JP4486572B2 - ロックアップクラッチ付自動変速機の制御装置 - Google Patents
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Description
従来、トルクコンバータがロックアップしている状態で十分な加速度を得たい場合には、ロックアップを解除してトルクコンバータのトルク増幅効果を利用したり、或いは自動変速機をキックダウンさせて加速に必要なタービントルクを増加させていた(例えば、特許文献1参照)。
従来、このような電子制御スロットル装置にあっては、アクセル開度とスロットル開度との関係が、例えば、アクセル開度50%のときスロットル開度30%、アクセル開度80%のときスロットル開度70%のように、アクセル開度よりも小開度のスロットル開度となるように設定されていた。
すなわち、電子制御スロットル装置を制御するためのスロットル開度特性は、アクセルを踏み込まなければエンジントルクを発生しない設定になっている。そのため、例えば、図6に示されるように、ロックアップ走行中にアクセルを一旦緩めて減速したのち元の速度に復帰するのに必要なエンジントルクを発生させるには、アクセルを深く踏み込まなければならない。ところが、ロックアップクラッチ付自動変速機の制御装置にあっては、アクセルが深く踏み込まれると、ロックアップを解除したり、自動変速機をキックダウンさせる設定となっているため、エンジン回転数の大幅な上昇やトルクコンバータの効率が低下して、燃費やドライバビリティが悪化してしまうという問題が発生する。
また、急激なトルク変動によってドライバの意図しない加速度になってしまうという虞もある。さらには、ロックアップクラッチを締結或いは解除させるように予め設定されているアクセル開度付近において微妙なアクセル操作をしようとするとハンチングが発生するという問題もある。
前記制御装置は、前記ロックアップクラッチを締結或いは解除させる制御信号、エンジン回転数及び前記トルクコンバータの出力軸回転数に基づいて前記ロックアップクラッチのロックアップ状態、非ロックアップ状態を判断し、前記ロックアップクラッチがロックアップ状態であれば、前記アクセル開度よりも大開度のスロットル開度によって前記スロットルバルブを開閉制御し、前記ロックアップクラッチが非ロックアップ状態であれば、前記アクセル開度よりも小開度のスロットル開度によって前記スロットルバルブを開閉制御する制御手段を備えることを特徴とする。
これにより、ロックアップクラッチがロックアップ状態であれば、アクセルを小開度踏み込んだだけでもエンジントルクは増大し、トルクコンバータのトルク増幅作用がなくても加速に必要なエンジントルクが得られるようになる。したがって、アクセルを深く踏み込む必要はなくなり、エンジンの効率の良い領域を有効に使用することができるようになる。さらに、ロックアップクラッチのロックアップ解除や自動変速機のキックダウンを発生させにくくすることができて、ドライバビリティや燃費の向上を図ることができるようになる。
図1は、本発明が適用されたロックアップクラッチ付自動変速機の制御装置の構成を示したブロック図、図2は、同例における制御手段に記憶格納された第1のマップデータ、図3は、同例における制御手段に記憶格納された第2のマップデータ、図4は、同例における第1或いは第2のマップデータが選択される際に用いられるフローチャート、図5は、同例における制御手段による走行パターン図である。
さらに、このECU17は、アクセル開度及び車速Vに基づいてロックアップクラッチ12を締結或いは解除させるタイミングを決定すると共に、そのタイミングに応じて、TCU18に向かってロックアップクラッチ12を締結或いは解除させる指令信号を出力するように設定されている。
ロックアップクラッチ12は油圧単板式とされ、エンジン20と自動変速機13との間に配置されたトルクコンバータ11のタービン(出力側)26に取り付けられている。このロックアップクラッチ12は、TCU18からロックアップクラッチ12を締結或いは解除させる駆動制御信号が出力されると、その駆動制御信号に従ってロックアップクラッチ12を締結或いは解除動作させる油圧式のロックアップクラッチアクチュエータ27を備えている。
以上、ロックアップクラッチ12について説明した。
なお、以下では、ロックアップクラッチ12を締結或いは解除させる制御信号として、ECU17からTCU18に出力されるロックアップクラッチ12を締結或いは解除させる指令信号を用いたが、この構成に代えて、TCU18からロックアップクラッチアクチュエータ27に出力されるロックアップクラッチ12を締結或いは解除させる駆動制御信号を用いることが可能である。
ロックアップクラッチ12を締結或いは解除させる指令信号が未出力、或いは、ロックアップクラッチ12を解除させる指令信号が出力されると、ステップ10にリターンして、そのままETCMAP1を用いてスロットル開度を設定する。
これに対し、ロックアップクラッチ12を締結させる指令信号がTCU18に出力されると、エンジン回転数(NE)とトルクコンバータ11の出力軸回転数(NT)との差の絶対値が、予め設定された設定値Xよりも小さいか否かを判断する(ステップ12)。
これは、ECU17からTCU18に向かってロックアップクラッチ12を締結させる指令信号が出力され、その指令信号が入力されたTCU18からロックアップクラッチアクチュエータ27に向かってロックアップクラッチ12を締結させるための駆動制御信号が出力される。すなわち、非ロックアップ状態にあるロックアップクラッチ12がロックアップするにあたっては、インペラ29とタービン26とが機械的に締結する際の衝撃を軽減するためにロックアップ動作は徐々に行われる。このため、ECU17がロックアップクラッチ12を締結させる指令信号を出力してから、ロックアップクラッチ12が実際にロックアップ(締結)するまでにディレイ(遅延)が生じる。このため、エンジン回転数(NE)とタービン回転数(NT)との差を算出し、その算出値の絶対値が予め設定された設定値Xよりも大きければ非ロックアップ状態であると判断するように設定されている。
なお、ECU17によるこの制御フローは、ECU17への通電が切断されるまで継続される。
11 トルクコンバータ
12 ロックアップクラッチ
13 ロックアップクラッチ付自動変速機
15 電子制御スロットルチャンバ(電子制御スロットル装置)(ETC)
16 制御手段
17 エンジン制御ユニット(ECU)
18 トランスミッション制御ユニット(TCU)
21 エンジン回転数センサ
22 タービン回転数センサ
V 車速
NE エンジン回転数
NT トルクコンバータの出力軸回転数
ETCMAP1 第1のマップデータ
ETCMAP2 第2のマップデータ
Claims (4)
- アクセル開度に応じてトルクコンバータの入力側と出力側とを締結或いは解除するロックアップクラッチを備えたロックアップクラッチ付自動変速機と、前記アクセル開度に応じたスロットル開度によって開閉するスロットルバルブを備えた電子制御スロットル装置と、を協調制御するロックアップクラッチ付自動変速機の制御装置であって、
前記制御装置は、前記ロックアップクラッチを締結或いは解除させる制御信号、エンジン回転数及び前記トルクコンバータの出力軸回転数に基づいて前記ロックアップクラッチのロックアップ状態、非ロックアップ状態を判断し、
前記ロックアップクラッチがロックアップ状態には、前記ロックアップクラッチを解除させるためのアクセル開度が中開度以上に設定されるとともに、前記アクセル開度よりも大開度のスロットル開度によって前記スロットルバルブが開閉制御され、
前記ロックアップクラッチが非ロックアップ状態には、前記ロックアップクラッチを締結させるためのアクセル開度が小開度以下に設定されるとともに、前記アクセル開度よりも小開度のスロットル開度によって前記スロットルバルブが開閉制御され、
前記ロックアップ状態と前記非ロックアップ状態とを前記アクセル開度により切り換え可能に制御する制御手段を備えることを特徴とするロックアップクラッチ付自動変速機の制御装置。 - 前記制御手段は、前記ロックアップクラッチを締結させる制御信号が未出力の場合には、前記アクセル開度よりも小開度のスロットル開度によって前記スロットルバルブを開閉制御することを特徴とする請求項1に記載のロックアップクラッチ付自動変速機の制御装置。
- 前記制御手段は、前記ロックアップクラッチを締結させる制御信号が出力された状態にあっては、前記エンジン回転数と前記トルクコンバータの出力軸回転数との差の絶対値が予め設定された設定値よりも小さいか否かを判断し、前記設定値よりも大の場合には、前記ロックアップクラッチの締結が未完了と判断し、前記アクセル開度よりも小開度のスロットル開度によって前記スロットルバルブを開閉制御することを特徴とする請求項1に記載のロックアップクラッチ付自動変速機の制御装置。
- 前記制御手段は、前記ロックアップクラッチを締結させる制御信号が出力された状態にあっては、前記エンジン回転数と前記トルクコンバータの出力軸回転数との差の絶対値が予め設定された設定値よりも小さいか否かを判断し、前記設定値よりも小の場合には、前記ロックアップクラッチの締結が完了と判断し、前記アクセル開度よりも大開度のスロットル開度によって前記スロットルバルブを開閉制御することを特徴とする請求項1に記載のロックアップクラッチ付自動変速機の制御装置。
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2005
- 2005-09-16 JP JP2005270012A patent/JP4486572B2/ja active Active
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