JP4488060B2 - 成形不能部検出装置、成形不能部検出システム、成形不能部検出プログラムおよび成形不能部検出方法 - Google Patents

成形不能部検出装置、成形不能部検出システム、成形不能部検出プログラムおよび成形不能部検出方法 Download PDF

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本発明は、成形不能部検出装置、成形不能部検出システム、成形不能部検出プログラムおよび成形不能部検出方法に関する。
従来より、機械製品等の製品を構成する部品は、部品毎に製図が行われており、前記製図を行うために、電子計算機としてのコンピュータを使用し、例えば、3D−CAD、すなわち、3Dimension−Computer Aided Design、3次元計算機支援設計等の設計支援システムを利用することが一般的に行われている。また、製図された前記部品を大量生産する場合、前記部品の形状に応じた型を作製して成形するが、前記型を設計する場合、生産効率を高めるために、前記部品が有する凹部等のために一方向に移動するだけでは成形できない成形不能部、いわゆる、アンダーカットの有無を考慮して設計される。
ここで、前記アンダーカットの有無の判別については、一般的に技術者が確認することが多く、金型設計に関する高度で熟練された知識が要求され、確認に時間がかかるという問題がある。この問題に対応するため、例えば、前記3D−CADにおいて、前記アンダーカットを自動的に認識する技術についての研究・開発等が積極的に行われている。
前記アンダーカットを自動的に認識する技術として、例えば、下記の特許文献1,2に記載の技術が知られている。
特許文献1としての特開2006−139791号公報には、製品形状の面の法線ベクトルと、型開き方向の基準ベクトルとを求め、前記基準ベクトルと逆向きの法線ベクトルを検出することにより、アンダーカット部を検出する技術が記載されている。特許文献1では、例えば、前記法線ベクトルが前記基準ベクトルに対する負(−)の方向成分を有すると判別された面から前記基準ベクトルの逆方向に延びる直線に交わる前記製品(1)の他の面があると判別した場合に、前記面をアンダーカット部として登録する技術が記載されている。なお、製品(1)の前記基準ベクトルの方向に形成された穴の側面は、前記法線ベクトルが前記基準ベクトルに対する方向成分を有しておらず、すなわち、内積が0となる。このため、特許文献1では、前記穴が前記アンダーカット部ではなく金型における単なる入れ子となる部分であると判別され、前記アンダーカット部と区別するために色調を変えてディスプレイ(19)に表示する技術も記載されている。
特許文献2としての特開2005−329589号公報には、内周面に螺子溝を有する筒状の成形品と、前記成形品の金型との干渉であるアンダーカットが発生しないようにするために、前記成形品の内周面を成形するための前記金型の中子(40)を分割した各スライド(51〜56)の面形状から算出される法線ベクトルと、前記スライド(51〜56)の抜き方向、すなわち、円筒軸方向の単位ベクトルとの内積を演算することにより、離型工程において前記各スライド(51〜56)が前記成形品に干渉しないか否かを判別して、アンダーカットの有無を判断する技術が記載されている。
すなわち、特許文献1,2では、前記法線ベクトルと型抜き方向の単位ベクトルとの内積に基づいてアンダーカットの有無が判断されている。
特開2006−139791号公報(「0016」、「0145」〜「0153」、図28〜図30) 特開2005−329589号公報(要約書、「0043」〜「0052」、図3、図21〜図26)
本発明は、成形不能部の有無を精度良く自動判別することを技術的課題とする。
前記技術的課題を解決するために、請求項1記載の発明の成形不能部検出装置は、
成形品の3次元形状を構成する各表面上の任意の点の法線を演算する法線演算手段と、
前記法線が、前記法線が演算された表面に応じて予め設定された前記成形品の型の型抜方向に対して逆方向の方向成分である逆方向成分を有するか否かを判別する逆方向成分判別手段と、
前記逆方向成分を有する前記法線が演算された点を有する表面を、前記型を一方向に移動するだけでは成形できない成形不能部であると判別する成形不能部判別手段と、
前記成形不能部であると判別された前記表面を成形不能表面とし、前記成形不能表面に隣接し且つ前記成形不能表面でないと判別された前記表面を隣接表面とした場合に、前記成形不能表面と前記隣接表面との間に設けられた境界線に対して前記成形不能表面と前記隣接表面とが凹状に接続されているか否かを判別する凹状接続判別手段と、
前記成形不能表面と前記隣接表面とが凹状に接続されていると判別された場合に、前記隣接表面を前記成形不能部であると判別する隣接成形不能部判別手段と、
を備えたことを特徴とする。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の成形不能部検出装置において、
前記成形不能表面の法線を第1法線とし、前記隣接表面の法線を第2法線とした場合に、前記第1法線と前記第2法線とに基づいて、前記境界線に対して前記成形不能表面と前記隣接表面とがなす連結角度を演算する連結角度演算手段と、
前記連結角度に基づいて、前記成形不能表面と前記隣接表面とが凹状に接続されているか否かを判別する前記凹状接続判別手段と、
を備えたことを特徴とする。
請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載の成形不能部検出装置において、
前記成形不能部でないと判別された前記表面を投影表面とした場合に、前記投影表面から前記型抜方向に延びる型抜方向直線が到達する他の表面が存在するか否かを判別する投影直線到達判別手段と、
前記投影表面から延びる前記型抜方向直線が到達する他の表面が存在する場合に、前記投影表面を前記成形不能部であると判別する投影成形不能部判別手段と、
を備えたことを特徴とする。
請求項に記載の発明は、請求項に記載の成形不能部検出装置において、
前記投影表面から延びる前記型抜方向直線が到達する他の表面が存在しない場合に、前記投影表面と、前記投影表面に隣接し且つ前記型抜方向直線と平行な表面である立壁とを前記成形不能部でないと判別する前記投影成形不能部判別手段と、
を備えたことを特徴とする。
請求項に記載の発明は、請求項1ないしのいずれかに記載の成形不能部検出装置において、
前記表面が、直線を中心軸にして回転させて得られる立体としての回転体の曲面である回転面であるか否かを判別する回転面判別手段と、
前記回転面の中心軸方向と、前記型抜方向とが平行であるか否かを判別する中心軸平行判別手段と、
前記表面が前記中心軸方向と前記型抜方向とが平行となる回転面である場合に、前記回転面の中心軸方向に対する垂直断面の円の直径としての外径について、前記型抜方向上流側の外径である上流側外径が、前記型抜方向下流側の外径である下流側外径以上であるか否かを判別する断面外径判別手段と、
前記表面が前記中心軸方向と前記型抜方向とが平行となる回転面であり、且つ、前記中心軸方向全域において前記上流側外径が前記下流側外径以上であると判別された場合に、前記表面が前記成形不能部でないと判別する前記成形不能部判別手段と、
を備えたこと特徴とする。
前記技術的課題を解決するために、請求項記載の発明の成形不能部検出システムは、
成形品の3次元形状を構成する各表面上の任意の点の法線を演算する法線演算手段と、
前記法線が、前記法線が演算された表面に応じて予め設定された前記成形品の型の型抜方向に対して逆方向の方向成分である逆方向成分を有するか否かを判別する逆方向成分判別手段と、
前記逆方向成分を有する前記法線が演算された点を有する表面を、前記型を一方向に移動するだけでは成形できない成形不能部であると判別する成形不能部判別手段と、
前記成形不能部であると判別された前記表面を成形不能表面とし、前記成形不能表面に隣接し且つ前記成形不能表面でないと判別された前記表面を隣接表面とした場合に、前記成形不能表面と前記隣接表面との間に設けられた境界線に対して前記成形不能表面と前記隣接表面とが凹状に接続されているか否かを判別する凹状接続判別手段と、
前記成形不能表面と前記隣接表面とが凹状に接続されていると判別された場合に、前記隣接表面を前記成形不能部であると判別する隣接成形不能部判別手段と、
を備えたことを特徴とする。
前記技術的課題を解決するために、請求項記載の発明の成形不能部検出プログラムは、
コンピュータを、
成形品の3次元形状を構成する各表面上の任意の点の法線を演算する法線演算手段と、
前記法線が、前記法線が演算された表面に応じて予め設定された前記成形品の型の型抜方向に対して逆方向の方向成分である逆方向成分を有するか否かを判別する逆方向成分判別手段、
前記逆方向成分を有する前記法線が演算された点を有する表面を、前記型を一方向に移動するだけでは成形できない成形不能部であると判別する成形不能部判別手段、
前記成形不能部であると判別された前記表面を成形不能表面とし、前記成形不能表面に隣接し且つ前記成形不能表面でないと判別された前記表面を隣接表面とした場合に、前記成形不能表面と前記隣接表面との間に設けられた境界線に対して前記成形不能表面と前記隣接表面とが凹状に接続されているか否かを判別する凹状接続判別手段、
前記成形不能表面と前記隣接表面とが凹状に接続されていると判別された場合に、前記隣接表面を前記成形不能部であると判別する隣接成形不能部判別手段、
として機能させる。
前記技術的課題を解決するために、請求項記載の発明の成形不能部検出方法は、
成形品の3次元形状を構成する各表面上の任意の点の法線を演算する法線演算工程と、
前記法線が、前記法線が演算された表面に応じて予め設定された前記成形品の型の型抜方向に対して逆方向の方向成分である逆方向成分を有するか否かを判別する逆方向成分判別工程と、
前記逆方向成分を有する前記法線が演算された点を有する表面を、前記型を一方向に移動するだけでは成形できない成形不能部であると判別する成形不能部判別工程と、
前記成形不能部であると判別された前記表面を成形不能表面とし、前記成形不能表面に隣接し且つ前記成形不能表面でないと判別された前記表面を隣接表面とした場合に、前記成形不能表面と前記隣接表面との間に設けられた境界線に対して前記成形不能表面と前記隣接表面とが凹状に接続されているか否かを判別する凹状接続判別工程と、
前記成形不能表面と前記隣接表面とが凹状に接続されていると判別された場合に、前記隣接表面を前記成形不能部であると判別する隣接成形不能部判別工程と、
を備えたことを特徴とする。
請求項1に記載の発明によれば、本発明の構成を有しない場合に比べ、成形不能部の有無を精度良く自動判別することができる。
請求項2に記載の発明によれば、本発明の構成を有しない場合に比べ、前記隣接表面が前記成形不能表面と凹状に接続された成形不能部であるか否かを簡単な計算で判別することができる。
請求項3に記載の発明によれば、前記成形不能表面と凹状に接続された前記隣接表面と、前記型抜方向直線が到達する前記他の表面が存在する前記投影表面とを成形不能部として判別することができる。
請求項に記載の発明によれば、前記投影表面および前記立壁が前記成形不能部でないことを判別することができる。
請求項に記載の発明によれば、本発明の構成を有しない場合に比べ、前記回転面が成形不能部であるか否かを精度良く判別することができる。
請求項に記載の発明によれば、本発明の構成を有しない場合に比べ、成形不能部の有無を精度良く自動判別することができる。
請求項に記載の発明によれば、本発明の構成を有しない場合に比べ、成形不能部の有無を精度良く自動判別することができる。
請求項に記載の発明によれば、本発明の構成を有しない場合に比べ、成形不能部の有無を精度良く自動判別することができる。
次に図面を参照しながら、本発明の実施の形態の具体例(実施例)を説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
なお、以下の図面を使用した説明において、理解の容易のために説明に必要な構成や部材以外の図示は適宜省略されている。
図1は本発明の実施例1の設計支援システムの全体説明図である。
図1において、実施例1の成形不能部検出システムの機能を含む設計支援システムSは、機械製品等の製品を構成する各成形品の製図を行うための成形不能部検出装置の機能を含む設計支援装置の一例としてのクライアントパソコンPCを有する。前記クライアントパソコンPCは、情報通信回線の一例としてのネットワークNを介して、正規に登録された前記クライアントパソコンPCに前記設計支援システムSの使用許諾を与えるための設計支援使用許諾装置の一例としてのライセンスサーバLSVに接続されている。なお、実施例1の前記ネットワークNは、いわゆる、インターネット回線により構成されている。また、実施例1の前記クライアントパソコンPCおよび前記ライセンスサーバLSVは、電子計算機の一例としてのコンピュータ装置により構成されている。
また、実施例1の前記クライアントパソコンPCは、計算機本体の一例としてのコンピュータ本体H1、出力表示装置の一例としてのディスプレイH2、入力装置の一例としてのキーボードH3およびマウスH4、図示しない記憶装置の一例としてのHDドライブ、すなわち、ハードディスクドライブ、記憶媒体読取装置の一例としてのCDドライブ、すなわち、コンパクトディスクドライブ等により構成されている。また、実施例1の前記ライセンスサーバLSVについても、前記クライアントパソコンPCと同様に、コンピュータ本体H1や図示しないハードディスクドライブやCDドライブ等により構成されている。
(実施例1の制御部の説明)
図2は実施例1のクライアントパソコンおよびライセンスサーバの制御部が備えている各機能を機能ブロック図で示した図である。
(クライアントパソコンPCの制御部の説明)
図2において、前記クライアントパソコンPCのコンピュータ本体H1は、外部との信号の入出力および入出力信号レベルの調節等を行うI/O、すなわち、入出力インターフェース、必要な処理を行うためのプログラムおよびデータ等が記憶されたROM、すなわち、Read Only Memory:リードオンリーメモリ、必要なデータを一時的に記憶するためのRAM、すなわち、Random Access Memory:ランダムアクセスメモリ、ハードディスク等に記憶されたプログラムに応じた処理を行うCPU、すなわち、Central Processing Unit:中央演算処理装置、ならびにクロック発振器等を有している。
前記構成のクライアントパソコンPCは、前記ハードディスクやROM等に記憶されたプログラムを実行することにより種々の機能を実現することができる。
前記クライアントパソコンPCの前記ハードディスクには、コンピュータ装置の基本動作を制御する基本ソフトウェアとしてのオペレーティングシステムOS、前記ライセンスサーバLSVから前記設計支援システムSの使用許諾情報を取得するための設計支援使用認証プログラムAP1、前記各成形品の製図を行うための、成形不能部検出プログラムの機能を含む設計支援プログラムAP2、図示しない文書作成用ソフトウェアとしてのワープロソフトウェア、電子メール送受信用ソフトウェア等のアプリケーションプログラム等が記憶されている。以下、従来公知のオペレーティングシステムOSや図示しないアプリケーションプログラムを除く各プログラムAP1,AP2の各機能(制御手段)を説明する。
(設計支援使用認証プログラムAP1)
前記設計支援使用認証プログラムAP1は、前記設計支援システムSへの登録を申請する旨の情報である登録申請情報を送信する登録申請情報送信手段C1と、前記設計支援システムSの使用を許諾する旨の情報である使用許諾情報を受信する使用許諾情報受信手段C2と、前記使用許諾情報を記憶する使用許諾情報記憶手段C3とを有する。なお、実施例1の前記クライアントパソコンPCは、前記ライセンスサーバLSVとの間で情報の送受信を行い、前記登録申請情報に基づいて前記使用許諾情報を取得することにより、前記設計支援システムSの使用許諾を得る。
(設計支援プログラムAP2)
図3は成形品の表面に示されたu方向およびv方向のグリッド線のグリッド交点における法線ベクトルと型抜方向との関係を示すための要部拡大説明図である。
C101:製図開始判別手段
前記製図開始判別手段C101は、型抜方向入力判別手段C101Aと、罫線間隔入力判別手段C101Bとを有し、前記設計支援システムSによる成形品の製図を開始するか否かを判別する。
C101A:型抜方向入力判別手段
型抜方向入力判別手段C101Aは、図3に示す前記成形品の型の型抜方向KHが入力されたか否かを判別する。
C101B:罫線間隔入力判別手段
罫線間隔入力判別手段C101Bは、図3に示す前記成形品の各表面上に示されるグリッド線のu方向間隔Luおよびv方向間隔Lvが入力されたか否かを判別する。
C102:使用許諾手段
使用許諾手段C102は、前記使用許諾情報記憶手段C3に記憶された前記使用許諾情報に基づいて、前記クライアントパソコンPCが前記設計支援システムSの正規の使用許諾を得ているか否かを判別する使用許諾処理を実行する。
図4は実施例1の成形品画像の説明図である。
C103:成形品画像表示制御手段
成形品画像表示制御手段C103は、成形品情報記憶手段C103Aを有し、図4に示す前記成形品の3次元形状情報が画像化された成形品画像1の表示を制御する。図4において、実施例1の前記成形品画像1には、前記成形品の一例として、画像形成装置の現像装置の現像容器が表示されている。また、前記成形品画像1は、後述する図5および図6に示される前記成形品の型を一方向に移動するだけでは成形できない成形不能部(M1〜M3)、いわゆる、アンダーカットを検出する成形不能部検出処理を実行するための成形不能部検出釦2と、後述する図8Aに示される前記成形品の各表面を分割する境界線(L)のうち、本来同一表面であるべき2つの表面(FM1,FM2)を分割する不要な境界線である不要境界線(L1)を検出する不要境界線検出処理を実行するための不要境界線検出釦3と、後述する図9に示される前記境界線(L)と、前記境界線(L)により接続された第1表面(FM1)と第2表面(FM2)とによって形成された凹部および凸部のうち、前記第1表面(FM1)と前記第2表面(FM2)とが所定の連結角度(β,β′)で接続された尖型凹部(E1)、いわゆる、型エッジおよび尖型凸部(E2)、いわゆる、製品エッジを検出する尖型凹凸部検出処理を実行するための尖型凹凸部検出釦4とを有する。
C103A:成形品情報記憶手段
成形品情報記憶手段C103Aは、前記成形品の各表面の表面情報を記憶する表面情報記憶手段C103A1と、前記成形品の各境界線の両端の座標等の境界線情報を記憶する境界線情報記憶手段C103A2とを有し、前記表面情報と前記境界線情報とによって構成された前記成形品の成形品情報を記憶する。
C104:法線演算手段
法線演算手段C104は、前記表面上に設定され、法線が演算される法線演算点(p1〜p17,P)において、法線の一例としての法線ベクトル(h1〜h16,HV1,HV2)を演算する。なお、実施例1では、前記法線演算点(p1〜p17,P)として、図3に示す前記各表面上のグリッド交点(p1〜p16)と、後述する図7〜図9に示す前記各境界線の中点(P)とが使用される。
C105:成形不能部検出手段
成形不能部検出手段C105は、成形不能部判別手段C105Aと、隣接成形不能部判別手段C105Bと、投影成形不能部判別手段C105Cと、成形不能部設定記憶手段C105Dと、成形可能部設定記憶手段C105Eと、成形不能部表示手段C105Fとを有し、前記成形不能部検出釦2が選択された場合に、前記成形不能部(M1〜M3)を検出する前記成形不能部検出処理を実行する。
C105A:成形不能部判別手段
成形不能部判別手段C105Aは、罫線交点演算手段C105A1と、逆方向成分判別手段C105A2とを有し、前記法線ベクトル(h1〜h16)に基づいて前記各表面が前記成形不能部(M1)であるか否かを判別する。
C105A1:罫線交点演算手段
罫線交点演算手段C105A1は、図3に示すように、予め入力された前記u方向間隔Luと前記v方向間隔Lvとに基づいて、前記各表面上におけるu方向のグリッド線と、v方向のグリッド線と、前記各表面を囲む境界線との交点である前記各表面上のグリッド交点p1〜p16を演算する。
C105A2:逆方向成分判別手段
逆方向成分判別手段C105A2は、図3に示すように、前記グリッド交点p1〜p16から演算された法線ベクトルh1〜h16が、予め入力された前記型抜方向KHに対して逆方向の方向成分である逆方向成分を有するか否かを判別する。したがって、実施例1の前記成形不能部判別手段C105Aは、前記逆方向成分を有する前記法線ベクトルh1〜h16が1つでもあれば前記各表面を前記成形不能部(M1)であると判別する。
図5は成形品の成形不能表面と凹状接続表面との関係を示すための要部拡大説明図であり、図5Aは成形不能表面と隣接表面とが凹状に連結された状態を示す説明図であり、図5Bは成形不能表面と隣接表面とが凸状に連結された状態を示す説明図である。
C105B:隣接成形不能部判別手段
隣接成形不能部判別手段C105Bは、隣接表面判別手段C105B1と、連結角度演算手段C105B2と、凹状接続判別手段C105B3とを有し、図5に示すように、前記成形不能部判別手段C105Aで前記成形不能部(M1〜M3)であると判別された前記表面を成形不能表面M1とし、前記成形不能表面M1でないと判別され且つ前記成形不能表面M1に隣接する前記表面を隣接表面M2,M2′とした場合に、前記成形不能表面M1と凹状に連結された前記隣接表面M2である凹状接続表面M2を前記成形不能部(M2)であると判別する。
C105B1:隣接表面判別手段
隣接表面判別手段C105B1は、前記成形不能表面M1でないと判別された前記各表面が図5に示す前記隣接表面M2,M2′であるか否かを判別する。すなわち、前記成形不能面M1でないと判別された前記各表面に隣接する表面が前記成形不能部(M1〜M3)であるか否かを判別する。
C105B2:連結角度演算手段
連結角度演算手段C105B2は、図5に示す前記隣接表面M2,M2′と、前記隣接表面M2,M2′に隣接する前記成形不能表面M1との連結角度α,α′を演算する。実施例1の前記連結角度演算手段C105B2は、前記成形不能表面M1上の第1法線の一例としての法線ベクトル(h1〜h16)と、前記隣接表面M2,M2′上の第2法線の一例としての法線ベクトル(h1〜h16)とに基づいて、前記連結角度α,α′を演算する。
C105B3:凹状接続判別手段
凹状接続判別手段C105B3は、前記成形不能表面M1と前記隣接表面M2,M2′とが凹状に接続された前記凹状接続表面M2であるか否かを判別する。実施例1の前記凹状接続判別手段C105B3は、前記連結角度演算手段C105B2で演算された前記連結角度α,α′が予め設定された凹状接続判別値αmax未満であるか否かを判別することにより、前記成形不能表面M1と前記隣接表面M2,M2′とが凹状に連結されているか否かを判別する。なお、実施例1では、例えば、前記凹状接続判別値αmaxを180°に予め設定できる。したがって、実施例1の前記隣接成形不能部判別手段C105Bは、前記成形不能部(M1〜M3)と凹状に連結された前記凹状接続表面M2を前記成形不能部(M1,M2)であると判別する。
図6は成形品の投影表面から延ばした型抜方向直線の要部拡大説明図であり、図6Aは法線ベクトルが到達する他の表面が存在する状態の断面図であり、図6Bは法線ベクトルが到達する他の表面が存在しない状態の断面図である。
C105C:投影成形不能部判別手段
投影成形不能部判別手段C105Cは、投影直線到達判別手段C105C1と、立壁判別手段C105C2とを有し、図6に示すように、前記各表面(M2′)を投影表面M3,M3′とした場合に、前記投影表面M3,M3′から前記型抜方向KHに延びる型抜方向直線KLに基づいて、前記投影表面M3,M3′が前記成形不能部(M1〜M3)であるか否かを判別する。実施例1の前記投影成形不能部判別手段C105Cは、前記成形不能部判別手段C105Aおよび前記隣接成形不能部判別手段C105Bで前記成形不能部(M1,M2)であると判別されなかった前記各表面(M2′)を対象として、前記投影表面M3,M3′が前記成形不能部(M1〜M3)であるか否かを判別する。
C105C1:投影直線到達判別手段
投影直線到達判別手段C105C1は、図6に示すように、前記投影表面M3,M3′から延びる前記型抜方向直線KLが到達する他の表面M4が存在するか否かを判別する。したがって、実施例1の前記投影成形不能部判別手段C105Cは、前記他の表面M4が存在する前記投影表面M3を前記成形不能部M1〜M3であると判別する。
C105C2:立壁判別手段
立壁判別手段C105C2は、図6Bに示す、前記他の表面M4が存在しない前記投影表面M3′に隣接し且つ前記型抜方向直線KLと平行な表面である立壁M5が存在するか否かを判別する。したがって、実施例1の前記投影成形不能部判別手段C105Cは、前記他の表面M4が存在しない前記投影表面M3′と前記立壁M5とを前記成形不能部M1〜M3でないと判別する。
C105D:成形不能部設定記憶手段
成形不能部設定記憶手段C105Dは、前記成形不能部M1〜M3であると判別された前記各表面(M1〜M3)を前記成形不能部M1〜M3として設定して記憶する。
C105E:成形可能部設定記憶手段
成形可能部設定記憶手段C105Eは、前記成形不能部M1〜M3であると判別されなかった前記各表面(M3′,M5)を、アンダーカットではない表面としての成形可能部M3′,M5として設定して記憶する。
C105F:成形不能部表示手段
成形不能部表示手段C105Fは、前記成形不能部設定記憶手段C105Dに記憶された全ての前記成形不能部M1〜M3を前記成形品画像1上に着色して表示する。
C106:不要境界線検出手段
不要境界線検出手段C106は、中点演算手段C106Aと、法線判別手段C106Bと、曲率演算手段C106Cと、湾曲状態判別手段の一例としての曲率判別手段C106Dと、不要境界線設定記憶手段C106Eと、必要境界線設定記憶手段C106Fと、不要境界線表示手段C106Gとを有し、前記不要境界線検出釦3が選択された場合に、前記不要境界線(L1)を検出する前記不要境界線検出処理を実行する。
図7は成形品の境界線の中点における第1表面の第1法線ベクトルと第2表面の第2法線ベクトルとの関係を示すための要部拡大説明図であり、図7Aは第1法線ベクトルと第2法線ベクトルとが同一方向の場合の説明図であり、図7Bは第1法線ベクトルと第2法線ベクトルとが異なる方向の場合の説明図である。
C106A:中点演算手段
中点演算手段C106Aは、図7に示す前記各境界線Lの両端の座標に基づいて中点Pを演算する。
C106B:法線判別手段
法線判別手段C106Bは、図7Aに示すように、前記境界線Lにより接続された2つの表面を第1表面FM1および第2表面FM2とし、前記第1表面FM1の法線ベクトルを第1法線ベクトルHV1とし、前記第2表面FM2の法線ベクトルを第2法線ベクトルHV1とした場合に、前記法線演算手段C104により演算された前記中点Pにおける前記第1法線ベクトルHV1と、前記第2法線ベクトルHV2とが同一方向であるか否かを判別する。
図8は成形品の境界線の中点における第1表面のu1方向曲率およびv1方向曲率と第2表面のu2方向曲率およびv2方向曲率との関係を示すための要部拡大説明図であり、図8Aはu1方向曲率およびv1方向曲率とu2方向曲率およびv2方向曲率とが同じ値の場合の説明図であり、図8Bはu1方向曲率およびv1方向曲率とu2方向曲率およびv2方向曲率とが異なる値の場合の説明図である。
C106C:曲率演算手段
曲率演算手段C106Cは、前記第1表面FM1および前記第2表面FM2の曲率(Ku1,Kv1,Ku2,Kv2)を演算する。実施例1の前記曲率演算手段C106Cは、前記第1法線ベクトルHV1と前記第2法線ベクトルHV2とが同一方向であると判別された場合に、図8に示すように、前記中点Pにおける前記第1表面FM1における前記グリッド線のu方向の一例としてのu1方向の曲率であるu1方向曲率Ku1と、前記グリッド線のv方向の一例としてのv1方向の曲率であるv1方向曲率Kv1と、前記第2表面FM2における前記グリッド線のu方向の一例としてのu2方向の曲率であるu2方向曲率Ku2と、前記グリッド線のv方向の一例としてのv2方向の曲率であるv2方向曲率Kv2とを演算する。なお、実施例1では、前記u1方向曲率Ku1と、前記v1方向曲率Kv1とによって第1曲率Ku1,Kv1が構成されている。また、前記u2方向曲率Ku2と、前記v2方向曲率Kv2とによって第2曲率Ku2,Kv2が構成されている。
C106D:曲率判別手段
曲率判別手段C106Dは、図8Aに示すように、前記曲率演算手段C106Cで演算された前記第1表面FM1の第1曲率Ku1,Kv1と、前記第2表面FM2の第2曲率Ku2,Kv2とが同一の値であるか否かを判別することにより、前記境界線Lにおける前記第1表面FM1の湾曲状態である第1湾曲状態と、前記境界線Lにおける前記第2表面FM2の湾曲状態である第2湾曲状態とが同一であるか否かを判別する。実施例1の前記曲率判別手段C106Dは、前記u1方向曲率Ku1と前記u2方向曲率Ku2とが同一の値で且つ前記v1方向曲率Kv1と前記v2方向曲率Kv2とが同一の値である場合、または、前記u1方向曲率Ku1と前記v2方向曲率Kv2とが同一の値で且つ前記u2方向曲率Ku2と前記v1方向曲率Kv1とが同一の値である場合、すなわち、Ku1=Ku2かつKv1=Kv2、または、Ku1=Kv2かつKu2=Kv1である場合に、前記第1表面FM1の曲率Ku1,Kv1と、前記第2表面FM2の曲率Ku2,Kv2とが同一の値であると判別する。したがって、実施例1の前記不要境界線検出手段C106は、前記各法線ベクトルHV1,HV2が同一方向であると判別され、且つ、前記第1表面FM1の第1曲率Ku1,Kv1と前記第2表面FM2の第2曲率Ku2,Kv2とが同一の値であると判別された場合に、前記境界線Lが、本来同一面である前記第1表面FM1と前記第2表面FM2とを分割する前記不要境界線L1であると判別する。
C106E:不要境界線設定記憶手段
不要境界線設定記憶手段C106Eは、図8Aに示す、前記不要境界線L1であると判別された前記各境界線Lを、前記不要境界線L1として設定して記憶する。
C106F:必要境界線設定記憶手段
必要境界線設定記憶手段C106Fは、図7Bおよび図8Bに示す、前記不要境界線L1であると判別されなかった前記各境界線Lを、必要な境界線である必要境界線L2として設定して記憶する。
C106G:不要境界線表示手段
不要境界線表示手段C106Gは、前記不要境界線設定記憶手段C106Eに記憶された全ての前記不要境界線L1を前記成形品画像1上に着色して表示する。
C107:尖型凹凸部検出手段
尖型凹凸部検出手段C107は、中点演算手段C107Aと、尖型判別手段C107Bと、法線方向移動点演算手段C107Cと、凹凸判別手段C107Dと、尖型凹部設定記憶手段C107Eと、尖型凸部設定記憶手段C107Fと、非尖型凹凸部設定記憶手段C107Gと、尖型凹凸部表示手段C107Hとを有し、前記尖型凹凸部検出釦4が選択された場合に、前記尖型凹部(E1)または前記尖型凸部(E2)を含む尖型凹凸部(E1+E2)、いわゆる、シャープエッジを検出する前記尖型凹凸部検出処理を実行する。
図9は成形品に形成された尖型凹凸部の拡大断面説明図であり、図9Aは尖型凹部の断面図であり、図9Bは尖型凸部の断面図である。
C107A:中点演算手段
中点演算手段C107Aは、前記中点演算手段C106Aと同様に、図9に示す各境界線Lの両端の座標に基づいて中点Pを演算する。
C107B:尖型判別手段
尖型判別手段C107Bは、図9に示す、前記境界線Lにより接続された前記第1表面FM1と前記第2表面FM2とが前記境界線Lに対してなす角度である連結角度β,β′が、予め設定された尖型判別値βmax未満であるか否かを判別する。なお、実施例1の前記尖型判別手段C107Bでは、前記連結角度演算手段C105B2と同様に、前記中点Pにおける前記第1表面FM1の第1法線ベクトルHV1と、前記第2表面FM2の第2法線ベクトルHV2とのなす角度γ,γ′に基づいて前記連結角度β,β′が演算される。すなわち、β=|360°−(90°×2)−γ|=|180°−γ|,β′=|360°−(90°×2)−γ′|=|180°−γ′|が演算される。また、実施例1では、例えば、前記尖型判別値βmaxを60°に予め設定できる。
C107C:法線方向移動点演算手段
法線方向移動点演算手段C107Cは、前記法線演算点Pから演算された法線の方向に移動した点である法線方向移動点Qを演算する。実施例1の前記法線方向移動点演算手段C107Cは、図9に示すように、前記中点Pにおける前記第1法線ベクトルHV1の方向に移動した前記法線方向移動点Qを演算する。なお、実施例1では、前記中点Pと、前記法線方向移動点Qとの間の距離である法線方向移動量LH1を、前記成形品の各面の厚さよりも十分に小さな値に設定でき、例えば、0.1[mm]に設定できる。また、実施例1では、前記中点Pにおける前記第1法線ベクトルHV1の方向に移動した前記法線方向移動点Qを演算するが、これに限定されず、例えば、前記第2法線ベクトルHV2の方向に前記法線方向移動量LH1だけ移動した法線方向移動点を演算することも可能である。
C107D:凹凸判別手段
凹凸判別手段C107Dは、前記境界線Lに対して、前記第1表面FM1および前記第2表面FM2が凹状に接続されているか、凸状に接続されているかを判別する。実施例1の前記凹凸判別手段C107Dは、図9Aに示すように、前記法線方向移動点Qが前記成形品内部の点である場合には、前記第1表面FM1および前記第2表面FM2が凹状に接続されていると判別し、図9Bに示すように、前記法線方向移動点Qが空間上の点である場合には、前記第1表面FM1および前記第2表面FM2が凸状に接続されていると判別する。したがって、実施例1の前記尖型凹凸部検出手段C107は、前記連結角度β,β′が前記尖型判別値βmax未満と判別され、且つ、前記第1表面FM1および前記第2表面FM2が凹状に接続されていると判別された場合に、前記境界線Lと、前記第1表面FM1および前記第2表面FM2とにより前記尖型凹部E1が形成されていると判別すると共に、前記連結角度β,β′が前記尖型判別値βmax未満と判別され、且つ、前記第1表面FM1および前記第2表面FM2が凸状に接続されていると判別された場合に、前記境界線Lと、前記第1表面FM1および前記第2表面FM2とにより前記尖型凸部E2が形成されていると判別する。
C107E:尖型凹部設定記憶手段
尖型凹部設定記憶手段C107Eは、図9Aに示す、前記尖型凹部E1であると判別された前記境界線Lと、前記第1表面FM1および前記第2表面FM2とを前記尖型凹部E1として設定して記憶する。
C107F:尖型凸部設定記憶手段
尖型凸部設定記憶手段C107Fは、図9Bに示す、前記尖型凸部E2であると判別された前記境界線Lと、前記第1表面FM1および前記第2表面FM2とを前記尖型凸部E2として設定して記憶する。
C107G:非尖型凹凸部設定記憶手段
非尖型凹凸部設定記憶手段C107Gは、前記尖型凹部E1または前記尖型凸部E2であると判別されなかった前記境界線Lと、前記第1表面FM1および前記第2表面FM2とを前記尖型凹凸部E1+E2ではない非尖型凹凸部として設定して記憶する。
C107H:尖型凹凸部表示手段
尖型凹凸部表示手段C107Hは、前記尖型凹部設定記憶手段C107Eに記憶された全ての前記尖型凹部E1と、前記尖型凸部設定記憶手段C107Fに記憶された全ての前記尖型凸部E2とを前記成形品画像1上に色分けした状態で着色して表示する。
C108:製図終了判別手段
製図終了判別手段C108は、前記設計支援システムSによる成形品の製図を終了するか否かを判別する。実施例1の前記製図終了判別手段C108は、ユーザによる前記設計支援プログラムAP1を終了する入力がされたか否かを判別することにより、前記設計支援システムSによる成形品の製図を終了するか否かを判別する。
(ライセンスサーバLSVの制御部の説明)
また、図2において、前記ライセンスサーバLSVのコンピュータ本体H1は、前記クライアントパソコンPCのコンピュータ本体H1と同様に、前記入出力インターフェース、前記ROM、前記RAM、前記CPU、前記クロック発振器等を有しており、前記ハードディスクやROM等に記憶されたプログラムを実行することにより種々の機能を実現することができる。また、前記ライセンスサーバLSVの前記ハードディスクには、前記オペレーティングシステムOS、前記クライアントパソコンPCに前記設計支援システムSの使用許諾情報を送信するための設計支援使用認証プログラムAP1等のアプリケーションプログラム等が記憶されている。以下、前記設計支援使用認証プログラムAP1の各機能(制御手段)を説明する。
(設計支援使用認証プログラムAP1)
前記設計支援使用認証プログラムAP1は、前記クライアントパソコンPCからの前記登録申請情報を受信する登録申請情報受信手段C1と、前記使用許諾情報を送信する使用許諾情報送信手段C2と、前記登録申請情報を記憶する登録申請情報記憶手段C3とを有する。なお、実施例1の前記ライセンスサーバLSVは、前記クライアントパソコンPCとの間で情報の送受信を行い、前記登録申請情報に基づいて前記使用許諾情報を譲渡することにより、前記設計支援システムSの使用を許諾する。
(実施例1のフローチャートの説明)
次に、実施例1のクライアントPCの設計支援プログラムAP2の処理の流れをフローチャートを使用して説明する。なお、前記クライアントパソコンPCおよび前記ライセンスサーバLSVの設計支援使用認証プログラムAP1に対応する処理については、前記クライアントパソコンPCが前記登録申請情報を送信して前記使用許諾情報を受信して記憶すると共に、前記ライセンスサーバLSVが前記登録申請情報を送信して記憶し、前記使用許諾情報を受信するだけであるため、フローチャートによる詳細な説明を省略する。
(実施例1の設計支援プログラムAP2のメイン処理のフローチャートの説明)
図10は本発明の実施例1の設計支援プログラムのメイン処理のフローチャートである。
図10のフローチャートの各ST(ステップ)の処理は、前記制御部のROM等に記憶されたプログラムに従って行われる。また、この処理は前記制御部の他の各種処理、例えば、成形品の製図処理等と並行してマルチタスクで実行される。
図10に示すフローチャートは前記クライアントパソコンPCが電源オンした後、前記設計支援プログラムAP1が起動した場合に開始される。
図10のST1において、ユーザにより前記型抜方向KHおよびグリッド線のu方向間隔Lvおよびv方向間隔Lu等が入力されたか否かを判別することにより、前記設計支援システムSによる成形品の製図を開始するか否かを判別する。イエス(Y)の場合はST2に移り、ノー(N)の場合はST1を繰り返す。
ST2において、前記使用許諾情報記憶手段C3に記憶された前記使用許諾情報に基づいて、前記クライアントパソコンPCが前記設計支援システムSの正規の使用許諾を得ているか否かを判別する使用許諾処理を実行する。そして、ST3に移る。
ST3において、図4に示すように、前記成形品情報記憶手段C103Aに記憶された成形品の3次元形状の情報である成形品情報が画像化された成形品画像1を表示する成形品画像表示処理を実行する。そして、ST4に移る。
ST4において、成形品画像1の成形不能部検出釦2が選択されたか否かを判別する。イエス(Y)の場合はST5に移り、ノー(N)の場合はST6に移る。
ST5において、後述する図11のフローチャートに示す、成形不能部M1〜M3を検出する成形不能部検出処理を実行する。そして、ST4に戻る。
ST6において、成形品画像1の不要境界線検出釦3が選択されたか否かを判別する。イエス(Y)の場合はST7に移り、ノー(N)の場合はST8に移る。
ST7において、後述する図12のフローチャートに示す、不要境界線L1を検出する不要境界線検出処理を実行する。そして、ST4に戻る。
ST8において、成形品画像1の尖型凹凸部検出釦4が選択されたか否かを判別する。イエス(Y)の場合はST9に移り、ノー(N)の場合はST10に移る。
ST9において、後述する図13のフローチャートに示す、前記尖型凹部E1または前記尖型凸部E2を含む尖型凹凸部E1+E2を検出する尖型凹凸部検出処理を実行する。そして、ST4に戻る。
ST10において、ユーザにより前記設計支援プログラムAP1を終了する入力がされたか否かを判別することにより、前記設計支援システムSによる成形品の製図を終了するか否かを判別する。イエス(Y)の場合はST11に移り、ノー(N)の場合はST4に戻る。
ST11において、成形品画像1を非表示にする。そして、ST1に戻る。
(実施例1の設計支援プログラムAP2の成形不能部検出処理のフローチャートの説明)
図11は成形不能部検出処理のフローチャートであり、図10のST5のサブルーチンの説明図である。
図11のST101において、前記表面情報記憶手段C103A1に記憶された成形品画像1の全ての表面の表面情報を取得する。そして、ST102に移る。
ST102において、全ての表面のうちの未選択の表面の表面情報を選択する。そして、ST103に移る。
ST103において、グリッド線のu方向間隔Luおよびv方向間隔Lvに基づいて、
図3に示す、全てのグリッド交点p1〜p16の各法線ベクトルh1〜h16を演算する。そして、ST104に移る。
ST104において、型抜方向KHの逆方向成分を有する法線ベクトルh1〜h16が存在するか否かを判別する。イエス(Y)の場合はST105に移り、ノー(N)の場合はST106に移る。
ST105において、選択された表面を成形不能部(M1)として設定して記憶する。そして、ST106に移る。
ST106において、全ての表面が選択済であるか否かを判別する。イエス(Y)の場合はST107に移り、ノー(N)の場合はST102に戻る。
ST107において、成形不能表部として設定されていない表面のうち、未設定の表面の表面情報を選択する。そして、ST108に移る。
ST108において、選択された表面に隣接する表面が成形不能部M1〜M3であるか否かを判別する。すなわち、選択された表面が隣接表面M2であるか否かを判別する。イエス(Y)の場合はST109に移り、ノー(N)の場合はST110に移る。
ST109において、図5に示す、成形不能表面M1と隣接表面M2との連結角度α,α′が予め設定された凹状接続判別値αmax未満であるか否かを判別する。すなわち、α<αmax,α′<αmaxであるか否かを判別することにより、隣接表面M2,M2′が凹状接続表面M2であるか否かを判別する。ノー(N)の場合はST110に移り、イエス(Y)の場合はST114に移る。
ST110において、図6に示す、選択された表面、すなわち、投影表面M3,M3′から延びる型抜方向直線KLが到達する他の表面M4が存在するか否かを判別する。ノー(N)の場合はST111に移り、イエス(Y)の場合はST112に移る。
ST111において、選択された表面を成形可能部(M3′)として設定して記憶する。そして、ST113に移る。
ST112において、選択された表面(M3′)に隣接し且つ前記型抜方向直線KLと平行な表面である立壁M5が存在するか否かを判別する。イエス(Y)の場合はST113に移り、ノー(N)の場合はST115に移る。
ST113において、選択された表面(M3′)に隣接する全ての立壁M5を成形可能部(M5)として設定して記憶する。そして、ST115に移る。
ST114において、選択された表面を成形不能部(M2,M3)として設定して記憶する。そして、ST115に移る。
ST115において、未設定の成形不能表部M1〜M3以外の表面が存在するか否かを判別する。ノー(N)の場合はST116に移り、イエス(Y)の場合はST107に戻る。
ST116において、記憶された全ての成形不能部M1〜M3を着色して表示する。そして、成形不能部検出処理を終了して図10のメイン処理に戻る。
(実施例1の設計支援プログラムAP2の不要境界線検出処理のフローチャートの説明)
図12は不要境界線検出処理のフローチャートであり、図10のST7のサブルーチンの説明図である。
図12のST201において、前記境界線情報記憶手段C103A2に記憶された成形品画像1の全ての境界線Lの境界線情報を取得する。そして、ST202に移る。
ST202において、全ての境界線Lのうちの未選択の境界線Lの境界線情報を選択する。そして、ST203に移る。
ST203において、選択された境界線Lに接続された第1表面FM1および第2表面FM2の各表面情報を取得する。そして、ST204に移る。
ST204において、次の(1),(2)の処理を実行し、ST205に移る。
(1)選択された境界線Lの中点Pにおける第1表面FM1の第1法線ベクトルHV1を演算する。
(2)選択された境界線Lの中点Pにおける第2表面FM2の第2法線ベクトルHV2を演算する。
ST205において、第1法線ベクトルHV1と、第2法線ベクトルHV2とが同一方向であるか否かを判別する。イエス(Y)の場合はST206に移り、ノー(N)の場合はST210に移る。
ST206において、次の(1),(2)の処理を実行し、ST207に移る。
(1)選択された境界線Lの中点Pにおける第1表面FM1のu1方向曲率Ku1およびv1方向曲率Kv1を演算する。
(2)選択された境界線Lの中点Pにおける第2表面FM2のu2方向曲率Ku2およびv2方向曲率Kv2を演算する。
ST207において、u1方向曲率Ku1とu2方向曲率Ku2とが同一の値であり且つv1方向曲率Kv1とv2方向曲率Kv2とが同一の値であるか否かを判別する。すなわち、Ku1=Ku2かつKv1=Kv2であるか否かを判別する。ノー(N)の場合はST208に移り、イエス(Y)の場合はST209に移る。
ST208において、u1方向曲率Ku1とv2方向曲率Kv2とが同一の値で且つu2方向曲率Ku2とv1方向曲率Kv1とが同一の値であるか否かを判別する。すなわち、Ku1=Kv2かつKu2=Kv1であるか否かを判別する。イエス(Y)の場合はST209に移り、ノー(N)の場合はST210に移る。
ST209において、選択された境界線Lを不要境界線L1として設定して記憶する。そして、ST211に移る。
ST210において、選択された境界線Lを必要境界線L2として設定して記憶する。そして、ST211に移る。
ST211において、全ての境界線Lが選択済であるか否かを判別する。イエス(Y)の場合はST212に移り、ノー(N)の場合はST202に戻る。
ST212において、記憶された全ての不要境界線L1を着色して表示する。そして、不要境界線検出処理を終了して図10のメイン処理に戻る。
(実施例1の設計支援プログラムAP2の尖型凹凸部検出処理のフローチャートの説明)
図13は尖型凹凸部検出処理のフローチャートであり、図10のST9のサブルーチンの説明図である。
図13のST301において、前記境界線情報記憶手段C103A2に記憶された成形品画像1の全ての境界線Lの境界線情報を取得する。そして、ST302に移る。
ST302において、全ての境界線Lのうちの未選択の境界線Lの境界線情報を選択する。そして、ST303に移る。
ST303において、選択された境界線Lに接続された第1表面FM1および第2表面FM2の各表面情報を取得する。そして、ST304に移る。
ST304において、次の(1),(2)の処理を実行し、ST305に移る。
(1)選択された境界線Lの中点Pにおける第1表面FM1の第1法線ベクトルHV1を演算する。
(2)選択された境界線Lの中点Pにおける第2表面FM2の第2法線ベクトルHV2を演算する。
ST305において、第1表面FM1と第2表面FM2とのなす連結角度β,β′が尖型判別値βmax未満であるか否かを判別する。すなわち、β<βmax,β′<βmaxであるか否かを判別する。なお、ST305では、前記中点Pにおける前記第1表面FM1の第1法線ベクトルHV1と、前記第2表面FM2の第2法線ベクトルHV2とのなす角度γ,γ′に基づいて前記連結角度β,β′が演算される。すなわち、β=|360°−(90°×2)−γ|=|180°−γ|,β′=|360°−(90°×2)−γ′|=|180°−γ′|が演算される。ノー(N)の場合はST306に移り、イエス(Y)の場合はST307に戻る。
ST306において、選択された境界線L、第1表面FM1および第2表面FM2を非尖型凹凸部として設定して記憶する。そして、ST311に移る。
ST307において、中点Pから第1法線ベクトルHV1方向に法線方向移動量LH1だけ移動した法線方向移動点Qを演算する。そして、ST308に移る。
ST308において、法線方向移動点Qが成形品内部の点であるか否かを判別する。すなわち、法線方向移動点Qが空間上の点でないか否かを判別する。イエス(Y)の場合はST309に移り、ノー(N)の場合はST310に移る。
ST309において、選択された境界線L、第1表面FM1および第2表面FM2を尖型凹部E1として設定して記憶する。そして、ST311に移る。
ST310において、選択された境界線L、第1表面FM1および第2表面FM2を尖型凸部E2として設定して記憶する。そして、ST311に移る。
ST311において、全ての境界線Lが選択済であるか否かを判別する。イエス(Y)の場合はST312に移り、ノー(N)の場合はST302に戻る。
ST312において、前記尖型凹部設定記憶手段C107Eに記憶された全ての前記尖型凹部E1と、前記尖型凸部設定記憶手段C107Fに記憶された全ての前記尖型凸部E2とを前記成形品画像1上に色分けした状態で着色して表示する。そして、尖型凹凸部検出処理を終了して図10のメイン処理に戻る。
(実施例1の作用)
図14は実施例1の作用説明図であり、成形不能部検出処理により検出される成形不能部の一例の拡大説明図であり、図14Aは成形不能表面および隣接表面として検出される成形品の各部の一例の説明図であり、図14Bは図14AのXIVB方向から見たボスの拡大説明図であり、図14Cは投影表面として検出される成形品の各部の一例および投影表面として検出されない成形品の各部の一例の説明図である。
前記構成を備えた実施例1の前記設計支援システムSでは、図4に示す前記成形品画像1の成形不能部検出釦2が選択された場合に、図10のST5、図11のST101〜ST116に示す前記成形不能部検出処理が実行される。
実施例1の前記成形不能部検出処理では、まず、特許文献1,2と同様に、前記型抜方向KHと前記法線ベクトルh1〜h16とに基づいて前記成形不能部M1が検出される、いわゆる、面内アンダーカット処理が実行される。すなわち、図11のST104において、前記型抜方向KHの逆方向成分を有する法線ベクトルh1〜h16が存在する前記成形不能表面M1が前記成形不能部M1として検出される。
この結果、例えば、図14Aおよび図14Bに示される、成形品画像1における成形品の面を貫通する貫通孔について、貫通孔内部の貫通面1a上部の法線ベクトルは、上方としての前記型抜方向KHの逆方向成分を有している。また、成形品の面から突起する突起部の一例としてのボスについて、基端部の円筒面1b下部の法線ベクトルおよび先端部の面取部1c下部の法線ベクトルは、前記逆方向成分を有しているが、前記ボスの平面状の先端面1dの法線ベクトルは、全て前記型抜方向KHに垂直であって前記逆方向成分を有していない。このため、前記貫通面1a、前記円筒面1bおよび前記面取部1cが前記成形不能部M1として検出される。
また、前記成形不能部検出処理では、既に検出された成形不能部M1〜M3との連結角度α,α′に基づいて、新たな成形不能部M2が検出される、いわゆる、凹エッジ処理が実行される。すなわち、図11のST108、ST109において、図5に示す、前記成形不能部M1〜M3と前記隣接表面M2,M2′との前記連結角度α,α′が予め設定された凹状判別値αmax未満であるか否かを判別することにより、前記成形不能部M1〜M3と凹状に接続されている前記凹状接続表面M2が新たな成形不能部M2として検出される。
この結果、例えば、図14Aに示される、前記ボス1b〜1dを支持する突起部支持表面1eは、前記円筒面1bと凹上に接続された前記凹状接続表面M2として検出される。なお、前記突起部支持表面1eは、実際には、前記型抜方向KH上流側の前記ボス1b〜1dの下方部が成形不能部となっている。また、ポケット形状の凹溝1fは、上端面1f1が前記成形不能表面M1として検出され、その他の面1f2〜1f5は、図11のST104の前記面内アンダーカット処理では、前記型抜方向KHに対して逆方向の法線ベクトルがないため、成形不能表面M1であるにも関わらず、成形不能表面M1として検出されない。しかし、実施例1では、前記上端面1f1と凹状に接続された左側面1f2、右側面1f3および底面1f4が前記凹状接続表面M2として検出されると共に、下端面1f5が前記各面1f2〜1f4の前記凹状接続表面M2として検出される。
また、前記成形不能部検出処理では、前記投影表面M3,M3′から延びる前記型抜方向直線KLに基づいて、新たな成形不能部M3が検出される、いわゆる、投影点処理が実行される。すなわち、図11のST110において、図6に示す、前記投影表面M3,M3′から延びる前記型抜方向直線KLが到達する他の表面M4が存在するか否かを判別することにより、前記他の表面M4が存在する前記投影表面M3が新たな成形不能部M3として検出される。
この結果、例えば、図14Cに示される、前記他の表面M4の一例としての立体障害部1gの下方に配置された成形品の底面から上方に突起する第1突起部1hの上面1h1は、前記上面1h1から延びる型抜方向直線KL1が前記立体障害部1gに到達するため、前記投影表面M3として検出される。
さらに、前記成形不能部検出処理では、前記他の表面が存在しない前記投影表面M3′に基づいて、前記投影表面M3′に隣接する表面(M5)が前記成形可能面M5であるか否かが判別される、いわゆる、立ち壁処理が実行される。すなわち、図11のST112において、図6Bに示す、前記投影表面M3′に隣接し且つ前記型抜方向直線KLと平行である前記立壁M5が前記成形可能面M5であると判別される。
この結果、例えば、図14Cに示される、成形品の底面から上方に突起する第2突起部1iについて、前記第2突起部1hの上面1i1は、前記上面1i1から延びる型抜方向直線KL2に対する立体障害部が存在せず、アンダーカットではない前記成形可能部M3′として検出されると共に、各側面1i2〜1i5は、前記型抜方向直線KL2と平行であるため、前記立壁M5として判別され、前記成形可能部M5として検出される。
したがって、実施例1の前記設計支援システムSでは、前記成形不能部検出処理により、前記成形不能部M1〜M3の有無が精度良く自動判別され、熟練した知識がなくても前記型の設計が容易になる。
また、実施例1の前記設計支援システムSでは、図4に示す前記成形品画像1の不要境界線検出釦3が選択された場合に、図10のST7、図12のST201〜ST212に示す前記不要境界線検出処理が実行される。
実施例1の前記不要境界線検出処理では、図12のST205において、図7に示す、前記境界線Lで接続された前記第1表面FM1および前記第2表面FM2の各法線ベクトルHV1,HV2が同一方向であると判別され、且つ、図12のST207,ST208において、図8に示す、前記第1表面FM1の第1曲率Ku1,Kv1と前記第2表面FM2の第2曲率Ku2,Kv2とが同一の値であると判別された場合に、前記境界線Lが、本来同一面である前記第1表面FM1と前記第2表面FM2とを分割する前記不要境界線L1であると判別される。
したがって、実施例1の前記設計支援システムSでは、前記不要境界線検出処理により、前記不要境界線L1が精度良く自動検出され、熟練した知識がなくても前記型の設計が容易になる。
また、実施例1の前記設計支援システムSでは、図4に示す前記成形品画像1の尖型凹凸部検出釦4が選択された場合に、図10のST9、図13のST301〜ST312に示す前記尖型凹凸部検出処理が実行される。
実施例1の前記尖型凹凸部検出処理では、図13のST305において、前記境界線Lで接続された前記第1表面FM1および前記第2表面FM2の各法線ベクトルHV1,HV2に基づいて演算された前記第1表面FM1と前記第2表面FM2との連結角度β,β′が、予め設定された尖型判別値βmax未満であるか否かを判別されることにより、前記境界線Lと、前記第1表面FM1および前記第2表面FM2とが、前記尖型凹凸部E1+E2であるか否かが判別される。
また、前記境界線Lと、前記第1表面FM1および前記第2表面FM2とが、前記尖型凹凸部E1+E2であると判別された場合に、図13のST307,ST308において、前記境界線Lの中点Pから前記第1法線ベクトルHV1方向に法線方向移動量LH1だけ移動した前記法線方向移動点Qが成形品内部の点であるか、空間上の点であるかが判別される。この結果、前記法線方向移動点Qが成形品内部の点と判別された場合に、前記境界線Lと、前記第1表面FM1および前記第2表面FM2とが、前記尖型凹部E1であると判別され、前記法線方向移動点Qが空間上の点と判別された場合に、前記境界線Lと、前記第1表面FM1および前記第2表面FM2とが、前記尖型凸部E2であると判別される。
したがって、実施例1の前記設計支援システムSでは、前記尖型凹凸部検出処理により、前記型が尖るために前記型の強度が問題となる前記尖型凹部E1と、前記成形品が尖るために使用者にとって危険であると共に、凹型の前記型の加工が困難であり型作製のためのコストが問題となる前記尖型凸部E2とがそれぞれ精度良く自動検出され、熟練した知識がなくても前記型の設計が容易になる。
図15は実施例2のクライアントパソコンおよびライセンスサーバの制御部が備えている各機能を機能ブロック図で示した図であり、実施例1の図2に対応する図である。
図16は回転面の一例としての円錐面についての拡大説明図である。
次に本発明の実施例2の設計支援システムSの説明を行うが、この実施例2の説明において、前記実施例1の構成要素に対応する構成要素には同一の符号を付して、その詳細な説明を省略する。この実施例2は、下記の点で前記実施例1と相違しているが、他の点では前記実施例1と同様に構成されている。
(実施例2の制御部の説明)
(設計支援プログラムAP2)
図15において、本発明の実施例2の表面情報記憶手段C103A1には、図16に示すように、前記表面が中心軸を回転させて得られる立体、いわゆる、回転体の曲面である回転面M0である場合、前記表面が回転面M0であることが記憶される。なお、実施例2では、製図時に回転面製図用の入力により製図された場合に、前記入力で製図された前記表面を前記回転面M0として記憶する。
また、実施例2の成形不能部判別手段C105Aは、回転面判別手段C105A3と、中心軸平行判別手段C105A4と、断面外径判別手段C105A5とを有する。
C105A3:回転面判別手段
回転面判別手段C105A3は、前記表面情報記憶手段C103A1に基づいて、前記表面が前記回転面M0であるか否かを判別する。
C105A4:中心軸平行判別手段
中心軸平行判別手段C105A4は、図16に示すように、前記回転面M0の中心軸方向PHと前記型抜方向KHとが平行であるか否かを判別する。
C105A5:断面外径判別手段
断面外径判別手段C105A5は、図16に示すように、前記中心軸方向PHに対する垂直断面の円の直径としての外径R1,R2について、前記型抜方向KH上流側の外径である上流側外径R1が、前記型抜方向KH下流側の外径である下流側外径R2以上であるか否かを判別する。したがって、実施例2の前記成形不能部判別手段C105Aは、前記回転面M0が前記中心軸方向PHと前記型抜方向KHとが平行であり、且つ、前記中心軸方向PH全域において前記上流側外径R1が前記下流側外径R2以上であると判別された場合に、前記回転面M0が前記成形不能部M1でないと判別する。すなわち、前記回転面M0が前記中心軸方向PHと前記型抜方向KHとが平行でない場合や、前記回転面M0が前記中心軸方向PHと前記型抜方向KHとが平行であるが、前記中心軸方向PH全域において前記上流側外径R1が前記下流側外径R2より小さい領域を含む場合、前記回転面M0を前記成形不能部M1と判別する。
(実施例2の成形不能部検出処理のフローチャートの説明)
図17は実施例2の成形不能部検出処理のフローチャートであり、図10のST5のサブルーチンの説明図であり、実施例1の図11に対応する説明図である。
図17において、実施例2のクライアントパソコンPCの設計支援プログラムAP2のフローチャートでは、図11の実施例1のメイン処理のフローチャートに対して、ST102とST103との間に、ST151〜ST153が実行されるだけで、その他の処理であるST101〜ST116は、対応する図11の各処理と同様であるため、その他の処理については詳細な説明を省略する。
図17のST151において、選択された表面が、回転面M0であるか否かを判別する。イエス(Y)の場合はST152に移り、ノー(N)の場合はST103に移る。
ST152において、図16に示す、回転面M0の中心軸方向PHと型抜方向KHとが平行であるか否かを判別する。イエス(Y)の場合はST153に移り、ノー(N)の場合はST105に移る。
ST153において、回転面M0の中心軸方向PH全域において上流側外径R1が下流側外径R2以上であるか否かを判別する。イエス(Y)の場合はST106に移り、ノー(N)の場合はST105に移る。
(実施例2の作用)
図18は実施例2の作用説明図であり、実施例2の成形不能部検出処理により検出される成形不能表面の一例の拡大説明図であり、図18Aは成形不能表面の一例としての円錐台面の断面図であり、図18Bは成形不能表面の一例としての円柱面の断面図であり、図18Cは成形不能表面の一例としてのB曲面の断面図である。
前記構成を備えた実施例2の前記設計支援システムSでは、前記成形不能部検出処理において、図17のST151〜ST153に示される、図16に示す、前記回転面M0が前記成形不能表面M1であるか否かを判別する処理が実行される。すなわち、前記回転面M0が前記中心軸方向PHと前記型抜方向KHとが平行であり、且つ、前記中心軸方向PH全域において前記上流側外径R1が前記下流側外径R2以上であると判別されなければ、前記回転面M0が前記成形不能部M1として検出される。
この結果、例えば、図18Aに示す、逆円錐台型の第3突起部1jの側面1j1を構成する前記回転面M0の一例としての円錐台面1j1は、前記中心軸方向PHと前記型抜方向KHとが平行であるが、前記上流側外径R1が前記下流側外径R2以下であるため、前記成形不能部M1として検出される。また、図18Bに示す、円柱型の第4突起部1kの側面1k1を構成する前記回転面M0の一例としての円柱面1k1は、前記上流側外径R1と前記下流側外径R2とが同一の値となるが、前記中心軸方向PHと前記型抜方向KHとが平行でないため、前記成形不能部M1として検出される。さらに、図18Cに示す、瓢箪型の第5突起部1mの側面1m1を構成する前記回転面M0の一例としてB曲面1m1は、前記中心軸方向PHと前記型抜方向KHとが平行であるが、中心軸中央部の前記上流側外径R1が前記下流側外径R2以下であるため、前記成形不能部M1として検出される。
したがって、実施例2の前記設計支援システムSでは、選択された表面が前記回転面M0である場合には、実施例1の前記設計支援システムSのように、前記法線ベクトル(h1〜h16)を演算しなくても、前記回転面M0が前記成形不能表面M1であるか否かが精度良く判別される。
(変更例)
以上、本発明の実施例を詳述したが、本発明は、前記実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内で、種々の変更を行うことが可能である。本発明の変更例(H01)〜(H07)を下記に例示する。
(H01)前記実施例の成形不能部検出処理では、図11のST108、ST109に示す、前記凹状接続部M2を検出する凹エッジ処理と、図11のST110に示す、前記他の表面M4が存在する前記投影表面M3を検出する投影点処理とを組み合わせることが望ましいが、これに限定されず、例えば、凹エッジ処理のみを実行したり、投影点処理のみを実行したりすることも可能である。また、図11のST112に示す、前記成形可能部M3′,M5を構成する前記立壁M5を検出する立ち壁処理については、前記投影点処理に付随して行われることが望ましいが、これを省略することも可能である。この場合、前記表面(M5)は、前記立壁M5として検出されず、前記他の表面M4が存在しない前記投影表面M3′として検出され、前記成形可能部M3′として設定される。
(H02)前記実施例の成形不能部検出処理では、前記連結角度α,α′は、グリッド交点p1〜p16の法線ベクトルh1〜h16に基づいて演算しているが、これに限定されず、例えば、前記不要境界線検出処理や前記尖型凹凸部検出処理のように、前記境界線Lにより接続された第1表面FM1および第2表面FM2の中点Pにおける各法線ベクトルHV1,HV2に基づいて演算することも可能である。
(H03)前記実施例の不要境界線検出処理では、前記境界線Lの中点Pにおける前記第1表面FM1および前記第2表面FM2の各曲率Ku1,Kv1,Ku2,Kv2に基づいて、前記境界線Lが不要境界線L1であるか否かが判別されるが、これに限定されず、例えば、前記第1表面FM1および前記第2表面FM2の各曲率半径1/Ku1,1/Kv1,1/Ku2,1/Kv2を演算し、前記第1表面FM1の曲率半径1/Ku1,1/Kv1と、前記第2表面FM2の曲率半径1/Ku2,1/Kv2とが同一の値であるか否かを判別することにより、前記第1湾曲状態と、前記第2湾曲状態とが同一であるか否かを判別して、前記境界線Lが不要境界線L1であるか否かを判別することも可能である。
(H04)前記実施例において設定された各パラメタαmax,βmax,LH1の数値等については変更することが可能である。
(H05)前記実施例において、前記成形不能部検出処理、前記不要境界線検出処理、前記尖型凹凸部検出処理では、それぞれ、検出した前記成形不能部M1〜M3、前記不要境界線L1、前記尖型凹部E1および前記尖型凸部E2を、着色して表示しているが、これに限定されず、例えば、検出箇所の境界線を強調表示したり、検出箇所の着色部分を点滅させたり、別画像で検出箇所を表示したり、検出箇所を文章や記号等により表示したり、音声により検出箇所を報告したりすることも可能である。
(H06)前記実施例において、前記成形品画像1には、前記成形不能部検出釦2、前記不要境界線検出釦3、前記尖型凹凸部釦4とが配置されていたが、これに限定されず、例えば、釦表示をアイコン等の画像表示に置き換えたり、コマンド入力等により前記各処理が実行されるように制御したりすることも可能である。
(H07)前記実施例の設計支援システムSでは、前記クライアントパソコンPCと、前記ライセンスサーバとの間で、前記登録申請情報と前記使用許諾情報との送受信を行うことにより、設計支援システムSの使用許諾が行われているが、これに限定されず、例えば、前記登録申請情報と前記使用許諾情報との送受信の処理を省略し、前記使用許諾情報に基づく設計支援システムSの使用許諾の確認処理を省略することも可能である。
図1は本発明の実施例1の設計支援システムの全体説明図である。 図2は実施例1のクライアントパソコンおよびライセンスサーバの制御部が備えている各機能を機能ブロック図で示した図である。 図3は成形品の表面に示されたu方向およびv方向のグリッド線のグリッド交点における法線ベクトルと型抜方向との関係を示すための要部拡大説明図である。 図4は実施例1の成形品画像の説明図である。 図5は成形品の成形不能表面と凹状接続表面との関係を示すための要部拡大説明図であり、図5Aは成形不能表面と隣接表面とが凹状に連結された状態を示す説明図であり、図5Bは成形不能表面と隣接表面とが凸状に連結された状態を示す説明図である。 図6は成形品の投影表面から延ばした型抜方向直線の要部拡大説明図であり、図6Aは法線ベクトルが到達する他の表面が存在する状態の断面図であり、図6Bは法線ベクトルが到達する他の表面が存在しない状態の断面図である。 図7は成形品の境界線の中点における第1表面の第1法線ベクトルと第2表面の第2法線ベクトルとの関係を示すための要部拡大説明図であり、図7Aは第1法線ベクトルと第2法線ベクトルとが同一方向の場合の説明図であり、図7Bは第1法線ベクトルと第2法線ベクトルとが異なる方向の場合の説明図である。 図8は成形品の境界線の中点における第1表面のu1方向曲率およびv1方向曲率と第2表面のu2方向曲率およびv2方向曲率との関係を示すための要部拡大説明図であり、図8Aはu1方向曲率およびv1方向曲率とu2方向曲率およびv2方向曲率とが同じ値の場合の説明図であり、図8Bはu1方向曲率およびv1方向曲率とu2方向曲率およびv2方向曲率とが異なる値の場合の説明図である。 図9は成形品に形成された尖型凹凸部の拡大断面説明図であり、図9Aは尖型凹部の断面図であり、図9Bは尖型凸部の断面図である。 図10は本発明の実施例1の設計支援プログラムのメイン処理のフローチャートである。 図11は成形不能部検出処理のフローチャートであり、図10のST5のサブルーチンの説明図である。 図12は不要境界線検出処理のフローチャートであり、図10のST7のサブルーチンの説明図である。 図13は尖型凹凸部検出処理のフローチャートであり、図10のST9のサブルーチンの説明図である。 図14は実施例1の作用説明図であり、成形不能部検出処理により検出される成形不能部の一例の拡大説明図であり、図14Aは成形不能表面および隣接表面として検出される成形品の各部の一例の説明図であり、図14Bは図14AのXIVB方向から見たボスの拡大説明図であり、図14Cは投影表面として検出される成形品の各部の一例および投影表面として検出されない成形品の各部の一例の説明図である。 図15は実施例2のクライアントパソコンおよびライセンスサーバの制御部が備えている各機能を機能ブロック図で示した図であり、実施例1の図2に対応する図である。 図16は回転面の一例としての円錐面についての拡大説明図である。 図17は実施例2の成形不能部検出処理のフローチャートであり、図10のST5のサブルーチンの説明図であり、実施例1の図11に対応する説明図である。 図18は実施例2の作用説明図であり、実施例2の成形不能部検出処理により検出される成形不能表面の一例の拡大説明図であり、図18Aは成形不能表面の一例としての円錐台面の断面図であり、図18Bは成形不能表面の一例としての円柱面の断面図であり、図18Cは成形不能表面の一例としてのB曲面の断面図である。
符号の説明
α,α′,β,β′…連結角度、
1j,1k,1m,M0…回転面、
AP2…成形不能部検出プログラム、
C104…法線演算手段、
C105A…成形不能部判別手段、
C105A2…逆方向成分判別手段、
C105A3…回転面判別手段、
C105A4…中心軸平行判別手段、
C105A5…断面外径判別手段、
C105B…隣接成形不能部判別手段、
C105B2…連結角度演算手段、
C105B3…凹状接続判別手段、
C105C…投影成形不能部判別手段、
C105C1…投影直線到達判別手段、
h1〜h16,HV1,HV2…法線、
h1〜h16,HV1…第1法線、
h1〜h16,HV2…第2法線、
KH…型抜方向、
KL…型抜方向直線、
L…境界線、
M1〜M3…成形不能部、
M1…成形不能表面、
M2,M2′…隣接表面、
M3,M3′…投影表面、
M4…他の表面、
M5…立壁、
p1〜p16,P…点、
PC…成形不能部検出装置、
PH…中心軸方向、
R1,R2…外径、
R1…上流側外径、
R2…下流側外径、
S…成形不能部検出システム。

Claims (8)

  1. 成形品の3次元形状を構成する各表面上の任意の点の法線を演算する法線演算手段と、
    前記法線が、前記法線が演算された表面に応じて予め設定された前記成形品の型の型抜方向に対して逆方向の方向成分である逆方向成分を有するか否かを判別する逆方向成分判別手段と、
    前記逆方向成分を有する前記法線が演算された点を有する表面を、前記型を一方向に移動するだけでは成形できない成形不能部であると判別する成形不能部判別手段と、
    前記成形不能部であると判別された前記表面を成形不能表面とし、前記成形不能表面に隣接し且つ前記成形不能表面でないと判別された前記表面を隣接表面とした場合に、前記成形不能表面と前記隣接表面との間に設けられた境界線に対して前記成形不能表面と前記隣接表面とが凹状に接続されているか否かを判別する凹状接続判別手段と、
    前記成形不能表面と前記隣接表面とが凹状に接続されていると判別された場合に、前記隣接表面を前記成形不能部であると判別する隣接成形不能部判別手段と、
    を備えたことを特徴とする成形不能部検出装置。
  2. 前記成形不能表面の法線を第1法線とし、前記隣接表面の法線を第2法線とした場合に、前記第1法線と前記第2法線とに基づいて、前記境界線に対して前記成形不能表面と前記隣接表面とがなす連結角度を演算する連結角度演算手段と、
    前記連結角度に基づいて、前記成形不能表面と前記隣接表面とが凹状に接続されているか否かを判別する前記凹状接続判別手段と、
    を備えたことを特徴とする請求項1に記載の成形不能部検出装置。
  3. 前記成形不能部でないと判別された前記表面を投影表面とした場合に、前記投影表面から前記型抜方向に延びる型抜方向直線が到達する他の表面が存在するか否かを判別する投影直線到達判別手段と、
    前記投影表面から延びる前記型抜方向直線が到達する他の表面が存在する場合に、前記投影表面を前記成形不能部であると判別する投影成形不能部判別手段と、
    を備えたことを特徴とする請求項1または2に記載の成形不能部検出装置。
  4. 前記投影表面から延びる前記型抜方向直線が到達する他の表面が存在しない場合に、前記投影表面と、前記投影表面に隣接し且つ前記型抜方向直線と平行な表面である立壁とを前記成形不能部でないと判別する前記投影成形不能部判別手段と、
    を備えたことを特徴とする請求項に記載の成形不能部検出装置。
  5. 前記表面が、直線を中心軸にして回転させて得られる立体としての回転体の曲面である回転面であるか否かを判別する回転面判別手段と、
    前記回転面の中心軸方向と、前記型抜方向とが平行であるか否かを判別する中心軸平行判別手段と、
    前記表面が前記中心軸方向と前記型抜方向とが平行となる回転面である場合に、前記回転面の中心軸方向に対する垂直断面の円の直径としての外径について、前記型抜方向上流側の外径である上流側外径が、前記型抜方向下流側の外径である下流側外径以上であるか否かを判別する断面外径判別手段と、
    前記表面が前記中心軸方向と前記型抜方向とが平行となる回転面であり、且つ、前記中心軸方向全域において前記上流側外径が前記下流側外径以上であると判別された場合に、前記表面が前記成形不能部でないと判別する前記成形不能部判別手段と、
    を備えたこと特徴とする請求項1ないしのいずれかに記載の成形不能部検出装置。
  6. 成形品の3次元形状を構成する各表面上の任意の点の法線を演算する法線演算手段と、
    前記法線が、前記法線が演算された表面に応じて予め設定された前記成形品の型の型抜方向に対して逆方向の方向成分である逆方向成分を有するか否かを判別する逆方向成分判別手段と、
    前記逆方向成分を有する前記法線が演算された点を有する表面を、前記型を一方向に移動するだけでは成形できない成形不能部であると判別する成形不能部判別手段と、
    前記成形不能部であると判別された前記表面を成形不能表面とし、前記成形不能表面に隣接し且つ前記成形不能表面でないと判別された前記表面を隣接表面とした場合に、前記成形不能表面と前記隣接表面との間に設けられた境界線に対して前記成形不能表面と前記隣接表面とが凹状に接続されているか否かを判別する凹状接続判別手段と、
    前記成形不能表面と前記隣接表面とが凹状に接続されていると判別された場合に、前記隣接表面を前記成形不能部であると判別する隣接成形不能部判別手段と、
    を備えたことを特徴とする成形不能部検出システム。
  7. コンピュータを、
    成形品の3次元形状を構成する各表面上の任意の点の法線を演算する法線演算手段と、
    前記法線が、前記法線が演算された表面に応じて予め設定された前記成形品の型の型抜方向に対して逆方向の方向成分である逆方向成分を有するか否かを判別する逆方向成分判別手段、
    前記逆方向成分を有する前記法線が演算された点を有する表面を、前記型を一方向に移動するだけでは成形できない成形不能部であると判別する成形不能部判別手段、
    前記成形不能部であると判別された前記表面を成形不能表面とし、前記成形不能表面に隣接し且つ前記成形不能表面でないと判別された前記表面を隣接表面とした場合に、前記成形不能表面と前記隣接表面との間に設けられた境界線に対して前記成形不能表面と前記隣接表面とが凹状に接続されているか否かを判別する凹状接続判別手段、
    前記成形不能表面と前記隣接表面とが凹状に接続されていると判別された場合に、前記隣接表面を前記成形不能部であると判別する隣接成形不能部判別手段、
    として機能させるための成形不能部検出プログラム。
  8. 成形品の3次元形状を構成する各表面上の任意の点の法線を演算する法線演算工程と、
    前記法線が、前記法線が演算された表面に応じて予め設定された前記成形品の型の型抜方向に対して逆方向の方向成分である逆方向成分を有するか否かを判別する逆方向成分判別工程と、
    前記逆方向成分を有する前記法線が演算された点を有する表面を、前記型を一方向に移動するだけでは成形できない成形不能部であると判別する成形不能部判別工程と、
    前記成形不能部であると判別された前記表面を成形不能表面とし、前記成形不能表面に隣接し且つ前記成形不能表面でないと判別された前記表面を隣接表面とした場合に、前記成形不能表面と前記隣接表面との間に設けられた境界線に対して前記成形不能表面と前記隣接表面とが凹状に接続されているか否かを判別する凹状接続判別工程と、
    前記成形不能表面と前記隣接表面とが凹状に接続されていると判別された場合に、前記隣接表面を前記成形不能部であると判別する隣接成形不能部判別工程と、
    を備えたことを特徴とする成形不能部検出方法。
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