JP4483634B2 - ナット回り止め構造 - Google Patents

ナット回り止め構造 Download PDF

Info

Publication number
JP4483634B2
JP4483634B2 JP2005066860A JP2005066860A JP4483634B2 JP 4483634 B2 JP4483634 B2 JP 4483634B2 JP 2005066860 A JP2005066860 A JP 2005066860A JP 2005066860 A JP2005066860 A JP 2005066860A JP 4483634 B2 JP4483634 B2 JP 4483634B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
nut
detent structure
cap
hole
shaft
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2005066860A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2006250230A (ja
Inventor
義忠 山岸
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Motors Corp
Original Assignee
Mitsubishi Motors Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Motors Corp filed Critical Mitsubishi Motors Corp
Priority to JP2005066860A priority Critical patent/JP4483634B2/ja
Publication of JP2006250230A publication Critical patent/JP2006250230A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4483634B2 publication Critical patent/JP4483634B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Transmission Devices (AREA)

Description

本発明は、ナット回り止め構造に関する。
従来のナット回り止め構造は、例えば、図9に示すように、2つの貫通孔31,32が形成された軸33と、軸33のおねじ部33aに螺合するめねじ部34aと、その上部に形成された6つの突起部35とを有する所謂キャッスルナット34と、ピン36とを備えている。このナット回り止め構造40では、軸33のおねじ部33aにキャッスルナット34のめねじ部34aを螺合させた状態で、ピン36がキャッスルナット34の突起部35間の溝37、軸33の貫通孔31または貫通孔32に差し込まれており、キャッスルナット34と軸33との相対的な回転を防止している。
特許文献1には、軸の連通孔に対するナットの取付位置のいかんに係りなく、該ナットの緩みを防止することができるナットの緩み止め機構が開示されている。このナットの緩み止め機構は、おねじを有し、かつ、このおねじ部分に形成された径方向に貫通する連通孔を備えた軸と、この軸に螺合するナットと、前記軸を挿通する孔を有し前記軸に垂直な平面をなす底部、およびこの底部の外周から軸方向ナット側へ延びてナットの外周に当接可能な係止壁、および底部の前記穴の縁から円周方向に沿って軸方向で上記ナットと反対側へ延ばされる複数の突起、をそれぞれ備えたキャップと、このキャップの底部と前記ナットの頭部との間で軸方向に圧縮されて介在される弾性体と、前記軸の連通孔およびこの連通孔の両側に位置するそれぞれの突起間に挿通され、かつ、連通孔の両側から突出した部分にそれぞれ係止部が形成されるピンと、から構成している。
特開昭62−48087号公報
しかしながら、上述したナット回り止め構造40では、キャッスルナット34を所定の力で締め付けた際に、軸33の貫通孔31,32と、キャッスルナット34の溝37とが一致しないときには、キャッスルナット34を締め付けたり緩めたりして、軸33の貫通孔31,32とキャッスルナット34の溝37とを一致させるようにしていた。具体的には、図10に示すように、このようなナット回り止め構造40では、軸33の貫通孔31a−31a´,32a−32a´とキャッスルナット34の溝37A−37A´,37B−37B´,37C−37C´とが最大で15°ずれることとなり、時計回りを正とし、反時計回りを負とすると、キャッスルナット34を最大で±15°回さなければならなかった(調整角度30°)。それに伴って、軸33の軸力が変動し、必要軸力の上限・下限を超える可能性があった。また、この調整による軸力変動を包含した締付トルクを設定した場合には、トルク管理が厳しくなってしまう、という問題があった。
特許文献1に記載のナットの緩み止め構造でも、6角形のナットと、12個の窪みを有するキャップで係止し、ピンを用いて固定しているので、最大で15°ずれることとなり、時計回りを正とし、反時計回りを負とすると、ナットを最大で±15°回さなければならなかった(調整角度30°)。それに伴って、ナットを回すと軸の軸力が変動し、必要軸力の上限・下限を超える可能性があった。また、この調整による軸力変動を包含した締付トルクを設定した場合には、トルク管理が厳しくなってしまう、という上述したナット回り止め構造と同様の問題があった。
そこで、本発明は、前述した問題に鑑み提案されたもので、ナットの調整による軸力の変動を防止したナット回り止め構造を提供することを目的とする。
上述した課題を解決する第1の発明に係るナット回り止め構造は、
おねじ部と、該おねじ部に形成され、径方向に貫通する貫通孔を有す軸と、
前記軸に螺合し、上面から上方に突出した頭部の外周に被係合部が形成されたナットと、
前記軸に貫通し、前記ナットの前記頭部のみを覆って前記被係合部に係合する係合部が下部に形成される一方、ピンが挿通する挿通部が上部に形成されたキャップと、
ピンを備え、
前記キャップを回転させることで、前記ナットに対して前記キャップの位置を調整して、前記キャップの挿通部と前記軸の貫通孔とを一致させ、前記ピンを前記挿通部及び前記貫通孔に挿通させて、前記ナットと前記軸との相対的な回転を防止するようにした
ことを特徴とする。
上述した課題を解決する第2の発明に係るナット回り止め構造は、第1の発明に記載されたナット回り止め構造であって、360を、前記係合部と前記被係合部の周方向における係合組み合わせ個数と前記挿通部の数量と前記貫通孔の開口数との最小公倍数で割った数値が30未満であることを特徴とする。
上述した課題を解決する第3の発明に係るナット回り止め構造は、第2の発明に記載されたナット回り止め構造であって、360を、前記係合部と前記被係合部の周方向における係合組み合わせ個数と前記挿通部の数量と前記貫通孔の開口数との最小公倍数で割った数値が10以下であることを特徴とする。
上述した課題を解決する第4の発明に係るナット回り止め構造は、第1の発明乃至第3の発明の何れかに記載されたナット回り止め構造であって、前記係合部と前記被係合部の周方向における係合組み合わせ個数を7または9とし、前記挿通部の数量を8または10とすると共に、前記貫通孔の開口数を2または4とすることを特徴とする。
第1の発明に係るナット回り止め構造によれば、所定の大きさの力でナットを締めた後、前記ナットに形成された被係合部に対してキャップを回転させて、キャップに形成された係合部を係合させて、キャップの位置を調整して、軸の貫通孔とキャップの挿通部とを一致させることにより、ピンを前記挿通部及び前記貫通孔に容易に挿通させることができる。その結果、ピンを挿通させるためにナットを回す調整作業およびナットを回す調整時間を短縮することができ、ひいてはナットを回す調整工程を不要とすることができるので、生産性を向上させることができる。
第2の発明に係るナット回り止め構造によれば、第1の発明に記載されたナット回り止め構造と同様な作用効果を奏する他、360を、前記係合部と前記被係合部の周方向における係合組み合わせ個数と前記挿通部の数量と前記貫通孔の開口数との最小公倍数で割った数値が、ピンを挿通するためにナットの回転させる調整角度の最大値となり、それを30未満にすることにより、従来のナット回り止め構造に比べてナットを回転させる調整角度を細かくすることができる。その結果、ナットを回す調整作業およびナットを回す調整時間を更に短縮することができ、生産性をさらに向上させることができる。
第3の発明に係るナット回り止め構造によれば、第2の発明に記載されたナット回り止め構造と同様な作用効果を奏する他、ナットの回転させる調整角度の最大値を10以下とすることにより、所定の大きさの力でナットを締めた後、時計回りを正として、反時計回りを負とすると、ピンを挿通させるためにナットを回転させる調整角度は±5°程度でよくなり、従来のナット回り止め構造に比べてナットを回転させる調整角度をより一層細かくすることができる。その結果、ナットを回す調整作業およびナットを回す調整時間をより一層短縮することができ、ひいてはナットを回す調整工程を不要とすることができるので、生産性をより一層向上させることができる。
第4の発明に係るナット回り止め構造によれば、第1の発明乃至第3の発明に記載されたナット回り止め構造と同様な作用効果を奏する他、係合組み合わせ個数、挿通部の数、貫通孔の開口数が限定されることとなり、ナットの被係合部とキャップの係合部との係合力を確保しながらも(いずれかを細かくしすぎると、係合力が小さくなりキャップによるナットの回転規制ができなくなる)、前記係合部もしくは前記被係合部、前記挿通部および前記貫通孔の取り得る角度が決まり、ナットの被係合部とキャップの係合部との係合力を確保しながら、従来のナット回り止め構造に比べてナットを回転させる調整角度を細かくすることができる。
以下に、本発明に係るナット回り止め構造を実施するための最良の形態を実施例に基づき具体的に説明する。
図1は、本発明の第1の実施例に係るナット回り止め構造を示す図であり、図1(a)にその斜視、図1(b)にそれを分解した状態を示す。図2は、本発明の第1の実施例に係るナット回り止め構造に用いられるキャップの後面視図である。図3は、本発明の第1の実施例に係るナット回り止め構造におけるナットとキャップの組み合わせであって、図3(a)はキャップに形成される係合部の凹凸部の数を減らした例、図3(b)はナットに形成された被係合部の凹凸部の数を少なくした例を示す。図4は、本発明の第1の実施例に係るナット回り止め構造における係合組み合わせとキャップの溝部との関係を示す図である。
本発明の第1の実施例に係るナット回り止め構造20は、図1,図2に示すように、おねじ部1と、おねじ部1に形成され、径方向に貫通する貫通孔2を有す軸3と、軸3のおねじ部1に螺合するめねじ部4と、頭部に形成された被係合部5を有すナット6と、軸3が貫通する穴7を有するキャップ11と、ピン9とを備える。キャップ11は、ナット6の被係合部5に係合する係合部8が下部に形成される一方、ピン9が挿通する挿通部10が上部に形成される。貫通孔2の開口数は2個形成される。
このナット回り止め構造20では、ナット6の被係合部5に対してキャップ11の係合部8の位置を調整して、キャップ11の挿通部10と軸3の貫通孔2とを一致させ、ピン9を挿通部10及び貫通孔2に挿通させて、ナット6と軸3との相対的な回転を防止する。
尚、ピン9は挿通後抜け落ちないよう、割ピン等を用いてもよい。
ナット6の被係合部5は、外側に凸となるナット凸部12と、隣接するナット凸部12間のナット凹部13とからなる歯車状のものである。この被係合部5では、ナット凸部12及びナット凹部13がそれぞれ9つ形成される。
キャップ11の係合部8は、図2に示すように、外側に凸となる凸部14と、隣接する凸部14間の凹部15とからなる歯車状のものである。この係合部8では、凸部14及び凹部15がそれぞれ9つ形成される。
尚、ここでは凸部14と凹部15は、それぞれナット凸部12とナット凹部13に対応して同数としたが、ナットとキャップとの相対的な回転を規制することができれば、図3(a)または図3(b)に示すように、キャップ21に形成される凸部22と凹部23、または、ナット24に形成されるナット凸部25とナット凹部26の数のどちらかを少なくしてもよい。
キャップ11の挿通部10は、上方に延設してなる突起部16と、隣接する突起部16間の溝部17とからなる。この挿通部10では、突起部16及び溝部17がそれぞれ8つ形成される。
ここで、本発明の第1の実施例に係るナット回り止め構造20におけるキャップ11に形成される係合部8とナット6に形成される被係合部5の周方向における係合組み合わせ個数とキャップ11の挿通部10をなす溝部17との関係を図4に示す。キャップ11に形成された係合部8とナット6に形成された被係合部5が係合するある一つの係合組み合わせを基準とし、キャップ11を時計回りに回転させることによって、周方向に係合組み合わせがかわる。ある一つの係合組み合わせを0とし、周方向にかわる係合組み合わせに対して順次1,2,3,…8まで符号を付ける。挿通部10の各溝部17に、時計回りに1から8まで順次符号を付ける。
以下、12時の位置を0°として説明する。
図4に示すように、ナット回り止め構造20では、ナット6に対してキャップ11の溝部17が5°毎に所定の角度を取ることが分かる。すなわち、ナット6に対してキャップ11の溝部17を5°毎に調整することができることが分かる。
実施例1におけるナット回り止め構造20において、係合組み合わせ個数である9と溝部17の数量である8と貫通孔2の開口数である2との最小公倍数である72で360を割ると5となり、貫通孔2と溝部17とを一致させるためにナット6を回転させる最大調整角度は5°(±2.5°)となる。つまり、ナット6にキャップ11を取り付けたときに、貫通孔2に対して最も近いキャップ11の溝部17が2.5°以上ずれているとき、キャップ11を時計回り又は反時計回りにずらしていけば(係合組み合わせをかえれば)、5°毎に貫通孔2とキャップ11の溝部17とが近づいていき適した位置を早く見つけ出せることを示す。
したがって、本発明の第1の実施例に係るナット回り止め構造20によれば、所定の大きさの力でナット6を締めた後、軸3の貫通孔2とキャップ11の溝部17とを一致させるようにし、ピン9を溝部17及び貫通孔2に挿通させるために、ナット6を回転させる最大調整角度を5°(±2.5°)とすることができ、従来の構造より細かくすることができ、ナット6を回す調整作業およびナット6を回す調整時間を短縮することができ、ひいてはナット6を回す調整工程を不要とすることができるので、生産性を向上させることができる。
なお、上記ナット回り止め構造20では、軸に1つの貫通孔2を形成したものを用いて説明したが、軸に2つの貫通孔を直交するように形成しても良い。このような形状の軸を有するナットの回り止め構造であっても、上記第1の発明に係るナット回り止め構造と同様な作用効果を奏する。
以下に、本発明の第2の実施例に係るナット回り止め構造について、表を用いて具体的に説明する。第2の実施例に係るナット回り止め構造は、上述した第1の実施例に係るナット回り止め構造における係合組み合わせ個数、キャップの溝部の数量を変えたものである。第2の実施例に係るナット回り止め構造は、上記第1の実施例に係るナット回り止め構造と同じ構成を有するので、その説明を省略する。
図5は、本発明の第2の実施例に係るナット回り止め構造における係合組み合わせとキャップの溝部との関係を示す図である。
第2の実施例に係るナット回り止め構造では、係合組み合わせ個数を9とし、キャップの溝部の数量を10とする。なお、図5では、ある一つの係合組み合わせを基準0とし、0から8まで順次符号を付ける。挿通部の各溝部に、時計回りに1から10まで順次符号を付ける。
図5に示すように、このナット回り止め構造では、4°毎に所定の角度を取ることが分かる。すなわち、ナットに対して溝部を4°毎に調整することができることが分かる。
本発明の第2の実施例に係るナット回り止め構造において、係合組み合わせ個数である9と溝部の数量である10と貫通孔の開口数である2との最小公倍数である90で360を割ると4となり、貫通孔と溝部とを一致させるためにナットを回転させる最大調整角度は4°(±2.0°)となる。つまり、ナットにキャップを取り付けたときに、貫通孔に対して最も近いキャップの溝部が2°以上ずれているとき、キャップを時計回り又は反時計回りにずらしていけば(係合組み合わせをかえれば)、4°毎に貫通孔とキャップの溝部とが近づいていき適した位置を早く見つけ出せることを示す。
したがって、本発明の第2の実施例に係るナット回り止め構造によれば、所定の大きさの力でナットを締めた後、軸の貫通孔とキャップの溝部とを一致させるようにし、ピンを溝部及び貫通孔に挿通させるために、ナットを回転させる最大調整角度を4°(±2.0°)とすることができ、従来の構造より細かくすることができ、ナットを回す調整作業およびナットを回す調整時間を短縮することができ、ひいてはナットを回す調整工程を不要とすることができるので、生産性を向上させることができる。
なお、上記ナット回り止め構造では、軸に1つの貫通孔を形成したものを用いて説明したが、軸に2つの貫通孔を直交するように形成しても良い。このような形状の軸を有するナットの回り止め構造では、貫通孔の開口数は4となり、係合組み合わせ個数である9と溝部の数量である10と貫通孔の開口数である4との最小公倍数である180で360を割ると2となり、貫通孔と溝部とを一致させるためにナットを回転させる最大調整角度は2°(±1.0°)とすることができ、ナットを回す調正角度は更に細かくなり、上記第2の発明に係るナット回り止め構造より、作用効果は向上する。
以下に、本発明の第3の実施例に係るナット回り止め構造について、表を用いて具体的に説明する。第3の実施例に係るナット回り止め構造は、上述した第1の実施例に係るナット回り止め構造における係合組み合わせ個数、キャップの溝部の数量を変えたものである。第3の実施例に係るナット回り止め構造は、上記第1の実施例に係るナット回り止め構造と同じ構成を有するので、その説明を省略する。
図6は、本発明の第3の実施例に係るナット回り止め構造における係合組み合わせとキャップの溝部との関係を示す図である。
第3の実施例に係るナット回り止め構造では、係合組み合わせ個数を7とし、キャップの溝部の数量を8とする。なお、図6では、ある一つの係合組み合わせを基準0とし、0から6まで順次符号を付ける。挿通部の各溝部に、時計回りに1から8まで順次符号を付ける。
図6に示すように、このナット回り止め構造では、約6.4°毎に所定の角度を取ることが分かる。すなわち、ナットに対して溝部を約6.4°毎に調整することができることが分かる。
本発明の第3の実施例に係るナット回り止め構造において、係合組み合わせ個数である7と溝部の数量である8と貫通孔の開口数である2との最小公倍数である56で360を割ると約6.4となり、貫通孔と溝部とを一致させるためにナットを回転させる最大調整角度は約6.4°(±3.2°)となる。つまり、ナットにキャップを取り付けたときに、貫通孔に対して最も近いキャップの溝部が約3.2°以上ずれているとき、キャップを時計回り又は反時計回りにずらしていけば(係合組み合わせをかえれば)、約6.4°毎に貫通孔とキャップの溝部とが近づいていき適した位置を早く見つけ出せることを示す。
したがって、本発明の第3の実施例に係るナット回り止め構造によれば、所定の大きさの力でナットを締めた後、軸の貫通孔とキャップの溝部とを一致させるようにし、ピンを溝部及び貫通孔に挿通させるために、ナットを回転させる最大調整角度を約6.4°(±3.2°)とすることができ、従来の構造より細かくすることでき、ナットを回す調整作業およびナットを回す調整時間を短縮することができ、ひいてはナットを回す調整工程を不要とすることができるので、生産性を向上させることができる。
なお、上記ナット回り止め構造では、軸に1つの貫通孔を形成したものを用いて説明したが、軸に2つの貫通孔を直交するように形成しても良い。このような形状の軸を有するナットの回り止め構造であっても、上記第3の発明に係るナット回り止め構造と同様な作用効果を奏する。
以下に、本発明の第4の実施例に係るナット回り止め構造について、表を用いて具体的に説明する。第4の実施例に係るナット回り止め構造は、上述した第1の実施例に係るナット回り止め構造における係合組み合わせ個数、キャップの溝部の数量を変えたものである。第4の実施例に係るナット回り止め構造は、上記第1の実施例に係るナット回り止め構造と同じ構成を有するので、その説明を省略する。
図7は、本発明の第4の実施例に係るナット回り止め構造における係合組み合わせとキャップの溝部との関係を示す図である。
第4の実施例に係るナット回り止め構造では、係合組み合わせ個数を7とし、キャップの溝部の数量を10とする。なお、図7では、ある一つの係合組み合わせを基準0とし、0から6まで順次符号を付ける。挿通部の各溝部に、時計回りに1から10まで順次符号を付ける。
図7に示すように、このナット回り止め構造では、約5.1°毎に所定の角度を取ることが分かる。すなわち、ナットに対して溝部を約5.1°毎に調整することができることが分かる。
本発明の第4の実施例に係るナット回り止め構造において、組み合わせ個数である7と溝部の数量である10と貫通孔の開口数である2との最小公倍数である70で360を割ると約5.1となり、貫通孔と溝部とを一致させるためにナットを回転させる最大調整角度は約5.1°(±2.6°)となる。つまり、ナットにキャップを取り付けたときに、貫通孔に対して最も近いキャップの溝部が2.6°以上ずれているとき、キャップを時計回り又は反時計回りにずらしていけば(係合組み合わせをかえれば)、約5.1°毎に貫通孔とキャップの溝部とが近づいていき適した位置を早く見つけ出せることを示す。
したがって、本発明の第4の実施例に係るナット回り止め構造によれば、所定の大きさの力でナットを締めた後、軸の貫通孔とキャップの溝部とを一致させるようにし、ピンを溝部及び貫通孔に挿通させるために、ナットを回転させる最大調整角度を約5.1°(±2.6°)とすることができ、従来の構造より細かくすることができ、ナットを回す調整作業およびナットを回す調整時間を短縮することができ、ひいてはナットを回す調整工程を不要とすることができるので、生産性を向上させることができる。
なお、上記ナット回り止め構造では、軸に1つの貫通孔を形成したものを用いて説明したが、軸に2つの貫通孔を直交するように形成しても良い。このような形状の軸を有するナットの回り止め構造では、貫通孔の開口数は4となり、係合組み合わせ個数である7と溝部の数量である10と貫通孔の開口数である4との最小公倍数である140で360を割ると約2.5となり、貫通孔と溝部とを一致させるためにナットを回転させる最大調整角度は2.5°(±1.3°)とすることができ、ナットを回す調正角度は更に細かくなり、上記第4の発明に係るナット回り止め構造より、作用効果は向上する。
以下に、本発明の第5の実施例に係るナット回り止め構造について、表を用いて具体的に説明する。第5の実施例に係るナット回り止め構造は、上述した第1の実施例に係るナット回り止め構造における係合組み合わせ個数、キャップの溝部の数量を変えたものである。第5の実施例に係るナット回り止め構造は、上記第1の実施例に係るナット回り止め構造と同じ構成を有するので、その説明を省略する。
図8は、本発明の第5の実施例に係るナット回り止め構造における係合組み合わせとキャップの溝部との関係を示す図である。
本発明の第5の実施例に係るナット回り止め構造では、係合組み合わせ個数を11とし、キャップの溝部の数量を10とする。なお、図8では、ある一つの係合組み合わせを基準0とし、0から10まで順次符号を付ける。挿通部の各溝部に、時計回りに1から10まで順次符号を付ける。
図8に示すように、このナット回り止め構造では、約3.2°毎に所定の角度を取ることが分かる。すなわち、ナットに対して溝部を約3.2°毎に調整することができることが分かる。
本発明の第5の実施例に係るナット回り止め構造において、係合組み合わせ個数である11と溝部の数量である10と貫通孔の開口数である2との最小公倍数である110で360を割ると約3.2となり、貫通孔と溝部とを一致させるためにナットを回転させる最大調整角度は約3.2°(±1.6°)となる。つまり、ナットにキャップを取り付けたときに、貫通孔に対して最も近いキャップの溝部が1.6°以上ずれているとき、キャップを時計回り又は反時計回りにずらしていけば(係合組み合わせをかえれば)、約3.2°毎に貫通孔とキャップの溝部とが近づいていき適した位置を早く見つけ出せることを示す。
したがって、本発明の第5の実施例に係るナット回り止め構造によれば、所定の大きさの力でナットを締めた後、軸の貫通孔とキャップの溝部とを一致させるようにし、ピンを溝部及び貫通孔に挿通させるために、ナットを回転させる最大調整角度を約3.2°(±1.6°)とすることができ、従来の構造より細かくすることができ、ナットを回す調整作業およびナットを回す調整時間を短縮することができ、ひいてはナットを回す調整工程を不要とすることができるので、生産性を向上させることができる。
なお、上記ナット回り止め構造では、軸に1つの貫通孔を形成したものを用いて説明したが、軸に2つの貫通孔を直交するように形成しても良い。このような形状の軸を有するナットの回り止め構造では、貫通孔の開口数は4となり、係合組み合わせ個数である11と溝部の数量である10と貫通孔の開口数である4との最小公倍数である220で360を割ると約1.6となり、貫通孔と溝部とを一致させるためにナットを回転させる最大調整角度は約1.6°(±0.8°)とすることができ、ナットを回す調正角度は更に細かくなり、上記第5の発明に係るナット回り止め構造より、作用効果は向上する。
[比較例1]
以下に、比較例1のナット回り止め構造について、説明する。比較例1のナット回り止め構造は、上述した第1の実施例に係るナット回り止め構造における係合組み合わせ個数、キャップの溝部の数量を変えたものである。比較例1のナット回り止め構造は、上記第1の実施例に係るナット回り止め構造と同じ構成を有するので、その説明を省略する。
図9は、比較例1のナット回り止め構造における係合組み合わせとキャップの溝部との関係を示す図である。
比較例1のナット回り止め構造では、係合組み合わせ個数を10とし、キャップの溝部の数量を8とする。なお、図9では、ある一つの係合組み合わせを基準0とし、0から9まで順次符号を付ける。挿通部の各溝部に、時計回りに1から8まで順次符号を付ける。
図9に示すように、比較例1のナット回り止め構造では、ナットに対するキャップの溝部の取り得る角度が重なる、例えば、係合組み合わせ番号が0で、溝部番号が3の時と、係合組み合わせ番号が5で溝部番号が7の時にはその調整角度が共に90°となる。すなわち、係合組み合わせと溝部との組み合わせが有効に実施されておらず、係合組み合わせ個数である10と溝部の数量である8と貫通孔の開口数である2との最小公倍数である40で360を割ると9となり、貫通孔と溝部とを一致させるためにナットを回転させる最大調整角度は9°(±4.5°)となってしまう。
また、比較例1のナット回り止め構造と実施例1,3に係るナット回り止め構造を比較すると、比較例1ではナットを回す調整量が9°(±4.5°)となるのに対して、実施例1ではナットを回す調整量が5°(±2.5°)となり、実施例3ではナットを回す調整量が約6.4°(±3.2°)となっており、実施例1,3におけるナット凸部の数に比べて、比較例1におけるナット凸部の数を多くしたりして係合組み合わせ個数を多くしても、そのナットを回す調整量が小さくならないことが分かる。
尚、上述した実施例では、キャップに形成された挿通部を溝部としたが、溝のかわりに、ピンを挿通する孔を設けてもよい。
本発明は、ナット回り止め構造に利用することが可能である。
本発明の第1の実施例に係るナット回り止め構造を示す図である。 本発明の第1の実施例に係るナット回り止め構造に用いられるキャップの後面視図である。 本発明の第1の実施例に係るナット回り止め構造に用いられるナットとキャップの組み合わせであって、キャップに形成される係合部の凹凸部の数を減らした例(a)と、ナットに形成された被係合部の凹凸部の数を少なくした例(b)を示す図である。 本発明の第1の実施例に係るナット回り止め構造における係合組み合わせとキャップの溝部との関係を示す図である。 本発明の第2の実施例に係るナット回り止め構造における係合組み合わせとキャップの溝部との関係を示す図である。 本発明の第3の実施例に係るナット回り止め構造における係合組み合わせとキャップの溝部との関係を示す図である。 本発明の第4の実施例に係るナット回り止め構造における係合組み合わせとキャップの溝部との関係を示す図である。 本発明の第5の実施例に係るナット回り止め構造における係合組み合わせとキャップの溝部との関係を示す図である。 比較例1のナット回り止め構造における係合組み合わせとキャップの溝部との関係を示す図である。 従来のナット回り止め構造を示す図である。 従来のナット回り止め構造の説明図である。
符号の説明
2 貫通孔
3 軸
5 被係合部
6 ナット
8 係合部
9 ピン
10 挿通部
11 キャップ
20 ナット回り止め構造

Claims (4)

  1. おねじ部と、該おねじ部に形成され、径方向に貫通する貫通孔を有す軸と、
    前記軸に螺合し、上面から上方に突出した頭部の外周に被係合部が形成されたナットと、
    前記軸に貫通し、前記ナットの前記頭部のみを覆って前記被係合部に係合する係合部が下部に形成される一方、ピンが挿通する挿通部が上部に形成されたキャップと、
    ピンを備え、
    前記キャップを回転させることで、前記ナットに対して前記キャップの位置を調整して、前記キャップの挿通部と前記軸の貫通孔とを一致させ、前記ピンを前記挿通部及び前記貫通孔に挿通させて、前記ナットと前記軸との相対的な回転を防止するようにした
    ことを特徴とするナット回り止め構造。
  2. 請求項1に記載されたナット回り止め構造であって、
    360を、前記係合部と前記被係合部の周方向における係合組み合わせ個数と前記挿通部の数量と前記貫通孔の開口数との最小公倍数で割った数値が30未満である
    ことを特徴とするナット回り止め構造。
  3. 請求項2に記載されたナット回り止め構造であって、
    360を、前記係合部と前記被係合部の周方向における係合組み合わせ個数と前記挿通部の数量と前記貫通孔の開口数との最小公倍数で割った数値が10以下である
    ことを特徴とするナット回り止め構造。
  4. 請求項1乃至請求項3の何れかに記載されたナット回り止め構造であって、
    前記係合部と前記被係合部の周方向における係合組み合わせ個数を7または9とし、前記挿通部の数量を8または10とすると共に、前記貫通孔の開口数を2または4とする
    ことを特徴とするナット回り止め構造。
JP2005066860A 2005-03-10 2005-03-10 ナット回り止め構造 Expired - Fee Related JP4483634B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005066860A JP4483634B2 (ja) 2005-03-10 2005-03-10 ナット回り止め構造

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005066860A JP4483634B2 (ja) 2005-03-10 2005-03-10 ナット回り止め構造

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2006250230A JP2006250230A (ja) 2006-09-21
JP4483634B2 true JP4483634B2 (ja) 2010-06-16

Family

ID=37090954

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2005066860A Expired - Fee Related JP4483634B2 (ja) 2005-03-10 2005-03-10 ナット回り止め構造

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4483634B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN103925278A (zh) * 2014-05-06 2014-07-16 郝家元 一种防盗螺丝

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
GB2539218A (en) 2015-06-09 2016-12-14 Airbus Operations Ltd A pin assembly
JP6762165B2 (ja) * 2016-08-26 2020-09-30 アズビル株式会社 調節弁
CN106151226A (zh) * 2016-08-27 2016-11-23 江苏东奇标准件有限公司 一种紧固螺母

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN103925278A (zh) * 2014-05-06 2014-07-16 郝家元 一种防盗螺丝

Also Published As

Publication number Publication date
JP2006250230A (ja) 2006-09-21

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4483634B2 (ja) ナット回り止め構造
CA2652672C (en) Countersunk head screw
KR100795706B1 (ko) 헐거움 방지 너트
US20090252549A1 (en) Spline Connection Structure
GB2153033A (en) Driving formations of screws
US7101132B2 (en) Bolt fastener
JP6039841B1 (ja) 緩み止めナット
JP2002349536A (ja) 緩み止めねじ
JP5872910B2 (ja) ナットの回転抑制構造
WO2020262267A1 (ja) 緩まないナット
JP2006043868A (ja) ドリル用面取り工具
JP7329195B2 (ja) ナットの回り止め構造
EP0961042B1 (en) Head for devices rotating upon operation of associated operating tools with internal seat for engagement with the tools themselves
TWI692588B (zh) 防鬆脫止退螺鎖構造
WO2010024026A1 (ja) ドライバービット及びねじ並びにこれらの組合せ
JP6491773B1 (ja) 締結構造体
EP4253774A1 (en) Anti-theft locking device for a vehicle wheel
JP5794841B2 (ja) 締結構造体
KR200345713Y1 (ko) 너트 풀림방지구조
US20140123817A1 (en) Ratchet wrench with a directional shifting structure
JP2019039515A (ja) ナットの緩み止め構造
JP3244560U (ja) タイヤ固定ナット構造
WO2021177401A1 (ja) 連結構造
JPH0645684Y2 (ja) 取外し防止ねじ
JP5957632B2 (ja) ゆるみ止めナット

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20070629

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20090417

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20090602

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20090722

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20100302

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20100315

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 4483634

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130402

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140402

Year of fee payment: 4

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees