JP4487301B2 - 排泄物測定装置の取付方法および排泄物測定機能付き衛生洗浄装置 - Google Patents

排泄物測定装置の取付方法および排泄物測定機能付き衛生洗浄装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は衛生洗浄装置に対して、排泄物測定装置の機能を簡便な機構で組み付けることに係り、特に衛生洗浄装置の設計変更を必要最小限として排泄物測定機能を付加することに好適な排泄物測定機能付き衛生洗浄装置の外殻構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
特開平9−229928号に見られるものを詳述すると、以下の通りである。
トイレ内で用便行為により得られた使用者の排泄物の成分を測定する排泄物測定装置は、便器には非固定であって排泄物に含まれる成分を分析する機能を有する測定機と、便器リムに係止されて取り付けられる採尿器とを備え、両者は可撓性のある部材によって結合されると共に、測定機によって採尿器内部の駆動手段が制御されるように構成されている。使用者から排泄された排泄物を採取するための採尿皿と、採尿皿を所定の位置に移動させる駆動機構を配設した採尿器の間に設けられた採尿アームは中空構造をとり、採尿アームは強度を確保するための部品、排泄物を移送するための部品、および、排泄物に関する電気信号を伝送する部品を各々別体で構成され、採尿皿に排泄物が入ったことを検知している。検知された尿は採尿器・測定機の間で連通している配管経路内部を移動して測定機に送られると共に、緩衝液で希釈されることによって酵素電極センサーの測定値に影響を与える物質の影響を減少させて、尿に含まれる各種成分を分析するものになっている。この排泄物測定装置はトイレ器具として存在している便器および便座とは別に個別の機能商品として取り付けられるものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
従来の排泄物測定装置では、トイレ器具として存在している便器、および、便座とは別に個別の機能商品として取り付けられるものであるため、排泄物測定装置の占有スペースが大きいことによりトイレに設置できなかったり、トイレに設置すると掃除などのトイレ作業に弊害を生む場合がある。また排泄物測定機能付き衛生洗浄装置の商品設定によっては、使用者が望む衛生洗浄装置と排泄物測定装置の性能・機能の組み合わせが選択できない場合がある。
本発明は、上記課題を解決するためになされたもので、本発明の目的は、排泄物測定装置と衛生洗浄装置を一体化すると共に、排泄物測定装置の機能維持のために必要な水を衛生洗浄装置より効率的に分岐することにより、衛生洗浄装置に機能・性能的な弊害が発生しない排泄物測定機能付き衛生洗浄装置を提供することにある。また第二の目的は、使用者の要望・病状によって各種用意されるべき糖やタンパクなどの各種測定項目別に用意された排泄物測定装置を、簡便に同じく使用者が要望する性能・機能の衛生洗浄装置と組合せる方法を提案することである。
【0004】
【課題を解決するための手段及び効果】
上記目的を達成するために、請求項1は、衛生洗浄装置への排泄物測定装置の取付方法であって、衛生洗浄装置に設けられた他部材保持用の支持部と、排泄物測定装置に設けられた他部材への取付部とを係合させて、衛生洗浄装置に排泄物測定装置を係合取付けしたことを特徴とする。この発明では、衛生洗浄装置に排泄物測定装置を簡単に取り付けることができる。
【0005】
請求項2は、請求項1における支持部は、複数機種の衛生洗浄装置にとって共通化された形状とされ、前記取付部は、複数機種の排泄物測定装置にとって共通化された形状とされ、複数機種の衛生洗浄装置のうちの任意の機種と複数機種の排泄物測定装置のうちの任意の機種との組合せを可能としたことを特徴とする排泄物測定装置の取付方法である。
この発明では、衛生洗浄装置と排泄物測定装置とを互換性を持たせて取付けることができるので、使用者の必要に応じた機種選定ができる。
【0006】
上記目的を達成するために、請求項3は、衛生洗浄装置の本体に、他部材を保持する支持部を設け、該支持部に排泄物測定装置を保持したことを特徴とする排泄物測定機能付き衛生洗浄装置である。この発明では、衛生洗浄装置に排泄物測定装置を簡単に取り付けることができるので、排泄物測定装置を設置する場所を必要としない。
【0007】
請求項4は、請求項3の衛生洗浄装置と排泄物測定装置とを、前記係合支持部近傍に設けた開口部を通して電気的又は水路的に接続したことを特徴とするので、衛生洗浄装置と排泄物測定装置とを接続する電気コードや水路が外部に露出しないので、狭いトイレの中にコードや配管類がちらばることがない。
【0008】
上記目的を達成するために請求項5は、請求項3において、衛生洗浄装置と一体構成された排泄物測定装置において、排泄物測定装置の外郭は便座の側方に配置すると共に、便座と便器の空隙に配置されて便器ボール面に向けて駆動される回動アームの駆動機構を、前記排泄物測定装置の内部で、かつ、便器側に向いた位置で駆動することを特徴とするので、回動アームおよびその駆動機構の占有スペースを便器自体に取りつける必要が無く、また駆動機構自身は使用者の排泄物や便器内部を清掃する洗剤などと物理的な距離が確保できるため動作信頼性を高くすることができる。
【0009】
上記目的を達成するために請求項6は、排泄物測定装置に、衛生洗浄装置の外郭構成との嵌合機構を設けると共に、その嵌合形状を複数の衛生洗浄装置と共通形状とすることによって、単独の排泄物測定装置が複数の衛生洗浄装置と合体することが可能となると共に、測定項目が違う複数の排泄物測定装置を単独の衛生洗浄装置と合体することを可能としたことを特徴とするので、使用者は機能・性能的に複数用意された衛生洗浄装置と、同じくその測定項目によって複数用意された排泄物測定装置を使用者の希望によって選択して組合せることができる。
【0010】
【発明の実施の形態】
図1は本発明を採用した排泄物測定機能付き衛生洗浄装置の一実施例を示す斜視図である。
衛生洗浄装置1は、大便器に取付固定される洗浄機能部本体7に便座5、便蓋を開閉自在に設けたものである。洗浄機能部本体7内部には人体局部洗浄のための衛生洗浄機構が設けられ、洗浄機能部本体7の左側に伸びる袖部には衛生洗浄機構の操作部が設けられている。また、洗浄機能部本体7の右側には、洗浄機能部本体7と別体構造をとる排泄物測定装置8が着座自在に装着されている。
尿成分を測定する尿センサーは、図示しない便器の開口ボール面内部で、使用者の指示によって排泄経路に移動する採尿アーム2の先端に設けられた採尿皿3に配置されている。使用者が排泄した尿は、採尿皿3内部に設けられた尿センサーによって、その糖(グルコース)濃度を起電力に変換した後、表示部4で使用者に開示されることになる。採尿アーム2は排泄物を採取する時だけ図示しない便器の開口ボール面内部を移動し、通常は便座5の下方に収納されて停止している。測定を完了した尿センサーは、先ず採尿アームカバー6より洗浄水の吐出を受けて今使用した使用者の尿が洗い流され、次いで保存液の吐出により尿センサーが乾燥して酵素が失活することを防止されて長期間の保存に備える。保存液の吐出タイミングとしては、洗浄実施後や、自然乾燥が想定される時間毎に実施すれば良い。また1日/回や測定のたびに校正液で測定値が正しいことを確認すれば、測定値の信頼性は高いものとなる。
【0011】
図2はこの実施例の配管系を表わす配管ブロック図である。
衛生洗浄装置は、分岐金具により流路分岐された市水をノズルまで供給する給水配管経路に、バルブユニット、水を適温に加熱する熱交換ユニット、洗浄流量を調節する流調ユニットを順に設け、また各ユニットを制御するコントローラを内蔵している。
【0012】
バルブユニットは、分岐栓との間を給水ホース等で連結される給水口、水内の異物を除去するストレーナ、逆止弁、給水の開け閉めを行う電磁弁、流量を所定の範囲に収める安全弁、を備えている。
熱交換ユニットは、タンク内に配設されたヒータで水を加熱する熱交換器、逆流を防止するバキュームブレーカー、を備えている。
流調ユニットは、流量を変化させる流量調節弁、ノズルの複数流路又は複数ノズルから吐出流路を切り替える切替弁、を備えている。
【0013】
排泄物測定機能部は計測部と採尿部よりなっている。
計測部は、主として、校正液タンク、緩衝液タンク、尿成分を測定するセンサ、流調ユニットと採尿部と校正液タンクと緩衝液タンクとセンサとそれぞれ流路連結されて、そのうち2つの流路を連通させることで流路切り替えを行うロータリーバルブシリンジ、加熱ヒータ、各ユニットを制御するコントローラ、電源基板などを備えている。
採尿部は先端に採尿皿を有する便器内を回動する採尿アーム、採尿アームに水を噴射して洗浄するノズルを備えている。
排泄物測定機能部には、切替弁が流路先として計測部を選択すると、そこから計測部内のロータリーバルブシリンジ及び採尿部のノズルに水が供給され、尿搬送流路や採尿アーム等の洗浄に用いられる。
【0014】
なお、この装置では、計測部内の電源基板から衛生洗浄機能部のコントローラ及び排泄物測定機能部のコントローラの両方に電力供給されている。
また、両コントローラは、排泄物測定機能部コントローラにより尿測定を行った後、衛生洗浄機能部コントローラにより切替弁を計測部側に切り替える等それぞれの機能を連動させるため、あるいは一方の機能部動作時には他方の動作を制御できないようにするために、通信ハーネスなどで接続されている。
この実施例においては、衛生洗浄機能部の人体肛門部または女性局部への流路分岐と流量調節を行う流調ユニットから排泄物測定機能部に水が供給され、すなわち、市水から分岐された水が熱交換器で加熱された後に排泄物測定機能部に供給される。すなわち、切替弁の1ポートが排泄物測定機能部の計測部に連通されて排泄物測定機能部は洗浄水の分岐を受けているのである。このため、人体局部洗浄水と同じ温度に加熱された水が計測部に供給されるので、尿流路を加熱することができるので、尿流路の洗浄能力が高くなり、尿成分測定の誤差を少なくすることができ、装置の信頼性が向上する。
なお、尿流路を殺菌洗浄するためには、水は人体局部を洗浄するより高温が必要なので、熱交換器は熱交換能力が制御できるようにするのが好ましい。ただし、そのような高温水を衛生洗浄ノズルに供給することはできないので、尿流路洗浄に残った残留高温水は必ず便器内に排出するような制御を行う必要がある。
【0015】
図3はこの実施例のシステムブロック図を示す模式図である。
人体局部洗浄機能部に関するコントローラ部と、排泄物測定機能部のコントローラ部は赤外線(IR)通信によって連絡され、両者の動作としての整合をとることができる。人体局部洗浄機能部コントローラ部に設けられる赤外線(IR)受信部は、人体局部洗浄機能部を無線で操作するリモコン操作盤の受信機と共通化すると、専用部品が不要となりコスト的にメリットがある。
この例では、人体局部洗浄機能部コントローラ部と、排泄物測定機能部コントローラ部の間に通信ハーネスが存在しないため、スペース的に有利であることに加え、動作信頼性も高くなる。
【0016】
図4は本発明を採用した衛生洗浄装置の洗浄機能部と排泄物測定機能部の取付部の構造を示す斜視図である。衛生洗浄装置は洗浄機能部本体7と排泄物測定機能部本体8で構成されている。両者は便座の側方で、洗浄機能部側係合部(支持部)10と排泄物測定装置部側係合部(取付部)11を組合せて一体化されている。なお、この例では、係合部のスリットを上下からスライドさせて一体させるが、この他に、係合部を前後にスライドさせる方法や、フランジ同士を組合せた後にネジ止めする方法など各種方法が採用することができる。排泄物測定装置本体8の上面には、採尿アーム2の駆動を指示する排泄物測定装置操作部9が設けられ、測定された結果は表示部4にて使用者に表示される。通信用投受光窓12から送信される赤外線(IR)などの無線通信手段によって、排泄物測定部は洗浄機能部と制御的な通信を行って、測定系を清浄に保つための洗浄用の供給指示などを行っている。無線通信手段を採用することによって、両者に配線のためのスペースを確保する必要はない。また補充液タンク13には、排泄物センサーを長期間保存するための保存液や、測定値が正確であることを確認する校正液などを保管すればよい。
なお、本図では配管接続を嵌合する状態を開示していないが、両者の配管接続は水接続用のカプラを採用すれば組み付け作業自身は容易である。また排泄物測定機能部本体8への給水は、衛生洗浄装置本体7を介さない方法として、衛生洗浄装置に対して市水を便器洗浄タンクと衛生洗浄装置にそれぞれ分岐させる分岐金具に1ポート分岐方向を追加することによって、トイレ室内の給水管から便器洗浄タンク、衛生洗浄機能部、排泄物測定機能部への給水分岐を単一の分岐栓で行うこともできる。この場合は両者の外郭だけの接続を実施すればよい。
【0017】
なお、洗浄機能部本体7は保有する性能・機能によって複数の製品が存在する。排泄物測定機能部本体8も糖尿病の管理に使用する糖(グルコース)が測定項目であったり、腎症の管理に使用するタンパク質であったり各種の測定項目ごとの製品が想定される。両者共に使用される方が自分自身の状況に応じて選択されるものであるが、両者を係合させて組み合わせできることによって、使用者が機種を選択する幅は多いに広がることになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明を採用した排泄物測定機能付き衛生洗浄装置の一実施例を示す斜視図である。
【図2】 本発明の実施例の配管ブロック図を示す模式図である。
【図3】 本発明の実施例のシステムブロック図を示す模式図である。
【図4】 本発明の実施例の衛生洗浄機能部と排泄物測定機能部の嵌合構造を示す斜視図である。
【符号の説明】
1 衛生洗浄装置
2 採尿アーム
3 採尿皿
4 表示部
5 便座
6 採尿アームカバー
7 洗浄機能部本体
8 排泄物測定機能部本体
9 排泄物測定装置操作部
10 洗浄機能部側嵌合部(支持部)
11 排泄物測定装置部側嵌合部(取付部)
12 通信用投受光窓
13 補充液タンク

Claims (6)

  1. 衛生洗浄装置への排泄物測定装置の取付方法であって、衛生洗浄装置に設けられた他部材保持用の支持部と、排泄物測定装置に設けられた他部材への取付部とを係合させて、衛生洗浄装置に排泄物測定装置を係合取付けしたことを特徴とする排泄物測定装置の取付方法。
  2. 前記支持部は、複数機種の衛生洗浄装置にとって共通化された形状とされ、前記取付部は、複数機種の排泄物測定装置にとって共通化された形状とされ、複数機種の衛生洗浄装置のうちの任意の機種と複数機種の排泄物測定装置のうちの任意の機種との組合せを可能としたことを特徴とする請求項1記載の排泄物測定装置の取付方法。
  3. 衛生洗浄装置の本体に、他部材を保持する支持部を設け、該支持部に排泄物測定装置を保持したことを特徴とする排泄物測定機能付き衛生洗浄装置。
  4. 前記衛生洗浄装置と排泄物測定装置とを、前記支持部近傍に設けた開口部を通して電気的又は水路的に接続したことを特徴とする請求項記載の排泄物測定機能付き衛生洗浄装置。
  5. 前記排泄物測定装置の外郭は便座の側方に配置すると共に、便座と便器の空隙に配置されて便器ボール面に向けて駆動される回動アームの駆動機構を、前記排泄物測定装置の内部で、かつ、便器側に向いた位置で駆動することを特徴とする請求項3記載の排泄物測定機能付き衛生洗浄装置。
  6. 排泄物測定装置に、衛生洗浄装置の外郭構成との嵌合機構を設けると共に、その嵌合形状を複数の衛生洗浄装置と共通形状とすることによって、単独の排泄物測定装置が複数の衛生洗浄装置と合体することが可能となると共に、測定項目が違う複数の排泄物測定装置を単独の衛生洗浄装置と合体することを可能としたことを特徴とする排泄物測定機能付き衛生洗浄装置。
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