JP4486862B2 - 伸縮体のロック機構 - Google Patents
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Description
この脚立の左右一対の支柱(伸縮体)は伸縮自在となっており、各支柱は筒状の支柱本体と、この支柱本体に挿入された脚柱とを有している。脚柱はロック機構によって支柱本体に対して移動不能に固定されるようになっている。
ロック機構は、左右の支柱本体を連結する踏桟部材に揺動自在に支持されて揺動により脚柱に係合するロック部材と、このロック部材を脚柱から離脱揺動させるハンドルとを有しており、ハンドルを手で持ってロック部材を離脱方向に揺動させることで脚柱に対するロック部材の係合を解除するように構成されている。
そこで、本発明は、上記問題点に鑑み、ロック部材によるロック状態をより確実且つ、簡単に維持できる伸縮体のロック機構を提供することを目的とする。
ロック部材によるロック状態をより確実に維持することができる。
また、上記のようにハンドルを直交する方向に移動させることによりハンドルのロックを行っているので、例えば、ロック部材やハンドルにその揺動方向の力がかかっても、ハンドルは揺動することがなく、この点からもロック状態をより確実に維持することができる。
これによれば、ハンドルの枢支部を支持フレームに貫通支持させ且つ、この枢支部にロック部材を設けることで、ロック部材を支持フレームに対して揺動させることができると共に、このロック部材をハンドルによって離脱揺動させることができる構成を簡単に構築できる。さらには、ハンドルの移動によってロック部材の離脱揺動を阻止する構成を簡単に構築することができる。
これによれば、ロック部材をロックするためにハンドルを揺動方向と直交する直交方向に移動しても、ロック部材のつれ動きを防止でき、挿入体とロック部材とのロック状態を良好な状態に維持できる。
これによれば、ハンドルが支持フレームの側方に位置してもつまみで簡単にハンドルを移動することができる。
本発明における課題解決のための他の技術的手段は、前記ハンドルが揺動する方向と直交する方向に移動するのを抑制する抑制手段を設けている点にある。
これによれば、ロック部材のロック解除をすべくハンドルを揺動可能にして揺動方向に移動させる際に、該ハンドルに揺動する方向と直交する方向に力がかかってそのハンドルが掛止手段により揺動不能になってしまうことを防止することができると共に、ハンドルの揺動可能状態を維持することができる。
図1〜7は本発明の伸縮体のロック機構を脚立に実施した脚立の構成を示している。
図6,7に示すように、脚立1は、対向配置された一対の梯子2の上部を互いにブラケット3を介してピン4により枢支することにより主構成されている。この脚立1は一対の梯子2を接地面に立てかけることで使用できると共に、一対の梯子2を開かないように両梯子2をロックしている開き止め具のロックを解除して一方の梯子2をピン4廻りに回動させることで使用することができるものである。
なお、以下の説明において、説明の便宜上、図6に示すように支柱5の並列方向(図6の紙面左右方向、図7の紙面貫通方向)を左右方向とし、図7に示すように梯子2の並列方向(図6の紙面貫通方向、図7の紙面左右方向)を前後方向とする。
各支柱5は、角筒状に形成された支柱本体8(筒体)と、この支柱本体8内に挿入された角筒状の脚柱9(挿入体)とを有しており、脚柱9を軸心方向(上下方向)にスライドすることによって支柱5は伸縮自在となっていて、脚柱9はロック機構7によって伸縮した所定の位置で軸心方向移動不能に固定されるようになっている。
脚柱9は支柱本体8と同様にアルミニウム等の金属系で形成されており、支柱本体8の対向側の開口部10に対応する位置の側壁には複数の被係止部11(ラック部)が形成されている。脚柱9の下端部には接地部材12が装着され、この接地部材12により梯子2が安定した状態で接地面に接地するようになっている。
ロック機構7は、梯子2の最下段の踏桟部材6aと支柱5との間にそれぞれ設けられて、1つの支柱5につき1つのロック機構7が設けられている。
このロック機構7は、支柱本体8に固定の支持フレーム18と、支持フレーム18に対して左右方向(図1のa方向)に揺動自在に枢支されていて脚柱9の被係止部11と係合するロック部材19と、ロック部材19と連結していてロック部材19を脚柱9から離脱揺動させるハンドル20とから主構成されている。
支持フレーム18は、ハンドル20を、ロック部材19の揺動方向(係脱揺動方向)と同一方向(図1のa方向)に揺動可能にすると共に、ロック部材19の揺動方向と直交する方向(図2のb矢印)に移動可能となるように支持している。
この支持フレーム18は、アルミニウム等の金属系の1枚の板材を屈曲させて箱状に形成され且つ、支柱本体8及び踏桟部材6に装着可能とされたもので、脚柱9側(支柱5側)は開口状となっていて、支柱本体8の前後壁13F,13Rに装着され且つ、対向部側に延設された一対の前後側壁部22F,22R(側壁部)と、脚柱9の被係止部11に対向し且つ、前後側壁部22F,22Rの間に配置された背壁部23と、前後側壁部22F,22Rの下部から下方に突出していて踏桟部材6に装着される一対の踏桟装着部24F,24Rとを有している。
支持フレーム18の踏桟装着部24F,24Rは、踏桟部材6の前後壁26F,26Rの端部側を挟み込み可能に形成されており、踏桟装着部24F,24Rで踏桟部材6の前後壁26F,26Rの端部側を挟み込み、リベット等の固定具25をこれらに打ち付けることによって支持フレーム18は踏桟部材6に装着されている。
支持フレーム18を踏桟部材6に装着したとき、踏桟部材6の上面側の傾斜部16は支持フレーム18内に突入しており、支持フレーム18内に位置する傾斜部16には規制孔27(規制部)が設けられている。支持フレーム18の背壁部23は、上方から下方にいくにしたがって対向側に向かうように傾斜している。
このようなハンドル20は、支持フレーム18の前後側壁部22F,22Rに跨って貫通した円柱状の枢支部21と、枢支部21とは径方向に離れた位置で前後側壁部22F,22Rに跨って貫通可能となる円柱状の掛止部28とを有している。枢支部21と掛止部28との同一端部側は連結部29で連結されている。
枢支部21の先端部には、後側壁部22Rの枢支部用貫通孔30R(枢支部用貫通孔30F,30Rの一方)よりも大きな径の突起部31が形成されており、枢支部21を前方に引いたときにその突起部31が後壁部22Rに当接してストッパとなり枢支部21は枢支部用貫通孔30Rから抜け落ちないようになっている。
ハンドル20の掛止部28は、支持フレーム18の前後壁部22F,22Rの下部に設けられた掛止部用貫通孔35F,35Rに挿通されている。この掛止部28の先端部にはスプリング33の押圧部34が嵌合可能な嵌合溝48が設けられている。
ハンドル20の連結部29は、枢支部21及び掛止部28を一体的に連結しており、枢支部21を連結している連結部29の上部側には支持フレーム18の背壁部23よりも対向部側に突出する正面視で円形状のつまみ36が設けられている。掛止部28を連結している連結部29の下部側には下方に突出するレバー37が設けられている。これら連結部29のつまみ36及びレバー37にはハンドル20操作の順番を示す番号が表示されている。
ロック部材19の枢支部用装着部40は枢支部21の外周面に嵌合可能に形成され、ロック部材19の掛止用装着部41は掛止部28の外周面に嵌合可能に形成されており、ロック部材19は枢支部21及び掛止部28に跨ってハンドル20に装着されている。
ロック部材19をハンドル20に装着したとき、ロック部材19の突出部43の先端は規制孔27に挿通されている。突出部43及び規制孔27は、ハンドル20を揺動する方向と直交する方向に移動させた際には、互いに掛止してこのハンドル20の移動によってロック部材19がつれて動くのを防止し、一方で、ハンドル20を揺動させた際には突出部43は規制孔27の縁部に掛止せずロック部材19の揺動を許容するようになっている。したがって、突出部43及び規制孔27によりロック部材19のつれ動きを防止する規制手段44が構成されている。
ここで、ロック部材19の係脱動作とロック機構7の作用について説明する。
図1〜4に示すように、ロック部材19の係止部42と脚柱9の被係止部11とを係合してロック状態のときに、ハンドル20の連結部29を支持フレーム18の前側壁部22Fに当接又は近接させている場合は、ハンドル20の掛止部28の先端部は後側壁部22Rの掛止部用貫通孔35Rに挿通するため、掛止部28(ハンドル20)は掛止部用貫通孔35Rの縁部に掛止して移動不能となる。
これから分かるように、ロック機構7の支持フレーム18とハンドル20との間には、ロック部材19が脚柱9をロックしているときに、ロック部材19の離脱揺動を阻止する掛止手段46が設けられており、この掛止手段46は掛止部28と掛止する後側壁部22Rに設けた掛止部用貫通孔35R(掛止孔)で構成されている。
このように、ロック部材19でロックし且つ、ハンドル20を揺動不能となるように二重ロックした状態で、ハンドル20のつまみ36を手で持って連結部29を前側壁部22Fから離れるように引き、枢支部21の突起部31を支持フレーム18の後側壁部22Rに近接させると、スプリング33の押圧部34の下部側が掛止部28の嵌合溝48に嵌り込むと共に、ハンドル20の掛止部28の先端は掛止孔35Rから出て支持フレーム18内に入ることで掛止部28の掛止が解除される。
ハンドル20を係止離脱方向に移動させる際、ハンドル20に多少なりとも押す方向(掛止部28の軸心方向)に力がかかって掛止部28が掛止孔35Rに掛止しようとするが、本発明では上記のようにハンドル20を引いたときに押圧部34が嵌合溝48に嵌り込んで掛止部28の軸心方向の移動を抑制しているので、ハンドル20を係止離脱方向に移動しようとするときは掛止部28が掛止孔35Rに入ることはなく、これにより、ハンドル20を容易に係止離脱方向に移動させることができる。
ハンドル20のつまみ36及びレバー37に表示された番号は、ロックした状態からロック解除するまでの順番を示したもので、詳しくは、最初につまみ36引き、次にレバー37を揺動させることでロック解除が行えることを示したものである。
また、ロック解除した状態で脚柱9を所望の位置までスライドさせた後、ハンドル20を離すとスプリング33の付勢力により掛止部28の基端部が自動的に係止位置A戻ってロック部材19によるロックが行われる。ロックした状態でハンドル20のつまみ36を
押圧部34と嵌合溝48との嵌合を解除する力で押してハンドル20を揺動する方向とは直交する方向(枢支部21の軸心方向)に移動させれば、ハンドル20の掛止部28が掛止孔35Rに入りハンドル20が揺動不能状態になり2重ロックができて確実にロックができる。
ハンドル20を枢支部21の軸心方向に移動させた際、ロック部材19がハンドル20に嵌合されているためハンドル20の移動と共にロック部材19がつれ動きしようとするが本発明では規制手段44を設けているためにロック部材19のつれ動きが防止され、これにより、ロック部材19を脚柱9に確実にロックさせた状態でハンドル20を揺動状態から揺動不能にすることができる。
また、伸縮体は支柱本体と脚柱とで構成される支柱に限定されず、伸縮体は筒状の部材内に挿入体が挿入されて全体として伸縮する部材であればよい。
なお、筒体は挿入体を挿入可能なものであればよく、筒体は、例えば、コの字形のチャンネル材やソリッド材を含むものとする。
7 ロック機構
8 支柱本体(筒体)
9 脚柱(挿入体)
18 支持フレーム
19 ロック部材
20 ハンドル
45 掛止手段
Claims (5)
- 筒体に挿入体を伸縮自在に挿入すると共に、筒体に挿入体を伸縮した位置で固定するロック機構を設けており、ロック機構は筒体に固定の支持フレームと、この支持フレームに対して揺動自在に枢支されていて挿入体と係合するロック部材と、このロック部材を挿入体から離脱揺動させるハンドルとを有しており、
前記ハンドルを支持フレームに対して揺動方向と直交する方向に移動自在に支持し、前記支持フレームとハンドルとの間に、ロック部材が挿入体をロックしているときにハンドルの揺動方向と直交する方向の移動によりロック部材の離脱揺動を阻止する掛止手段を設けていることを特徴とする伸縮体のロック機構。 - 前記支持フレームは筒体に装着された一対の側壁部を有し、前記ハンドルは、ロック部材を枢支すると共に、軸心方向移動自在に前記一対の側壁部に貫通支持された枢支部と、前記ロック部材を揺動する掛止部と、前記枢支部と掛止部とを一体的に連結する連結部とを備え、前記掛止手段は前記ハンドルを枢支部の軸心方向に移動させたときに前記掛止部と掛止する側壁部に設けた掛止孔で構成していることを特徴とする請求項1に記載の伸縮体のロック機構。
- 筒体に挿入体を挿入して伸縮体を形成し、この伸縮体を左右に並列配置し且つ、左右筒体を踏桟部材で連結して梯子を構成しており、
前記支持フレームを筒体と踏桟部材とに跨って連結し、前記踏桟部材とロック部材との間にハンドルを揺動と直交する方向に移動するときにロック部材のつれ動きを防止する規制手段を設けていることを特徴とする請求項1又は2に記載の伸縮体のロック機構。 - 前記ハンドルに揺動方向と直交する方向に移動するためのつまみを設けていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の伸縮体のロック機構。
- 前記ハンドルが揺動する方向と直交する方向に移動するのを抑制する抑制手段を設けていることを特徴とする1〜4のいずれかに記載の伸縮体のロック機構。
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