JP4487382B2 - 密閉型圧縮機およびその製造方法、冷凍・空調装置。 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は連結部より折り曲げることによって形成された固定子コアを板状の金属をロール状に巻いて形成された密閉容器の内壁に固定することによって形成される圧縮機およびその製造方法、この圧縮機を搭載した冷凍・空調装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来の冷媒圧縮機の構造としてはたとえば特開平3−194185号公報などが開示されている。特開平3−194185号公報には図6に示されるような構造の多気筒ロータリ圧縮機が開示されている。図6は従来の密閉型圧縮機の構造を表した図であり、図において1は密閉容器、2は電動要素、3は圧縮要素、4は吸入マフラ、30は吐出管である。
【0003】
従来の電動要素2の固定子コアはプレスなどにより略環状に打ち抜かれた固定子鉄心片を積層固着して固定子コアを形成しており、この固定子コアの外壁が、密閉容器1の内壁に焼きばめ固定されている。電動要素2が通電されると発生する回転力が圧縮要素3に伝達され、吸入マフラー4を介して吸入された冷媒が圧縮要素3にて圧縮され吐出管30より吐出される。
【0004】
電動要素2は密閉容器1の内壁に焼きばめられ固定されているが、密閉容器の種類によって密閉容器1の精度が異なる。精度のよい打ち抜きコアの場合、どのような密閉容器にも容易に焼きばめ固定が可能であるが、連結部より折り曲げることによって形成された固定子コアの場合は密閉容器の精度や剛性に影響を受ける。金属板を絞り成形して端部が球殻状となる絞りシェルタイプの場合や、金属板をロール状に巻き、付き合わせ部を溶接接合して胴部を形成した巻シェルタイプの場合とで、密閉容器のゆがみや剛性が違うため焼きばめられた時の電動要素2の固定子コアのひずみも異なり、電動要素2の効率の低下の度合いも異なっていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
従来は、電動要素2の固定子コアが積層した固定子鉄心片を折り曲げ、溶接などによって連結することにより略環状に形成された折り曲げタイプの固定子コアである場合、その外壁の形状は溶接による変形のため連結部方向にゆがんだ形状となっており、電動要素2を絞りシェルタイプの密閉容器1の内壁に焼きばめると密閉容器の剛性が大きいので、電動要素2の固定子コアが密閉容器の内壁の形状に矯正され、電動要素2の固定子コアは更に歪み、鉄損が大きくなり、効率が低下し、騒音も増大するという問題があった。
【0006】
本発明は上記の問題点を解決するためになされたもので、電動要素の折り曲げにより製造された固定子コアを密閉容器に焼きばめすることによる歪みを抑え低騒音で効率の良い圧縮機を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明の第1の発明は、固定子鉄心片を積層固着し折り曲げることによって略環状になるように接合部を接合して形成される固定子コアを備えた電動要素と、板状の金属をロール状に巻いて付き合わせ部を接合して形成され前記電動要素の固定子コアの外径よりも小さい内径を有する密閉容器の胴部とを備え、前記密閉容器の胴部の付き合わせ部に前記電動要素の固定子コアの接合部を略一致させて、前記密閉容器の胴部のゆがみ方向と前記電動要素の固定子コアのゆがみ方向とが略一致するように前記電動要素の固定子コアを前記密閉容器の胴部の内壁に圧入あるいは焼きばめにより固定したものである。
【0009】
また、本発明の第2の発明は、固定子コアは固定子鉄心片を積層固着し薄肉部より折り曲げることによって略環状に形成するようにしたものである。
【0010】
また、本発明の第3の発明は、固定子鉄心片を積層し折り曲げることによって略環状になるように接合部を接合して形成される固定子コアを備えた電動要素と、板状の金属をロール状に巻いて付き合わせ部を接合して形成され前記電動要素の固定子コアの外径よりも小さい内径を有する密閉容器の胴部と、前記密閉容器の胴部の付き合わせ部に前記電動要素の固定子コアの接合部を略一致させて、前記密閉容器の胴部のゆがみ方向と前記電動要素の固定子コアのゆがみ方向とが略一致するように前記電動要素の固定子コアを前記密閉容器の胴部の内壁に圧入あるいは焼きばめにより固定して構成された圧縮機を冷凍サイクルを構成する冷媒回路中に備えたものである。
【0011】
また、本発明の第4の発明は、固定子鉄心片を積層し薄肉部より折り曲げて回転させることによって略環状になるように接合部を接合した固定子コアを形成する電動要素製造ステップと、前記電動要素製造ステップにて製造された固定子コアを板状の金属をロール状に巻いて付き合わせ部を接合して形成され前記電動要素の固定子コアの外径よりも小さい内径を有する筒状のミドルシェルの内壁に圧入あるいは焼きばめにより固定する電動要素固定ステップと、前記固定子コアが固定された筒状のミドルシェルの両端を閉塞するようにアッパーシェルおよびロアーシェルを接続して密閉容器を形成する密閉容器製造ステップとを備え、前記電動要素固定ステップは、前記ミドルシェルの付き合わせ部に前記電動要素の固定子コアの接合部を略一致させて、前記ミドルシェルのゆがみ方向と前記電動要素の固定子コアのゆがみ方向とが略一致するように前記電動要素の固定子コアを前記ミドルシェルの内壁に固定するようにしたものである。
【0012】
【発明の実施形態】
実施の形態1.
以下、本発明の実施の形態1の発明について図1にて説明する。図1は密閉型圧縮機の一例としてロータリ型圧縮機の断面を表した図である。図において、1は密閉容器、2は電動要素、3は圧縮要素部、4は吸入マフラー、30は吐出管、11は密閉容器1の胴部を構成するミドルシェルであり、ロール状に巻いた金属板の付き合わせ部を溶接などにより接合してある。また、12は密閉容器1の底部を構成するロアーシェル、13は密閉容器1の上部を構成するアッパーシェルである。
【0013】
21は電動要素2の固定子、22は電動要素2の回転子である。密閉容器1はミドルシェル11、ロアーシェル12、アッパーシェル13とから構成され、ミドルシェル11とロアーシェル12およびミドルシェル11とアッパーシェル13はそれぞれ溶接などにより気密接合されている。固定子21の外径はミドルシェル11の内径よりも若干大きく構成されており、固定子21の外壁は密閉容器1のミドルシェル11の内壁に焼きばめあるいは圧入などにより固定されている。
【0014】
以上のように構成された圧縮機の電動要素2が通電されると、吸入マフラー4を介して圧縮要素部3に冷媒が吸入され、圧縮された後に吐出管30より吐出される。このとき、圧縮機の起動・停止時の振動などではずれないような充分な締め代によって電動要素2の固定子21はミドルシェル11の内壁に固定されている。
【0015】
また、図2は実施の形態1の密閉容器内に電動要素が固定されている部分の要部断面図である。図において、1は密閉容器、11は密閉容器1のミドルシェル、21は電動要素2の固定子、5は固定子21のバックヨーク部、6はバックヨーク部5から内側に突出したティース部、7はバックヨーク部5の薄肉部、8は固定子21の接合部、9はミドルシェル11の付き合わせ部である。
【0016】
固定子21は鉄心片を積層して固着した固定子コアを複数の薄肉部7でティース部6が内側に突出するように折り曲げ略環状に形成し、接合部8を溶接などにより接合したものである。図3は折り曲げタイプの固定子コアの製造方法を示す図である。なお、折り曲げとは、薄肉部を有する鉄心片を積層固着して、直線状の状態で巻線を巻いた後、薄肉部より折り曲げ、略環状に成形して接合部を溶接などにより固着したものである。図3において、18は鉄心片であり、6はティース部、7は薄肉部、32は巻線、33は絶縁部材としてのインシュレータである。図3(a)に示すような磁性材料である鉄心片18をプレス打ち抜きする。この鉄心片18は薄肉部7を介して連結されたものである。また、鉄心片18にはティース部6が形成されている。
【0017】
次に、図3(b)に示すように鉄心片18を複数枚積層して固定子コアを形成する。その後、図3(c)に示すように固定子コアを直線状(帯状)に保持した状態で、絶縁部材としてのインシュレータ33をティース部6の周辺に取りつける。さらに、固定子コアを直線状に保持した状態でインシュレータ33を介してティース部6の周りに巻線32を施し、その後、薄肉部7より折り曲げ回転させて略環状に成形する。直線状に保持した状態でティース部6の周りに巻線を施すため、ティース部の間隔を確保することができ、巻線32が巻きやすく、傷つきにくくなっている。
【0018】
また、薄肉部7より折り曲げることによって略環状に形成するようにしたので、折り曲げによる変形が少なく固定子コアの歪みが低減し効率の低下を抑制することができる。この折り曲げタイプの固定子は、巻線を巻いた後に折り曲げて略環状に成形できるため、巻線の占積率を大きくでき、巻線挿入時の巻線の傷つきが回避できるので、効率の良い、信頼性の高い電動機を得ることができるが、その外径形状は溶接などの影響により真円ではなく、接合部8の方向にゆがんだ楕円形状となっている。
【0019】
また、ミドルシェル11は金属板をロール状に巻いた後に付き合わせ部9を溶接などにより接合して中空の円筒形状に形成されており、その外径形状も溶接などの影響により真円ではなく、付き合わせ部9の方向にゆがんだ楕円形状となっている。この密閉容器1は、ミドルシェル11をロール状に巻いた金属板の付き合わせ部を溶接などにより接合して形成した巻きシェルタイプのものである。
【0020】
巻きシェルタイプシェルの場合は、ミドルシェル11は両端開放の筒状をしておりミドルシェル11の内壁に上記で説明した電動要素2の固定子コアを圧入あるいは焼きばめにより固定する。その後、ミドルシェル11の両端のアッパーシェル12およびロアーシェル13を溶接などにより気密接合することによって密閉容器1を形成している。したがって、アッパーシェルおよびロアーシェルをミドルシェルに気密接合する前に電動要素をミドルシェルに固定でき、焼きばめあるいは圧入時の電動要素の固定子に加わる締め付け力が低減され、固定子コアの歪みが低減し効率の低下を抑制することができる。
【0021】
ここで、ミドルシェルとロアーシェルを一体形状で絞りにより成形した絞りシェルタイプのシェルについて図4にて説明する。図4は巻きシェルタイプシェルと絞りシェルタイプシェルの構成の違いを説明した図である。図において、(a)は巻きシェルタイプシェルであり、すでに説明したとおり11はミドルシェル、12はロアーシェル、13はアッパーシェルであり、3分割されている。また、ミドルシェル11の付き合わせ部9は全長に渡って溶接などにより気密接合されている。
【0022】
しかしながら、絞りシェルタイプシェルの場合は、(b)に示すように52はミドルシェル部57とロアーシェル部58が一体形状で絞りにより成形されたミドルシェル、53はアッパーシェルで2分割されており、巻シェルタイプシェルのミドルシェル11のような溶接などにより接合される付き合わせ部はない。したがって、絞りシェルタイプの場合は、絞りの程度や絞り型の精度によって異なるが、巻シェルタイプに比べて溶接接合部が無いので溶接による変形が起こらない。さらに絞りシェルタイプはミドルシェル部57とロアーシェル部58が一体で成形されているのでロアーシェル部58の無い巻シェルタイプに比べて同じ板厚・材質のシェルであればシェルの剛性が高い。
【0023】
絞りシェルタイプのミドルシェル52の内壁に電動要素2の固定子21を圧入あるいは焼きばめにより固定すると、ミドルシェル52の剛性が高いため固定子21がミドルシェル52の内壁形状に沿った形状に歪んでしまい、鉄損が増加し、モーター効率が低下し騒音も増大する。これに対して巻きシェルタイプのミドルシェル11の内壁に電動要素2の固定子21を圧入あるいは焼きばめにより固定した場合は、ミドルシェル11の剛性が小さいため、固定子21の変形が抑制され、歪みにくくなり、鉄損の増加も抑えられ、モーター効率の低下するのを抑制できる。また、固定子21の変形が抑制されるので、抑制されなかった場合に比べて騒音の増大も抑制できる。
【0024】
本実施の形態では、薄肉部7で折り曲げるタイプの固定子を有する電動要素2について説明したが、別に薄肉部で折り曲げるタイプでなくてもよく、薄肉部が分離されておりこの薄肉部を凹凸勘合により連結させ凹凸勘合部で折り曲げ略環状に形成するタイプのものや、薄肉部が分離されておりこの薄肉部をピンにより連結してこのピン連結部より折り曲げ略環状に形成するタイプの固定子を有する電動要素であれば、同様の効果が得られる。
【0025】
また本実施の形態では、ロータリ型圧縮機にて説明したが、これに限定することなくスクロール型圧縮機、他の密閉型圧縮機などシェル内壁に固定子を焼きばめあるいは圧入により固定するものであれば同様の効果が得られる。
【0026】
実施の形態2.
図5は実施の形態2の密閉容器内に電動要素が固定されている部分の要部断面図であり、実施の形態1と同一部品は同一の符号を付してある。図4において、1は密閉容器、11は密閉容器1のミドルシェル、21は電動要素2の固定子、5は固定子21のバックヨーク部、6はバックヨーク部5から内側に突出したティース部、7はバックヨーク部5の薄肉部、8は固定子21の接合部、9はミドルシェル11の付き合わせ部である。本実施の形態では、巻きシェルタイプのミドルシェル11の内壁に電動要素2の固定子21を圧入あるいは焼きばめにより固定する場合、ミドルシェル11の溶接などにより気密接合された付き合わせ部9の位置に電動要素2の固定子21の接合部8の位置を略一致させるようにしている。
【0027】
ここで、実施の形態1で説明したように、電動要素2の固定子21の外径形状は溶接などの影響により真円ではなく、接合部8の方向にゆがんだ楕円形状となっている。また、ミドルシェル11は金属板をロール状に巻いた後に付き合わせ部9を溶接などにより接合して中空の円筒形状に形成されており、その外径形状も溶接などの影響により真円ではなく、付き合わせ部9の方向にゆがんだ楕円形状となっている。
【0028】
したがって、本実施の形態のようにミドルシェル11の付き合わせ部9の位置に電動要素2の固定子21の接合部8の位置を略一致させるように焼きばめあるいは圧入すれば、ミドルシェル11のゆがみ方向と電動要素2の固定子21のゆがみ方向が略一致し、固定子21のゆがみ形状とミドルシェル11のゆがみ形状が同じような形状となり、固定子21を締め付ける力(変形させる力)が低減され、実施の形態1よりもさらに固定子21の歪みが抑制され、モータ効率の低下および騒音の増大を抑制することができる。
【0029】
本実施の形態では、薄肉部7で折り曲げるタイプの固定子を有する電動要素2について説明したが、別に薄肉部で折り曲げるタイプでなくてもよく、薄肉部が分離されておりこの薄肉部を凹凸勘合により連結させ凹凸勘合部で折り曲げ略環状に形成するタイプのものや、薄肉部が分離されておりこの薄肉部をピンにより連結してこのピン連結部より折り曲げ略環状に形成するタイプの固定子を有する電動要素であれば、同様の効果が得られる。
【0030】
また本実施の形態では、ロータリ型圧縮機にて説明したが、これに限定することなくスクロール型圧縮機や他の密閉型圧縮機などシェル内壁に固定子を焼きばめあるいは圧入などにより固定するものであれば同様の効果が得られる。
【0031】
実施の形態1あるいは実施の形態2で説明した圧縮機を冷凍・空調装置の室外ユニットあるいは室内ユニットや冷蔵庫などに搭載すれば、固定子コアの変形あるいは歪みによる騒音が低減されるので、ユニットなどで遮音材などを別途設ける必要がなく、低騒音な冷凍・空調装置が得られる。さらに、直線状で巻線を巻き、巻いた後に略環状に成形するため、巻線の傷つきが少なく簡単な製造方法で大量に量産ができるので、安価な装置を提供できる。しかも、本発明の圧縮機は安価で、低騒音なため、冷蔵庫などの室内に設置する製品にも適用できる。
【0032】
【発明の効果】
本発明は、固定子鉄心片を積層固着し折り曲げることによって略環状に形成される固定子コアを備えた電動要素と、板状の金属をロール状に巻いて形成され電動要素の固定子コアの外径よりも小さい内径を有する密閉容器の胴部と、を備え、電動要素の固定子コアを密閉容器の胴部の内壁に圧入あるいは焼きばめにより固定したので、絞りシェルタイプのシェルを使用するよりも剛性が小さく、焼きばめあるいは圧入時の電動要素の固定子の歪みを低減し、効率の低下を抑えることができる。
【0033】
本発明は、板状の金属をロール状に巻き、付き合わせ部を接合して形成された密閉容器と、固定子鉄心片を積層固着し折り曲げることによって略環状になるように接合部を接合して形成される固定子コアを備えた電動要素と、を備え、密閉容器の付き合わせ部に電動要素の固定子コアの接合部を一致させるように圧入あるいは焼きばめにより固定したので、電動要素の固定子のゆがみ方向とミドルシェルのゆがみ形状が同じような形状となり、焼きばめあるいは圧入時の電動要素の固定子に加わる締め付け力が低減され、固定子コアの歪みが低減し効率の低下を抑制することができる。
【0034】
本発明は、固定子コアは固定子鉄心片を積層固着し薄肉部より折り曲げることによって略環状に形成するようにしたので、折り曲げによる変形が少なく固定子コアの歪みが低減し効率の低下を抑制することができる。
【0035】
本発明は、固定子鉄心片を積層し折り曲げることによって略環状に形成される固定子コアを備えた電動要素と、板状の金属をロール状に巻いて形成され電動要素の固定子コアの外径よりも小さい内径を有する密閉容器の胴部と、電動要素の固定子コアを密閉容器の胴部の内壁に圧入あるいは焼きばめにより固定して構成された圧縮機を冷凍サイクルを構成する冷媒回路中に備えたので、ユニットで遮音材などを別途設ける必要がなく、低騒音な冷凍・空調装置が得られる。
【0036】
本発明は、固定子鉄心片を積層し薄肉部より折り曲げて回転させることによって略環状に固定子コアを形成する電動要素製造ステップと、電動要素製造ステップにて製造された固定子コアを板状の金属をロール状に巻いて形成され電動要素の固定子コアの外径よりも小さい内径を有する筒状のミドルシェルの内壁に圧入あるいは焼きばめにより固定する電動要素固定ステップと、固定子コアが固定された筒状のミドルシェルの両端を閉塞するようにアッパーシェルおよびロアーシェルを接続して密閉容器を形成する密閉容器製造ステップと、を備えたので、アッパーシェルおよびロアーシェルをミドルシェルに気密接合する前に電動要素をミドルシェルに固定でき、焼きばめあるいは圧入時の電動要素の固定子に加わる締め付け力が低減され、固定子コアの歪みが低減し効率の低下を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態1に係る密閉型圧縮機の断面を表した図である。
【図2】 本発明の実施の形態1の密閉容器内に電動要素が固定されている部分の要部断面図である。
【図3】 折り曲げタイプの固定子コアの製造方法を示す図である。
【図4】 巻きシェルタイプシェルと絞りシェルタイプシェルの構成の違いを説明した図である。
【図5】 本発明の実施の形態2の密閉容器内に電動要素が固定されている部分の要部断面図である。
【図6】 従来の密閉型圧縮機の断面を表した図である。
【符号の説明】
1 密閉容器、2 電動要素、3 圧縮要素部、4 吸入マフラー、5 バックヨーク部、6 ティース部、7 薄肉部、8 接合部、9 付き合わせ部、11 ミドルシェル、12 ロアーシェル、13 アッパーシェル、18 鉄心片、21 固定子、22 回転子、32 巻線、33 インシュレータ、52 ミドルシェル、53 アッパーシェル、57 ミドルシェル部、58 ロアーシェル部。
Claims (4)
- 固定子鉄心片を積層固着し折り曲げることによって略環状になるように接合部を接合して形成される固定子コアを備えた電動要素と、板状の金属をロール状に巻いて付き合わせ部を接合して形成され前記電動要素の固定子コアの外径よりも小さい内径を有する密閉容器の胴部とを備え、前記密閉容器の胴部の付き合わせ部に前記電動要素の固定子コアの接合部を略一致させて、前記密閉容器の胴部のゆがみ方向と前記電動要素の固定子コアのゆがみ方向とが略一致するように前記電動要素の固定子コアを前記密閉容器の胴部の内壁に圧入あるいは焼きばめにより固定したことを特徴とする密閉型圧縮機。
- 固定子コアは固定子鉄心片を積層固着し薄肉部より折り曲げることによって略環状に形成するようにしたことを特徴とする請求項1に記載の密閉型圧縮機。
- 固定子鉄心片を積層し折り曲げることによって略環状になるように接合部を接合して形成される固定子コアを備えた電動要素と、板状の金属をロール状に巻いて付き合わせ部を接合して形成され前記電動要素の固定子コアの外径よりも小さい内径を有する密閉容器の胴部と、前記密閉容器の胴部の付き合わせ部に前記電動要素の固定子コアの接合部を略一致させて、前記密閉容器の胴部のゆがみ方向と前記電動要素の固定子コアのゆがみ方向とが略一致するように前記電動要素の固定子コアを前記密閉容器の胴部の内壁に圧入あるいは焼きばめにより固定して構成された圧縮機を冷凍サイクルを構成する冷媒回路中に備えたことを特徴とする冷凍・空調装置。
- 固定子鉄心片を積層し薄肉部より折り曲げて回転させることによって略環状になるように接合部を接合した固定子コアを形成する電動要素製造ステップと、前記電動要素製造ステップにて製造された固定子コアを板状の金属をロール状に巻いて付き合わせ部を接合して形成され前記電動要素の固定子コアの外径よりも小さい内径を有する筒状のミドルシェルの内壁に圧入あるいは焼きばめにより固定する電動要素固定ステップと、前記固定子コアが固定された筒状のミドルシェルの両端を閉塞するようにアッパーシェルおよびロアーシェルを接続して密閉容器を形成する密閉容器製造ステップとを備え、
前記電動要素固定ステップは、前記ミドルシェルの付き合わせ部に前記電動要素の固定子コアの接合部を略一致させて、前記ミドルシェルのゆがみ方向と前記電動要素の固定子コアのゆがみ方向とが略一致するように前記電動要素の固定子コアを前記ミドルシェルの内壁に固定することを特徴とする密閉型圧縮機の製造方法。
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