算で45.0〜49.0モル%、
    酸化亜鉛がZnO換算で19.0〜23.0モル%、および
    酸化マンガンがMnO換算で28.0〜36.0%からなる主成分を有し、
    この主成分100重量部に対して副成分として、
    酸化コバルトをCoO換算で1000〜7000重量ppm、酸化ケイ素をSiO2換算で10〜200重量ppm、酸化バナジウムをV25換算で50〜1000重量ppm、酸化カルシウムをCaO換算で200〜2500重量ppm、および酸化ニオブをNb25換算で50〜500重量ppm含有してなることを特徴とする電波吸収体。
  2. 前記酸化コバルトはCoO換算で3500〜6500重量ppmである請求項1に記載の電波吸収体。
  3. キュリー温度が80℃以上である特性、
    焼結密度が4.7(g/cm3)を超える特性、
    周波数30MHzにおける複素誘電率実数部であるε´の値が、10<ε´<30の条件を満たす特性、
    周波数30MHzにおける複素透磁率実数部であるμ´の値が、μ´<80の条件を満たす特性、
    周波数30MHzにおける複素透磁率虚数部であるμ´´の値が、μ´´>260の条件を満たす特性、
    整合厚みが6mm以下となる特性、
    25℃での反射減衰量が20dB以上である特性、および
    ラトラ値が0.5%以下となる特性を、有する請求項1または請求項2に記載の電波吸収体。
  4. 板状のタイル形状をなしている請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の電波吸収体。
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