JP4484149B2 - 酵素活性測定方法 - Google Patents

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本発明は、酵素の活性の測定に用いられる酵素活性測定方法に係り、特に、転写された検体によって変化する試験紙の色を測定することによって、検体に含まれる酵素の活性を測定する酵素活性測定方法に関する。
唾液に含まれるアミラーゼ(酵素の一種)の活性を測定することにより、被検者のストレスの程度や、疾患を有無の判定が可能であることが知られている。
アミラーゼは、唾液のみならず、血液などの検体にも含まれているため、血液に含まれるアミラーゼの活性を測定することによっても、被検者のストレスの程度をなど測定することができる。しかしながら、血液の採取は、一般的に、被検者の苦痛を伴うことがあるなど、唾液の採取と比較して簡便な方法ではない。
一方、唾液の採取は容易である。但し、唾液に含まれるアミラーゼの活性は、血液に含まれるアミラーゼの活性よりも高い。このため、アミラーゼの活性値を測定する試薬紙(試薬含有部材)に唾液を直接浸潤させると、試薬紙に含まれる試薬の反応がすぐに進行して終了するため、試薬紙が同様に変色してしまい、アミラーゼの活性の差(違い)を測定することが困難となる。
そこで、使用者が、唾液(検体)が浸潤している不織布などの検体含有部材と、試薬紙などの試薬含有部材とを指で挟んで、唾液を試薬含有部材に所定の時間転写させ、唾液が転写した試薬含有部材の色の濃度を検出することによって、唾液に含まれるアミラーゼの活性値を測定する方法が提案されている。(例えば、特許文献1)。
特開2004−121214号公報
しかしながら、アミラーゼ(唾液)の量、具体的には、唾液に反応する基質を含む試薬紙に転写された唾液の量、及び転写からの経過時間によって、試薬紙の変色に大きな違いが現われる。特に、転写からの経過時間の違いによって、試薬紙の色が大きく変化する。
上述したように、従来技術では、使用者が、試薬紙と唾液が含まれている不織布とを指で挟むことによって、試薬紙へ唾液を転写しているため、不織布が試薬紙に押し付けられる力がばらつき、試験紙に転写される唾液の量が一定とはならないといった問題があった。
また、従来技術では、試薬紙に唾液を転写した後、当該試薬紙を測定装置に挿入し、試薬紙の色の濃度を検出しているが、唾液の転写を開始した時刻から試薬紙の色を測定する時刻との間隔が一定とはならないといった問題もあった。
すなわち、従来技術では、アミラーゼの活性値を正確に測定することができないという問題があった。なお、この問題は、アミラーゼ以外の酵素、唾液以外の検体においても発生する。
そこで、本発明は、このような問題点に鑑みてなされたものであり、酵素の活性を測定する酵素活性測定試薬を用いて酵素の活性値を測定する場合において、酵素の活性値をより正確に測定することができる酵素活性測定方法を提供することを目的とする。
上述した問題を解決するため、本発明は、次のような特徴を有している。本発明の特徴は、酵素(例えば、アミラーゼ)の活性を測定する酵素活性測定試薬を含んだ試薬含有部材(試薬含有部材13)と、検体含有部材(唾液採取シート15)に含まれた検体(例えば、唾液)とを離隔して配置する試薬・検体配置ステップと、前記試薬・検体配置ステップにおいて配置された前記試薬含有部材と前記検体とを接触させ、前記試薬含有部材に所定量の前記検体を転写する検体転写ステップと、前記検体が転写されたときから所定の時間が経過したときに、前記試薬含有部材に含まれる試薬の色の濃度を測定する濃度測定ステップと、前記濃度測定ステップにおいて測定された前記濃度に基づいて、前記検体に含まれる酵素の活性値を検出する酵素活性検出ステップとを備え、前記試薬・検体配置ステップでは、前記試薬含有部材の平面部分である試薬含有部材平面と、前記検体含有部材の平面部分である検体含有部材平面とが略平行になるように対向させて弾性を有するホルダー(ホルダー17)に配置され、前記検体転写ステップでは、前記ホルダーを押圧する押圧面(押圧面237pp)、及び前記押圧面に対向するカム当接面(カム当接面237cp)を有し、前記ホルダーを押圧する押圧方向に沿って移動可能な可動部材(可動部材237)と、回動軸(回動軸234)からの距離が他の部分よりも長い外周面の一部に平面部分(平面部分231p)を有するカムと、第1の方向に回動することによって、前記平面部分を前記カム当接面と当接させる転写レバー(転写レバー232)と、前記カムを前記第1の方向と反対方向である第2の方向に回動するように付勢する第1の付勢部材(コイルバネ233)と、前記可動部材を前記カムの方向に付勢する第2の付勢部材(コイルバネ239)とを具備する検体転写部(検体転写部200)により、前記平面部分が前記カム当接面に押し当てられ、前記押圧方向に沿って前記可動部材が移動し、前記押圧面によって前記ホルダーが押圧させられることによって前記ホルダーが撓ませられた状態で、前記試薬含有部材平面と前記検体含有部材平面とが所定の圧力で所定の時間に渡って接触させられる酵素活性測定方法であることを要旨とする。
本発明の特徴によれば、酵素の活性を測定する酵素活性測定試薬を用いて酵素の活性値を測定する場合において、酵素の活性値をより正確に測定することができる酵素活性測定方法を提供することができる。
[第1実施形態]
本発明に係る酵素活性測定装置の第1実施形態について説明する。図1は、本発明の第1実施形態に係る酵素活性測定装置1の概略構成を示す斜視図である。図2は、図1に示すF2方向からの酵素活性測定装置1の斜視図である。
なお、図1では、カバー3が開いている状態が示されており、図2では、カバー3が閉じられている状態が示されている。
酵素活性測定装置1は、酵素活性測定試薬を用いて酵素の活性を測定するものである。なお、以下の説明では、唾液(ヒトの唾液)を検体の例として、アミラーゼを酵素の例として説明するが、本発明は、唾液、アミラーゼに限定されるものではない。
酵素活性測定装置1は、酵素活性測定試薬のひとつであるアミラーゼ活性測定試薬を含んだ試薬含有部材13と、唾液を含んだ唾液採取シート15とを離隔して配置する試薬・検体配置部5を備えている。
また、酵素活性測定装置1は、配置されている試薬含有部材13と唾液(唾液採取シート15)とを接触させ、試薬含有部材13に所定量の唾液を転写する検体転写部7を備えている。
さらに、酵素活性測定装置1は、唾液が転写されたときから所定の時間が経過したときに、試薬含有部材13に含まれる試薬の色の濃度を測定する濃度測定部9を備えている。なお、検出したアミラーゼの活性値は、LCDパネル117A(図2参照)に表示される。
ここで、アミラーゼについて説明する。代表的なアミラーゼとして、主にヒトの唾液腺や膵腺より分泌されるα−アミラーゼがある。アミラーゼは、デンプン、アミロースなどの多糖類を加水分解する分子量54,000〜62,000の消化酵素である。
唾液中のアミラーゼの活性値は、体調による変動や、個人差が非常に大きいことが知られている。正常値は数万IL/U程度であるが、体調や体質によっては、健常人においても10万IL/Uを超える場合がある。
本実施形態において用いられるアミラーゼの活性値を測定するための試薬の基質には、修飾オリゴ糖が使用される。修飾とは、オリゴ糖の末端、還元末端に識別標識化合物が結合されていることを意味し、アミラーゼまたは共役酵素によって遊離され得る。修飾オリゴ糖の糖数はG2〜G7であり、好ましくはG2〜G5である。
修飾化合物は、色原体といわれるものが一般的に使用でき、好適な基としては、例えば、4−ニトロフェノール(PNP)、2−クロロ−4−ニトロフェノール(CNP)、2,4−ジクロロフェノール(Cl2P)がある。
このような色原体で修飾された修飾オリゴ糖の具体例としては、2−クロロ−4−ニトロフェノール−4−O−β−D−ガラクトピラノシルマルトサイド(以下 GAL−G2−CNP)、GAL−G−4−CNP、GAL−G5−CNP、G5−CNP(2−クロロ−4−ニトロフェニル−マルトペンタオース)、G7−CNP、G5−PNP(p−ニトロフェニル−マルトペンタオース)、G6−CNP(2−クロロ−p−ニトロフェニルマルトテトラオース)、G7−PNPがあげられる。
これらの修飾オリゴ糖のうち、特に、アミラーゼによる加水分解時の切断箇所が1箇所に限定されるGAL2−G2−CNPやGAL−G4−CNPなどが好ましい。修飾オリゴ糖を一般式で表すと以下になる。
Figure 0004484149
式中のR1、R2はそれぞれ水素原子あるいは保護基を意味する。保護基は格別限定されるものではないが、非置換または置換の低級アルキル基、低級アルコキシル基またはフェニル基、アジド基、ハロゲン原子、N−モノアルキルカルバモイルオキシ基、アルキル若しくはアリールスルホニルオキシ基またはアルキルオキシ基、α−グルコシル基、α−マルトシル基、β−ガラクトシル基などである。また、R1、R2は互いに架橋していてもよく、この架橋基にさらに置換基を有していてもよい。
R3はシグナル発生基、例えば光学的にシグナルを検出可能な基(好適には発色性芳香族基)であり、nは0〜5である。上記式では、−OR3は、還元性末端グルコースの一部にβ−が結合したものであるが、α−が結合したものであってもよい。
本実施形態に係るアミラーゼ活性測定試薬(試薬含有部材13)では、基質が支持体(ろ紙などの試薬紙)に担持されている。
なお、“支持体に担持”とは、水不溶性の有機または無機担体に、基質と競合阻害剤とが固定化またはトラップされている状態をいう。支持体の形状は、薄膜であることが好ましく、支持対の厚さは、厚さ100μm〜500μm、好ましくは150μm〜400μmである。
また、薄膜は、白色であることが好ましい。薄膜の材質は、ニトロセルロース、多孔性ガラス、または紙が好ましいが、これに限定されず、上述した基質を効率的に担持できるものであれば広く利用可能である。なお、本実施形態では、試薬が紙以外の材料(上述したニトロセルロースなど)の支持体に担持されている場合でも、適宜「試薬紙」と記載するが、「試薬紙」には、当該紙以外の材料も含むものとする。
支持体による修飾オリゴ糖の担持量は、一定に調整されることが好ましい。簡便な方法としては、修飾オリゴ糖基質を2〜500mmol/Lを含有する溶液中に支持体を約1〜5分間含浸させ、それを乾燥させて得る方法がある。
本実施形態におけるアミラーゼの活性値の測定では、基質の修飾物質であるCNPやPNPなどの色原体の遊離による、試薬支持体の発色による吸光度の変化に基づいて、アミラーゼの活性値が決定される。例えば、CNPは、405nmの吸光度で測定される。
通常、この色原体の遊離は、大過剰のアミラーゼの作用のみによって可能である。また、アミラーゼの加水分解反応後に、アミラーゼとα−グルコシタ−ゼ、β−グルコシターゼなどによって色原体を遊離させる反応を含んだ共役酵素法が、必要によって用いられる。この場合、追加の酵素を試薬として添加する手段の導入が必要となる。また、反応促進のため、公知のα−アミラーゼの活性剤を用いてもよい。
当該測定における反応温度は、特に限定されないが、好ましくは概ね摂氏25度〜40度である。反応時間は、1〜10数分であるが、基質及び共役酵素の種類に依存する。
発色による変化の測定には、後述するLED21、フォトダイオード23などが用いられれ、支持体の発色による吸光度の変化は、反射光又は透過光によって測定することができる。
測定用の光源としては、発光ダイオード(図5に示すLED21)の他に、レーザ、ハロゲンランプ、タングステンランプなどを用いることができる。なお、光源は、これらに限定されるものではない。
試薬含有部材13は、シート状の部材である。また、唾液採取シート15もシート状の部材(例えば不織布)によって構成されている。
試薬・検体配置部5は、試薬含有部材13の平面部分である平面状部13A(試薬含有部材平面)と、唾液を含んだ唾液採取シート15の平面部分である平面状部15A(検体含有部材平面)とが略平行になるように対向させて配置するものである。
また、試薬・検体配置部5は、試薬含有部材13と検体(唾液)を含んだ唾液採取シート15とを保持するホルダー17を用いて、試薬含有部材13と検体を含んだ唾液採取シート15と離隔して配置する。
検体転写部7は、試薬含有部材13の平面状部13Aと唾液採取シート15の平面状部15Aとを、所定の圧力で所定の時間に渡って接触させるものである。
具体的には、検体転写部7は、後述するカム41によって、ホルダー17を押圧し、平面状部13Aと、平面状部15Aとを接触させる。より具体的には、検体転写部7は、試薬含有部材13が保持されている試薬保持部分17Aと、試薬保持部分17Aの近傍とを所定量変形させ、平面状部13Aと平面状部15Aとを接触させるようになっている。
なお、試薬含有部材13が保持されている試薬保持部分17Aと試薬保持部分17Aの近傍とに代えて、唾液採取シート15が保持されている部分と、当該部分の近傍を変形させてもよい。すなわち、試薬含有部材13が保持されている試薬保持部分17Aまたは唾液採取シート15が保持されている部分(近傍を含む)の少なくとも一方を所定量変形させ、平面状部13Aと、平面状部15Aとを互いに接触させるようにしてもよい。
濃度測定部9は、上述したように、試薬含有部材13に含まれる試薬の色の濃度を測定するものである。
具体的には、図5に示すように、濃度測定部9は、LED21によって、平面状部13Aに対して略直角に光を照射し、平面状部13Aから反射する反射光を、平面状部13Aに対して斜め方向から、フォトダイオード23(以下、PD23)を用いて測定することによって、試薬含有部材13(平面状部13A)の色の濃度を測定する。
また、PD23は、光ファイバ25を介して、平面状部13Aからの反射光を受光する。酵素活性測定装置1は、濃度測定部9へ外乱光が侵入することを抑制するカバー3を備えている。なお、カバー3が閉じられると、ホルダー17が台座29に固定される。
さらに、検体転写部7はカバー3に設けられており、カバー3が閉じられると、ホルダー17の試薬保持部分17Aを変形させて、平面状部13Aと平面状部15Aとを接触させることができるように構成されている。
ここで、試薬・検体配置部5及び検体転写部7について、詳細に説明する。図3は、図2に示したF3−F3方向の断面図である。同図では、試薬・検体配置部5によって、試薬含有部材13と唾液採取シート15とが配置されている。また、同図では、検体転写部7によって、試薬含有部材13と唾液採取シート15とが接触している状態が示されている。
図4は、図3に示したF4方向の断面図である。図4では、理解を容易にするため、試薬含有部材13、試薬含有部材13が保持されている試薬保持部分17A、唾液採取シート15、及び検体転写部7の一部が示されている。なお、試薬保持部分17Aは、ホルダー17の内面側に設けられている。
また、図1に示すように、唾液採取シート15は、長い板状の基材27(例えば、白色の合成樹脂)の一端部の片面に設けられている。ホルダー17は直方体状であり、ホルダー17の内部に基材27を挿入することができるように構成されている。
また、試薬含有部材13が保持される試薬保持部分17Aは、ホルダー17の上面に位置し、試薬保持部分17Aは、ホルダー17の長手方向に略平行に延びた切込み17Bによって、板バネとして機能する。
さらに、図4に示すように、試薬保持部分17Aの長手方向の両端部には、円弧状の円弧部分17Cが形成されており、試薬保持部分17Aが容易に撓むように構成されている。
唾液採取シート15が設けられた基材27を、AR1方向(図1参照)からホルダー17に挿入し、唾液採取シート15が破線で示す位置Pとなるようにホルダー17を台座29にセットすると、試薬含有部材13(平面状部13A)と、唾液採取シート15(平面状部15A)とが、離隔して配置される。
台座29は、酵素活性測定装置1の上面に設けられており、酵素活性測定装置1の長さ方向に延び、溝状の形状を有している。また、台座29を含む酵素活性測定装置1の筐体1Aは、黒色の合成樹脂によって構成されている。
ホルダー17が台座29にセットされた場合、試薬保持部分17Aと対向するホルダー17の底面17Dと、台座29の底面29Aとが面接触する。さらに、ホルダー17の端面17Eと、台座29の端面29Bとが面接触するとともに、ホルダー17の側面17Fと、台座29の側面29Cとが面接触する。
また、ホルダー17の側面に設けられた突起17Gと、台座29の側面29Cに設けられた切欠き29Dとが接触する。このようにホルダー17が台座29にセットされるため、ホルダー17は、酵素活性測定装置1の上側方向以外の方向に移動できないようになる。
また、ホルダー17は、上面、下面及び各側面の形状が異なるため、容易かつ精度良くホルダー17を台座29へセットすることができる。また、ホルダー17は、正しい向き以外では台座29へセットすることができず、使用者の操作ミスを防止することができる。
次に、検体転写部7について説明する。図3に示すように、検体転写部7は、箱状のカバー3の内面3Aに垂直に立設する円柱状のガイド部31と係合し、内面3Aに接近したり、離隔したりする板状の可動部33を有している。なお、可動部33の平面状部33A、33Bは、内面3Aと略平行である。なお、カバー3及び可動部33は、本実施形態では、黒色の合成樹脂によって構成されている。
また、内面3Aには、内面3Aに垂直に立設する円柱状のガイド部35が設けられている。ガイド部35の先端部35Aには、ガイド部35の外径よりも大きな外径を有するバネ保持部37が設けられている。
さらに、バネ保持部37と、可動部33との間には、コイルバネ39が設けられている。すなわち、可動部33は、コイルバネ39によって、内面3Aの方向に付勢されている。
また、可動部33の平面状部33B(内面3A側)には、カム41が当接し、カム41の回動に応じて、可動部33が移動するようになっている。カム41は、回動軸41rを中心として回動可能であり、カム41の一端部には、使用者がカム41を回動させるための転写レバー41Aが設けられている。
なお、図3及び図4では、試薬含有部材13と唾液採取シート15とが、接触した状態が示されている。一方、図4において、二点鎖線で示すように(または図2において二点鎖線で示す状態から実線で示す状態に)、カム41を回動させると、コイルバネ39によって、可動部33がAR3の方向(図3参照)、つまり、内面3Aの方向に移動し、試薬含有部材13と唾液採取シート15とが離隔させられる。
なお、カム41は、酵素活性測定装置1の使用者が、手動で操作するが、カム41に代えて、後述するCPU101の制御によって、ホルダー17を押圧するソレノイドなどを作動させてもよい。また、カム41が試薬含有部材13と唾液採取シート15とを接触させている状態では、カム41の位置は保持され、勝手に回動してしまうことはない。
可動部33の平面状部33Aには、試薬保持部分17Aを押圧する直方体状の転写パッド43(押圧部材)が設けられている。転写パッド43は、例えば、金属などの硬質な部材によって構成されている。
カバー3は、ヒンジ3G(回動軸、図1参照)を中心に回動する。図2に示すように、ヒンジ3Gを中心としてカバー3を回動させることによって、カバー3を閉じることができる。カバー3が閉じられると、フック45を用いて、カバー3が開放しないように固定することができる。
転写レバー41Aを回動させて、可動部33をホルダー17の方向に移動させると、試薬保持部分17Aは、転写パッド43によって押されて変形し、試薬含有部材13と唾液採取シート15とが所定の圧力で接触する。
なお、図1に示すように、内面3Aにはリブ3Bが設けられており、カバー3が閉じられると、リブ3Bの端面3Cが、ホルダー17の上面部分17Hと接触して、上面部分17Hを僅かに付勢する。このため、ホルダー17は、上方向に移動できないように固定される。
また、内面3Aには、突起3Dが設けられており、カバー3が閉じられると、突起3Dが、筐体1Aに設けられている孔1Bに挿入される。
孔1Bに挿入された突起3Dは、筐体1Aの内部に設けられているリミットスイッチ(不図示)を作動させ、カバー3が閉じられたことが検出される。
また、上述したように、カバー3が閉じられると、台座29などへの光の到達は遮断される。カバー3が閉じられると、カバー3の開口部周辺の端面3Eと、台座29の周辺の平面状部1Cとが接触する。当該接触した部分の上下方向の位置と、台座29の底面29A(具体的には、PD23が設けられている基板47の上面47A、図5参照)とでは、底面29Aが、当該接触した部分よりも上側に位置している。
この理由は、外乱光による測定への悪影響を防止するためである。すなわち、外乱光(太陽光や電燈の光)は、通常の状態では、上方向から下方向に降り注ぐため、上述したように、底面29Aを、当該接触した部分よりも上側に位置させれば、外乱光による測定への悪影響を防止することができる。
可動部33には、突起33Cが設けられており、カバー3が閉じられると、突起33Cが、筐体1Aに設けられている孔1Dに挿入される。
可動部33がホルダー17を押圧する状態(図3や図4に示す状態)に移動すると、孔1Dに挿入された突起33Cによって、筐体1Aの内部に設けられているリミットスイッチ(不図示)が作動し、試薬含有部材13への唾液の転写が検出される。
検体転写部7によれば、可動部33及び転写パッド43が平行移動するため、ホルダー17に均一な荷重を掛けられる。このため、ムラのない均一な唾液の転写を実現することができる。また、転写レバー41Aが用いられるため、ホルダー17に過大な荷重が掛かることが防止される。
また、カバー3に検体転写部7が設けられているため、酵素活性測定装置1を小型化することができる。さらに、カバー3によって容易に暗室状態を作り出すことができ、測定への悪影響の原因となる外乱光を効果的に遮断することができる。
また、上述したように、試薬含有部材13の発色の変化を測定する場合、試薬含有部材13と唾液採取シート15とを接触させる時間の精密な管理が必要である。検体転写部7によれば、可動部33の動作に応じて作動するリミットスイッチが設けられているため、試薬含有部材13と唾液採取シート15とが接触している時間、つまり、唾液の転写時間を正確に検出することができる。
また、転写パッド43が、金属などの硬質部材で構成されているため、転写パッド43の磨耗を防ぐことができる。また、転写パッド43が、可動部33とは別部材で構成されているので、転写パッド43の形状、材質、硬さなどの仕様変更に容易に対応することができる。
さらに、転写レバー41Aを回動させるだけで唾液の転写を行えるため、従来技術と比較して、容易かつ確実な唾液の転写を実現することができる。
次に、濃度測定部9について、詳細に説明する。図5は、濃度測定部9の概略断面図である。
上述したように、濃度測定部9は、試薬含有部材13(平面状部13A)の色の濃度を測定するものである。
濃度測定部9は、検体転写部7によって唾液の転写が開始されてから所定の時間が経過したときに、試薬含有部材13(平面状部13A)の色の濃度を測定する。
また、濃度測定部9による色の濃度の測定時には、基材27はホルダー17から抜き取れられる。つまり、LED21(光ファイバ25),PD23と、試薬含有部材13(平面状部13A)との間には、何も介在しない状態となる。なお、基材27は、図2に示すように、カバー3が閉じられていても、カバー3に設けられた切欠き部3Fを介して抜き取ることができる。
LED21、PD23及び光ファイバ25は、黒色の合成樹脂で構成された基板47に設けられており、基板47の上面47Aは、台座29の底面29Aと略同一の高さに位置している。また、上面47Aと、平面状部13Aとは、略平行になるように配置されている。
また、LED21と平面状部13Aの中心部とを結ぶ直線CL1は、平面状部13Aに対して略直角であり、PD23と平面状部13Aの中心部とを結ぶ直線CL3は、平面状部13Aに対して斜めになっている。
平面状部13Aからの反射光をPD23で計測する場合、試薬含有部材13(試験紙)の発色部位(平面状部13A)との角度(角度θ)は、0〜50度、好ましくは10〜45度、より好ましくは10度〜30度である。
また、平面状部13AとPD23との距離は、10〜30mm、好ましくは15mm〜25mm、より好ましくは18mm〜22mmである。さらに、試薬スポット径(光が照射された部分の径)が1mm〜5mm、好ましくは2mm〜4mm、より好ましくは2.5mm〜3.5mmである。
なお、濃度測定部9では、試薬含有部材13の色の濃度を測定しているが、試薬含有部材13に含まれる試薬の反応の程度(試薬の濃度)を検出することが可能であれば、他の方法を用いてもよい。
次に、アミラーゼによる試薬の基質の分解について説明する。図6は、基質とアミラーゼとが接触した場合における酵素反応の程度と経過時間との関係を示すグラフである。ここで、同図に示すグラフG1は、アミラーゼの活性が低い場合を示しており、グラフG3は、アミラーゼの活性が中程度の場合を示している。また、グラフG5は、アミラーゼの活性が高い場合を示している。
同図に示すように、アミラーゼの活性が高いほうが、酵素反応がより早く進行する。なお、酵素反応は、基質が分解されてなくなるまで行われる。酵素反応が行われるにしたがって、試薬含有部材13は、黄色が濃くなるように発色する。
図7は、PD23によって検出された反射光に基づいて変換された出力電圧と、経過時間との関係を示すグラフである。図7に示すグラフG7は、アミラーゼの活性が低い場合を示しており、グラフG9は、アミラーゼの活性が中程度の場合を示している。また、グラフG11は、アミラーゼの活性が高い場合を示している。
図8は、基質とアミラーゼとが接触した場合における基質の濃度と、経過時間との関係を示すグラフである。図8に示すグラフG13は、アミラーゼの活性が低い場合を示しており、グラフG15は、アミラーゼの活性が中程度の場合を示している。また、グラフG17は、アミラーゼの活性が高い場合を示している。
図8に示すように、アミラーゼの活性が高いほうが、短時間により多くの酵素反応が起こり、基質の濃度が低下する。
上述したように、唾液が含まれている唾液採取シート15と試薬含有部材13(試験紙)とが接触した時点から酵素反応(アミラーゼによる基質の分解反応)が始まる。唾液採取シート15から試薬含有部材13(試験紙)全体へ唾液が浸潤していく間にも、接触表面部分では反応が進行する。酵素反応が始まる時点は、試薬含有部材13の色の濃度を測定するための基準となるため、上述したように、当該時点を正確に検出することができるようなっている。
なお、唾液の転写に要する時間は、唾液採取シート15に含まれている唾液が試薬含有部材13(試験紙)全体に浸潤できる時間であればよい。但し、必要以上に転写を継続すると、溶解した基質が唾液採取シート15へと逆転写してしまい測定の誤差の原因となるので、適切な時間で転写を終了させることが好ましい。
唾液の転写は、上述したように、転写レバー41Aを二点鎖線で示す位置から実線で示す位置に回動することによって終了させる(図2参照)。換言すれば、転写レバー41Aを戻すという簡単な操作によって、唾液の転写を終了させる。
転写レバー41Aを戻すことによって、平面状部13Aと平面状部15Aとが互いに離隔し、唾液の転写が終了する。
また、使用者が手動で転写レバー41Aを戻すようにしているが、転写レバー41Aを戻すタイミングは、例えば、酵素活性測定装置1に設けられているブザーを鳴動させることによって、使用者に通知される。なお、ブザーを鳴動させるタイミングは、突起33Cによってリミットスイッチが作動させられてから所定の時間(例えば、10秒)が経過したときに設定される。
唾液の転写が終了すると、使用者によって、基材27が酵素活性測定装置1から抜き取られ、濃度測定部9による測定が遅滞なく行われる。
アミラーゼの活性値の測定は、上述したように、酵素反応が終了してしまう前に行う必要がある。また、測定値は、酵素反応の開始時点からの経過時間によって変化する。そこで、唾液の転写の開始時点からの経過時間がリアルタイムクロックIC(図9に示すCPU101)によって計測され、予め設定された時間が経過すると、自動で測定が行われる。
以上説明した本実施形態に係る酵素活性測定装置1によれば、次の作用・効果を得ることができる。
まず、それほど精度が必要ではない転写や転写の解除操作を手動としたことで、検体転写部7の部品点数が削減でき構成を簡素にすることができる。
また、CPU101を用いて、唾液の転写時間を計測することによって、唾液の転写開始からの経過時間を正確に管理することができる。また、所定時間が経過した場合、ブザーが鳴動するため、必要以上に唾液の転写が継続されてしまうことが防止される。
次に、試薬含有部材13に含まれている試薬の発色について詳細に説明する。試薬の発色は、酵素反応によって発色物質の濃度が増加することであるが、発色の程度を肉眼で定量的に把握することは一般的に困難である。
そこで、発色の程度を定量化するために、発色する色の波長に応じた波長を有する光をLED21から試薬含有部材13(試験紙)に照射し、照射した光の反射光や散乱光の輝度をPD23が測定する。
上述したように、LED21、PD23及び光ファイバ25は、基板47にすべて装着される。本実施形態では、LED21として、ピーク波長430nmのダイオードが用いられ、PD23として、波長430〜450nmに感度を有するフォトダイオードが用いられている。
また、光ファイバ25として、単芯タイプのセンサー用光ファイバが用いられている。さらに、台座29の底面29Aと、基板47とは、艶消しの黒色が着色されている。
LED21から照射された光は、絞り部(不図示)によって所定のスポット径に絞られ、当該絞られた光が、試薬含有部材13(平面状部13A)に照射される。ここで、当該照射された光は、透過、散乱または反射を起こし、一部の光が光ファイバ25を介してPD23に到達する。PD23は、光ファイバ25を介して到達した光の照度に応じた電圧(具体的には、PD23から出力された電流値に基づいて変換された電圧値)を図7に示したように出力する。
また、底面29Aと基板47とは艶消しの黒色に着色されているため、LED21から漏れた光や侵入してきた光の乱反射が防止される。さらに、スポット径を試薬含有部材13(平面状部13A)の大きさに合わせることによって、平面状部13A以外への光の照射を防ぎ、誤差の原因となる乱反射を小さくすることができる。
また、LED21から照射される光の焦点をぼかすことによって、平面状部13Aを均一照射することができ、平面状部13A(試薬)の色の濃度を安定して測定することができる。
また、発色した試薬の色の吸光度は、波長の帯域が420〜450nmにおいて、変化が最も著しい。このため、当該波長に合わせたLED21を用いることで、感度良く発色した試薬の色の濃度(発色の程度)を検出できる。
さらに、430〜450nmに感度を有するPD23を用いることによって、余分な外乱光の影響を低減でき、S/N比のよい出力電圧を得ることができる。
また、光ファイバ25が用いられるため、反射光の減衰を抑制することができ、高感度な照度の検出が可能となる。さらに、試薬含有部材13とPD23とが同じ雰囲気にない(つまり、離隔されている)ため、PD23の干渉フィルター(不図示)に対する湿気(唾液による湿気)の影響を少なくすることができる。
また、LED21とPD23とが、基板47の同一面上に取り付けられるため、効率的に基板47(濃度測定部9)を組み立てることができる。
次に、アミラーゼの活性値の測定結果などを表示する動作などについて説明する。濃度測定部9によって測定された光の照度は、PD23の電流値として出力される。したがって、当該電流値をアミラーゼの活性値に変換する必要がある。
そこで、酵素活性測定装置1に搭載される電子回路基板は、検量線を記憶し、アミラーゼの活性値、もしくは目的とする指標に換算する機能を有している。
当該電子回路基板は、測定手順を案内する機能や、リアルタイムクロックなどの機能も有している。
図9は、CPU基板100のブロック構成を、図10は、センサー基板121のブロック構成を示している。CPU101は、256kBフラッシュロムを内蔵し、プログラムの書き換えに対応している。発振部103は、CPU101にクロック信号を供給する。なお、本実施形態では、CPU101は、唾液に含まれるアミラーゼの活性値を検出する酵素活性検出部を構成する。
通信部105は、RS232Cドライバなどによって構成されており、測定データを出力したり、書き換え用プログラムをダウンロードするために用いられる。クロック部107は、リアルタイムクロックICからなり、正確なタイミング信号を生成する。
記憶部109には、測定時間や測定結果に関するデータなどを記憶させておくことができ、要求に応じて当該データを出力させることができる。ブザー出力部111は、エラーの発生時や、使用者に操作(例えば、唾液の転写を終了させる操作)を促すときなどに、可聴音を発生する回路である。
電源部113は、筐体1Aの内部に装填される電池の電圧を所望の電圧に変換し、CPU101などへ供給する回路などによって構成されている。バックアップ電源部115は、記憶部109やクロック部107に記憶されているデータをバックアップするために用いられる。
液晶表示部117は、操作メニューや操作案内、測定結果などを表示するものである。スイッチ部119は、電源スイッチや、カーソルスイッチなどと、当該スイッチの動作を検出する回路によって構成されている。
センサー基板121は、図10に示すように、A−D変換において用いられる基準電圧を生成するリファレンス電圧生成部123、LED21へ定電流を供給するLED駆動部125、PD23によって出力される電流値を電圧値へ変換して増幅するPDアンプ部127、及び温度検出部129から構成されている。
また、センサー基板121には、カバースイッチ(突起3Dによって作動するリミットスイッチ)、及び転写開始スイッチ(突起33Cによって作動するリミットスイッチ)の作動を検出するスイッチ作動検出部131が設けられている。
次に、酵素活性測定装置1を用いて、アミラーゼの活性値を測定する動作について説明する。
上述したように、酵素活性測定装置1は、試薬含有部材13と、唾液が含まれている唾液採取シート15とを離隔させて配置する。次いで、酵素活性測定装置1は、配置されている試薬含有部材13と唾液採取シート15とを接触させ、試薬含有部材13に所定量の唾液を転写させる。
さらに、酵素活性測定装置1は、唾液の転写が開始されたときから所定の時間が経過したときに、試薬含有部材13における試薬の濃度(色の濃度)を測定し、当該測定した濃度に基づいて、唾液に含まれているアミラーゼの活性値を演算する。
図11〜13は、酵素活性測定装置1を用いて、アミラーゼの活性値を測定する動作を示している。
まず、ステップS1において、使用者は、酵素活性測定装置1の電源スイッチを投入する。
電源スイッチが投入されると、ステップS3において、基板47に設けられているLED21が点灯する。さらに、ステップS5において、CPU101が初期化され、ステップS7において、バックアップされたデータのエラーチェックが行われる。
ステップS9において、LCDパネル117Aにタイトルが表示され、ステップS11において、操作メニューが表示される。
次いで、ステップS13において、カバースイッチの作動状態が検出され、ステップS15において、カバー3が開いているか否かが判定される。カバー3が閉じられていることが検出された場合(ステップS15のYes)、ステップS17において、LCDパネル117Aに「OPEN COVER」の文字が表示され、ステップS13の処理に戻る。
一方、カバー3が開いていることが検出された場合(ステップS15のNo)、ステップS19において、LCDパネル117Aに「SET UNIT COVER CLOSE」の文字が表示され、ステップS21において、カバー3が閉じられたか否かが検出される。
なお、「SET UNIT COVER CLOSE」の表示に応じて、使用者は、唾液採取シート15が設けられた基材27をホルダー17に挿入し、基材27が挿入されたホルダー17を、台座29の所定の位置にセットする。次いで、使用者は、カバー3を閉じ、フック45に用いて、カバー3を固定する。
カバー3が閉じられた場合(ステップS21のYes)、ステップS23及びS25において、LCDパネル117Aに「CALIBRATING」の文字が表示され、酵素活性測定装置1は、出力が安定(例えば、3秒)するまで待機する。
ステップS27において、酵素活性測定装置1は、基材27の白色の部分(唾液採取シート15が設けられている部分の裏側)に、LED21から光を照射し、PD23の出力電流値を測定し、当該電流値を電圧値に変換する。
電圧値が4Vよりも高い場合(ステップS29のNo)、ステップS31において、LCDパネル117Aにエラーの文字が表示されるともに、ビープ音が鳴動する。
一方、出力電圧が4V以下の場合(ステップS29のYes)、ステップS33において、酵素活性測定装置1は、測定した電圧値を基準電圧として記憶部109に格納する。さらに、ステップS35において、LCDパネル117Aに「PULL UP THE LEVER」の、文字が表示される。
ステップS35における表示に基づいて、使用者は、転写レバー41Aを回動させること(図2において二点鎖線で示す位置まで回動させる)によって、唾液の転写が開始される。
ステップS37及びS39において、酵素活性測定装置1は、唾液の転写が開始されたか否か(及び唾液の転写が途中であるか否か)を、突起33Cによって作動したリミットスイッチによって検出する。
転写レバー41Aが回動されていない場合、つまり、唾液の転写開始が検出できない場合(ステップS39のNo)、酵素活性測定装置1は、ステップS35からの処理を繰り返す。
一方、唾液の転写開始が検出された場合(ステップS39のYes)、ステップS41において、酵素活性測定装置1は、転写時間の測定を開始(T0をセット)する。また、ステップS43において、LCDパネル117Aに「TRANSCRIPTING」の文字が表示される。
ステップS45において、酵素活性測定装置1は、転写の開始から10秒(T1)が経過したか否かを検出する。
転写の開始から10秒が経過していない場合(ステップS45のNo)、酵素活性測定装置1は、ステップS43からの処理を繰り返す。
一方、転写の開始から10秒が経過した場合(ステップS45のYes)、ステップS47においてビープ音が鳴動する。さらに、ステップS49において、LCDパネル117Aに「PUSH RELEASE BUTTON SLIDE THE SHEET」の文字が表示される。
ステップS47におけるビープ音や、ステップS49における表示に応じて、使用者は、転写レバー41Aを回動させるとともに、基材27をホルダー17(酵素活性測定装置1)から抜き取り、唾液の転写を終了させる。
ステップS51及びS53において、酵素活性測定装置1は、測定を開始する。すなわち、酵素活性測定装置1は、LED21を発光させて、試薬含有部材13を照射するとともに、PD23によって反射光を測定する。
ステップS55において、酵素活性測定装置1は、測定した反射光に関するデータを記憶部109に格納する。
ステップS57において、酵素活性測定装置1は、図2において実線で示す位置に転写レバー41Aが戻っているか否かを検出する。転写レバー41Aが戻っていない場合(ステップS57のNo)、ステップS61において、LCDパネル117Aに「PUSH RELEASE BUTTON SLIDE THE SHEET」の文字が表示される。
一方、転写レバー41Aが図2において実線で示す位置に戻っていることを検出した場合(ステップS57のYes)、ステップS59において、LCDパネル117Aに、PD23による測定に基づく測定値(アミラーゼの活性値)と電圧値とが表示される。
ステップS63において、酵素活性測定装置1は、唾液の転写が開始された時刻(時刻T0)から、所定の時間(T2)が経過したか否かを判定する。
所定の時間が経過していない場合(ステップS63のNo)、酵素活性測定装置1は、ステップS53からの処理を繰り返す。
一方、所定の時間が経過した場合(ステップS63のYes)、ステップS65において、ビープ音が鳴動し、ステップS67において、LCDパネル117Aに「MEASURE COMPLETE」の文字が表示される。
さらに、ステップS69において、LCDパネル117Aに測定データの一覧が表示される。なお、測定データとは、アミラーゼの活性値に関するデータであり、ステップS27において測定された電圧値と、ステップS53において測定された電圧値とに基づいて演算される試薬の濃度(色の濃度もしくは発色の程度)に関するデータである。
ステップS71において、酵素活性測定装置1は、MODEボタン(不図示)が押下されたか否かを検出する。MODEボタンが押下された場合、ステップS73において、LCDパネル117Aに再び操作メニューが表示される。
(作用・効果)
以上説明した本発明の第1実施形態に係る酵素活性測定装置1によれば、試薬含有部材13に唾液を所定量正確に転写することができるとともに、唾液が転写されたときから所定の時間が経過したときに、試薬含有部材13における試薬の濃度(試薬の発色の程度)が測定されるため、唾液に含まれるアミラーゼの活性値を正確に検出することができる。
また、酵素活性測定装置1によれば、試薬含有部材13の平面状部13Aと、唾液採取シート15の平面状部15Aとが略平行になるように対向させて配置され、平面状部13Aと平面状部15Aとが、所定の圧力で所定の時間だけ接触させられるため、試薬含有部材13への唾液の転写量を略一定にすることができる。
また、酵素活性測定装置1によれば、ホルダー17を用いることによって、試薬含有部材13と唾液採取シート15とが離隔して配置される。さらに、ホルダー17を所定量変形させることによって唾液の転写が行われるため、唾液を転写する操作、すなわち、アミラーゼの活性値を測定する操作が簡素化される。
さらに、酵素活性測定装置1によれば、試薬の色の濃度を測定することにより、試薬含有部材13に含まれる試薬の濃度を検出することができるので、試薬の濃度を容易に測定することができる。
また、酵素活性測定装置1によれば、濃度測定部9へ外乱光が侵入することを抑制する開閉可能なカバー3が設けられているため、カバー3が開いているときには、酵素活性測定装置1への試薬含有部材13やホルダー17などのセットが容易である。
さらに、カバー3が閉じられたときには、外乱光を遮断して試薬含有部材13の色を正確に検出することができる。また、カバー3がホルダー17を固定する形態であるため、酵素活性測定装置1の構成が簡素である。
また、酵素活性測定装置1の濃度測定部9によれば、LED21が試薬含有部材13に光を均一に照射し、PD23が試薬含有部材13に対して斜め方向から反射光を受光する。このため、PD23は、平均化された安定した反射光を受光することができ、試薬含有部材13の色を正確に測定することができる。
また、酵素活性測定装置1の濃度測定部9によれば、PD23が、光ファイバ25を介して反射光を受光して測定するため、PD23の設置位置を柔軟に設定できる。さらに、PD23の先端に設けられているフィルター(不図示)を、試薬含有部材13から離隔して設けることができるため、水分に弱いフィルターが損傷することが回避される。
また、酵素活性測定装置1によれば、検体として唾液が用いられるため、検体として血液や尿を用いる場合と比較して、容易に(例えば、被検者に苦痛を与えることなく)検体を採取することができる。
さらに、ヒトの唾液に含まれるアミラーゼの活性値を簡便に測定することを可能とする酵素活性測定装置1によれば、被験者のストレスレベルを検出する簡便かつ効果的な手段を提供することができる。
具体的には、被験者(使用者)は、安静時に採取した唾液に含まれるアミラーゼの活性値を測定し、測定した活性値を酵素活性測定装置1に基準値として記憶する。
その後、被験者は、所定の状態(例えば、ストレスを受けている状態)におけるアミラーゼの活性値を測定し、測定した活性値と基準値と比較する。基準値より測定した活性値が大きければ、不快なストレス(distress)を受けていると判定でき、小さければ、快適なストレス(eustress)を受けていると判定できる。
また、基準値と測定した活性値との差が大きいほど、受けているストレスも大きいと判断でき、身体的または精神的に受けているストレスの程度も判定できる。
さらに、アミラーゼの活性値を継続して測定することによって、経時的なストレスの変化を捉えることができる。不快なストレス(distress)を受けた場合、唾液に含まれるアミラーゼの活性値が上昇する。この場合、正の時間勾配の大きさによって、distressの大きさの程度を判定することができる。
一方、快適なストレス(eustress)を受けた場合、アミラーゼの活性値が低下するため、負の時間勾配の大きさによって、eustressの大きさの程度も判定できる。
さらに、アミラーゼの活性値を継続して測定することによって、被験者に特定のストレスを加える前後におけるアミラーゼの活性値の変化を捉え、当該ストレスを加える前の活性値(基準値)に戻るまでの時間・変化の大きさからストレスの大きさの程度を判定することもできる。
[第2実施形態]
(酵素活性測定装置の概略構成)
次に、本発明に係る酵素活性測定装置の第2実施形態について説明する。図14は、本発明の第2実施形態に係る酵素活性測定装置200の斜視図である。酵素活性測定装置200は、上述した本発明の第1実施形態に係る酵素活性測定装置1を改良したものである。
そこで、以下、酵素活性測定装置1と異なる部分について主に説明し、酵素活性測定装置1と同様の構成や機能については、その説明を適宜省略する。
図14に示すように、酵素活性測定装置200の筐体220の表面には、カバー開放ボタン250、LCDパネル270及びスイッチ部280が設けられている。酵素活性測定装置200は、内部に装填される単4型乾電池4本、またはAC電源を接続することに作動する。
なお、LCDパネル270は、上述した酵素活性測定装置1のLCDパネル117A(図2参照)と同様の機能を有している。また、スイッチ部280は、酵素活性測定装置1のスイッチ部119(図9参照)と同様に、CPU101に接続されている。
また、酵素活性測定装置200のカバー210には、筐体220内に設けられている台座229(図14において不図示、図16参照)にセット可能なホルダー17(図1参照)を押圧する検体転写部230が設けられている。
図15は、酵素活性測定装置200の平面図である。図15に示すように、カバー210は、ヒンジ215(回動軸)を中心として開閉するように構成されている。図16は、ヒンジ215を中心としてカバー210を開放した状態を示している。
図16に示すように、本実施形態に係る検体転写部230は、カバー210に設けられている。また、検体転写部230には、本実施形態に係る試薬・検体配置部を構成する台座229にセットされるホルダー17を押圧する金属製の転写パッド240(押圧部材)が設けられている。なお、台座229は、上述した酵素活性測定装置1の台座29と同様の形状を有している。さらに、本実施形態では、台座229の下方に、台座229にセットされるホルダー17が保持する検体を所定温度(例えば、摂氏20度)に温めるヒータ260が設けられている。
また、酵素活性測定装置200(筐体220)には、一対のフック257(端部257e)が設けられている。さらに、カバー210には、カバー210が閉じられた状態でフック257が挿入される一対の挿入孔210aが設けられている。
フック257は、挿入孔210aへの挿入方向に付勢されており、カバー開放ボタン250が押下されると、筐体220内部の方向に引き込まれるように構成されている。すなわち、フック257によって、カバー210が閉じられた状態で固定される。
また、カバー210を閉じると、カバー210の上端部210teは、インナーカバー225の上端部225teに当接するように構成されている。同様に、カバー210の下端部210beは、インナーカバー225の下端部225beと当接するように構成されている。
(カバー開閉機構)
次に、図17及び図18を参照して、酵素活性測定装置200が具備するカバー開閉機構について説明する。図17は、図15に示したF17−F17方向の断面図である。また、図18は、当該カバー開閉機構の動作を説明するための説明図である。
同図に示すように、筐体220には、カバー開放ボタン250、コイルバネ251、プッシュロッド252、レバー253、回動軸254、連結ピン255、支持軸256及びフック257が設けられている。
カバー開放ボタン250は、カバー210を開放する場合に押下されるボタンである。すなわち、唾液採取シート15が挿入されたホルダー17を台座229にセットする場合や、測定が完了したホルダー17を台座229から取り外す場合、カバー開放ボタン250が押下される。
また、カバー開放ボタン250は、コイルバネ251に挿通されたプッシュロッド252に連結されており、押下されることによって、レバー253を押圧し、レバー253を回動させる。本実施形態では、カバー開放ボタン250とプッシュロッド252とによって、カバー開放ボタン部を構成する。
また、同図に示すように、カバー210の上端部210teは凸状であり、インナーカバー225の上端部225teは凹状である。すなわち、凸状の上端部210teは、凹状の上端部225teに嵌まるように構成されている。
さらに、インナーカバー225の下端部225beは、筐体220よりも少し隆起しており、
カバー210の下端部210beと当接するように構成されている。
レバー253は、フック257と係合され、回動軸254を中心として回動する。レバー253は、フック257を挿入孔210aの挿入方向、及び挿入方向と反対方向に移動させるものであり、本実施形態では、突起部材移動レバーを構成する。
また、レバー253の上縁には、レバー253とフック257とを連結する連結ピン255が挿通されている。なお、レバー253は、内部に設けられたバネによって、フック257を挿入孔210aの挿入方向に付勢している。なお、本実施形態では、強度を確保するため、回動軸254、支持軸256及びフック257は、金属を用いて構成されている。
フック257は、支持軸256によって支持されており、カバー210が閉じられた状態において、検体転写部230がホルダー17を押圧するAR10の方向(押圧方向)と略直交する直交方向に移動できるように構成されている。
具体的には、図18に示すように、カバー開放ボタン250が、AR11の方向に押下されると、レバー253が回動軸254を中心として、AR12の方向に回動する。さらに、連結ピン255によってレバー253に連結されているフック257は、AR13の方向(挿入孔210aの挿入方向と反対方向)に移動させられる。
フック257がAR13の方向に移動させられると、フック257の端部257eは、挿入孔210aから引き出される。挿入孔210aからフック257が引き出されると、ヒンジ215の内部に設けられているバネによって、カバー210は、AR14の方向に回動する。
(検体転写部)
次に、図19及び図20を参照して、酵素活性測定装置200が具備する検体転写部230について説明する。図19は、図15に示したF19方向から捉えた検体転写部230の側面図である。また、図20は、検体転写部230の動作を説明するための説明図である。
同図に示すように、検体転写部230は、カム231、転写レバー232、可動部材237、転写パッド240、及びベース板241を有している。検体転写部230は、ユニットとして組み立てられ、組み立てられた検体転写部230が、ビスを用いてカバー210に取り付けられる。
可動部材237は、試薬含有部材13及び唾液採取シート15を保持するホルダー17を押圧する転写パッド240と接合される押圧面237ppと、押圧面237ppと対向するカム当接面237cpとを有し、ホルダー17を押圧する押圧方向に沿って移動可能に構成されている。
カム231は、回動軸234を中心として回動するカムであり、回動軸234からの距離が他の部分よりも長い外周面の一部に平面部分231pを有している。
転写レバー232は、図20に示すように、AR15の方向(第1の方向)に回動することによって、カム231の平面部分231pを可動部材237のカム当接面237cpと当接させるものである。
具体的には、転写レバー232は、カム231と同様に、回動軸234を中心として回動できるように構成されている。転写レバー232がAR15の方向に回動すると、転写レバー232に隣接するカム231は、回動軸234を中心として回動させられ、平面部分231pが可動部材237のカム当接面237cpに当接する。
ガイド棒238は、可動部材237が可動できるように、ベース板241に取り付けられている。また、ガイド棒238は、可動部材237をカム231の方向に付勢するコイルバネ239(第2の付勢部材)に挿通されている。
ベース板241は、係止突起241a、係止突起241c及び回動軸支持部分241eを有している。
係止突起241aには、係止孔241bが設けられており、係止孔241bと、カム231に設けられている係止孔231aとには、カム231をAR15の方向(第1の方向)と反対方向であるAR17の方向(第2の方向)に回動するように付勢するコイルバネ233(第1の付勢部材)が取り付けられている。
また、係止突起241cには、係止孔241dが設けられており、係止孔241dと、転写レバー232に設けられている係止孔232aとには、転写レバー232をAR17の方向(第2の方向)に回動するように付勢するコイルバネ235(第3の付勢部材)が取り付けられている。
回動軸支持部分241eは、回動軸234の両端を回動可能に支持するものである。
次に、図20を参照して、検体転写部230の動作について説明する。使用者によって転写レバー232がAR15の方向に回動させられると、カム231は、回動軸234を中心として回動させられ、平面部分231pがカム当接面237cpに当接する。
平面部分231pは、回動軸234からの距離が他の部分よりも長い外周面に設けられているため、可動部材237は下方に移動させられる。
可動部材237が下方に移動させられると、可動部材237の押圧面237ppに接合されている転写パッド240が、ホルダー17を押圧して変形させる。ホルダー17が変形すると、ホルダー17によって保持されている試薬含有部材13(平面状部13A)と、唾液採取シート15(平面状部15A)とが接触し、唾液採取シート15に含まれている唾液の転写が開始される。
ここで、可動部材237(及び転写パッド240)は、押圧して変形させられているホルダー17及びコイルバネ239の反力によって、カム231の方向に荷重が掛かる。このため、平面部分231pと押圧面237ppとが当接した状態で保持され、試薬含有部材13と唾液採取シート15とが接触した状態、すなわち、“唾液の転写状態”が保持される。
つまり、転写レバー232は、Pの位置で保持される。なお、転写レバー232は、Pの位置から、転写レバー232の端部232eが可動部材237と接触するPの位置の間において、自由に回動することができる。
“唾液の転写状態”は、使用者が、Pに位置する転写レバー232を下方(P方向)に軽く押すことによって解除される。具体的には、転写レバー232は、コイルバネ235によって、AR17の方向に回動するように付勢されている。また、カム231は、コイルバネ233によって、AR17の方向に回動するように付勢されている。
したがって、転写レバー232を軽く押すことによって、転写レバー232及びカム231がAR17の方向に回動させられ、“唾液の転写状態”が解除される。
なお、カバー210(図16参照)が閉じられていない場合、可動部材237(及び転写パッド240)は、ホルダー17からの反力を得ることができない。また、カム231は、コイルバネ233によって、AR17の方向に回動するように付勢されている。すなわち、検体転写部230は、カバー210が閉じられていない場合、平面部分231pと押圧面237ppとが当接した状態で保持されることが回避できるように構成されている。
(検体温度補償機構)
次に、酵素活性測定装置200が具備する検体温度補償機構について説明する。酵素活性測定装置200は、上述した本発明の第1実施形態に係る酵素活性測定装置1と概ね同様のCPU基板100及びセンサー基板121(図9及び図10参照)を有している。
酵素活性測定装置200が具備する検体温度補償機構とは、(1)検出したアミラーゼの活性値を補正する機能、及び(2)検体を保温する機能を有している。
(1)アミラーゼの活性値の補正
酵素活性測定装置200の温度検出部129(図10参照)は、検体、すなわち、唾液が転写された試薬含有部材13の温度である検体温度を検出するものである。
具体的には、温度検出部129には、赤外線を検出するフォトダイオード26(以下、PD26)が接続されている。
図21は、酵素活性測定装置200に設けられる濃度測定部9’の概略構成図である。濃度測定部9’は、上述した酵素活性測定装置1の濃度測定部9(図5参照)に、PD26が追加されている。
PD26は、唾液が転写された試薬含有部材13から放射される赤外線の強度を検出する。PD26に接続されている温度検出部129は、検出された赤外線の強度に基づいて、試薬含有部材13の放射温度を演算することによって、検体温度を検出する。
また、酵素活性測定装置200の記憶部109(図9参照)は、温度検出部129によって検出された検体温度と、CPU基板100によって検出されたアミラーゼの活性値を補正する補正割合とが対応付けられた検体温度補正データも記憶することができ、本実施形態では、検体温度補正データ記憶部を構成する。
図22(a)は、検体温度と、当該検体に含まれているアミラーゼの活性割合との関係(温度特性)を示すグラフである。同図(a)では、摂氏37度(ヒトの体温)におけるアミラーゼの活性値が100%で示されている。
同図(a)に示すように、例えば、検体温度が摂氏10度まで低下すると、アミラーゼの活性値は、摂氏37度における活性値の約20%程度まで低下(実測値)する。つまり、検体(唾液)に含まれるアミラーゼの活性は、温度に大きく依存するのである。
すなわち、測定時の温度によって測定の誤差が大きくなる。そこで、本実施形態では、図22(b)に示す検体温度補正データが用いられる。
図22(b)は、図22(a)に示した温度特性に基づいて決定された検体温度の補正曲線を示している。当該補正曲線は、一般的な室内の温度、及び検量線が摂氏25度を基準として設定されていることを考慮して、摂氏25度を基準として決定されている。なお、基準とする温度は、25度以外であってもよい。
また、酵素活性測定装置200のCPU101(図9参照)は、温度検出部129によって検出された検体温度と、記憶部109に記憶されている検体温度補正データとに基づいて、検出したアミラーゼの活性値を補正することができ、本実施形態では、活性値補正部を構成する。
具体的には、図23に示す処理フローによって、検出したアミラーゼの活性値が補正される。図23は、酵素活性測定装置1の動作フローにおけるステップS53と、ステップS55との間(図13参照)において実行される動作フローを示している。
図23に示すように、ステップS54aにおいて、酵素活性測定装置200は、試薬含有部材13からの反射光を測定するPD23が出力する電流値が変換された電圧値である出力電圧の値を、アミラーゼの活性値に換算する。
また、ステップS54bにおいて、酵素活性測定装置200は、唾液が転写された試薬含有部材13の温度(検体温度)を検出する。具体的には、酵素活性測定装置200は、上述したように、PD26によって、試薬含有部材13(試験紙)から放射される赤外線の強度を検出する。
ステップS54cにおいて、酵素活性測定装置200は、ステップS54bにおいて検出した検体温度と、記憶されている検体温度補正データ(図22(b)参照)に基づいて、アミラーゼの活性値の補正割合を演算する。
なお、ステップS54b及びS54cの処理は、ステップS54aの処理と並行して、またはステップS54aの処理に先立って実行することができる。
ステップS54dにおいて、酵素活性測定装置200は、ステップS54cにおいて演算した補正割合を用いて、ステップS54aにおいて換算したアミラーゼの活性値を補正する。
ステップS54eにおいて、酵素活性測定装置200は、補正したアミラーゼの活性値をLCDパネル270に表示する。
(2)検体の保温
上述したアミラーゼの活性値の補正によって、測定時の温度による測定の誤差を抑制することができる。しかしながら、測定時の温度が低温(摂氏10度以下)の場合、図22(a)に示したように、アミラーゼの活性は大きく低下する。
アミラーゼの活性が大きく低下すると、アミラーゼが含まれているにもかかわらず、試薬含有部材13に含まれている試薬が反応しない場合がある。この場合、上述した補正を適用することもできない。
そこで、酵素活性測定装置200は、上述したように、台座229にセットされる検体(唾液)を所定温度(例えば、摂氏20度)に温めるヒータ260が設けられている。
具体的には、図24に示すように、台座229の下方に、電熱線を用いて構成されるヒータ260が設けられている。また、ヒータ260が発した熱を効率的に試薬含有部材13に伝導させるため、台座229は、熱伝導率が良好なアルミニウム合金によって構成されている。
また、酵素活性測定装置200のCPU101(図9及び図10参照)は、検体温度が、所定温度に到達したことを検出した場合、ヒータ260の作動を停止することができ、本実施形態では、ヒータ制御部を構成する。
さらに、ヒータ260を具備したことによって、酵素活性測定装置200の消費電力が増大するため、酵素活性測定装置200には、別体式のバッテリパックを接続できるようになっている。
(作用・効果)
以上説明した酵素活性測定装置200に設けられるカバー開閉機構によれば、検体転写部230がホルダー17を押圧するAR10の方向(押圧方向)と略直交する直交方向に移動できるようにフック257が構成されている。
このため、ホルダー17の押圧に伴う荷重がフック257に掛かった場合でも、カバー210(挿入孔210a)がフック257から外れ、カバー210が開いてしまうことを防止することができる。
すなわち、酵素活性測定装置1では、ホルダー17を押圧する押圧方向と、フック45に荷重が掛かる方向とが同様であったため、転写レバー41Aを回動させてホルダー17を押圧すると、フック45が外れて、カバー3が開いてしまう場合があった。酵素活性測定装置200では、ホルダー17の押圧に伴ってカバー210が開いてしまうことが確実に防止できる。
さらに、当該カバー開閉機構によれば、カバー開放ボタン250が設けられているため、使用者は、カバー開放ボタン250を押すだけで、容易にカバー210を開放することができる。
また、当該カバー開閉機構によれば、カバー210(上端部210te,下端部210be)及びインナーカバー225(上端部225te,下端部225be)の形状によって、外乱光が侵入することが抑制されるため、試薬含有部材13の色の変化を精度よく測定することができる。
酵素活性測定装置200に設けられる検体転写部230によれば、ホルダー17が台座229にセットされ、カバー210が閉じられた状態以外では、転写レバー232を回動させても、カム231及び転写パッド240(及び可動部材237)が回動前の位置に引き戻される。
このため、ホルダー17が台座229にセットされ、カバー210が閉じられた状態以外の状態(例えば、カバー210が開放されている状態)において、ホルダー17が押圧され、唾液の転写が開始されることを防止することができる。
すなわち、酵素活性測定装置1では、カバー3が閉じられていない状態においても転写レバー41Aを回動させてホルダー17を押圧することができるため、予期しないタイミングで唾液の転写が開始される場合があった。酵素活性測定装置200では、予期しないタイミングで唾液の転写が開始されることが確実に防止できる。
また、検体転写部230は、ユニットとして組み立てられ、組み立てられた検体転写部230が、ビスを用いてカバー210に取り付けられるため、各部品を個別にカバー3に取り付ける酵素活性測定装置1と比較して、検体転写部230の組立て及びカバー210の取付を効率的に行うことができる。
さらに、検体転写部230によれば、使用者が転写レバー232を軽く押すことによって、転写レバー232及びカム231がAR17の方向に回動させられ、“唾液の転写状態”が解除されるため、転写レバー232を戻す動作がとても簡便となる。
酵素活性測定装置200に設けられる検体温度補償機構によれば、検出したアミラーゼの活性値が、検体温度補正データによって補正されるため、測定時の温度にかかわらず、測定誤差の少ない活性値を求めることができる。
また、当該検体温度補償機構によれば、ヒータ260が設けられているため、測定環境(例えば、屋外)によらず、様々な温度環境において酵素活性測定装置200を利用することができる。
上述したように、本発明の第1及び第2実施形態を通じて本発明の内容を開示したが、この開示の一部をなす論述及び図面は、本発明を限定するものであると理解すべきではない。この開示から当業者には様々な代替実施の形態が明らかとなろう。
例えば、上述した検体転写部7,検体転写部230は、単体の検体転写装置として、濃度測定部9,濃度測定部9’は、単体の色測定装置として提供することができる。
このように、本発明は、ここでは記載していない様々な実施の形態などを含むことは勿論である。したがって、本発明の技術的範囲は、上述の説明から妥当な特許請求の範囲に係る発明特定事項によってのみ定められるものである。
本発明の第1実施形態に係る酵素活性測定装置の概略構成を示す斜視図である。 図1に示したF2方向からの酵素活性測定装置の斜視図である。 図2に示したF3−F3方向における断面図である。 図3示したF4方向における断面図である。 本発明の第1実施形態に係る酵素活性測定装置の濃度測定部の概略断面図である。 基質とアミラーゼとが接触した場合における酵素反応の程度と経過時間の関係を示すグラフである。 反射光に基づいて変換された出力電圧と、経過時間との関係を示すグラフである。 基質とアミラーゼとが接触した場合における基質の濃度と、経過時間との関係を示すグラフである。 本発明の実施形態に係る酵素活性測定装置に設けられるCPU基板のブロック構成図である。 本発明の実施形態に係る酵素活性測定装置に設けられるセンサー基板のブロック構成を示す図である。 酵素活性測定装置を用いて、アミラーゼの活性値を測定する動作を示すフローチャートである。 酵素活性測定装置を用いて、アミラーゼの活性値を測定する動作を示すフローチャートである。 酵素活性測定装置を用いて、アミラーゼの活性値を測定する動作を示すフローチャートである。 本発明の第2実施形態に係る酵素活性測定装置の斜視図である。 本発明の第2実施形態に係る酵素活性測定装置の平面図である。 本発明の第2実施形態に係る酵素活性測定装置の平面図(カバー開放状態)である。 図15に示したF17−F17方向の断面図である。 本発明の第2実施形態に係る酵素活性測定装置に設けられるカバー開閉機構の動作を説明するための説明図である。 図15に示したF19方向から捉えた検体転写部の側面図である。 本発明の第2実施形態に係る酵素活性測定装置に設けられる検体転写部の動作を説明するための説明図である。 本発明の第2実施形態に係る酵素活性測定装置に設けられる濃度測定部の概略構成図である。 検体温度と当該検体に含まれているアミラーゼの活性割合との関係(温度特性)を示すグラフ、及び当該温度特性に基づいて決定された検体温度の補正曲線を示す図である。 本発明の第2実施形態に係る酵素活性測定装置において実行される動作の一部を示すフローチャートである。 本発明の第2実施形態に係る台座とヒータとの概略構成図である。
符号の説明
1…酵素活性測定装置、3…カバー、5…試薬・検体配置部、7…検体転写部、9,9’…濃度測定部、13…試薬含有部材、13A…平面状部、15…唾液採取シート、15A…平面状部、17…ホルダー、21…LED、23…PD、25…光ファイバ、26…PD、27…基材、29…台座、29A…底面、31…ガイド部、33…可動部、35…ガイド部、37…バネ保持部、39…コイルバネ、41…カム、41A…転写レバー、41r…回動軸、43…転写パッド、45…フック、47…基板、100…CPU基板、101…CPU、103…発振部、105…通信部、107…クロック部、109…記憶部、111…ブザー出力部、113…電源部、115…バックアップ電源部、117…液晶表示部、117A…LCDパネル、119…スイッチ部、121…センサー基板、123…リファレンス電圧生成部、125…LED駆動部、127…PDアンプ部、129…温度検出部、131…スイッチ作動検出部、200…酵素活性測定装置、210…カバー、210a…挿入孔、215…ヒンジ、220…筐体、225…インナーカバー、229…台座、230…検体転写部、231…カム、231p…平面部分、232…転写レバー、233…コイルバネ、234…回動軸、235…コイルバネ、237…可動部材、237cp…カム当接面、237pp…押圧面、238…ガイド棒、239…コイルバネ、240…転写パッド、241…ベース板、250…カバー開放ボタン、251…コイルバネ、252…プッシュロッド、253…レバー、254…回動軸、255…連結ピン、256…支持軸、257…フック、257e…端部、260…ヒータ、270…LCDパネル、280…スイッチ部

Claims (1)

  1. 酵素の活性を測定する酵素活性測定試薬を含んだ試薬含有部材と、検体含有部材に含まれた検体とを離隔して配置する試薬・検体配置ステップと、
    前記試薬・検体配置ステップにおいて配置された前記試薬含有部材と前記検体とを接触させ、前記試薬含有部材に所定量の前記検体を転写する検体転写ステップと、
    前記検体が転写されたときから所定の時間が経過したときに、前記試薬含有部材に含まれる試薬の色の濃度を測定する濃度測定ステップと、
    前記濃度測定ステップにおいて測定された前記濃度に基づいて、前記検体に含まれる酵素の活性値を検出する酵素活性検出ステップと
    を備え、
    前記試薬・検体配置ステップでは、
    前記試薬含有部材の平面部分である試薬含有部材平面と、前記検体含有部材の平面部分である検体含有部材平面とが略平行になるように対向させて弾性を有するホルダーに配置され、
    前記検体転写ステップでは、
    前記ホルダーを押圧する押圧面及び前記押圧面に対向するカム当接面を有し、前記ホルダーを押圧する押圧方向に沿って移動可能な可動部材と、
    回動軸からの距離が他の部分よりも長い外周面の一部に平面部分を有するカムと、
    第1の方向に回動することによって、前記平面部分を前記カム当接面と当接させる転写レバーと、
    前記カムを前記第1の方向と反対方向である第2の方向に回動するように付勢する第1の付勢部材と、
    前記可動部材を前記カムの方向に付勢する第2の付勢部材と
    を具備する検体転写部により、
    前記平面部分が前記カム当接面に押し当てられ、前記押圧方向に沿って前記可動部材が移動し、前記押圧面によって前記ホルダーが押圧させられることによって前記ホルダーが撓ませられた状態で、前記試薬含有部材平面と前記検体含有部材平面とが所定の圧力で所定の時間に渡って接触させられる
    ことを特徴とする酵素活性測定方法。
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