JP5187457B1 - 型抜の設定装置、型抜の設定システム、および、型抜の設定プログラム - Google Patents

型抜の設定装置、型抜の設定システム、および、型抜の設定プログラム Download PDF

Info

Publication number
JP5187457B1
JP5187457B1 JP2012118863A JP2012118863A JP5187457B1 JP 5187457 B1 JP5187457 B1 JP 5187457B1 JP 2012118863 A JP2012118863 A JP 2012118863A JP 2012118863 A JP2012118863 A JP 2012118863A JP 5187457 B1 JP5187457 B1 JP 5187457B1
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
mold
area
total area
die
article
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2012118863A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2013244645A (ja
Inventor
公則 吉塚
寿浩 沼内
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fujifilm Business Innovation Corp
Original Assignee
Fuji Xerox Co Ltd
Fujifilm Business Innovation Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fuji Xerox Co Ltd, Fujifilm Business Innovation Corp filed Critical Fuji Xerox Co Ltd
Priority to JP2012118863A priority Critical patent/JP5187457B1/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5187457B1 publication Critical patent/JP5187457B1/ja
Publication of JP2013244645A publication Critical patent/JP2013244645A/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Moulds For Moulding Plastics Or The Like (AREA)
  • Injection Moulding Of Plastics Or The Like (AREA)

Abstract

【課題】効率の良い型抜を自動的に設定すること。
【解決手段】物品(2)情報を記憶する手段(C102)と、型(3)の移動方向の候補に垂直な仮想平面に対する物品(2)の投影面積(2x〜2z)を算出する手段(C111)と、投影面積(2x〜2z)が最大の方向を特定する手段(C113)と、物品(2)表面について成形不能部か判別する手段(C110)と、成型不能部の総面積(Cx〜Cz)を算出する手段(C112)と、総面積(Cx〜Cz)が最小の方向を特定する手段(C114)と、投影面積(2x〜2z)の最大方向と総面積(Cx〜Cz)の最小方向が一致するか判別する手段(C115)と、投影面積(2x〜2z)の最大方向と総面積(Cx〜Cz)の最小方向が一致する場合に投影面積(2x〜2z)の最大方向を型抜方向に設定する手段(C117)と、を備えた型抜の設定装置(PC)。
【選択図】図2

Description

本発明は、型抜の設定装置、型抜の設定システム、および、型抜の設定プログラムに関する。
従来より、機械製品等を構成する部品は、3次元計算機支援設計等の設計支援システムを利用して設計が行われている。このような設計支援システムに関する技術として、下記の特許文献1,2に記載の技術が知られている。
特許文献1としての特許第4488060号公報には、成型品の三次元形状情報に基づき、成型品の表面の法線ベクトル(h1〜h16)が、型抜方向(KH)に対して負の方向を向いているか否かを判別するなどして、前記成型品の表面が、型を型抜方向(KH)に移動するだけでは成形できない成形不能部(M1〜M3)であるか否か、いわゆる、アンダーカットであるか否かを判別する技術が記載されている。
特許文献1では、型抜方向(KH)は予め入力されて設定される。
特許文献2としての特許第4623134号公報には、第1の型としてのキャビティプレートの型抜方向であるキャビティ方向(KH1)と、第2の型としてのコアプレートの型抜方向であるコア方向(KH2)と、第3の型としてのスライドコアの型抜方向である標準スライド方向(KH3)とについて、各型を移動させた場合に、前記成型品の表面が、アンダーカットになるか否かを判別する技術が記載されている。
特許文献2では、キャビティ方向(KH1)とコア方向(KH2)とは予め入力されて設定され、且つ、標準スライド方向(KH3)は、キャビティ方向(KH1)とコア方向(KH2)とに対して直交する方向に予め設定される。
特許第4488060号公報(「0030」、「0033」) 特許第4623134号公報(「0032」、「0035」、「0041」〜「0043」)
本発明は、効率の良い型抜を自動的に設定することを技術的課題とする。
前記技術的課題を解決するために、請求項1に記載の発明の型抜の設定装置は、
成型対象の物品の3次元形状の情報を記憶する形状記憶手段と、
成型対象の物品を成型する型の移動方向の候補となる方向毎に、前記候補となる方向に対して垂直な仮想平面に前記成型対象の物品を投影した場合の投影面積を算出する投影面積の算出手段と、
前記投影面積が最大となる方向を特定する投影面積の最大方向の特定手段と、
前記候補となる方向毎に、成型対象の物品の3次元形状を構成する各表面について、前記型を一方向に移動するだけでは成形が不能な成形不能部であるか否かを判別する成形不能部の判別手段と、
前記候補となる方向毎に、前記成型不能部と判別された表面の総面積を算出する成形不能部の総面積の算出手段と、
前記成型不能部の総面積が最小となる方向を特定する総面積の最小方向の特定手段と、
前記投影面積が最大となる方向と、前記成型不能部の総面積が最小となる方向と、が一致するか否かを判別する判別手段と、
前記投影面積が最大となる方向と、前記成型不能部の総面積が最小となる方向と、が一致する場合に、前記投影面積が最大となる方向を、前記型を移動させる型抜方向として設定する型抜方向の設定手段と、
を備えたことを特徴とする。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の型抜の設定装置において、
前記投影面積が最大となる方向と、前記成型不能部の総面積が最小となる方向と、が一致しない場合に、前記投影面積が最大となる方向の前記投影面積が、前記投影面積が最大とならない方向の前記投影面積に対して、予め設定された1よりも大きい基準倍率以上の値を有するか否かを判別する面積比率の判別手段と、
前記面積比率の判別手段によって、前記投影面積が最大となる方向の前記投影面積が、前記投影面積が最大とならない方向の前記投影面積に対して、前記基準倍率以上の値を有すると判別された場合に、前記投影面積が最大となる方向を、前記型抜方向として設定する前記型抜方向の設定手段と、
を備えたことを特徴とする。
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の型抜の設定装置において、
前記面積比率の判別手段によって、前記投影面積が最大となる方向の前記投影面積が、前記投影面積が最大とならない方向の前記投影面積に対して、前記基準倍率以上の値を有さないと判別された場合に、前記成型不能部の総面積が最小となる方向を、前記型抜方向として設定する前記型抜方向の設定手段と、
を備えたことを特徴とする。
請求項4に記載の発明は、請求項1に記載の型抜の設定装置において、
前記投影面積が最大となる方向と、前記成型不能部の総面積が最小となる方向と、が一致しない場合に、前記成型不能部の総面積が最小となる方向を、前記型抜方向として設定する前記型抜方向の設定手段と、
を備えたことを特徴とする。
請求項5に記載の発明は、請求項1ないし4のいずれかに記載の型抜の設定装置において、
前記型抜方向の一方の側に配置される第1の型と、前記型抜方向の他方の側に配置される第2の型と、を有する前記型であって、前記第1の型と前記第2の型とが互いに対向して配置され且つ相対的に接近離間可能に構成されて、前記第1の型と前記第2の型とが接近した場合に、前記第1の型と前記第2の型との間で成型対象の物品が形成可能であると共に、前記第1の型と前記第2の型とが離間した場合に、前記第1の型と前記第2の型との間から成型対象の物品が取り出し可能な前記型を、前記型抜方向に移動するだけで成形が可能な成型対象の物品の表面について、前記第1の型に対向する表面の総面積と、前記第2の型に対向する表面の総面積と、を算出する型に対向する総面積の算出手段と、
前記第1の型に対向する表面の総面積に比べて、前記第2の型に対向する表面の総面積が小さいか否かを判別する型に対向する表面の総面積の大小の判別手段と、
前記第1の型に対向する表面の総面積に比べて、前記第2の型に対向する表面の総面積が小さいと判別された場合に、前記第1の型に、前記第1の型から成型対象の物品を離脱させる離脱部材が配置される設定とし、且つ、前記第1の型に対向する表面の総面積に比べて、前記第2の型に対向する表面の総面積が大きいと判別された場合に、前記第2の型に、前記第2の型から成型対象の物品を離脱させる離脱部材が配置される設定とする型の設定手段と、
を備えたことを特徴とする。
前記技術的課題を解決するために、請求項6に記載の発明の型抜の設定装置は、
成型対象の物品の3次元形状の情報を記憶する形状記憶手段と、
成型対象の物品を成型する型の移動方向の候補となる方向毎に、成型対象の物品の3次元形状を構成する各表面について、前記型を一方向に移動するだけでは成形が不能な成形不能部であるか否かを判別する成形不能部の判別手段と、
前記候補となる方向毎に、前記成型不能部と判別された表面の総面積を算出する成形不能部の総面積の算出手段と、
前記成型不能部の総面積が最小となる方向を特定する総面積の最小方向の特定手段と、
前記成型不能部の総面積が最小となる方向を、前記型を移動させる型抜方向として設定する型抜方向の設定手段と、
を備えたことを特徴とする。
前記技術的課題を解決するために、請求項7に記載の発明の型抜の設定装置は、
成型対象の物品の3次元形状の情報を記憶する形状記憶手段と、
成型対象の物品を成型する型の移動方向の候補となる方向毎に、前記候補となる方向に対して垂直な仮想平面に前記成型対象の物品を投影した場合の投影面積を算出する投影面積の算出手段と、
前記投影面積が最大となる方向を特定する投影面積の最大方向の特定手段と、
前記投影面積が最大となる方向を、前記型を移動させる型抜方向として設定する型抜方向の設定手段と、
を備えたことを特徴とする。
前記技術的課題を解決するために、請求項8に記載の発明の型抜の設定システムは、
成型対象の物品の3次元形状の情報を記憶する形状記憶手段と、
成型対象の物品を成型する型の移動方向の候補となる方向毎に、前記候補となる方向に対して垂直な仮想平面に前記成型対象の物品を投影した場合の投影面積を算出する投影面積の算出手段と、
前記投影面積が最大となる方向を特定する投影面積の最大方向の特定手段と、
前記候補となる方向毎に、成型対象の物品の3次元形状を構成する各表面について、前記型を一方向に移動するだけでは成形が不能な成形不能部であるか否かを判別する成形不能部の判別手段と、
前記候補となる方向毎に、前記成型不能部と判別された表面の総面積を算出する成形不能部の総面積の算出手段と、
前記成型不能部の総面積が最小となる方向を特定する総面積の最小方向の特定手段と、
前記投影面積が最大となる方向と、前記成型不能部の総面積が最小となる方向と、が一致するか否かを判別する判別手段と、
前記投影面積が最大となる方向と、前記成型不能部の総面積が最小となる方向と、が一致する場合に、前記投影面積が最大となる方向を、前記型を移動させる型抜方向として設定する型抜方向の設定手段と、
を備えたことを特徴とする。
前記技術的課題を解決するために、請求項9に記載の発明の型抜の設定システムは、
成型対象の物品の3次元形状の情報を記憶する形状記憶手段と、
成型対象の物品を成型する型の移動方向の候補となる方向毎に、成型対象の物品の3次元形状を構成する各表面について、前記型を一方向に移動するだけでは成形が不能な成形不能部であるか否かを判別する成形不能部の判別手段と、
前記候補となる方向毎に、前記成型不能部と判別された表面の総面積を算出する成形不能部の総面積の算出手段と、
前記成型不能部の総面積が最小となる方向を特定する総面積の最小方向の特定手段と、
前記成型不能部の総面積が最小となる方向を、前記型を移動させる型抜方向として設定する型抜方向の設定手段と、
を備えたことを特徴とする。
前記技術的課題を解決するために、請求項10に記載の発明の型抜の設定システムは、
成型対象の物品の3次元形状の情報を記憶する形状記憶手段と、
成型対象の物品を成型する型の移動方向の候補となる方向毎に、前記候補となる方向に対して垂直な仮想平面に前記成型対象の物品を投影した場合の投影面積を算出する投影面積の算出手段と、
前記投影面積が最大となる方向を特定する投影面積の最大方向の特定手段と、
前記投影面積が最大となる方向を、前記型を移動させる型抜方向として設定する型抜方向の設定手段と、
を備えたことを特徴とする。
前記技術的課題を解決するために、請求項11に記載の発明の型抜の設定プログラムは、
コンピュータを、
成型対象の物品の3次元形状の情報を記憶する形状記憶手段、
成型対象の物品を成型する型の移動方向の候補となる方向毎に、前記候補となる方向に対して垂直な仮想平面に前記成型対象の物品を投影した場合の投影面積を算出する投影面積の算出手段、
前記投影面積が最大となる方向を特定する投影面積の最大方向の特定手段、
前記候補となる方向毎に、成型対象の物品の3次元形状を構成する各表面について、前記型を一方向に移動するだけでは成形が不能な成形不能部であるか否かを判別する成形不能部の判別手段、
前記候補となる方向毎に、前記成型不能部と判別された表面の総面積を算出する成形不能部の総面積の算出手段、
前記成型不能部の総面積が最小となる方向を特定する総面積の最小方向の特定手段、
前記投影面積が最大となる方向と、前記成型不能部の総面積が最小となる方向と、が一致するか否かを判別する判別手段、
前記投影面積が最大となる方向と、前記成型不能部の総面積が最小となる方向と、が一致する場合に、前記投影面積が最大となる方向を、前記型を移動させる型抜方向として設定する型抜方向の設定手段、
として機能させることを特徴とする。
前記技術的課題を解決するために、請求項12に記載の発明の型抜の設定プログラムは、
コンピュータを、
成型対象の物品の3次元形状の情報を記憶する形状記憶手段、
成型対象の物品を成型する型の移動方向の候補となる方向毎に、成型対象の物品の3次元形状を構成する各表面について、前記型を一方向に移動するだけでは成形が不能な成形不能部であるか否かを判別する成形不能部の判別手段、
前記候補となる方向毎に、前記成型不能部と判別された表面の総面積を算出する成形不能部の総面積の算出手段、
前記成型不能部の総面積が最小となる方向を特定する総面積の最小方向の特定手段、
前記成型不能部の総面積が最小となる方向を、前記型を移動させる型抜方向として設定する型抜方向の設定手段、
として機能させることを特徴とする。
前記技術的課題を解決するために、請求項13に記載の発明の型抜の設定プログラムは、
コンピュータを、
成型対象の物品の3次元形状の情報を記憶する形状記憶手段、
成型対象の物品を成型する型の移動方向の候補となる方向毎に、前記候補となる方向に対して垂直な仮想平面に前記成型対象の物品を投影した場合の投影面積を算出する投影面積の算出手段、
前記投影面積が最大となる方向を特定する投影面積の最大方向の特定手段、
前記投影面積が最大となる方向を、前記型を移動させる型抜方向として設定する型抜方向の設定手段、
として機能させることを特徴とする。
請求項1,6〜13に記載の発明によれば、本発明の構成を有しない場合に比べて、効率の良い型抜を自動的に設定することができる。
請求項2に記載の発明によれば、基準倍率以上の値を有する投影面積の方向が型抜方向として設定されない場合に比べて、型の移動量を低減し易くすることができる。
請求項3,4に記載の発明によれば、成型不能部の総面積が最小となる方向を型抜方向として設定しない場合に比べて、成形不能部を小さくすることができる。
請求項5に記載の発明によれば、離脱部材が、成型対象の物品の表面について型に対向する表面の総面積が小さい側の型に配置される場合に比べて、成型対象の物品の生産性を向上させることができる。
図1は本発明の実施例1の設計支援システムの全体説明図である。 図2は実施例1のクライアントパソコンおよびライセンスサーバの制御部が備えている各機能を機能ブロック図で示した図である。 図3は実施例1の成形対象の物品の画像の説明図である。 図4は成形対象の物品の表面に示された互いに交差するU方向およびV方向のグリッド線等を示す画像の要部拡大説明図である。 図5はグリッド交点の部分における割り当て面の説明図であり、図4に対応する説明図である。 図6は実施例1の成型対象の物品と型の移動方向の候補となる方向との説明図であり、図6Aは斜視図、図6BはX方向から見た図、図6CはY方向から見た図、図6DはZ方向から見た図である。 図7は成形対象の物品の表面から延びる半直線と成型対象の物品の交点の説明図であり、図7Aは半直線が交点を有しない場合の一例の説明図、図7Bは半直線が交点を有しない場合の別の一例の説明図、図7Cは半直線が交点を有しない場合の別の一例の説明図、図7Dは半直線が交点を有する場合の一例の説明図、図7Eは半直線が交点を有する場合の別の一例の説明図、図7Fは半直線が交点を有する場合の別の一例の説明図である。 図8は内積と投影面積との関係の説明図であり、図8Aは斜視図、図8BはZ軸方向に垂直な仮想平面に対する投影面積の説明図である。 図9は第1の型と第2の型との配置位置の説明図である。 図10は本発明の実施例1の設計支援プログラムのメイン処理のフローチャートである。 図11は本発明の実施例1の設計支援プログラムのメイン処理のフローチャートであり、図10の続きのフローチャートである。 図12は本発明の実施例1の設計支援プログラムのメイン処理のフローチャートであり、図11の続きのフローチャートである。 図13は実施例1のキャビティとコアの配置処理のフローチャートの説明図であり、図12のST28のサブルーチンの説明図である。 図14はストローク量の説明図であり、図14Aは投影面積が小さい方向が型抜方向の場合の説明図、図14Bは投影面積が大きい方向が型抜方向の場合の説明図である。 図15は投影面積が他の投影面積に対して大きくなる場合の説明図である。 図16は実施例2のクライアントパソコンおよびライセンスサーバの制御部が備えている各機能を機能ブロック図で示した図であり、実施例1の図2に対応する図である。 図17は文字画像の説明図である。 図18は本発明の実施例2の設計支援プログラムのメイン処理のフローチャートであり、実施例1の図10に対応する図である。 図19は本発明の実施例2の設計支援プログラムのメイン処理のフローチャートであり、図18の続きのフローチャートである。 図20は本発明の実施例2の設計支援プログラムのメイン処理のフローチャートであり、図19の続きのフローチャートである。
次に図面を参照しながら、本発明の実施の形態の具体例(以下、実施例と記載する)を説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
なお、以下の図面を使用した説明において、理解の容易のために説明に必要な部材以外の図示は適宜省略されている。
図1は本発明の実施例1の設計支援システムの全体説明図である。
図1において、実施例1の設計支援システムSは、型抜の設定システムの機能を有する。前記設計システムSは、設計支援装置の一例としてのクライアントパソコンPCを有する。前記クライアントパソコンPCは、型抜の設定装置の機能を有する。前記クライアントパソコンPCは、通信回線の一例としてのネットワークNを介して、使用許諾装置の一例としてのライセンスサーバLSVに接続されている。前記ライセンスサーバLSVは、正規に登録されたクライアントパソコンPCに設計支援システムSの使用許諾を与える。なお、実施例1のネットワークNは、いわゆる、インターネット回線により構成されている。また、実施例1のクライアントパソコンPCおよびライセンスサーバLSVは、電子計算機の一例としてのコンピュータ装置により構成されている。
実施例1の前記クライアントパソコンPCは、計算機本体の一例としてのコンピュータ本体H1を有する。前記コンピュータ本体H1には、表示装置の一例としてのディスプレイH2が接続されている。また、前記コンピュータ本体H1には、入力装置の一例としてのキーボードH3およびマウスH4が接続されている。前記コンピュータ本体H1は、図示しない記憶装置の一例としてのHDドライブ、すなわち、ハードディスクドライブや、記憶媒体の読取装置の一例としてのCDドライブ、すなわち、コンパクトディスクドライブ等を有する。なお、実施例1のライセンスサーバLSVも、前記クライアントパソコンPCと同様に、コンピュータ本体H1や図示しないハードディスクドライブやCDドライブ等を有する。
(実施例1の制御部の説明)
図2は実施例1のクライアントパソコンおよびライセンスサーバの制御部が備えている各機能を機能ブロック図で示した図である。
(クライアントパソコンPCの制御部の説明)
図2において、前記クライアントパソコンPCのコンピュータ本体H1は、I/O、すなわち、入出力インターフェースを有する。前記入出力インターフェースは、外部との信号の入出力および入出力信号レベルの調節等を行う。また、前記コンピュータ本体H1は、ROM、すなわち、Read Only Memory:リードオンリーメモリを有する。前記リードオンリーメモリーには、必要な処理を行うためのプログラムおよびデータ等が記憶される。
また、前記コンピュータ本体H1は、RAM、すなわち、Random Access Memory:ランダムアクセスメモリを有する。前記ランダムアクセスメモリは、必要なデータを一時的に記憶する。また、前記コンピュータ本体H1は、CPU、すなわち、Central Processing Unit:中央演算処理装置を有する。前記中央演算処理装置は、ハードディスク等に記憶されたプログラムに応じた処理を行う。また、前記コンピュータ本体H1は、クロック発振器等も有する。
前記クライアントパソコンPCは、ハードディスクやROM等に記憶されたプログラムを実行することにより種々の機能を実現することができる。
前記クライアントパソコンPCのハードディスクには、基本ソフトウェアとしてのオペレーティングシステムOSが記憶されている。前記オペレーティングシステムOSは、コンピュータ装置の基本動作を制御する。
また、前記クライアントパソコンPCのハードディスクには、設計支援用の認証プログラムAP1が記憶されている。前記設計支援用の認証プログラムAP1は、ライセンスサーバLSVから設計支援システムSの使用許諾の情報を取得する。
また、前記クライアントパソコンPCのハードディスクには、設計支援プログラムAP2が記憶されている。前記設計支援プログラムAP2は、型抜方向の設定プログラムの機能を有する。前記設計支援プログラムAP2は、型抜方向、すなわち、成形対象の物品を成型する型を移動させる方向や、型の配置位置を設定する。
また、前記クライアントパソコンPCのハードディスクには、図示しない文書作成用ソフトウェアとしてのワープロソフトウェアや、電子メール送受信用ソフトウェア等のアプリケーションプログラム等が記憶されている。
以下、従来公知のオペレーティングシステムOSや図示しないアプリケーションプログラムを除く各プログラムAP1,AP2の各機能(制御手段)を説明する。
(認証プログラムAP1)
認証プログラムAP1は、申請情報の送信手段C1と、許諾情報の受信手段C2と、許諾情報の記憶手段C3とを有する。
前記申請情報の送信手段C1は、設計支援システムSへの使用を申請する旨の情報である申請情報を送信する。
前記許諾情報の受信手段C2は、設計支援システムSの使用を許諾する旨の情報である許諾情報を受信する。
前記許諾情報の記憶手段C3は、前記許諾情報を記憶する。
なお、実施例1の前記クライアントパソコンPCは、ライセンスサーバLSVとの間で、申請情報の送信と、許諾情報の受信とを行うことで、設計支援システムSの使用許諾を得る。
(設計支援プログラムAP2)
C101:使用可否の判別手段
使用可否の判別手段C101は、前記許諾情報の記憶手段C3の許諾情報に基づいて、前記設計支援システムSの使用を許可するか否かを判別する。
なお、実施例1の使用可否の判別手段C101は、使用を許可しないと判別する場合には、不許可の旨の図示しない画像をディスプレイH2に表示する。そして、前記使用可否の判別手段C101は、設計支援プログラムAP2を終了する。
図3は実施例1の成形対象の物品の画像の説明図である。
なお、以下の図面において、成型対象の物品の形状は各図面の説明内容に応じて異なっており、必ずしも形状は一致していない。
C102:形状記憶手段
形状記憶手段C102は、成型対象の物品の3次元形状の情報を記憶する。なお、実施例1の形状記憶手段C102は、成型対象の物品の3次元形状の情報の一例として、表面情報を有する三次元データを記憶する。具体的には、実施例1の形状記憶手段C102は、前記表面情報として、成型対象の物品を構成する表面A1,A2,A3,…,Anについて、各表面A1〜Anの表面積B1〜Bnや、各表面A1〜Anの形状を記憶する。また、実施例1の形状記憶手段C102は、各表面A1〜Anによって囲まれた内部に関する情報、すなわち、成型対象の物品2の内部を特定する情報も記憶する。
C103:画像表示の制御手段
画像表示の制御手段C103は、前記成形対象の物品の3次元データに基づいて、成型対象の物品が画像化された画像1をディスプレイH2に表示する。なお、図3では、成形対象の物品の一例としての画像形成装置の現像装置の現像容器に関する画像1を、一例として表示している。
図4は成形対象の物品の表面に示された互いに交差するU方向およびV方向のグリッド線等を示す画像の要部拡大説明図である。
C104:罫線間隔の記憶手段
罫線間隔の記憶手段C104は、成形対象の物品の表面A1〜Anに示された罫線の一例としてのグリッド線に関し、互いに交差するU方向およびV方向について、予め設定されたU方向の間隔Luおよび予め設定されたV方向の間隔Lvを記憶する。なお、実施例1では、U方向の間隔LuとV方向の間隔Lvとは予め設定された値が使用されるが、これに限定されず、利用者が入力して設定する構成にすることも可能である。
C105:罫線の交点の演算手段
罫線の交点の演算手段C105は、前記U方向の間隔Luと、前記V方向の間隔Lvとに基づいて、成型対象の物品の各表面A1〜An上におけるU方向のグリッド線と、V方向のグリッド線と、前記成型対象の物品の各表面A1〜Anを囲む境界線との交点である各表面A1〜An上のグリッド交点p1,p2,p3,…,pmを演算する。なお、図4では、グリッド交点の総数mが16の場合を一例として図示している。グリッド交点の総数mは、グリッド交点が配置される表面A1〜Anの表面積B1〜Bnや、前記U方向の間隔Luと、前記V方向の間隔Lvとの大きさに基づいて、グリッド交点が演算される際に自動的に設定される。
C106:法線の演算手段
法線の演算手段C106は、前記各表面A1〜An上のグリッド交点p1〜p16における表面に対する法線の一例としての法線ベクトルh1〜h16を演算する。
図5はグリッド交点の部分における割り当て面の説明図であり、図4に対応する説明図である。
C107:面の割り当て手段
面の割り当て手段C107は、各表面A1〜An毎に、グリッド交点p1〜p16の部分における面である割り当て面S1〜S16を設定する。実施例1では、各表面A1〜Anの面積B1〜Bnを、各表面A1〜An毎のグリッド交点の総数mで割った面積を有し、且つ、グリッド交点p1〜p16において法線ベクトルh1〜h16を有する面として割り当て面S1〜S16を設定する。具体的には、実施例1での表面A1については、図5に示すように、割り当て面S1〜S16を、各グリッド交点p1〜p16を中心とする円形面で、且つ、面積が(B1/16)の法線ベクトルh1〜h16を有する円形面として設定する。なお、実施例1では、割り当て面S1〜S16の形状を円形面として設定しているが、これに限定されない。例えば、四角形状など任意の形状で割り当て面S1〜S16を設定することが可能である。
図6は実施例1の成型対象の物品と型の移動方向の候補となる方向との説明図であり、図6Aは斜視図、図6BはX方向から見た図、図6CはY方向から見た図、図6DはZ方向から見た図である。
C108:移動方向の候補の設定手段
移動方向の候補の設定手段C108は、成型対象の物品を成型する型の移動方向についての候補を設定する。図6において、実施例1の移動方向の候補の設定手段C108は、成型対象の物品2に対して、前後方向をX軸方向、左右方向をY軸方向、上下方向をZ軸方向とする場合に、X軸、Y軸、Z軸を型の移動方向の候補として設定する。なお、実施例1では、これにより、各候補の方向毎に単位ベクトルが設定される。すなわち、X軸の前側を正として単位ベクトルexが設定される。また、Y軸の右側を正として単位ベクトルeyが設定される。さらに、Z軸の上側を正として単位ベクトルezが設定される。
C109:内積の演算手段
内積の演算手段C109は、前記法線の演算手段C106によって演算された法線ベクトルh1〜h16と、移動方向の候補の設定手段C108によって設定された型の移動方向の候補の単位ベクトルex,ey,ezとの内積α1〜α16,β1〜β16,γ1〜γ16を演算する。
なお、前記内積の値の正負により、法線ベクトルh1〜h16の向きがわかる。すなわち、例えば、法線ベクトルh1と、単位ベクトルexとの内積α1が負となる場合、グリッド交点p1が存在する面の部分は、X軸方向に関しては、負の方向を向いていることがわかる。
C110:アンダーカットの判別手段
成形不能部の判別手段の一例としてのアンダーカットの判別手段C110は、探知線の生成手段C110Aと、交点の有無の判別手段C110Bとを有し、前記候補となる方向毎に、成型対象の物品の3次元形状を構成する各表面A1〜Anについて、前記型を一方向に移動するだけでは成形が不能な成形不能部であるか否か、すなわち、アンダーカットであるか否かを判別する。
図7は成形対象の物品の表面から延びる半直線と成型対象の物品の交点の説明図であり、図7Aは半直線が交点を有しない場合の一例の説明図、図7Bは半直線が交点を有しない場合の別の一例の説明図、図7Cは半直線が交点を有しない場合の別の一例の説明図、図7Dは半直線が交点を有する場合の一例の説明図、図7Eは半直線が交点を有する場合の別の一例の説明図、図7Fは半直線が交点を有する場合の別の一例の説明図である。
C110A:探知線の生成手段
探知線の生成手段C110Aは、探知線の一例として、前記各表面A1〜An上のグリッド交点p1〜p16から前記候補となる方向に沿って延びる半直線Lx,Ly,Lzを生成する。実施例1の探知線の生成手段C110Aは、前記内積の演算手段C109によって演算された内積の正負に応じて、前記半直線Lx,Ly,Lzを生成する。すなわち、実施例1の探知線の生成手段C110Aは、前記各表面A1〜An上のグリッド交点p1〜p16から、表面外側に向かって、X軸、Y軸、Z軸に沿う半直線Lx,Ly,Lzを生成する。
C110B:交点の有無の判別手段
交点の有無の判別手段C110Bは、交点の有無の記憶手段C110B1を有し、前記各表面A1〜An上のグリッド交点p1〜p16毎に、前記半直線Lx,Ly,Lzと、成形対象の物品2が交点qを有するか否かを判別する。実施例1の交点の有無の判別手段C110Bは、半直線Lx〜Lzが成型対象の物品2の内部を通過する場合に交点qを有するものと判別する。
C110B1:交点の有無の記憶手段
交点の有無の記憶手段C110B1は、半直線Lx,Ly,Lzの方向毎に、交点qを有すると判別された各表面A1〜Anのグリッド交点p1〜p16を全て記憶する。
これにより、半直線Lx〜Lzと、成型対象の物品2とが交点qを有しない場合には、半直線Lx〜Lzが生成されたグリッド交点p1〜p16の部分における面S1〜S16は、前記半直線Lx,Ly,Lzの方向に関して、アンダーカットでないと判別される。また、半直線Lx〜Lzと、成型対象の物品2とが交点qを有する場合には、半直線Lx〜Lzが生成されたグリッド交点p1〜p16の部分における面S1〜S16は、前記半直線Lx,Ly,Lzの方向に関して、アンダーカットであると判別される。
すなわち、例えば、図7A〜図7Cに示すように、半直線Lxが交点を有しない場合には、前記半直線Lxが生成されたグリッド交点p1の部分における面S1は、型をX軸方向に移動させる場合に関して、アンダーカットでないと判別される。また、図7D〜図7Fに示すように、半直線Lxが交点qを有する場合には、前記半直線Lxが生成されたグリッド交点p1の部分における面S1は、型をX軸方向に移動させる場合に関して、アンダーカットであると判別される。
C111:投影面積の算出手段
投影面積の算出手段C111は、割り当て面の投影面積の算出手段C111Aと、各表面の投影面積の算出手段C111Bと、全体の投影面積の算出手段C111Cとを有する。前記投影面積の算出手段C111は、前記型の移動方向の候補となる方向毎に、前記候補となる方向に対して垂直な仮想平面PX,PY,PZに前記成型対象の物品2を投影した場合の投影面積2x,2y,2zを算出する。
図8は内積と投影面積との関係の説明図であり、図8Aは斜視図、図8BはZ軸方向に垂直な仮想平面に対する投影面積の説明図である。
C111A:割り当て面の投影面積の算出手段
割り当て面の投影面積の算出手段C111Aは、各表面A1〜Anについて、仮想平面PX,PY,PZに対する各割り当て面S1〜S16の投影面積S1x〜S16x,S1y〜S16y,S1z〜S16zを算出する。
例えば、図8において、表面A1については、割り当て面S1の仮想平面PXに対する投影面積S1xは、割り当て面S1の面積(B1/16)と、内積の演算手段C109によって演算された内積α1とにより、(B1/16)×α1と算出される。また、前記割り当て面S1の仮想平面PYに対する投影面積S1yは、割り当て面S1の面積(B1/16)と、内積の演算手段C109によって演算された内積β1とにより、(B1/16)×β1と算出される。さらに、前記割り当て面S1の仮想平面PZに対する投影面積S1zは、割り当て面S1の面積(B1/16)と、内積の演算手段C109によって演算された内積γ1とによって、(B1/16)×γ1と算出される。
なお、実施例1では、アンダーカットであると判別された方向の投影面積については算出されない。また、内積α1〜α16,β1〜β16,γ1〜γ16が負の場合には、負の面積として算出される。
C111B:各表面の投影面積の算出手段
各表面の投影面積の算出手段C111Bは、仮想平面PX,PY,PZに対する各表面A1〜Anの投影面積B1x〜Bnx,B1y〜Bny,B1z〜Bnzを算出する。実施例1の各表面の投影面積の算出手段C111Bは、前記割り当て面の投影面積の算出手段C111Aによって算出された投影面積S1x〜S16x,S1y〜S16y,S1z〜S16zのうち、正の値の投影面積の和をとって、各表面A1〜Anの投影面積B1x〜Bnx,B1y〜Bny,B1z〜Bnzとして算出する。
したがって、実施例1の各表面の投影面積の算出手段C111Bでは、例えば、表面A1の仮想平面PXに対する投影面積B1xについて、S1x〜S16xの中で値が負のものをSix=0(ただし、i=1,2,…,16)として、B1x=S1x+S2x+S3x+S4x+S5x+S6x+S7x+S8x+S9x+S10x+S11x+S12x+S13x+S14x+S15x+S16xとして算出する。
C111C:全体の投影面積の算出手段
全体の投影面積の算出手段C111Cは、前記成型対象の物品2を投影した場合の投影面積2x,2y,2zを算出する。実施例1の全体の投影面積の算出手段C111Cは、前記各表面の投影面積の算出手段C111Bによって算出された投影面積B1x〜Bnx,B1y〜Bny,B1z〜Bnzの方向毎の和により、方向毎の投影面積2x,2y,2zを算出する。
C112:アンダーカットの総面積の算出手段
成形不能部の総面積の算出手段の一例としてのアンダーカットの総面積の算出手段C112は、前記候補となる方向毎に、アンダーカットと判別された表面の総面積Cx,Cy,Czを算出する。実施例1のアンダーカットの総面積の算出手段C112は、X軸方向においてアンダーカットと判別された各表面A1〜Anの割り当て面S1〜S16全てについての面積の和をとって、X軸方向のアンダーカットの総面積Cxを算出する。また、実施例1のアンダーカットの総面積の算出手段C112は、Y軸方向においてアンダーカットと判別された各表面A1〜Anの割り当て面S1〜S16全てについての面積の和をとって、Y軸方向のアンダーカットの総面積Cyを算出する。さらに、実施例1のアンダーカットの総面積の算出手段C112は、Z軸方向においてアンダーカットと判別された各表面A1〜Anの割り当て面S1〜S16全てについての面積の和をとって、Z軸方向のアンダーカットの総面積Czを算出する。
C113:投影面積の最大方向の特定手段
投影面積の最大方向の特定手段C113は、前記投影面積2x,2y,2zが最大となる方向を特定する。すなわち、実施例1では、前記投影面積2x,2y,2zが最大となる方向として、X軸方向、Y軸方向、Z軸方向のいずれかが特定される。
C114:総面積の最小方向の特定手段
総面積の最小方向の特定手段C114は、前記アンダーカットの総面積Cx,Cy,Czが最小となる方向を特定する。すなわち、実施例1では、前記アンダーカットの総面積Cx,Cy,Czが最小となる方向として、X軸方向、Y軸方向、Z軸方向のいずれかが特定される。
C115:最大方向と最小方向の比較手段
判別手段の一例としての最大方向と最小方向の比較手段C115は、前記投影面積2x〜2zが最大となる方向と、前記アンダーカットの総面積Cx〜Czが最小となる方向と、が一致するか否かを判別する。
C116:面積比率の判別手段
面積比率の判別手段C116は、前記投影面積2x〜2zが最大となる方向と、前記アンダーカットの総面積Cx〜Czが最小となる方向と、が一致しない場合に、前記投影面積2x〜2zが最大となる方向の投影面積2x〜2zが、前記投影面積2x〜2zが最大とならない方向の投影面積2x〜2zに対して、閾値の一例として、予め設定された1よりも大きい基準倍率k以上の値を有するか否かを判別する。実施例1では、基準倍率として、k=10が予め設定されている。したがって、例えば、X軸方向の投影面積2xが最大となる場合に、2x>10×2y且つ2x>10×2zである場合には、前記面積比率の判別手段C116は、前記投影面積2x〜2zが最大となる方向の投影面積2xが、前記投影面積2x〜2zが最大とならない方向の投影面積2y,2zに対して、基準倍率k以上の値を有すると判別する。また、X軸方向の投影面積2xが最大となる場合に、2x<10×2yまたは2x<10×2zである場合には、前記面積比率の判別手段C116は、前記投影面積2x〜2zが最大となる方向の投影面積2xが、前記投影面積2x〜2zが最大とならない方向の投影面積2y,2zに対して、基準倍率k以上の値を有しないと判別する。
C117:型抜方向の設定手段
型抜方向の設定手段C117は、投影面積に基づく設定手段C117Aと、基準倍率に基づく設定手段C117Bと、アンダーカットの総面積に基づく設定手段C117Cとを有し、型を移動させる型抜方向を設定する。すなわち、実施例1の型抜方向の設定手段C117は、前記移動方向の候補の設定手段C108により設定されたX軸、Y軸、Z軸のいずれかの方向を型抜方向として設定する。
C117A:投影面積に基づく設定手段
第1の型抜方向の設定手段の一例としての投影面積に基づく設定手段C117Aは、前記投影面積2x〜2zが最大となる方向と、前記アンダーカットの総面積Cx〜Czが最小となる方向と、が一致する場合に、前記投影面積2x〜2zが最大となる方向を、型を移動させる型抜方向として設定する。
C117B:基準倍率に基づく設定手段
第2の型抜方向の設定手段の一例としての基準倍率に基づく設定手段C117Bは、前記面積比率の判別手段C116によって、前記投影面積2x〜2zが最大となる方向の投影面積2x〜2zが、前記投影面積2x〜2zが最大とならない方向の前記投影面積2x〜2zに対して、前記基準倍率k以上の値を有すると判別された場合に、前記投影面積2x〜2zが最大となる方向を、前記型抜方向として設定する。なお、実施例1の基準倍率に基づく設定手段C117Bは、前記投影面積2x〜2zが最大となる方向と、前記アンダーカットの総面積Cx〜Czが最小となる方向と、が一致しない場合に、基準倍率kに基づく型抜方向の設定を行う。
C117C:アンダーカットの総面積に基づく設定手段
第3の型抜方向の設定手段の一例としてのアンダーカットの総面積に基づく設定手段C117Cは、前記面積比率の判別手段C116によって、前記投影面積2x〜2zが最大となる方向の前記投影面積2x〜2zが、前記投影面積2x〜2zが最大とならない方向の前記投影面積2x〜2zに対して、前記基準倍率k以上の値を有さないと判別された場合に、前記アンダーカットの総面積Cx〜Czが最小となる方向を、前記型抜方向として設定する。なお、実施例1のアンダーカットの総面積に基づく設定手段C117Cは、前記投影面積2x〜2zが最大となる方向と、前記アンダーカットの総面積Cx〜Czが最小となる方向と、が一致しない場合に、アンダーカットの総面積Cx〜Czに基づく設定を行う。
図9は第1の型と第2の型との配置位置の説明図である。
C118:型に対向する総面積の算出手段
型に対向する総面積の算出手段C118は、両側の探知線の生成手段C118Aと、交点の有無の判別手段C118Bと、プラス側の面積の算出手段C118Cと、マイナス側の面積の算出手段C118Dとを有する。前記型に対向する総面積の算出手段C118は、互いに対向する第1の型11と第2の型12とを有する前記型3において、成型対象の物品2の表面の中で、前記第1の型11に対向する表面の総面積D1と、前記第2の型12に対向する表面の総面積D2とを算出する。
なお、図9において、実施例1の型3では、前記第1の型11は、前記型抜方向の一方の一例としてのプラス側に配置される。また、前記第2の型12は、前記型抜方向の他方の一例としてのマイナス側に配置される。さらに、実施例1の型3では、第1の型11と第2の型12とが互いに対向して配置され且つ相対的に接近離間可能に構成されている。また、第1の型11と第2の型12とが接近した場合に、第1の型11と第2の型12との間で成型対象の物品2が形成可能である。さらに、第1の型11と第2の型12とが離間した場合に、第1の型11と第2の型12との間から成型対象の物品2が取り出し可能に構成されている。
C118A:両側の探知線の生成手段
両側の探知線の生成手段C118Aは、探知線の一例として、前記各表面A1〜An上のグリッド交点p1〜p16から、前記型抜方向に沿ってプラス側に延びる半直線M+と、前記型抜方向に沿ってマイナス側に延びる半直線M−とを生成する。
C118B:交点の有無の判別手段
交点の有無の判別手段C118Bは、交点の有無の記憶手段C118B1を有し、前記各表面A1〜An上のグリッド交点p1〜p16毎に、半直線M+,M−と、成形対象の物品2の表面が交点qを有するか否かを判別する。
C118B1:交点の有無の記憶手段
交点の有無の記憶手段C118B1は、半直線M+,M−毎に、交点qを有すると判別された各表面A1〜Anのグリッド交点p1〜p16を全て記憶する。
C118C:プラス側の面積の算出手段
第1の型に対向する表面の総面積の算出手段の一例としてのプラス側の面積の算出手段C118Cは、前記第1の型11に対向する表面の総面積D1を算出する。実施例1のプラス側の面積の算出手段C118Cは、前記各表面A1〜An上のグリッド交点p1〜p16のうち、マイナス側の半直線M−が交点qを有し且つプラス側の半直線M+が交点を有しない全てのグリッド交点p1〜p16における割り当て面S1〜S16の総和D1により、第1の型11に対向する表面の総面積D1、すなわち、プラス側の総面積D1を算出する。
C118D:マイナス側の面積の算出手段
第2の型に対向する表面の総面積の算出手段の一例としてのマイナス側の面積の算出手段C118Dは、前記第2の型12に対向する表面の総面積D2を算出する。実施例1のマイナス側の面積の算出手段C118Dは、前記各表面A1〜An上のグリッド交点p1〜p16のうち、プラス側の半直線M+が交点qを有し且つマイナス側の半直線M−が交点を有しない全てのグリッド交点p1〜p16における割り当て面S1〜S16の総和D2により、第2の型12に対向する表面の総面積D2、すなわち、マイナス側の総面積D2を算出する。
C119:総面積の大小の判別手段
型に対向する表面の総面積の大小の判別手段の一例として総面積の大小の判別手段C119は、前記第1の型11に対向する表面の総面積D1に比べて、前記第2の型12に対向する表面の総面積D2が小さいか否かを判別する。
C120:イジェクトピンの配置手段
型の設定手段の一例としてのイジェクトピンの配置手段C120は、第1の型11の総面積D1に比べて、第2の型12の総面積D2が小さいと判別された場合に、第1の型11に、離脱部材の一例としてのイジェクトピン13が配置される設定とする。また、イジェクトピンの配置手段C120は、第1の型11の総面積D1に比べて、第2の型の総面積D2が大きいと判別された場合に、第2の型12に、イジェクトピン13が配置される設定とする。さらに、実施例1のイジェクトピンの配置手段C120は、第1の型11の総面積D1と、第2の型12の総面積D2とが等しいと判別された場合には、第2の型12に、イジェクトピン13が配置される設定とする。
これにより、実施例1では、前記イジェクトピン13が配置されていない型12,11が、固定型の一例としてのキャビティとして構成される。また、前記イジェクトピン13が配置された型11,12が、可動型の一例としてのコアとして構成される。ここで、前記イジェクトピン13は、コア11,12に対して出没可能に支持される。すなわち、前記イジェクトピン13は、成型時にはコア11,12の内部に埋没して、成型対象の物品2が成型される。また、前記イジェクトピン13は、成型終了時には、コア11,12から突出して、成型対象の物品2を型11,12から離脱させる。
なお、実施例1では、キャビティ12,11とコア11,12との境界面の一例としてのパーティングラインPLは、コア11,12が成型する成型対象の物品2の表面A1〜Anの面積が、キャビティ12,11が成型する成型対象の物品2の表面A1〜Anの面積に比べて、大きくなるように構成される。
C121:型の設定の終了手段
型の設定の終了手段C121は、イジェクトピン13の配置設定が終了すると、前記設計支援システムSによる型の設定処理を終了する。
(ライセンスサーバLSVの制御部の説明)
図2において、前記ライセンスサーバLSVのコンピュータ本体H1は、前記クライアントパソコンPCのコンピュータ本体H1と同様に、入出力インターフェース、ROM、RAM、CPU、クロック発振器等を有している。前記ライセンスサーバLSVは、前記ハードディスクやROM等に記憶されたプログラムを実行することにより種々の機能を実現することができる。また、前記ライセンスサーバLSVのハードディスクには、オペレーティングシステムOSが記憶されている。さらに、前記ライセンスサーバLSVのハードディスクには、設計支援用の認証プログラムAP1′等のアプリケーションプログラム等が記憶されている。前記設計支援用の認証プログラムAP1′は、クライアントパソコンPCに設計支援システムSの使用許諾の情報を送信する。
以下、認証プログラムAP1′の各機能(制御手段)を説明する。
(認証プログラムAP1′)
認証プログラムAP1′は、申請情報の受信手段C1′と、許諾情報の送信手段C2′と、申請情報の記憶手段C3′とを有する。
前記申請情報の受信手段C1′は、前記クライアントパソコンPCからの前記申請情報を受信する。
前記許諾情報の送信手段C2′は、前記許諾情報を送信する。
前記申請情報の記憶手段C3′は、前記申請情報を記憶する。
なお、実施例1の前記ライセンスサーバLSVは、前記クライアントパソコンPCとの間で情報の送受信を行い、申請情報に基づいて許諾情報を譲渡することにより、前記設計支援システムSの使用を許諾する。
(実施例1のフローチャートの説明)
次に、実施例1のクライアントパソコンPCの設計支援プログラムAP2の処理の流れをフローチャートを使用して説明する。なお、前記クライアントパソコンPCおよび前記ライセンスサーバLSVの認証プログラムAP1,AP1′に対応する処理については、前記クライアントパソコンPCが申請情報を送信して使用許諾の情報を受信して記憶すると共に、前記ライセンスサーバLSVが前記申請情報を送信して記憶し、前記使用許諾の情報を受信するだけであるため、フローチャートによる詳細な説明を省略する。
(実施例1の設計支援プログラムAP2のメイン処理のフローチャートの説明)
図10は本発明の実施例1の設計支援プログラムのメイン処理のフローチャートである。
図11は本発明の実施例1の設計支援プログラムのメイン処理のフローチャートであり、図10の続きのフローチャートである。
図12は本発明の実施例1の設計支援プログラムのメイン処理のフローチャートであり、図11の続きのフローチャートである。
図10〜図12のフローチャートの各ST(ステップ)の処理は、前記制御部のROM等に記憶されたプログラムに従って行われる。また、この処理は前記制御部の他の各種処理、例えば、成形品の製図処理等と並行してマルチタスクで実行される。
図10〜図12に示すフローチャートは前記クライアントパソコンPCが電源オンした後、前記設計支援プログラムAP2が起動した場合に開始される。
図10のST1において、設計支援システムSの使用を許可するか否か判別する。イエス(Y)の場合はST2に移り、ノー(N)の場合は設計支援プログラムAP2を終了する。
ST2において、次の(1),(2)の処理を実行する。そして、ST3に移る。
(1)成型対象の物品2の各表面A1〜Anの形状データを取得する。
(2)各表面A1〜Anの表面積B1〜Bnを取得する。
ST3において、成型対象の物品2の画像を表示する。そして、ST4に移る。
ST4において、各表面A1〜Anについてグリッド交点p1〜p16を演算する。そして、ST5に移る。
ST5において、各表面A1〜Anのグリッド交点p1〜p16における法線ベクトルh1〜h16を演算する。そして、ST6に移る。
ST6において、各表面A1〜Anのグリッド交点p1〜p16の割り当て面S1〜S16を設定する。そして、ST7に移る。
ST7において、型3の移動方向の候補を設定する。すなわち、単位ベクトルex〜ezを設定する。そして、ST8に移る。
ST8において、法線ベクトルh1〜h16と、単位ベクトルex〜ezとの内積α1〜α16,β1〜β16,γ1〜γ16を演算する。そして、ST9に移る。
ST9において、各表面A1〜Anのグリッド交点p1〜p16における半直線Lx〜Lzを生成する。そして、図11のST10に移る。
図11のST10において、各表面A1〜Anのグリッド交点p1〜p16のうち、未選択のグリッド交点p1〜p16を選択する。
ST11において、選択したグリッド交点p1〜p16の半直線Lxが交点qを有するか否かを判別する。イエス(Y)の場合はST12に移り、ノー(N)の場合はST13に移る。
ST12において、選択したグリッド交点p1〜p16の半直線Lxが交点qを有することを記憶する。そして、ST13に移る。
ST13において、選択したグリッド交点p1〜p16の半直線Lyが交点qを有するか否かを判別する。イエス(Y)の場合はST14に移り、ノー(N)の場合はST15に移る。
ST14において、選択したグリッド交点p1〜p16の半直線Lyが交点qを有することを記憶する。そして、ST15に移る。
ST15において、選択したグリッド交点p1〜p16の半直線Lzが交点qを有するか否かを判別する。イエス(Y)の場合はST16に移り、ノー(N)の場合はST17に移る。
ST16において、選択したグリッド交点p1〜p16の半直線Lzが交点qを有することを記憶する。そして、ST17に移る。
ST17において、各表面A1〜Anのグリッド交点p1〜p16のうち、未選択のグリッド交点p1〜p16が存在するか否かを判別する。イエス(Y)の場合はST10に移り、ノー(N)の場合はST18に移る。
ST18において、割り当て面S1〜S16の投影面積S1x〜S16x,S1y〜S16y,S1z〜S16zを算出する。そして、ST19に移る。
ST19において、割り当て面S1〜S16の投影面積S1x〜S16x,S1y〜S16y,S1z〜S16zに基づいて、各表面A1〜Anの投影面積B1x〜Bnx,B1y〜Bny,B1z〜Bnzを算出する。そして、ST20に移る。
ST20において、各表面A1〜Anの投影面積B1x〜Bnx,B1y〜Bny,B1z〜Bnzに基づいて、成型対象の物品2の投影面積2x,2y,2zを算出する。そして、図12のST21に移る。
図12のST21において、投影面積2x,2y,2zの最大方向を特定する。そして、ST22に移る。
ST22において、アンダーカットの総面積Cx,Cy,Czを算出する。そして、ST23に移る。
ST23において、総面積Cx,Cy,Czの最小方向を特定する。そして、ST24に移る。
ST24において、投影面積2x,2y,2zの最大方向と、総面積Cx,Cy,Czの最小方向とが一致するか否かを判別する。イエス(Y)の場合はST27に移り、ノー(N)の場合はST25に移る。
ST25において、投影面積2x〜2zが最大となる方向の投影面積2x〜2zが、投影面積2x〜2zが最大とならない方向の投影面積2x〜2zに対して、基準倍率k以上の値を有するか否かを判別する。イエス(Y)の場合はST27に移り、ノー(N)の場合はST26に移る。
ST26において、アンダーカットの総面積Cx〜Czが最小となる方向を、型抜方向として設定する。そして、ST28に移る。
ST27において、投影面積2x〜2zの最大方向を、型抜方向として設定する。そして、ST28に移る。
ST28において、キャビティとコアとの配置処理を実行する。そして、設計支援システムSを終了する。
(実施例1の設計支援プログラムAP2のキャビティとコアの配置処理のフローチャートの説明)
図13は実施例1のキャビティとコアの配置処理のフローチャートの説明図であり、図12のST28のサブルーチンの説明図である。
図13のST201において、次の(1),(2)の処理を実行する。そして、ST202に移る。
(1)各表面A1〜Anのグリッド交点p1〜p16において、設定された型抜き方向の正の方向に向かって半直線M+を生成する。
(2)各表面A1〜Anのグリッド交点p1〜p16において、設定された型抜き方向の負の方向に向かって半直線M−を生成する。
ST202において、各表面A1〜Anのグリッド交点p1〜p16のうち、未選択のグリッド交点p1〜p16を選択する。そして、ST203に移る。
ST203において、選択したグリッド交点p1〜p16の半直線M+が交点qを有するか否かを判別する。イエス(Y)の場合はST204に移り、ノー(N)の場合はST205に移る。
ST204において、選択したグリッド交点p1〜p16の半直線M+が交点qを有することを記憶する。そして、ST205に移る。
ST205において、選択したグリッド交点p1〜p16の半直線M−が交点qを有するか否かを判別する。イエス(Y)の場合はST206に移り、ノー(N)の場合はST207に移る。
ST206において、選択したグリッド交点p1〜p16の半直線M−が交点qを有することを記憶する。そして、ST207に移る。
ST207において、各表面A1〜Anのグリッド交点p1〜p16のうち、未選択のグリッド交点p1〜p16が存在するか否かを判別する。イエス(Y)の場合はST202に移り、ノー(N)の場合はST208に移る。
ST208において、次の(1),(2)の処理を実行する。そして、ST209に移る。
(1)各表面A1〜An上のグリッド交点p1〜p16のうち、マイナス側の半直線M−が交点qを有し且つプラス側の半直線M+が交点を有しない全てのグリッド交点p1〜p16における割り当て面S1〜S16の総和D1により、プラス側の総面積D1を算出する。
(2)前記各表面A1〜An上のグリッド交点p1〜p16のうち、プラス側の半直線M+が交点qを有し且つマイナス側の半直線M−が交点を有しない全てのグリッド交点p1〜p16における割り当て面S1〜S16の総和D2により、マイナス側の総面積D2を算出する。
ST209において、プラス側の総面積D1に比べて、マイナス側の総面積D2が小さいか否かを判別する。イエス(Y)の場合はST210に移り、ノー(N)の場合はST211に移る。
ST210において、第1の型11にイジェクトピン13が配置される設定とする。すなわち、第1の型11をコアに設定し、第2の型12をキャビティに設定する。そして、
キャビティとコアの配置処理を終了する。
ST211において、第2の型12にイジェクトピン13が配置される設定とする。すなわち、第2の型12をコアに設定し、第1の型11をキャビティに設定する。そして、
キャビティとコアの配置処理を終了する。
(実施例1の作用)
前記構成を備えた実施例1の設計支援システムSでは、成型対象の物品2の形状データに基づいて、成型対象の物品2に対する型3の移動方向が自動的に設定される。また、前記設計支援システムSでは、型3のキャビティ11,12と、コア12,11の配置位置が自動的に設定される。
すなわち、成型対象の物品2の各表面A1〜Anの形状データや表面積B1〜Bnが取得されると、設計支援プログラムAP2のメイン処理のST4〜ST17が実行されて、各表面A1〜Anのグリッド交点p1〜p16毎に、X軸方向、Y軸方向、Z軸方向の全てについて、アンダーカットか否かが判別される。
そして、前記メイン処理のST18〜ST23が実行されて、各表面A1〜Anのグリッド交点p1〜p16毎に、アンダーカットか否かに基づいて、成型対象の物品2の投影面積2x〜2zや、アンダーカットの総面積Cx〜Czが算出される。そして、投影面積2x,2y,2zが最大となる方向が特定される。また、アンダーカットの総面積Cx,Cy,Czが最小となる方向が特定される。
図14はストローク量の説明図であり、図14Aは投影面積が小さい方向が型抜方向の場合の説明図、図14Bは投影面積が大きい方向が型抜方向の場合の説明図である。
ここで、アンダーカットの総面積Cx,Cy,Czが小さいほど、アンダーカットが少なくなり易い。よって、前記総面積Cx,Cy,Czが小さい場合には、第3の型の一例としてのスライド型を設ける必要が少なく、型3全体の製造費用を小さくし易い。なお、前記スライド型は、キャビティ12,11とコア11,12では成型不能な部分、いわゆる、アンダーカットを成型するための型である。
また、図14において、投影面積2x〜2zが、他の投影面積2x〜2zに比べて大きくなる方向では、型の移動量、いわゆる、型のストローク量を小さくし易い。すなわち、図14Aにおいて、投影面積が小さい部分2x′を型同士が対向する面11a′,12a′に対応させた場合、投影面積が大きい部分2y′は、型同士が対向する面11a′,12a′に対して側面となる。よって、型同士が対向する面11a′,12a′の小さな型を用いて、投影面積が大きい部分2y′も成型しようとすると、型のストローク量Sk1が大きくなる。これに対して、図12Bにおいて、投影面積が大きい部分2y′が、型同士が対向する面11a′,12a′に設定される場合、ストローク量Sk2が小さくても、投影面積の小さな側面の部分2x′が成型可能である。
したがって、実施例1の設計支援プログラムAP2のメイン処理では、ST24が実行されて、投影面積2x,2y,2zの最大方向と、総面積Cx,Cy,Czの最小方向とが一致すると判別された場合には、メイン処理のST27が実行されて、投影面積2x〜2zの最大方向が型抜方向として設定される。すなわち、実施例1では、投影面積2x〜2zの最大方向と、アンダーカットの総面積Cx〜Czの最小方向とが一致する方向を、優先的に、型抜方向として設定している。
したがって、メイン処理のST24,ST27により設定された型抜方向では、アンダーカットの総面積Cx〜Czが小さく、スライド型を設ける必要性が少ない。よって、型3全体の製造費用が小さくなり易くなっている。また、成型対象の物品2を成型する際の成型行程も、スライド型を多用する場合に比べて単純化され易くなっている。よって、成型時間の短縮化が期待される。したがって、成型対象の物品2の単位時間当たりの生産数、いわゆる、生産性の増加が期待される。また、生産性が改善されて、成型対象の物品2の生産費用、いわゆる、生産コストの低下が期待される。
なお、メイン処理のST24,ST27により設定された型抜方向では、他の方向を型抜方向として設定する場合に比べて、投影面積2x〜2zが大きくなり、型3のストローク量が小さくなり易い。よって、型3を移動させる構成を含めて全体の構成が小さくなり易くなっている。また、型3のストローク量が大きい場合に比べて、成型時の型3の移動量が短くなり、成型時間が短縮化される。
また、実施例1の設計支援プログラムAP2のメイン処理では、投影面積2x,2y,2zの最大方向と、総面積Cx,Cy,Czの最小方向とが一致しない場合には、型抜方向として、投影面積2x,2y,2zの最大方向、または、総面積Cx,Cy,Czの最小方向のいずれかを設定する。すなわち、メイン処理のST25〜ST27が実行されて、投影面積2x〜2zが最大となる方向の投影面積2x〜2zが、投影面積2x〜2zが最大とならない方向の投影面積2x〜2zに対して、基準倍率k以上の値を有すると判別された場合には、投影面積2x〜2zの最大方向が型抜方向として設定される。また、基準倍率k以上の値を有しないと判別された場合には、アンダーカットの総面積Cx,Cy,Czの最小方向が型抜方向として設定される。
ここで、型3のストローク量が大きい場合、一般に、型3には深い凹み形状が必要となる。したがって、ストローク量が大きく凹みが深い場合には、凹みを放電加工などで加工しようとすると、凹みの奥側になるほど加工が困難になる。よって、型3の加工性が悪化する。また、型3の加工性の悪化に伴って、型3の製造コストが上昇する。さらに、型3の加工性が悪化すると、形状の差異が大きくなり易く、成型対象の物品2の製造誤差が大きくなり易い。
したがって、アンダーカットの総面積Cx〜Czの最小方向を優先して型抜方向として設定するだけでは、ストローク量が大きくなり過ぎ、他の方向を設定する場合に比べて、型3の加工性が悪化し過ぎる場合がある。また、ストローク量が大きくなると、他の方向を設定する場合に比べて、型3全体の構成が大型化し過ぎる場合もある。
図15は投影面積が他の投影面積に対して大きくなる場合の説明図である。
また、例えば、図15において、成型対象の物品2が薄板状の形状であり、X軸方向の投影面積2xが、他の投影面積2y,2zに比べて10倍以上の面積を有する場合に、アンダーカットの総面積Cy,Czの最小方向を優先し過ぎて、Y軸方向やZ軸方向を型抜方向として設定してしまうと、X軸方向に設定する場合に比べてストローク量が10倍以上になってしまう。そして、ストローク量が10倍以上になってしまうことは、成型上好ましくない。
これに対して、メイン処理のST25〜ST27では、基準倍率kを用いて比較することで、投影面積2x〜2zが大きくなる方向を型抜方向として設定している。よって、単に、アンダーカットの総面積Cx〜Czの最小方向を優先し型抜方向として設定する場合に比べて、過大なストローク量となることが低減されている。すなわち、基準倍率kとして10を設定している実施例1では、アンダーカットが増えても、ストローク量が他の方向に比べて10倍以上になることが避けられる。
よって、実施例1のメイン処理のST25〜ST27では、単に、アンダーカットの総面積Cx〜Czの最小方向を設定する場合に比べて、型3の加工性の悪化が基準倍率kに応じて低減され、型3全体の構成が基準倍率kに応じて小型化され易くなっている。
そして、実施例1の設計支援プログラムAP2のメイン処理では、型抜方向が設定されると、ST28が実行されて、キャビティとコアの配置処理が実行される。
すなわち、図13において、キャビティとコアの配置処理が実行されると、キャビティとコアの配置処理のST201〜ST207が実行されて、設定された型抜方向の正・負の方向に向かって、各表面A1〜Anのグリッド交点p1〜p16から半直線M+,M−が生成される。そして、半直線M+,M−と成型対象の物品2との交点qの有無が判別される。
また、キャビティとコアの配置処理のST208が実行されると、半直線M+,M−が交点qを有するか否かに基づいて、成型対象の物品2に関するプラス側の総面積D1と、マイナス側の総面積D2とが算出される。そして、ST209が実行されると、総面積D1,D2の大きい側の型11,12がコアに設定され、総面積D2,D1の小さい側の型12,11がキャビティに設定される。
よって、成型対象の物品2に関し、型11,12が成型する面の面積が大きくて、摩擦力が大きく成り易い側の型11,12が、自動的に、コアとして設定される。すなわち、互いに対向する型11,12が離間する際に、摩擦力が大きくて、成型対象の物品2が残り易い側の型11,12に、イジェクトピン13が配置設定される。
ここで、互いに対向する型11,12同士が成型後に離間する際に、イジェクトピン13の無い側の型12,11に成型対象の物品2が残ると、成型対象の物品2が型12,11から自動的に取り外せなくなる恐れがある。したがって、成型対象の物品2を自動的に取り外せない場合には、型11,12を備えた成型装置を停止させて、作業者が手で型12,11から成型対象の物品2を取り外す必要があり、生産性が低下する。
これに対して、実施例1では、成型対象の物品2が残り易い側の型11,12に自動的にイジェクトピン13が配置される設定となっている。よって、成型対象の物品2は、イジェクトピン13側の型11,12に残って、イジェクトピン13で自動的に取り外され易くなっている。したがって、実施例1では、成型対象の物品2の生産性が低下してしまうことが低減されている。
図16は実施例2のクライアントパソコンおよびライセンスサーバの制御部が備えている各機能を機能ブロック図で示した図であり、実施例1の図2に対応する図である。
次に本発明の実施例2の設計支援システムSの説明を行うが、この実施例2の説明において、前記実施例1の構成要素に対応する構成要素には同一の符号を付して、その詳細な説明を省略する。この実施例2は、下記の点で前記実施例1と相違しているが、他の点では前記実施例1と同様に構成されている。
(実施例2の制御部の説明)
(設計支援プログラムAP2″)
図16において、実施例2の設計支援プログラムAP2″では、実施例1の面積比率の判別手段C116が省略されている。また、実施例2の設計支援プログラムAP2″は、実施例1の型抜方向の設定手段C117に替えて、実施例2の型抜方向の設定手段C117″を有する。さらに、実施例2の設計支援プログラムAP2″は、情報の表示手段C201を有する。
C117″:型抜方向の設定手段
実施例2の型抜方向の設定手段C117″では、実施例1の基準倍率に基づく設定手段C117Bが省略されている。また、実施例2の型抜方向の設定手段C117″は、実施例1のアンダーカットの総面積に基づく設定手段C117Cに替えて、実施例2のアンダーカットの総面積に基づく設定手段C117C″を有する。すなわち、実施例2の型抜方向の設定手段C117″は、投影面積に基づく設定手段C117Aと、アンダーカットの総面積に基づく設定手段C117C″と、を有し、型を移動させる型抜方向を設定する。
C117C″:アンダーカットの総面積に基づく設定手段
第4の型抜方向の設定手段の一例としてのアンダーカットの総面積に基づく設定手段C117C″は、前記投影面積2x〜2zが最大となる方向と、前記アンダーカットの総面積Cx〜Czが最小となる方向と、が一致しない場合に、前記アンダーカットの総面積Cx〜Czが最小となる方向を、前記型抜方向として設定する。
図17は文字画像の説明図である。
C201:情報の表示手段
情報の表示手段C201は、最大方向と最小方向の比較手段C115によって、投影面積2x〜2zが最大となる方向と、アンダーカットの総面積Cx〜Czが最小となる方向と、が一致しないと判別された場合に、情報の表示を行う。図17において、実施例2の情報の表示手段C201は、ストローク量の小さい別の型抜方向があるという文字画像21をディスプレイH2に表示する。
(実施例2の設計支援プログラムAP2″のメイン処理のフローチャートの説明)
図18は本発明の実施例2の設計支援プログラムのメイン処理のフローチャートであり、実施例1の図10に対応する図である。
図19は本発明の実施例2の設計支援プログラムのメイン処理のフローチャートであり、図18の続きのフローチャートである。
図19は本発明の実施例2の設計支援プログラムのメイン処理のフローチャートであり、図20の続きのフローチャートである。
図18〜図20において、実施例2のクライアントパソコンPCの設計支援プログラムAP2″のフローチャートでは、図10〜図12の実施例1のメイン処理のフローチャートのST24,ST25に替えて、ST24″,ST101が実行される。
すなわち、図20のST24″において、投影面積2x,2y,2zの最大方向と、総面積Cx,Cy,Czの最小方向とが一致するか否かを判別する。イエス(Y)の場合はST27に移り、ノー(N)の場合はST101に移る。
ST101において、ストローク量の小さい別の型抜方向があるとディスプレイH2に表示する。そして、ST26に移る。
これら以外は、実施例2の設計支援プログラムのメイン処理では、対応する図10〜図12の各処理と同様になるため、その他の処理については詳細な説明を省略する。
(実施例2の作用)
前記構成を備えた実施例2の設計支援システムSでは、成型対象の物品2の形状データに基づいて、成型対象の物品2に対する型3の移動方向が自動的に設定される。また、前記設計支援システムSでは、型3のキャビティ11,12と、コア12,11の配置位置が自動的に設定される。
この際に、実施例1のメイン処理では、前記投影面積2x〜2zが最大となる方向と、前記アンダーカットの総面積Cx〜Czが最小となる方向と、が一致しない場合には、面積比率の判別手段C116により、投影面積2x〜2zが最大となる方向の投影面積2x〜2zが、投影面積2x〜2zが最大とならない方向の投影面積2x〜2zに対して、基準倍率k以上の値を有するか否かを判別し、前記投影面積2x〜2zが最大となる方向、または、前記アンダーカットの総面積Cx〜Czが最小となる方向を、型抜方向として設定している。
これに対して、実施例2では、前記面積比率の判別手段C116が省略されており、前記投影面積2x〜2zが最大となる方向と、前記アンダーカットの総面積Cx〜Czが最小となる方向と、が一致しない場合には、アンダーカットの総面積Cx〜Czが最小となる方向を、型抜方向として設定する。したがって、実施例2では、実施例1に比べて、型の設定処理が単純化されており、高速化され易くなっている。
なお、実施例2のメイン処理のST24″,ST101では、アンダーカットの総面積Cx〜Czが最小となる方向を、型抜方向として設定する際に、ストローク量の小さい別の型抜方向があるとディスプレイH2に表示する。したがって、型の設定処理を行う作業者に、ストローク量が優先されていないことが認識され易くなっている。よって、ストローク量を優先したい場合には、異なる型抜方向を前記作業者に設定させ易くなっている。
(変更例)
以上、本発明の実施例を詳述したが、本発明は、前記実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲で、種々の変更を行うことが可能である。本発明の変更例(H01)〜(H05)を下記に例示する。
(H01)前記各実施例において、各表面A1〜Anのグリッド交点p1〜p16における半直線Lx〜Lz,M+,M−が交点qを有するか否かに基づいて、アンダーカットを検出する構成を例示したが、アンダーカットを検出する構成は、これに限定されない。例えば、特許第4623134号公報、特許第4488060号公報に記載の構成に基づいて、成型不能部、いわゆる、アンダーカットを検出することも可能である。
(H02)前記各実施例において、型抜方向の候補の一例として、X軸方向、Y軸方向、Z軸方向を例示したが、これに限定されない。例えば、斜め方向や、n次元の軸方向など、いわゆる、三次元直交座標に限定されないばかりか、任意の方向を型抜方向の候補として設定可能である。
(H03)前記各実施例において、投影面積2x〜2zや、アンダーカットの総面積Cx〜Czが、割り当て面S1〜16に基づいて算出される構成を例示したが、これに限定されない。例えば、各表面A1〜Anについて、U方向とV方向のグリッド線で囲まれる面積を具体的に算出して、グリッド線で囲まれる面積に基づいて投影面積2x〜2zや、アンダーカットの総面積Cx〜Czを算出する構成が可能である。
(H04)前記各実施例において、設計支援プログラムAP2,AP2″は、投影面積の算出手段C111や、投影面積の最大方向の特定手段C113、最大方向と最小方向の比較手段C115などを有し、予め設定された条件を満たす場合に、投影面積の最大方向を型抜方向として設定する構成を例示したが、これに限定されない。例えば、投影面積の算出手段C111や、投影面積の最大方向の特定手段C113、最大方向と最小方向の比較手段C115などを省略して、アンダーカットの総面積Cx〜Czの最小方向のみを型抜方向として設定する構成も可能である。
(H05)前記各実施例において、設計支援プログラムAP2,AP2″は、アンダーカットの判別手段C110や、アンダーカットの総面積の算出手段C112、総面積の最小方向の特定手段C114、最大方向と最小方向の比較手段C115などを有し、予め設定された条件を満たす場合に、アンダーカットの総面積Cx〜Czの最小方向を型抜方向として設定する構成を例示したが、これに限定されない。例えば、アンダーカットの判別手段C110や、アンダーカットの総面積の算出手段C112、総面積の最小方向の特定手段C114、最大方向と最小方向の比較手段C115などを省略して、投影面積2x〜2zの最大方向のみを型抜方向として設定する構成も可能である。
2…成型対象の物品、
2x,2y,2z…投影面積、
3…型、
11…型、第1の型、
12…型、第2の型、
13…離脱部材、
A1〜An…成型対象の物品の表面、
AP2,AP2″…型抜の設定プログラム、
C102…形状記憶手段、
C110…成形不能部の判別手段、
C111…投影面積の算出手段、
C112…成形不能部の総面積の算出手段、
C113…投影面積の最大方向の特定手段、
C114…総面積の最小方向の特定手段、
C115…判別手段、
C116…面積比率の判別手段、
C117,C117″…型抜方向の設定手段、
C118…型に対向する総面積の算出手段、
C119…型に対向する表面の総面積の大小の判別手段、
C120…型の設定手段、
Cx,Cy,Cz…成型不能部と判別された表面の総面積、
D1…第1の型に対向する表面の総面積、
D2…第2の型に対向する表面の総面積、
k…基準倍率、
X,Y,Z…型の移動方向の候補となる方向、
PC…型抜の設定装置、
S…型抜の設定システム。

Claims (13)

  1. 成型対象の物品の3次元形状の情報を記憶する形状記憶手段と、
    成型対象の物品を成型する型の移動方向の候補となる方向毎に、前記候補となる方向に対して垂直な仮想平面に前記成型対象の物品を投影した場合の投影面積を算出する投影面積の算出手段と、
    前記投影面積が最大となる方向を特定する投影面積の最大方向の特定手段と、
    前記候補となる方向毎に、成型対象の物品の3次元形状を構成する各表面について、前記型を一方向に移動するだけでは成形が不能な成形不能部であるか否かを判別する成形不能部の判別手段と、
    前記候補となる方向毎に、前記成型不能部と判別された表面の総面積を算出する成形不能部の総面積の算出手段と、
    前記成型不能部の総面積が最小となる方向を特定する総面積の最小方向の特定手段と、
    前記投影面積が最大となる方向と、前記成型不能部の総面積が最小となる方向と、が一致するか否かを判別する判別手段と、
    前記投影面積が最大となる方向と、前記成型不能部の総面積が最小となる方向と、が一致する場合に、前記投影面積が最大となる方向を、前記型を移動させる型抜方向として設定する型抜方向の設定手段と、
    を備えたことを特徴とする型抜の設定装置。
  2. 前記投影面積が最大となる方向と、前記成型不能部の総面積が最小となる方向と、が一致しない場合に、前記投影面積が最大となる方向の前記投影面積が、前記投影面積が最大とならない方向の前記投影面積に対して、予め設定された1よりも大きい基準倍率以上の値を有するか否かを判別する面積比率の判別手段と、
    前記面積比率の判別手段によって、前記投影面積が最大となる方向の前記投影面積が、前記投影面積が最大とならない方向の前記投影面積に対して、前記基準倍率以上の値を有すると判別された場合に、前記投影面積が最大となる方向を、前記型抜方向として設定する前記型抜方向の設定手段と、
    を備えたことを特徴とする請求項1に記載の型抜の設定装置。
  3. 前記面積比率の判別手段によって、前記投影面積が最大となる方向の前記投影面積が、前記投影面積が最大とならない方向の前記投影面積に対して、前記基準倍率以上の値を有さないと判別された場合に、前記成型不能部の総面積が最小となる方向を、前記型抜方向として設定する前記型抜方向の設定手段と、
    を備えたことを特徴とする請求項2に記載の型抜の設定装置。
  4. 前記投影面積が最大となる方向と、前記成型不能部の総面積が最小となる方向と、が一致しない場合に、前記成型不能部の総面積が最小となる方向を、前記型抜方向として設定する前記型抜方向の設定手段と、
    を備えたことを特徴とする請求項1に記載の型抜の設定装置。
  5. 前記型抜方向の一方の側に配置される第1の型と、前記型抜方向の他方の側に配置される第2の型と、を有する前記型であって、前記第1の型と前記第2の型とが互いに対向して配置され且つ相対的に接近離間可能に構成されて、前記第1の型と前記第2の型とが接近した場合に、前記第1の型と前記第2の型との間で成型対象の物品が形成可能であると共に、前記第1の型と前記第2の型とが離間した場合に、前記第1の型と前記第2の型との間から成型対象の物品が取り出し可能な前記型を、前記型抜方向に移動するだけで成形が可能な成型対象の物品の表面について、前記第1の型に対向する表面の総面積と、前記第2の型に対向する表面の総面積と、を算出する型に対向する総面積の算出手段と、
    前記第1の型に対向する表面の総面積に比べて、前記第2の型に対向する表面の総面積が小さいか否かを判別する型に対向する表面の総面積の大小の判別手段と、
    前記第1の型に対向する表面の総面積に比べて、前記第2の型に対向する表面の総面積が小さいと判別された場合に、前記第1の型に、前記第1の型から成型対象の物品を離脱させる離脱部材が配置される設定とし、且つ、前記第1の型に対向する表面の総面積に比べて、前記第2の型に対向する表面の総面積が大きいと判別された場合に、前記第2の型に、前記第2の型から成型対象の物品を離脱させる離脱部材が配置される設定とする型の設定手段と、
    を備えたことを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の型抜の設定装置。
  6. 成型対象の物品の3次元形状の情報を記憶する形状記憶手段と、
    成型対象の物品を成型する型の移動方向の候補となる方向毎に、成型対象の物品の3次元形状を構成する各表面について、前記型を一方向に移動するだけでは成形が不能な成形不能部であるか否かを判別する成形不能部の判別手段と、
    前記候補となる方向毎に、前記成型不能部と判別された表面の総面積を算出する成形不能部の総面積の算出手段と、
    前記成型不能部の総面積が最小となる方向を特定する総面積の最小方向の特定手段と、
    前記成型不能部の総面積が最小となる方向を、前記型を移動させる型抜方向として設定する型抜方向の設定手段と、
    を備えたことを特徴とする型抜の設定装置。
  7. 成型対象の物品の3次元形状の情報を記憶する形状記憶手段と、
    成型対象の物品を成型する型の移動方向の候補となる方向毎に、前記候補となる方向に対して垂直な仮想平面に前記成型対象の物品を投影した場合の投影面積を算出する投影面積の算出手段と、
    前記投影面積が最大となる方向を特定する投影面積の最大方向の特定手段と、
    前記投影面積が最大となる方向を、前記型を移動させる型抜方向として設定する型抜方向の設定手段と、
    を備えたことを特徴とする型抜の設定装置。
  8. 成型対象の物品の3次元形状の情報を記憶する形状記憶手段と、
    成型対象の物品を成型する型の移動方向の候補となる方向毎に、前記候補となる方向に対して垂直な仮想平面に前記成型対象の物品を投影した場合の投影面積を算出する投影面積の算出手段と、
    前記投影面積が最大となる方向を特定する投影面積の最大方向の特定手段と、
    前記候補となる方向毎に、成型対象の物品の3次元形状を構成する各表面について、前記型を一方向に移動するだけでは成形が不能な成形不能部であるか否かを判別する成形不能部の判別手段と、
    前記候補となる方向毎に、前記成型不能部と判別された表面の総面積を算出する成形不能部の総面積の算出手段と、
    前記成型不能部の総面積が最小となる方向を特定する総面積の最小方向の特定手段と、
    前記投影面積が最大となる方向と、前記成型不能部の総面積が最小となる方向と、が一致するか否かを判別する判別手段と、
    前記投影面積が最大となる方向と、前記成型不能部の総面積が最小となる方向と、が一致する場合に、前記投影面積が最大となる方向を、前記型を移動させる型抜方向として設定する型抜方向の設定手段と、
    を備えたことを特徴とする型抜の設定システム。
  9. 成型対象の物品の3次元形状の情報を記憶する形状記憶手段と、
    成型対象の物品を成型する型の移動方向の候補となる方向毎に、成型対象の物品の3次元形状を構成する各表面について、前記型を一方向に移動するだけでは成形が不能な成形不能部であるか否かを判別する成形不能部の判別手段と、
    前記候補となる方向毎に、前記成型不能部と判別された表面の総面積を算出する成形不能部の総面積の算出手段と、
    前記成型不能部の総面積が最小となる方向を特定する総面積の最小方向の特定手段と、
    前記成型不能部の総面積が最小となる方向を、前記型を移動させる型抜方向として設定する型抜方向の設定手段と、
    を備えたことを特徴とする型抜の設定システム。
  10. 成型対象の物品の3次元形状の情報を記憶する形状記憶手段と、
    成型対象の物品を成型する型の移動方向の候補となる方向毎に、前記候補となる方向に対して垂直な仮想平面に前記成型対象の物品を投影した場合の投影面積を算出する投影面積の算出手段と、
    前記投影面積が最大となる方向を特定する投影面積の最大方向の特定手段と、
    前記投影面積が最大となる方向を、前記型を移動させる型抜方向として設定する型抜方向の設定手段と、
    を備えたことを特徴とする型抜の設定システム。
  11. コンピュータを、
    成型対象の物品の3次元形状の情報を記憶する形状記憶手段、
    成型対象の物品を成型する型の移動方向の候補となる方向毎に、前記候補となる方向に対して垂直な仮想平面に前記成型対象の物品を投影した場合の投影面積を算出する投影面積の算出手段、
    前記投影面積が最大となる方向を特定する投影面積の最大方向の特定手段、
    前記候補となる方向毎に、成型対象の物品の3次元形状を構成する各表面について、前記型を一方向に移動するだけでは成形が不能な成形不能部であるか否かを判別する成形不能部の判別手段、
    前記候補となる方向毎に、前記成型不能部と判別された表面の総面積を算出する成形不能部の総面積の算出手段、
    前記成型不能部の総面積が最小となる方向を特定する総面積の最小方向の特定手段、
    前記投影面積が最大となる方向と、前記成型不能部の総面積が最小となる方向と、が一致するか否かを判別する判別手段、
    前記投影面積が最大となる方向と、前記成型不能部の総面積が最小となる方向と、が一致する場合に、前記投影面積が最大となる方向を、前記型を移動させる型抜方向として設定する型抜方向の設定手段、
    として機能させることを特徴とする型抜の設定プログラム。
  12. コンピュータを、
    成型対象の物品の3次元形状の情報を記憶する形状記憶手段、
    成型対象の物品を成型する型の移動方向の候補となる方向毎に、成型対象の物品の3次元形状を構成する各表面について、前記型を一方向に移動するだけでは成形が不能な成形不能部であるか否かを判別する成形不能部の判別手段、
    前記候補となる方向毎に、前記成型不能部と判別された表面の総面積を算出する成形不能部の総面積の算出手段、
    前記成型不能部の総面積が最小となる方向を特定する総面積の最小方向の特定手段、
    前記成型不能部の総面積が最小となる方向を、前記型を移動させる型抜方向として設定する型抜方向の設定手段、
    として機能させることを特徴とする型抜の設定プログラム。
  13. コンピュータを、
    成型対象の物品の3次元形状の情報を記憶する形状記憶手段、
    成型対象の物品を成型する型の移動方向の候補となる方向毎に、前記候補となる方向に対して垂直な仮想平面に前記成型対象の物品を投影した場合の投影面積を算出する投影面積の算出手段、
    前記投影面積が最大となる方向を特定する投影面積の最大方向の特定手段、
    前記投影面積が最大となる方向を、前記型を移動させる型抜方向として設定する型抜方向の設定手段、
    として機能させることを特徴とする型抜の設定プログラム。
JP2012118863A 2012-05-24 2012-05-24 型抜の設定装置、型抜の設定システム、および、型抜の設定プログラム Expired - Fee Related JP5187457B1 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012118863A JP5187457B1 (ja) 2012-05-24 2012-05-24 型抜の設定装置、型抜の設定システム、および、型抜の設定プログラム

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012118863A JP5187457B1 (ja) 2012-05-24 2012-05-24 型抜の設定装置、型抜の設定システム、および、型抜の設定プログラム

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP5187457B1 true JP5187457B1 (ja) 2013-04-24
JP2013244645A JP2013244645A (ja) 2013-12-09

Family

ID=48481432

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2012118863A Expired - Fee Related JP5187457B1 (ja) 2012-05-24 2012-05-24 型抜の設定装置、型抜の設定システム、および、型抜の設定プログラム

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5187457B1 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2023236190A1 (en) * 2022-06-10 2023-12-14 Siemens Industry Software Inc. Intelligent eject direction determinations for injection mold designs

Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH11147226A (ja) * 1997-11-18 1999-06-02 Information Services International Dentsu Ltd 金型設計のための製品形状の評価方法
JP2008003963A (ja) * 2006-06-23 2008-01-10 Sharp Corp 形状評価装置、方法、プログラムおよび記録媒体
JP2009271672A (ja) * 2008-05-02 2009-11-19 Fuji Xerox Co Ltd 成形不能部検出装置、成形不能部検出システム、成形不能部検出プログラムおよび成形不能部検出方法

Patent Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH11147226A (ja) * 1997-11-18 1999-06-02 Information Services International Dentsu Ltd 金型設計のための製品形状の評価方法
JP2008003963A (ja) * 2006-06-23 2008-01-10 Sharp Corp 形状評価装置、方法、プログラムおよび記録媒体
JP2009271672A (ja) * 2008-05-02 2009-11-19 Fuji Xerox Co Ltd 成形不能部検出装置、成形不能部検出システム、成形不能部検出プログラムおよび成形不能部検出方法

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2023236190A1 (en) * 2022-06-10 2023-12-14 Siemens Industry Software Inc. Intelligent eject direction determinations for injection mold designs

Also Published As

Publication number Publication date
JP2013244645A (ja) 2013-12-09

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5187457B1 (ja) 型抜の設定装置、型抜の設定システム、および、型抜の設定プログラム
US20160031058A1 (en) Lens edging method, lens edging program and edging controller
JP4623134B2 (ja) 成形不能部検出装置、成形不能部検出システムおよび成形不能部検出プログラム
JP2009129095A (ja) 不要境界線検出装置、不要境界線検出システム、不要境界線検出プログラムおよび不要境界線検出方法
EP2190220A2 (en) Method and process for automating the design of a locking mechanism for a hearing instrument
US11526149B2 (en) Machining command improving system and machining command improving method
Budak et al. Development of a programme system for data-point pre-processing in reverse engineering
US20160059373A1 (en) Shape division method, shape division program and data processing device, and lens data processing method, lens edging method and lens data processing program
CN111210509A (zh) 一种拉伸回弹后电机罩壳形状确定方法及装置
JP3838424B2 (ja) 金型の製造方法及びその製造装置
JP2003527977A (ja) 金型製造
JP2009119716A (ja) 成形不能部検出装置、成形不能部検出システム、成形不能部検出プログラムおよび成形不能部検出方法
JPWO2003017016A1 (ja) V−cadデータによる金型加工方法および装置
JP4862806B2 (ja) 尖型凹凸部検出装置、尖型凹凸部検出システム、尖型凹凸部検出プログラムおよび尖型凹凸部検出方法
CN110222583A (zh) 一种基于面部识别的面部生成技术
JP5621402B2 (ja) 成形不能判定装置、プログラムおよび成形不能判定方法
CN114445847A (zh) 一种基于三维矢量数据的钣金模型折弯数据特征识别方法
US6606535B1 (en) Numerical control apparatus and feed control processing method therefor
JP3801792B2 (ja) 3次元形状の切断装置と切断方法及び切断処理プログラムを格納した記憶媒体
KR101248137B1 (ko) 성형 불능부 검출 시스템, 성형 불능부 검출 프로그램이 저장된 컴퓨터 판독 가능한 기억 매체 및 성형 불능부 검출방법
Surti et al. Non-discretized approach to visibility analysis for automatic mold feature recognition using step part model
JP4024571B2 (ja) 設計支援プログラム
EP2333722A1 (en) System and method for automatic detection of tip plane on 3D detailed ear impressions
KR102555414B1 (ko) 개인화 3차원 얼굴 모델 생성장치
JP2007140737A (ja) 形状補正方法、成形型、及び成形品の製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
TRDD Decision of grant or rejection written
A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20130107

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20160201

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5187457

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees