JP3356213B2 - Spr測定用試料セルおよびセルホルダ - Google Patents

Spr測定用試料セルおよびセルホルダ

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    • G01N21/17Systems in which incident light is modified in accordance with the properties of the material investigated
    • G01N21/55Specular reflectivity
    • G01N21/552Attenuated total reflection
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光学系を用いて非
測定溶液中の特定物質を定量あるいは定性的に測定する
表面プラズモン共鳴現象測定装置に関し、特に、被測定
物に接した金属薄膜での表面プラズモン共鳴現象を利用
し、液体やガスなどの被測定物の屈折率の変化を検知し
定性・定量測定を行うための被測定物を収容するSPR
測定用試料セルおよびセルホルダに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、化学プロセス計測や環境計測ある
いは臨床検査等において、呈色反応や免疫反応を利用し
た測定が行われているが、この測定方法では被測定物を
サンプル抽出する必要があるばかりか、煩雑な操作や標
識物質を必要とする等の問題あった。このため、標識物
質を必要とすることなく、高感度で被測定物中の化学物
質の定性・定量測定の可能なセンサとして、光励起表面
プラズモン共鳴現象を利用したセンサが提案され実用化
されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】近年、SPR現象測定
装置はその応用範囲が広まり、屋外での携帯センサとし
ての使用が考えられている。しかしながら、従来のSP
R現象測定装置においては、プリズム上に屈折率整合用
マッチングオイルを滴下し、その上に金属薄膜を有する
ガラス板を張り付けて測定する方法であるため、セルを
その上に張り付ける作業が煩雑であり、屋外使用には不
向きであるという問題があった。
【0004】本発明は上記した従来の問題に鑑みなされ
たものであり、その目的とするところは、検査の作業を
容易にし、屋外での使用に適したSPR測定用試料セル
およびセルホルダを提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するため
に、請求項1に係る発明は、上方が開口し底部に透明な
窓を設けた有底筒状の容器と、この容器の開口を開閉し
閉じることにより容器を密閉状態とする蓋と、前記容器
の窓の内側に金属薄膜を設けるとともに、窓の外側に窓
とほぼ同じ屈折率を有する屈折率整合用透明フィルムを
設けたものである。したがって、屈折率整合用透明フィ
ルムを設けたことにより、屈折率整合用マッチングオイ
ルを滴下する必要がない。
【0006】また、請求項2に係る発明は、請求項1に
係る発明において、前記金属薄膜の表面にセンサ膜を設
けたものである。したがって、センサ膜によって特定物
質の定量を行うことができる。
【0007】また、請求項3に係る発明は、請求項1ま
たは2記載のSPR測定用試料セルをプリズム上に案内
する筒状の案内部を設けた案内部材と、前記SPR測定
用試料セルを前記プリズムに圧接する付勢部材を有しガ
イドピンを設けた保持部材とからなり、前記案内部材に
前記ガイドピンを前記付勢部材の付勢方向に摺動自在に
支持するガイド穴を設け、このガイド穴内に前記ガイド
ピンを摺動方向に対して節度的に係止する係脱自在な係
止手段を設けたものである。したがって、SPR測定用
試料セルの屈折率整合用透明フィルムが常に一定の圧接
力によってプリズムに圧接される。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図を
用いて説明する。図1(a)は本発明に係るSPR測定
用試料セルの断面図、同図(b)は同図(a)における
I(b)部の拡大図である。図2(a)は本発明に係る
セルホルダの断面図、同図(b)は同図(a)における
II部の拡大図である。図3は本発明に係るセルホルダの
断面図である。図4は同じくセルホルダからSPR測定
用試料セルを着脱する状態を説明するための側面図であ
る。図5は同じくセルホルダを介してSPR測定用試料
セルをSPR現象測定装置に装着した状態を示す断面図
である。
【0009】先ず、図1を用いて本発明に係るSPR測
定用試料セルについて説明する。同図(a)において、
全体を符号1で示すSPR測定用試料セルは、試料を収
容するプラスチック製の容器2と、この容器2の開口を
閉塞する蓋12と、この蓋12と容器2の開口端との間
に介挿されるOリング15とによって概略構成されてい
る。容器2は上方が開口し中空部3を有する有底円筒状
に形成され、開口側の内周面にはねじ部4が螺設され、
底部の中央には、同図(b)に示すように、孔6が穿孔
され、この孔6の外側には大径部7が形成されている。
【0010】この大径部7には、後述するプリズム43
と同じ材質のガラス等からなる透明体9が張り付けられ
ている。この透明体9の図中上部、すなわち容器2の内
側には、SPR測定用の金属薄膜8が形成され、透明体
9の外側には透明体9と同じ屈折率を有する透明な屈折
率整合用フィルム10が形成されている。蓋12の下部
には、ねじ部4に螺合するねじ部13が設けられ、これ
らねじ部4,13を螺合することにより、蓋12が容器
2の開口を閉塞する。蓋12と容器2の開口端との間に
はOリング15が介装されていることによって、容器2
の中空部3が密閉状態になるので、中空部3に収容した
試料が漏れ出すことが規制される。
【0011】次に、図2および図3を用いて本発明に係
るセルホルダについて説明する。図3において、全体を
符号20で示すセルホルダは、SPR測定用試料セル1
をプリズム43に圧接する保持部材21と、SPR測定
用試料セル1をプリズム43側に案内する案内部材22
とからなる。保持部材21は、下方が開口し中空部25
を有するほぼ有底円筒状に形成され、下端に形成された
フランジ部26には、下方に向かって延在する一対のガ
イドピン27が植設されている。図2(b)に示すよう
に、このガイドピン27の下端部の外周部には、くさび
状の係合溝27aが設けられている。保持部材21の中
空部25には、上端側が保持部材21の裏面に固着され
た圧縮コイルばね28が設けられている。
【0012】案内部材22は上下両端が開口し中空部3
1を有するほぼ円筒状に形成され、図4に示すように、
この案内部材22の周部の一部には、SPR測定用試料
セル1を中空部31に着脱するための開口33が設けら
れている。また、中空部31の下部には、SPR測定用
試料セル1をプリズム43に案内する案内部32が形成
されている。案内部材22の下部側の外周にフランジ部
34が設けられ、このフランジ部34をねじ35によっ
て後述するSPR現象測定装置40の筺体41の上板に
固定すると、案内部材22が筺体41の窓42に嵌合す
るように構成されている。
【0013】案内部材22の周部には、上部が開口した
一対のガイド穴36,36が上下方向に延在するように
凹設され、これらガイド穴36,36には、上述した保
持部材21の一対のガイドピン27,27が係入され摺
動自在に支持される。図2(b)に示すように、案内部
材22には、これらガイド穴36,36内に一部が臨む
ように付勢されたボールプランジャー37が設けられ、
このボールプランジャー37は、図示を省略している
が、上下方向に複数対設けられている。
【0014】次に、図5を用いてSPR現象測定装置に
ついて説明する。SPR現象測定装置40には、ほぼ密
閉状態の箱状に形成された筺体41が備えられ、この筺
体41の上板の一部には円形の窓42が穿設され、この
窓42に対応して筺体41の上板の下面にはプリズム4
3が固定されている。44は光源であって、この光源4
4から放射された光は偏光板45によってp偏光光のみ
が通過し、集光レンズ46によって集光されプリズム4
3に入射する。
【0015】プリズム43に入射角θで入射した光が金
属薄膜5を照射することによって、金属薄膜5からの反
射光の強度変化をCCDラインセンサ47で検出してい
る。このSPR現象測定装置40はバッテリー48によ
る駆動が可能で、図示を省略したパームサイズのパーソ
ナルコンピュータに接続することにより、データの収集
や簡単な処理ができるように構成されている。また、パ
ームサイズのパーソナルコンピュータの赤外線通信機能
を利用してより高性能のホストコンピュータへデータを
転送そうし、データの処理を行うこともできる。
【0016】次に、SPR測定用試料セル1をセルホル
ダ20を介してSPR現象測定装置40に装着する方法
を説明する。先ず、図1(a)において、蓋12を回転
させ、蓋12を容器2の開口から外すことにより、容器
2の開口から図示を省略した試料を入れる。蓋12と容
器2の開口端との間にOリング15を介装するようにし
て、蓋12のねじ部13と容器2のねじ部4とを螺合さ
せ、蓋12によって容器2の開口を閉塞することによ
り、容器2の中空部3を密閉する。
【0017】このように容器2内に試料を入れたSPR
測定用試料セル1を、図4に示すように、案内部材22
の開口33から案内部材22内に挿入し、図3に示すよ
うに、SPR測定用試料セル1の容器2を案内部材22
の案内部32に係入する。このとき、圧縮コイルばね2
8の上端側が保持部材21の裏面に固着されていること
により、圧縮コイルばね28が持ち上げられた状態にな
るので、圧縮コイルばね28の下方には充分な挿入空間
が設けられている。したがって、SPR測定用試料セル
1を案内部材22の開口33から案内部材22内に挿入
する作業が容易になり作業性が向上する。
【0018】図3に示すように、保持部材21を手によ
って下方に向かって押し下げると、一対のガイドピン2
7,27が案内部材22のガイド穴36,36に案内さ
れ、保持部材21が下降する。圧縮コイルばね28の下
端がSPR測定用試料セル1の蓋12の上端に当接し、
さらに保持部材21を手によって下方に向かって押し下
げると、圧縮コイルばね28の弾発力によって、SPR
測定用試料セル1が案内部32に案内されながら下方に
付勢される。したがって、SPR測定用試料セル1の屈
折率整合用フィルム10がプリズム43に圧接されるこ
とにより、この屈折率整合用フィルム10を介してプリ
ズム43と金属薄膜8とが光学的に接着されるので、表
面プラズモン共鳴現象を計測することが可能になる。
【0019】この場合、図2(b)に示すように、ガイ
ドピン27の係合溝27aに係合するボールプランジャ
ー37が案内部材22の上下方向に複数個設けられてい
ることにより、図3において保持部材21を押し下げる
位置を適宜選択することができる。したがって、圧縮コ
イルばね28の弾発力によって屈折率整合用フィルム1
0がプリズム43に適切な圧接力で圧接されるので測定
が正確かつ安定する。また、保持部材21を上昇させ、
SPR測定用試料セル1を案内部材22から着脱すると
きも、ガイドピン27の係合溝27aとボールプランジ
ャー37の係合によって、保持部材21の位置が保持さ
れるので、着脱のための作業性が向上する。
【0020】また、SPR測定用試料セル1の容器2の
底部に屈折率整合用フィルム10を設け、SPR測定用
試料セル1を案内部材22に係入し、保持部材21を押
し下げることにより、表面プラズモン共鳴現象を計測す
ることが可能になる。したがって、従来のようにマッチ
ングオイルを滴下する煩雑な作業が不要になるので作業
性が向上する。本発明者が実験によって確認した結果、
本発明よるSPR測定用試料セル1の交換作業がほぼ5
秒以内で行え、マッチングオイルを接着していた従来の
交換作業と比較して約1/10に短縮されることがわか
った。
【0021】ここで、金属薄膜8の表面に、センサ膜と
しての抗体等を固定し、抗原との結合による抗体の屈折
率の変化を測定することにより、特定物質の定量を行う
ことができる。この抗原の固定化により、免疫反応を測
定する免疫センサー、蛋白分子を計測するバイオセンサ
ー、高感度顕微鏡など、分析化学・生化学・薬品化学・
医療計測等の広範囲な化学・産業分野での多彩な展開が
可能になる。
【0022】
【実施例】透明体9およびプリズム43はBK7ガラス
を使用した。金属薄膜8は透明体9に、Auをスパッタ
法によって500Åに形成した。屈折率整合透明フィル
ム10として、RTV(室温硬化)シリコンゴムまたは
可塑化ポリ塩化ビニル(PVC)膜を使用した。
【0023】蓋12によって容器2の開口を密閉するの
に、ねじ部4,13の螺合およびOリング15の協動に
よって行ったが、蓋12の周面の一部を容器2の開口縁
に枢支するとともに、蓋12の内周面と容器2の開口縁
に互いに嵌合する凹凸部を設け、枢支部を揺動中心とし
て蓋12を揺動させ容器2の開口を閉じることにより、
凹凸部を嵌合させて密閉状態してもよく、種々の設計変
更が可能である。また、容器2の開口から容器2内に試
料を入れるのに、蓋12を着脱自在としたが、開閉自在
とした蓋でもよい。
【0024】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1に係る発
明によれば、マッチングオイルを滴下する必要がないの
で、作業性が向上するだけでなく、作業時間が短縮され
る。また、試料が容器から漏れ出すことがない。
【0025】また、請求項2に係る発明によれば、セン
サ膜によって特定物質の定量を行うことができる。
【0026】また、請求項3に係る発明によれば、SP
R測定用試料セルの屈折率整合用透明フィルムが常に一
定の圧接力によってプリズムに圧接されることにより、
測定が正確かつ安定する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 同図(a)は本発明に係るSPR測定用試料
セルの断面図、同図(b)は同図(a)におけるI
(b) 部の拡大図である。
【図2】 同図(a)は本発明に係るセルホルダの断面
図、同図(b)は同図(a)におけるII部の拡大図であ
る。
【図3】 本発明に係るセルホルダの断面図である。
【図4】 本発明に係るセルホルダからSPR測定用試
料セルを着脱する状態を説明するための側面図である。
【図5】 本発明に係るセルホルダを介してSPR測定
用試料セルをSPR現象測定装置に装着した状態を示す
断面図である。
【符号の説明】
1…SPR測定用試料セル、2…容器、8…金属薄膜、
9…透明体、10…屈折率整合用フィルム、20…セル
ホルダ、21…保持部材、22…案内部材、27…ガイ
ドピン、27a…係合溝、28…圧縮コイルばね、36
…ガイド穴、37…ボールプランジャー、40…SPR
現象測定装置、43…プリズム、44…光源。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 浅野 泰一 青森県八戸市大字田面木字上野平16番地 1 高専宿舎202 (72)発明者 正留 隆 福岡県大牟田市東萩尾町150 (72)発明者 今任 稔彦 福岡県福岡市早良区南庄二丁目8番8号 307 (72)発明者 伏貫 義十 鹿児島県鹿児島市武岡一丁目3番地16 (72)発明者 岩崎 弦 東京都千代田区大手町二丁目3番1号 日本電信電話株式会社内 (72)発明者 丹羽 修 東京都千代田区大手町二丁目3番1号 日本電信電話株式会社内 (72)発明者 田部井 久男 東京都新宿区西新宿二丁目1番1号 エ ヌ・ティ・ティ・アドバンステクノロジ 株式会社内 (72)発明者 飛田 達也 東京都新宿区西新宿二丁目1番1号 エ ヌ・ティ・ティ・アドバンステクノロジ 株式会社内 (56)参考文献 特開2002−214133(JP,A) 特開2002−214134(JP,A) 特開2002−48707(JP,A) 特開2002−214240(JP,A) 特開 平1−138443(JP,A) 特開 平6−123677(JP,A) 特表 平9−505135(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01N 21/00 - 21/01 G01N 21/17 - 21/61 G01N 21/03 - 21/15 G01N 21/62 - 21/74 実用ファイル(PATOLIS) 特許ファイル(PATOLIS) JICSTファイル(JOIS)

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 上方が開口し底部に透明な窓を設けた有
    底筒状の容器と、この容器の開口を開閉し閉じることに
    より容器を密閉状態とする蓋と、前記容器の窓の内側に
    金属薄膜を設けるとともに、窓の外側に窓とほぼ同じ屈
    折率を有する屈折率整合用透明フィルムを設けたことを
    特徴とするSPR測定用試料セル。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のSPR測定用試料セルに
    おいて、前記金属薄膜の表面にセンサ膜を設けたことを
    特徴するSPR測定用試料セル。
  3. 【請求項3】 請求項1または2記載のSPR測定用試
    料セルをプリズム上に案内する筒状の案内部を設けた案
    内部材と、前記SPR測定用試料セルを前記プリズムに
    圧接する付勢部材を有しガイドピンを設けた保持部材と
    からなり、前記案内部材に前記ガイドピンを前記付勢部
    材の付勢方向に摺動自在に支持するガイド穴を設け、こ
    のガイド穴内に前記ガイドピンを摺動方向に対して節度
    的に係止する係脱自在な係止手段を設けたことを特徴と
    するセルホルダ。
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